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第68回金融トラブル連絡調整協議会 議事録
1.日時:
令和7年6月23日(月曜日)13時00分 ~ 15時00分
2.場所:
中央合同庁舎第7号館9階 905B会議室 ※オンライン併用
【神作座長】
それでは、定刻になりましたので、ただいまから第68回金融トラブル連絡調整協議会を始めさせていただきます。
座長を務めさせていただいております、学習院大学の神作でございます。
皆様方におかれましては、御多用のところ、また大変暑い中、御参加いただきまして誠にありがとうございます。
それでは、議事に入ります前に、まず、事務局より、本協議会の新規委員の御紹介などをお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【髙島室長】
事務局を務めます金融庁金融トラブル解決制度推進室の髙島でございます。よろしくお願いいたします。
まず、人事異動などに伴いまして、今回から委員に就任された皆様を御紹介させていただきます。名簿の記載順にて紹介させていただきます。
国民生活センターの浦川様。
【浦川委員】
国民生活センターの浦川です。よろしくお願いいたします。
【髙島室長】
よろしくお願いいたします。
信託協会の岩田様。
【岩田委員】
信託協会、岩田でございます。よろしくお願いいたします。
【髙島室長】
よろしくお願いいたします。
日本暗号資産等取引業協会の舟田様。
厚生労働省の村瀬様。
【村瀬委員】
はい。
【髙島室長】
以上、4名の方でございます。
なお、赤井委員、阿部委員、坂委員、田中委員は御都合により欠席されております。また、山田委員は少し遅れて到着される予定となっております。また、東京都消費生活総合センター、小菅委員の代理で髙村様が御出席されております。
本日の会合につきましては、対面出席とオンライン出席を併用しての開催とさせていただいております。オンラインにて御参加の皆様は、会議中、ビデオ映像機能をオンにしたまま、マイク機能は御自身が発言されるとき以外はミュートに設定した状態でお願いいたします。
また、会場にて御出席の皆様におかれましては、常時、会場全体の音声をマイクが拾っておりますので、御発言時にマイク操作は不要となっております。
本会議は、一般傍聴はなしとさせていただいておりまして、メディアの方々には金融庁の別室にて傍聴いただいております。議事録は通常どおり作成の上、後日、金融庁のウェブサイトにて掲載させていただく予定となっております。
事務局より以上になります。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは、議事を始めたいと存じます。
本日はまず、各指定紛争解決機関の業務実施状況について、事務局から御説明をいただきたいと思います。続きまして、「ADR機関の連携について」に関しまして、指定機関より御説明をお願いしたいと考えております。これらの説明が終わったところで、一度、御意見、御質問をいただく機会を設けさせていただきます。その後、「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況、「金融ADR連絡協議会」の概要につきまして、金融庁金融サービス利用者相談室及び事務局から御説明をいただき、御意見、御質問を頂戴したいと存じます。
それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
【髙島室長】
それでは、指定紛争解決機関における令和6年度の業務実施状況について説明をさせていただきます。
まず、資料1-1、苦情処理手続実施状況の表を御覧ください。
表の左手、苦情処理手続件数の左から2番目の項目に当期の受付件数及び前年同期比がございます。その一番下の青色の欄に8機関の合計を記載させていただいておりますが、こちらを御覧いただきますと、令和6年度1年間で7,731件の受付となっており、前年度と比べて1%の減少となっております。指定機関別では、全国銀行協会、日本貸金業協会などで件数の増加、一方、FINMACなどで件数の減少が見られております。
続いて、資料1-2、紛争解決手続実施状況の表を御覧ください。
先ほどと同じく左手の紛争解決手続件数の一番下、青色の欄の左から2番目のところを御覧いただきますと、8機関合計で1,305件を受け付けております。前年度と比べまして、2%の増加となっております。指定機関別では、日本損害保険協会、日本少額短期保険協会などで件数が増加、全国銀行協会、FINMAC、日本貸金業協会などで件数が減少しております。
資料1-3に移っていただきますと、苦情処理手続、紛争解決手続、それぞれの縦の棒グラフ及び横の棒グラフがございます。縦の棒グラフがお示しします受付件数については、先ほど足元の状況を触れさせていただきましたので、ここでは横の棒グラフを御覧ください。
まず、右下のページ数で言いますと3ページ、こちらは苦情処理手続における結果について、また、4ページ目は、苦情処理手続の終結に要した期間について、それぞれグラフの上側に令和6年度分をお示ししております。いずれもグラフ下側の前年度と比べまして、構成比に大幅な変化は認められていないかと思われます。
さらに、7ページ目を御覧いただければと思いますが、こちらは紛争解決手続における結果について、また、8ページ目は紛争解決終結に要した期間について示したものです。7ページ目の紛争解決手続結果につきましては、和解成立の件数が37件減となっておりまして、それに伴い、全体に占める構成比も44%から40%へと減少している状況になります。
また、8ページ目の解決期間につきましては、6か月以上が4%増加しており、若干長期化の傾向は見られるものの、どちらのグラフに関しましても、いずれも前年度と比べて、構成比に大きな変化は認められないかと思われます。
説明は以上になりますが、前回67回の会議で議論させていただきました、総合解決率につきましては、前回会議の場におきまして、苦情解決という概念につきましては客観的にはかることが難しいといった御意見ですとか、また、解決率の高い低いといった点のみに着目するのではなくて、解決の質にも着目しながら議論を行うべきであるといった御意見を複数いただいたということを踏まえまして、前回限りの参考資料とさせていただきまして、今回以降の各指定紛争解決機関の業務実施状況に係る資料には掲載しないということとさせていただきました。
業務実施状況についての事務局の説明は、以上となります。
【神作座長】
御説明どうもありがとうございました。
続きまして、「ADR機関の連携について」に関しまして、指定機関に御説明をお願いしたいと思いますけれども、御説明に先立ちまして、議題の趣旨等につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
【髙島室長】
それでは、ADR機関の連携につきまして、趣旨を説明させていただきます。
まず、資料2が該当資料となります。いつものとおり、8機関の御回答を一つに編綴しておりまして、内容を御覧いただきますと、左側に着眼点を記載させていただいておりまして、右側に各指定機関の回答を記載いただいております。
この後、皆様には各指定機関の御回答および御説明をもって、各指定機関の取組について御議論いただければと考えております。
1ページ目の左側を御覧いただければと思いますが、趣旨について説明をさせていただきます。ADR機関の連携につきましては、法令上も業務規程で定めるべき事項とされておりまして、利用者利便の向上や紛争解決等業務の円滑な運営等のために、ADR機関間及びその他の機関との連携が求められております。
現在、各機関において関係する機関の方々と様々な形で連携の取組を行っていただいていると承知しておりますが、この現状を整理し、各機関の取組を共有いただくことで、さらなる連携の推進につながることを期待したいと考えております。
なお、連携と一括りに申しましても、運営体制に関しての情報連携など体制面についての連携もあれば、個別の苦情・紛争対応に関する個別事案においての連携というのもあり、非常に範囲が広いということもございまして、今回は各指定機関における体制面の連携に絞り、現状の取組を整理していただいております。
まず、1つ目の着眼点につきましては、指定機関同士の連携状況について現状の取組の状況、今後の取組予定、連携に係る課題について記載をいただいております。
2つ目の着眼点につきましては、指定機関と国民生活センターなどの他の機関における、他の機関との間の体制面での連携状況につきまして、同じく現状の取組状況、今後の取組予定、連携に係る課題について記載をいただいております。
それでは、この後、各指定機関の皆様から資料2に基づき御説明いただければと思います。事務局からの説明は以上となります。
【神作座長】
議題の趣旨説明どうもありがとうございました。
それでは、皆様より御説明を頂戴したいと存じます。8機関合わせて40分程度、お一人様大体4、5分で御説明を頂戴できればと存じます。
初めに、全国銀行協会の寺内委員。どうぞよろしくお願いいたします。
【寺内委員】
寺内でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、資料に沿って御説明させていただきます。1ページの項番1番の(1)ADR機関における他のADR機関との体制面の連携状況について御説明させていただきます。私どもは生命保険協会、日本損害保険協会、FINMACの3つの機関と、2023年度並びに2024年度、年度に1回程度、情報交換という連携を行っております。その内容につきましては、1ページ目の③、ODR化に係る苦情・相談データの管理方法や、カスハラ行為者、あるいは認知症とおぼしき相談者の対応について、あるいは足元の苦情相談の受付状況について意見交換等をさせていただいております。
2ページに移りますが、2024年度以降も適宜、電話・メール等でいずれの団体とも情報交換をさせていただいている状況です。
2ページ目の一番下の部分になりますが同じ2024年度には、生命保険協会、損害保険協会、FINMACと4機関合同で意見交換会を実施させていただいております。オンライン形式で、内容はODRへの対応等に関する情報交換ということで進めさせていただきました。必要に応じて4機関合同での情報交換は、今後も進めてまいりたいと思っております。
続いて、3ページ目に移らせていただきます。
(2)ADR機関と他のADR機関との連携について、今後予定している新たな取組について御説明させていただきます。現時点では特に予定している具体的な取組というのはございませんが、顧客保護や利用者利便向上の観点から、必要に応じてテーマを設定して時機を見ながら、情報交換会等をさせていただきたいと思っております。
(3)ADR機関と他のADR機関の連携にあたって想定される課題や検討事項について御説明させていただきます。紛争解決手続においては、ADR機関ごとに紛争解決委員の人数・体制及び開催可能な地域が異なるほか、運営費用の面でも課題があると思っております。
また、対応困難者への対応等についても、他機関と足並みをそろえてというようなことが必要かと思います。この点は、定期的に情報交換会を行って、連携を深めるということを考えております。
続いて項番2番、ADR機関と他の機関、特に消費生活センターとの体制面についての連携でございます。私どもは国民生活センター、あるいは東京都消費生活総合センターと年に一度、情報交換会をさせていただいております。その内容は③に記載させていただいておりますが、カスタマーハラスメントの現状とその対策や、私どもには外国人の方からの電話も多いものですから、外国人からの相談等の対応状況についてもテーマとして挙げさせていただいております。
