金融審議会「投資運用等に関するワーキング・グループ」(第3回) 議事録

  • 1.日時:

    平成26年11月6日(木曜日)13時00分~15時00分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

【神田座長】

予定の時間より少し早いですけれども、予定の委員の皆様方はお集まりでございますので、始めさせていただきたいと思います。

ただいまから、「投資運用等に関するワーキング・グループ」の第3回目の会合を開催させていただきます。皆様方には大変お忙しいところをお集まりいただきましてまことにありがとうございます。早速でございますけれども、本日の議事に移らせていただきます。

本日の会合では、前回に引き続きまして、関係者の皆様方からヒアリングを行う機会を設けたいと思います。それで、本日は、参考人としてお三方においでいただいております。日本弁護士連合会消費者問題対策委員会副委員長・金融サービス部会部会長でいらっしゃいます加藤進一郎様。

【加藤参考人】

よろしくお願いいたします。

【神田座長】

ありがとうございます。それから、日本ベンチャーキャピタル協会理事・東京大学エッジキャピタル代表取締役社長郷治友孝様。

【郷治参考人】

よろしくお願いいたします。

【神田座長】

ありがとうございます。それから、スカイランドベンチャーズ代表パートナー木下慶彦様。

【木下参考人】

よろしくお願いします。

【神田座長】

以上お三方にご出席いただいております。お三方におかれましては、本日は大変お忙しいところお越しくださいましてまことにありがとうございます。

そこで、本日の議事の進め方でございますけれども、まず、日本弁護士連合会としてのご意見について加藤参考人からお話をいただきます。その次にベンチャーキャピタルとしてのご意見について郷治参考人からお話をいただきたいと思います。ただ、その際、本日は磯崎委員から資料の提出がございますので、郷治参考人からのご説明に続きまして磯崎委員、それから木下参考人からということで、お話を伺うことにしたいと思います。

そこで、加藤参考人からお話をいただいた後に、一旦、質疑応答の時間を設け、その後、郷治、磯崎、木下のお三方からご説明をいただき、その後、質疑応答の時間を設けるというやり方でいきたいと思います。これらが終わりましたら、さらに事務局からプロ向けファンドに関する海外の制度の状況についてのご説明をいただき、さらにその後、証券課の井上課長から第1回目、第2回目の会合で出されましたご質問に対する回答についてご説明をいただきます。最後に自由討議の時間があることを祈っております。本日も大変盛りだくさんでございますので、よろしくお願いいたします。

それでは、早速、日本弁護士連合会の加藤参考人から日弁連としてのご意見について、できましたら10分程度ということですけれども、ご説明をよろしくお願いいたします。

【加藤参考人】

日弁連消費者問題対策委員会の金融サービス部会長をしております加藤と申します。よろしくお願いいたします。本日はプロ向けファンド問題について、日弁連からのヒアリングの機会を設けていただきまことにありがとうございます。

早速ですが、中身に入らせていただきまして、資料1に基づいてお話しさせていただきます。日弁連は、これまでこの問題について意見書を2通、要望書を1通出しております。過去のものですが、7/36につづりました添付資料1は2007年5月11日の意見で、これは金商法施行前の意見でございます。当時からプロ向けファンドの対象は適格機関投資家と適格機関投資家の役員及びその親族に限定すべきとしておりました。プロ同士の取引という制度の建付けから適格機関投資家以外の者が取引の相手方に含まれるとしても、それはファンドと関係の深い一般投資家に限定されるべきという理由に基づくものです。

続きまして、28/36からの添付資料2で、本年2月20日の意見です。2012年4月1日に内閣府令監督指針の改正がなされましたが、その後もファンド形態を利用した詐欺的投資被害が減少しないという状況のもとでの意見です。適格機関投資家の役員及びその親族に限定して個人投資家への勧誘禁止を求めるもので、意見の理由の中では、適格機関投資家が投資事業有限責任組合でよいことの問題性、あるいは、適格機関投資家の出資額に下限が定められていないことの問題性、届出をしていることをお墨付きを得たかのように悪用し勧誘していることの問題性を指摘しております。

続きまして、33/36、資料の3が本年6月6日付の要望で、今回の政令・府令(案)に対する意見募集に応じての要望書でございます。適格機関投資家等以外の者につき限定を加えた点について賛成し、従前の意見どおり、一般個人投資家への勧誘を禁止すべきとするものです。

その後、34/36以下をご覧いただきたいと思います。今回のヒアリングに向けて、少し時間がなかったものですから、実質1週間ほどでしたが、部会のメンバーを中心に被害事例の集約を行ったものが30例です。実質1週間ほどですのでちょっと不十分な部分もありますがご容赦ください。

被害事案を一覧化しましたが、列ごとに少し紹介していきますと、左から3列目の損害額(出捐額)という部分です。被害金額と言いかえてもいいと思います。その被害者の収入・資産というのは、事例の収集上、その詳細まで明らかにならないことが多いものですから、被害金額、出捐額というのがどの程度かというのは、どの程度の収入や資産がある人が被害に遭っているかということを検討する上で有用かと考えております。

この表を見ていただきましても、多額の被害の事案が多数ありまして、個人、あるいはご夫婦、あるいは事案上、親子であろうと思われるようなケースで、そのようなもので1,000万円以上の被害を被っている事例が多数にわたります。例えば、見ていきますと、2番、3番、9番、10番、11番、12番、16番、17番、18番、19番、21番、22番、27番、29番、30番と、1,000万円という単位の被害金額で切ってもこのぐらいの数が30の中で挙がってくるということです。

今、見ていただいた表の中に1億以上とか3億以上というものがありましたが、それ以外の特徴もありまして、集団的な被害が多いというところも指摘できるかと思います。中には、一般投資家の被害が49名に限定されないような被害事案も報告されております。例えば、34に戻っていただいて13番ですが、これは、プロ向けファンドの破産事案です。一般投資家の被害者が79名で、被害金額1億6,400万円に上っている、1人で2,400万円強の被害に遭った人もいるという事案で、多数の被害になっております。

それから、その下の14番も原告82名での集団訴訟ということになっておりますし、15番は原告14名の集団訴訟、20番も集団訴訟、このケースは、63条業者のほうも多数とのことです。それから、23番も集団訴訟、26番も集団訴訟ということになっております。

続きまして、被害者の属性です。年齢ですが、確かに高齢者が多いということは指摘できようかと思いますが、例えば、14番のような二十代、三十代の男女が中心であるとか、15番の四十代が被害に遭っている。あるいは、20番の30代、40代の女性が中心になっているというようなケースの指摘もあります。確かに、職業を見ますと、高齢者は無職者が多いのですが、例えば、10番は会社代表者が被害に遭ったケースですし、15番の集団被害の中には医師や会社員、16番も会社員が含まれているというケースです。また、投資経験という意味では、投資信託の経験があることが判明しているケースもありまして、18番や27番などがそれらに当たります。

それから、ファンドの概要や勧誘文言というところですけれども、よく見られるケースとして、金融庁に届出をしているということをお墨付きのように悪用する事案がございます。例えば、6番などがそうですし、あるいはその下の7番、備考欄になりますが、パンフレットにそのような強調がなされている。それから、21番というのも、金融庁で資格をとっている確かなものだという文言が用いられています。また、プロ向けであるということを逆に素人投資家に対して、プロ向けなので有利だとか、限定された商品だというように悪用する事案も見受けられました。例えば、27番、あるいは最後の30番などもそのような事案というふうに言えるかと思います。

民事的な被害回復の実際のところです。34に戻っていただいて、先ほど見ていただいた13番の破産の事案ですけれども、結局、破産したのですが、破産財団を形成するには至らずに異時廃止ということで、実際には破産債権者への配当がない事案、被害回復なしという結論を迎えております。

それから、同じような事案で6番です。これは判決後、被告らが判決が出た後に破産して回収が不能になっている事案です。あるいは、判決として全額認容の内容の判決が出たのだけれども、全く、あるいはほとんど回収できていないというのが2番や3番、4番というあたりになってきます。また、仮差し押さえなどで事前に口座を凍結することができて、その口座に入っていたお金の限度で回収した、それにとどまるというのが1番や11番などです。あるいは、業者と和解したにもかかわらず、その履行を怠っているというケースが5番、それから、25番もそのようなケースです。

見ていただきましたように、被害回復の実際は民事的には厳しいものがございます。そもそもこの種のプロ向けファンドを利用した詐欺事案に関しては回収の見込みが立たないということで、弁護士のところへ相談にお見えになっても実際に弁護士への委任に至らないというケースが実感としても極めて多く、事後的な民事救済は、残念ながら健全には機能していないと言わざるを得ないと思っております。

それから、表の備考欄のところです。金融庁や監視委員会のほうで問題視されたケースは多数にわたります。問題視した時期と実際のこの表にある被害の先後関係が全てについてはっきりしているわけではありませんが、例えば、問題があると認められた届出業者リストに掲載されているようなものという意味で見ていきますと、1番、3番、7番、10番、12番、17番、23番、26番、28番、29番、30番などが挙げられるかと思います。先後関係がわかっているものとしましては、12番ですけれども、これは監視委員会のほうで金商法192条の停止命令申立てをされて、東京地裁がそのとおり発令されているのですが、命令が出た後もファンドが投資家への配当をとめずに、まだ配当を続けた上で新規の追加出資の勧誘をし、停止命令が出た後に、また被害者が追加で投資をしたということが確認されている事案で、金融庁や監視委員会が手を尽くしてチェックをしていただいても、被害というのは必ずしも止まっているわけではないという実情も指摘できるかと思います。

それから、備考欄ですが、例えば、プロ投資家がいないというようなことで、本来は2種登録が必要な中で63条の届出でなされていたケースもございます。例えば、10番は、京都地裁の判決ですが、判決の中で2種登録が必要だったということが認定されています。実際には、ファンドの指定した口座金融機関への調査嘱託でわかったことのようですが、123名の者からの投資がなされていて2種登録が要るという認定につながっています。

それから、28番ですが、これは監視委員会が調査をされたケースで、ファンドに出資している証券会社と言われていたものが存在しなかったという、プロのない事案だというふうに指摘されています。それから、プロ投資家が投資しているケースではあるのですが、その投資額が非常に少額、このワーキングでも指摘を受けているところですが、そういう事案もあります。11番ですが、これは訴訟の過程で6つほどファンドがありましたが、適格機関投資家はいずれも1口、1口というのが1万円、あるいは10万円という最小単位で投資がなされているにすぎなかったということが判明しております。

これらの被害実態を踏まえて、今回の提出資料として、1枚目に戻っていただきまして、本日付の意見書をお出ししております。内容は日弁連の従前の意見を踏まえて、適格機関投資家以外の者の範囲を限定し、一般の個人投資家を含めるべきではないとするものです。理由としましては、そもそもプロ向けであって、適切な情報取得や投資判断が困難な個人投資家はその対象とならない、なるべきではないというところにあります。

金融庁の今回の改正案につきましても言及させていただいて、3/36のところですが、富裕層個人投資家について資産要件での限定が入っておりますが、先ほどお話ししたとおり、高額の被害の実態もございまして、資産要件での限定が適切とは考えにくいと思っております。それ以上に、取引の状況、その他の事情から合理的に判断してという部分が歯止めになるかというところについて懸念を持っており、我々の経験上、詐欺業者が誘導して資産状況を回答させるようなことが容易に想定されますし、あるいは、外形的な明確性を欠くという点で問題があるだろうと考えております。

また、一定の経験、属性を要件とする考え方もあろうかと思いますが、先ほどお話ししたとおり、会社代表者や医師、投資経験者などの被害もあり、例えば、上場会社の役員という方であっても、その方が会社を離れて個人としてプロ向けファンドの投資判断を適切に行えるかについては慎重に検討する必要があるであろうと考えております。

それから、問題業者への対策ですが、日弁連意見は個人への販売を違法としますので、規制としては非常に外形的に明確で、個人への販売はだめだということになっているのですが、それによって問題業者がプロ向けファンドから撤退して被害が減少することが過去の経験からも期待できるというふうに考えております。もっとも、あわせて、2種業者への監督の実効とか、無登録営業を許さない監視・摘発の実効が図られる必要があると考えておりますし、他の分野において適切な規制を整備する必要があると考えております。

