金融審議会「我が国金融業の中長期的な在り方に関するワーキング・グループ」(第7回)議事録

  • 1.日時:

    平成23年11月18日(金曜日)13時30分~15時30分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 共用第一特別会議室

○吉野座長

では、ただいまから「我が国金融業の中長期的な在り方に関するワーキング・グループ」の第7回目の会を開催させていただきたいと思います。今日は皆様、お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

第1回目の会合でご了解いただいておりますけれども、このワーキング・グループは原則公開としておりますので、本日の議事も公開とさせていただきたいと思います。

今日の第7回目は前回に引き続きまして、地域経済における金融機能の向上をめぐる論点につきまして討議をさせていただきたいと思います。

皆様から向かって右側のほうに、また今日もお2人のゲストをお招きしておりまして、まず、最初は、九州を拠点にファンド運営及びコンサルティングを行っておられますドーガン・アドバイザーズの森代表取締役社長にお越しいただいております。

それから、お隣は、地方銀行として新たな取り組みをされておられます、鹿児島銀行の郡山常務取締役総合企画部長にお越しいただいております。

早速でございますが、お2人からそれぞれの現場でのご報告をいただき、それから皆様からご議論いただきたいと思っております。それでは、最初にドーガン・アドバイザーズの森代表取締役、よろしくお願いいたします。

○森代表取締役社長(ドーガン・アドバイザーズ)

今、ご紹介をいただきましたドーガン・アドバイザーズ代表の森と申します。今日はどうぞよろしくお願いします。

このような場に呼んでいただきまして非常に光栄に思っておりまして、前を見てしゃべりますとちょっと緊張してしまいそうなので、時折下を見てということになるかと思いますが、お許しいただければと思っております。

会社をつくりまして、もう今、8年目に入っております。会社をつくったころは、ほんとうにこういう場に呼んでいただくような会社にできるのかなというのは想像もできなかったのですけれども、おかげさまでここまでやってこれたのも、地域の金融機関の皆様方と、あと地域を支える経済界の方々とか、いろいろな先生方のサポートあってのことというふうに思っております。

今日は、僕たちが今、いろいろ成功しているものもありますし、非常に苦労しているものもありますし、地方の現状とか、そういうところを皆様方に短い時間ではありますけれども、少しでもお伝えさせていただきまして、いろいろな政策等々の中で反映させていただければありがたいと思っております。

今日は九州の代表という形で来ておりますけれども、九州は僕のふるさとではあるのですけれども、非常にいい会社がたくさん、中小企業もあります。人も非常に暮らしやすくて、食べ物も安くておいしいし、人情味があふれて非常に開放的な土地柄なので、非常にいいところだと思います。ただ、一方で、マクロ経済は非常に厳しい環境にあるかなと思っておりまして、いい中小企業というのはほんの一握りでありまして、そういう会社さんは僕らのサポートを必要とされていないところが多いので、むしろ僕たちのところにご相談にいらっしゃる方は、何か問題を抱えていらっしゃる会社さんばかりで、そのサポートを一生懸命やっているというところでございます。

僕は取引先とか、投資している会社さんの若い人たちと飲みにいくのを非常に大事にしていて、ノミニケーションといってやっているんですけれども、この前も、営業をやっている女の子が、夜中の12時ぐらいに飲んでいるときに泣き崩れまして、自分たちが営業でみんなで10億円稼いでいるのに、何ではうちは赤字なんですかと。何で、10億円どこへ消えちゃうんですかと、そういうのを泣きながら訴えられたりとか、あとは、投資している先ですごく優秀な方がいらっしゃるので、経営幹部として引き上げようと思って、一本釣りして、どんどん昇格させようかなと思ったんですけれども、ご本人は、偉くなっちゃうと責任が重くなって、例えば体制が変わったときに責任とらされてやめて、それで養えなくなっちゃうから偉くしないでくださいというふうに訴えられたりとか、何かそういうところもあります。

実際、僕たちがお手伝いしている会社さんの中でも、今、ちょうど12月の賞与の話とかするところがあるんですけれども、全く賞与が出せないところがたくさんありまして、申しわけないけど1万円しか出せないとか、3万円出すことで非常に涙を流して喜んでもらえるとか、そういう会社さんが今、ほとんどになってきておりまして、何とかこういう人たちを助けてあげたいというふうに僕なんかはいつも思っているところです。

優秀な人材はどんどん東京とか、最近は海外にどんどん出ていっていて、特に女性はかわいそうで、例えば400万円を超えるような年収を稼げるような仕事にありつける女性の方というのはほんとうに一握りで、優秀な方は地元に残らないというのが現状じゃないかなと思っていまして、人材不足というのが僕らの一番の深刻な悩みになっています。ただ、一方で、後でご説明申し上げますけれども、優秀な方々が東京じゃなくて、ちょっとふるさとに帰って手伝いたいという人たちも結構いらっしゃるので、うまくそういう人たちと仲間になって、何とか地方を盛り上げたいと思って、日夜励んでいるところでございます。

ページをめくっていただきまして、これ、12ページぐらいありまして、ざっとご説明をかいつまんで申し上げていきたいと思っております。

まず、会社そのものは、下のほうに書いてありますけれども、社名はドーガンと、聞きなれないのですけれども、九州弁で「どぎゃんですか?」「どがんですか?」「どげんですか?」と、ちょっと県によって、九州一つと言いながら、各県もばらばらばらで、仲も悪かったりとか、いろいろあるんですけれども、社名は開設したときは違う社名だったんですけれども、東京の意見の合わないサービサーの方々とも闘わなきゃいけないとか、そういうのもあったので、一見、外資系っぽくして、地元に帰ると先輩たちに可愛がられるような名前をということで、ドーガンという名前でやっております。

資本金のほうは2,500万円になっていますけれども、元銀行員、僕は日本長期信用銀行という銀行の出身でございますけれども、メガバンクの出身だとか、あとは公認会計士、東京で活躍していた会計士2人、「ふるさとのためにちょっと仕事せんね」とか言って呼んで、今、総勢17名で活動しております。

仕事は何をしているかというと、ここにいろいろ書いてありますように、再生のお手伝いだったり、M&Aのお手伝いだったり、ベンチャー企業の投資育成であるとか、そういうアドバイザリーの業務と、あとは地域の特化型のファンドというのをつくらせていただきまして、投資活動をやっているということでございます。

大手のシンクタンクの常務さんがちょっと前にうちにいらっしゃって、君たちの活動に非常に興味があるというふうにおっしゃって、銀行でもないし証券会社でもないし商社でもないし、ファンドでもないようだという話をされて、僕たち自身もとにかく呼ばれるところで何かやっていくうちに自分たちの姿というのが見えてくるのかなと思って、日夜、走り回っているところでございます。

2ページ目に、僕たちの会社の事業の概念図を示しております。僕たちが埋めたいと思っているのは、地方における中小企業の経営者の方々は非常に孤独で、相談相手がなかなかいないというような中で、そういう中小企業の方々と、あと、地域の金融機関、なかなか銀行では手が届かないという部分が結構ありますので、そのあたりをスタッフを整えてサービスを提供していくという会社にしています。地元密着ということで徹底的に現場に入ってやっていくという、そういう現場主義のサービスをやっております。あと、先ほど申し上げましたように、人材は優秀な人たちが、ちょっと間違ったかのような経歴、学歴の方々がうちで働きたいというふうに、毎日のようにレジュメが届くようになっておるのですけれども、そんな中で、お金だけじゃなくて、ちょっと社会にいいことをしたいという若者たちを集めまして活動していくということで、人材の輩出もやっていきたいというふうに思っております。

ページをめくっていただきまして3ページ目でございますけれども、4ファンド、今、運営させていただいております。合わせまして96億円ということで、設立の時期ごとに、テーマごとに、ベンチャー・第二創業のファンド、事業承継を中心としたバイアウトのファンド、再生・再編のファンド、農業を中心としたファンドというところで、4つのファンドの運営をやっております。会社の中も、この担当ごとにチームをつくって分かれておりまして、出資者につきましても、私どもも全部オープンにしてわかりやすくしていこうということで、右に掲げたとおりでございまして、中小機構様、政策投資銀行様のいずれかのご出資を受けて、あとは地方銀行の諸先輩方に一緒に投資していろいろなサポートをいただくというようなものがほとんどになっております。

アグリクラスターファンドという農業のファンドは、今日、お隣にお見えの鹿児島銀行様と一緒に、鹿児島の経済界の方々等の出資の中で、農業生産法人のサポートということでファンドの運営をやらせていただいております。

4ページ目に投資の選定基準ということを触れておりますけれども、ファンドごとにいろいろガイドラインがありますので、それにより決定していきまして、私ども独自の選定基準を設けてやっています。具体的には、収益性も大事なんですけれども、雇用の維持というような社会的意義を追求していこうと。あとは、エリアは九州に大半を投資するということで限定するんですけれども、業種は特に限定しないで、成長を感じさせるような企業に注力をしていこうということで、やっぱり九州のいろいろな資源とか、そういうものが生かせるような業種を主にやっております。特にITの業界などは、最近は東京の方々でも若い人たちが、自由にサーフィンやりながら仕事がしたいとか、あとは、生活をもっと豊かにしたいという方で、地方が好きな方もいらっしゃるので、そういう方が集まるような会社さんに投資をしたりということも進めております。

またページをめくっていただきまして、5ページ目は地域ファンドにおける投資家とファンドと中小企業の位置づけということで掲げておりますけれども、投資家である金融機関の皆様方だけではなかなか完全なサービスを提供できないところに、私どもが中小企業様の間に立って、むしろ距離的には中小企業の投資先のほうに近いところでサービスを提供していくということで、厳しい会社なんかにはどんどん人を投入していっていまして、常勤で置いてサポートしているという状況でございます。

6ページ目に、地域ファンドの成否を分けるキーポイントということで掲げておりますけれども、累計で今、小口の投資が多いこともありまして、約40社の投資をしておりまして、ざっくり、再生案件が半分ぐらいかなと感じておりますが、これがすべてうまくいっているわけではないかなと。これで7年間やってくる中で、成功している案件と、非常に苦労が続いていて、もう大変な案件と、いろいろ違いがありまして、大きくその分析をしてみますと、一つはやっぱり経営者かなということで、経営者をやれる人がなかなか少ないということもありまして、経済環境はリーマンショック以降激しく変わる中で、そのときにやっぱり過去の経験であるとか、能力、リーダーシップというのはほんとうに求められますけれども、そういう人材が配置できなかった先は非常に厳しいかなと思っています。

あと、これも私どもの大きい反省点ですけれども、結果的には、私どもがこの人がいいだろうと思って指名して、経営者をやってくださいといった案件は結構厳しくて、むしろ自分たちの会社にしたいというふうに非常に強い意欲を持ってやる、ちょっと意欲のあり過ぎるような方々がリーダーになっている会社さんのほうがうまくいっているのかなというふうに思っています。

あと、これは、ほんとうに僕たちの反省点なんですけれども、投資前の段階で、もっといろいろな環境の変化を前提とした戦略の策定が必要だったかなと。バックアッププランの策定ということで考えておりまして、やっぱり投資を始める前には大手の専門家の方々とかにも手伝ってもらって、ビジネスデューデリや何だりと、いろいろやるんですけれども、結局、経済環境が変わると何の役にも立たないというような状況になっているものもありますので、そのあたりは今後の糧にしていきたいなと思っております。

7ページ目に、地域経済におけるエクイティ性資金ニーズの分類ということで、私どもが手伝っているものは大きく言いますと、例えば再生案件がありまして、こちらのほうは業績が厳しい会社さんにおいては、何とかバランスシートを整理したいということで、投資ファンドを使おうという認知度は少しずつ高まっているんじゃないかなと。随分、知れ渡ってきておりまして、サービサーと投資ファンドを使うメリット、デメリットとか、そういうところは理解いただけるようになったんじゃないかなと思っております。