そのほかとしては、各センターで受け付けた銀行業務に関する苦情相談等について、どのようなものが寄せられているのかといった点で情報交換会をさせていただいております。
4ページに移らせていただきますが、両センターと行いました情報交換会については、私ども全国銀行協会内での関係会合において加入銀行に説明し、その後、公表もしております。そのほか全銀協相談室及びあっせん委員会の周知を目的としているリーフレット等も消費生活センターにお送りさせていただいています。
4ページの(2)ADR機関と他の連携等について今後予定している新たな取組については、現時点で特に予定しているという特別なものはございませんけれども、やはり今後必要な状況において、テーマを設定して時機を見ながら情報交換会を行いたいと思っております。
5ページに移り(3)他の機関との連携にあたって、想定される課題や検討すべき事項などがあればという点ですが、全国銀行協会相談室には信用金庫や農協の利用者からの苦情相談の入電も多いことから、今後その状況によっては全国しんきん相談所やJAバンク相談所とも情報交換会等の連携を検討したいと思っております。
なお、信用金庫、あるいはJA等、ほかの預金取扱金融機関における紛争解決手続においては、弁護士会が運営する仲裁センター等を利用され、ADR機関の紛争解決手続との相違や運営費用等の面で課題はあるということを認識しております。それらも今後の課題かと思います。
全銀協からは以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、信託協会の岩田委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【岩田委員】
よろしくお願いいたします。
6ページの項番1を御覧いただければと思います。他のADR機関との体制面の連携状況でございますが、「該当なし」と記載させていただいておりますが、今回、体制面の連携がテーマということで「該当なし」とさせていただいたのですが、個別の事案に関しましては、適宜、個別に他団体さんと電話等で連絡をさせていただいております。
例えば最近ですとODRの実務等につきましても、お聞かせいただいているということがございます。
続きまして7ページを御覧いただければと思います。
(2)他のADR機関との連携に関する今後の予定でございますけども、本来、当相談所で処理すべき業務の相談・苦情案件が他の機関に持ち込まれるケースが散見されたということを踏まえまして、今後、他機関との体制面の連携につきまして協議を続けていきたいと考えております。
具体的には全銀協さんが公表されています、あっせん結果概要で金銭信託、相続関連業務の事例がありましたため、信託兼営金融機関の事例であったと把握させていただいたところでございます。また、実際全銀協さんと情報交換を行わせていただきまして、同協会で扱われている、こうした事案も増えているということもお聞きしております。
信託兼営金融機関は全銀協さんと私ども信託協会との間でADR契約を締結しているという事情もありますことから、今後、全銀協さんとの情報交換は継続したいと考えております。
(3)ですが、他のADR機関の連携に当たって想定される課題や検討すべき事項ですけれども、当相談所が担当すべき信託業務の相談・苦情事案等が全銀協さんなどに持ち込まれるケースがあるということで、これらを減らすべくADRに関する一般向けの広報に取り組むとともに、当相談所が行っていますADRにつきまして、加盟会社への周知拡大を図りたいと考えております。
また、全銀協さんに持ち込まれる要因としましては、あっせん委員会を東京で開催することを原則としているということがあり、地方在住の申立人の利便性の問題も考えられるため、ODR対応を進めたいと考えております。
具体的には当協会は、電話会議・ウェブ会議システムが既にありますけどれも、ODRに係る秘密保持ですとか、人員立会いの課題等をクリアできるか検討したいと考えておりまして、職員を出張させることなく申出人である顧客が自宅からスマホ等を使ってあっせん委員会に参加できないかということで検討させていただきまして、こうした地方在住の方の参加のハードルが下がるような対応が可能であれば、当協会の業務規程改正も考えたいと考えております。
こういった実務は、金融ADRはなかなか行われてないと聞いておりまして、金融以外のあっせん事例でこうした情報があればありがたいと考えているところでございます。
続きまして、項番2でございますが、(1)から(3)ですが、該当なしとさせていただいてございます。消費生活センターさん等との体制面の連携については、「なし」と書かせていただいたんですけども、消費生活センターさんの相談者に対する相談所の紹介の可否に関する御紹介もしばしば受けております。消費生活センターさんの対応に関する相談も個別に受けさせていただいているという現状でございます。
私からは以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、生命保険協会の小峰委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【小峰委員】
小峰でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
9ページを御覧ください。
生命保険協会でございますけども、まず、1の(1)他のADR機関と体制面での連携状況です。全国銀行協会様、日本損害保険協会様、FINMAC様と連携させていただいておりまして、まず、9ページの全国銀行協会様との連携ですけれども、2023年度上期に対面形式で実施をさせていただきまして、双方3、4名で参加をさせていただいております。
主なテーマとしては、4点ほど挙げておりますけれども、IT技術、生成AI等の利活用に係る課題、それとODR対応に係る課題、それと認知判断能力が疑われる利用者への対応、この辺は切実な問題があるかなと思っております。それと、カスタマーハラスメント対応についても最新の状況の情報交換をさせていただきました。情報交換した内容は担当者間で共有しまして、必要な対応の参考とさせていただいてございます。
次に10ページのほうに進ませていただきまして、日本損害保険協会様との連携になりますけども、こちら2023年度下期、2024年度下期に対面形式でそれぞれ実施をさせていただき、実施しております。こちらも双方3、4名の参加でございました。
主なテーマですけれども、こちら5点挙げておりますが、本人、相続人等の確認について、ペーパーレス化の推進状況について、新型コロナ含めまして感染症対策について、ODR対応、事情聴取の実施方法について、会員各社へのフィードバックなどについて情報交換をさせていただきました。
それと、次の全国銀行協会様、損害保険協会様、FINMAC様、こちらの4機関合同で実施したものになりますけども、2024年度下期にオンラインで一度参加させていただきました。こちらではODRへの対応等に関する情報交換をさせていただいてございます。
このほかにも、他の機関様も含めまして、必要に応じて電話・メールなどで相談・照会は都度行っているという状況でございます。
(2)の今後予定している新たな取組ですけれども、(1)のほうで申し上げました連携を引き続き継続するとともに、必要に応じて他のADR機関との連携等も検討していきたいと考えてございます。
11ページに進ませていただきまして、(3)想定される課題や検討なのですけども、体制面の連携といった意味では現時点におきまして、大きな課題というのは特にないかなと思っております。
2のほうに進んでいただきまして、他の機関、消費生活センター様等との体制面での連携になります。まず、(1)ですけれども、こちらでは日本共済協会様との連携状況をまとめてございます。2023年度、2024年度下期に対面形式で実施をしてございます。主なテーマといたしましては、紛争解決手続全般、事情聴取の実施方法などです。あと、苦情の受付体制、カスハラ対応、高齢者対応等の情報交換をさせていただきました。隣接業界ということで共済協会様と連携をさせていただいているということです。
あと、それとその下、11ページから12ページにかけてですけれども、消費生活センター様との連携です。通年で1回としておりまして、我々相談所の活動状況を取りまとめました相談所リポートというのを年に1回発行しておりますけども、こちらを全国の消費生活センター様のほうにお届けしているといったものでございます。
我々全国50か所に相談室の連絡所というのがございまして、そちらの連絡所長から直接持参する場合ですとか直送する場合、両方ありますけれどもお届けさせていただいているということになります。こういった資料に関する問合せ等があった場合については、連絡所あるいは我々本部のほうで逐次対応させていただいているといった状況でございます。
今後の課題ですけれども、こちらにつきましても今申し上げました連携を引き続き継続してまいりたいと考えてございます。
あと、(3)体制面での課題になりますが、こちらのほうも体制面といった面では特段大きな問題・課題というのは感じてないといったところでございます。
生命保険協会のほうは、以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、日本損害保険協会の森脇委員、よろしくお願いいたします。
【森脇委員】
森脇でございます。よろしくお願いいたします。
資料13ページから15ページを御覧ください。
まず、1の(1)他のADR機関との連携状況についてですが、生命保険協会様、全国銀行協会様などとは年に1回、または隔年に1回程度、対面形式によります情報交換を実施しています。内容は、機関によって若干の違いはありますが、事案の受付動向やODRへの対応、カスタマーハラスメント対応、組織体制といったADR関係全般について情報交換を行って、当センターの運営や課題対応に当たっての参考としています。
また、損害保険分野では保険オンブズマン様、日本少額短期保険協会様、交通事故紛争処理センター様、日本共済協会様など同一の業界、近接の業界、交通事故紛争に特化した機関などが存在しますが、これらの機関とはADR全般に係る情報交換に加えて、手続実施基本契約締結会社の特色でありますとか、販売チャネルや商品特性、近時寄せられている苦情の内容や紛争解決手続の共通点、あるいは相違点などについても情報交換を行っております。
15ページの下、(2)の部分を御覧ください。他のADR機関との連携について、今後予定している新たな取組ですが、引き続き関係機関とは定期的な情報交換を行い、参考となる内容や留意すべき事項などがあれば、導入や対応を検討したいと考えております。
また、交通事故紛争関係の機関であります、自賠責保険・共済紛争処理機構とは体制面での連携可能性について検討したいと考えております。
次に、16ページの(3)他のADR機関との連携に当たっての課題や検討事項ですが、連携する中での共通のテーマといたしましては、ODRへの対応のほか、音声のテキスト化やAIによる要約機能などIT技術を活用したシステムの導入予定や内容、カスタマーハラスメント対応などが挙げられます。
なお、連携に当たっては業態の特性や取扱件数、体制の違いといったことなども考慮する必要があると考えております。
