第66回金融トラブル連絡調整協議会 議事録
1.日時:
令和6年6月27日(木曜日)13時00分~15時00分
2.場所:
中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室(オンライン併用)
- 神作座長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから、金融トラブル連絡調整協議会の第66回会合を開催いたします。
座長を務めさせていただいております神作でございます。皆様方におかれましては、御多用のところ御参加いただき、誠にありがとうございます。
それでは、議事に入ります前に、事務局より、本協議会の新規委員の御紹介などがございますので、よろしくお願いいたします。
- 中尾室長
事務局を務めます金融庁金融トラブル解決制度推進室の中尾でございます。本日はよろしくお願いいたします。
まず最初に、人事異動に伴いまして、今回から委員に就任された皆様を御紹介させていただきます。名簿の記載順にて御紹介させていただきます。
まず、国民生活センターの吉田様。
- 吉田委員
吉田でございます。よろしくお願いいたします。
- 中尾室長
日本司法支援センターの山口様。
- 山口委員
山口でございます。よろしくお願いいたします。
- 中尾室長
生命保険協会の小峰様。
- 小峰委員
小峰でございます。どうぞよろしくお願いします。
- 中尾室長
全国労働金庫協会の大島様。
- 大島委員
大島でございます。よろしくお願いいたします。
- 中尾室長
経済産業省の松村様。
- 松村委員】
松村でございます。よろしくお願いいたします。
- 中尾室長
以上の5名の方でございます。
また、本日は、オブザーバー参加という形で、金融庁の認定に基づき昨年3月に苦情対応業務を開始した、電子決済等代行業の自主規制機関である電子決済等代行事業者協会の代表理事の瀧俊雄様にも御参加いただいています。
- 瀧オブザーバー
瀧でございます。よろしくお願いいたします。
- 中尾室長
今回はオブザーバーとして瀧様に御参加いただいていますが、次回、第67回からは電代協会の方にも委員として御参加いただく予定としております。
御紹介は以上でございます。
なお、渡邊委員、小柳委員、森下委員、山田委員、細田委員は、御都合により欠席されております。
本日の会合につきましては、約4年半ぶりに当庁にお越しいただいての開催とさせていただいていますが、御都合もあってお越しいただけなかった方にはオンラインで御参加いただいております。オンラインにて御参加の方は、会議中、ビデオ機能をオンにしたまま、マイク機能は御自身が発言されるとき以外はミュートに設定した状態でお願いいたします。
議事録は、通常どおり作成の上、後日、金融庁のウェブサイトに掲載させていただきます。
事務局よりは以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
それでは早速、議事を始めたいと思います。
本日は、まず各指定紛争解決機関の業務実施状況につきまして、事務局から御説明をいただきたいと思います。また、本日の議題でございます、「金融ADR制度の認知度向上に資する取組について」に関しましては、指定機関より御説明をお願いしたいと存じます。これらの説明が終わったところで、一度、御意見、御質問をいただきたいと考えております。その後、「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況、「金融ADR連絡協議会」の概要につきまして、金融庁金融サービス利用者相談室及び事務局から御説明をいただき、またここで御意見、御質問を頂戴したいと考えております。
それでは、早速でございますけれども、事務局から御説明をお願いいたします。
- 中尾室長
それでは、指定機関における令和5年度の業務実施状況について御説明させていただきます。
まず、資料1-1「苦情処理手続実施状況」の表を御覧ください。表の左手、(1)「苦情処理手続件数」の左から2番目の項目に当期の受付件数及び前年同期比がございます。その一番下の青色の欄で8機関合計を御覧いただきますと、令和5年度1年間で7,847件を受け付けており、前年同期と比べて8%の増加となっております。指定機関別を見ますと、日本損害保険協会のほかに、日本貸金業協会、保険オンブズマンなどで件数の増加が見られております。
続きまして、資料1-2「紛争解決手続実施状況」の表を御覧ください。先ほどと同じく、左手、(1)「紛争解決手続件数」の一番下、青色の欄で左から2番目のところを御覧いただきますと、8機関合計で1,281件を受け付けており、前年同期と比べて12%の増加となっております。指定機関別では、証券・金融商品あっせん相談センター、日本損害保険協会及び生命保険協会などで件数が増加しております。
続いて、資料1-3に移っていただけますでしょうか。苦情処理手続、紛争解決手続、それぞれの棒グラフ及び円グラフを用意してございます。棒グラフが示します受付件数につきましては、足元の状況に先ほどの表で触れましたので、ここでは円グラフを御覧ください。
右下のページ数表示で3ページ目でございます。3ページ目は苦情処理手続における終了事由について、また、4ページ目は苦情処理手続の終結に要した期間について、それぞれ右側のグラフで令和5年度をお示ししているところです。
3ページ目のグラフにつきましては、左側の前年同期と比べて、構成比に大幅な変化は認められないかと思われます。
続きまして、4ページでございますけれども、4ページのグラフについては、終結に要した期間が1月未満のものが41%から34%へと7%減少する一方で、1月以上3月未満及び3月以上6月未満のものがおのおの3%増加しております。
さらに、7ページ目でございますけれども、紛争解決手続における結果について、さらに8ページ目は紛争解決終結に要した期間についてお示しさせていただいております。
まず、7ページ目の結果でございますけれども、和解成立の件数が131件増加となっておりまして、それに伴い、全体に占める構成比も30%から37%へ7%増となっております。
8ページ目の終結に要した期間については、前年同期と比べて各項目1から3%程度の変化となっており、構成比に大きな変化は認められないかと思われます。
業務実施状況についての事務局からの説明は以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
続きまして、金融ADR制度の認知度向上に資する取組に関しまして、指定機関に御説明をお願いしたいと存じます。
御説明に先立ちまして、議題の趣旨等について、改めて事務局のほうから御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。
-
中尾室長
それでは、御説明させていただきます。今回の議題であります、「金融ADR制度の認知度向上に資する取組について」に関しまして、趣旨等を事務局よりお伝えさせていただきます。
金融ADR制度の認知度向上、いわゆる周知につきましては、過去にも本協議会で議題とさせていただき、議論させていただいておりますが、依然として当庁の金融サービス利用者相談室に寄せられる御相談に対しまして金融ADR機関を紹介するケースが毎月何件かは発生すると、そういったような実態などに鑑みますと、まだまだ金融ADR制度が世の中に浸透しているとは言い難いのではないかといったような実感を持っております。
そこで、今回は着眼点を3つ設けさせていただき、指定機関の皆様に作成いただいた御回答をもって、皆様に御議論いただければと考えております。
まず1つ目の着眼点でございますが、指定機関が自ら行っている周知の取組でございます。
2つ目の着眼点としまして、指定機関に申出人が辿り着くまでどのようなルートを経ているのかというのを質問としてさせていただきました。これにつきましては、指定機関の皆様に、把握されている範囲内での御回答、パーセントなりで御回答をお願いしているところでございます。
3つ目の着眼点としまして、各機関の加入金融機関におけるADR制度の周知としており、幾つか質問を設けさせていただきました。
まず1つ目の質問としまして、業務規程や手続実施基本契約及びその他の諸規則において、金融機関が行う周知についてどのように規定されているのか。
2つ目の質問としまして、加入金融機関における周知の実態をどのように把握されているのか。
最後に、手続実施基本契約締結時やお客様との間でトラブルが発生したときなど、個々の機会を具体的に明示させていただきまして、おのおのの機会を捉まえて、周知について加入金融機関に対してどのような取組、働きかけを行っているのかを質問させていただいたところです。
加えまして、今回は、本協議会に御参加いただいている自主規制機関の皆様にも日頃の取組について質問させていただき、回答を作成いただいております。
この後、各指定機関の皆様から御説明いただく資料でございますが、資料2になります。資料2では、表紙と目次に続きまして、8機関を1つに編綴しております。内容を御覧いただきますと、当室から着眼点を提示させていただき、回答として右側に記載いただいております。自主規制機関の皆様に回答いただいたものが、資料2(参考資料)でございます。資料2と同様に、表紙と目次に続きまして、9団体の回答を1つに編綴し、当室から提示させていただいた着眼点の回答を右側に記載いただいております。
事務局からは以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
それでは、皆様方より御説明をお願いしたいと存じます。8機関合わせて40分程度、お一人様四、五分で御説明をいただければ幸いです。
初めに、全国銀行協会の寺内委員、御説明をお願いいたします。
- 寺内委員
全国銀行協会の寺内でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、資料に沿って説明させていただきます。
№1の(1)、御質問いただいている、金融ADR制度の周知に係る取組でございます。資料の右側に回答を掲げております。私ども全国銀行協会からは、①全国銀行協会の周知リーフレット・ポスター等を毎年各金融機関に送っておりますので、金融機関を通じて消費者の方に全銀協、ADR機関を知っていただくという機会を設けております。これ以外に電子的なデータも各金融機関に送っておりますので、電子掲示板などでも周知徹底に努めております。あと②について、ディスクロージャー、いわゆる運営状況というものでございますけれども、四半期ごとに私ども公表しておりまして、年度号も併せてウェブサイトで公開しておりますので、できるだけ多くの方の目に触れていただきたいと思っております。これ以外に、ウェブサイトでは、苦情処理手続あるいはあっせんなどになった場合の手続も分かりやすく載せておりますので、こういった形で周知徹底に努めております。それ以外、アニュアルレポートとして、消費生活センターの方へ分かりやすいものをA5判サイズで毎年作り、主要なセンター100カ所に送っております。(1)については以上でございます。
(2)の周知について、課題としていること、あるいは今後の取組として計画していることでございますが、上記(1)で掲げております①から⑤に加えて、今後、社会の状況に柔軟に対応できるよう、いろいろな形で対応していこうと考えております。
