- ホーム
- 審議会・研究会等
- 金融トラブル連絡調整協議会
- 「第70回金融トラブル連絡調整協議会」議事録
「第70回金融トラブル連絡調整協議会」議事録
1.日時:
令和8年6月19日(金曜日) 14時00分 ~ 16時00分
2.場所:
中央合同庁舎第7号館12階 共用第2特別会議室 ※オンライン併用
【森下座長】
それでは、定刻となりましたので、ただいまから金融トラブル連絡調整協議会の第70回会合を開催させていただきます。
座長の森下でございます。皆様方におかれましては、御多用のところ御参加をいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、議事に入ります前に、まず事務局より本協議会の新規委員の御紹介などがございます。よろしくお願いいたします。
【髙島室長】
事務局を務めます、金融庁金融トラブル解決制度推進室の髙島です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、ここで新たに委員に就任される方を御紹介させていただきます。
全国消費生活相談員協会の坪田郁子様です。
【坪田委員】
坪田です。
【髙島室長】
ありがとうございます。
続きまして、人事異動などに伴いまして、今回から委員に就任される皆様を御紹介させていただきます。名簿の記載順で紹介をさせていただきます。
東京都消費生活総合センターの田中様。
【田中(延)委員】
田中です。どうぞよろしくお願いいたします。
【髙島室長】
よろしくお願いいたします。
生命保険協会の本田様。
【本田委員】
本田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【髙島室長】
よろしくお願いいたします。
農林中央金庫の宮串様、経済産業省の広嶋様、以上の4名の方でございます。
なお、赤井委員、山口委員、唯根委員、阿部委員、藤澤委員は御都合により欠席されております。
また、厚生労働省村瀬委員の代理で野田様、総務省芥委員の代理で戸高様、農林水産省安田委員の代理で大島様がそれぞれ出席をされております。
本日の会合につきましては、対面出席とオンライン出席を併用しての開催とさせていただいております。オンラインにて御参加の皆様は、会議中、ビデオ機能をオンにしたまま、マイクの機能は御自身が発言されるとき以外はミュートに設定した状態でお願いできればと思います。また、会場で御出席の皆様におかれましては、御自身が発言される際にはお手元の卓上マイクのスイッチをオンにしていただき、発言が終わりましたらオフにしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
本協議会は、一般傍聴はなしとさせていただいておりまして、メディア等の方々には庁内の別室にて傍聴をいただいております。議事録は通常どおり作成の上、後日、金融庁のウェブサイトに掲載をさせていただきます。
事務局よりは、以上になります。
【森下座長】
ありがとうございます。
では、議事を始めたいと思います。本日は、まず各指定紛争解決機関の業務実施状況について、事務局から説明を受けたいと思います。続いて、「AI・SNS等の普及による金融ADRへの影響について」に関しまして、指定機関より御説明をお願いしたいと思います。これらの説明が終わったところで一度、御意見、御質問をいただきたいと考えております。その後、金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況、金融ADR連絡協議会の概要につきまして、金融庁金融サービス利用者相談室及び事務局から説明を受け、御意見、御質問をいただきたいと思います。
それでは、事務局から御説明をお願いします。
【髙島室長】
それでは、指定紛争解決機関における令和7年度の業務実施状況について説明をさせていただきます。まず、「資料1-1苦情処理手続実施状況」の表を御覧いただければと思います。表の左手、「(1)苦情処理手続件数」の左から2番目の項目に、「当期の受付件数」及び「前年同期比」がございます。その一番下の青色の欄の8機関合計を御覧いただきますと、令和7年度、1年間で8,757件受けており、前年度と比べまして13%の増加となっております。指定機関別では、全国銀行協会、信託協会、生命保険協会、日本損害保険協会、保険オンブズマン、証券・金融商品あっせん相談センターで件数の増加、一方、日本少額短期保険協会、日本貸金業協会で件数の減少が見られております。