以上の意見を表にしたものが5/36の別表1のところで、別表2以下にも枠組、規制についてのまとめを書かせていただきました。

私からの報告、ご説明は以上です。

【神田座長】

どうもありがとうございました。それでは、ただいまの加藤参考人のご説明につきまして、皆様方からご質問、ご意見等がございましたらお出しいただきたいと思います。いかがでしょうか。坂委員、どうぞ。

【坂委員】

ありがとうございました。私のほうから2点ほど質問させていただきます。1つは、3ページのところで、先ほど少しご指摘があったところと思いますが、金融庁の改正案に関連して、契約締結段階において顧客資産状況等について確認する際に、業者が顧客の資産状況等について実際よりも多い額を回答させるということがある旨の指摘がされています。こういった点の実情について、具体的に教えていただきたい。

それから、もう1点、先ほど時間の関係で省略されたのかと思いますが、5ページ、6ページの表ですが、別表2と別表3が恐らく現状とそれに対する対案ということで出されているところだと思いますが、簡単に趣旨を教えていただければと思います。

【加藤参考人】

はい、ありがとうございます。まず、ご質問の1点目ですが、顧客の資産状況について、業者側が、例えば、数字を記載させるような実情の点です。もちろん、プロ向けファンドについては今、そういう規制がないものですから、プロ向けファンドの事案であるというわけではございませんが、投資の被害の事案を見ておりますと、詐欺的な被害が起こる事案でも、一定の資産を書かせるようなもの、あるいは収入を書かせるような事案がありますが、業者側の誘導によって記載がなされているケースは、我々は非常によく目にするところです。特によく見る例としては、商品先物の分野などでそのようなことが実際に行われておりますし、それを認めた判決、実際とはかけ離れた数字が業者の誘導によって書かされたという判決の蓄積も多数存在するところです。

それから、2点目ですが、別表の部分です。別表2は、問題業者にとっての現行の金商法の規制を概観したもので、現行の金商法の規制で見ますと、プロ向けファンドのところは問題業者にとっては開業が容易で、行為規制を気にする必要が低く、裁判所の停止命令が出るまで営業ができるので非常に営業しやすいという状態になっております。もちろん、プロ向けファンドの要件を満たさない場合は無登録営業になりますが、刑事摘発を覚悟の上で、その危険が及ぶまで行為を継続することができる状態にあるわけですが、別表3の枠組で、プロ向けファンドを個人について禁止するということになれば、それは直ちに無登録営業になりますし、そうでないケースで登録をして2種、あるいは投資運用業でやろうということになれば一定の資産の準備などが必要で、行為規制を守ることが必要、登録抹消をすると業務ができなくなるということで、結局は、金商法に違反しない形での営業が容易にできなくなりますので、容易かつ合法的に資金集めをしたい問題業者はこの分野から退出していくということをまとめたものでございます。

以上です。

【神田座長】

ありがとうございました。よろしいでしょうか。他にいかがでしょうか。

それでは、先に進ませていただきます。また戻ってご質問いただいても結構です。続きまして、日本ベンチャーキャピタル協会・東京大学エッジキャピタルの郷治参考人から、ベンチャーキャピタルとしてのご意見について、できれば10分程度ということでご説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【郷治参考人】

郷治でございます。本日はこのような機会をいただきましてまことにありがとうございます。

私からのご説明ですが、タイトルにございますとおり、詐欺的投資勧誘被害の防止については、本当にこれはやっていかなければいけない課題として非常に喫緊の課題だと認識しておりますが、ぜひ金融審でご議論いただきたいテーマは、産業の新陳代謝とベンチャーへの成長資金の供給を阻害しない形でいかに詐欺的投資勧誘被害を防止するかということだと思っておりますので、若干、私のほうのご提案も含めてご説明したいと思います。

簡単に私の略歴を申しますと、前職で通産省、現経済産業省におりましたときに、「投資事業有限責任組合法」という法律を起草する担当の係長をやっておりました関係で、以来ずっとこの制度にご縁ができて、2004年の株式会社東京大学エッジキャピタルの創業からベンチャーキャピタルをやっております。適格機関投資家等特例業務についても、2007年に制度がスタートして以来、会社としても届出をしておりますし、個人としても届出をしている次第でございます。そうした中で、ことしの5月にこの制度についての見直しの政令案・内閣府令案が公布され、パブコメの募集がされた際、他の独立系ベンチャーキャピタルの方々と一緒に、パブコメをさせていただきました。以来、金融庁をはじめ、政府与党上層部の方々に意見を申し上げてくる中で、閣議決定のスケジュールも延期いただいた形になってこういった審議会が開かれたというふうに理解しております。そういった中でご提案のようなことができれば、と思っている次第です。

3ページは、簡単に、投資事業有限責任組合(有責組合)、略して「LPS」が制定されたときの説明文を取ってきたのですが、このときは幅広い投資家層によるベンチャー企業への資金供給促進を図るということを狙いとしていました。LPSというのは民法上の組合の特例で、民法上の組合というのは基本的には共同事業の組合ですが、LPSも同様です。無限責任組合員(GP)と言われる業務執行者が業務執行を委任されているわけですが、ただ、これは勝手に業務執行できるわけではなく、全組合員から共同事業の委任を受けており、さまざまな重要事項については有限責任組合員(LP)の承認を得て決定していくという仕組みでございます。

4ページがLPSの設立件数の推移です。現在、大体2,600件ぐらいアクティブなものがあると言われておりますが、そのほとんどは、ベンチャーキャピタルであれば特例業務の届出を行っていると思われます。中には、たくさんの投資家からファンドを集めていらっしゃる大手のベンチャーキャピタルのように、登録を受けていらっしゃるところもありますし、中には、共同事業の中でも都度全員の同意を取りながら業務執行をやっているようなところは、適用除外という形でやっているところもあるかもしれませんが、大多数は、特例業務の届出をしていると思います。

5ページは、ご承知のように、安倍政権の「日本再興戦略」、新成長戦略が6月に閣議決定されており、この中でも産業の新陳代謝とベンチャーの加速化ということで成長資金の供給の重要性がうたわれておることの説明です。ベンチャーキャピタル・ファンドは、イノベーションを起こす新しい企業に成長資金、開業資金を供給するという役割を果たしてまいりまして、我が国では通例、毎年1,000億円から2,000億円程度の資金供給を行ってきておりました。

6ページに、そういったベンチャー企業の我が国における成長と雇用拡大に果たす役割をまとめております。一般に、OECD各国を見ても、開業率の高い国は経済成長率が高いということが左の図に出ております。また、我が国の新規雇用の大半の受け皿を見ても、既存の企業よりは、新たにつくられた事業所でつくり出されているということが、ほぼ産業全般的に言えると言われております。アメリカでは、ベンチャーキャピタルが支援した企業の雇用者数が全体の民間雇用の11%にも達しており、こういったイノベーションを起こすベンチャー企業に資金供給をしていかなければいけないという必要性が我が国においてもあるのかな、と思っております。

7ページでは、これもアメリカの例になって恐縮ですが、アクティブに活動しているベンチャーキャピタルの数と、ベンチャー企業が特に開業期に受ける資金、シードステージに受ける資金であるベンチャーキャピタル投資額は、正の相関関係があるということを言っております。そういった中で、ぜひ日本でも、こういったベンチャーキャピタルの活動が、特に独立・開業が促進されるような仕組みを考えていかなければいけない、と思っております。

8ページです。実際にベンチャーキャピタルを立ち上げたときには、最初から適格機関投資家さんばかり集まるというのは稀でして、弊社でもそうでしたけれども、やはり、適格機関投資家以外の、ただし、非常に早くから独立について支援をしよう、理解をしようという方のお金が、重要でございます。こういう方々のお金というのは、金額は小さいかもしれないけれども、いろいろな意味のアドバイス、協力、ネットワークの提供、親身になったご支援がいただけるということで、非常に貴重で、中には個人投資家の方もいらっしゃいます。もちろん、9ページに書いたように、私たちは決して、Bの、今回、被害として報告されておりますようなリスク判断能力や投資判断能力のない方々を勧誘するようなことはございません。ただ、資産規模がそれほど多くなくても、リスクをとる判断能力のある方、投資判断能力のある方、ここでは「Sophisticated Investor」という言葉を使っておりますが、こういった方々の支援を得て独立系ベンチャーキャピタルが立ち上がるという事例が非常に多いことは事実で、今回、詐欺被害を防止するという目的の達成手段のために、こういった方々の出資までできなくなるということになりますと、これは非常に問題ではないかと思っております。ですから、何とか、投資勧誘被害の防止をしつつ、ベンチャーキャピタルの立ち上がりを支援しようというリスク判断能力のある方の出資はできるような制度を考えていただきたい、と思っております。

10ページは、適格機関投資家等特例業務のスキームについてです。黄色の枠の中だけお話ししますと、この制度が悪用されている事例を見ると、特例業務の制度において適格機関投資家に求められてきた役割を潜脱している例が多いと思いますので、対策としては、これの十全化を図る方策が考えられないのか、と思います。

また、対策の2点目としては、次の11ページですが、特例業務というのは、匿名組合であろうが、共同事業形の組合であろうが、一緒に、組合型ファンドスキームということで、一括りにしています。実際、私どもがやっているLPSのような、共同事業型の組合の場合は、全組合員で組合契約を締結して、非常に密なモニタリングを受けて、重要なことについては皆さんで意思決定をさせていただいていますので、そういったものと匿名組合とは大分違うのではないか。集団型の投資スキームの中でも、共同事業性やガバナンスが働くものについては、別途の対策が考えられないのかな、と思っております。

12ページです。仮に、金融庁さんが出されたパブコメの募集の改正案が施行されていた場合、独立系のベンチャーキャピタルへの影響はどうであったのかということですが、私どもの中で調べた結果、17本のファンドについてのデータですが、そのうち13本については、出資できなくなった投資家が存在しました。出資できなくなった方々の出資額は、ファンド全体の2割ぐらいでした。これは、決して大きくないのではないか、ということかもしれませんが、しかし、頭数でいえば、もちろんもっと割合は大きいことにもなりますし、こういう方々の役割には、先ほど申し上げたように、ベンチャーキャピタルが立ち上がるときに理解を真っ先に示していただき、いろいろな支援をしていただく、という有形無形のありがたみがあるわけです。

また、昨今、もう一つの政治的な課題として地方創生ということが挙げられており、地方で有志の方々がいろいろなファンドを立ち上げて新しい会社を応援していこうという動きが起こっておりますけれども、こういった規制ができますと、そういったこともできなくなるのではないか、と思っております。

13ページは、適格機関投資家等特例業務で詐欺的勧誘が行われた脱法スキームを、今までの事務局のご報告を聞きながらまとめたものです。まず、適格機関投資家のところをかなり悪用しているということで、特にその中でも非常に残念なのが、有責組合が悪用されているということです。今は、有責組合だけ、何ら資産要件がなくても、LPSであるというだけで適格機関投資家になれてしまうという仕組みですので、これを何とかしなければいけない。また、適格機関投資家に出資の下限がないことをもって、たった1万円とか10万円とか、そういった名目的な出資だけをして適格機関投資家等特例業務成りをしていることもありますので、これも何とかしなければいけない。あとは、実質的に業者が支配しているところが適格機関投資家として入っているようなケースもありますが、それですと適格機関投資家としての監視能力も決して働かないわけですので、そういったところも手当すべきなのではないかと思います。

あと、右の図のところですが、被害に遭っている方々と業者の関係を見ると、あまねく、被害者同士には関係がない形で詐欺をしているのではないか。そういった詐欺は、特例業者が単独事業として投資をする匿名組合タイプのものが多い。詐欺ファンドでは、被害者同士が一緒になって共同事業性を働かせるとか、ガバナンスを働かせる、といったことは行われていないのではないかと思われますので、そういった視点での別途の対策が必要なのではないかと思います。また、詐欺業者が、特例業務の届出をしていることを金融庁公認のお墨付きとして使っていることは、先ほど加藤先生がおっしゃったとおりです。あと、こうした問題業者が、ファンドの大部分をリスク判断能力のない個人から集めているということも全くおっしゃるとおりだと思いますので、詐欺防止のために、そういったところを手当てできないか、と思っております。