あと、法的整理でなかなかスポンサーがついてくれないという案件がありまして、そういうときの受け皿に私どもがなっておるかなと思っていまして、今、法的整理関係で6件ぐらいスポンサーになりまして、もう4件、エグジットが終わっておりまして、なかなかだれもやりたがらないという。大手のメジャーなブランドを持っているところとかはあれなんですけど、ちょっと小口のところだと、東京の方々も皆さん、面倒くさいというふうに言われるので、僕たちのところにお話が回ってくるというのを幾つか経験している例としてあります。

バイアウトにつきましては、大企業についてはファンドさんからコンタクトが東京からもあったりとかして、アレルギーはなくなっているかなと思うんですけれども、中小企業のバイアウトの案件は、例えば事業承継で次に譲りたいというときに、ファンドに後を託すというよりは、大手の地元の会社さんに、ちょっと面倒見てくれんねということで相談に行かれるケースというのがまだまだ多いんじゃないかなと思っています。

あとは、ベンチャー案件につきましては、記載のとおりでございますけれども、ここに来まして、いろいろな価値観とか、若者の中でも変化が生じておりまして、少し起業を希望するような若者がこの一、二年、また増えてきているんじゃないかなと思っております。ただ、九州という土壌の中でIPOを目指すというのは、まだ成功事例が隣にいないということもありまして、IPOを今から目標にするような投資というのはなかなかなじまないかなと思っています。

あと、8ページ目に移りまして、各投資家様のスタンスということで掲げております。地域の金融機関様につきましては、やっぱりリスクマネー供与の最大の理解者であり支援者という位置づけは揺らぐものはございませんで、リーマンショック以降、私どもも含めまして、いろいろ、ファンドの投資先でうまくいっていないという先も中にはちょっとぽろぽろありまして、そういう実例を前に、リスク許容度が低下するという傾向もあったり、あとは、僕はあまり詳しくは存じ上げませんけれども、バーゼルの対応等々でファンドへの投資がいろいろ足かせになっているというようなこともありまして、もしかしたらリスクの許容度というのは下がっている傾向にあるのかなと思っているのですけれども、いずれにしても地域経済を支えていくためには、ほかになかなか地域ファンドを支える投資家というのがありませんので、引き続き最も期待させていただきたい投資家であるという位置づけになっています。

あとは、政策投資銀行様、中小機構様は大きな資金の出し手ということで、いろいろなアドバイスを私どももいただいているという関係でございます。

あと、企業年金連合会様とか、いろいろなところにファンドの話に行きましても、どうしても年金様とかは大きいファンド、200億円以上のファンドじゃないと入れられないとか、そういう制約があって、これは非常に残念なんですけれども、日本の労働者の方々がためた、運用する年金が国内の中小企業にお金が回っていないというのが現状ではないかなと思っていまして、ここは何らかの改善をしてもらいたいなという気持ちがあります。

あとは、事業法人は、まだ東京等とは違いまして、積極的な事業会社様は少ないかなと思っていますが、ここに来てちらほら、CSR目的でちょっと投資ができないかというご相談を受けたりということもあります。

個人投資家さんは、潜在的なリスクマネーの供給者としては重要だと思うんですけれども、なかなかリスク等々のご理解ということを考えますと、私どものほうではまだまだ難しいかなと思っておりまして、支援を受けつけていないという形になっております。

ちょっとお時間があれですので、ページを飛ばさせていただきまして、10ページ目のところに、私自身の、ファンド自身の限界やファンドが直面する制約ということを掲げておりますけれども、いろいろファンドの規模が小さいこともありまして、大きな設備投資を伴う、特に新技術の開発とか、そういうところにちょっとかけてみたいという経営者の方がいらっしゃるときも、私もその目ききができるというわけでもないので、なかなか躊躇するということが、ファンドの規模が小さいので、やっぱり1つ失敗するとファンド全体のポートフォリオが傷んでしまうというようなことで、問題かなというふうに思っております。

あとは、ファンドの出資者が地域の金融機関様が中心ということもありますので、実際、投資先の融資行でいらっしゃることもありまして、実際、業況が悪くなったときに返済をとめるのか、それともファンドからお金を出すのかというところで、ちょっと対応に苦慮するというケースも中にはちょっと経験しておりまして、そういう形で提言ができないかなということで、今、いろいろな地域インフラの方々が賛同するような、リスクマネーを供給する共同機構みたいなものがつくれるといいんじゃないかなというふうに私自身も思っているところでございます。

あと、11ページ目にいろいろな課題を掲げております。繰り返しになりますけれども、私ども自身で課題解決しなければいけないところは、まず、経営者の方々がすぐ頼り過ぎてしまうと。あと、業績が悪くなったときには、ファンドを理由に責任逃れされるというケースもありまして、課題2につきましては、中小企業の管理、財務部門の充実度が低いというようなことがあるかと思っております。

あと、外の課題としましては、ファンドが株主になったからといって、あまり信用補完の効果がありませんで、個人保証を外すということは非常に困難な状況が現実としてはありまして、あと、特に、シンジケーションのローンで調達している場合とかはなかなか季節性のある運転資金の調達なども、少し計画を下回っておりますとできないということで、もうがんじがらめの状態になってしまうということもありますので、なかなかシンジケーションはアレルギーに僕自身もなりつつあるのかなという気もしています。

あとは、ファンドのお金はそういうことで、赤字の補てん資金であるとか一時的な運転資金に回されて、本来、計画に落とし込んでいた設備投資に回せないとか、あとは、保証協会の保証づきの融資に頼らざるを得ないようなことが起きたりということもあります。

あとは、円滑化の浸透が進んだこともありまして、これは僕も非常にいい制度じゃないかなというふうに評価はさせていただいているんですけれども、思い切った再生案件の数がちょっと減少しているのかなと思っておりまして、来年度以降どういう運用になるのかはちょっとわからないので、みんな情報を知りたがっているのですけれども、単なる延命じゃなくてほんとうに再出発できる会社さんにファンド活用を促進してもらいたいというふうに思っております。

あとは、金商法上の問題で、投資運用業等々にとって事業会社さんであるとか個人投資家さんの出資を、お話は結構あるんですけれども、やっていくとなかなかコストがかさむということもありまして、私どものような小さいファンド会社だとそこを維持するのが、ライセンスの維持というのが難しいのかなと思っています。

あとは、最後、解決の幾つかの試案ということで、私どもが今、やっていることをちょっとご紹介させていただきますと、経営者の質の向上という意味では、投資先同士の社長のコミュニティを、フェースブックだとか、実際、フェース・トゥー・フェースで会合を持ったりなんかしまして情報交換をすることによって、社長同士で助け合ったりとか、いろいろな交流ができておりまして、これは非常にいいことをやっているかなというふうに思っております。

あとは、東京にこうやって出張に来るたびに、九州に戻ってきたいという、そういう意識の方々が結構いらっしゃるので、必ず面接をしてリストアップして、いつ、いろいろな会社さんとかが経営者を必要とするときが来るかわからないので、そういうときにすぐ呼んでこれるような、そういうリレーションの強化というのをほんとうに一生懸命やっているところでございます。

あとは、人材不足に関しましては、一つは、政策投資銀行様から若い方を出向で入れていただいて、今、2人目で、累計4年なんですけれども、地域の金融機関様にも出向者の受け入れ等々のご相談等はさせていただいて、対応していきたいと思っております。

あと、地元の若い会計士で独立されている方で優秀な方が結構いらっしゃいまして、そういう方々を組織化しまして、MASRAOというLLPをつくっておりまして、いろいろな会社様のモニタリングのサービスというもののお手伝いを少額で入って差し上げて、金融機関への提出の資料とかを毎月つくるということを活動としてやっています。

すみません、ちょっと時間をオーバーしてしまいましたが、以上でございます。ありがとうございます。

○吉野座長

森社長、ありがとうございました。

それでは、引き続きまして鹿児島銀行の郡山常務取締役総合企画部長からお願いいたします。

○郡山常務取締役総合企画部長(鹿児島銀行)

鹿児島銀行の郡山でございます。本日はよろしくお願いいたします。

本日、テーマでいただきました「地域経済における金融機能の向上に向けて」ということですが、私ども、地銀63行、北九州銀行さんができましたから64行ですけれども、規模的にはちょうどその真ん中ぐらいのサイズ、資金量的には33番目、34番目ぐらいの銀行です。また、本土の最南端にありますので、農業県ですし、いわゆる、ある意味、一つのティピカルな地銀ということで、あまり事業内容はかわりばえのすることをやっているわけではございませんけれども、その中で私どもの取り組みで、少しこの辺が特徴的なのかなということをご説明できればと思っております。

資料のほうは結構たくさん中身を入れてしまいましたので、なるべく要領よくお話をしたいと思うんですけれども、早速資料の1ページのほうからごらんをいただきたいと思います。

今やっている取り組み、それから、今後どういうふうに考えているかというお話をする前に、ちょっとだけ時計の針を戻させていただきまして、少し、私どもがこういう考えに至った背景をお話をしたいと思います。ちょっと古い話になりますけれども、戦後の産業復興の時期に、産業金融というものの制度をきちんと守っていくという形、そういう産業復興のための金融制度、金利であれば、例えば規制金利の中でやってきたということがあった時代も含めて、それは地方の金融にもその影響が出ておりまして、ここに書いております第1地銀を頂点にした、地域における金融のヒエラルキー、そういうものが確かに存在をしていたのは事実でございます。

ここで、なぜ都市銀行さん、いわゆるメガバンクが入っていないかということなんですけれども、鹿児島でも、お隣の宮崎でも、青森県さんとかでも一緒だと思うんですけれども、メガバンクさん、都市銀行さんというのは店舗が地方においてはせいぜい1カ店か2カ店しかないんですね。今でも鹿児島県内には三井住友さんの店舗が1カ店、みずほさんの店舗が1カ店、いわゆる三大メガバンクの中では、この店舗しかない。そういう意味では、地域の金融というのは、地域の金融機関がヒエラルキーの中でこれまで運用してきたというのが事実かと思います。

その中でやはり規制金利だった時代から、正直申し上げて、そこに超過利潤が発生をしていた。内部留保を一生懸命やってきましたので、自己資本は高いものがあったと。そういうことだと思います。ただ、規制の金利から、金利の自由化が始まって、それから金融の自由化という流れの中で、やがてバブルが起こり、バブルが崩壊するわけですけれども、その後の失われた10年、さらには失われた20年の中で、やっぱり少し考えを変えなければいけない、そういうターニングポイントが来たわけです。保守的な経営をやっている間は、経営のプライオリティーというのはやはり収益性、積極性よりも、まず健全性だと。サウンドバンキングだということでやってきました。それは、地域においてやはりあまねく金融サービスを提供しないといけないという使命が当然ありますので、そういう考え方でやってきておりますし、そこは基本的には今も変わっていないんですけれども、少し意味合いが変わってきたのが、やはり2000年を前にしたころです。

私ども、それまで業務遂行計画みたいな形の経営計画をつくっておりましたけれども、2000年を前に、あえて経営戦略計画という名前を入れて、第1次という形で計画をリニューアルしました。そのときに、少し気持ちの上で攻めの経営に転換をするんだと。そうした場合に、我々のコアコンピタンスになり得るものは何かと考えたときに、それまで内部留保してきました。おかげで自己資本は割と厚くて、これは地域銀行の中でもその当時でもトップファイブぐらいだったと思います。それを使いますと。さらには、豊富な顧客情報を使ってやっていきます。さらに、その資本を今後は先行投資的に、その当時言われ始めていたITの活用に振り向けます。そういうことをコミットしたり、左の下に小さく広報活動と書いてありますけれども、S&Pの格付けを1999年に取得をしました。こちらのほうは、今でも、静岡銀行さんに次ぐ、地銀の中では2番目に高い格付けをいただいておりますけれども、同じ時期に東京での投資家向けのIR活動をスタートしました。こういうものも少し、地銀の中位行と言いましたが、当時としては背伸びをしたようなところがあります。格付けにしても、リッターカーに乗っていればいいのにベンツに乗るようなものだと言われたこともあるんですけれども、そういうところへ出ていって、そういうものを目指すということで、地方にいる、ある意味、マイナスの部分を強化していくというか、そういう考え方もそこにありました。