№2についてでございます。申出人が私ども全銀協に辿り着くまでのルートということで、私ども全銀協は毎年12月に、相談室へ電話をかけてこられる相談者の方に一つ一つお尋ねをしております。12月の認知媒体というふうに私ども申し上げておりますけれども、2022年の12月の統計データは、回答欄に載せているように、円グラフで示しております。銀行からの紹介というのが42.9%と高く、次いで全銀協ホームページ20.9%、2023年の12月については若干回答が変わっておりまして、ホームページとか、あるいはインターネット広告・記事を見たという方が、こちら、資料には載せておりませんけれども、増えております。こちら円グラフの中に688件となっておりますけれども、あくまでもこれは有効な回答数でございまして、なかなかお答えいただけない消費者がいるという中で、相談員が現場で、一つ一つの電話の中で可能な限りお尋ねしているというところでございます。やはりその中に、私ども、御協力いただきたいというお願いをしつつも、一方的に電話を切られたり、消費者の方からは、自分たちが質問しているのだから、何であんたたちが質問してくるのだということで一方的に電話をたたきつけるように切られたりすることもままございます。あと、お怒りの方にはなかなか聞くことができないという現状もございます。そういった中での統計データでございます。この№2の質問について、先日御質問いただいておりますけれども、このルートに入ってくる相談者の特質等については、今申し上げたような形でございます。あと、全銀協では42.9%が銀行からの紹介という形で回答させていただいておりますけれども、この銀行からの紹介というところについては、詳しく統計を取っているわけではないのですが、相談員の実感としては、やはり銀行での契約締結時に銀行員からきちんと口頭で、万一があった場合のトラブルの解決先はここですよと案内されている場合が多いと思っておりますし、また、トラブルが発生したときには、銀行員から、何かあったらこちらにと、リーフレットを含めながら、私ども全銀協を案内されているというのが実感として感じているところでございます。
あと、加えての質問ですが、先日いただきました、ADR機関について辿り着いているか、調査は毎年12月に実施しているというところでございます。
あと、いただいた質問の中に、ルートについての調査は終了時のアンケートとは別に実施しているのかという御質問をいただいております。アンケートというのは、恐らくあっせん委員会を利用してのアンケートというお言葉かなと思っておりますので、あくまでもそれは紛争解決手続のアンケートでございまして、苦情・相談時にはアンケートを実施しておりませんので、12月の媒体調査があくまでもお尋ねに対して私どもが確認できているところでございます。
資料№3の私どもの業務規程の部分でございます。この規程の部分については、回答欄に記載しておりますように、全銀協の業務規程でそれぞれ6条、7条という形で明記しておりますので、それは御覧いただければと思います。
続いての質問、(2)、金融機関などによるADRの周知方法及び周知の実態をどのように把握していますかというのは、これは先ほど申し上げたとおり、私ども、毎年、周知のためのリーフレット・ポスターを作成しておりますし、加入銀行宛てに電子データを送っているというところもありますので、各銀行が店頭等に当該リーフレット・ポスターを置いて周知に努めているということで把握しております。
続いての質問、(3)、ADR制度の周知について、加入銀行などに対する働きかけでございます。
①の手続実施基本契約時は、こちら、回答のとおりでございます。
②、定期的な取組というところでございます。これは、繰り返しになりますけれども、全銀協ADRリーフレット・ポスターを作成して、加入銀行に送付しているときに、できるだけ消費者の方に働きかけをお願いしておりますし、毎年、私ども全国銀行協会でADR研修会というものを開催しております。参加者は会員銀行全てでございます。その際に、ADR周知の取組について説明し、顧客向けの説明については周知徹底をお願いしております。なお、この研修会は、ADR制度の全体に加え、苦情処理手続あるいはあっせんという紛争解決手続についての説明ということで、3部形式で研修を行っております。
③の相談・紛争解決などの事案発生時は、こちらは、加入銀行からADR制度の説明を受けることなく、全銀協のADRの利用をしたという消費者の方は、私どもが知る限り、存在しておりません。まず、苦情解決、苦情を入り口にして解決に努め、その上で紛争解決という手続き上の流れをとっております。相手方銀行とのトラブルが発生したときに銀行が全銀協ADRについて漏れなく案内しているという地道な作業を行っているものと思っております。
私どもは以上でございます。ありがとうございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
続きまして、信託協会の西川委員、御説明、よろしくお願いいたします。
- 西川委員
信託協会、西川でございます。よろしくお願いいたします。それでは、資料に沿いまして御報告いたします。
まず、№1でございます。金融ADR制度の周知に係る取組ということでございます。
(1)、まず大きく3つございまして、パンフレット・ポスター等の配付。また、2点目で、相談・照会・苦情の件数、概要に関する情報還元ということで、月次、四半期、年度ごとに実施しております。3点目、あっせんの件数及びその現況につきましての情報還元、こちら、四半期、年度ごとに実施しております。また、あっせんの終了後になりますが、あっせんの申立ての具体的な内容及びその顛末につきまして情報還元を四半期ごとに実施しております。
その下、金融ADR制度の必要な利用者へのアクセスのための施策でございます。当協会ホームページを通じた周知ということで、1つは金融ADR制度の利用方法、また、あっせん申立てを行った場合の具体的な手続の流れ、また、3点目は、その下、信託相談所の活動実績の掲載と、あっせん事案とその結果に関する御紹介ということになってございます。その下に、具体的な御案内といいましょうか、周知の内容について掲げております。
次ページ、7ページの具体的な手続の説明のところに参ります。当協会ホームページにおきまして、金融ADR制度の利用方法、あっせん申立てを行った場合の具体的な手続の流れを説明しておりまして、そこではPDFファイルでパンフレットもダウンロードできるような形にしております。その下の「・」、苦情の申出人からあっせん申立ての意向が示された場合でございますが、2段構えの対応となってございます。まず、あっせん手続に関する概要の御説明をその場でさせていただきます。また、別途、あっせん関係の書類を郵送させていただきまして、それが到着した頃を見計らいまして、あっせん制度の概要、あっせん手続の流れについて、資料に沿いまして御説明をしております。また、その下ですが、あっせん申立ての意向を示されてはいないが、苦情の解決が困難であり、かつ、金融ADR制度の利用による苦情の解決に適していると考えられる事案については、申出人本人の希望を確認した上で、あっせん手続に関する概要を説明した上で、別途、あっせん関係の書類を郵送し、あっせん制度の概要、あっせん手続の流れについて説明していると記載しております。
この下のまた書きにつきまして、金融庁様を通じて、これがどのぐらいの頻度があるのかというようなこととか、ADRを知っている人からの事案であろうかということにつき御質問をいただいております。
この点につきましては、それなりの頻度があるように読める表現となっておりますが、実質的には、こういった形で対応することを「心がけている」という意味でございまして、私、(現職に)就任してから3年半ほど経っておりますけれども、頻度としては1件あったかどうがというような状況でございます。この点、実際上、私ども苦情前置主義を取っておりますので、まず相手方金融機関と申出人の間で話し合いをしていただくということが前提になっており、その段階で解決すれば、特にこういったことは必要ないということになります。また、その意味では、逆に、相手方との話し合いが平行線であるとか、なかなか折り合わないといったケースが対象になるということになるかと思います。
その次に、まず苦情の中身でも、あっせんの条件が整っているかどうかといいましょうか、そもそも経営判断の問題ではないとか、(相手方に対して)謝罪を求めるだけの内容ですと、あっせんの条件がそもそも整いませんので、こういった苦情である場合には、あっせんの御案内は当然しないということになります。
また、3点目で、事案の中身からすると、申立人があっせんを申し立てたところで、なかなか労力に見合うような成果が得られない可能性が高いのではないかと思われる場合には、なかなか積極的にあっせんを御紹介することは難しいと思っております。この辺りは最終的にあっせん委員の皆様の御判断になりますので、あまり事務局のほうで差し出がましく、忖度し過ぎるのはいかがなものかと思いますが、法的に考えるとなかなか難しいと思われるケースも結構多いので、その辺りも見極めながら御案内するかどうかを考えております。
さらに、こういったお申出人はADR制度を知らないで相談してくる人なのかといった御質問に関しましては、まず、申出人は、相手方との話し合いでうまく決着がつかないという状況が前提となりますので、その場合は、あっせん制度を知っていれば、あっせんに適しているかどうかとか、あっせんを申し立ててはどうかと考えているがどうかとか、そういった御相談になろうかと思っていますので、基本的には申出人がADR制度を知らないケースが対象になるものと考えております。
(2)の周知の課題は、特に今考えてございません。
次のページ、8ページに参ります。申出人が辿り着くまでのルートでございます。大きく5点ほど掲げさせていただいております。①のルートは、簡単に申し上げますと、金融機関に話をした後、ネット経由で私どもに辿り着くケース、②はネット経由で私どもに辿り着くケース、3点目は金融機関経由で紹介を受けて私どもに辿り着くケース、4点目は消費生活センター、国民生活センターなどから回ってくるケース、5点目は過去に私どもに苦情を申し入れた経験がある方のケースということでございます。①から⑤の割合は把握してはおりませんが、特に④⑤につきましては数が少ないという認識でございます。
№3でございます。加入金融機関が金融ADR制度の周知のために必要な措置を講じることとされている該当条文と内容でございます。右側に条文を掲げておりまして、その次のページ、9ページのところに行きまして、冒頭のなお書きのところで、これは、私どもの手続実施基本契約(ADR契約)の内容でございますが、この中で、加入金融機関が遵守すべきということで記載しているものがございまして、これは結構細かく書いているところでございます。顧客に対し、当協会の紛争解決等業務の実施につき周知するため、ポスターやパンフレットの作成、掲示や配布及びホームページへの掲載等により、必要な情報を提供しなければならないとしていること。また、その周知が不十分と認められる場合には、その是正を求めることができるという内容を規定しております。
(2)は、金融機関などによる金融ADRの周知の方法と周知の実態の把握でございます。先ほど申し上げましたとおり、金融機関に対しまして、ADRを周知するためのポスター・パンフレット等をお送りしているところでございます。これを受けまして、金融機関におきましては、本支店におけるポスターの掲示、顧客宛てにパンフレットの提供を行っておりますほか、各社のホームページにおきまして、苦情・相談・照会の窓口として周知いただいております。その実態につきましては、私どもからのポスター・パンフレットの送付の状況であるとか、追加送付の依頼の状況、こうしたものによって一定程度の把握ができているといった状況でございます。
御説明は以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、生命保険協会の小峰委員、よろしくお願いいたします。
- 小峰委員
生命保険協会の小峰と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