第2回のワーキング・グループで事務局からご報告があった例を見ますと、問題業者では、民法やLPS法に準拠した共同事業はほとんど行われていない形の組合を受け皿にしており、組合員間の契約がなされておらず、会計監査を実施していないものが大半だった、というふうに伺っております。

14ページ以降は、規制改革の一般論ですけれども、そもそも規制改革の大きな方向性は事前規制から事後チェックに移行しよう、という流れが、小泉内閣の時代に、安倍総理が官房長官だったこともある内閣ですけれどもうたわれておりまして、こういった視点は大事なのではないか。当然、消費者利益の増進、消費者保護は非常に大事なのですけれども、だから単純に事前規制だ、入り口を閉めろということではなく、事後チェック型の規制ができるのであればそうしていくべきだと思いますし、事後チェックのやり方についても、行政や民間のいろいろな役割分担がありますけれども、できるだけ民間の自主的な取り組みを尊重するようなことができないか、と思っております。

16ページは、そういった意味で、あえて意識して事後チェックの仕組みの検討ができないか、というご提案をしております。

17ページ以降は個別のご提案内容になっております。特例業務の適格機関投資家の役割の十全化ということで、1つ目としては、今、LPSは、全く資産要件がなくても適格機関投資家になれてしまうことになっておりますが、これをやめるべきではないか、というご提案です。ここに書いた、銀行法施行規則の5億円の資産要件というのは、銀行の子会社ベンチャーキャピタルが適格機関投資家になるための条件でして、せめてこのぐらいは要るのではないか。マル2としては、出資割合についても5%ぐらいは要るのではないか、というご提案であります。あと、マル3としては、18ページですが、業者が適格機関投資家の支配株主である場合には、それは特例業務としては認めないといったような方策が考えられるのではないか、というものです。

19ページは、単独事業型の組合と共同事業型を分けるという話なのですが、単独事業形については、やはり、適格機関投資家等、プロの要件に限るということで差し支えないと思いますが、共同事業型については、必ずしも全員がそうでなくてもいいのではないか。50%以上が適格機関投資家などのプロであれば、残りについては、プロの要件がなくとも投資判断能力がある方々であれば出してもいい仕組みが考えられるのではないか。ただし、そのチェックをどうするのかということですが、ここに書いたような共同事業性とかガバナンスの条件を満たしているということについて、弁護士さんの適応性・相当性の意見書、これは証明書という形になるかもしれませんけれども、そういったものを現物出資の制度の例などにならって創設し、かつ、監査契約を締結している監査法人の届出を求めるような形で、形式的にチェックできる形が工夫できるのではないか、と思っております。

20ページ以降は、事後チェックルールの整備として、弁護士さんとか監査法人による届出、その名前の公表を通じたチェックもできるのではないか。4番目以降は、事後規制といったことでございます。

もちろん、こういった各対策は、完璧ではないと思います。一つずつ取ってみれば、どれも欠点はあろうかと思いますが、これらを併せて講じることによりまして、総合的には非常に低い被害の発生確率に抑えられるのではないか、と思っております。

22ページ以降は、共同事業性という話を何度も申し上げましたけれども、金商法上も、共同事業性がある場合については規制の対応を変えるという考え方はもともとインプリメントされております、ということを書いてあります。

23ページ以降については時間の関係で割愛いたします。

以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。最後のページ、26ページは大丈夫ですか、結論の部分です。

【郷治参考人】

ありがとうございます。最後に申し上げたかったのは、こういったワーキング・グループを金融審議会で開いていただくことになった経緯を踏まえますと、やはり、ここで議論される内容は、さまざまな観点からの意見が、総合的に昇華、アウフヘーベンしたような形でまとまっている形になるといいなと。そういった形で、閣議決定され施行され得る内容になるといい、と思っております。

私どもとしても、当然この詐欺的投資勧誘は行われないようにということは真剣に考えてまいりますし、業界団体としても普及啓蒙してまいりたいと思っておりますが、ぜひ、投資者保護を重視される先生方も、産業の新陳代謝とベンチャーへの成長資金の供給というところについてもご配慮いただけないか、ご検討いただけないかというふうに思っております。判断能力のある個人には一定程度、出資の自由を認めるとか、ベンチャーキャピタルの開業を阻害しないような形の新たな規制改革にご配慮をいただければありがたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

【神田座長】

どうもありがとうございました。今の郷治参考人のご説明に関連して磯崎委員からお手元に資料が提出されていると思います。磯崎委員から簡潔にご説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。

【磯崎委員】

発言の機会を与えていただきましてありがとうございます。

それでは、資料3をご覧ください。表紙は「適格機関投資家特例業務改正の方向性について」ということで、私の意見を述べさせていただきたいと思います。

郷治参考人のほうからかなりご説明いただきましたので、いきなり5ページ目に飛んでいただきます。皆さん、ベンチャーキャピタルの契約書とか悪徳業者が使っていることが多いと言われる匿名組合の契約書を、ご参考までに、お差し支えなければ、このテーブルに座っている方でご覧になったことがあるという方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか。

はい、ありがとうございます。半分ぐらいの方はご覧になったことがあるということですが、ご覧になったことがない方のために、5ページをご覧いただきたいと思います。真面目なベンチャーキャピタルの契約書の一部を例として持ってまいりました。こうした形で、ファンドを運用しているのは誰かというお話とか、実際に適格機関投資家としてどういうところが出しているのかという話、それから、個人の投資家も含めて、その他のLP(Limited Partner)と呼ばれる投資家にどういう方がいらっしゃるのかということが一覧で一つの契約書の中に盛り込まれているのが普通で、これが住所とか電話番号、電子メールアドレスといった連絡先も全て記入されているのが、いわゆる、真面目な普通のベンチャーキャピタルの投資家の契約です。

これで第1回目から松重証券検査課長さんのほうにも随分質問させていただきまして、ご回答をいただきました通り、問題ある業者の大半は匿名組合契約を利用しております。匿名組合契約というのは、投資家同士が匿名でなければいけないという契約ではないと理解しておりますけれども、実際にその悪徳ファンドが使っている匿名組合契約というのは、投資家と営業者と呼ばれるファンド運営者が1対1契約をしているということで、他に誰が投資をしているかわからないというものがほとんどだと思います。我々、LPSが使われるのは全員の名前を書かなければいけないので使いにくいのではないかと思っていたのですが、検査の結果を分析されたところ、「全ての契約書を手に入れたわけではないが」というおことわりのもとで、入手したものについては、例えば、適格機関投資家すら書かれていないとか、投資家の名前も他の投資家の名前が書かれていないものが大半だったというふうに伺っていますので、こうして全ての出資者の名前が書かれているものについては、知り合い同士でやっていると形式上も認められるのではないかと思います。

皆さん、例えば、銀行で投資信託を買ったときに、他の人に全部自分の住所や氏名がばれてしまうと嫌ではないかと思うんです。そういう、ばれても構わないという範囲でなければ、なかなかこうした情報を一つの契約書に盛り込むのに抵抗感はあるのではないかと思います。

10ページのほうに行っていただきます。そういうことで、今、出ている案としましては、形式的要件、つまり有価証券を1億円以上持っているのか、3億円以上持っているのかといったような形式的要件だけで問題を解決しようということになっているわけですけれども、これだと、結局、詐欺を防ぐことにならないのではないかというふうに問題意識を持っております。つまり、これ、米国法などでは、accreditedという形式的な要件を満たしているかどうかということで切る切り方が一つ。もう一つは、sophisticatedという、実質的にその人に投資判断能力があるかどうかということを見る見方もございますが、この2つは、4象限のマトリックスで考えられるのではないかということです。

形式的要件で切るだけでは、結局、10億円の国債を持っているおばあちゃんだけれども、デリバティブ等については全くわからないという人がデリバティブのファンドに投資するというような被害を形式的要件だけでは防ぐことができないのではないか。それでは実質的要件というのをどう法律にかけるのかということ、なかなかこれはファンドによっても、例えば、ベンチャーに投資をするファンドとデリバティブに投資するファンド、国債に投資するファンドと、性質によって投資判断能力というのは全く異なってきますので、例えば、デリバティブに詳しい人がベンチャーに詳しいとは限らないということもありまして、この実質的要件というのは、法律で定めるのは確かに非常に難しい。でも、難しいから全く考えなくてもいいよという考え方は逆ではないかと思います。一人でも多くの投資被害の方を救うのが本質的な考え方ではないかと考えております。

12ページ目を見ていただきますと、本質的に投資していい人の領域というのは、上か下ではなくて、右か左か、つまり、投資判断能力があるか、ないかという括りで考えるべきではないか。当然、法律で一番規定しやすいのは、形式的要件を満たしつつ、しかも実質的に投資判断能力があると本人も言っていますという右上の象限だけ、これについては今までどおりの運用でも全く構わないのではないかと思いますが、右下を何とか救う必要があるのではないかというのが我々の問題意識です。

これは、個人といってもサラリーマンの人ばかりではなくて、当然、個人事業主という方もいらっしゃるわけで、私の理解ですと、憲法では経済活動の自由が認められているはずで、やはり、共同事業として一緒にファンドに参加して、例えば、ベンチャーをサポートしていくとか、そういった活動を、もちろん理由があればそれは制限されてしかるべきですけれども、他の方法で防ぐことができるのに、そうした人たちの活動を妨げるのはまずいのではないかと考えております。

ちなみに、お差し支えなければ、テーブルの席に座っていらっしゃる方だけでも結構ですが、今のパブコメに出た案で改正されたとして、例えば、ファンドのGPをやっているとか、個人で1億円以上、有価証券を持っているということですと引き続きファンドに投資できるのですが、改正後もファンドに投資できる要件を私は満たしているという人は、お差し支えなければ手を挙げていただきたいと思います。ということで、手を挙げた方はいらっしゃらないわけです。ここにいらっしゃる方は、日本の中でも最も投資判断能力がすぐれた方がこのテーブルについておられるのではないかと思います。ですから、形式的要件というのは投資判断能力があるか、ないかというのを、それだけで判断するには非常に不適切な基準ではないかと考えております。

次の15ページ目に飛んでいただきます。要は、悪徳ファンド業者というのは、特例業務というのをどうしてもやりたいというわけではなくて、詐欺ができれば何でもいいのではないかということです。特例業務を部屋に例えまして、悪徳業者をゴキブリに例えるとしますと、部屋の中でモクモク殺虫剤を焚くと、中にいる人間はゴホゴホと目から涙が出るわけですが、ゴキブリというのは、すき間からすぐに外の部屋に出ていってしまうということになります。先ほどもありましたけれども、共同事業要件を満たすとか、または、これはあまり細かいスキームの話をしますと議事録で公開されますので、悪徳ファンド業者に資することになるのではないかということで控えさせていただきますが、他のスキームで同様のスキームは幾らでも組むことができるということなので、特例業務だけをことさら厳しくしても、詐欺全体を防ぐことにはならないのではないかという考えでおります。

26ページ目に飛んでいただきます。そういうことで、先ほど郷治参考人のほうからもお話がありましたが、単に形式要件を定めるだけではなくて実質的にそれを担保するという工夫もする必要があるのではないかということで、1つは、名称、先ほどもお話がありましたけれども、「適格」とか「特例」というのは非常にスペシャルな響きがするところを悪用されている面があるのではないか。これは、63条の法改正が必要になるので国会のお世話にもなる必要がありますが、私は、「集団投資業務」とか、もっとフラットで、やや怪しげな響きがするような名前にするというような手があるのではないかという気がいたします。

もう一つは、そのSophisticatedがどうかというのは、詐欺のファンドの業者は幾らでも言いくるめるのだという話はありますが、それでも気づく人はいるかもしれないという話なので、一人でも多くの被害者を救うためには、やはり、契約書の上にきちんと、このファンドはリスクがありますよといったことを明記させる。これはアメリカの契約書には当然、未公開のものについては注意書きを大きく頭にしなければいけないという慣行が普及しております。そういうことなので、日本でもぜひそれをやるべきではないかということです。