そういうことをやりながら、これからお話しするようなことをやっていきましたということです。今、ちなみに第4次のマスタープランの、ことしが最終年度なんですけれども、来年から新しい第5次のマスタープラン、そこにどういう絵を描くかというのが今の私どもの課題でもございます。

2ページのほうに鹿児島県の概要と書いてありますけれども、これは簡単に触れますけれども、私どもがよって立つマーケットの中で一番大きい鹿児島県、これも人口は全国で24位、170万人ほどです。面積も全国10位と。名前を聞くのが世界遺産の屋久島であるとか、活火山の桜島、そういうものだと思います。特産品に焼酎があったり、黒豚があったり、農産物があります。資源的には再生可能エネルギーのポテンシャルも高いというような分析をしています。最近の話題として、九州新幹線の全線開業が今年の3月にありまして、かなり旅行者の方が増えているというような現況があります。県内総生産も全国27位、これもやはり全国で真ん中ぐらいという感じで思っていただければいいかと思います。

資料の3ページに産業構造を簡単に載せておりますけれども、特徴を一言で言いますと、農業生産県、主に畜産が中心です。それから、製造業の割合が低くて、第3次産業の比率が高い。何かその地域の特性を生かした戦略を打っていかないと、少し気持ちを攻めに転じないとやっていけないということで考えたのがアグリクラスター構想というものです。

4ページのほうに、そのアグリクラスター構想の概要図を書いてあります。これ、結構あちこちで使っているんですけれども、アグリクラスターというのが、アグリカルチャーと、その当時ありました産業クラスターという言葉の造語なんですね。これは当行でつくった造語なんですけれども、アグリカルチャーを中心にしてやっていく。そこの四角の囲みに書いてあるとおり、アグリクラスター構想、鹿児島の基幹産業である農業を起点として生産、加工、流通、観光までを一つの産業としてとらえ、ここに融資をすることで産業全体を活性化させる構造と書いてありますけれども、農業を起点としてというところがみそですね。農業だけではなくて、それを川上として、川中、川下の商流をつくって地域の活性化をすると。

そこで問題になったのが、農業特有のリスクです。それまで商業銀行がなかなか農業融資をやらなかったのは、当時、多分、純然たる農業に出していた融資の比率というのは、私どもの中でもせいぜい1%ぐらいだったんですね。それをリスクテイクしていくということをここで決意をしました。右の上にKeyManという文字が書いてありまして、これも結構、金融界ではあちこちでしゃべっているんですけれども、ITに先行投資をするといいまして、これはうちの業務処理も含めてなんですけれども、業務処理だけではなくて、情報の生産性、それから活用機能、そういったものをシステム化したものです。通常、こういう機能は金融機関の場合は、システムベンダーさんから買ってきて、それをカスタマイズして使うということが多いんですけれども、当行にあわせて自前でつくりました。おかげさまで、今、このシステムを第2地銀さんも含めて数行さんが使っておられるので、余談なんですけれども、その使用料をいただいたりなんかしているというようなことがあります。今日はちょっとKeyManの話までできないのですけれども、そういうものを使いながら、このアグリクラスター構想を進めてきたということです。

5ページのほうに、これはちょっと一例の比較ですけれども、アグリクラスターの関連業種というのは、そこに書いてあります、畜産、養鶏、その他、これを川上、川中、川下、アグリクラスター関連業種としてとらえて推進をしてまいりました。ここ6年ぐらいの数字の中で建設業と比較をしております。地方におきましては、やはり建設・土木が公共投資中心で非常に基幹産業の一つだということは間違いないのですが、公共投資の縮小が想定をされておりましたので、こちらの残高というのは当然、漸減してくるわけです。その中で、アグリクラスター関連の貸し出し、この図のとおりなんですけれども、6年前の396億円から711億円に増えていると。これがちょうど建設・土木業への融資を代替する形で交差しているという姿が見てとれるかと思います。先ほど、ドーガンさんの説明のほうにもありましたけれども、アグリクラスター関連業種に直接のこういうローンを出す、あるいはファンドを通じてリスクマネーを提供する、そういうことをこの間やってきたということでございます。

6ページのほうに、その中でリスクテイクをするんですけれども、できればそのリスクは少しでも低減させながらやっていかないといけない。そこで考えたのがABLですね。アセットベースドレンディングということで、これはABL、畜産だけには限りませんけれども、ここでお出ししているのは畜産関係、牛とか豚とか、その他と書いてあるのは、これは多分、馬だと思いますけれども、そういうものに関して、今はこれぐらいABLで融資をしているという実績です。ただ、今のところはABLの制度的な問題もあって、完全な保全として見ているわけではありません。畜産業向けABLは「添え担保」扱いというふうに表にも書いてありますけれども、副次的な担保として見ているというのが現状です。

取り扱い件数が増えてまいりますと、これは管理がやはり大変です。そういうことで、AgriProの開発ということで、またITを使った管理というものを考えました。これが7ページのほうに書いてある図なんですけれども、ちょっとごちゃごちゃしているような感じがしますが、要は、飼育牛を担保にABLで取りますといった場合に、その牛の1頭1頭のデータをコンピューターで管理をするというものです。独立行政法人家畜改良センターというところに牛1頭1頭のデータがありますので、そことお取引先の牛の状況を照合しながら、お取引先、畜産農家と私どもの銀行の取り扱いの支店と、それから、私どもの銀行の本部が同じ情報を同時に共有できると、そういうシステムです。

このABLにつきましては、先ほど添え担保、副次的な担保というふうに申し上げましたけれども、保全の意味合いよりも、今はやはり中間管理機能とここに書いてありますとおり、お取引先、畜産農家さんと銀行の間にある情報の非対称性を解消するための手段、同じ情報を共有できる手段、そういった面のほうが大きいというふうに認識をしております。そういう認識でやっておりますので、以前よりはかなりお客様の状況というのは、このABLを使うことでわかってまいりました。このABLを使ってデータを共有することで、今、このお取引先については在庫がこのぐらいあるので、これぐらいの運転資金は出せますよねということが自動的に判定できるようになる。お客様のほうも、今、うちの在庫はこれぐらいあるので、これぐらい資金を調達できるということがわかるようになったと。

デメリット、それから今後の課題と書いてありますが、これは後でちょっと失敗例もお出ししていますので、そちらのほうでお話をさせていただきたいと思います。

8ページに書いてありますのは、そういうことで販路を拡大するのに、やはりオール鹿児島でやりたいということで、地元の金融機関を巻き込みました。鹿児島県農業法人協会、それから鹿児島大学といった、いわゆる産学官でまとまった取り組みとして今、推進をしています。左のほうに北海道の北洋銀行さんとの提携、こういうものも全国に販路を広げるためにやっているということです。今のところ、商談会が中心ですけれども、これも発展的にいろいろ考えていかなければいけないかと、そういうふうに思っております。

その中の一つの事例として、9ページに、薩南諸島の取り組みを今やっているので、ちょっと例示がしてあります。鹿児島は、奄美大島、それから屋久島、種子島、こういった有人の離島が非常にたくさんありまして、その中には黒糖焼酎、あるいは白ごまを初め、少し特有な文化を持ったところにある特産品というのがあります例えば、こういうものをもっと積極的に売り出せないか、そういうことです。

時間の制限もあるものですから、10ページのほうに移っていただいて、これまでアグリの話をしてまいりましたけれども、少し視点を変えて、リレーションシップバンキングの話です。リレーションシップバンキング、いわゆるリレバンということが金融界で言われ出したときに、当行にとってのリレバンは何かということを考えたわけです。それまで営業利益改善支援活動という、ちょっと舌をかみそうな名前の活動を当行の営業体制の基本に置いておりまして、リレバンという言葉があったときに、当行においてリレバンを推進するという意味はこういうことだろうと、そういうことで、それを結びつけたという形になっております。

簡単に言いますと、当行の貸出金の支払利息、当行から見れば資金利益ですけれども、その源泉はお客様の営業利益であることに着目をして、単に資金仲介だけではなくて、お客様のPLあるいはBSを見て、経営コンサルティング、営業支援などのソリューションを提供することによって、お客様の満足を得て、その対価として金利手数料をいただく。資金仲介だけではありませんので、金利競争ではなくて、お金に色があるわけではありませんけれども、きちんとコンサルティングで裏づけされたような資金を売っていこうと、そういうことを考えたわけです。

11ページのほう、ここからちょっと成功例と失敗例というお話をします。地域金融として、やはり一番大事なことは、地域へのコミットメントで、そのためには地域へのコミットメントコストがかかるのは、これはやむを得ないなと思っています。ただし、それをやるのが務めですし、そのために常に自己資本はやや高めに置いておかなければいけないかなと、そういうような考えを持っております。

ここで1件、企業再生の話なんですけれども、支援先の概要というふうに書いてありまして、地元の一番大きなホテル、それからパチンコ業もやっていたんですけれども、ここが、バブルが崩壊後、ちょっと調子が悪くなりまして、業況が悪化した原因は設備投資の過大ということなんですが、バブルのころに非常にたくさん投資をし過ぎて、有利子負債も3倍ぐらいにぽんと膨らんで、そういう状態の中で私的整理ガイドラインに基づく3年計画をやることになりました。再生計画の骨子はここに書いてあるとおりですけれども、グッドカンパニー部分に経営資源を出して、金融機関には金融支援をしてもらってということなんですけれども、下の2つの丸ですね。地域金融機関としてやっぱり人も出す。あるいは、地元を巻き込むための活動をするというようなことを行いました。

その結果、12ページに、結果、これは成功例なんですけれども、3年かけてと言っていましたが、1年前倒しで再生に成功しまして、今では正常先へランクアップしているというようなことです。ここも九州新幹線の全線開通で、今やこのホテル部門は予約を取るのも難しいというような活況を呈しているということで、これは成功例だなと思います。
13ページには、ABLの失敗例が書いてあります。これは畜産業ですけれども、結果的に一番大きな業績の悪化要因は放漫経営だったと書いてあります。ABLで出した融資です。ただ、ここにABLの難しさとして書いてあるのが、一つ、二重担保の問題です。ABLですと、登記の制度の問題なんかもあるんですけれども、私ども、例えば、集合物譲渡担保契約を結んで、それに確定日付をつけて第三者対抗要件を得るというようなことをしているのですけれども、それだけではなかなか不完全でして、それがうまく機能しない。お客様のほうが、こっちにも担保に出しているというようなことをすると、結局、二重担保になっていたというようなケースです。ですから、教訓で言いますと、やはりお客様とのリレーション、信頼関係が今のところは強くないと、ABLというのはなかなか機能しない。その辺が今後の課題かなと思っています。

また、例えば、こういう畜産のABLというのは、もし業況が悪くなると、そのABLの担保のものというのは同業者にしか多分、譲渡できないというか、売れないんですね。そうすると、価値的なものがその瞬間、ぽんと下がってしまうと。そういったような問題点もはらんでいます。

時間がもう来ているんですけれども、14ページの高齢者への対応、これは地域の特性に着目していくという点からは、鹿児島の場合、やはり高齢者が多いということで、医療、介護への対応、これも行内に医業推進室というのを随分早くつくりまして、コンサルティングを中心とした営業をしております。

下のほうに、今後の暮らしを取り巻く環境の中でやるべき金融サービス、そういうものも書いてあります。

時間の関係で、ちょっと早足になっているんですが、15ページに人材育成ということを書いてあります。本来は、何だかんだ言っても、最後は人材育成が一番大事だなと実は思っているんですけれども、地域金融というのは、これまではどちらかというと、いろいろ、さまざまな地域の業種の中の支援を金融の面から薄く広くすると、いわば黒子的な役割で来たわけですけれども、これから地域のマーケットが縮小する中では、これまでより若干、黒子の立場から、少し表へ出る、そういうことも必要かなという認識を少し持っております。そういう意味では、例えば、商社的発想を持てる行員、そういったものも積極的につくっていかなければいけない。