- 中尾室長
ちょっとオンラインで御参加の方が聞き取りづらいというお話をいただいておりますので、座長の声は結構よく聞こえていらっしゃるのですけれども、お願いしたいのが、すみません、はっきり、ゆっくり、大きな声でお願いいたします。途中ですみません。
- 小峰委員
では、資料に沿いまして、はっきり、ゆっくり説明させていただきます。
まず、着眼点の№1、(1)からになりますけれども、周知に係る取組全般についてでございます。私ども生命保険協会のホームページの第1階層で「生命保険のご相談」というタブを設けまして、生命保険相談所の取組を周知してございます。また、刊行物関係になりますけれども、「相談所リポート」、これは前年度の相談・苦情の分析ですとか裁定審査会の運営状況など、生命保険相談所の活動について取りまとめたものでございまして、年1回公表しているといったものでございます。また、「ボイス・リポート」、これは四半期ごとに生命保険相談所が受け付けた相談・苦情の分析、裁定審査会の運営状況などを取りまとめたものでございまして、こちらのほうは年4回公表してございます。さらに、「裁定概要集」、これは四半期ごとに裁定が終了した事案の概要を取りまとめたものでございまして、こちらも年4回公表のものでございますが、これらをホームページですとかXに掲載して周知しているといったものでございます。また、これらの「相談所リポート」「ボイス・リポート」は、全国の消費者団体・消費者行政などにも配布しているものでございます。また、全国に私ども生命保険協会の地方事務室が50カ所あるのですけれども、毎年度、それぞれの地元の消費者団体・消費者行政の皆様などと意見交換会を行いまして、その場で生命保険相談所の苦情処理手続・紛争解決手続の周知を行ってございます。また、業務規程及び手続実施基本契約におきまして、生命保険会社による生命保険相談所の周知義務を条文化しているといったところでございます。
次に、金融ADR制度の必要な利用者へアクセスするための施策でございますが、生命保険相談所の案内として、苦情処理手続・紛争解決手続を案内するパンフレット、これを生命保険会社や消費者団体・消費者行政などに配布させていただきまして、店頭などへの備置きをお願い、推奨しているということがございます。また、生命保険相談所に苦情の申出があった方に対しまして、金融ADR制度の説明を行っているといったものでございます。
次に、具体的な手続の説明でございますが、生保協会のホームページに、生命保険相談所の苦情・相談及び裁定審査会への手続のフローを掲載いたしまして、苦情処理手続・紛争解決手続を解説・説明してございます。また、苦情の申出があった場合には、苦情処理手続の説明をもちろん行います。また、苦情処理手続に進み、苦情が解決しない場合には、紛争解決手続、こちらは裁定審査会ということになりますけれども、こちらの御案内をしているといったものでございます。
続きまして、(2)につきましては、他機関の取組なども参考とさせていただきまして、より効果的な周知の方法があれば適宜検討・実施していきたいと考えてございます。
続きまして、着眼点の2、申出人の方が辿り着くまでのルートについてでございますけれども、令和4年度の値になりますけれども、回答欄に記載のとおりでございまして、インターネット関係が60.3%と高い値になってございます。この中の③⑤は、会員会社、生命保険会社経由といったものになってございます。
続きまして、着眼点3の業務規程関係でございますけれども、まず(1)、業務規程につきましては、相談所及び会社は、相談所の周知を図るため、必要な情報の提供等を行わなければならないと条文に定めているといったものでございます。次に、手続実施基本契約につきましても、ページをまたぎますけれども、生命保険会社は、保険契約者などに対し生命保険相談所による紛争解決等業務の実施について周知を図るため、必要な情報の提供等に努めなければならないと定めてございます。また、生命保険契約締結時に適用されるガイドラインが何点かあるんですけれども、その中で、注意喚起情報作成ガイドラインですとか契約締結前交付書面作成ガイドラインといったもので、注意喚起情報あるいは契約締結前交付書に記載すべき必要記載事項の一つとして、ADR機関の商号または名称、具体的には私ども生命保険協会の生命保険相談所を記載するということにまとめてございまして、記載例も、この下段にございますようにまとめているといったものでございます。
次に、(2)に進ませていただきまして、周知方法の把握ですけれども、これは過去になりますけど、「指定」取得に当たって、会員全社に対しまして、ホームページ上にバナーなどの方法により指定紛争解決機関の案内の掲載を要請し、その後、掲載を確認いたしました。また、協会ホームページやパンフレットなどを改訂した際には、生命保険会社に配布し、周知を改めて依頼しているといったことでございます。また、今年度4月の金融ADR連絡協議会、4月11日に開催いただきましたけれども、この際の回答作成に当たりまして、生命保険会社、会員会社数社にヒアリングで実態の確認を行いました。周知方法の改善あるいは拡充が必要な場合には、生命保険会社全社に対し取組を促すことも当然考えているといったものでございます。次に、周知実態の把握でございますが、各生命保険会社は、以下にございます、7点挙げておりますけれども、こういった方法によりまして金融ADRの周知を図っていると把握してございます。
続きまして、(3)になりますけれども、まず①、手続実施基本契約締結時につきましては、契約の内容の説明の一環として、先ほど触れました3の(1)に記載したような条文の説明をしてございます。また、②定期的な取組、③相談・紛争解決などの事案発生時につきましては、こちらのほうは必要に応じて適宜実施しているといったものでございます。④、そのほかの機会といたしましては、ホームページですとかパンフレットなどを改訂した際の案内の際に、改めて周知への活用を依頼しているといったものでございます。
生命保険協会からの説明は、以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
続きまして、日本損害保険協会の森脇委員、御説明をよろしくお願いいたします。
- 森脇委員
日本損害保険協会の森脇でございます。よろしくお願いいたします。資料は16ページを御覧ください。
まず、1の(1)、周知に係る取組ですけれども、損保に関するトラブル等で悩む方が当センターにアクセスしやすくなるように、適時適切な情報提供を通じて利用の促進を図るため、直接的、間接的なアプローチとして、2023年度は3点の取組を実施しております。1点目は、当センターのホームページに誘導するためのウェブ広告で、損保に関するトラブルや交通事故で悩む方、被害に遭われた方への直接的な周知です。2点目は、パンフレット・ポスターの配布で、保険会社や相談機関などを通じた間接的な周知です。17ページ、3点目はチラシの配布で、こちらは交通事故に遭われた方への関係機関を通じた間接的な周知となります。
次に、(2)、周知における課題ですが、ADR機関は日常的になじみがあるものではなく、トラブルが発生して初めて必要とされるものであることから、広く周知しても効果が出にくい点や、今まさにトラブルで困っている方に対してADR機関側から直接アプローチする方法が限られているという点が課題であると考えております。18ページ、今後の計画といたしましては、ウェブ広告による直接的な周知と保険会社などを通じた間接的な周知の両面からのアプローチが効果的と考えておりますが、引き続き他機関の取組なども参考に効果的な手法を模索していきたいと考えております。
続いて、2の認知経路としては、2022年度の数値となりますが、保険会社・代理店が約4割、インターネットなどが約3割となっており、この2つで7割を占めております。
3の(1)、事業者における周知の根拠といたしましては、資料に記載のとおり、業務規程及び手続実施基本契約において規定しております。
続いて、19ページ、(2)、事業者における周知の方法ですが、当センターで作成しているパンフレット・ポスターの店頭への備付けや、お客様への配布が行われていると認識しております。また、周知の実態につきましては、これらの発注状況により間接的に把握しているほか、当センターのウェブサイトへのリンクを確認しております。その他、当協会で策定している契約概要・注意喚起情報に関するガイドラインにおきまして、注意喚起情報として当センターの記載を定めているほか、資料20ページとなりますが、損害保険の保険金支払に関するガイドラインにおきまして、保険金をお支払いできないことについて了解が得られない場合には当センターなどを案内することについて記載しております。
(3)、事業者への働きかけですが、まず、手続実施基本契約の締結時には、関係法令や根拠規程を明示した上で、具体的な周知方法を示して対応を求めております。次に、定期的な取組としては、年に1回、パンフレット・ポスターの注文案内時に根拠規程や周知方法などの関連情報を提供して対応を求めております。
私からの御説明は以上となります。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
続きまして、保険オンブズマンの種村委員、御説明をよろしくお願いいたします。
- 種村委員
保険オンブズマンの種村と申します。よろしくお願いします。
ページ、22ページからになりますが、周知に関する取組ということで、ホームページ上にADR制度に関わる説明、苦情処理手続、紛争解決の手続、概略図、進め方というのを掲載しております。活動実績や事例紹介についても同じようにホームページに載せてございます。必要な利用者へアクセスするための施策としまして、各事業者のホームページ、重要事項説明書、パンフレット、賠償額の提示文書などに当法人の連絡先を載せていただくようにお願いする形を取っております。それとあと、国民センター発行の『くらしの豆知識』にも当法人の連絡先を書いていただいております。それから、ホームページの中に「具体的な手続の説明」というのを載せておりまして、御質問のある方には、電話がかかってきた場合には口頭で説明もさせていただいております。これが今のところ、現状の取組という形になります。大きな課題としては取りあえず何かやっているわけではありませんけれども、ほかの機関の方の動きを見て、何かあれば同じようなものは取り入れていきたいと考えております。
それから、2番のルートに関してでございますけれども、2023年度のデータを分析しますと、ADR機関からの紹介ということで、ほかのADR機関さんからの紹介、これが24%強。それから、他機関からの紹介、FSAまたは消費者センターからの紹介ということが30%弱。それから、知人紹介、申出本人の過去の利用。一番最後にインターネットからのということがありまして、これが25%となっております。これ、我々は後でアンケートを取るわけではなくて、案件に入ったときに、どういうふうにお知りになりましたかというのをお聞きしているので、こういう分析ができているという形になります。1点、もし我々、分析というほどじゃないのですけれど、考え方として、ADR機関さんからの紹介ということで、具体的には、損害保険協会は2つ協会がありまして、それぞれにADRという機関がくっついておりますので、インターネットで調べると、どうしても大きなマーケットシェアを占められる、日本の保険会社さんが所属されている損害保険協会さんのほうが先に上がってくるということで、この紹介も、損保ADRのほうの紹介がほとんどを占めております。実際に私もインターネットで調べてみると、どうしても先にそちらが出てくるということで、そちらから回ってきているというので、そこのもとはやっぱりインターネットという可能性が高いのではないかと考えております。そうすると、下の25%と合わせると、純粋に最初どこから探したかというと、やっぱりインターネットが多いのかなと理解しております。