続いて2の(1)他の機関との連携状況ですが、ここ2年ほど消費者センター様との情報交換は行っていないものの、当センターの周知・PRでの連携というのは継続しており、損保関係で何かあれば、当センターを紹介、あるいは直接相談をいただいているところでございます。
17ページの(2)今後予定している新たな取組といたしましては、国民生活センター様との意見交換を再開するということを検討したいと考えております。
資料の御説明は以上ですが、前回の席上、保険オンブズマンさんとの係数面の差異について質問をいただいておりましたので、この場をお借りしまして、若干補足をさせていただきます。
まず、当協会の苦情解決率が高い点ですが、こちらは係数の取り方の違いによるもの、すなわち当協会においては、申出人から一定期間連絡が継続して寄せられなかったような場合、保険会社の対応状況なども十分踏まえた上で解決として取り扱っているケースがございまして、この点が影響していると考えられます。
また、紛争解決手続の和解率が低いという点につきましては、こちらは商品特性による違い、すなわち当協会が手続の対象としております保険会社は、個人向けの火災保険を取り扱っている会社が非常に多いということでありまして、近年増加をしている経年劣化か、自然災害起因の損傷かの判断が困難な事案が和解率に及ぼす影響度合いが大きいと考えております。
私からの御説明は以上ですが、こちらも今回の連携を深めていく中で認識したところでございます。
【神作座長】
ありがとうございました。
それでは、続きまして、保険オンブズマンの種村委員、お願いいたします。
【種村委員】
最初に、他のADR機関との連携について述べさせていただきます。
18ページになりますが、まず、そんぽADRセンター様とは、今、森脇委員の御説明にありましたように連携をさせていただいており、特に内容としては、各案件の処理・対応の仕方について、先程の御説明のとおり、連携の効果が出ているかと考えております。
そのほかに連携先としましては、生命保険協会様、日本少額短期保険協会様も同じように、処理の方法、体制の違いというところで情報交換をさせていただいておりますが、保険オンブズマンは加盟保険会社数や対応する案件が少ないという特性があり、連携先の各協会の手法を上手く組合せすることで連携のメリットが出ていると思います。
その次に、(2)の今後の連携ということですが、まずは現在各協会様との連携を引き続き継続して行わせていただきたいと考えております。その上で、連携するにあたって想定される課題、検討とありますけれども、体制面に関しての連携については特に問題はないと考えますが、それぞれに守秘義務があることから、個別事案の情報をどこまで共有させていただけるか、また、どの程度個別案件について追いかけていくといいのかといった点については、何らかのガイドラインなりがあるほうが良いかと感じます。
2番の他の機関との体制面での連携ということで、我々は全国の消費者生活センターの方とお話をさせていただく機会があります。基本的には全国消費者センターより電話を受けまして、そこでいろいろなものの説明をさせていただくという形になっております。
そのほかの連携について改めて特に今のところは予定しているものはございません。この内容についても、一応ご質問にお答えさせていただいているとおりでございまして、特にそれ以上の課題は今のところは把握しておりません。
保険オンブズマンは、以上になります。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、日本少額短期保険協会の大槻委員、御説明をお願いいたします。
【大槻委員】
少額短期協会、大槻でございます。御報告申し上げます。
まず、1番の(1)のところでございますけれども、他機関、ADR機関との連携という意味では、記載させていただいたとおり日本損害保険協会様、そして外国損害保険協会様との連携をさせていただいております。
内容は記載させていただいたとおりでございますけれども、やはり大変有意義だなと思いますのは、私どもの業界がまだできて20年ようやく経つか経たないかというところでございまして、かつ今123社所属しているのですけれども、非金融機関からの参入が非常に多い業界となっているという意味では、金融ADRの仕組み自体あるいはその理念といいますか、こういったことをきちんと浸透させるということがもう最大の課題かなと考えておりまして、こういう側面からも両協会と意見交換をさせていただいたことは大変参考になるなと思っております。その後、特に今年度やはり参考にさせていただいた情報をベースに、我々の業界の中で特に非金融出身のところに対しての金融ADRの思想を浸透させるための研修であったりとか、何らかのそういった情報発信をしていくということを現実として取り組んでいきたいなと考えております。という意味では、非常に大変有意義であったと感じております。
今後の予定という意味では、先ほどお話をさせていただいた2協会様以外も、連携可能な皆さんのところと情報交換させていただきたいと思っておりますし、私どもの業界が割とテックを活用した保険の募集、あるいは保険金の支払い、こういうことを取り組んでいる会社が多いものですから、デジタル化とそれから高齢者対応などについての情報交換、意見交換もさせていただけるとありがたいなと考えております。
課題は現在のところ格別ございません。よりよい金融ADR制度の普及という意味では、皆さん意見交換させていただいても認識は共通かなと感じております。
それから、他の機関です。消費者センター等との連携という意味では、実はコロナ以前は東京都消費生活総合センター様と情報交換を定期的に実施しておりましたけれども、これがコロナ禍で中断をしたままという状況ではございますので、ぜひ今年度、これを復活させて情報交換させていただきたいと思います。
そのときに課題となりますのは、私ども少額短期保険の業界全体についての御認識をいただくと、あるいはどんな商品を扱っているかということ、こういったこともぜひ、相互理解を深めた上で、継続的に連携ができればいいかなと考えております。
私からの御説明は以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、証券・金融商品あっせん相談センター、FINMACの丸野委員、よろしくお願いいたします。
【丸野委員】
FINMACの丸野でございます。御説明いたします。
資料は24ページになります。
まず、項番1、他のADR機関との連携状況でございます。こちらのほうは先ほど来から各機関から御説明があったとおりでございまして、書いたとおりでございますが、まず全国銀行協会様と2023年度の上期、2024年度の下期に会合を持たせていただいたというものでございます。
内容といたしましては、金融ADRの全般的情報交換となります。より具体的にはODR化に係る苦情・相談データの管理方法、あるいはカスタマーハラスメントの行為者、認知症と思われる相談者への対応、その他、最近の苦情・相談の受付状況などについて情報交換させていただきました。こちらの取組は今後とも必要に応じて情報交換を実施していきたいと考えておるところでございます。
25ページでございます。
こちら4機関合同で実施させていただきました。先ほど、ここに書いてございます、3つの機関様から先に御説明ございましたとおりでございまして、2024年度下期にオンラインで会合を持ちまして、ODRへの対応などについての意見交換をさせていただきました。こちらも必要に応じて情報交換を今後とも実施していきたいと考えているところでございます。
(2)でございます。連携について今後予定している新たな取組ということでございます。具体的に現時点で予定している取組というものはございませんが、連携して検討すべきテーマがあれば、必要に応じて検討を行っていきたいと考えておるところです。
(3)連携に当たって想定される課題や検討すべき事項、どちらかというと検討すべき事項、あるいは検討としてテーマとしてどうかと思うようなことを挙げさせていただきました。対応困難な相談者、あるいは横柄な相談者、これはもうちょっと平たく言うと認知機能にちょっと不安があるような方にどのように対応していくのか、あるいはカスハラ行為を行うような方への対応について、過去においてもいろいろ意見交換などはしてきているところですが、これについて引き続き意見交換できればなと思っております。
25ページの項番2に移ります。消費者センターなどとの連携でございます。こちら(1)でございます。体制面での連携というような特別な取組は行ってはいないのですけれども、各消費者センターなどから各種照会あるいは問合せなどが日常的に入ってきますので、それに対しては適切に対応させていただいているということでございます。
また、各地の消費者センター様から研修講師の要請など、これ具体的に最近の金融トラブルの状況などについて事例などを紹介してほしいというような要請が入ってくるのですけれども、それについては講師を派遣して説明をさせていただいているということでございます。
あともう一つ挙げさせていただきましたのが、我々、金融庁の指定をいただいている以外にも法務省からの認証も得ておりますので、法務省のADR・ODR推進フォーラムというものがございますので、そちらに参加させていただいているところです。ここでは、各地の消費者センターなどの方と、フェース・トゥー・フェースでミーティングを持ちまして、我々、結構、全国いろいろなところへ出向いていって、あっせんをやっているのですよというのを説明していたつもりなのですけど、来てくれるのですかというような反応があって、どこでも行きますというふうにお伝えしているところで、改めて直接会って御説明する機会というのが大事なのかなと痛感しているところでございます。
今後も予定があれば、御招待いただければ積極的にこちらに参加していきたいと思っているところでございます。
(2)と(3)は項番1で書いた内容と同様でございますので、省略させていただければと思います。
FINMACからは、以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、日本貸金業協会の菅原委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【菅原委員】
貸金業協会の菅原です。
まず、1つ目の他のADR機関との連携ですけれども、記載のとおり当協会が扱うのは貸金業務の関連苦情、それから貸金業務の関連紛争に限られるため、それ以外の相談・苦情・紛争に関する事案については、必要に応じて他のADR機関を案内するにとどまっており、体制面で直接連携するという機会は今のところはございません。
次のページは、他のADR機関との連携について今後の予定ということですけれども、今申し上げましたように扱う対象が限られていますので、現在のところ当協会では他のADR機関との新たな取組というのは特に予定はしておりません。
想定される課題ということで(3)ですけれども、各ADR機関で扱う対象の違いですとか、個人情報保護、それから申立人の意向を考慮した調整が必要になってくるのだろうなと思っております。
項番2ですけれども、他の機関、消費生活センター等との体制面での連携ということですと、当協会では国民生活センター、それから消費生活センターとは定期的に意見交換を行っております。国民生活センターにつきましては、上期1回、下期1回の年2回、相談実務担当者の方と当協会の相談・紛争解決センターの相談員の担当者の対面による会議を行っております。
内容としましては、消費者金融のトラブル防止に関する最近の動向ですとか対策について、国民生活センター及び当協会の双方から若年層の借入れ、多重債務の増加、副業詐欺、遠隔操作アプリを用いた被害の実態などについて報告あるいは意見交換を実施しております。