先ほど郷治参考人からもお話があったように、適格機関投資家、そもそもLPSが悪用されているので、ここを数億円といったようなハードルをつけて、実質的なところからしか出資を受けたのでなければ特例業務と認められないようにするといったようなことをする必要があるかと思います。

そうした上で、これは一般的な対策なのですが、30ページ目に飛んでいただきまして、改正案ということです。これは、形式的要件を満たさないけれども、実質的にはプロなのですと。例えば、イメージとしては、ベンチャーでずっと活動してきて、上場まで経験して、非常に有能なエンジニアの方がいらっしゃる。その方は、ストックオプション行使でキャッシュは8,000万円あるのだけれども、有価証券は1億円も持っていませんというような人が、「じゃあ、おまえ、頑張れそうだから500万円だけ出資してやるよ」と出資して、一緒にベンチャーを助けてくれたりすることもあるわけです。そういう共同事業の方を入れる場合には、より厳しい要件が必要なのではないかということを考えております。そういった契約書へのリスク等の表示に加えて、「マッチング方式」と呼んでいますが、50%は、やはり適格な要件を満たした人に入っていただく。残りの50%はそれ以外の方にも入っていただけるようにする。

例えば、資本金は2,000万円しかなくて、キャッシュは10億円あるのだけれども有価証券は5,000万円しか持っていませんというような中小企業については、今の案では適格要件を満たさないのですけれども、そういう人も入っていただけるようにするということができるのではないかと思います。

もう一つ、共同事業型の契約書を締結していて、全員が一つの契約書に署名しているという契約のパターンを満たしている金商法2条2項の5号、6号の有価証券に限るということの定義ができるのではないかと考えます。

もう一つは、これは一般的にも、特例業務の監査を必ず義務付けてもいいのではないかと考えているのですが、より体制の整った監査法人に監査を受けていることということです。これは独立系のベンチャーキャピタルの各社にいろいろ聞いてみましたところ、ほとんどがトーマツさんとか新日本監査法人とか、あとは中堅の監査法人、または大手を独立した個人の公認会計士など、きちっと信頼の置ける監査法人等に監査をしてもらっているという実態でした。つまり、資本主義の世界的なデファクトスタンダードとしては、きちんとした監査法人に監査を受けているかどうかでそこを見分けるということがございます。

例えば、アメリカでマドフという人が凶悪な詐欺事件を働いたのですが、これも発覚した原因は、一人しか会計士がいないような会計事務所にしか監査を受けていなかったというところであったということです。やはり、形式要件ですと幾らでも漏れが出てきますので、そこを突いて悪徳業者は活動してしまうのですが、監査法人というのは、特にきちっとしたところですと、自分たちのレピュテーションもありますし、投資家から訴えられるという直接の責任を負うわけですので、それは実質判断できちっと、10億円を持っているけれども、今まで農業しかやったことのないおばあちゃんで、ベンチャーには全然詳しくないとか、海外投資には詳しくないというような人が入っているファンドの監査を引き受けるかというと、これはまず引き受けないでしょうということが考えられると思います。

そういうことで、最後の31ページを見ていただきまして、これは「プロ向けファンド」という名称になっていますけれども、法律をどう呼んでも、プロ以外が投資できるファンドとしか読めないのが現状だったものを、本当のプロ向けファンド、つまり、上か下かではなくて、右のほう、特に要件を満たす人と、形式的要件は満たさないけれども、きっちり、例えば、ベンチャーならベンチャーのプロであるというような人たちが参画できるような仕組みをつくるのが国民経済の発展にも寄与し、しかも、投資被害者も減らす方策ではないかと考えます。

以上で発表を終わらせていただきます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、今の郷治参考人と磯崎委員のご説明、ご意見に関連して、木下参考人からコメントがございましたら、よろしくお願いいたします。

【木下参考人】

このような貴重な機会をいただきましてありがとうございます。スカイランドベンチャーズの木下と申します。

私ははじめましての方が非常に多いと思いますので、簡単に自己紹介をさせていただきます。私は大和証券グループのベンチャーキャピタル部門を経て、今のスカイランドベンチャーズという、まさにLPS法でつくった投資事業有限責任組合でベンチャーキャピタルの運営をして、今、2年になります。5億円ほどを運用しておりまして、これは上場会社の創業者の方々のようなエンジェルの方、それから、上場企業からお金を預かってこのファンドを作っております。

私の意見としては、実際、2年前、独立系のこのベンチャーキャピタルを作ってみる中での実態のところとか、そういうところを少しだけお話しさせていただければと思っています。

まず、私から、今のお二人のお話を受けて思ったところは、私とか、郷治参考人、磯崎委員のような独立系のベンチャーキャピタルの代表者を、例えば10人集めると、投資事業有限責任組合で運営しているというのが、9人か10人という状態ですので、まず、ベンチャーキャピタル業界において、この法規制がどうなるかということはすごく重要なイシューだということを改めて認識しています。

それから、私自身5億円のファンドを運用しておりますが、ここ数年、ベンチャーへの投資額というのは年間1,000億円から、最近増えておりますけれども、2,000億円以内ぐらいと言われています。1,000億円のうちの5億円というと、かなり意味のある数字だと僕は思っており、そういったところの観点で仕事をさせてもらっています。

ただ、実際に設立のときの話がどうかというと、独立系のベンチャーキャピタルの1号ファンドは、ベンチャー企業をつくるときとほとんど変わらないような形でのスタートを切ります。これは、ベンチャー企業は一人や二人の投資家によってそこが大きくなるかどうかということが非常にかかってくるのですが、私も同様に、自分のベンチャーをつくったときに、最初にお金を出すと言ってくださった方が数人いる中、そういう方々のご支援の中でやれているという事実があります。

この方々は、まさに今回のプロ規制によってお金を出せなくなる方も数人いらっしゃいます。郷治参考人からもあったように、人数であるとか、絶対金額で言うと大勢に影響がないというところは正直あると思っています。ただ、その人経由でもっと資産を持っている、もっと投資金額を張ってくれるような方との巡り合わせがあったり、本当に有形無形の支援がそこにあるというケースが非常に多くなっています。

最後なのですけれども、起業家、ベンチャーをやる人間というのは超人ではないので、全てそろった状態でスタートすることはほとんどできないと思います。これがソフトバンクの孫さんのような方であれば、設立と同時にシャープに特許を売ってお金をすごく大きく稼いでくるというようなことがあると思います。ただ、僕は若いベンチャーにも投資していますけれども、そういうベンチャーというのは、最初は身近なエンジェルというか、個人の人たちにお金を預けてもらう。それが、僕らのような投資家の場合ももちろんあるのですけれども、そういう一人や二人の支援が、その後、本当に1,000億円の会社をつくるとか、実際には、前回、来ていただいていると思いますが、村口さん、彼はDeNAに創業投資をされましたが、彼らの投資が1,000億円、数千億円の会社をつくる源泉になっているという事実があるのではないかと思っております。ですから、この規制の強化によるベンチャーキャピタル業界としてのマイナスは非常に大きいのではないかというところで、私も今回の場に参加させていただいております。ご清聴ありがとうございました。

【神田座長】

どうもありがとうございました。それでは、皆様方から、ご質問、ご意見をお出しいただきたいと思います。まず、大崎委員からどうぞ。

【大崎委員】

ありがとうございます。ちょっと感想的なコメントと、それに関連した質問をしたいと思います。1つは、LPSについて、共同事業性ということを非常にお二人が強調されていたように思います。共同事業とは何かという抽象論をここでやっても仕方がないのですが、私は、いわゆる投資と共同事業の線を画するものがあるとすると、やはり、お金という物的資本を拠出するだけにとどまるのか、実際に事業に携わるという人的資本の拠出まで踏み込むのかというところが大きな違いだと思うんです。その意味では、投資事業有限責任組合の場合は、無限責任組合員だけが業務を執行するということが法律で明記されていて、有限責任組合員は業務執行にタッチしないというのが大前提です。つまり、人的資本は拠出しない、お金だけを拠出するのが有限責任組合員だというのが大前提ですので、確かに、組合員を集めて何らかの決議をするとか、そういうことがあったとしても、それは株式会社だって株主総会で決議をするわけですが、株主が株式を購入する行為を共同事業に参画するというふうに一律に言ってしまうのはあまりにも飛躍があるということからも明らかなように、決議に参加するから共同事業だというのは、ちょっと言い過ぎではないかと、正直、思います。これが感想的なコメントです。

それで、ちょっと質問なのですが、例えば、適格機関投資家として認められるLPSについての出資合計額の制限をするとか、あるいは、適格機関投資家からの出資割合に何らかの規制を設けるというご提案があったかと思うんですが、ちょっと気になったのは、まず後者のほうについては、出資割合の規制というのは仕上がりベースでということになるのかなと。そうすると、組成中は無登録営業と正規の届出の区別はつけられないのではないかということが非常に気になりました。要は、「最後は5%以上になるんですよ」というふうに言いながら幾らでも詐欺ができてしまうというふうに使われたら、これはどうするんだろうということがありますし、まともな方が、結果的に適格機関投資家が出資を断ったりして、5%を割ってしまったりしたような場合に、今度は無登録営業だということになってしまって、かえって届出制度を使いにくくしてしまうのではないかという気がいたします。

それから、前者の適格機関投資家としての要件そのものをいじる、LPSで5億円以上というのは、これは、適格機関投資家概念は、ご承知のとおり、プロ私募にもそのまま使われるものですので、本当にこれで大丈夫かなということが非常に気になります。出資合計額が5億円に達していない段階で、例えば、投資事業有限責任組合に対してベンチャー企業の発行する株式をプロ私募の形で勧誘しようとすると、これはアウトだということになってしまうので、これもかえって自分で自分の首を締めるような規制になるのではないかという気が率直にいたしました。

それから、もう一つ、これは多分、ややあれなのかもしれませんが、私は、郷治参考人の資料で、文句を言われている発言をした人の一人なんですけれども、なぜそこまで届出業務という形にこだわられるのかなということが非常に気になっています。何か、ベンチャーキャピタルを阻害するんじゃないかというようなご発言を皆さんされているのですけれども、ベンチャーキャピタルを登録を受けた投資運用業として設立して、一般の個人も含めて勧誘を行うことについては何らだめだということはないわけです。金融庁のきちっとした監督を受けていただいて、そのもとで活動していっていただければいいわけで、なぜそれがかくも忌避されるのかということが非常に気になりました。登録を受けてしまえば、それこそ詐欺業者とは完全に一線を画することはできるのではないかと思ったので、そこについては何かコメントがいただければと思います。すみません、長くなりました。

【郷治参考人】

大きく4点あったかと思います。1点目の共同事業性のところについては、ご指摘のように、有責法は基本的にGPが業務執行することになっているのは事実です。ただ、法律上、「共同事業」と明記されており、実際の運用においては、GPが何か投資をするといったことがあれば、必ずすぐに、大体2週間以内、あるいは1週間ですけれども、LPに対して通知をして、LPから意見があれば、当然その対応をして反映する、ということをやっております。程度問題と言えば程度問題なのですけれども、決してGPだけが単独で全部決めてということではないようになっております。ただ、程度問題なので、この程度にします。

2点目の5%の話については、実際に届出をするときにはまだ業を始めていないわけなので、本当に5%に収まるかどうかというのはわからないのはおっしゃるとおりで、その点は私も苦慮しました。ただ、弁護士の意見書という形でご提案したのですが、これは本当にワークするかどうかは別として、この業者はそういう形でやるのだということについて事前に意見をいただいて、かつ、届出をした後もきちんと一定期間ごとに、本当にそのとおりにやっているのかということをモニタリングするような仕組みをご提案している次第です。

3点目の、適格機関投資家の資産要件を金額で切った場合に問題になるのではないかという点については、金額で切っている適格機関投資家の基準というのは17ページにも幾つか出ているのですが、他にも法人の場合や個人の場合で保有有価証券残高で切っている例があります。ご指摘の点は他の場合でもある話でして、いずれにしても、LPSについて資産要件が全くないのは、たとえばたった1円でも適格機関投資家をできてしまうというのは、やはりおかしいのではないかという問題意識を持っております。このことは当然、単に特例業務制度に閉じた話ではなくて、適格機関投資家制度全体に及ぶ話なので、そんなに簡単な話ではないということは、おっしゃるとおりだと思います。