それと、あと一つ、下のほうに書いてありますのが、女性の活用というふうに書いてありますけれども、働ける人の人口も減ってくるという中で、当行のような金融機関は働いている人の4割が女性です。そこの活用というものは、かなり早い時期から真剣に取り組んできました。表彰をもらいたいからやってきたわけではないのですけれども、そういう活動が認められて、全国で3社、大和証券さんと京都銀行さんと私どもがポジティブアクションで進んだ取り組みをしているというようなご評価をいただいて、表彰をいただいたようなこともあります。女性の活用はかなり意識してきたというのが正直なところです。

そして、最後のページ、16ページです。これは非常に雑駁な絵がかいてありますけれども、今まで農業を起点としたアグリクラスター構想をやってきましたということですが、商社的な役割を果たしていくという意味では、それ以上に、例えばエネルギーの分野、先ほどお話をした医療、介護の分野、それから環境分野、そして多分、個人的には観光という分野は少し力を入れてコミットしていくというようなことを考えています。道州制の議論もそのうちまた出てくると思うんですけれども、そうなった場合に、九州の中で例えばどういう役割を果たすかということ、そういうものを考えると、今のうちから観光業等にもやはりコミットしていく。それも、単にお金を出すだけではなくて、どうやったら地域がそういうふうに動くかということを考えながらやっていくことが必要なのだろうなと。アグリクラスター構想を進めてきたのと同じような手法が観光分野でもできればいいんじゃないかなと、そういうことを考えております。

非常に駆け足のご説明で申しわけなかったのですけれども、一番、典型的な、ある意味、地方銀行として今やっていることのご説明を以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

○吉野座長

郡山常務、どうもありがとうございました。

それでは、一度、ここで皆様からの、ただいまのお2人のゲストに対してご質問を受けたいと思いますけれども、最初に私のほうから二、三お聞きしたいのですけれども、お2人の方に共通するんですけれども、これまでファンドとして出てくる資金は地域金融機関からのファンドだというお話だったんですが、もう少し、例えば地域のファンドを個人から集めて、それを例えば鹿児島銀行さんの銀行の窓口で集め、それを先ほどのようなドーガンさんのようなところにお金を提供するということができれば、個人のお金が少し入ってくるような気がするんですけれども。

それから、地域金融機関としては、先ほどちょっとお話がありましたけれども、これからバーゼル規制で少しリスクがとりにくくなったときに、こういうファンドというのをコンスタントに提供できるのか。そうでないとしたら、別のところから個人のような方々から集めるということがないのかどうかということです。

2番目は、郡山常務の最後のお話のところで、やっぱり地域金融機関は、ただ金融を提供するというだけじゃなくて、地域経済をどうするかということの役割を随分担っていらしたように感じまして、例えば、観光で動かすとか、それから、さまざまな地域の特産品をどうやって売ったらいいだろうかと、そういうところなんですけれども、この前の我々の議論のところでは、中小企業の方々、最近、アジアとか海外に出ていかれるわけですけれども、鹿児島銀行さんの相手の企業が海外に出られるようなときに、鹿児島銀行さんはどういう形でその方々にコンサルティングとか情報を提供されているのか、そこをお伺いできればと思います。

まず、森社長のほうからお願いします。

○森代表取締役社長(ドーガン・アドバイザーズ)

僕たちも、いろいろファンドの組み立てを考える中で、やっぱり個人の投資家の方、まあ、個人なのか事業人なのかわかりませんけれども、もしくは年金のお金でもこれはいいと思っていまして、ほんとうはリートというマーケットや商品ができ上がったように、低い配当でもきちんと出せるような、そういうような中小企業の大きい地域のファンドみたいな、オープンエンドの投資信託ができないかなと思って、そうすると、ささっときれいにしたものをそっちに、株主をオープンエンドのファンドのほうに移すことによって安定的に今度は地元の方に配当を出せるというのをできないかなと思って、随分、これ、創業以来、みんなと話し合ってやっているんですけれども、一つは、僕たち自身の反省点では、まだ中小企業から安定的に配当を出せるというほどの支援の成功の方程式というのをまだまだつくりきれていないというので、ちょっと難しいかなと思ったんです。

やっぱり非常にリスクを伴う投資商品なので、個人の方を巻き込んで、きちんとそれを返していくというのは、口で言うのは簡単なんですけれども、実際は非常に難しいのかなと思いますので、まずその前段で機関投資家さんの資金をきちんと運営できるようになるのがまず先なのかなと思っておりまして、バーゼルのところは僕は全く素人なのでわからないのですけれども、ぜひ純投資として金融機関様が投資をされるものと、地域貢献で投資をされるものとは住み分けが何かできないものなのかなというのは僕ら側から思うことであります。

○吉野座長

どうもありがとうございます。

それでは、郡山常務、お願いいたします。

○郡山常務取締役総合企画部長(鹿児島銀行)

例えば、鹿児島県において、鹿児島県が県債を出します、県のために使いますなんていう話になると、意外と個人のお客様って県債を買ってくださるんですね。そういう思いっていうのは多分あるような気がするんです。ただ、今、ご説明がありましたとおり、地方に限って言うと、個人の投資行動というのはかなりまだ保守的だと思います。個人のお客様が持っている資金をそういうところにどんどん引き出したいという思いはありますし、そういうものがあると非常に夢があるなという気持ちも十分あります。従来預金していたものを投資へ振り向けるということが、地方においても徐々に拡大してきて、そういう考え方というのが、今、右肩上がりで少しずつ増えている途中なのかなという認識をしておりまして、それでいきますと、今、森社長様のほうからありましたとおり、ある程度リターンをきちんとお約束できますよというものができ上がってくるのとパラレルに、平仄を合わせてだんだんそういう可能性が出てくるのかなというふうに考えております。今のところでは、一足飛びにその段階まで行くというのは少し難しいんだろうなというのが今の率直な感想です。

それから、地域経済の中で、今、お話がありました、例えば観光業にコミットをするというようなことも含めて海外ですけれども、私どもは海外の拠点は上海に事務所を持っているだけですけれども、一方で、資料の中にもちょっと書かせていただいたように、商談会は台湾とか上海、中国でも結構頻繁にやっています。地理的なものもあって、当行に限って言うと、非常に東南アジアに対する販路の拡大への期待というのは大きいと思うんですね。そういうものは私ども組織の中でも国際ビジネス推進室という形で、そういう橋渡しができるスタッフを育てて、今、一生懸命やっているところです。

少し小さい話をしますと、私どもの部署の中に毎日のルーチンの仕事を何もしなくていいと。とにかく1人は農業、1人はエネルギー、1人は観光について自由に発想をして、何か発想したことを持ってこいという、遊軍みたいな、ずっと昔で言うぶらぶら社員みたいな行員を3名抱えておりまして、当行はそういうのを繰り返し繰り返しよくやるんですけれども、1人が、今はまず汗をかいてこいということで、地元の産品を商品化するために、こういう話はよくあるんですけれども、自分たちでやってみようということで、地方のタケノコとか地方の食材を出しているところ、素材で出しているところに、うちのほうで料理評論家の人とか栄養士の人とかを連れていって、そこの工場の中でこういう製品ができないかとか、小さい話なんですけれども、そういうこともやったりしています。銀行の仕事は一切やらせていません。

そういうことをやりながら、実際に自分たちの足とか目で見て、お客様を引っ張っていこうというようなことを取り組みとしてやっています。ですから、そういう小さいことから少し大局的に見て、こういう施策を含むというところまでをこれからもやっていければなと思っています。ただ、トライアンドエラーみたいなことが非常に多くて、10やって幾つ成功するんでしょうか。1つか2つ、そんな感じで今やっているところです。

あまりお答えになっていないかもしれません。どうもすみません。

○吉野座長

どうもありがとうございました。

いかがでしょうか。家森先生、どうぞ。

○家森委員

幾つかございます。

まず、ドーガンの森社長にお尋ねしたいのですけれども、資料の2ページで、地域金融機関だけでは手が届かないという、そういうような言い方をされていますけれども、なぜ地域金融機関本体では難しいのでしょうか。この点について教えていただければと思います。

それから、もう一つ、実際、ドーガンさんは対象先をどういうふうな形で選ばれて支援をされているのでしょうか。そのあたりのノウハウといいますか、どういうふうにされているかについて教えていただければと思います。

それから、鹿児島銀行さんにお尋ねしたいのですけれども、2000年のころから第1次中期経営計画をつくられたということですが、こういうふうに新しくやっていかないといけないと考えられたのは、競争圧力なのでしょうか。株主の圧力なのでしょうか。マネジメントの自覚なのでしょうか。あるいはほかのものなのでしょうか。どういうことがこういうふうにみずからを変えていこうと努力されるきっかけになったのかという点を教えていただきたいです。

もう1点、幾つかの地方銀行でも今、ITを非常に活用されていると聞いていますが、鹿児島銀行さんも今日のご説明でそうだということなんですが、通常、ITというと、規模の経済が働いて、地方銀行さん、特に中規模ぐらいでは難しいのかなというような印象を持っているんですけれども、これについて、規模の不利益等についてご感想といいますか、教えていただければと思います。お願いいたします。

○吉野座長

まず最初に森社長からお願いいたします。

○森代表取締役社長(ドーガン・アドバイザーズ)

まず、地域の金融機関だけではできないのかというのは、実際、例えば、農業のものをうちの人間と一緒に中に入ってお手伝いさせていただいたりしているんですけれども、実際、これ、僕が銀行時代、何で中小企業のおじさんは、来月までこれやるって言っていたのにやらないのかなとか、言ってること何でできないのかなって、いつもいらいらして、僕が自分でやればできるのにっていうふうに思って、で、独立をしたりして、僕のところに今、いろいろな若者が、ハーバード出のMBAの連中も来たりとか、ほんとうに立派な会社さんから転職してきたりというのも、みんな同じことを言うんですよ。自分がふるさとの中小企業に行けばできると思うって。

でも、実際、ふた開けて入れてみると、やっぱり企業の経営というのは銀行員ではできなくて、僕もベンチャー企業、自分で会社興して、みずからリスクしょってやってるからできることであって、多分、今日お見えの偉い先生方も、体系立てていろいろなことは整理できていらっしゃると思うけれども、中小企業に入って従業員の方に働いていただいて、物を仕入れて、競合先と闘っていって、というのを計画どおりにできるかというと、これは全然別世界のもので、僕たちは、だから銀行時代は管理はできるんですが、トップラインをつくって、あと、中のモチベーションをがんがん上げていくというのは、やっぱり銀行という立場から、できる方もいっぱいいらっしゃると思うんですけれども、やっぱりそこは僕たちが役割として株主として入っていって、仲間として入っていって、同じ船に乗ってどんどん引っ張っていくというようなことをやっているというところで、銀行の方だけではできないことじゃないかなというふうに自負しているところでございます。

あと、もう1点、案件の選択につきましては、地域の地銀様から、ちょっとおまえのところで調べてもらえないかとか、そういう形でご紹介をいただいたりしてやることもありますし、地元の会計士や弁護士の先生とか、あと、僕たちがお手伝いしたことで口コミで広がって、「ちょっと友達ば紹介するけん、手伝ってやらんね」とか、そんな感じでご紹介いただいて、僕たちがサポートするということもあります。