また、要望に応じて、相談担当者を対象としたカウンセリング的手法を用いた相談対応についての出前講座なども実施をしております。これらの連携によりまして、相談対応力の向上ですとか、傾向の把握、これが強化されまして、早期対応ですとか消費者トラブルの予防策の強化につながっていると考えております。
消費生活センターとも、上期と下期の2回、これはウェブで行っております。29ページのところに③で内容を書いてございますけれども、当協会の相談・苦情・紛争の対応の概要ですとか、金融リテラシー向上コンソーシアムの取組についての報告、及び協会員各社からの金融トラブルへの対応状況等について報告するとともに、消費生活センターから事前に提供されました若年者の副業・情報商材詐欺、それから遠隔操作アプリを利用して借金をさせるトラブル事例等に関する対策及び意見交換を実施しております。
また、当協会では全国に11の有人支部がございますけれども、支部によりまして各地区の消費生活センターへ定期的に訪問もしております。ここでも当協会の活動状況及び各支部の所在する都道府県在住者からの相談・苦情・紛争等の内容の連携をしております。
また、こちらで要望がございますれば、先ほど申し上げましたカウンセリング的手法を用いた相談対応についての出前講座、これも実施をしております。これらの連携によりまして、相談対応力の向上、傾向把握、これが強化されておりますので、早期対応ですとか消費者トラブルの予防策の強化につながっていると考えております。
他の機関、消費生活センターとの連携について、今後の予定ですけれども現在のところ、今の御説明をしたもの以外に新たな取組というのは特に予定はしておりません。また、連携するに当たっての想定される課題ですとか検討事項についても、今のところは特段ないということでございます。
御報告は以上です。
【神作座長】
どうもありがとうございました。8機関の皆様、大変ありがとうございました。
それでは、ここまでの御説明について御意見、御質問をお願いしたいと存じます。御発言に当たって、事務局より事務的なお願いがございます。お願いします。
【髙島室長】
御発言を希望される際には、会場にいらっしゃる委員の皆様におかれましては挙手もしくはネームプレートを立てていただき、また、オンラインで御参加の委員の皆様におかれましては会議システムのチャット機能によりお名前と所属組織を入力の上、御発言希望の旨お知らせいただければと思います。座長が指名されますので、御指名のあった委員は発言をお願いいたします。オンライン参加の場合はマイクをミュート解除いただきまして、お名前をおっしゃっていただいた後、御発言いただければと考えております。御発言終了後はミュートにお戻しいただければと思います。
以上になります。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
まず初めに、指定機関からの御説明におきまして、国民生活センターや東京都消費生活総合センターとの連携についてもお話がございましたので、よろしければここで国民生活センター及び東京都消費生活総合センターにおかれまして、ADR機関との連携について現状どのように受け止めていらっしゃるのか。また、どのようなことを期待されているのかということについて、御忌憚のない御意見を頂戴できればと存じます。
国民生活センターの浦川委員、よろしくお願いいたします。
【浦川委員】
ありがとうございます。
先ほどお話を聞かせていただきまして、どうもありがとうございました。
まず、連携への受け止めでございますが、私どもは消費生活相談窓口を持っておりますが、消費者にADR機関を紹介するに当たりまして、それぞれの機関の取組状況、手続の概要等も含めて御案内することができますために、連携によって様々な情報をいただけるととてもありがたく思っております。相談実務の面でも助かっております。
また、事務局の運営において、共通して抱える課題、対応困難者への対応や、相談員の採用につきましても、有意義な意見交換ができていると思っております。
各ADR機関への期待というところでございますが、消費者にとりまして、消費生活センターのあっせんのメリット、ADR機関のメリットというのは異なるところもございますところ、事業者の中には消費生活センターのあっせんとADRを少し混同していらっしゃるところもあるようだと聞いております。これまで以上に消費生活センター、ADR機関がそれぞれの特徴を認識して消費者に利用してもらえるように、もしくはお互いに案内できるといいのではないかと思っております。
この点も踏まえまして、さらなるお互いの理解を深めることが重要だと思っておりますので、定期的に情報交換の機会を賜りまして連携協力体制の維持、強化をさせていただきましたら、ありがたいと思っております。
また、実務担当者を中心とした、気軽な情報共有の場があってもいいのかなと思っております。いろいろ申し上げてしまいまして申し訳ございませんが、引き続きよろしくお願いいたします。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、東京都消費生活総合センターの小菅委員の代理出席をしてくださっております、髙村様、どうぞよろしくお願いいたします。
【髙村委員】
ありがとうございます。東京都消費生活総合センター相談課長をしております髙村です。よろしくお願いいたします。
私どものセンターは、ちょっと全国のセンターの中でも特殊なつくりかなとも思っておりまして、実は相談員44名いる中で金融グループというグループをつくっておりまして、そこに現在6名が在籍しております。この6名が金融関係の相談につきまして、主に受け付けるということをしております。
先ほど幾つかの団体さんから私どもの名前が出ておりましたが、金融グループのほうと、年に1回2時間ぐらいの意見交換の場を設けさせていただいておりまして、私どものグループのほうも自分たちの知識を上げるために、もしくはどういうところに、例えばセンターでの相談よりも、ADRの方が適切だというときや、どちらにかけたらいいかというようなことも含めていろいろな知識を深めるために、意見交換ができる場を設けていただけるのはとても助かっているかなと思っております。
実際にちょっとこちらに来る前に、私どもの相談の中で、そういった金融のADRに関して御紹介申し上げているところがどれぐらいあるかというのを調べてみたのですが、実際都内の相談に限られるのですけれども、例えば都内の相談の中で金融関係の商品とかもろもろ相談を受けている件数というのが、大体7,000件から8,000件ぐらいあると見ております。
2024年については7,200件ほどございまして、そのうちADRの相談につなげた部分というのが120件超、130件弱ぐらいですか、あるということで、やはり私どもセンターに相談に来たときに、もう既に事業者さんと争いになっている。事業者さんといろいろ交渉したけれども、どうしても言うことを聞いてもらえない。こちらの意見も聞いてもらえないし、向こうの対応が引っかかるというようなところで、相談に来ているものについては、よくお聞きした上でADRさんを紹介するというのが多いように見受けられました。
また、直近1年間ぐらいを見てみると、割と投資とか金融商品のADRを進めているものが増えているかなと、全体として。圧倒的に多いのは生命保険と損害保険なのですけれど、金融商品の投資関係のトラブルというのが、少し増加しているかなと見ています。
ちょっとどちらのADRにしたかという個別の数字が取れないものですから、こういうざっくりとした数字にはなってしまいますが、ただ私どもではもうやはり、手に負えないという言い方をすると大変申し訳ないのですが、ちょっと厳しいものについては金融商品のプロのADRに頼っているようなところもございまして、今後ともいろいろと協力関係を築いていけたらいいなと思っております。
以上になります。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは、ここまでの御説明を踏まえまして皆様から御発言がございましたら、どうかよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
それでは、オンラインで御参加いただいております沖野先生、御質問ください。
【沖野委員】
ありがとうございます。沖野でございます。
詳細に御説明くださいまして、ありがとうございました。若干教えていただければと思うことがございます。
1点目は、東京都消費生活総合センターとのいろいろな連携をされているというところと、一方で、全国の消費生活センターと様々に意見交換等をされているというところがあって、この両者の関係というか、この両方と行うというようなことはないのだろうか。どちらかを選択するというようなことであるのかどうかということがひとつ気になりまして、何らかの視点を持って一方のみとされているものなのかどうかということについて、お教えいただければと思いました。
2点目は、スペシフィックに信託協会様にですけれども、特に7ページにおいて他機関への持込みというのが出ているということから、これへの対応が課題になっていて、ODRなどをより積極的に展開していくということを書かれています。この他の機関に持ち込まれるというのがある程度特定の機関であるということになりますと、個別の事件の取扱いを超えて交流というか、この種の事件の扱いだとかについてどういうふうな体制を構築していくかとか、あるいはODR自体についても意見交換をするというようなことはあり得るように思うのですが、そういったことは行われていないのでしょうか。
あるいは、この他機関に持ち込まれるケースというのを認識されながら、その機関との体制面での協議というのはあまり必要にならないのだろうかというのが、2点目です。
3点目は、これまで教えていただいたものの中に、一つはFINMAC様の御説明の中であったかと思いますけれども、法務省のADR・ODR推進フォーラムというのが出てきておりました。また、貸金業協会様からは金融リテラシー向上コンソーシアムというのが出てまいりまして、こういったフォーラムですとか取組に対して、他の機関におかれて参加するというようなことは考えられないのかどうかという点が3点目です。
最後、4点目なのですけれども、ADR機関の中での体制面での連携あるいは意見交換ですとか協議ということと、一方で全体については、協議会で様々な共通の問題を考えていくということになるのだと思っているのですけれども、全体を通じての体制などについては、まさにこの場もそうですし、それの前段階である協議会というのがあると理解しておりますけれども、そういったものより特化した、個々のというか、より小さいグループでの連携というか、そういうものの使い分けというのも問題になってくるのかなと思いまして、これは感想だけですけれども、そういった視点も出てくると思ったところです。
例えばODRですとかカスハラですとか、いろいろ御議論いただいているものの中には、むしろ全体に共通するようなものというのもあるように思ったものですから、ただ個別具体的に、一旦具体的になるといろいろ全体に共通するというよりは特定の機関間での意見交換のほうがより有用であるということなのかもしれません。最後は感想です。
以上です。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
3点御質問を頂いたと思います。最初に、東京都消費生活総合センターと全国の消費生活センターのどちら、あるいは双方と御相談をされているのかという御質問だったと思いますけれども、どなたでも結構です。何かお取組、これまでの実態について教えていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