4点目の規制改革会議のお話については、登録制ですと届出制とは違って、事前の参入規制である、という点が一番問題が大きいと思っています。実際、登録を受けるまでの期間というのは、当局に接触してから数カ月かかったりするわけですし、少数の特定者間だけで行っている共同事業の場合は、私的自治で回っている世界なのに、そこに事前の参入規制がかかるということ自体、そもそもハードルになると思っております。特に新しいベンチャーキャピタルが開業する場合に、かなり抑止的な効果を生じてしまうだろうというふうに思っております。これは現場の感覚です。

【磯崎委員】

ちょっとよろしいですか。プロ私募との関係についてなのですが、プロ私募をする場合には、確かにおっしゃるように、LPSはまだ0円でこれから取得するというときに必要だというご配慮をいただいたわけですが、63条のところで、63条の適格機関投資家とみなすには、そこは必ずしも定義が一致するわけではなく、目的が違うわけですから、「(63条の場合は、LPSは、何億円以上のLPSに限る)」というような括弧書きをつければ済むだけの話だと思います。

【大崎委員】

先ほど言い忘れたことが一つあります。共同事業性があるものを別枠に規制したほうがいいのではないかというお話があって、例えば、磯崎さんから具体的に契約書の内容というお話もあったのですが、ちょっと私が気になっているのは、その手のことは詐欺師も外形的に模倣することは、本当に詐欺をする人にはそんなに難しい話ではないなという気がしますので、あまりそういうことで区別をしても意味はないのかなという気が率直にいたします。

それから、登録を受けるのに時間がかかるからベンチャーキャピタルがやりにくいというのはちょっと引っかかるところで、他人のお金を預かって未公開の会社の株を買うというような非常に責任の重い仕事をするのがそんなに簡単に始められるというのが、そもそもいいのかという逆の考え方もあるのではないかという気がいたしました。

【神田座長】

ありがとうございました。それでは、お隣の太田委員、それから永沢委員の順で、太田委員どうぞ。

【太田委員】

詳細なご説明をいろいろとありがとうございました。郷治参考人に幾つかお伺いしたいと思います。まず、一般的な感想として、大崎委員とかなり共通する点が多いものの、ちょっと大崎委員とは考え方が違うところもあるのですが、少なくとも共同事業性のところは大崎委員と全く同じ感想を持ちました。ある意味で、議決権を持っているということだけで言えば株式会社の株主も同じわけなので、そこは全く同じではないかと思いました。なお、それに関連して一つ、ご質問です。

共同事業性のところで、郷治参考人のプレゼン資料の22ページで、共同事業性の例として、金融商品取引法施行令の第1条の3の2を挙げておられるのですが、1条の3の2の、特に実務でこれに当たるか否かがよく問題になるのは、二号のイ、ロです。このイ、ロに関して、次のいずれかに該当することが必要なのですが、今、ベンチャーファンドの皆様で、例えば、このイ又はロのいずれかを満たすというのが現実的にワークするのかというと、率直に言ってワークしないのではないかと思います。常時従事することなどは無理でしょうし、「専門的な能力であって事業の継続の上で欠くことができないものを発揮して」というのは、これは実務上、結構厳しい要件として考えられているので、親戚の人がちょっと応援してやろうというので入っただけでは、これは当然満たさないのだと思います。

その意味では、磯崎委員のプレゼンペーパーの18ページのところで、「現状のVCファンドは、必ずしもこの要件を満たさないが、要件を満たせるVCファンドは存在する」と書かれていますが、本当に存在するのか、そして、もし存在するのであれば、逆に、投資関与ができる対象をあまり広げなくてもいいということに結局なるはずではないか、従って、この共同事業性の方からアプローチしていくのはかなり無理があるのではないかというのが、私の感想と質問のない混ぜですけれども、それが1点目です。

それからもう一つ、郷治参考人のプレゼンペーパーの17ページのところで、ここも大崎委員のご関心のところと私の関心とは共通しているのですが、「適格機関投資家からの出資割合が5%以上の場合に限ることとする」と書かれています。私は、大崎委員がご指摘された、組成中か仕上がりベースかという問題については、まずは当然適格機関投資家が出資するのだろうと思うので、最初に適格機関投資家の出資割合が高くなるはずですから、そういう意味では、段々他の人から投資が集まるに従ってそれが下がっていっても問題がないのではないかと思います。従って、それは組成中でも別にいいと思うんですが、5%というのはいくら何でも低いのではないかという気がいたします。

例えば、これはこの例とあまり関係ないですけれども、金商法上の主要株主だと10%が基準ですし、証券取引所の主要株主規制ですと20%が基準であったりするわけです。これは5%でなければいけないのか。ここはご質問なのですが、ベンチャーキャピタルの実態に照らして考えて、適格機関投資家の出資割合の下限を設ける場合に、5%というケチなことを言わずに、やはり5%ぐらいだと結構悪用される例が出てくると思いますので、もう少しこれは現実的な数字として高い数字を言っていただかないといけないのではないでしょうか。日弁連の皆さんがおっしゃっておられる懸念というのは十分あり得る話だと思うので、ここは現実問題、ベンチャーキャピタルの皆さんとして、これくらいの下限であれば実務上、そんなに問題はないという水準感を教えて頂きたいというのが2点目の質問でございます。

3点目は、磯崎委員のプレゼンペーパーの中に出てくるのですけれども、投資家にSophisticatedであることを表明保証させるというのは全くワークしないと思います。何も分かっておられないおじいちゃん、おばあちゃんに「表明保証します」というところにチェックを入れてくださいと言っても、それで救済になるわけはないと思いますので、実務家としてはこれはあまり意味がないと思っております。

最後は、これは私の感想ですが、大崎委員のご意見に共感できる部分が多いものの、私が大崎委員のご意見と一つだけ違うのは、登録制にするのが本当にいいのかどうかという点です。この点は、私は必ずしも登録制にすべきとは思っていません。なかなか悩ましいところだと思っています。例えば、不動産流動化のためのSPCの場合には、これは初回の会合でご指摘申し上げたのですが、SPCは、器でしかありませんので、そういう意味では登録制はなかなかワークしづらい点もあります。今の登録制に関する考え方をかなりレベルダウンすればワークするかもしれませんけれども、アプリオリに登録制がいいとは私には思えません。しかしながら、現実問題として、これだけ適格機関投資家特例業務に関して被害が出ている中で、もう少し、ベンチャーの成長を阻害しないという線と、一般の無辜の方々というか、そういう人々が被害に遭わないようにするということも大事だと思うので、その点について適切なバランスが必要なのではないかという観点からご質問等をさせていただきました。

【神田座長】

ありがとうございました。お願いします。

【郷治参考人】

ありがとうございます。1点目の共同事業性に関するご質問、これはもう、言葉の定義やイメージの問題になるので認識が違うのは仕方がないと思いますが、有責法の中に「共同事業」と明確に書いてあることから、私はその言葉を使っています。株式会社の株主とあまり変わらないじゃないかと言われますと、実際の有責組合では、出資者は株主よりは多分業務執行者に近い存在として、実際の運用が行われていると思います。出資者が実際に業務執行するわけではないという意味では、おっしゃるとおりだと思います。ただ、株式会社の株主には、こういった、プロでなければ投資できないといったような規制は一切ございませんので、その点はご認識いただきたい。なぜその株式会社のベンチャー企業を作るときにはプロでなくとも出資できるのに、同じようなことをするファンドにはプロの資格がないと出せないのか。非常にアンバランスだと思います。

【太田委員】

もちろんそれはわかります。

【郷治参考人】

フルな回答ではないかもしれませんけれども、それを1点目の回答とさせていただきます。

2点目について、5%以上というのが低過ぎるのではないということについては、これは前回の第2回WGの事務局さんから出された資料に図がございまして、本日の資料2の20ページの左のほうの図です。問題が認められた特例業者に対する出資の状況というところで見ると、適格機関投資家はたったの3%しか出していないということでした。これをクリアする下限値ということで、参考事例として大量保有の例(5%以上)を使っただけであって、おっしゃるように、10%、20%という考えもあり得るのかなと思います。全特例業者で見た場合には、適格機関投資家の出資割合は29%となっていますので、私は、必ずしも5%がマストだと思っているわけではありません。

【太田委員】

むしろ、せっかく参考人としていらっしゃっていただいているので、私のご質問は2つあって、1つは、先ほどの共同事業性のところでは、「共同事業性」という言葉は金商法にも書いてあるとおっしゃるのですが、そのプレゼンペーパーの22ページに書いてあるような、金商法施行令の1条の3の2の要件、共同事業性というのであれば、この要件だということでベンチャーキャピタルの皆さんは本当にやっていくことができるのかということが1点目。

もう一つは、適格機関投資家の出資割合の下限について、郷治参考人の、別にここで言質を取るというような話では全然ありませんので、肌感覚として、通常のベンチャーキャピタルであれば適格機関投資家からの投資割合は大体このぐらいの割合になるよねという割合があるのであれば、それをぜひ教えていただきたいという点でございます。

【郷治参考人】

はい。1点目の、今の適用除外の範囲内で現行のベンチャーファンドが全部収まるかというと、それは収まらない、やはり、かなり重なっている部分もあるんですけれども、はみ出ている部分があるのは事実だと思います。直接、みんなで業務執行するというのが、金商法の適用除外の考え方です。さはさりながら、通常のLPSでは、出資者がお互いかなり本当に密に事業をやっていますし、有責法でも使っている用語という意味で、「共同事業」という言葉を使っているということです。

2点目の、適格機関投資家の出資割合がこのぐらいだったらワークする、という感覚については、弊社の場合、今の出資者は適格機関投資家100%なのですけれども、当初の時の感覚から、適格機関投資家とそうではないプロを合わせて50%くらいではないか、という案を出しています。ただ、独立系のファンドの中には、適格機関投資家でない出資者の割合がより低いほうがよいというニーズがあるだろうと思うので、一概に私が代表して申し上げるのは難しいと思います。

【神田座長】

尾崎委員、どうぞ。

【尾崎委員】

今の5%のところだけちょっとコメントさせてください。私ももう何十年もこの募集をやっていて、適格機関投資家さんは大体、純投資家さんが多いのですけれども、皆さんの一つのプリファレンスとしては、ファンド総額の10%以内、できれば5%前後で収めたいというのが皆さんの条件で、逆に言うと、適格機関投資家さんとか純投資家さんが一つのファンドに10%も20%も出すということは皆さん、嫌がるということです。やはり、ここが10%になってくるとなかなか難しい。ただし、例えば、ファンドサイズが50億円未満になってくると、例えば、5億円ですからそんなに難しくないのですけれども、通常、100億円、200億円、500億円になってくると、例えば、10%となると相当大きな金額になってきますので。

【郷治参考人】

ただ、適格が複数いる場合がございますから。

【尾崎委員】

そうですね。だから、もちろん、今、我々が関心があるのは、スタートアップベンチャーキャピタルさんの場合ですので、要求を満たすために、まず適格機関投資家さんが、スタートアップのベンチャーキャピタルに最初から出すことはほとんどあり得ないわけです。ですから、やはり、トラックレコードのないスタートアップベンチャーキャピタルさんがどうしてもお願いするときは、そんな適格機関投資家さんが数社入ってくることはなかなか望めない。ですけれども、適格機関投資家さんがいらっしゃらないとファンドスタートできませんので、お願いするという中で、その方が、例えば、どれだけ出してくるかというと、そんなにたくさん出してこないということは現実面としてあります。

ですから、大きなファンドになれば当然、複数、2号目、3号目、または実績のあるキャピタルは機関投資家さんが出してきますけれども、今、我々が関心のあるスタートアップベンチャーキャピタルさんのスタートのときにどれだけ出してもらえるかというと、1社か2社で、あまり大きい数にすると厳しいのではないかというのが、これは肌感覚です。

【神田座長】

関連して、黒田委員、お願いします。

【黒田委員】

ちょっと関連とは違うのですが、すみません。郷治参考人から地方創生の言葉が出たものですから、地方の大学でベンチャーを育成する立場から一言、意見とご質問をさせていただきたいと思います。