ぱっと思いつくので、今までやってきている中でユニークなのは、例えば、肥後銀行様と一緒に熊本のマグロの完全養殖の会社さんでブリミーさんという会社さんがあるんですけれども、近畿大学の完全養殖のマグロをやっているんですけれども、そこを僕らが銀行さんと一緒に投資をして、僕たちがマグロのブランディングをお手伝いします。養殖マグロといっても、日本ではなかなか評価されないので、これ、海外に持っていきますと、シーシェパードとかグリーンピースの皆さんとか、そういう環境保護団体の方々からのいろいろなクレームとかも起きないということもあって、向こうでは非常に評価が高いので、アメリカにどんどん出しているんですけど、僕たちが天空まぐろというブランドをつくってあげて、パンフレットとかロゴは、僕らの別のファンドで投資しているサンカラーという印刷会社さんに全部つくってもらって、ウェブサイトは僕らが投資しているEWMという会社につくってもらって、イーコマースのサイトは僕らが投資しているアラタナさんにつくってもらってということで、今度、博多駅に新しくできたレストラン街があるんですが、そこに天空まぐろ丼というのを友人がやっている会社さんに出してもらって、それを地元のテレビで取り上げていただいたり、『美味しんぼ』という漫画で取り上げていただいたりとか、そういうことで、みんなで一つの会社さんをやるぞというときは、お祭りのような感じで盛り上げてやっていくというのをやっていたりとか、あとは、熊本の駅前にありますニューオータニの株式の大半を今、僕たち取得してやっているんですけれども、リーマンショック以降すごく厳しくなって、これはもうちょっと社長をやる人がいなくなったので、僕がみずから入っていって、うちの人間も常勤で日曜日から月曜日までずっと泊まり込みで入れて、それは会議から何から全部、経費の使い方も全部チェックするようにして、入っていって、同時にモチベーションを上げていくというようなことで、僕たち自身がごみ拾いをみんなで一緒にやったりとか、そういうことをやっていくことによりまして、新幹線の効果もありまして、非常に今期は落ち着いた業績が久々に出せるんじゃないかと思ったり、何か、そういうことをやっています。

○吉野座長

じゃあ、郡山常務、お願いいたします。

○郡山常務取締役総合企画部長(鹿児島銀行)

危機感という感じで言うと、やっぱり金利の自由化、金融の自由化は多分、欧米のほうが10年とか15年先に進んでいるというような話がもう当時からありまして、いずれこうなるよねっていう話だったんですね。銀証の垣根の問題にしてもそうなんですけれども。

そういうものはあっても、ただ、一方で、正直、本土の最南端の銀行ですと、肌身でそれほど危機感を感じるかと言われると、先ほどメガさんもそんなに店舗がないという話をしましたけれども、あまり危機感というのを肌身で感じることは実は逆にない。ただ、一方で、そういうところからこそ、人口の減少とか高齢化の進展というのはすごく早いんですね。過疎化が進んで、どんどん町に人がいなくなって、シャッター通りが増えていって、これはやっぱり将来的には危機だろうと。ゆでガエルじゃないですけれども、今まだそんなでないよねと言っているうちに、いつのまにか大変な時期が来るぞという認識はみんな持っています。

そういうときに、結局、結論で言うと最後は、やっぱりおっしゃったマネジメントの問題で、そのときの経営者がやはりかじを切らなきゃいけない。トップダウンでそういう指示が出たというのがほんとうのところなんですけれども、それで今に至っているということだと思います。

2つ目のITの投資というのは、IT投資を先行的にやっていくということで、金融機関にとってシステム投資の金額というのは、やはりばかにならないほど大きいんですね。私どももこの5月にホストコンピューターを更改しましたけれども、ホストコンピューターのメーンフレームのところはやはり自前でやるというわけには当然いかないので、それはもうメーカーさんと一緒にやっていくんですけれども、KeyManというシステム、あるいはAgriProというシステムはサブシステムで、さほどかかるわけではないと。ただ、KeyManのほうは、それでも何十億円規模ですけれども、今、少しIT投資を先行的にやりまして、コストが高どまりしているのも事実です。そういうこともあって、多分、当行は健全性は高いという評価はいただいているのですけれども、収益性については経費が少し高どまっているというような評価もいただいているところなんですね。そういうこともあるなというふうに思っています。ただ、KeyManもAgriProも、いろいろなシステムについては、さほど大きな金額を使っているわけではないということです。

AgriProのほうについては、私もあまり詳しいところまではわかりませんが、今日はアグリクラスター推進室の諏訪田が来ておりますので、少しAgriProについては諏訪田のほうから補足をさせていただきたいと思います。

○諏訪田営業支援部アグリクラスター推進室長(鹿児島銀行)

紹介いただきました諏訪田でございます。

AgriProの開発については、先ほどご説明がありましたように、実際、ABLをやる上での管理、その他、どうしても必要なものであるということで開発をいたしておりますけれども、このシステムのノウハウ自体は銀行側の、基本的に私どもが、もうアグリに関しては6年から7年、実務をやってきておりまして、その流れをシステム化するという形で、イメージというか設計図自体は手前どものほうですべて書かせていただいて、システムベンダーのほうにはそれを使っていただく。ご協力いただいているシステムベンダーも大手さんではなくて、割と小回りのきくところをお願いしておりまして、その中で約1年、ベンダーのほうから鹿児島に来ていただいたり、私のほうが東京にお伺いしたりというような流れで、KeyManとは全然違う、もうほんとうに数千万円という形で作成させていただいております。

なおかつ、小さくつくっている流れの中で、実際、これをお客様に使っていただいたときのご要望というのがどんどん出てくるわけですね。このAgriPro自体は銀行の管理システムという観点よりも、お客様が使っていただいたときの経営管理ツールになり得るようにという視点から、要はお客様のユーザビリティーというのを一番の大前提に考えてつくっておりますので、お客様から要請があった場合は、そのつどシステム変更等々をさせていただいております。

ですから、アグリだけで何億円という投資は、おっしゃるようになかなかそこまで判断はできない中で、いかに小さくして投資をしていくかということで実際やっております。

以上です。

○吉野座長

ありがとうございます。

ほかにございますでしょうか。河野委員、お願いいたします。

○河野委員

私の聞きたかったことのお答えは、さっき森さんのほうから実は出たのですけれども、森さんのご説明の中で、要するに中小企業の経営人材が極端に不足しているということが大きな問題だというお話があったんです。それで、本当は鹿児島銀行の郡山さんに、銀行の人材は役に立つだろうかということをお聞きしたかったのですが、それはさっき、違うんだというお話がありました。

ただ、鹿児島銀行さんの人材育成というところに、地域リーダーというふうなことが、育成の目的が書いてあるんですけれども、ここに経営者というか、要するに中小企業の経営もほんとうにできるというふうなことが必要なのか、必要でないのかというと、どうなんでしょうかね。やはり私も、申しわけないんですけれども、メーンバンク、都市銀を見ていても、それはちょっと経営は無理だろうというふうに思っていたんですけれども、これだけもろもろ、女性等々含めて人材育成に力を入れておられるということであると、結局、県内で地域を活性化するにはやはり人なんだということで、そこら辺はお答えいただければお二方に。すみません。

○森代表取締役社長(ドーガン・アドバイザーズ)

僕らもいろいろな銀行様とおつき合いさせていただいておりますけれども、鹿児島銀行様は、ここはというときはすごく経営者に近いところにどんどん入っていかれる銀行様なので、ちょっとさきにお断りといいますか、申し上げておきます。

あと、多分、銀行の方々は優秀な方がすごく多いので、私たちも今、政策投資銀行さんから1人、出向で4年前に入ってきて、最初はやはり銀行員らしい対応だったけれども、やはり僕らの中で、株主として会社とつき合っていくことによって、本人も途中でやっぱり芽生えたみたいな感じで、すごくプラスになったと思っておりまして、会社の経営というのがわかったので、将来本人がどういう道を歩くかわかりませんけれども、やっぱり経営人材という形で、いつ何時そんな話が来るかもわからないし、そういうときには非常に役に立つと思うので、ほんとうは、むしろ銀行員の方だからこそ会社の経営に近いところで、どんどん若いうちに出向でも何でもいいから経験されると、僕はすごく地域にとっては一つの底力みたいになるんじゃないかなという気はしていますけれども。

○吉野座長

郡山常務、お願いいたします。

○郡山常務取締役総合企画部長(鹿児島銀行)

今、森様のほうから少し褒めていただいたような感じもあったり、私が人材育成と言っているのと少し逆行するかもしれませんが、じゃあ、例えばうちの銀行の人材が中小企業の経営者たりうるかというと、もちろん人によると思うんですけれども、概して言えば、やっぱり難しいだろうなと思います。銀行員はやっぱり銀行員というところのほうがやっぱり全体的には強いと。ただ、わからなきゃいけないということでは、銀行によくある、例えば、銀行を卒業して中小企業へ行くという形のものは当行にも当然ありますけれども、それはそれとして、例えば30代とか、早ければ20代後半をいろいろな業種に出向させるということは、今、少し意識してやっています。極端な話、畜産業にも出向させて、そこでじっくり現場を見るとか、あるいは、期間は短くてもホテル、旅館、それから県内の業種を問わず、例えばコンビニエンスストアとか、そういったところに若手を派遣をして、現場をみると言うことは意識してもらっているんですね。

ただ、だからといって、その会社を経営できるようになるとはやはり思わないんですけれども、少なくともその会社の方とコミュニケーションはとれて、ほんとうにわかるところで経営の相談には乗れるだろうというふうに思います。ただ、基本的にはやはり金融を中心とした黒子の役割だというところはある程度ありますので、さっき、商社的な動きまでできるようになればいいとは言いましたけれども、それも経営者までを今のところ目指しているというわけではなくて、やはり経営者の方のお手伝いなりアドバイスをできる人材を育てたいというのが本音です。

○吉野座長

どうもありがとうございました。

大崎委員。それから少し中間整理のほうに入らせていただきます。大崎委員、どうぞ。

○大崎委員

ありがとうございます。

ちょっと細かいことで恐縮なんですが、森さんのお話の中で、金商法のライセンスの維持が難しいというようなお話があったやに聞いたのですが、私の誤解でしたら恐縮ですが、現状、金商法上どういう位置づけでやっておられて、それにどういう難しさを感じておられるか、もう少し具体的に教えていただければと思いまして。

○森代表取締役社長(ドーガン・アドバイザーズ)

僕たちは、金融商品取引業者としては助言・代理業の免許を持ってやっているんですけれども、業務そのものは助言・代理ライセンスの中での投資顧問ではなくて、今の僕たちがやっている4つのファンドは特例業務ということで、機関投資家様を受け入れたものということですので、特例業務をやるには、要はちゃんとした出資をできるファンドは必ずしも運用業の免許が要らないというふうなことになっておりまして、一方で、機関投資家様が入らない、個人の方だけの、もしくは事業会社さんだけのファンドをつくろうとすると、やっぱり運用業の免許とか2種以上の免許が必要だということになると思うんですけれども、そうすると、内部のシステムだとかいろいろな人の配置であるとか、そういうことで多分1,000万円から2,000万円ぐらい、多分そういう維持コストが必要になってきますので、それを負担すると、大きい、何百億、何千億というファンドであればライセンス取っていくということはできると思うんですけれども、機関投資家様からのファンドということですので、僕たちの同業では、金融機関のファンドの人たちはもうほとんど取っていないという、そういう現状になっています。

○吉野座長

それでは、時間の関係もございますので、また追加的なご質問があれば後ほどお願いしたいと思いますが、これからは、資料1-3にございますけれども、事務局にこれまでの議論を中間的に整理していただきましたので、それについて黒澤課長からご説明いただき、あと、皆様からご意見をいただきたいと思います。

○黒澤総務企画局企画課長

それでは、お手元に資料1-3というものがございますが、これに基づきましてご説明させていただきます。時間も限られておりますので、手短にご説明させていただきます。

まず、検討の視点というところでございますけれども、いろいろ書いてございますが、3行目の、金融機関は顧客目線に立って、以下の課題に取り組む必要というのが一つの出発点でございます。その上で、これまで議論されておりましたように、中小企業の成長過程に応じた長期のリスク性のある資金供給、その他の金融機能をいかに発揮していくかという従来からの課題。それから、これまでのご議論を踏まえまして新たな課題というのでしょうか、少子高齢化やグローバル化の進展に伴って高まる新たな資金やサービスへの需要、こういったものも第2の課題として掲げております。