ありがとうございます。寺内委員、お願いいたします。
【寺内委員】
全国銀行協会でございますけれども、私どもはコロナの影響によって、都心近くということで国民生活センターと東京都消費生活総合センターと意見交換会をさせていただいておりますが、コロナ前は各地の消費生活センターに伺いまして、直接意見交換会をさせていただき、47都道府県のうち45都道府県で実施しました。あと残り2県はそんなに金融関係の相談、苦情はないので、会合というところまでは必要ないと断られた経緯があります。 各地の消費生活センターに直接伺ってADRも含めて説明等させていただき、直接私どもにセンターからお電話いただいても結構ですし、消費者には遠慮なく御案内くださいという話をするなど、小さな連携をしてきました。
現在、各地の消費者センターから直接電話がかかってくることも多く、消費者の方からも、消費者センターから紹介を受けましたということで話されることもあります。繰り返しになりますが、特に東京都消費生活総合センターや国民生活センターに特化したわけではなく、コロナによって世の中変わってしまったというところかと思います。
以上でございます。
【神作座長】
実情について教えていただきありがとうございます。
ほかの機関はいかがでしょうか。
それではFINMACの丸野さん、お願いします。
【丸野委員】
FINMACの丸野でございます。
我々もコロナの前は、東京都さんとか国民生活センターさんと意見交換を実際やっておりました。コロナで途切れちゃったわけですけれども、では何でここの2機関なのかというと、もう単純に我々も東京にいて、お相手様も東京にいらっしゃるので会いやすい、それが一番です。
あと、我々各地の消費者センターからいろいろ講師を依頼されるのも、同じところからというより、年によってあっちだったりこっちだったりというようなところがありますので、地図を塗り分けているわけではないのですけども、いろいろなところから来ていますし、呼ばれれば我々もどこでも行くというスタンスではおりますので、特に、どこと仲よくしたいとかというふうに個別に何か相手を選ぶ、我々から選んでいるわけではございません。
以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございます。
ほかの機関から御発言ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは2つ目の御質問、信託協会に向けた御質問だったと思いますので、岩田委員、お願いします。
【岩田委員】
沖野先生、御指摘ありがとうございます。私ども信託協会、ADR連絡協議会でも今回ADR機関との連携ということがテーマになったということで、全銀協さんと情報交換させていただいたということで、今回いろいろ調べる中で相続関連とか金銭信託といったところがあっせんにかかっているという事態を把握したということでございます。
情報交換させていただいて信託業務について信託兼営金融機関は両協会とADR契約を結んでいるということで、御利用者様はどちらでも選択はできるわけですけども、より信託協会を知ってもらっていないという状況は残念ながらあるかなと思っております。
私ども東京にしかないということもありますし、なかなか信託協会は知名度という点も劣後するところもあるのかなというところでございます。より知っていただくというところが課題と認識できたのは、情報交換できたということがひとつ背景としてございますので、今後、全銀協さんとも、こういうことを含めて情報交換は進めさせていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは、3つ目の御質問でございますけれども、ADR・ODR推進フォーラムですとか、金融リテラシー向上コンソーシアム等への参加状況についての御質問であったかと思います。既に先ほどの御説明の中で言及いただいたところは既に情報提供していただきましたけれども、他の機関におかれまして同様の取組とか参加があるか、あるいはそういうものにはあまり参加して関与してこられておられないのか。そのあたりについては、いかがでしょうか。
菅原委員、お願いいたします。
【菅原委員】
貸金業協会ですけれども、金融リテラシー向上コンソーシアムというのは、貸金業協会と、大手の貸金業者が2年前に共同で設立した団体で、金融リテラシー向上及び金融トラブル被害の防止等により、消費者保護に寄与することを目的に設立した団体です。
主な活動としては金融経済教育セミナーの開催や金銭トラブル事例などの情報発信であり、若者の金融トラブルですとか、幅広い世代の金融リテラシー向上を支援するというものですので、どちらかというとこのADR機関ですとか、相談機関に向けたものというよりは、学校関係や、職場・職域の方々が対象になります。
【神作座長】
どうも御説明ありがとうございました。
法務省のADR・ODR推進フォーラムに参加されておられるFINMACさんはいかがでしょうか。
どうぞ。丸野さん、どうぞ。
【丸野委員】
よろしいですか。この法務省主催のフォーラム自体が、法務省から認証を得ているADR機関と各地の相談機関をつなげようというようなことですので、本日御参加のADR機関の中でも我々だけしか法務省の認証を得ているところはないと思いますので、恐らく参加されてないのじゃないかな。お声がけがないのじゃないかと思っています。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
以上3点について、沖野先生、追加の御質問等ございますでしょうか。
【沖野委員】
いえ、結構です、よく分かりました。ありがとうございました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは、ほかに御質問、御意見ございましたら、どうか御遠慮なくご発言下さい。
森下先生、お願いします。
【森下委員】
本日は御説明をいただきまして、ありがとうございました。
これは先ほどの沖野委員からの御指摘にも関係するかもしれないのですが、今日のお話ですと、例えばカスハラですとか高齢者という問題が、特に御関心のあるテーマとして意見交換、情報交換がなされているとのことでした。
このような多くの機関が特に関心を持って対応について情報交換しようという問題については、横での情報交換というのも非常に重要だと思うのですが、それだけに頼ってしまいますと、場合によってはバイアスがかかったような方向性に議論が進むということもあり得るかもしれませんので、そういうようなものにつきましては、今日のもう一つのテーマになっておりました、例えば、消費者センターですとか、消費者団体ですとか、あるいは金融庁さんですとか、そういったところとの意見交換を積極的にしていっていただくと、よりよい方向に向かっていくのではないかと感じました。
2点目ですけれども、今日のお話の中でも、本来は自分たちの業態あるいは自分たちの紛争解決機関の範疇ではないのだけれども、相談に来て、それをほかの機関に委ねるケースですとか、あるいは本来だったら自分たちのところに来てもいいと思う案件がほかのところで取り扱われているケースがあるとのお話があったかと思います。こういう傾向は今後より増していくのではないかと思います。なぜなら、金融サービスがいろいろ複雑化していく中で、顧客自身がどこに相談していいか分からないとか、あるいは一つの事象に複数の金融取引が業態をまたがって関連しているというようなケースはあると思うからです。今日のテーマではないと思うのですけれども、今後の連携の在り方の一つとして、例えば、どこかの機関が窓口にはなるものの、相談員は複数の機関から参加したり、相談手続や紛争解決手続には複数の機関が一緒に関与できるというような形で、利用者に複数の機関を訪問したり、複数の手続を開始させる手間を省くことができるというような可能性を、金融業界として考えられるものだろうかということは検討されていいように思いました。
例えば仲介業とか間に入ってくるプレーヤーがどんどん発展してくれば、なおさらそういうケースが増えてくると思いますので、ちょっとそのようなことが考えられてもいいように思いました。
あと、実態をよく踏まえない上での御質問かもしれませんけれども、こういった相談、紛争処理を質の高いものにしていく上では、相談員にどのような方々がいらっしゃるかということが重要であると思うのですけれども、その相談員の方々を確保するのに御苦労されているのか、そうではないのかは如何でしょうか。件数に比べて十分な相談員の方々を確保されることに御苦労されているということがあれば、相談員の方々のグループも共有していくとか、相談員以外でも、制度を運営していく上での様々なリソースの共有というようなことも、今後の方向性として一つ考えられるのではないかというような印象を抱きました。
いずれもちょっと感想のようなことで申し訳ございませんけれども、以上でございます。
【神作座長】
貴重なコメント、どうもありがとうございました。
ただいまの森下先生の御発言について何か御意見、御発言等ございますか。特によろしゅうございますか。
それでは、斎藤先生、お願いいたします。
【斎藤委員】
斎藤です。
最初に、損保協会さんと保険オンブズマンさんからの、前回私がした質問だと思うのですけれども、解決率の相違について補足、御説明いただきまして、ありがとうございました。計数の取扱いの違いということと、損保協会さん加入の保険会社の方が個人向け火災保険が多く、それに関する紛争の解決が難しいという点から解決率の差が生じたというお話だったと思いますが、よく理解できました。どうもありがとうございました。
今日のテーマ、大変参考になりました、体制の連携というテーマだったので、森下委員がおっしゃったような相談員の確保や配置といった組織体制にかぎっているのか、対象の範囲はどうなのか、と思いましたが、やはり資料を拝見すると、運営面での体制というところが皆さん御関心があるというか、横の連携で相談したいというニーズがあるところなのかなと思いました。
共通して多く挙げられているのが、カスハラ対応とか、高齢者対応であり、このような対応をどうしたらいいかという点に非常に関心があって相互に意見交換されているという状況がよく理解できました。
資料及び今日のお話を伺うと、具体的な運営の連携が大事ということで、その観点から言うと、さらにケーススタディのような勉強会とか、あるいはあっせん技法の勉強会とか、そういったところまで含めた連携というのも有意義なのではないかと思いました。ただ、ケーススタディのような場合、具体的な事例を勉強会にすると、貸金業協会さんや保険オンブズマンさんが指摘されていますけども、その情報をどこまで開示するのかとか、特に個人情報に絡む内容があった場合はどうしたらいいのかとか、いろいろな工夫が必要になると思います。その辺、どうされているのか非常に関心あります。今日は体制の連携というところなのでテーマから外れるかもしれませんが、もし可能であれば、消費者センターが相談を受けた情報を紛争解決機関に連携しているという記載はありましたので、その辺どういった開示の仕方、どのような工夫されているのかというところを、お聞かせいただけるとありがたいと思います。
それから、この連携の会合は基本的に体制の連携であれば事務局が主体になっていると思いますが、運営面での連携の話し合いの場合、他にあっせん委員、手続実施者、紛争手続実施者なども関与されているのか、あるいは関与していないのであれば事務局同士の連携の結果、運営の方策についてあっせん人のほうに何かフィードバックされているのかどうか。その辺もお伺いできるとありがたいと思います。つまり、どのレベルで連携が図られているのかというところです。