続きまして、「資料1-2紛争解決手続実施状況」の表を御覧いただければと思います。先ほどと同じく、左手、「(1)紛争解決手続件数」の一番下、青色の段の左から2番目のところを御覧いただければと思います。8機関合計で1,441件受け付けており、前年度と比べまして10%の増加となっております。指定機関別では、全国銀行協会、日本損害保険協会、日本貸金業協会で件数が増加、一方、生命保険協会、保険オンブズマン、日本少額短期保険協会、証券・金融商品あっせん相談センターで件数が減少しております。
続きまして、「資料1-3」を御覧いただければと思います。こちらには、苦情処理手続、紛争解決手続、それぞれの縦の棒グラフ及び横の棒グラフがございます。1ページ目及び5ページ目の縦の棒グラフが示しております、「苦情処理受付件数」及び「紛争解決手続受付件数」の推移を御覧いただければと思いますが、令和3年度あたりから増加傾向であることが伺えます。各機関、増減の傾向も、またその要因も様々ではありますけれども、全体として増加傾向にある要因の一つとして、例えばインターネットなどを通じて金融ADR制度の認知度が年々向上していることですとか、コロナ禍が終わり人々の行動や経済活動が活性化したこと、また金融犯罪事案の苦情が増加していることなどが、各機関より要因として挙げられているところです。
次に、横の棒グラフを御覧いただければと思います。右下のページ数で3ページ目は「苦情処理手続における結果」について、また4ページ目は「苦情処理手続の終結に要した期間」について、それぞれグラフ上段に令和7年度分をお示ししております。いずれもグラフ下段の前年度と比べまして、構成比に大幅な変更は見られないかと思います。
さらに7ページ目は「紛争解決手続における結果」について、また8ページ目は「紛争解決終結に要した期間」について示しております。こちらも、前年同期と比べて構成比に大きな変化は認められないかと思います。
業務実施状況につきまして事務局からの説明は以上となります。
【森下座長】
ありがとうございました。
それでは、ここから「AI・SNS等の普及による金融ADRへの影響について」に関しまして、指定機関に御説明をお願いしたいと思います。先立ちまして、議題の趣旨等につきまして、改めて事務局から御説明をお願いいたします。
【髙島室長】
それでは事務局より、今回の議題であります「AI・SNS等の普及による金融ADRへの影響について」に関しまして、その趣旨等を説明させていただきます。
資料2の表紙裏を御覧いただければと思います。こちらに記載しておりますけれども、生成AIやSNS等の普及により事業者の業務効率化が進むとともに、金融サービス利用者の間で情報が広く共有され、情報の取得方法にも変化が生じております。これらは利用者の行動やトラブルの態様に影響を及ぼし、指定紛争解決機関の業務にも影響を与えることが考えられます。また、金融庁といたしましても、AIの利活用につきまして、2025事務年度の「金融行政方針」におきまして、「リスクも踏まえながら、金融機関等における健全なAI活用に向けた取組を後押ししていく」こととしております。
金融ADRの場面についても、個人情報などの取扱いなどに留意をしつつAIを活用していくということは、手続の迅速化など利便性の向上につながり得る可能性があると考えております。
本協議会において、利用者及び金融機関の生成AI・SNS等の利用による影響を把握し、また指定紛争解決機関におけるAI等の新たな技術の活用方法を共有・検討することにより、指定紛争解決機関の更なる手続実施の質の向上や業務の効率化などが図られることを期待したいと考えております。
事前に各指定機関には、今回の議題に沿って、大きく分けて2つの質問項目について現状や取組状況等を回答いただいております。
資料3ページ以降の「項番」、「設問」の欄を御覧いただければと思いますが、質問1におきましては、生成AI・SNS等の普及により利用者から寄せられる相談・苦情・紛争に関しまして、どのような変化が見られるのかについて回答していただいております。(1)では相談・苦情・紛争の内容であるトラブルがAIやSNSなどに起因しているケース、(2)では主に利用者が相談・苦情・紛争の申出を行うに当たりAIやSNS等を活用していると考えられるケースについて記載をしていただいておりまして、(3)においてそれらが業務に与えている影響について回答をしていただいております。また、質問2においては、(1)指定紛争機関におけるAI等の新たな技術の活用の状況や、(2)今後取り入れたい場面や活用方法について、また、(3)それらを業務で利用する場合の課題や懸念点等について記載をしていただいております。