その上で、次の、ヒアリングに基づく現状評価ということで、地域金融の現状、需要サイドでは一体どのようなことがあるかということで、最初の矢じりは、中小企業の収益力・資本力はハイリスク・ハイリターン、しかもこれは創業時のみならず半ば恒常的、しかも地方では都市部との格差が広がっているということです。

他方、若干、明るい要素ですけれども、さはさりながら、高い技術力を誇る中堅・中小企業もございますし、今、申し上げましたような新たな資金需要、あくまでも例示でございますが、医療、介護、環境、バイオ、農業等もあると。また、少子高齢化、人口減少と社会構造の変化に伴って、ご議論いただきましたように、新たなまちづくりといいますか、住みかえといった新たな需要も出てきているのではないかということです。

他方、グローバル化を背景に、中小・中堅企業でも海外に進出するところが増えてきておりますし、また、最後の矢じりです、高齢化に伴い、個人金融サービス業では高齢者という重要な顧客層が成長しつつあるという状況にあります。

こういった需要サイドに対しまして、供給サイドは、必ずしもこういったものに対応しきれていないのではないかという整理ですが、まず1つ目は、あくまでも全体的な話ですが、地域における中小企業向け貸出は減少傾向にあり、その中身も薄利多売の傾向が認められるということでございます。

次のページにまいります。また、地域金融機関の貸出は全体として見れば、なるほど、増加しているのですけれども、その中身を見ますと、結局、大企業、地方公共団体、あるいは住宅ローンという、必要しも利ざやが大きくないところを増やしているということです。

さらに、貸出増強といった信用リスクよりも、国債などの投資による金利リスクテイクによって収益拡大する傾向が一般的に見られるという指摘もございました。

他方、ベンチャーファンドにおきましては、近年、経済低迷が続いているということもありますが、最近では創業、あるいは創業直後といった初期段階の投融資は必ずしも好調ではなく、低調になってきておりまして、また、他方、中身を見ましても、中長期的な成長性より、むしろ一時的な人気といいますか、市場の評価に流された特定業種に偏っている傾向がございます。

あと、政府系金融機関は、こうした中においてさまざまな局面で存在感を高めつつあるということです。

こういった需要と供給の引き算で求められる金融サービスというものが出てくるわけなんですけれども、中小企業等に対してはリスクマネーの供給、これがやはり求められていると。創業時のみならず、その後も長く続く不安定期をカバーするようなもの。それから、医療、介護、環境といった新たな新需要というのも見え隠れしてきていると。こういったものを支える裏側として、不動産担保や個人保証に依存しない融資、例えばABLの話題が何度も出てまいりました。

他方、海外の活力を取り込むということで、海外に活動を展開し始めている中堅・中小企業のサポートというものを、地域金融機関としてもしっかり対応していく必要あるという議論がございました。

それから、最後の矢じりは、新しい地域における社会構造の変化を踏まえた金融サービスの提供として、住みかえ、インフラ差異整備の需要、あるいは高齢者の個人ニーズにこたえる個人金融サービス、資産運用、あるいは管理といったところに需要があるのではないかというご意見がございました。

以上を踏まえまして、今後ご議論をいただきたい論点の例ということですが、まず、リスクマネーを供給するために、一体、これから何がさらにできるかということですが、1つ目は、いわゆる「根雪」融資、あるいはエクイティ資金というものを地域金融機関という立場からどのように供給できるのか、あるいは地域金融機関だけで難しければ、ベンチャーファンドあるいは政府系金融機関と連携を強化すれば何かできるのではないかと。こういったことを通じて貸出が増えれば、逆の意味において預金がそのまま国債に回るという受動的な資産運用からの脱却の道筋が見えてくるのではないかということです。

それから、この裏側では担保資産の多様化ということで、ABL推進の話もございましたが、あと、電子債権化というものに伴うビジネスチャンスもあるのではないかというご意見もいただいております。

それから、次のページにまいりまして、コンサルティング機能の向上といったものが従来どおりありますが、特に、以上の文脈からすれば、担保力の向上が必要ではないかということ、それから、各地域金融機関は経営資源がもちろん限られておりますので、ソリューションづくりが全部できないというご意見もございました。めりはりのある投入、得意分野をつくっていくということが大事ではないかということです。

それから、2つ目は、地域における社会構造の変化にいかに対応するかということで、一種の構造転換への対応ということで、まちづくりというレベルもありますし、個々の企業で見れば経営不振企業、あるいは高齢化に伴います後継者問題を抱える企業の問題解決というものもございます。それから、高齢者、個人金融サービスの需要者という位置づけもございます。

こういったことをやっていくのですが、それでもなお地域経済の低迷は長期化しているという現実は当面続くのかなということですが、そうなるとやはり他の地域、あるいは海外の活力というものをより積極的、意識的に取り組んでいく必要もあるのではないかという3つ目の点があろうかと思います。

こういった中で、各地域金融機関はじゃあ何ができるかということなんですが、1つ目は、地域金融機関の取り組みということで、まず、経営戦略を顧客ニーズという観点からもう一遍見つめ直すという1つの考え方があるのではないかということですが、選択と集中に基づいて顧客ニーズを見据えた上で、これをビジネスモデルの中に位置づけて、それを地域経済の発展、あるいは収益力強化につなげていくということ。あるいは、新たな資金事業に対応した有機的な投融資の組み合わせ、さらには預金者、特に高齢者等に対する金融サービスの充実。それから他地域とのかかわり方、他地域への相互乗り入れや広域連携というのも戦略としてはあるのではないか。外国向けにおきましては、単独では難しいということであれば、政府系も含めた他金融機関との連携というもの。それから、管理面での取り組み、人材の育成は何度も出てまいりました。それから、外部専門家というのも出てまいっています。

それから、こういった体系を維持したままの戦略もあるのですが、そもそも戦略基盤そのものを拡充強化すべきではないかというご議論をいただきました。顧客ニーズを踏まえまして、統合、再編も含めた大胆な経営基盤の拡充というものを考えるべきだというご意見、何度かいただいております。積極的なリスクテイクを行う、エクイティ性資金を出すということであれば、当然のことながら、まず自己資本が確保されていなければなりませんし、それに応じたリスク管理体制も必要かと思います。

それから、その次のページですが、さらにそういったリスク分散、あるいは収益力を支えられるような拡充された営業基盤というものも考えなくてはならないのではないかと。規模の経済の追求、他地域とのかかわり、地域CLOというアイデアも出てきたと思います。それから、系統ですと、中央運用機関との連携強化という形でのリスク分散という道もあろうかと思います。

それから、規模を拡大するだけではなくてアウトソーシングという形での組織再編というのもあるのかなということで書いております。外に行く場合は、グローバル化する場合には、一金融機関では難しいのであれば、他の金融機関と連携した海外展開というご意見もあったかと思います。

それから、すべてを支える上で当然、ガバナンスは重要だということです。

業界ないしは当局は何をするのかということなのですが、業界共通の話題を金融業界全体として取り組むということはあろうかと思いまして、あくまでもここに書かせていただいた例示でございますが、ファンドや政府系金融との戦略的な連携、あるいは地方自治体との認識の共有、それからノウハウの共有、研修、DDSとか、あるいはコンサルティングベストプラクティス、あるいは人材育成の高度化といったようなものは業界の取り組みとして考えられるのではないかと思います。

当局として、こういったものを支える上で何ができるかということを今後さらに深めてまいりたいと思いますが、大きく分けて2つあろうかと思いますが、まず、円滑なリスクマネー供給をサポートするために一体どのような当局のサポートが考えられるのかということ、それから、地域金融機関だけでは、そうはいっても取りきれないですから、政府系金融機関といった公共部門を使った民業補完機能の発揮というものをより促進していく必要があるのではないかという方向性があります。

これ以外もあるかもしれませんが、とりあえずいただいたご議論の中から整理させていただいたものでございます。

○吉野座長

ありがとうございました。

それでは、この中間的な論点整理につきまして、皆様からの率直なご意見をいただければと思います。では、藤原委員からどうぞ。

○藤原委員

先ほど実は質問したいことが、鹿児島銀行の方とドーガンの方にあって、そこから入っていってよろしいですか。

○吉野座長

はい。

○藤原委員

中小企業のニーズに見合うサービスという中で、私はここに書かれていない、実際はもっと簡単なのではないかと思うんですね。それは、もうこれだけ不況になって大変な時代で、中小企業とか、あと、夫婦共働きの人たちのCSを上げるためには、週7日365日という感じで、銀行だけが月曜から金曜までで、土日、店を閉めるという、そういうサービスがもしかしたら時代に合っていないのではないかと。銀行を3時に閉めるとか、その辺のところを動かして、顧客サービスを上げていくということがこの中に入ってもいいような気がしまして、それについてどう思われるのか。

私は仕事柄、海外出張をよくします。イギリスではもう週7日開いている銀行が出てきました。銀行法がどう改正されているのかちょっとわかりませんが。私たちは月曜から金曜まで仕事をして、土日休むのは当然のこととして思っていて、土日を開けるということは、昔に戻るような感じで、これが進歩じゃないという価値観で来たと思うんです。顧客サービスということを考えたときに、私もやっぱり社長さんとかつかまえるときに、土日にお電話したほうがゆっくり話せると思ったときには、やっぱり私も土曜に仕事をしたりして、それは大手銀行で仕事をしているときは考えつかないことだったんですね。ただ、顧客サービスにつながるということはこういうことなんだろうと、自分の経験から学んだわけですが、この点についてお願いいたします。

○吉野座長

じゃあ、鹿児島銀行の郡山常務、お願いいたします。

○郡山常務取締役総合企画部長(鹿児島銀行)

なかなかストレートにお答えするのが難しいところのあるお話なんですけれども、ご指摘の点は、もう今、消費者の視点、目線、生活者の視点で言うと、当然のご指摘だというふうに思います。一方で、私どもサイドも個人のお客様へのビジネスを拡大してきたときに、個人のお客様と会える接点というのは、むしろやっぱり土日なんですね。平日はやはりお仕事をされていたりして、なかなかお会いできないというところがあって、そこのジレンマはあります。それで、例えば、ご相談ができるポイントというのは、例えば住宅ローンのご相談を受けるポイントだとか、預かり資産の投資のご相談を受けるポイントというのは、一部、土日の営業も始まっているというような、これは私どもからのニーズもあってそういうことが始まっているんですけれども、勘定系のところはいまだやはり平日の3時までですよね。そこについては為替の問題もあって、一金融機関ではなかなかできないところがあるので、少しここは回答を逃げているようなところもあるかもしれませんけれども、だんだんそういうものは時代の流れの中で変わっていくのだろうなと。ただ、そういうことを言っている中で、消費者の利便性の観点から、確かにその辺のところは、金融機関というのはもしかしたら一番おくれているのかなというようなところはあります。

繰り返しになりますけれども、私どもも平日の昼間訪問しても、あるいはお電話をかけてもつながらないということがよくありますので、そういうものが今後どう改善をされていくのかなというのは、時間の進み方はよくわかりませんが、ちょっとずつ変わっていくのかなというふうには思っております。