次、3番に行きますと、業務規程においてどういうふうに書いてありますかということで、我々では業務運用規程というのを定めておりまして、ここに書いてある条項を載せてございます。
それから、(2)のほうで、周知の状況についてどのように把握していますかということで、事業者さんのホームページというのはたまに見て回るということをやっております。そのほかに、案件が出てきた場合には、まず、いろんな書類を取り付けるときに、どこに書いてありますかというのを併せてそこで確認しているという形で、随時チェックしているというのが今の現状でございます。
その次に、(3)に行きますと、ADR制度の周知を加入金融機関の方にどういうふうに働きかけをしていますかということでいきますと、手続実施基本契約時に当法人の規則を送っております。それから、今年度最初のほうに、軽微ですけれども、規程の改定がありましたので、改めて全事業者にお送りさせていただいて、周知をさせていただいているというのがまず1つ。それから、定期的とかいうのはないのですけれども、その他の機会ということで、この後につけましたような、不定期にニュースレターを出すということを行っております。さらに、事業者側の担当者が異動されたときに、新しい方に対してやはりこの文書をお送りして、もともとの理念というのも理解していただくようにしているという方法を取っております。
保険オンブズマンからは以上となります。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
続きまして、日本少額短期保険協会の大槻委員、よろしくお願いいたします。
- 大槻委員
日本少額短期保険協会の大槻でございます。それでは、27ページ、御説明させていただきます。
まずは1の(1)でございます。周知に係る取組でございますけれども、幾つかに分けてお示ししております。
まず最初、当協会としてということでございます。私どもの協会は、異業種からこの保険に参入してくるという形態が非常に多く、例えば、親会社がハウスメーカーであったり、あるいは葬儀の互助会であったり、あるいはペット会社であったりということもございますので、そういう意味では、入会のときに少短会社自体が金融ADRについて適切な理解をしていただくということが重要だと考えておりますので、入会説明のときですけれども、格別の時間を取りまして、金融ADR制度の創設の背景とか理念とかいうお話をしております。具体的には、例えばですけれども、創設当時、2009年度当時の例えば国会の財務金融委員会でのやり取りでこういうやり取りがあったと、こういう背景によって金融ADRができているというような御説明をしたり、あるいは、それを踏まえて、現実的な金融ADRの手続がどう動いているのかということで、それを踏まえて、当協会での今の苦情あるいは紛争解決手続の実態などについて時間を取って説明をし、適切に金融ADRについての理解をいただくということをイロハのイとしてやっているというところでございます。
その上で、各社におきましては、約款、重説、それからパンフレット、ホームページなどのツールを利用して、それで、目立つように金融ADRの周知をしていただくということをしております。
また、当協会のホームページでは具体的な手続につきましても紹介をしておりますし、また、ホームページにも掲載しておりますけれども、年に2回、相談・紛争解決手続に関するデータ分析をしました「ほけん相談室レポート」というのをアップすると。このレポートの中にも具体的なADRの手続について記載しておりますので、そこで周知をしているというところでございます。
それから、利用していただきやすいためにということで、架電による相談・苦情の申請が時間あるいは勤務面の都合上なかなかハードルがあるという方のために、お申出フォームをホームページに置いて、それでメールで受付をしているというところでございます。
それから、周知についての課題、(2)というところですけれども、これにつきましては、ADRに限らずですけれども、当協会に関わることについて、お客さんに、一般消費者の方に分かっていただきやすいように、ホームページ自体の改修を今年度検討しているというところでございます。
それから、2番目ですけれども、ルートですけれども、①から⑥まで記載しました。①は少短業者から、これはウエートは極めて少なく、また、行政からは4%、消費者センターから8%。なお、消費者センターからの経由の中身ですけれども、比較的高齢者の契約者の御家族ですね。葬儀保険というのがございまして、亡くなったときの葬儀費用を賄うために保険に入られるというケース、これは御契約者が高齢者でございますので、その御家族の方から、手続のときの説明をきちんと受けているのかどうかというような、こういう内容の相談が多いという傾向がございます。それから、メディア・インターネットからは数件にとどまっておりまして、お申出フォームからが16%。それ以外、⑥、71%というものの中身は、各社のパンフレット、重説等への記載、それから、金融ADR機関、当協会のホームページでの確認によってお問い合わせいただくというものが圧倒的に多いというのが現状でございます。
それから、3番目の(1)、業務規程につきましては、記載のとおりでございますので、御覧いただければと思います。
それから、(2)でございます。金融機関などによる金融ADRの周知方法の確認という意味では、年に1回、各社の約款、重説、パンフレットなどを1回協会のほうで全部取り寄せて、それを確認する、あるいは協会の事務所内に全て留め置いておくというようなことをしておりますけれども、それに加えて、相談等があったときには、当該社のパンフレットあるいはホームページでの掲載方法については確認するということをやっております。
それから、(3)でございますけれども、①から④の機会についてということでございますけれども、まずは基本契約締結時、つまり入会当時でございますので、冒頭申し上げたとおり、金融ADRの仕組みについての説明をし、そして、定期的にはという意味では、「ほけん相談室レポート」の発行で周知を図るということをしております。それから、相談受付及び苦情受付の際には、各社に、こういうルートでというようなこと、それから金融ADRの周知について適切に対応いただくということを依頼しております。また、各社の対応という意味では、少短会社の場合、ネット募集が比較的多くなってきているという現状を踏まえまして、各社のホームページでの表示の仕方、ここが適切かどうかということを確認して、例えばADR機関の紹介以前に、苦情窓口、受付のサイトが分かりにくい場合には、各社、働きかけて、それでホームページを改修してもらうと。立てつけを改修してもらうとか、こういった取組をして、なるべくお客さんが見て分かりやすいようなしつらえにしていただくということを依頼しているというところでございます。
少短協会からは以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
続きまして、証券・金融商品あっせん相談センターの丸野委員、よろしくお願いいたします。
- 丸野委員
FINMACでございます。説明させていただきます。資料は30ページになります。
まず、№1の(1)でございますが、FINMACが実施しているADR制度の周知に係る取組でございます。こちら、記載させていただきましたとおり、まずホームページで、ADR制度を含めまして、我々の業務全般を説明させていただいております。活動実績などの具体的な紹介例は、ここに6つほど挙げさせていただいておりますが、そういったような中で、数字の計数のみならず、具体的な個別の事例などをプライバシーに配慮した形でホームページ上に公表させていただいております。こちらは、あっせんを利用される方は比較的よく御覧になっていただいているものと認識しております。また、ホームページはスマホでも閲覧、検索しやすいように対応しております。また、過去の実績にはなりますが、他機関でもおっしゃっておりましたが、ネットでの検索エンジンを使ったリスティング広告、これを実施した実績がございます。昨年度は、日本橋兜町の交差点、兜町あるいは茅場町駅近辺では非常にシンボリックなKABUTO ONEというビルがあるのですけれども、そこの大型ディスプレーに当センターの広告を掲載した実績がございました。また、手続の流れの説明につきましては、30ページ最下段のところに記載させていただきましたウェブ、こちらのほうでイラストを中心に分かりやすいような形で手続の流れを御説明させていただいているところでございます。
また、31ページでございますが、金融ADR制度を認知していない方あるいは利用を検討している方へのアクセスという部分でございますが、我々、直接お客様との関係を持っているわけではございませんので、我々から直接アクセスするということはほぼ不可能なので、一般公衆に向けた方策を取らざるを得ないと考えております。また、間接的な方法となりますが、金融機関や消費者センターなどを通じて、パンフレットあるいはポスターを作成し配布しているということに加えて、講師派遣の要請などを受けましたら、ADR制度の概要や金融トラブルの事例の紹介などをさせていただいているところでございます。
(2)、課題でございますが、テレビとかラジオのCM、あるいは新聞、雑誌への広告掲載などが考えられると思います。実際、ラジオについては真剣に考えたのですけれども、残念ながら、予算の関係で難しいという結論になった経緯がございます。また、TikTokなどを利用した活動というのも考えられるところだとは思うのですけれども、広報ということですと、どういうターゲットに絞り込むか、ここがやっぱり難しい、ここにも括弧書きで書かせていただきましたけれども、今、我々FINMACを実際に御利用されている方の年代でいうと、50代の後半から70代の方までが基本的な大きな一つの固まりと捉えられる状況ですが、こういう方向けでいいのか。あるいは、それ以外の年代の方で、潜在的にトラブルを抱えていそうな方で、FINMACを知らない方がいるかもしれない。そういうところにアクセスしていったほうがいいのか。そういったようなターゲットの絞り方によって広告媒体も多分違ってくると思いますので、ターゲットに届くようなメッセージをどうやって限られた予算の中でやっていくかというのが課題だと思ってございます。本日、ほかの機関の方もおっしゃっておりましたが、他の機関で効果が上がっているようなものがあるということであれば、取り入れていきたいと考えているところでございます。
続きまして、項番、№2でございます。申出人がFINMACに辿り着くまでのルートはどうなっているのかということでございますが、31ページに表を掲げさせていただきました。これは21年度、22年度、両年度の合計の数字でございますが、この数字の取り方は電話でのヒアリングでございます。我々に電話がかかってきた方に、どうやってFINMACを知ったのですかという御質問を投げかけて、御回答いただいたものをまとめたものでございます。この中で、その他というのが相談で36%、苦情で22%というふうに多くなってございますが、一番下に書いてございますが、その他の中の主なものというのは、契約締結前交付書面、これに書いてあった、あるいは弁護士さんから紹介された。弁護士さんというのは、どちらかというと、御相談などをしてくる方が、我々のところにはまず来ないで、弁護士さんに相談する。これが無料相談会というような場合もあれば、個別にお話をお聞きするというような場合、いろいろあろうかと思いますが、そういったような中で弁護士さんが、取りあえずFINMACというところがあるから聞いてみたらどうだというような形で御紹介いただくといったようなパターンになろうかと思います。ただ、ここにも書いてございますが、契約締結前交付書面に金商法上記載義務があるというのは非常に有効なことだと思っているところでございます。