この後、各機関より資料に基づきまして御説明いただきますので、その後、皆様に御議論いただければと考えております。
事務局からの説明は以上となります。
【森下座長】
それでは、寺内委員、御説明よろしくお願いいたします。
【寺内委員】
それでは、資料3ページを御覧ください。
項番、質問1、設問(1)についてでございます。なお、全国銀行協会が実施する紛争解決等業務について、マル1番として相談・苦情対応、マル2番として紛争解決手続に分けて、それぞれ御説明をさせていただきます。
まずマル1番の相談・苦情対応についてです。SNSを契機とした詐欺や不正送金などの金融犯罪に関する相談・苦情は多数寄せられており、ロマンス詐欺、フィッシングメール、SNS経由で知り合った第三者への口座情報提供といった事例が典型的なものでございます。このため、当協会では2025年度第4四半期から、金融犯罪関係の相談・苦情件数が明確に分かるような形で公表しております。一方で、生成AIを起因とする金融犯罪関連の相談・苦情事案は、現時点では把握しておりません。また、銀行が提供するAIサービスやチャットボット等の対応に関しては、「AI対応のみでは解決に至らない」とか、「AIの案内に誤りがある」といった相談・苦情が寄せられているところでございます。マル2番の紛争解決手続については、特にございません。
次に、設問(2)についてでございます。マル1番の相談・苦情対応では、生成AIやSNS、インターネット上の情報を根拠とした主張が増加しており、不正確な情報や誤報に基づく相談・苦情が一定数見受けられます。生成AIやSNS等を活用することで、トラブルを抱えた利用者による情報収集が容易になった一方、当該利用者の期待と実際の苦情処理手続との間に生じるギャップが拡大しており、相談員による丁寧な説明や調整の重要性が従前に比べて高まっていると認識しております。さらに、利用者が生成AI等を用いて相談先を調べた結果、適切な相談先に導かれるケースがある一方で、誤情報により不適切な機関に相談が持ち込まれる事例も見受けられ、受付段階で相談員による一定の整理が必要な状況となっております。加えて、当協会は「苦情前置」であるところ、苦情処理手続を経ずにあっせん委員会の利用を強く申し出るといったケースも増加しており、金融ADRの制度趣旨に関する説明の重要性が増していると感じております。マル2番の紛争解決手続については、特段の変化は見られておりません。
次に、設問(3)でございます。これらの変化が業務に与える影響でございますが、マル1番の相談・苦情対応については、利用者による生成AI活用によって、論点や事実関係が一定程度整理された状態で、相談・苦情がなされるというケースも一定数見受けられます。このように相談・苦情対応の効率化につながるプラスの面も見受けられるものの、月に数件程度といった状況でございます。5ページに続きます。一方で、生成AIやSNSに基づく誤解やADR制度への過度な期待から、苦情処理手続を経ずにあっせん手続へ進むことが出来るという誤認や、過去の類似事例と同様の結論が当然に得られるだろうと一方的に思い込み、過度な期待をされる申出人も多く、こちらも月に数件程度発生しております。その結果、ADR制度の趣旨の説明や説得に時間を要する場面が増えており、相談員の実務上の負担は実際のところ増えていると思っております。続いて、マル2番の紛争解決についてですが、現時点で特段の影響は確認されておりません。
続きまして、項番、質問2に入ります。
設問(1)についてです。現時点では、紛争解決等業務については、生成AIや従来型AIは使用しておりませんけれども、以下のような場面でデジタル技術を利用して業務の効率化を図っております。相談・苦情対応については、ウェブサイトにより24時間365日、相談・苦情を受け付ける体制を整えております。その他、苦情・相談事案やあっせん事案は、データベースで管理をしており、データベース内の情報をもとに、日次報告書や、公表資料、当局向けの報告書の計数などを自動で作成しております。紛争解決手続においては、申立書等の文書のPDF化を行っており、相手方銀行との間では、電子メールやオンラインストレージを使って、やり取りをしております。また、地方在住の申立人等を対象に、ウェブ会議システムを利用した事情聴取を実施しております。6ページを御覧ください。その他の業務として、全国銀行協会の事務局内部の打合せ等では、記録の作成に文字起こしツールを活用しているところでございます。