もう一つ、他の機関との連携という点では消費者センターとの連携がよくなされていると伺いましたが、森下委員もおっしゃったようにより幅広く連携していただけるといいなと思います。その点で言うと、弁護士会との連携などもご検討いただけるとよいかなと思います。弁護士会の法律相談部門は消費者センター同様に相談を受けている部門ですし、弁護士会の紛争解決センター一つのADR機関です。ご存知のとおりODRの実践的な実証事業を行ったり、あっせん技法についても研究しているので、特に具体的な運営面、あっせんの手続の進め方などでは弁護士会との連携等も相互に意義があると思います。これは私、会を代表して言っているわけではないので、会がどう思うか分かりませんけれども、私の個人的な見解としてはそういう連携もいいなと思いました。
この点に関して参考までにお聞かせいただきたいのが、全銀協さんの資料5ページ目で、代替措置についてはADR機関の紛争解決手続との相違やコスト面で課題があると記載されています。これは、おそらく弁護士会のADRに関連しているのではないかと思いますが、この辺もうちょっと具体的にお聞かせいただけると参考までにありがたいなと思いました。
以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございます。
全体についての御質問を2つ頂いたかと思います。1つ目は連携に当たっての情報の伝達の在り方等でございますけども、具体的には消費者センターからの相談を受けた情報の連携についてのご質問がありました。もし御発言いただける方がいらっしゃったら、御発言いただければと思います。いかがでしょうか。丸野委員、お願いいたします。
【丸野委員】
これももうコロナ前の話になってしまうのですけれども、実際紛争解決手続を実施する、我々はあっせん委員と呼んでいますけれど、弁護士のあっせん委員の先生にも情報交換の場に同席していただいてお話をいろいろさせていただいたことは過去にはございます。
最近の動向としましては、コロナ以降の取組は大分ちょっとシュリンク的な傾向にあるのは何とも間違いない部分もあるのですけれども、我々は紛争解決委員を一堂に集めて情報交換会をやって事例研究とかもやっているのですけれども、その場において、必要に応じて事務局が他機関との間の情報交換で得た情報などを共有させていただいたりというようなことは適宜やらせていただいてはおります。
以上です。
【神作座長】
どうもありがとうございます。
他の機関におかれまして何か御参考になる取組や、これまでの実績等ございましたら御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
【斎藤委員】
ありがとうございました。
【神作座長】
今の点については、よろしいでしょうか。
【斎藤委員】
そうですね。結構です。
【神作座長】
それでは2つ目の御質問ですけれども、他機関との連携における参加者ですとか、事務局が参加した場合におけるあっせん委員へのフィードバック等についてはいかがでしょうか。
これは連携に当たっては、事務局の方が参加されているのが通常でしょうか。あるいは、何か別の実態があれば教えていただけますでしょうか。
お願いいたします、種村委員。
【種村委員】
我々、保険オンブズマンでございますけども、すごく小さいのでちょっと御参考にならないのであまり言うことではないかもしれませんけれども、我々は苦情取扱者、苦情をハンドルする人間が2人おりまして、その2人が事務局もやっているという形ですので、そこに壁はないという。だからあまり参考にならないお話で、すみません。
紛争解決へ行ってしまうと、今度は本当に独立の先生方がお話しされているので、逆にそこにあまり影響がない立場でお話を進めておられるということなので、連携したところは苦情取扱いの本人たちですので、それはそのまま反映されていくという形をとっています。ただ、小さいのであまり御参考になりませんけれど、すみません。
【神作座長】
いえ、参考になります。どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
斎藤先生、もしよろしければ先ほど追加でおっしゃろうとした点について、どうぞ。
【斎藤委員】
分かりました。さっきちょっと言い忘れましたけど、森下委員がおっしゃったことを私も以前から関心があったのですけれども、今回は体制の連携ということなので今後の課題だと思いますが、申し立てられた案件を申し立てた消費者にとってベストな解決をするのには、どういった機関で何をするのが一番消費者にとっていい解決なのかという観点からすると、具体的な案件についての連携というのも今後考えていくことがよいのではないかと思っています。
弁護士会ADRでも、金融機関が弁護士会ADRと指定紛争機関、例えばFINMACとの双方とも協定を結んでいたりする場合で、顧客が例えば弁護士会に申立てをしたといった場合、FINMACとの連携ができたら顧客にとってもよりよい手続ができるのかなと思うこともあります。ただ、今のところそれぞれ独立した機関ですので、具体的な案件で連携することは、守秘義務の問題もありできません。これは、いろいろ制度変更も必要となると思いますし将来の課題だと思いますが、連携という意味では将来そこまで考えていくことは意義があると思っております。
【神作座長】
貴重な御指摘、どうもありがとうございます。
ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。
唯根委員、どうぞ御発言ください。
【唯根委員】
ありがとうございます。唯根です。
もう皆様から御意見出ているので似てしまうのですけれども、指定紛争解決機関同士の情報交換というのでしょうか、連携は非常に皆さん取れていらっしゃるのですが、今回、こちらの連絡会に御参加されている自主規制機関さんとの定期的な情報交換というのでしょうか。そういったものは行われていらっしゃる機関がおありなのかどうか。他機関ということで今回、国民生活センターさんとか消費者センターさんとの連携は分かったのですけれども、他の自主規制機関、業界団体さんとの関係というところをもう少し具体的に何かなさっていらっしゃる機関があれば、教えていただきたいと思いました。
以上です。
【神作座長】
御質問ありがとうございます。
ただいまの唯根先生の御質問について、どなたか御回答いただけますでしょうか。
それでは、丸野委員、お願いします。
【丸野委員】
FINMACの丸野でございます。
私どもは指定紛争機関の中でも、ある意味業界としての自主規制を担っている機関ではないという大きな特徴があるかと思います。そういう意味では、我々委託を受けて仕事をやっているわけなのですけど、委託元である日本証券業協会をはじめとする7つの団体の方とは定期的に情報交換などを行っているところです。
特に本日御出席いただいている中では、日本暗号資産等取引業協会さん、こちらは我々の委託元の団体の一つでございますので、定期的に意見交換を行わせていただいているということです。
以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
寺内委員、お願いいたします。
【寺内委員】
私からは先ほども御説明させていただいたように銀行と信用金庫とJAバンクと全て一緒に「銀行」と認識していらっしゃる方もいるので、今後、状況によっては、JAバンク、あるいは信用金庫協会、それ以外に預金業務を行っているところ機関とは、連携と考えていかなくてはいけない時期になれば前向きに検討したいと思っております。
【神作座長】
どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
渡邊委員、お願いいたします。
【渡邊委員】
大変、基本的な質問になって今日のテーマから少し外れるかもしれませんが、今、御発言の中にあるODRの対応について。制度への苦情とか、対応に関する情報交換をなさっているということなのですけれど、現状、ODRはどの程度進捗しているかとか、苦情ということについてシステム的なものなのか、それとも制度そのものに対する苦情なのかとか、その辺を少し御説明いただけるとありがたいと思います。
【神作座長】
ただいまODRについて御質問をいただきましたけども、今日、多くの機関からODRが大きな論点であるということで、連携の一つのイシューだということはおっしゃっていただいたと思いますけども、もう少し具体的な内容について付言していただければと思います。
どなたでも結構ですので、ぜひお願いいたします。いかがでしょうか。
それでは、寺内委員、お願いいたします。
【寺内委員】
全国銀行協会では、全銀協ホームページというウェブサイトに苦情相談受付フォームを2020年10月に設置しました。そこに書き込まれた方に対し、きちんと対応しています。それは相談・苦情、両方ありますけれども1件ごとに対応しています。
件数的に申し上げますと、2023年度は、苦情総件数に対して約15%、500件強がウェブサイトによるお申出をいただいております。2024年度は約16%で、解決を求める苦情を含めて600件強のウェブサイトによる申出を受付けております。今申し上げた数字は私どもウェブサイトにあるディスクロージャーでも公表しているものです。
紛争解決手続に関する部分では、2020年10月の裁判手続のIT化の動向も踏まえ、セキュリティー対策を講じたウェブ会議システムを導入し、運用を開始しております。
具体的にはiPad端末を使って、同時に多拠点間での複数の端末を用いた事情聴取などを行い、解決に努めさせていただいています。
安定的な稼働のもと、地方在住の方あるいは高齢者の方とか持病があるといった顧客を中心に、事情聴取にウェブ会議システムを利用しています。利用率ということで申し上げますと、2024年度は約55%の方が利用されています。
また、昨年の秋に金融庁から法務省の意向として、ウェブ会議での手続を実施するにあたり、保秘やセキュリティーの観点から、ウェブ会議の利用に関する事項や秘密保持に関する事項を具体的に業務規程に定めることが望ましいという御意向が示され、私どもでは業務規程並びに運営要領を改定し、今、金融庁に変更認可の申請を依頼しているところでございます。
【渡邊委員】
ありがとうございます。
【神作座長】
どうもありがとうございます。
ほかの機関からもODR関連で御発言ございますか。
それでは、小峰委員、お願いいたします。
【小峰委員】
生命保険協会、小峰でございますけれども、ありがとうございます。
私どもの相談・苦情に関しましては、今の全銀協さんと同じような形なのですけども、ホームページでウェブ受付フォームを設置しておりまして、件数的には電話が圧倒的に多いのですけども、電話以外にウェブでも受け付けできる体制を整えております。
また、紛争フェーズに入ってからですけれども、会員である生命保険会社とはメールによる、例えば答弁書、証拠書類等々のやり取りを進めておりますが、申立人、消費者からのやり取りについては、現状紙ベースになっています。これは送られてきたものが、場合によってはウイルスがついてないかとか、そういった心配が拭えないからといったところでございまして、先ほど来申し上げています、ADR機関の皆様ともこの辺を相談させていただくことが常々あるといったところになります。