続きまして、32ページでございます。№3の(1)、規程関係でございます。規程関係につきましては、ここに記載させていただきましたとおりでございまして、特段御説明するところはございません。
(2)でございますが、金融機関がADRの周知についてどういうふうにやっているかというものの実態の把握ですが、実態把握というほどのものではございませんが、先ほども申し上げましたように、ルートのところで金融機関の紹介というのがございますので、そこでの回答内容、あるいは、我々、ポスターとかリーフレットを金融機関に対して販売していますので、それの販売状況から大まかな把握は行えると考えております。また、法令上、加入金融機関には当センターの商号公表義務、これが課されていることに加えて、先ほども申し上げましたが、契約締結前交付書面にも当センターの商号を記載することが義務づけられているということから、皆さん適切に対処していただいていると認識しているところでございます。
最後、(3)でございます。働きかけの状況でございますが、①、手続実施基本契約締結時でございます。FINMACの業務自体はホームページで公表しておりますので、手続実施基本契約締結に際し、金融機関から提出される申込書において、当センターの業務規程などを遵守し、この業務規程などに定める義務を誠実に履行する義務を誓約させていただいております。業務規程の内容等に関する質問には丁寧に回答を行っているということでございます。
②、33ページですが、定期的な取組でございます。これは毎年なのですけれども、日本証券業協会が実施する協会員の内部管理責任者――この内部管理責任者というのは、簡単に申し上げると、支店の総務課長の方あるいは営業セクションの管理責任者とか、そういったような方がこの内部管理責任者になっているケースが多いのですけれども、そういう方を対象とした研修に日証協から呼ばれまして、我々が講師として出ていってお話をさせていただく機会を設けさせていただいているというものでございます。この中で、FINMACの業務状況あるいはADRの意義などについて説明させていただいているところです。また、他の自主規制機関や個別の金融機関からも講師派遣の要請があれば、受けさせていただいております。ちょうど明日、私は大阪に出張に行きまして、この内部管理責任者よりちょっと上の段階で内部管理統括責任者という職責があるのですけれども、これは役員クラスなのですが、大阪地区の証券会社の役員さん、コンプラ担当の役員さんなどに対して、ADRの話をさせていただく機会を設けさせていただいているところでございます。
次、③でございます。相談・紛争解決などの事案発生時でございますが、苦情取次ぎ時の回答内容に不足などがある場合には追加調査というのを当然行っておりますし、そこに協力をしっかりしていただいて、追加調査の回答をいただいていると考えてございます。また、相談者が金融機関からADR制度の説明を受けたか否かの確認は行っていないのですけれども、№2のところの回答で一定程度の把握はできると考えてございます。当該集計で取引先から紹介されたとの回答がADR制度の説明の有無に直結すると考えてはいません。ここの理由は、最初、金融機関とお客さんとの間で何らかのトラブルがあって、一定の話合いが行われるわけなのですけれども、そこで解決しないのだったら、じゃあ、取りあえずFINMACに電話したらどうですかというような形でFINMACのパンフレットを渡すとともに御紹介いただくということはよくあるのですけれども、そこで、あっせんまで行きましょうというような形の説明までされているかというと、ちょっと我々は把握していないので、こういう書き方にさせていただいているところでございます。
最後、④、その他の機会でございます。こちらは、22年の3月ですが、ポスターを改訂したので、全ての機関に無料配布を行っております。また、随時、金融機関に対し当センターのリーフレットなども販売しているというところでございます。
説明は以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、日本貸金業協会の菅原委員、御説明のほどよろしくお願いいたします。
- 菅原委員
貸金業協会の菅原と申します。よろしくお願いします。資料、34ページからです。
まず№1の(1)、ADR制度の周知に関する取組ですけれども、ここはやはり一番大きいのはホームページということになります。ここに記載のとおり、ADR制度の概要から流れ、留意事項等、分かりやすく記載して、必要に応じてアクセスしていただくというようなことをしているところです。それと②ですけれども、同時に、当協会の案内のパンフレット・ポスターなども、消費生活センター等の関係先に配布して、そこからアクセスしていただくというケースもございます。それから、③ですけれども、活動実績、事案の紹介等をホームページに、これは「センターだより」ということで四半期に一度掲載して、内容を見ていただくというようなこともしております。それから、ポツのところで、金融トラブルとなったが、金融ADR制度を認知していない者へアクセスするための施策ということですけれども、ホームページその他で当協会に相談が入ってきた際に、状況に応じて内容を説明して、ADR制度について詳しく御説明するというようなことをしております。それから、ADR制度の利用を(潜在的に)検討している人に対する具体的な手続の流れ等の説明など、金融ADR制度がより広く利用されるために工夫されていることというと、これらの取組に加えて、加入貸金業者におかれまして、この金融ADR制度については状況に応じてしっかりと説明をしてください、案内をしてくださいというようなお願いをしておりますので、そこから手続を希望するというケースも多々ございます。
それから、(2)の周知についての課題ですけれども、加入貸金業者に周知をお願いしている、あるいは交付書面とかホームページにも当協会の連絡先が記載されているわけですけれども、こういったことで認知される一方で、本来、貸金業者に直接連絡されるべきもの、個別の問合せですとか、そういったものが当協会に連絡されるケースが非常に多いということで、次の35ページの上の表にありますけれども、相談・苦情・紛争でトータルして1万9,000件ほど取り扱っている中で、その半分近くが、いわゆる我々は誤認電話といっていますけれども、本来は個社に対する簡単な問合せ等、これが入っているということで、ここは非常に悩ましいところではあるかなと思っています。
それから、№2ですね。当機関に辿り着くまでのルートですけれども、加入貸金業者の実態までは正確には把握していません。データはありませんけれども、主なルートとしては、やはり当協会の公表物、ホームページですとかパンフレット等、これを見てという方が多分一番多いのだろうなということです。それから、加入貸金業者における当協会の連絡先の周知、それから照会ということです。あとは、記載ありませんけれども、中には消費生活センターから聞いたというような連絡もございます。
それから、№3、規程類ですけれども、これは記載のとおりでございます。
(1)の業務規程、35ページのところです。こちら、それから、次のページ、36ページは記載のとおりでございます。
(2)、加入金融機関などの金融ADRの周知の状況でございますけれども、先ほども少し触れましたけれども、加入貸金業者が貸金業法等に基づいて交付する書面等に、指定紛争機関として当協会の記載の有無を、当協会で行っている監査のときに確認するというようなことも行っております。それから、加入貸金業者がホームページを設置または改修する際に指定紛争機関として当協会の記載があるかないか等も確認するといったことを行っております。
それから、(3)、金融ADR制度の周知について、当協会から加入金融機関などに対する取組・働きかけでございますけれども、まずは紛争解決等業務に係る手続基本契約の締結のときに、この条項の中に入ってございますので、指定紛争機関としての当協会の公表等、これが定められていますので、この辺りをしっかりと行っていただくように、説明をしておるところでございます。それから、定期的な取組でございますけれども、先ほども少し申し上げましたけれども、ホームページで「センターだより」というのを四半期ごとに掲載していると。それから、年2回、加入貸金業者との意見交換なども行っておりますので、こういったところで様々な情報の交換をしております。それから、相談・紛争解決などの事案の発生時に必要に応じて適宜行うというようなところでございます。
貸金業協会からは以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。8つの指定機関の皆様、御説明、誠にありがとうございました。
なお、今回は、代替措置にて御対応していらっしゃる9つの団体にも、金融ADR制度の認知度向上に資する取組を資料2の参考資料として御回答いただいております。ここで、2名の委員の方から、御自身の団体における取組について簡単に御説明を頂戴したいと存じます。
まずは、全国労働金庫協会の大島委員、御説明をどうかよろしくお願いいたします。
- 大島委員
全国労働金庫協会の大島でございます。よろしくお願いいたします。
私ども労働金庫業界の金融ADR制度の周知につきましてですけれども、当協会のウェブサイトへ全国の労働金庫の苦情等のお申出先を掲載いたしますとともに、金融ADR制度の御案内を掲載しております。また、当協会と東京三弁護士会との協定などによりまして、全国の労働金庫には金融ADR制度を利用できることを公表し、また、お客様に対して当制度を御利用いただけることを開示する義務がございます。お客様への周知並びに制度の理解が進むように、当協会より全国の労働金庫及び労働金庫連合会に向けて、それぞれのウェブサイトに掲載するためのひな形を提供しております。また、弁護士会様にて御作成いただきました金融ADR紹介パンフレットを電子データで送付し、印刷物などで各営業店に備え置くように促しております。
私どもの説明は以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
続きまして、日本資金決済業協会の鈴木委員、御説明、どうぞよろしくお願いいたします。
- 鈴木委員
日本資金決済業協会の鈴木でございます。当協会の取組について御紹介させていただきます。
団体の取組のところ、すみません、資料8ページでございます。会員向けには、新規入会の際に、東京三弁護士会との協定加盟の案内であったり、あるいは、毎年、会員向けに実務担当者説明会を実施しておりますが、その中で金融ADR制度の対応を説明しております。また、利用者向けには、協会ホームページにおきまして、金融ADR制度を利用したトラブルの解決方法の案内、あるいは、実際の相談・苦情の対応時に状況に応じた当該制度の利用方法を御案内しております。
その他の取組としまして、①の関連でございますが、会員に対して東京三弁護士会との協定加盟の手続を案内する際に、弁護士会のウェブサイトの中の金融ADRの御案内や、あるいはQ&Aのページを併せて御案内させていただいております。②に関して、内規でございますが、その中で、協会及び会員は紛争解決支援機関の周知に努める旨を規定しまして、協会、会員自ら制度周知を行うことを求めております。最後、④のところでございますが、その他の取組としまして、半期ごとに相談・苦情や金融ADR事案を取りまとめて会員向けに還元しております。その中で、金融ADR事案につきましては、日弁連金融ADRセンター公表の統計年報を引用させていただいて、資金移動業に関連する事案概要を紹介することで、金融ADR制度の周知を図っているところでございます。