パブコメで、法人のほうなのですけれども、資本金5,000万円超というところがあるのですが、地方で、特に老舗の信頼のある、地域で頑張っていらっしゃる企業家の方が地方でベンチャーを育てたいというようなときに、資本金が5,000万円というのはなかなかハードルが高い現実があり、資本金というのは実態の出資のキャパシティを現在、適格に反映しているものではないのではないかという部分があります。先日、松田参考人がおっしゃっておりましたけれども、特に地方の現場で言いますと、純資産額を適用していただいたほうが肌感覚に合うのではないかという意見を持っております。

ちょうど今日第3回の地方創生会議もあったようで、地方でリスクマネーの供給、プラスベンチャー育成というものも政府の方針として、開業率10%を目指す上で強力に進めていかなければいけないという中で、特に地方においては預貸率が地銀中心に下がっている現状の中で、リスクマネーをどう供給するかという部分でのケアが必要なのではないかと意見として思っております。

質問ですが、委員、参考人の皆様は都市部中心でキャピタル活動をされていると思いますが、この資本金5,000万円というハードルというのは、高さとしてはいかがなものなのでしょうか。

【郷治参考人】

まだできて間もないベンチャー企業の場合は、資本金5,000万円というのは、十分に超えられるハードルではないことはあると思います。出資者側ですか。

【黒田委員】

出資者側です。差し支えなければ木下さん、何か。

【郷治参考人】

適格機関投資家ですか。

【神田座長】

適格ではなくて。

【木下参考人】

LPの5,000万円以上というハードル。

【郷治参考人】

ああ、5,000万円以上というハードルですか。

【黒田委員】

5,000万円超ですね、資本金の条件が。法人がLP出資する場合。

【郷治参考人】

LPとなる法人の場合ですか。

【磯崎委員】

私でもよろしいですか。ちなみに、私、LPが4社いるのですが、政府系の中小機構さんと新生銀行とファンドが一つ、あと法人です。その法人が資本金5,000万円です。なので、「5000万円超」という要件の「超」は満たさない。アセットは10億円単位であるのですけれども、有価証券は7,000万円ぐらいしか持っていないので、今回の要件にははまらないです、ご参考までに。

【木下参考人】

私からも追加でお伝えすると、自分の事例で行くと、上場会社の創業者の管理会社から預けていただいているケースがあります。この場合は非常にヒットすると思っておりまして、大体資本金が1,000万円ぐらいのケースが多いです。収入、資産でいくと何十億あるようなケースもあります。僕らのファンドに出すために資本金を5,000万円にしてくださいと、それはできるかもしれませんが、現実的ではないです。そのようなことは、自分自身としては非常にヒットすると思います。

【神田座長】

ありがとうございました。先に行きたいのですが、永沢委員、神作委員の順番ですが、ちょっと戻らせていただいて、太田委員のご質問へのお答えに関連して磯崎委員が何かおっしゃりたそうな感じがあったので、それをお聞きしてから先に進みます。

【磯崎委員】

ありがとうございます。1つは、表明保証が全く役に立たないのではないかということで、ある意味、おっしゃるとおりで、要は、単独の要件ごとにやったらどれもクリアされてしまうという話なのですが、私が申し上げたいのは、一人でも多くの詐欺被害者を救うべきではないかと。契約書には上にガンと「危ないですよ」ということを書いて表明保証もしてもらいという中で、ほとんどのおばあちゃんがだまされたとしても、1人や2人は、「私はこんなに投資ファンド能力がないですけど」というような人は現れてくると思います。

この間、村口参考人からドクロマークというお話がありましたが、僕も、いつも見なれている法律契約書ですと「○○の要件を満たす」という形で、文章で書いてあることが多いので違和感は感じたのですが、やはり、そういうだまされやすいおばあちゃんを救うためということであれば、法律で普通はそんなことは規定しないよという話ではなくて、やはり、わかりやすく、非常にリスクが高いのだという何らかのマークを契約書に必ずつけることを義務づけるのは、私はいい案ではないかという気もいたしました。

あとは、共同事業要件というのも同じで、共同事業かどうかというような抽象的な議論で判断したいという話ではなくて、先ほどお見せしたような契約書に全員の名前、住所、連絡先が書いてあるということであれば、例えば、仮に詐欺被害に遭ったとしても、バラバラよりはまとまっているほうが、例えば、弁護士さんのところに相談に行って、「こんなファンドなんですけど、だまされたのではないかと思っているんですよ」ということを相談しやすいし、その連絡先に全部電話をしてみたら、どれも存在しませんでしたと。これはファンドを集めるときに必ず本人確認をすることが義務づけられておりますので、その義務を怠ったか、虚偽か、詐欺で警察に対して、詐欺として立件してもらうという可能性も非常に高まるわけで、その分、抑止力は高まると思うんです。ですから、1個1個の要件が詐欺を完全に防げるかという話ではなくて、こういった総合的な対策をすることで1人でも多くの被害者を救えるのではないかという発想に立つべきではないかというのが私の意見でございます。

【郷治参考人】

あと、本人の表明保証だけではなく、弁護士の相当性の判断を組み合わせることで、そこの対処はある程度できると思います。

【神田座長】

ありがとうございました。次に行かせていただきます。永沢委員、神作委員の順で、永沢委員、どうぞ。

【永沢委員】

ありがとうございます。本日は悪質な事業者に利用されないためにはどうしたらいいかという点について金融庁のほうから前回、前々回にいろいろご報告いただきました具体的な事例に基づいて、それを分析されて非常に具体的なご提案をいただいたと思っております。どれもなるほどと思いました。特に私は、ガバナンスという点で匿名組合が利用されていることの問題点のご指摘や、名称について、「特例」とか「プロ向け」という言葉が非常に問題であるというご指摘、これはもう本当になるほどと思った次第でございます。

意見のような質問になりますし、大崎さんの質問に重なる部分でもありますが、再度させていただきたいと思います。まず、郷治参考人の17ページ以下のところです。すでにご回答いただいた部分もあると思うのですが、やはり、これでは届出時点でしか効果を発しないのではないかと思います。問題は、始まった後に生じているところが多いのではないでしょうか。詐欺的な業者というのは、初めだけは体裁を取り繕って、後は、実質は全く非なるものをやっている、詐欺的なことをやっているということですので、届出の時点だけで本当に大丈夫なのかということが疑問として残りました。

それから、弁護士さんの意見書なのですけれども、これもなるほどとは思うのですが、まず第一に、弁護士さんにSophisticatedであるということが判断できるのかどうかが疑問に思いました。弁護士さんは意思能力があるかどうかということはご専門だと思いますが、その方がSophisticated Investorなのかどうかという判断をできるのかどうかということには疑問を持ちました。また、詐欺的な業者はこのようなものはいくらでも作り出すことは簡単ですし、お金もかけずに偽造すること等もするのではないかと思います。逆に、まともな事業者の方々に負担が生じるのではないかということを危惧しました。

それから、磯崎委員の資料の26ページ、これもまとめていただいてとてもわかりやすく、なるほどと思うご提案だったのですが、ここから大崎委員のご質問と重なる部分ではありますが、これほどのことをするならば、また、これを実効性のあるものにしようとするならば、やはり登録制でもいいのではと思うのですが、登録制をご検討されることについてはいかが思われるのか、ご意見を伺いたいと思います。先ほど大崎さんがその点を質問されて、参入規制が大きい、特に数カ月かかるということをおっしゃったのですが、数カ月かかるということがそれほどビジネスチャンスを逸するものなのか、その辺が私ども素人にはわからないわけです。人様からお金を集めて何かをしようというときにそれなりの態勢を整えようとするならば、数カ月かかるのは当然ではないかと思います。この数カ月の「数(すう)」というのは2から11でしょうか、ばらつきがあると思いますが、どれぐらいを超えるとそれほど大きなビジネスチャンスを逸することになるのかというところをお聞かせいただきたいと思います。

それから、最後に意見めいたことですけれども、買う側に資格要件みたいなものを設けるよりも、出発点は、運用者がプロであることが必要なのではないかと思い、要件を定めるならば登録制というのが筋であろうし、それがやはり実効性がある仕組みなのではないかと思っておりまして、大崎さんの意見には賛成です。先ほどの参入規制の部分、資本金のことなど、いろいろとあると思いますが、例えば、第2種の登録と比べたら何が一体支障なのかというところを、もう少し具体的にご説明いただきたいと思います。

【神田座長】

どうぞ。

【木下参考人】

スカイランドベンチャーズの木下でございます。数カ月の設立に際しての参入のハードルが上がることに関してですが、これは日々、私どもは、特にインターネット、スマートフォン分野のベンチャーさんに投資をさせていただいていて、その業界感で行くと、もうこの数カ月というのは命取りになるレベルではあります。何となくイメージを共有しやすいと思ってお伝えすると、例えば、某上場会社でスマートフォンのアプリが当たることによって、時価総額が二、三千億分ほどになる会社も事実存在します。それが未上場の会社であってもほとんど変わらないようなことが日々起きています。だからこそ僕らとしての意義があるので、その中で仕事をさせていただいているような状態です。ですから、その数カ月は非常に意味のある数カ月になるので、ここの規制は期間が無いほうが、自身の経験上からすると非常に重要なことだと思っております。

【大崎委員】

投資先を探してからベンチャーキャピタルを作るというのはものすごく本末転倒な感じがして、3カ月設立準備にかかったから、ある産業がなくなってしまうというようなことはないと思うので、ちょっと今のお話は、いくら何でも登録をしない理由にはならないのではないかと思うんですけど。

【神田座長】

郷治参考人、お願いします。

【郷治参考人】

1点目の、届出時点で判断できないではないかというご指摘の点については、できるものとできないものがあります。例えば、5%とかについては、仕上がりのファンドのうち何%かというのは最初はわからないのはおっしゃるとおりなので、私の提案の中では、届出をした後にも一定期間ごとにチェックすることと、出資している全組合員からの同意がない限りは第三者として弁護士の意見書を要することにすることを入れさせていただいております。ご指摘の点についてはごもっともだと思います。

2つ目の、弁護士さんが本当に判断できるのかという点については、実際、世の中にはいろいろな事件があり、法律マターになったときには、弁護士がいろいろと法律判断をされています。少なくとも、表明保証をしている方がきちんと自己責任をもって判断できる状態なのかとか、客観的にこれまでの経験から見てそういった意思表明が本当に有効なのかについて、法的な判断をすることは、弁護士に全くできないことではないのではないかと思います。これが裁判になって法廷に出た場合、弁護士さんは、原告側ないし被告側について、こういったことについて何らかの意見を表明されると思います。もちろん、専門性によって全然変わってくると思いますが。

3点目は磯崎委員のほうがよろしいかと思います。

【磯崎委員】

3点目というのは、どの3点目ですか。何カ月かかるかということですか。

【郷治参考人】

今、木下参考人が答えた点です。

【永沢委員】

お話を聞いていると、即日でなければ、明日にでも届出できなければこのベンチャーというのは成り立たないのだというふうに聞こえるのですけれども、そういうものなのでしょうか。

【郷治参考人】

そもそも根本的に、私的自治でちゃんとみんなハッピーにやっている、誰も困っていない事業について、そもそも登録しなければいけないとすること自体が、それは違うのではないかと思います。もちろん、一般大衆や不特定多数の方を相手にやるのであれば、登録義務を課するのはわかりますけれども、非常に限られた、全てのファンドを合わせても20名とか30名の出資者しかいないような、しかも、それ以上の出資者を集めることのない事業について、一般大衆を相手にする場合に求めるのと同様の登録要件を満たし、かついろいろなディスクロージャー、コンプライアンスを整えなければいけないことにすること自体、業を起こすことを阻害すると思います。