あと事情聴取なのですけれども、こちらの審査会自体は東京で行っているのですが、我々は全国50か所に連絡所という形で各県に事務所を設けておりますので、申立人さんの最寄りの事務所にお越しいただきまして、テレビ会議システムを活用して東京とつないでリアルタイムで事情聴取、話をさせていただいているといったところは、うまく機能しているのかなと思ってございます。この辺の体制は今後とももちろん継続していくという予定でございます。
以上です。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
現状とそれから課題についてもお話しいただき大変ありがとうございます。
ほかにご発言はございますか。
それでは、種村委員、お願いいたします。
【種村委員】
保険オンブズマンでございます。
現状という意味で、こういうところもあると理解していただければと思って発言させていただきますけれども、我々オフィスの中でそういうシステムを持った部屋というのはございませんで、基本的には紛争解決の会議をやるときは別の場所を借りてやります。セキュリティーの問題も含めまして、基本的には電話で現状対応しているというのが事実でございます。
一つは場所がないのと、セキュリティーとか、ファシリティがない人というのが一つの大きな理由になっているのと、あと申立人の方、やはり高齢者の方が多くて、基本的に電話と。必ずしもメールアドレスさえ最初スタートのところであるとは限らないという状況もございまして、特にそこで、なぜウェブ会議じゃないのだというお話は聞いたことはないと理解しております。
すみません、現状ということで。
【神作座長】
どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
それでは、森脇委員、お願いいたします。
【森脇委員】
森脇でございます。
今のODRの関連について少し現状をということでお話をさせていただきますと、まず、相談・苦情につきましては、他機関さんにおいても取組されていますように、ウェブによる相談受付フォームというのを活用しております。
それからODRということですので、究極のところオンラインによる紛争解決手続ということかと思うのですけれども、現状手続書類のやり取りにつきまして、事業者とはデータのファイルでのやり取りということで、かなりそちらのほうにシフトしておりますが、申立人のところにつきましては郵送のままという形になっております。
それから意見聴取につきましては、保険会社とはウェブによります会議形式を使っていることも多いのですけれども、やはり手続の非公開というところ、あるいはセキュリティーとの関係もございますので、現状手続実施委員の判断によるところではあるのですが、申立人とは基本的には対面で行っております。場合によっては全国6か所に出張所というのがございますので、そちらに来ていただいて、そこから我々のシステムの中でオンラインでつないで意見聴取を行っているというケースもございます。
それと、ごく一部ではございますけれども、申立人の端末を使って直接接続するというケースも中にはございますが、まだまだそこは一部ということで実施をしているのが現状ということでございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
よろしゅうございますか。
丸野委員、どうぞ。
【丸野委員】
まず、我々、苦情相談の受付の体制でございますけど、他機関様と同様、我々のウェブサイトで相談とか苦情を受け付けるという体制は整っております。
運用の状況でございますが、ちょっと最近の数字は持ってないのですけれども、以前調べたところ、苦情相談の総数の5%ぐらいがウェブによるものでした。最近、これはもう本当、感覚ベースの話なのですけど、ちょっと増えているような気がしています。
あとは、実際それで御意見いただいたとしても、全部メールのやり取りで終わってしまうのではなく、我々電話で改めてもう1回聞いて、苦情の場合には、相手方の金融機関のほうにつないで、その答えをまた電話でフィードバックするというようなことをやっております。最終的には電話で終わると。よっぽどのことがない限りは、その方が海外にいらっしゃってなかなか日本に帰ってこられないとか、そういうケースもまれにはあるのですけれども、そういう場合以外は最終的には電話で終わるようにしています。
実際にそのあっせんの申立てということになった場合ですけども、こちらの手続、我々の業務規程上は全部オンラインでできるような形にはなっております。なっておりますけど、ひとつ、これ我々の特徴的なところかなとは思うのですけども、申立人がオンラインを使いたいと言わない限りは、オンラインを使わない。業者が使いたいと言っても、それだけで終わらせないというような形をとっております。
実際あっせんの申立てが、多くのケースは我々を御利用になさる方もちょっと御高齢の方が多いので、やむを得ないのかもしれませんけれども、手書きの申立書をコンビニに行ってコピーとって何部か用意して我々のところに郵送で送ってくれるというパターンが圧倒的に多いのですが、中にはオンラインでの申立てというのを利用される、やはりちょっと若めの方が、そういう意味では若めの方が多いと思いますけれどもやってきています。
実際のあっせんの場における事情聴取をいわゆるオンラインでやるかという部分についてなんですが、我々もできるような規定になっているのですけど、実は1回もやったことありません。
これはなぜかというと、多分なのですけれども、先ほど来から御説明していますが、我々全国どこでもこっちから出向いていくというのがある意味、売りな部分もありますので、それを言うと、じゃあ来てくださいというような形にほとんどがなるということで、わざわざ来ていただくのが大変だからオンラインでやりましょうというのは、今のところは実は1件もございません。
以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございます。
ほかにご発言はございますでしょうか。
【山田委員】
よろしいですか。
【神作座長】
それでは、山田先生、お願いいたします。
【山田委員】
ありがとうございます。もう本日、先生方のお話と大分被るのでコメントだけさしあげたいと思います。
一つは今回セキュリティーですとか、あるいはODRの関係ですとか、横で様々な情報交換なさっているということをお伺いいたしました。これADRの自律的に紛争解決をしていくということとの関係で非常に有用なお取組ではないかと思いますのが1点と、他方で、例えばODRにつきましては、このたびISOで規格が成立いたしまして、国内でも対応を考えていると伺っておりますけれども、そういったときにこの、何というのでしょう、実務からの、あるいは草の根の事実を上げていって、そこに非常に役立つODRのスタンダードをつくっていくという意味でも、大変貴重なお取組ではないかと思っておりまして、ほかとの連携という意味では、ぜひISOの日本への根づいていくというところとも情報交換なり意見交換なりをしていっていただければすばらしいのではないかなと思います。
それからもう1点は、これも複数の委員が言及なさったことですけれども、このような連携というのは、なかなかその機関間で情報交換は難しいのだと思いますけれども、ましてそこから共通の悩みが何なのかというところから始めて、将来的にはいわゆるワンストップと言われているような形で苦情等を受け付けていくという仕組みに発展していくのが非常に望ましいのではないかと私も思いました。
これはもちろん、第一義的には消費者ないし顧客のためですけれども、加えてコスト面においても、例えばODRの仕組み等について一定程度のコストが分散できるですとか、あるいは相談対応の方の研修等も共有化できるですとか、そういった側面もありますので、
ぜひそのようなところにつなげていく発展的なお取組ということで期待をしたいと考えてございます。
私からは以上です。
【神作座長】
貴重なコメントありがとうございました。
ほかに御発言・御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次の議題に進めさせていただきます。金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況等についてでございますけれども、金融庁金融サービス利用者相談室の森田委員から御説明をいただき、続いて、金融ADR連絡協議会第42回及び第43回の概要について、事務局から御報告をお願いしたいと思います。
それでは、まず森田委員、お願いできますでしょうか。
【森田委員】
金融サービス利用者相談室長の森田です。よろしくお願いいたします。
普段からADR機関の皆様、また各委員の皆様には大変お世話になっております。
それでは、私のほうから資料の御説明をさせていただきたいと思います。相談室の資料は資料3-1及び3-2となっております。まず、全体の動きを御説明したいことから、資料3-2、相談件数の推移のグラフを見ていただけますでしょうか。
令和6年7月~9月期、ここが1万1,000件あたりに減少しておりましたが、足元、令和6年10月~12月並びに令和7年1~3月は、1万2,000台に増加しているところでございます。特に個別の業態で目立った要因はなく、全業態で伸びているものと考えております。
前回の会議でも御説明させていただきましたが、せっかくの機会ですので相談件数の推移の過去についても少し御説明をさせていただきたいと思います。左端のほうが、令和2年4~6月期、預金・融資のピークがございます。これはコロナ関連での御相談でございます。同時期の金融行政一般のコロナ関連となっております。また、令和5年1~3月期の預金・融資のピークでございますが、これは個別金融機関のテレビでの報道によるものでございます。その横の令和5年7~9月でございますが、保険商品が伸びております。これにつきましては、コロナ関連保険金の支払いということでございます。
このグラフでは、令和7年1~3月期まででございますが、足元の4~6月期、これにつきましては9月上旬頃を公表予定としておりますが、投資商品を中心に増加となると見ております。
それでは、資料3-1、こちらのほうを御覧いただければと思います。1ページから13ページが、昨年の10月~12月期、14ページから26ページが、今年の1~3月期となっております。
お手元の資料の21ページを開けていただければと思います。これは令和7年1~3月期並びに前期の10~12月期が表示されているものでございます。先ほど受付の方法というものが各ADR機関さんのほうからお話がございました。私ども金融庁の相談室のほうも2ポツの受付方法別件数のところで、電話が8,000件台でウェブサイトが3,000件台という形で、大体30%ぐらいがウェブサイトでの受付となっているところでございます。
分野別につきましては、ここにあるとおりなのですけれども、今期と書いております1~3月期につきましては、前期に比べて総件数としては0.6%の減少となっておりますが、その他のところを見ていただければと思います。1日当たりの平均受付件数でございますが、これは一番下にあります業務日数、1~3月期が57日、前期が62日ということで、業務日数が減っている関係で全体減っているように見えるのですけれども、1日当たりに見ますと伸びてきているというのが現状でございます。また、先ほどの足元4~6月期につきましても、伸びてくると見ているところでございます。
資料をおめくりいただきまして、24ページを見ていただけますでしょうか。詐欺的な投資勧誘に関する情報の受付状況でございます。下段の受付件数の推移を見ていただければと思います。令和5年度の1~3月期、令和6年1~3月期、2,300件台だったのですけれども、足元ではやや減ってはきておりますが、ゼロにはなかなかならない、そういう感じかと思います。また、手口につきましても、単なる投資というのもいろいろ入ってございまして、ロマンス詐欺からいろいろな問題があると思っております。