簡単ですが、以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
それでは、これまでの御説明につきまして、御意見、御質問をお願いしたいと存じます。また、消費者機関・団体あるいは自主規制機関・業界団体の皆様を含め、認知度向上について御参考となるような事柄や取組などがございましたら、御言及いただきますと大変ありがたく存じます。
御発言に当たり、事務局より、まず事務的なお願いを申し上げさせていただきます。
- 中尾室長
それでは、お伝えさせていただきます。
御発言を希望される際には、会場にいらっしゃる委員の皆様におかれては挙手にて、オンラインで御参加の委員の皆様におかれましては、会議システムのチャット機能により、お名前と所属組織を入力の上、チャットの初期設定に従ってお送りください。座長が指名されますので、御指名のあった委員は御発言をお願いいたします。
オンライン参加の場合、マイクのミュートを解除し、御自身のお名前をおっしゃっていただいた後、御発言いただければと存じます。
以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
それでは、ここで御質問、御意見頂戴したいと存じます。ただいまの御説明に従って、挙手あるいはチャット機能等で御発言の意思をお知らせいただければと思います。いかがでしょうか。
それでは、初めに田中委員からお願いいたします。その後、坂委員、お願いいたします。
- 田中委員
田中です。どうぞよろしくお願いいたします。
金融ADRのみならず、ADRの認知というのはまだまだ日本では低いと感じております。その中で、皆さんのとても積極的な御尽力に心から感謝申し上げます。どうもありがとうございました。また、詳細な資料等も、お忙しい中でこれを作成するのは大変だと思います。本当にありがとうございます。
私のほうからは大きく分けて2点、御質問と意見的なところを申し上げさせていただきたいと思います。
まず意見のとして、今申し上げましたように、ADRの認知というものがとても低いと同時にまだまだ実践が日本では難しい中、ADRが始まって、日本でもう20年ちょっとたってきていると思うのですけれども、その難しい状況の中で、金融ADRというのはADRの中でもちょっと異質な存在であり、法律の立てつけ等も含めて我が国に存在するADRとはちょっと異質な存在だというところを申し上げておきたいなと思っています。金融ADRの初期の段階から関わらせていただいておりますが、金融ADRは顧客と企業の中での情報格差の中でおこる問題を、どのように解決できるかというところから始まったものです。他のADRと違う点は、中立という名前を言っているのだけれども、消費者保護という視点からスタートしているというのが金融ADRの一番の特徴であることを明確にすべきと考えます。本日のこの委員会に先立ちましていろいろ各ADR機関のホームページを拝見させていただきましたが、中立公平という言葉がホームページ上で目立っているというのが印象です。確かに中立というところをうたっていくことはとても必要なのですけれども、私自身、ADRに関わっている実務家として、あるいは組織運営者として、この中立という言葉がとても難しい言葉で、中立という言葉を使えば使うほど、利用者、とくに金融ADRであれば情報格差のある消費者のほうからは冷たく感じるという、とても魔法の言葉なのではないかなと思っています。その意味で、リテールの顧客にむけ向けては、中立という言葉をどのように使っていくのか、同時に、金融ADRの大きな方向性である消費者保護の表し方というのを考える必要があると思っています。本日、各組織の方、皆様から、ホームページ、パンフレット、工夫されている点を伺いましたが、中立公平という言葉をもう少し、顧客向けに、より分かりやすく、消費者保護に立って、金融ADRの自分たちの組織ができているのだというところをもう少しアピールするような書き方を、より工夫していただく必要が出てくるかなと思います。その上で、裁判とは違うのだといったとこを明確にしないと、明確でないと、この金融ADRの認知や利用にはなかなかつながりにくいなと考えます。裁判と違うので、もっと手軽で、身近に感じていただくという工夫をどうやって打ち出していくかという点を、より見せ方として工夫していただきたいなと思います。
その意味で、あえて今日言わせていただくと、裁判とも違う、通常のADRとも違うというところの打ち出し方というところ、見せ方というところをもう少し工夫が必要かなというところでした。本日、ホームページ上のアクセスというところも出てきたのですけれども、正直、とても分かりにくい、アクセスしにくい感じが、拝見させていただき、感じました。なかなか金融ADRにつながらない、クリックにつながるまでにちょっと時間がかかるなというようなところが少し気になった点でした。
2点目に、アクセス、認知という面では、各金融加入業者向けと、顧客向けと、2点について考えなくてはいけないという点です。加入金融者向けでは、先ほどお話の中にありましたように、各社への研修ですとか、役員を含め、会社全体にむけて、どのように取り組むのか、あるいは、今の前段のお話にありましたように、金融ADRというのが従来の紛争解決方法と違うといったところをどのように伝えていくかというところが、加入業者様向けの説明というところではネックになってくるかなと思っています。その説明の中で、訴訟とは違う、通常のADRとも違う、金融ADRが持つ中立という言葉の意味合いをしっかりと、加入業者様に御説明いただくことが、御説明いただくことが必要かなと思っています。
もう一つ、顧客へのアプローチですが、ここは、お話あったように、紛争解決機関が直接顧客にアプローチするということは難しい話だと思うので、いかに各加入業者を通してこういった組織を知ってもらうのかというところが重要になってくるかと思っています。その意味で、重要事項説明書とか契約書に金融ADRが書いてあれば良いのではないという話は、もうこの金融トラブル協議会の中でも何回もお話が出ています。私個人でも、この間、いろいろ金融商品、契約はしているのですけれども、別添えでパンフレットがついてくるということはなかったです。契約の際に金融ADRの説明が別についてくるということはなかった。経験的に今までもないです。金融ADRの存在や、将来必要となるかもしれない組織があるのかということを契約時に重説以外でしっかりと目立つような形で顧客の方には分かっていただくことが必要なのかなと思っています。なので、重説の中に分かりやすく書けばいいという話ではないなというような思いで今皆さんのお話を聞かせていただきました。
ここから2つ、生保協会さんと損保協会さんにお伺いしたいのですけれども、今いろいろなところからお話しいただいたように、契約時にこの金融ADRの紹介はあり、重説なり契約の説明の中であると思うのですけれども、保険の特性として契約更新というものがあると思うのですね。なので、契約更新の際、そのときはもう重説はないと思いますので、この金融ADRの説明というのを、どういった形ADRの説明をしているのかというところを生保協会さんと損保協会さんにお伺いさせていただければと思います。ありがとうございました。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
ただいま御質問いただきました生保協会さんと、それから損保協会さん、どちらからでも結構です。お答えいただけますでしょうか。
それでは、小峰委員からお願いいたします。
- 小峰委員
それでは、生保協会のほうから説明させていただきます。
契約の更新といいますか、毎年、今、生命保険会社・業界では年に1回、契約内容の御確認という形で、特に更新等がなくても必ずお客様にアプローチして、今の加入状況を確認いただいているという活動を行っておりますけれども、ただ、その中でおっしゃっていただいたADRのことが必ず書かれているかどうかというと、先ほど申し上げましたガイドラインのような形では、確か定めてはいないと思いますので、各社の創意工夫によるところになっているかと思います。
- 田中委員
ありがとうございます。商品の特性上、やはりそこで知るということもとても重要だと思いますので、引き続き御検討よろしくお願いいたします。
- 神作座長
続きまして、森脇委員、御回答をお願いいたします。
- 森脇委員
更新時につきましては、特にルールとして定めたものというのは、やはりガイドラインみたいなものはないのですけれども、生保協会さんと同じように、各社の工夫の中で知らされていると認識しております。
- 神作座長
よろしいですか。
- 田中委員
ありがとうございます。生保さんと同様です。今回、オンブズマンさんと少短さんにはお願いはしなかったのですけれども、共通している部分だと思いますので、そこは商品全体の取組として工夫をどうぞよろしくお願いいたします。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、坂先生、お願いいたします。
- 坂委員
坂です。よろしくお願いします。私のほうからは、感想的なところも含めて5点ほど述べさせていただければと思います。
1点目は、今の御発言と重複するところでありますけれども、認知度を拡大するという観点からは、まず顧客における認知度を高め、そこから社会的な認知度を高めていくということが重要と思います。この点、顧客との接点において、記憶や印象に残りやすい機会を捉えて、記憶や印象に残る形で情報提供を行うことが考えられます。契約締結前書面については幾つか御指摘ありましたけれども、契約のときや何らかの契約関連の手続の際に機会を捉えて情報提供を行うことがやはり重要と思います。何かあったときに相談窓口で対応する旨を伝えることによって、サービスへの信頼を高めるということも期待されるところと思います。
2点目ですけれども、顧客に相談したい事項が生じたときに、金融機関への問合せのほか、スマートフォンやパソコンから情報を得ようとする人たちも多いと考えられます。かかる観点から、ホームページの画面構成やインターネット広告は重要と考えます。これも幾つか御指摘あったところではあります。デジタルを通じた情報提供は、各業界、各社において、マーケティング等の技術を駆使して様々な取組や工夫がされているところと思います。相談窓口や金融ADRの情報提供や広報においても、かかる技術が適切に用いられることを期待したいと思います。
3点目ですけれども、デジタルの情報提供では一般にコンテンツの充実や工夫等が試みられていると思いますけれども、窓口や手続の紹介のほか、解決事例の情報提供も重要と思います。これも御指摘あったところで、情報提供の在り方については様々な工夫や配慮が必要と思いますけれども、相談窓口と金融ADRにおける日頃の御尽力の成果を広報していくということによって、サービス全体への信頼の醸成につながり得るとも考えます。
4点目ですけれども、相談窓口を装って消費者被害に誘い込むようなウェブサイトなども存在します。各団体の皆様には、ぜひ皆様の窓口のプレゼンスを高めていただくとともに、必要に応じて、こうした不適切な窓口に関する注意喚起も、機会を捉えてお願いできればと思います。
5点目ですけれども、金融経済教育の推進が図られています。金融経済教育やその相談の場においても、これはそちらの機関との関係ということになるかもしれませんけれども、広報いただくということも重要と考えます。
以上です。
- 神作座長
大変貴重な御意見、ありがとうございました。
続きまして、斎藤先生、御発言をお願いいたします。
- 斎藤委員