○吉野座長

では、この論点整理について、小野委員、どうぞ。

○小野委員

事務局がまとめてくださった論点整理について1点、今後議論できないかと思う点を申し上げます。

きょう、鹿児島銀行の方がまさにおっしゃっていましたけれども、金融機関の資金利益の源泉は借り手側の営業利益にあるわけで、その意味では、きょうの論点整理にもあり、また私自身もそうした趣旨のプレゼンを以前にさせていただきましたけれども、中小企業自体の収益力がこの10年間、細ってきている問題があります。今回の論点整理では、いかにリスクマネーを供給するかという例として、エクイティ性の資金や、あるいはABLをあげていますが、そういった形の話も大事ではあるんですけれども、それ以前に、そもそも何で中小企業の収益力が下がってきているのかを見極める必要があると思います。それは供給サイドの要因が大きいのか、需要サイドの要因が大きいのか、あるいは何か政策が寄与しているのかということを議論せずに、金融機関としてどういう取り組みができるか、あるいは行政当局としてどういう取り組みができるかといっても、それは多分、総論的にいろいろな論点を並列的に並べて終わってしまう気がします。その意味で、そもそも何で日本の中小企業というのは弱ってきているのか。あるいは、もし、いい企業と悪い企業との格差が広がっているのであれば、その原因は何なのか。それがもし供給サイドの要因であるのであれば、金融機関の取り組みの仕方に何か改善の余地があるのでしょうけれども、もし需要サイドの問題、あるいは政策サイドの問題であれば、それはそちらのほうで対処するのが筋だと思います。

私自身、それに今、回答を持ち合わせているわけではないですけれども、ここに挙げられていない論点で一つ挙げるとすれば、例えばこの間、金融危機や、日本経済がずっと低迷し続けてきたことを背景に、緊急保証制度や、あるいは金融庁で言いますと円滑化法といった、ある意味で時間を稼ぐ政策をとってきたわけです。こうした政策に対して批判的な立場をとる方々からすれば、むしろそういう甘い政策が中小企業の抜本的なリストラクチャリングを阻んできたのではないかという議論もあるわけです。そういった論点についてもう少し深めないと、なかなかストレートな解というのが見出せないんじゃないのかなと。前段階の検討をもう少し丁寧にすべきじゃないかというふうに思います。

○吉野座長

貴重なご意見ありがとうございます。

篠原委員、どうぞ。

○篠原委員

私も、今の小野さんの意見と全く同じでございまして、一番最後の、金融当局さらには政府としての取り組みという、2番目ですね。地域の金融機関だけでは取りきれないリスクについて、政府系金融機関による民業補完機能の発揮等とあります、これも一つの道だと思いますけれども、おそらく地域金融機関だけでは取りきれないリスクというのは、メガバンクでもっと取りきれないんでしょう。そういう意味では、地域金融機関というのは、地域の中小企業の方々にとっては、融資を受けられる最後の金融機関なんじゃないかと思うんです。それでもリスクを抱えられないという案件については、先ほど小野さんもおっしゃったように、何でも救済につながらないように、経済がますますグローバル化していく中で、各企業もそれぞれリスクをとるということが一方で必要なのだと思います、リーマンショック以降の緊急保証とか円滑化法とか、今度の、大震災による二重ローンの救済とか、そういうものは必要だとは思いますが、それがあまりにも行き過ぎないようにしないと。私もここの書きぶりはちょっと気になるので、もう少し検討させていただきたいなと思います。

以上です。

○吉野座長

ありがとうございました。

じゃあ、河野委員、どうぞ。

○河野委員

私も、今のお二方のご意見に賛成で、できればほんとうに競争というのをどこかで。競争がないところで連携と補完ということだけでは難しい。要するに、事業者側というのがチョイスできるような仕組みをつくっていくということと、今までの、例えば政府系金融機関の円滑化法なりほかのことにおいて出された資金がどれぐらいの率で戻ってきているか、返却されているかというふうなことの透明化というのか、見える化というのはぜひ今まで以上に、ちょっと私も数字はよくわからないという感じはしておりますので、見える化も図っていただきたいと思います。

○吉野座長

ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。じゃあ、齋藤委員、それから永沢委員。

○齋藤(一)委員

大体同じような、同様の意見を幾つも吐いても仕方がないんですけれども、あえてやっぱり申し上げたいのは、やはり競争構造の問題だと思うんですよね。需要サイド、供給サイドというお話が出てきますけれども、じゃあ、その中で地域金融機関がどういった競争を繰り返しているのか。往々にして、大体、同質的な競争を繰り返しているというのが典型的な例だろうと思いますけれども、その辺、一度、サーベイをしていく必要があるのではないかなというのが1点。

それと、2点目は、よく金融機能の向上というところでコンサルティング機能の向上がキーワードになって出てくるわけですけれども、じゃあ、一体、このコンサルティング機能というのは何を指しているんだというのが、いつもながらはっきりしていない。おそらく今日、たまたまお話をお伺いしたドーガンさんの資料の2ページに経営サポートというところで、経営管理資源、M&Aアドバイス、再生支援、事業承継、大体、これ、みんな金融機関も手掛けられることと同じことですよね。そうすると、あえて金融機関がやらなければならないコンサルティングと、コンサルティングファームなりアドバイザリーサービスが手掛けなければならないコンサルティングとどういう形で切り分けるのか、あるいは切り分けないのか、その辺のところがいまひとつはっきりしないので、今までも地域密着型金融の構築を図る上で、地域金融機関がおそらく内部で悩んできた部分のうちの一つでもあろうかなというふうに思います。有資格者をつくればいいのか、あるいはもう全部自前でやって、コンサルティングフィーまでとれるようなレベルまで持っていかなければいけないのか、いろいろ悩みどころがあろうかと思います。

ですから、そういう意味では、コンサルティング機能というところがどういうふうに考えていったらいいのか、組み立てていったらいいのかといったところをもう少し論点として整理して、あるいは例示として出していければ、有用な議論になるのではないのかなと感じました。

あと、もう1点だけお話しすれば、地域金融機関のあり方の方向性のところで、ここもそうですけれども、ビジネスモデルという言葉がよく出てきます。このビジネスモデルも、定義をなくしてすっと使ってしまうといかがなものかなと。というのは、今日も鹿児島銀行さんの意欲的な取り組み、拝見しました。でも、結局、収益の源泉という点で言えば、いわゆる資金利ざやという点ですよね。そういう意味では、じゃあ、これはビジネスモデルの変化に結びついているのかどうかというと、従来型のビジネスモデルをリニューアルしたというようにもとらえられるわけです。

ですから、これも我々もそうですし、おそらく提言を受けるであろう、参考にするであろう金融機関の方々もそうですけれども、共通の認識に立って理解ができるように、言葉をきちんと定義をした上で議論を進めていってはいかがかなというふうに思いました。

以上です。

○吉野座長

ありがとうございます。

先ほどの森社長と郡山常務から、今のコンサルティング機能に関してもしコメントがあれば、地域金融機関とコンサルティング系の会社での、やられているところがちょっと違うような気がするんですけれども、ご実感からいかがでしょうか。まず森社長、いかがでしょうか。

○森代表取締役社長(ドーガン・アドバイザーズ)

かぶるところもあるんですけれども、意外に一緒に仕事をするというのが金融機関様とはやっぱりありまして、やっぱりお客様からすると、銀行様に会社を売ろうと思うって、なかなか相談しにくいとかという方もやっぱり中にはいらっしゃるし、銀行様が相談を受けたのは、やっぱり利益が、売り手と買い手と両方とも銀行様のお取引先だとか、そういったときに利益相反するから、やっぱり相手の方をきちんとわかるアドバイザーをつけてあげたいというときにお声がけいただいたりとか、そういう意味では、どっちかは銀行がやって、どっちかは外の人がやるというよりは、ほんとうに一緒になって、チームになってやっていくというのは、現実には日常的な形でありまして、銀行様もそういう機能があるのは特には何か、民間の僕らが独立して、僕らが収益を圧迫されているような、そんな感覚はむしろ少ないかなという気はしています。

○吉野座長

郡山常務、何か追加はございますでしょうか。

○郡山常務取締役総合企画部長(鹿児島銀行)

金融機関もコンサルティング機能の発揮ということをよく使うんですけれども、正直、銀行がやるコンサルティングというところは、それなりの範囲があると思います。我々の場合は、やはりそれを超えるレベルのところは、知恵のアウトソーシングという意味合いなんですけれども、行内にない知恵は借りてきてお客様に提供できればいい。そういうこともあって、ドーガン様とも一緒に仕事をやらせていただいていると。そういう面があります。

ただ、さっき、先生がいみじくもおっしゃいました、やっぱり利ざやが私どもの収益の源泉だという中で、コンサルティングをどこまでやるか。例えば、今、傷んでいる企業さんのバランスシートの改善をして差し上げますみたいなことになって、資金要らなくなりましたっていうこともあるわけですよね。そういうことも含めて、どういうコンサルをするかということは非常に難しいんです。ただ、私どもの場合は、そういうことも含めて、いずれ、地域でやったことは自分たちに返ってくるという、地域と運命共同体だという考え方がありますので、少しコストを払ってもそういうことをやるという考え方です。

そういう意味で、営業支援部という名前の部を随分早い時期から私ども、つくっておりまして、実は、先ほど説明した諏訪田もその中のアグリクラスター推進室で、営業支援部の中に営業利益の改善活動をするチームもいる。営業支援部の中に医業推進室もあるというつくりになっているんですね。その辺のコンサルティングのことに関して、諏訪田のほうからも補足をさせたいと思います。

○諏訪田営業支援部アグリクラスター推進室長(鹿児島銀行)

今のお話の中で、コンサルティング機能ということで、ペーパーに落としてしまうと非常に同質化した、総花的なイメージというのはおっしゃるとおりだと思います。実は私のほうも、今、営業支援部で約10年、M&A、その他、それから今は農業金融にある程度特化して活動させていただいて、通常の活動自体は実際のお客様のところにずっと行かせていただいていますけれども、地域金融としてのコンサルティングということで考えたときに、要は、総花的なコンサルティングではなかなか難しいということは実務面から感じております。

と申しますのも、地域ごとのやはり特性がございますので、その中でどういうサポートができるかという観点で、コンサルティング機能というものを高めていかないと、実際、私どもが農業生産法人を支援するときに、現場の畑を見てどうだとか、それから、牛、豚を見てどうだというのは、正直言って銀行員じゃ無理だよねという、ここでもうストップしてしまうと、もうそれ以上はございません。ただし、私どもは、県庁でもともと農業普及員であった方を2名、これは戦略的に最初から入れております。ですから、よく書物には目ききという言い方がしてありますけれども、銀行員が目ききができるかというと、これは多分無理だろうと思っています。というのが、県庁なりで農業普及員で30年の経験を積んだ人の目ききというものと、我々が4、5年、ちょっとかじっただけの目きき、これは明らかに違うものがあります。

ただし、そういう専門家の方の話を直接私どもも聞いて咀嚼するということは十分可能でございますし、それも含めたところでの、銀行というのは基本的に財務、それから組織管理、こちらの方面が非常に強うございますけれども、実態、例えば工場の中の5Sだとか、実際の現場の生き物であれば、極端な話、牛自体を見たときに、この牛はちょっと病気がちだねとか云々というのはわかりませんよね。ただし、今、我々の部下は、そういう体制の中で、現物を見ても、これはちょっとまずいねというのがある程度わかるような感じになってきております。

ですから、すべての産業についてコンサルティング機能を高めていくというのは多分、無理だと私は思っておりますし、当行については、まずはアグリを中心とした目きき能力をいかに高めるかということで、銀行員としての専門家、それで足りない部分については外部の人間を採用したり、実際、ドーガンの森さんのところとも担当の方と毎月打ち合わせをさせていただいていますし、取引先の経営会議というのにも、これも財務だけの問題ではなくて、かなり込み入った問題まで含めて協議を継続させていただいているのが現状でございます。

以上です。

○吉野座長

どうもありがとうございました。

それでは、永沢委員、どうぞご意見を。

○永沢委員

私は2点ございます。

今まで3回にわたりまして地方金融機関についてのお話を伺い、金融審議会という場でこのようなお話を伺って委員として何を提言できるのか、なかなか難しいなと思いながらお話を伺ってまいりました。これまでの3回のお話と、本日のお話を併せて、改めて気づいたことがございましたので申し上げたいと思います。