【神田座長】

数カ月について、磯崎委員、コメントはありますか。

【磯崎委員】

はい。数カ月という、時間も非常にスピーディな産業ですので大変だということもあるのですが、その間の負担、人件費の負担、要は、その間、霞を食って生きていくわけにはいかないので、先ほど話がありましたとおり、独立系ベンチャーが作る最初のファンドというのは、やはり村口さんの場合3億5,000万円ぐらいで、3億5,000万円ぐらいから5億円ぐらいなのです。これは、詐欺業者で全部もらっちゃおうと思っている人にはものすごい金額なのですけれども、ベンチャーキャピタルとして幾らになるかという話になると、例えば、世界中これはほぼ相場が共通しているのですが、マネジメントフィーというのは、年間で残高の2%くらいです。ですから、例えば、5億円ですと平均1,000万円ぐらい。これは、年収が1,000万円ということではなくて、旅費や交通費、オフィスの費用まで全部入れて1,000万円ですので、1号ファンドをつくるというのは非常に苦しい中でやっていくわけです。それも一人でならできますが、金商法上、登録するのに、コンプラ体制とか何とかという体制は、では、木下さんが一人で行って、「僕、ベンチャーキャピタルを始めたいので一人でやります」と言ったときに、財務局さんは、これがきちっとした体制が整っているというふうに判断をしていただけるのかどうかというところが、もう一つの点としてあると思います。

ですから、要は、ご相談の時期も含めて半年、1年かかるということはよくあるのですが、財務局さんのほうも、「初めてベンチャーキャピタルをやります」という人をどう判断されるのかということもありますし、それが1年かかるとしたら、その間、誰が食べさせてくれるのかということはありますので、これは、銀行が子会社でベンチャーキャピタルを作るという場合は、当然、半年ぐらい待たされても痛くもかゆくもないわけですが、独立系でベンチャーキャピタルをやるという人が、この制度で今、困りそうなので、そこをご配慮いただければという話が一つ。

もう一つ、私が思うのは、登録制というのは、今までは野放しだったけれども、ある意味、政府に責任を押しつけるということになるだけで、詐欺被害者を救うという直接の効力としてはないのではないか。当然、政府も形式要件を満たしているか、例えば、体制が整っているかどうか、きちんとやっているかどうかということを検査するということはありますが、マンツーマンでいつもその人にピッタリ張りついているわけではないわけです。これは、届出制の中でも、先ほど申したとおり、契約書にこういった要件を設けるとか、こういった要件の契約書でなければ該当しないといったような、ある意味では、登録制より厳しい、特に詐欺業者の抜け道を防ぐようなきちっとした規制をすることで、むしろ、お上にポンと丸投げして国の税金を使って、後で何か起こったら国の責任ですよというよりは、届出業者のままきちっと抜け道がないような形にするほうが、効力があるのではないかというふうにも考えます。

【神田座長】

ありがとうございます。大変盛り上がっているのですけれども、神作先生、お待たせして申しわけありません。

【神作委員】

どうもありがとうございます。

適格機関投資家等特例業務の考え方なのですけれども、郷治参考人が本日作ってくださった資料の10ページにありますように、適格機関投資家の役割、それがさらに具体化されておりまして、適格機関投資家の投資判断能力と監視能力を基礎としてすなわち適格機関投資家の参加と監視を通じて他の投資家の保護も果たされるという考え方に立って現行の仕組みができていると思われます。そのような前提が正しいとすれば、特例業務の趣旨に立ち返って適格機関投資家の役割を確保していこうという本日いただいた具体的なご提案の中身が、資産要件等の創設や出資割合の下限の設定とか、独立性の担保ですとか、いずれも、やや形式的な印象を受けます。先ほどの適格機関投資家等特例業務の本来の趣旨に立ち返った実質を回復することが目的であるとすると、やや弱いように思います。より、実質的に、適格機関投資家が投資判断能力と監視能力を発揮することが確保できるようなご提案がございますと、ご議論が説得的になるのではないかと思います。そういった、適格機関投資家に期待されているはずの機能をより実質を回復するような手立てが何か考えられないかというのがご質問です。

それから、これはむしろこの後、国際的な規制について事務局からご報告がなされるようですので、そこで申し上げるのが適切かもしれませんが、登録制をとっている場合に登録がなされるまでにかなりの時間がかかってしまうという問題点があると指摘されました。この問題は、恐らく諸外国にもある共通の問題だと思います。私が多少調べたことがありますドイツの場合は、このようなプロ向けファンドについて登録制を採用しているのですが、登録期間というのを法定しておいて、他方で、登録をしようとする者には報告義務を課しております。そして、法律で定めた一定期間までに登録がなされなかったときは登録したものとみなすというような規律を置いているような国もありますので、そういった他の国の立法例や取扱いも参考にしながら議論していく余地があるのではないかと思います。以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。郷治さん、何かありますか、よろしいですか。

【郷治参考人】

適格機関投資家の実質化、十全化についての実質的なご提案ということで適格機関投資家に対して何か行為規制を課せるかとなりますと、なかなか難しいです。形式要件のご提案しかここには挙げていなかったのですが、要は、きちんとモニタリングできるようにということをどう規定するかということなのか、と思いました。

【磯崎委員】

1点だけよろしいですか。

【神田座長】

どうぞ。

【磯崎委員】

その適格機関投資家のハードルを設けるというのが、私は実効性があると思うのは、今、他の委員の方からも1回目で確かお話があったのですけれども、今、ネットで「ファンド 設立」というキーワードで検索をすると、「ファンドを誰でも設立できます」という業者がワーッと出てくるわけです。そういう業者は恐らく、100万円とか10万円しか残高がない投資事業有限責任組合を使って、それから出資をするということで、非常に簡単にそういうファンド設立の業務が行えてしまうので、純資産が1億円とか2億円ないと適格機関投資家ができないとするだけで、かなりの詐欺被害が防げるのではないかというふうに考えております。

【神田座長】

ありがとうございました。加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】

今の神作委員のご質問と関連するのですけれども、適格機関投資家等特例業務の導入当初の立案担当者の解説、これは金融庁の見解ではないとディスクレーマーはついていますが、その見解では、適格機関投資家がモニタリングするということは書かれていないのです。ですから、適格機関投資家が責任を持ってモニタリングするという考え方がどこから来たのかということに興味があります。

もう一つは、制度趣旨をどう考えるか、もし、適格機関投資家等特例業務は適格機関投資家が一般投資家のためにモニタリングすることを前提とする仕組みだというのであれば、適格機関投資家の資格を強化するというのが、まさに制度趣旨に沿った改正提案だと思います。このような方向の改正がうまくいくかというのは、恐らく、今、神作先生がおっしゃったように、適格機関投資家等特例業務の対象となるファンドに出資できる適格機関投資家の範囲を適切に限定できるかにかかってくると思います。もし、そういう規制ができないと、今までの被害事例の話で、「適格機関投資家、プロも投資しています」というのが勧誘文句になっているわけですから、逆に、適格機関投資家の中でも、こういう特別の資格を満たした人が投資していますと勧誘される可能性があり、問題をさらに悪化させるように使われかねないと思います。

適格機関投資家等特例業務の趣旨について、どこまで適格機関投資家がモニタリングするということを重視できるか。本来の趣旨は、恐らく、前回の黒沼先生のご意見の中で示されたとおり、ファンド運営会社の知り合いに限るということであったと思うのです。ファンド運営会社の知り合いであれば、ファンドのことも良く知っているであろうから金商法による保護は不要であるという考え方です。こういう考え方は、磯崎委員がご紹介された、ベンチャーキャピタルに投資する人はお互いのことを知っているというところにも通じるところがあります。適格機関投資家によるモニタリングと金商法の規制を代替することができるような人間関係の存在のうちどちらを重視するかは、今後の適格機関投資家等特例業務のあり方とも関連します。ですから、今後の議論のために、適格機関投資家等特例業務の制度趣旨、すなわち、出資者に適格投資家が1名存在することの意味などを確認する必要があると思います。

【神田座長】

ありがとうございます。本質的なところを指摘いただいたと思います。坂委員、どうぞ。

【坂委員】

いろいろな観点からの検討が必要だと思っているのですが、最終的にどうしても避けて通れない論点というのが、結局、販売対象をどう区切るかという問題だと思います。今日頂いているペーパーの中では、磯崎委員の一番最後のページに、形式的要件と実質的要件という図が示されていて、この中で、結局のところ、右下の部分をどういうふうに切り分けることができるのか、できないのかということが問題です。

この点を考えるときに、恐らく、2つのことを考える必要があるのではないかと思います。1つは、投資判断能力があるという判断を、誰が、どうやってきちんと確認することができるのか。もう一つは、違法の抑止という観点からすると、この切り分けが外形的に明確である必要があるということで、外形的に明確にしつつ、かつ実質的な切り分けをするというのが非常に難しいのではないかと考えております。この観点との関係で、ご指摘いただいているのが、Sophisticated Investorのご提案であり、あるいは表明保証のご提案かと思いますが、これらについては、やはりそう簡単ではないという印象を持っております。

今日は、私の意見というよりも日弁連のほうから加藤参考人がお見えになっておりますので、この点について、もし何かありましたら、よろしくお願いいたします。

【神田座長】

もしよろしければ、どうぞ。

【加藤参考人】

ありがとうございます。Sophisticatedの部分を弁護士が評価する意見書という形でやってはどうかというご提案かと理解しておりますが、私は、それは機能しないだろうという認識でおります。適合性があるかどうかという判断に非常に近いと思うんですが、ご承知のとおり、適合性については、最高裁の平成17年7月14日の判決がありまして、商品と投資家の属性との相関考慮ということもありまして、裁判においても非常に緻密といいますか、詳細な検討がなされています。私自身の経験でも、証券事件でしたが、一審では適合性原則を満たしている、違法でないという評価の判決を受けて、控訴したところ、控訴審は、この事案は適合性原則違反だという形で違法の評価をいただいたこともあります。裁判で時間をかけて立証を積み重ねても適合するかどうかということは裁判官によって判断が分かれるという実情がある中で、弁護士がファンドに投資される前に、その方が果たして適合するかどうか、Sophisticatedかどうかということを評価するというのは極めて困難ですし、懲戒制度での担保があるというお話がありましたが、それは全く会いもせず、ヒアリングもせずにやるというような人についての機能を果たしたとしても、一応ヒアリングをして、私は適合すると思ったとか、適合しないと思ったというものに対する抑制には何らなりませんので、そういう形で適格者かどうかということを評価するのは極めて難しい。誰がどうやって確認するかという点、その点は、少なくとも弁護士関与という形では無理だろうというのが今の私の認識です。また、実際に勧誘してよいかどうかという0か100かという世界の議論の中に実質的な要件を取り込めるか、行政規制の中で果たして実質的な規制がどこまで取り込めるかというのは、個人的には非常に疑問を持っているところでございます。

【神田座長】

ありがとうございました。それで、今日、残り時間があと15分少々なのですが、前回大幅に延長してしまいました上に、本日は、実はこの会合の後に金融審の別の会合がこの部屋で予定されているということです。本日は予定通りの時間で終わらせていただきたいと思います。非常に盛り上がって、かつ非常に重要なご指摘をたくさんいただきましたので、次回以降も引き続きご議論はいただきたいと思います。

残りの時間で、本日、当初予定しておりました事務局からの諸外国の制度の説明等をお願いしたいと思います。

まず、田原市場課長から、プロ向けファンドに関する海外の制度の状況についてご説明をお願いいたします。

【田原市場課長】

それでは、お手元資料4に沿いまして簡潔にご説明させていただきたいと思います。

1ページおめくりいただきまして、まず、アメリカの制度です。何度かこの会でもご紹介がありましたように、アメリカにおきましては、投資顧問法が基本的な法律になりますけれども、15本未満の場合は登録免除となっておりましたが、金融危機後にドッド・フランク法によりまして、本数にかかわらず原則登録制になっております。一方、この会で何度かご紹介があったのはこちらですが、ベンチャーキャピタル・ファンドの運用を行う者については登録免除というふうにされています。ただし、私どもが調べまして驚いたわけですけれども、登録と同様のフォームADVを最低年1回、届け出る義務が課される他に、記録管理義務、当局に対する情報提供義務も課されるということ。それから、SECは登録の有無に関わらず、公益・投資家保護上必要なときは当局に対する報告を徴求することができるということ。また、SECにつきましては、登録の有無にかかわらず、宣誓した上での報告、証拠提出、証人召還、重要な帳簿・書類・通信・契約等の提示を求め調査を行うことができるということですので、これは日本の制度で考えますと、ほぼ、登録とequivalentな制度ではないかというふうに考えているところでございます。