弁護士の斎藤です。今回は様々な取組について御説明いただき、ありがとうございました。どの機関も周知徹底の方策をいろいろ工夫されているということがよく理解できました。私のほうから2点、コメントというか、意見というか、感想めいたものを申し上げたいと思います。
1つ目は、いろいろインターネット等で御努力されていますけれども、実質的なアクセスの向上という観点からのコメントです。損保協会さんが御指摘のように、一般の方というのは、平常の時には、幾ら紙にADRの案内が書いてあってもなかなか興味は湧かないわけで、実際にトラブルになったときにどうしたらいいかと悩み、初めて解決方法に興味を持つわけです。したがって、トラブルになっている人、要するに情報を必要としている人にどうアクセスするかというような観点、損保協会さんが書いてくれた観点が非常に大事だと思います。また、FINMACさんが書いていただいたように、必要な人に届く、要するにターゲットを絞るという観点もまた大事と思います。以上の2つの御指摘は非常に重要だなと私も感じました。では、うまい方策があるかというと、なかなか難しいのですけれども、一つには、トラブルに陥った人が訪れる場所、例えば、消費者団体に相談に行ったりとか、あるいは弁護士とか行政書士とか司法書士とか、そういったところに相談に行ったときに、きちんとADR機関の情報が伝わることは結構大切ではないかと思います。私の分野でいうと、弁護士に相談に行ったケースが考えられますが、実は弁護士自身があまり金融ADRに詳しくない人が意外と多い。そもそも弁護士に金融ADRが周知されていないというところは弁護士会が考えなきゃいけないことかなと思いますが、単に一般紙に掲載あるいはインターネットに掲載するだけではなくて、どういう方策が情報を必要としている人に届くか、一番効果的か、という観点から今後ともぜひ御検討いただけるとありがたいなと思っております。
2つ目のコメントとしましては、今回のテーマは認知度向上ですけれども、その認知の内容が適正かどうかというところも大切だと思います。これは田中委員の御発言と趣旨がかぶるのですけれども、いまだに時々耳に入ってくるのは、業界団体が行う金融ADRは、本当に公正なのかと。金融機関寄りの判断がされるのではないだろうかというような不安を持たれている消費者の方が今でもいらっしゃる。これは過去にこの金トラでもいろいろ議論があったと思います。大きな枠組みの議論だと、そもそも業界団体ではなくて、業界から離れた統一的な金融ADR機関をつくるべきではないかというような議論も当初はありました。ありましたというか、現在でも長期的には課題の一つだと私は認識しておりますけれども、ただ、現実的にベストな手段として今のような体制になっているというわけですね。しかし、この体制で公正な紛争解決を目指しているのだということをどう消費者の方に理解してもらうかと、そういうところも含めて認知度向上ということを考えるべきだろうなと思っています。私も今回ホームページを見させていただきました。公正中立とどの機関も書いてあるのですが、公正中立と言われても、やはり業界団体ということでバイアスがかかっている消費者が一定数いらっしゃいますから、そこを、実質的にちゃんと公正なのだということを言わないといけないのではないかと思います。田中委員からも御説明ありましたけれども、金融ADRというのは一般ADRとは違うわけですね。いわゆる片面的義務と言われている、応諾義務あるいは説明義務、資料提出義務、あと特別調停案という制度があるというところが一般ADRとかなり違うところです。しかし、私がホームページを見た限りでは、そこをしっかり説明しているホームページはなかったように思います。一応触れている機関もありましたが、全く触れていないホームページもありました。もっとも、これもバランスが難しくて、あまりそこを強調して、消費者保護の制度であることを強調すると、ここは消費者側の味方だなと、一緒になって金融機関をやっつけてくれる機関だと思われてしまっても、これはADRの趣旨から反してしまうので、そこの言い方が難しい。実際のトラブっている金融機関の担当者が、ここがいいですよ、ここに申し出てくださいねとあまり言うと、これも皮肉なことに、そんなに勧めるというのは、これは金融機関にメリットがあるからそっちを勧めているのではないかなというふうに、うがった見方をする方もいらっしゃるぐらいなので、その辺のバランスが難しいとは思うのですね。なので、ADR機関は、あくまでも公正中立な立場なのだけれども、情報格差を考慮して手続面ではこういった配慮がなされている、実質的な公正のための配慮がなされている手続きで一般ADRとは違う点があるということを上手に伝えていただくというのが非常に重要なんじゃないかなと思いました。
それから、同時に、金融機関側への理解、周知というのも重要だと思います。先ほど、少短は異業種からの参入が多いので、金融機関側への周知や理解の徹底もきちんとやられているということですけれども、これはほかの機関でも同じで、金融機関によっては、金融ADRをきちんと担当者が理解していないところもまだまだ多いし、担当者というのは替わりますので、金融機関側へも金融ADRの趣旨の周知が重要だと思います。もちろん手続実施基本契約に書いてあるので、担当者は片面的義務の存在は分かっているわけですけれども、ただやっぱり、そこの趣旨をきちんと理解していることが重要だと思います。金融機関側からは、時々、トラブルのお客様に説明を繰り返して、苦情・相談の手続も経過して、それでもまだ解決しない、こんなお客さんに対して、またこの手続に応諾しなきゃいけないのかという不満が耳に入ったりしますけれども、やはり金融機関側にもこの金融ADRの趣旨というのをきちんと理解していただかないと、ただ表面的に片面的義務の制度だけ理解してもらっているだけでは、効果的なADRは進まないと思いますので、そこも重要かなと思いました。
それから最後に、私、弁護士会のほうのADRの担当もしているので、自主規制団体から少し御説明ありましたけれども、弁護士会ADRのほうも周知徹底に関しては、皆さま方と同じように悩みながら検討しているところであります。特に、金融ADRの趣旨の説明もそうですけれども、やはり、こういった事例できちんと解決できるという情報開示、これは以前にもこの会でテーマになりましたけれども、きちんと事例紹介のフィードバックというところも含めてやることによって実質的な周知ができると思いますので、先ほどの御説明にもあったように、弁護士会のほうでは、そういった事例の概要について年間ごとに日弁連のホームページに公表しています。それを自主規制団体のホームページでもURLを掲載していただいて周知に協力していただいているという状況ですので、これについても御報告したいと思います。
以上です。
- 神作座長
大変貴重な御意見と、それから取組の御紹介、ありがとうございます。
続きまして、オンラインで御参加の皆様にもぜひ御発言をいただければと思いますけれども、沖野先生、今日は途中退席と伺っております。もし御発言がございましたら、沖野先生、御発言いただけますでしょうか。
- 沖野委員
ありがとうございます。沖野でございます。途中ちょっと音声トラブル等ございまして、御報告を聞くことができない部分がかなりあったので、もう御説明済みだということもあるかと思いますが、その点はお許しください。
1つは、既に繰り返しなのですけれども、各機関におかれまして非常に多くの工夫をされているということが分かりました。情報提供や発信はかなりされていると思います。ということなのですけれども、例えば各種書面ですとかホームページですとか、情報はあるのだけれども、問題としては、例えば契約締結時にもきちんと書かれているけど、その段階で意識する人はやはりほとんどいないということがあって、実際に必要とされるときにうまく取り出せるか、アクセスができるかということが大事で、そのためにはどうしたらいいのかということがあり、それを様々工夫していただいていると思います。こうやって、どういうルートでここに来たかということも非常に重要ですが、それらの人はアクセスできた人たちなので、アクセスできない人たちはどうなっているのだろうかという解明はやはり必要なのかなと思っておりまして、消費者の一般的な行動としてどういうことを取るのかということが1つは参考になるのではないかと思います。それ自体は、金融ADRに限らない、より一般的なことでもありますので、こういうところを押さえればいいとか、それから、提示の仕方なども非常に重要かと思っております。そういう中で、そういった問題関心から、例えば書面に書かれているというのも、どのような書き方をしているといいのかとか、それから、途中の御報告の中で、各社のホームページをチェックして、分かりにくいかどうか、そういう点については改善を求めているという御報告もありまして、これは大変なことだと思うのですけれども、そういう中から、具体的な作り方について、こういうところが考慮点だとか、こういう形にすればいいとか、そういったような提言もそれぞれの御経験を踏まえてあると大変ありがたいのではないかと思ったところです。
差し当たり、以上です。
- 神作座長
沖野先生、どうもありがとうございました。
オンラインで御参加のほかの委員の方々、どうか御遠慮なく御発言いただければと思います。いかがでしょうか。あるいは、これまでに御説明いただいた機関等の皆様の中から、御参考となる取組などを御紹介、あるいは御意見などいただければ幸いでございますけれども、ございますでしょうか。何かございましたら、御発言いただければと思います。
オンラインで御参加の唯根委員、御発言ください。
- 唯根委員
ありがとうございます。日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の唯根と申します。すみません、説明の中でやはり私も聞き取りがうまくできなかったので、説明が既におありになったかもしれないのですが、事前にちょっと質問というか、資料を拝見させていただいて、もう少し伺いたいなという点があったので、伺います。今回の2番の質問の中で、いろいろなルートで御相談が入るという各機関からの御回答があったと思います。それについて、パーセンテージまで出されている、生保協会さんなんかは出されているのですけれども、ルートの違いで、御相談の内容とか、相談に入ってこられる方の属性とか、特徴や何かがつかめていらっしゃるかどうか。これはほかのADR機関もそうなのですけれども、こういう部分からも、消費者側が金融ADRをどういうふうに関心を持っているか、認知されているか、その辺の理解ができているかどうかのきっかけが分かるかなと思いまして、この辺、各ADR機関の皆さんに、集計や何かをされていらっしゃるかどうか伺えればありがたいです。もし、分析されていないようであれば、次回というか、今後ともデータが集まって傾向等が判ってくればいいなというふうにも思った次第です。
それから、1点、信託協会さんに伺ってみたいところがございます。こちらも、10ページにもあるのですが、「あっせん申立ての意向は示されていないが、苦情の解決が困難であり、かつ、金融ADR制度の利用による苦情の解決に適していると考えられる、こういう事案については、申出人本人の希望を確認した上で、あっせん手続に関する概略を説明し、また、別途、あっせん関係の書類を郵送した上で、あっせん制度の概要やあっせん手続の流れについて説明されている」と、ここまで詳しく解説してくださっているのですが、こういう方は、要は、ADRに入ってきたときに、ADR制度をどこまで御理解いただいていらっしゃるかとか、それから、こういう御説明をされた上で、制度を御利用にならない理由が何だったのだろうかという、この辺、もう少し中身が分かれば詳しく伺ってみたいなと思った次第です。
すみません。以上、些末な質問になりましたけれども、もしお時間があれば教えていただけたらと思います。以上です。
- 神作座長