設問(2)になります。今後のAI活用の可能性について、相談・苦情対応についてですが、現時点では具体的な導入計画はありません。ただし、相談・苦情対応では、将来的に通話の文字起こしや要約、苦情・相談対応記録の作成の補助として、生成AIの活用が考えられると思っております。紛争解決手続においては、人による精査・判断を前提とした上で、争点整理の補助や和解案の作成支援など、紛争解決手続における補助的な業務において、将来的に生成AI等の活用が考えられると思っております。
最後に設問(3)の課題と懸念点についてでございます。第一に、紛争解決等業務では、判断の妥当性、中立性・公平性及び個別事情への配慮が必要だと思っております。紛争解決等業務は、そもそも個別性が高く、生成AIによる一律的な処理には限界があると感じております。第二に、生成AIには、誤情報、いわゆるハルシネーションのリスクがあり、人による検証が不可欠だと思っております。第三に、個人情報あるいは機微情報の取扱いに係るセキュリティーの確保が課題だと思っております。第四として、AIへの過度な依存は金融ADR制度の信頼を損なう可能性があるのではないかと、私どもでは認識しております。
最後のページになります。7ページです。これらの課題や懸念点を踏まえ、現時点では具体的な対応や検討は未定ですが、今後は、AIの活用に適したデータベースの整備や学習データの質や量の確保、職員の情報セキュリティーやリテラシーの維持・向上、個人情報保護法等の法令遵守、等の体制強化が課題と思っています。また、導入や運用にかかるコストや人的負担等も考慮しながら、当面は補助的な業務から始めて慎重に活用を進めつつ、専門家等の知見を得ながら、課題整理と検討を進めたいと考えております。
全銀協からは以上でございます。
【森下座長】
ありがとうございました。
それでは、次に信託協会の岩田委員、お願いいたします。
【岩田委員】
それでは、8ページを御覧いただければと思います。
まず、質問1の(1)、生成AI・SNS等の普及による苦情・紛争に関する変化ですが、昨今、主要な検索エンジンでは検索結果の冒頭、生成AIが回答の要約を自動生成するAI Overviewsの導入が進んでおり、ネット検索をされている利用者の方で生成AIを知らぬうちに利用されているケースがあるのではないかと考えております。なお、当協会の場合、特殊詐欺等、生成AI・SNS自体に起因するような相談・苦情の申立ては現状見られていないところです。
(2)生成AI・SNS等の普及による相談・苦情の持ち込まれ方等の変化ですが、利用者がネット検索で信託商品等の概要を下調べされ、相談・苦情の申立てをされるケースは見られるところです。なお、生成AIやX等のSNSを利用した上で相談・苦情の申立てをされているかどうかは、定かではないというようなところが現状です。
(3)ですが、(1)(2)で見られたような変化によって与えられている影響ですが、事前に信託商品の概要を十分理解された上で相談・苦情申立てをされるというケースは見られるところですが、早期の解決につながる傾向があるのではないかと考えております。また、当協会では相談者が必ずしも生成AIによる情報とおっしゃるわけではないですが、ネットにはこのように書いてあったとして、誤った情報に基づいた相談・苦情申立をされるケースは、体感的には月1~2件程度ではないかと考えております。
9ページの質問2に関して、(1)の生成AIをはじめとしてデジタル技術を使って業務効率化している場面というところですが、当協会で利用可能な生成AIは無償版のものです。情報検索等の簡便な利用に限定をしており、現段階において指定紛争解決機関としての業務に大きな変化が生じているわけではないというところです。ただ、苦情相談に関連する情報の確認、回答のヒントを得るための検索等、試験的に利用を始めているところです。試験的に、個人情報が含まれていない当相談所の相談・苦情等の受付件数の長期推移の表を作成するために利用したことがあります。
(2)の紛争解決等業務において、従来型/生成AI等の新たな技術を活用した場面ですが、現段階では具体的な計画はありませんが、今後、電話相談のリアルタイム記録作成や、チャットボットによるよくある質問への自動回答等でも活用できないかと期待をしているところです。
(3)懸念点に関してですが、生成AIで相談・苦情への対応を検討するため情報検索をする場合には、やはりハルシネーションが考えられ、情報の裏づけを確認する必要があるほか、生成AIから期待どおりの回答を引き出すためにプロンプトエンジニアリングに関する研修の実施等も今後、課題になるのではないかと考えているところです。