また、行政処分につきましても、登録の有無に関わらず、行為規制として、虚偽説明、不実の記載、重要事項を欠いた表示といった詐欺的行為が禁止されております他、適合性原則や利益相反等の忠実義務違反にも同条が適用されるというふうにされております。

アメリカではベンチャーキャピタル・ファンドをどのように切り分けているかということですが、これも郷治参考人の資料にもございましたけれども、非上場企業への株式投資等が80%以上、投資家への途中償還なし、原則レバレッジなし、限定的な短期借入だけは可能、投資家に対してはベンチャーキャピタル投資戦略をとっているファンドである旨を表明することが必要ということで、一つ、参考になるかと思います。

2ページは、先ほども申し上げたフォームADVのうち、四角で囲っている部分が届出業者も届出を求められることということで、かなり詳細な報告が求められます。四角がかかっていないものは登録業者に求められているものでございます。

3ページをご覧いただきますと、これらの情報に加えまして、実際に運用されているファンドについても1つ1つ、ここに書いてありますような情報を詳細に書きまして、フォームとして提出されることになっております。お手元にもう1つ、村口さんからご紹介のあった著名なベンチャーキャピタル、クライナー・パーキンスの例ですけれども、置いておりますが、この情報がホームページ上に載っているということで透明性の高い制度になっているということであろうかと思います。

それから、アメリカは、先ほど投資顧問法がまず第一に適用されるということを申し上げましたが、重畳的に他の法律も適用される形で総合的に規制がかかっている形になっております。

証券法につきましては、4ページの2つ目の○ですけれども、適格機関投資家等への募集の場合は届出制ということになっておりまして、この場合、SECに対して連絡先等の基本情報、登録免除の区分、業種・業態、投資家数、募集額等の情報を届け出る必要があります他、次のページになりますが、適格投資家以外のSophisticated Investorなどに対して募集を行う場合には、投資家に対して事前に監査済みの財務諸表・税務申告書等の財務に関する情報を提供する義務があるということです。こちらにつきましても、登録の有無に関わらず行為規制がかかっているということでございます。

投資会社法につきましては、投資家が100名を超えなければ、特に関係ないので省略させていただきますけれども、こちらにつきましても、免除につきましては投資家が100名以下に限られているか、投資家が適格購入者のみである場合は登録免除ということで、適格購入者については、500万ドル、約5億円以上の投資を有する個人等ということにされております。

こういう制度ですけれども、やはり、アメリカの特徴的なものは、非常に強力なSECという当局が、6ページにありますようなさまざまな権限を行使して、裁判所なども非常に活用しやすい環境にあり、そのあたり、残念ながら、日本の登録制という業規制を中心に規制せざるを得ない法環境にあるというところと違っているところでございます。

7ページ目が、欧州で英国の例をご説明させていただいております。欧州におきましても、代替投資ファンドに関する指令が金融危機後に出まして、こちらに基づきましてベンチャーキャピタル・ファンドを含むオルタナティブ・インベストメント・ファンド、代替投資ファンドの運用業者は認可対象ということになっておりまして、ここに書いてありますような規制が課されているところであります。また、販売できる顧客につきましては、原則、プロ顧客に限られているということで、プロ顧客の要件につきましては、マル1ファンドに関連して過去4四半期に、1四半期当たり平均10回の頻度で大口の取引、マル2金融ポートフォリオが50万ユーロ、約7,000万円超、マル3ファンドに関する知識を求められる専門家として金融業界で1年以上勤務、こういった条件が課されているところでございます。

一方、小規模運用業者につきましては、具体的には下の2つの※がついていますが、レバレッジがある場合で約140億円以下、レバレッジがなく5年間償還を認めない場合で約700億円以下ということなのでかなりの数のベンチャーキャピタルに該当するかと思います。こちらについては、登録で業務を行うことがありますが、その場合、営業範囲はその国にのみ限られるということで、この場合は各国ごとに追加の規制がかかるということで、イギリスの場合には、原則として、FCA、金融行為規制機構が認可制をとって追加的にさまざまな義務を課す形で公正性を担保しているということでございます。

一方、欧州全体としては、ベンチャーキャピタル・ファンドにつきましては、2013年4月に欧州ベンチャーキャピタル・ファンド規制(EuVECA)が公布されております。これは、EuVECAとして各国当局に登録を行えば、どの国でもファンドを販売することが可能ということでありますが、これには行為規制が別途かかるということで、先ほどの代替投資ファンドに関する指令と、ちょっと標準が異なっている形になっているということです。

いずれについても、運用業者に対して監督上の措置を講ずることができることになっており、その具体的な内容は8ページに比較表で書いてありますので、ご覧いただければと思っております。

最後に、私ども、よく競争相手と言われますシンガポールです。9ページ、従来は免許の免除制度があると聞いておりまして、それをもう一度調べたわけです。従来、適格機関投資家30名以下であれば、シンガポール通貨監督庁(MAS)に通知のみでファンド運用業ができるということで緩やかだったのですが、やはり、金融危機やマドフ事件という詐欺事件なども踏まえまして、国際的な規制の進展と歩調を合わせ、ファンド運用業の持続的な発展を促す観点から規制が強化され、免除制度は廃止されたというふうに伺っております。

ベンチャーキャピタル・ファンドを含むファンド運用業者につきましては、証券先物法が適用されて、原則としてMASからの免許が必要ということですが、こちらにつきましては、運用額が2.5億シンガポールドル、約200億円以下の場合、かつ適格機関投資家30名以下からの募集に限る場合については、免許にかえてMASへの登録ということになっております。

具体的に適格機関投資家の定義ですが、※にありますように、純資産200万シンガポールドル、約1.6億円超、または年収30万シンガポールドル、約2,400万円以上の個人等ということになっております。いずれのファンド運用業者(FMC)につきましてもほぼ同様のガバナンス要件などが適用されておりまして、ファンドマネージャーには投資家に対して半期ごとの運用報告義務がある。それから、月次で計算書を提供する必要があるということです。また、行為規制も、ここに書いてありますように課されているということで、MASは、これらの業者に対して必要な検査監督権を有しているということでございます。

以上、駆け足でございますが、簡単に諸外国の状況をご説明させていただきました。

【神田座長】

どうもありがとうございました。続きまして、証券課の井上課長から、第1回及び第2回で出されましたご質問に対する回答についてご説明をお願いいたします。

【井上証券課長】

それでは、お手元の資料5に沿いまして、第1回目、第2回目のご質問に対するご回答を補足したいと思います。

1ページ目をご覧いただきますと、警告書発出業者が全体で77あるというふうに申し上げたと思いますが、左側はファンドの箱がどうなっているかというグラフになっておりまして、ファンドの組合形態については、警告発出業者のうち約4分の3が匿名組合で、投資事業有限責任組合、いわゆるLPSが2割弱となっております。右側はプロの属性、つまり適格機関投資家がどういう者であるかということですが、警告書発出業者の3分の2程度は投資事業有限責任組合を利用しているということでございます。

次に、2ページ目です。左側が警告書発出業者におけるプロの出資割合でございます。右側がプロの出資額についてのグラフでございます。警告書発出業者が運営するファンドについては、プロの出資割合が1%以下となっているファンドが大半で、平均で0.87%ということになっております。プロの出資額については、100万円以下が9割で、平均では64万円という数字でございます。

最後、3ページ目です。このページでは、警告書発出業者が運用するファンドの投資対象についての棒グラフを示させていただいております。投資対象としては、株式が4割程度で、FX(為替)が約3割程度となっております。

また、先ほどの日弁連様のご説明の中で監視・摘発の実効性強化が必要というご指摘をいただきましたので、検査・監督の体制についても補足で説明させていただきたいと思っております。

まず、検査体制ですけれども、26年度末時点におきまして、監視委員会本体で130名、財務局224名の計354名で検査に当たっております。この人員で全部で8,000対象ぐらいを検査することになりますので、プロ向けファンド届出者の検査に割り当てることができる人員というのは限られているという現状でございます。また、プロ向けファンド届出者については、届出者側の資料が不十分であるということが原因で、実態解明に時間、人員を要するケースが多いという事情がございます。

次に監督体制です。プロ向けファンド届出者については、担当者の数を改めて計算してみたのですけれども、金融庁、財務局を合わせて20名となっております。これですと担当者1名当たり180先ぐらいのプロ向けファンド届出者に対応しているという状況でございます。金商業者の中で最も登録者数の多い、いわゆる2種業者でも、担当者1人当たりで50程度でございますので、それと比べても3倍から4倍の業者数を監督していることになります。

現状、このように限られた人員の中で、投資家保護のために効率的、効果的な検査・監督に努めているところでございますので、この点もご勘案いただけるとありがたいと思います。

以上でございます。

【神田座長】

はい、どうもありがとうございました。あと、若干のお時間でご質問、ご意見等があればと思います。加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】

今の井上課長のご報告の1ページ目の、警告書発出業者が運用するプロ向けファンドに投資しているプロの属性は投資事業有限責任組合が65%を占めるという点です。この割合というのは、警告書発出業者以外の全てのプロ向けファンドを含めた全体の割合と比較しても、やはり異様に高いと、そういう理解でよろしいでしょうか。つまり、プロ向けファンド全体としても、要は、プロの属性としては投資事業有限責任組合のほうが一番多いということになると、ちょっと何か、悪用されているのも多くて当たり前ということになるので、そこを確認させていただければと思います。

【井上証券課長】

すみません、全体のプロの内訳では分かりません。申し訳ございません。ファンドの組合形態で申しますと、全体としては投資事業有限責任組合の割合のほうがもうちょっと多くなっております。

【神田座長】

よろしいでしょうか。ありがとうございました。増田委員、どうぞ。

【増田委員】

プロの出資額というのはわかったのですけれども、そうではない方の平均的な金額というのは1件当たり幾らというのは出るのでしょうか。

【井上証券課長】

プロ以外の出資額につきましては、500万円超が全体の2割5分以上となっております。また、平均で大体875万円、最高で5億円、最低1万円となっております。

【増田委員】

そういうプロの方の目で見て判断して出す金額と、そうではない方というところで、逆転していると思うのですが、そういう問題があるということと、先ほどちょっとお伝えできなかったので一言だけお伝えさせていただくと、今まで先生方がおっしゃったとおり、実質的な要件の判断が、本人が言っているということだけでは絶対に足りないということです。判断方法をいかにするかということが一番重要であること。それから、弁護士による判断に有効性があるかどうかということについては、全く有効性はないと、私どもが消費生活センターで相談を受けている中で、それは実感として感じているところです。それから、お互いに知っているということが、かえって信頼性を高めて、実質的な評価をできないということもあります。そういう問題もあることはお伝えしたいと思います。

【神田座長】

どうもありがとうございました。沖野委員、どうぞ。

【沖野委員】

簡単な質問ですので、海外のアメリカにおける事情について1点だけ、もし教えていただければと思うことがございます。ベンチャーキャピタル・ファンドの運用の場合については、登録は免除だけれども、実質的には変わりがないような規律になっている、記載事項が若干違うということですが、そうだとしますと、今日も問題となりました、なぜ登録ではないのかということが問題になってくると思われます。それでもアメリカではそうなっていないのは、どこが一番のポイントなのかということが、もしわかるようでしたら補足していただければと思います。

【田原市場課長】

その点はまだ調査できておりませんので、調査の上、ご連絡させていただきます。

【神田座長】

そろそろ時間です。私の進行が悪くて大変申し訳ないのですが、にもかかわらず、非常に鋭いご指摘、重要なご指摘を多数いただきまして本当にありがとうございました。いただきましたご指摘を踏まえて、さらに先に進ませていただきたいと思います。

次回ですが、これまでの議論を事務局で整理していただきます。主な論点をお示しし、引き続き皆様方にご審議、ご議論をしていただきたいと思います。追加でのご質問、ご意見等がございましたら、ぜひ、事務局までお寄せいただければと思います。

最後に事務局のほうからのご連絡をお願いいたします。

【田原市場課長】

次回の日程ですが、11月21日(金)にこの共用特別第一会議室で開催させていただきたいと考えております。詳細は後日、事務局よりご案内させていただきます。

事務局からは以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。以上をもちまして本日の会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課
(内線2644、2639)

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