唯根委員、御質問ありがとうございました。2点あったかと思います。1点目は、ルートの違いで相談の内容ですとか相談者の属性等についての違いがあるか。もし本日、まだデータはなくても、御感触のようなものでも、何かお気づきの点がありましたらお答えいただければと思いますし、追って後日ということでも結構ですけれども、今日この場で御感触を伺える方はいらっしゃいますか。お願いします。丸野委員。
- 丸野委員
FINMACの丸野でございます。
先ほどの資料、我々ですと31ページに書かせていただいておりますが、これは説明の中でも申し上げたのですが、これ、電話でのヒアリング結果が、何で我々FINMACを知ったのですかという問いに対する御回答がこれになります。これは、電話がかかってくる場合というのは当然ございますし、ホームページで我々も相談フォームというのを作っていますので、そこ経由で来ると、我々が電話をかけ直して、御相談、いろいろ具体的にお聞きしたりというような中でも、こういうアンケートは電話で取らせていただいています。
そういったような中で、これからお話しするのは年齢層の問題になるので、我々が年齢層をどの程度把握しているかというところからまずお話しすると、相談ですと、大体6割ぐらい年齢をお答えいただいています。当然、お答えいただけない方もいるのですが。苦情ですと、もっと上がりまして、9割ぐらい、我々は年齢を把握できています。そういった意味で、ここの電話でお聞きした結果とは別に、ホームページの相談から来る方というのは若い方の割合が多いです。先ほどの説明の中でも申し上げましたとおり、メインの利用者というのが、だから、50代後半から70代ぐらいのところになるのですが、全体で見ると、メールで来るのが大体4.数%なのですね。4.数%なのですけれども、若い方ですと、例えば20代あるいは30代前半ぐらいの方ですと、2割ぐらいがホームページ経由で入ってくる相談あるいは苦情というような形になっていますので、ここでのルートと直接一致するわけではございませんけれども、我々のところにアクセスしてくる方では、年代によってルートが結構違うということは言えると思います。
以上でございます。
- 神作座長
どうもありがとうございました。
ほかの機関から、御発言はございますでしょうか。寺内委員、お願いいたします。
- 寺内委員
全国銀行協会、寺内でございます。
今いただきました御質問、ルート別という部分については、先ほどもちょっと御説明させていただきましたが、銀行からの紹介というのは、どちらかというと50代以上の相談者からが非常に多く寄せられていると思います。ただし全銀協のホームページを御覧になられてという方は、年代にかかわらず、多く寄せられております。また、全国銀行協会もウェブによる書き込みを実施していますが、やはり御利用いただく層というのは、若い方あるいはお勤めになられている方、要は日中に電話をすることが難しい方からの書き込みが多いという傾向があります。ただ、その対応については私ども全て電話でさせていただき、状況等々お伺いしながら、適切なアドバイスを心がけているというところで、入り口のところはウェブサイトではあるけれどもといった状況でございます。
全銀協からは以上でございます。
- 神作座長
大変ありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、2つ目の御質問、信託協会に御質問をいただいております。資料の10ページ目におけるあっせんとの関係で御質問がございましたので、西川委員、御回答をお願いいたします。
- 西川委員
それでは、御質問に対してお答えしたいと思います。実は先ほど冒頭の説明のところで、こちらの10ページを委員が挙げられたのですけれども、同じ内容の記載が7ページにもございます。この7ページの具体的な手続の説明の2つ目の「・」のまた書きのところにも実は同じことが書かれており、この箇所の説明の中で、金融庁様からいただいた事前の御質問に対して、追加的にお答えしたつもりでおりましたが、ちょっと聞き取りづらかったのかもしれません。
改めて簡単に申し上げますと、この書き振りとして、こういったことが割と頻繁にあると受け止められるような表現になってしまっていることから、少し誤解を生んでしまったのかもしれませんが、ここで言いたかったことは、どちらかというと「心構え」として、こういう形で運営をするようにしているということであり、私が(現職に)就任してから3年半ほど経ちますが、事案の件数としては、こういった事案は1件あったかどうかというレベルの数でございます。
こちら、私ども苦情前置主義を取っておりますので、まず両当事者間で話し合っていただいて、苦情の解決に努めていただくというのがまず前提となります。このケースに当てはまる場合は、その苦情の解決がなかなかうまくいかず、平行線を辿っているといったところで、苦情の申立人から私どもに御相談があるようなケースが前提になろうかと思っております。そうしたケースにおきまして、御相談者はどちらかというと、まずあっせんという制度をあまり御存じではないケースが多いと考えています。ADR制度を御存じであれば、「ADRを考えているが、どうか」というような御相談になるかと思いますが、どちらかというと(相手方との話し合いが平行線を辿ってしまっているが)「どうすればよいでしょうか」というような内容の御相談になると思っています。
そういったケースがまず対象になるということであり、そもそも事案がやや限られているという中で、さらに、あっせんに適した事案でなければ、ADR制度を御説明すること自体が適切かどうかということになります。具体的には、あっせんの受理・不受理といったことを決めるときに、金融機関側の経営判断に属する問題であるとか、相手方に謝罪を要求するだけの苦情であれば、そもそもあっせんに乗らない事案になろうかと思いますので、話し合いが平行線を辿っていたとしても、ADR制度を御紹介するのは逆に問題があるということもあるので、なかなか積極的にADR制度を御紹介するケースは実際のところはあまりない。ただ、「心構え」としては、こういった事案については積極的にADR制度を御紹介していこうということで記載させていただいたところでございます。
以上でございます。
- 神作座長
大変ありがとうございました。
唯根委員、いかがでしょうか。追加の御質問等ございますか。
- 唯根委員
ありがとうございます。すみません。ところどころ聞き取れなかったので、また議事録を拝見して、読ませていただければと思っております。すみません。ありがとうございました。
- 神作座長
大変申し訳ありません。議事録で御確認いただければと思います。
ほかに御発言ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
もしよろしければ、いつも省略ばかりしているのですけれども、次の議題に進ませていただきたいと思います。「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等につきまして、金融庁金融サービス利用者相談室の青木委員から御説明をいただき、続いて、金融ADR連絡協議会(第38回及び第39回)の概要につきまして、事務局から御報告をお願いしたいと存じます。
それでは、初めに青木委員からお願いいたします。
- 青木委員
金融庁相談室の青木でございます。よろしくお願いいたします。時間があまりないので、簡単に特筆しているところだけ御説明させていただきたいと思います。
資料3-1のほうでございますけれども、令和5年10月から同年12月31日までの四半期の公表案件でございます。当期は保険商品に関するものが前期比で758件と大きく減少しておりますが、前期に保険代理店を営む自動車整備工場の不適切な保険請求の件が大きく報道されたことから、前期は件数が大きく増加したことによるものの反動によるものでございます。また、投資商品等に関するものが前期比で541件、暗号資産等に関するものが前期比で159件と大幅に増加しておりますけれども、それぞれ無登録の業者等から詐欺的な投資勧誘を受けて被害を被ったという相談が多く寄せられたことによるものでございます。
すみません。それから、中ほど、ページが振っていなくて申し訳ございません。8枚目でございますね。次の、今年の1月1日から3月31日までの第4四半期の件数の受付状況でございます。こちらにつきましては、全体でほぼ同水準で推移してございますけれども、当期においても投資商品に関するものが前期比で291件、暗号資産に関するものが114件と、それぞれ増加しております。引き続き詐欺的な投資勧誘に関する相談が増加傾向にあったものでございます。そのほか、1月1日から新制度がスタートしました新NISAに関する相談も多く寄せられておりまして、投資商品に関するものも相談件数の増加につながっているものと考えてございます。
簡単ではございますが、以上で御説明とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
- 神作座長
大変ありがとうございました。
それでは、続きまして、第38回と第39回の概要につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
- 中尾室長
御説明させていただきます。
金融ADR連絡協議会ですけれども、定期的に実効性のある情報交換や意見交換を行うとの目的の下、金融庁を事務局としまして、指定8機関の実務責任者の方に御参加いただき、おおむね四半期ごとに開催させていただいております。
資料4を御覧ください。第38回の会合を本年4月に開催しまして、今回のテーマであります「金融ADR制度の認知度向上に資する取組について」というところを、オンライン会議におきまして、今回の会議の前段として、まずは指定8機関との間で議論を行ったところでございます。
また、今事務年度より業務効率化の観点から、本会議直前に行われる会につきましては持ち回り開催とさせていただくこととしておりまして、第39回につきましてはメールのやり取りにて、第38回における議論を踏まえて、今回の会議の資料について検討いただいたところでございます。
御説明は以上でございます。
- 神作座長
大変ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、時間も迫ってきましたので、最後に私の感想と申しますか、コメントをさせていただければと思います。
金融ADRの周知の問題というのは本当に難しい問題ですけれども、様々な実務的な取組をいただいており、大変ありがたいと思います。田中委員から御発言がございましたように、会員企業向けと、それから対顧客に向けて、今後さらに様々なコミュニケーションの手段の発展や展開等もございますので、そういった点も視野に入れて、さらに実務的な工夫をしていただくとともに、このような場で情報交換をしていただくということが大変有用と思います。
それから、1点、田中委員と、それから斎藤委員からも御質問があった点に関連しますけれども、例えば金融ADR機関の概要だとか、一般的な説明などは全て各機関に共通の事項ですので、それこそ例えばどこに連絡したらいいか分からないというようなことも含めて、例えば金融庁でそういった金融ADR制度についての一般的な説明をしていただくとともに、そこに金融ADR機関を一覧できるリストのようなものを設けていただくというのをしてはいかがかなと、ちょっと今日お話を伺って感じたところでございます。この点について、ぜひ御検討いただければと思います。
それでは、本日の協議会はこの辺りで終了したいと存じます。
なお、次回、第67回の協議会につきましては、追って事務局から御連絡をしていただきます。
皆様、大変お忙しい中、御参集いただき、またはオンラインにて御参加いただき、大変ありがとうございました。