1つ目は地方の状況についてです。ほかの委員も指摘されたように、地方では、子供が都市に住み、地方に親が残るという世帯が増えており、今後、相続によって地方の財産が都市部に移転することが予測されます。また、これまでも問題になっておりますように、中小企業の海外進出によって、地方の空洞化がさらに深刻なと問題になってくることが予想されます。

地方の振興のためにはUターンとかIターンを促すことが必要ですが、そのためには地方に新たな産業を育成することが必要であり、ドーガンさんのようなベンチャーキャピタルに頑張っていただくことが必要ということを再認識いたしました。リスクマネーが非常に重要であり、そのリスクマネーを地方にどう供給できるかというところが今後のかぎになると思われます。

途中で、例えばファンドというお話が出ました。個人のお金をファンドを経由してそういう分野に投資させてはどうかという話がでますが、森様からもご指摘がありましたように、この分野は非常にハイリスク・ハイリターンであり、富裕層のような特別な投資家は別として、一般の個人のお金をファンドを通じて導くことは避けるべきではないかと私も感じております。こうした分野へのリスクマネーはやはり機関投資家のお金、やはりそれも森様のご指摘があったような年金等の超長期のお金であるべきであり、そうした年金等のお金をどうしたら導入できるかがこれから大事になってくるかと思います。

この点に関して、例えば、アメリカでは、エリサ法という法律がございまして、労働者の退職後のためのお金を預かって運用している機関投資家の受託者責任などを定めている法律がありまして、そういった法律に基づいて、機関投資家の運用者は運用しているが、日本では年金のような資金性格のようなお金を預かっている専門家の責任を定めた法律がないことが、こうした分野への投資を躊躇させているという指摘を、運用の専門家から伺ったことがあります。金融審議会でも、金融商品取引法が成立する前の段階で、この受託者責任の問題について、随分と議論が行われましたが、この部分についてはそのまま課題として残っているのではないでしょうか。機関投資家のお金を、先ほど、森様などがご指摘されたような形でリスクマネーとしてこういった分野に取り込むためにはそういった法整備も今後の課題になるのではないでしょうか。

2点目は、資料中で、高齢者向けのニーズとして、資産運用のニーズ等があり、それに対応することが必要と書いてありましたが、この分野でトラブルも大変多く発生しているという点です。さらりと一文で済んでいるのですけれども、果たしてこのように簡単に書かれていいものなのか。この点につきましては、この後の、国民の資産運用ニーズに対して金融機関はこたえられているかどうかを審議する場面で議論がなされると期待しておると申し添えさせていただいて、以上2点、意見を述べさせていただきました。

以上でございます。

○吉野座長

どうもありがとうございました。

先ほどのベンチャーファンドみたいに、機関投資家というのは、アメリカなんかの場合にはカルパースとか、いわゆる年金基金がインフラに投資したり、さまざましているわけですけれども、私も経験したのですけれども、アメリカの場合は年金に入るときに、あなたは何割ぐらいリスク資産で運用したいですか、あなたは何割ぐらい国債で運用したいですかと、個人に全部聞くんですね。そうしますと、機関投資家も何割は必ずそういうリスクのところに投資をしていいという、そういうふうに非常に住み分けがきちんとしているところではおそらく機関投資家がやりやすくなると思います。どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。じゃあ、家森先生、どうぞ。

○家森委員

最初の小野さんの意見と多分同じことだと思いますが、地域の企業にいかにリスクマネーを供給するかという中には、リスクマネーを入れるような先の企業をどのようにつくっていくかという、中小企業の側の変化を金融の側でどうやって促していけるのかというような論点がやはり重要ではないかと思います。

もう一つ、現実に、現段階で日本の地域金融を考えていくと、地域経済全体が縮んでいくのはある意味不可避の状況にある中で、ここに書いてあるのは、どちらかというと現状よりもさらに発展させていこうという、非常に前向きなことなんですけれども、しばしば金融の問題で起こるのは、無理に規模を維持すると、結果として無理な選択が行われて、大きな問題が残るということですので、ガバナンスをどう生かしていくかという、最後のところに書いてある中には、変に規模を追わずに、きちんと収益性等を追っていけるような形のリーダーシップがとられるということも現実的には非常に重要ではないかと思います。

○吉野座長

どうもありがとうございました。

大垣委員、どうぞ。

○大垣委員

ちょっと趣旨が変わるかもしれませんが、リスクマネーについて1点思うことなんですが、鹿児島銀行さんが3兆4,734億円の資金規模をお持ちになっていて、うち、2兆円ぐらいを貸されて、残りは恐らくかなりの部分は国債ということになっているんじゃないかと思います。

一方で、今日のドーガンさんの総預かり資産が96億円ということですから、これはもう1%以下の、極めて少額の金額ですけれども、リスクマネーという観点から言うと、非常に大きな広がりのあるお仕事をされておると思うんですね。

ですから、リスクマネーというのは、実はリスクは高いかもしれませんが、そんなにたくさんの金額が要るものではないので、ある意味、捨て金と割り切れば取ることができる規模の金額ではないかと思うんです。例えば、銀行さん、特に1兆円近くの国債の運用について言えば、0.02%とか0.03%という預金利子で集めて、コア預金であれば非常に安定的な資金でもって、ある意味で税収で払っている国債金利を得て、その部分である程度のコアの収益をつくられているわけですから、例えば、3兆円の資産の中の0.1%、30億円程度については、例えば、リスク管理の外枠として、全額返ってこないでもいい資金ということで、例えば一定の公益法人に寄附行為で拠出をなさって、それは損金として返ってこないものとしてリターンを追わないというふうに割り切れば、その30億円は逆にかなり自由に使っていいものになると思うんですね。

今の金融機関の監督の枠組みから言いますと、ここにも奇しくも書かれていますけれども、3ページで、リスクテイクを行うような体制の構築と書いた裏で、すぐにリスクの特性に応じた的確なリスク管理体制の構築という言葉が出てくるわけで、これ、両建てで進めるのは極めて困難だと思いますので、僕は、銀行さんというのは預金を預かっている身なので、本来は非常に安全に運用すべきであって、その枠の中で、例えば根雪的融資をやりなさいというのは、結果として根雪融資になっていたということはあっても、意図してやることではないと思うんですね。ですから、できれば議論の中で、例えば資産規模の何%とか、粗利の何%については、リスク管理の外枠として義務的に捨て金を出しなさいぐらいの議論を金融機関の公的使命という観点からやるというようなことも真剣に検討した上で、そうした金がドーガンさんのようなところに流れていく、あるいは金融機関がもっと強化して、そこはそこで割り切ってやっていくと、そういうことをやらないと、多分、口では頑張りなさい、リスクやりなさいって言った中で、検査入ったら、何でこんな難しいことやっているんだみたいなことを言われる状態では、おそらく今やろうとしている話は前に進まないと思います。これが1点でございます。

もう1点、大学で大学生の子供たちを教えておりまして、やっぱり地方に帰るときに、就職ができるような大企業というと、金融機関か公務員か農協ぐらいしかないんですね。そういう意味で、金融機関が果たしている安定的な雇用に対する役割、特に都市部に出てきた子供たちが地方に帰ろうと思うときに、全員が全員、ベンチャーやろうと思うわけではありませんので、安定的な雇用先としての銀行の持っている役割というのは非常に高いと思いますので、地方銀行さんは上場会社が多うございますので、株主のためにもうけないといけないということなのかもしれませんが、そうはいっても、先ほどご指摘があったように、楽してもうけられる部分があることも事実だと思うんです。預金保険もついていますし、公金預金なんていうのは率直に言ってただ金ですし、で、国債を3分の1も買って運用できていると、こういうノンバンクじゃ考えられない楽な仕事をしていられる金融機関として、一定の社会的使命として、雇用の観点、経済発展の観点から言うと、一定の雇用を義務づけると。で、そういう方を地域の経済を担う方として育てて、巣立たせるというような、そういう義務を金融機関の方に持っていただいて、そういう方が家族を持てば、今度は地域に商流も生まれてくるわけですし、この中に住みかえとか高齢者とか介護とか、新しい視点を入れてくださったことは大変評価いたしますが、金融機関も受け身で経済が伸びれば金は貸すよということだけではなくて、自分たちも人を雇って、地域に雇用を呼び込んで、その人たちを今度は、できる人たちとして経済を担う面々として、早く巣立たせていくというか、そういう積極的な役割というようなこともこういうところに書いていかないと、どうも所与の経済の算数だけでは、こういうものの絵が書けないというふうに思いました。

以上でございます。

○吉野座長

ありがとうございます。

もしコメントがあれば、郡山常務、いかがでしょうか。

○郡山常務取締役総合企画部長(鹿児島銀行)

私、前任が人事部長でございまして、昨年まで採用活動をさせていただいている中で、やはり私どもにとって学生さんって非常に大事なんですね。19年度、20年度、21年度、実は私どもの規模にしては多い200名ずつの採用をしました。これは、多分、平均的な地銀さん、同規模の地銀さんの3倍ぐらいずつ地元で雇用させていただきました。

あと、雇用をして人材教育が大事だという話をしたのですけれども、実は今年から企業教育をもっと充実させないといけないということで、銀行の中にバーチャルなバンキングカレッジというものを立ち上げまして、基礎から、それから行内でMBAコースと言っているものまで順番に習得していかないと上がっていけない、仕事の幅が広がらないという制度を実はつくったんですね。それは今から充実させていかないといけないんですけれども、ですから、そういう地域の人材を大事に雇用して育てていかなければいけないというのは、やはり先生のおっしゃるとおり重要な使命だと思っております。

特に、地元の学生さんもそうですけれども、東京、大阪の学生さんというのは、私どもからいうと非常に大事な金の卵なんですけれども、なかなか地元へ帰ってきてくれないというところがあって、例えば立命館大学さんなんかは非常に就職支援をしっかりされていて、正直なところ、私どもの大きな戦力になっている学生がたくさんいるんですけれども、そういう意味で連携をしながら、もっとやっていかなければいけない。

ただ、ここから先は少し関係ない話で余談なんですけれども、今の大学を卒業して入ってくる1年目、2年目というのが、ちょうどゆとり教育の1期生、2期生ぐらいなんです。非常に基礎的な家庭教育で何を学んできたんだというようなところからたたき直さないとちょっと厳しいぞという学生さんが正直、非常に多くて、そういうこともあって、行内にバーチャルなカレッジを立ち上げた。1年目、2年目は徹底的に基礎教育をやっているんですけれども、現実に、地域においては雇用を守っていく、安定して雇用をしていくということも大事な使命だというのはほんとうにおっしゃるとおりだと思いますし、一時期、ほかの産業も一緒だと思うんですけれども、雇用が細って、人員構成がワイングラス型というんですか、少し人がいないところ、私どもの銀行でも30代の前半から後半にかけてが少し人材が薄いんですけれども、そのつけは必ず後に出てくるということですから、その辺は肝に銘じてやっていきたいなと思っております。

○吉野座長

どうもありがとうございました。

時間が来たので、じゃあ篠原委員、短くお願いします。

○篠原委員

今、ゆとり教育の話が出ましたが、実は、私、今、中教審の委員をやっていて、今日の午前中、家庭教育でしつけ教育をどういうふうにしなければいけないかという議論をしていたところで、しっかりこちらも頑張りますので、よろしくお願いいたします。

○吉野座長

どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、時間が参りましたので、今日は森社長、郡山常務、どうもありがとうございました。

次回からは、国民のニーズに合った金融サービスの提供ということでこれから進めてまいりたいと思います。

最後に、黒澤課長から事務連絡をお願いいたします。

○黒澤総務企画局企画課長

本日も長い審議をどうもありがとうございました。

次回の日程に関しましては、皆様方のご都合を踏まえまして、また吉野座長とご相談の上、決めさせていただきますが、12月の初旬の金曜日という方向で考えておりますので、またよろしくお願いいたします。

○吉野座長

以上をもちまして終了させていただきたいと思います。今日も活発なご議論をどうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課(内線3645、3520)
本議事録は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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