このような詐欺的な投資勧誘に関する相談ダイヤルというものは、昨年の6月19日に開設をして、積極的に受付をしているところでございます。専用ダイヤルにはおおむね月200件という感じでございます。
あと、資料の最初のページを見ていただければと思います。3-1の1ページを見ていただければと思います。前回も御説明をさせていただきましたAIチャットボットでございます。前回もおおむね700件という形で御報告させていただいたのですが、ほぼ700件というので推移してきているかなと思います。これにつきましては、今後とも利用が伸びることを想定して、コンテンツの増加等に取り組んでいきたいと考えております。また、AIチャットボットにつきましては、24時間受付が可能ということでございますので、利便性向上の観点で積極的に取り組んでいきたいと考えております。
相談室のほうからは、足元の状況につきまして、以上、御報告させていただきました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは、髙島さん、お願いいたします。
【髙島室長】
金融ADR連絡協議会につきましては、金融ADR機関間の連携を強化すべく、定期的かつ実効性のある情報交換や意見交換を行うため、金融庁を事務局といたしまして指定8機関の実務責任者の方々に御参加いただき、おおむね四半期ごとに開催をしてきております。
今回の内容につきましては、資料4を御覧いただければと思います。まず、42回の会合につきましては本年4月に開催しておりまして、今回の会議のテーマでございます、ADR機関間の連携について、まず指定機関の8機関の皆様と議論をさせていただきました。
また、43回に関しましては、メールのやり取りにおきまして、今回の資料の作成について、42回の会議を踏まえて資料作成に当たったところです。
ADR連絡協議会に関する説明は以上となるのですけれども、前回本会合におきまして検討いただきました「金融機関とのトラブルに関する相談・苦情窓口一覧」について金融庁のホームページに公表しましたので、この場で併せてお知らせをさせていただきます。今後もこの一覧につきましては、継続的に内容や掲載方法の見直しを行い、利用者の方々により活用いただける形に発展させていきたいと考えております。
以上になります。
【神作座長】
御説明どうもありがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただきましたことにつきまして、森田委員と髙島さんから御説明いただきましたけれども、御質問・御意見等ございますでしょうか。
特段ございませんか。
どうもありがとうございます。
それでは、最後に、私の感想ですけども、ADR機関の連携については、今日8機関から御報告をいただき、その後、それ以外の機関からも連携の状況と期待等について御発言をいただき、大変ありがとうございました。
ADR機関の連携につきましては、ADR機関間の連携だけではなくて、それ以外の連携も含めて幅を広げるとともに、連携の深度を深めていただければと思います。
特に他機関の参考になる取組につきましては、ぜひ各業態あるいは各金融契約の個別性や特殊性に考慮しつつ、ベストプラクティスとして他機関の取組等を向上させていくこと、レベルを上げていくことが重要で、そのための連携だと思いますので、そのような観点から、さらにその連携の幅を広げて深さを深めていただければ大変ありがたいと思います。
いずれにしても、ADR機関の連携は大変重要なポイントでありますので、引き続きぜひ御協力をお願いいたします。それでは、次の議題でございます。議事次第の第6についてでございますけれども、事務局からお願いいたします。
【髙島室長】
では、ここからは私のほうで進めさせていただきます。
今回の第68回の会合をもちまして、神作座長及び沖野委員が退任されることとなりました。神作座長の後任は山田委員にお願いできればと考えておりますけれども、皆様御賛同いただけますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【髙島室長】
ありがとうございます。
皆様に賛同いただきましたので、次回の69回の会合からは、山田委員に座長に御就任いただくこととしたいと考えております。
それでは、山田委員より御挨拶を兼ねまして、御発言いただければと考えております。
山田委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【山田委員】
ただいま、大任をいただきました山田でございます。ちょっとマイクとの関係がありますので座ったほうがよろしいでしょうね。座って御挨拶させていただきます。
この金融トラブル連絡調整協議会、この金融ADRというのは日本の法制におきましても、また広く言えば世界的に見ましても、大変優れたシステムだろうと思っております。国内において応諾義務等があるという形で、質の高いADRをやっているということはもちろんですけれども、さる国際会議においてADRの独立性が議論になったときに、業界の、日本でいう業界型ADRというのは独立性がないのだという意見に対して、私、日本では金融ADRというシステムがあって、立派に公正性を保ちながら被害者救済をしているという話をしまして、スペインの代表の方が後からいらして、ぜひそれを見習いたいと言っていただきました。しかし、我が国も立法は遅いのでいつになるか分からないとおっしゃっていて、実際どうなったのかちょっと分かりませんけれども、それぐらいに優れた制度だろうと思っており、また、この協議会に出させていただいて先生方、皆様の実務への非常に熱心な取組を伺い、また各委員の先生方のすばらしいお話を伺って、こういった支えがあるのだと思っております。
そして、その筆頭は神作座長による優れた会の引率であると、御指導であると思っておりまして、その後継を担うというのは大変荷が重いことではございますけれども、引き続いて皆様方先生方の御指導を賜ればと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【髙島室長】
ありがとうございました。
続きまして、神作座長から御挨拶いただきたいと思います。神作座長には第1回から第51回まで委員をお務めいただき、その後、第56回からは座長をお務めいただきまして、金融ADR制度の創設から定着、発展まで大変御尽力いただきました。
では神作座長、どうぞよろしくお願いいたします。
【神作座長】
一言御挨拶と御礼を述べさせていただきます。
ただいま髙島さんから御紹介いただきましたように、私は、足かけ22年間、本連絡協議会に参加させていただきました。私自身、大変思い出深い協議会でございます。それはどうしてかと申しますと、2000年に金融商品の販売等に関する法律が制定され、その数か月後にこの連絡協議会が設置されたと記憶しておりますけれども、金融商品の販売等に関する法律の策定に向けた検討が、ホールセール・リーテイルに関するワーキンググループにおいて議論されました。私は金融庁、当時は金融監督庁だったと思いますけれども、このワーキンググループに参加する機会をいただいて、そこで金融商品の販売勧誘規制の在り方ですとか、プロアマの区別、それからADR制度のあり方等に関する議論に参加させていただきました。恐らくそのような御縁があって、本連絡協議会のほうにお声をかけていただいたものと存じます。
その後、2009年の金融商品取引法等の改正によって金融ADR制度が創設され、また、2023年には先ほど述べた金融商品の販売に関する法律が改正され、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律と法律の題名も改められ、第2条において顧客の最善の利益を勘案しつつ、金融事業者は誠実公正に業務を行うという規定が横断的にハードロー化されました。
このように、ADR制度と金融事業者を取り巻く規制等は大きな変容と発展を遂げてきたと思います。本協議会はそのような中で、先ほど申しましたように、ADR機関の運用面での改善と、参加者団体が取り得る方策について情報交換をし、より良い実務に向けて実践する大変重要な場であると存じます。今後、本連絡調整協議会がますます発展していくことを祈っております。
特にADR機関の方には毎回のように非常に重厚な調査報告をいただき、様々な御協力をいただきました。また、委員、オブザーバーの皆様にはいつも積極的に議論にご参加いただき、誠にありがとうございました。最後に、金融庁の事務局の方々に厚く御礼を申し上げます。長い間、本当にどうもありがとうございました。(拍手)
【髙島室長】
ありがとうございました。
では最後に、沖野委員から御挨拶いただきたいと思います。沖野委員におかれましては、第52回より委員をお務めいただきまして、金融ADR制度の向上のため大変貴重な御意見をいただきました。
沖野委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【沖野委員】
ありがとうございます。沖野でございます。オンラインで失礼いたします。
私は、この金融ADR関係については幾つか参加させていただいているものがありますけれども、それらを含めて、あるいはその他のADRも含めまして、日本の金融ADRというのは最も成功しているADRのシステムであろうと理解しております。それを支えている一つがやはりこのような形での連絡調整協議会であると思っております。さらにそのことは、金融ADRの分野だけではなくて様々なADRの在り方にとって、この金融ADRの在り方というのが一つのモデルになっている。同じようにできる条件が整っているとは限らないのですが、それでも一つのモデルになっているということで、金融ADRにとどまらずその意義は非常に大きいと思っております。
そういう重要な役割を果たしているこの協議会に委員として参加させていただけましたことは、私にとって大変勉強になりました。毎回の御報告や御議論というのが非常に、この制度全体にとっての重要性とともに個人的にも教えられることが多く、本当に加えていただいてありがたかったと思っております。
蛇足ながら、金融ADRの制度というのは、特に業界型と言われるものについては、中立公正さ、あるいは信頼性の確保が非常に重要であって、個人的な感覚としては、とりわけ大事なのは利用者の納得感ではないかと思っております。和解率がとかいうことよりも、これを使ってよかったとか十分意見を聞いてもらえたとか、そういう一般的な、司法制度以上に、あるいはそれではなかなか達成できない、そのような点がとても大事ではないかと思っておりまして、そういった点をより高めていくためにも、この協議会が引き続きその役割を発揮していかれるものと思いまして、以降は外部から応援をさせていただきたいと思います。これまで本当にありがとうございました。(拍手)
【髙島室長】
ありがとうございました。御退任される神作座長、沖野委員、長きにわたり金融ADR制度の発展に御尽力いただきましたことを改めて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
【神作座長】
それでは、本日の協議会は、このあたりで終了したいと存じます。
なお次回、第69回の協議会につきましては、追って事務局から御連絡をさせていただきます。
皆様、大変お忙しい中、御参加いただき、誠にありがとうございました。
(参考)開催実績