【森下座長】
ありがとうございました。
続きまして、生命保険協会の本田委員、お願いいたします。
【本田委員】
それでは、生命保険協会の説明をいたします。資料の10ページを御覧ください。
質問1の(1)ですが、現状ではAIやSNSに起因する特有の苦情は見当たりません。
設問(2)ですが、ここではこれまでになかったパターンで明らかにAIの普及によるものという事案を5つ挙げております。1つ目ですが、AIで当相談所の存在や電話番号を知ったという事案がありました。2つ目ですが、当相談所や保険会社宛ての文書をAIで作成したという事案もありました。3つ目ですが、AIの回答によって当相談所が申出人の代理人として事業者と交渉を行う機関であるかのような誤解をしていた事案がありました。これは「私の代わりに交渉してくれるんですよね」という誤解をしていた事案です。4つ目ですが、申出に際して自らの苦情の原因や解決方法について、AIの回答を鵜呑みにしてしまう事案が見られました。最後に5つ目ですが、AI回答をそのまま信じて、一般の保険商品には適用されない法律に基づく主張をして、相談員の助言を聞き入れてもらえない事案がございました。
次に(3)ですけれども、(1)(2)の変化が一連の業務に与えている影響ということで、ポジティブな影響とネガティブな影響に分けて整理しております。まず、ポジティブな影響ですけれども、手続の利用に対するハードルを下げ、負担感の軽減につながっているということで、これは先ほどの(2)の回答の上の2つの事案が該当いたします。続きまして、ネガティブな影響ですけれども、こちらは2つありまして、当事者理解が不十分な状態での利用につながっている、手続について不正確な理解に基づく利用につながっているということでして、こちらは(2)の回答の下の3つの事案がこれに該当いたします。1か月当たりの件数といたしましては、8ページに進んでいただきまして、厳密な数値としては把握できておりませんが、概ね10件ぐらいだろうと推測しております。
続きまして、質問2の(1)でございますが、デジタル技術を使って業務を効率化している場面ということですけれども、会員会社から提出された電子ファイルの結合や集計などの作業を効率的に行うため、生成AIを活用してプログラムを作成して利用しております。これは個人情報を含まない数値や統計などの資料作成での活用になっております。
設問の(2)ですけれども、今後活用したい場面ということで、現在、検討しているというレベルではございませんが、興味を持っている活用を2つ挙げております。1つ目ですが、コールセンター業務での活用です。この活用によって、現在は通話が終了した後に手打ちで記録を作成していますが、通話記録の自動文字起こし、要約、苦情分類の自動振り分けなどが可能になりますと、業務の効率化につながることが期待されます。続いて2つ目ですが、チャットボットの活用です。この活用によりまして、よく寄せられる定型的な質問については24時間365日、回答が可能となりまして、利用者にとっての利便性向上と定型的な問合せの減少につながると考えております。
最後の設問(3)ですが、課題と懸念点などということですけれども、いわゆるハルシネーションのリスクを考えております。例えば(2)で回答した例ですと、チャットボットの導入の場合、従来型AIであれば限られた情報から回答しますので誤回答のリスクは少ないものの、生成AIであれば誤回答のリスクが考えられます。また、生成AIによる通話内容の自動文字起こしや要約サービスでは、AIが推測で補完してしまうリスクが考えられると思っております。
生命保険協会は以上でございます。
【森下座長】
ありがとうございました。
それでは、日本損害保険協会の森脇委員、お願いいたします。
【森脇委員】
資料12ページを御覧ください。
まず、1の(1)については、保険加入について電話で問い合わせてもAI対応やウェブフォームに誘導されてしまうとの相談が寄せられています。また、SNS等を通じて保険金詐欺行為を行わせるケースが発生しているようですけれども、当センターにはこれらに起因する相談・苦情は寄せられていません。
次に、(2)については、相談・苦情に関しては、ブラウザのAIモードにおきましてインターネットの検索結果で生成AIが当センターを案内しているケースがあり、そこからのアクセスが増加している印象です。紛争解決手続に関しては、申立人の反論内容に生成AIを論拠とする旨の記載があったり、生成AIの回答内容をコピー&ペーストしたような記載が見受けられます。
(3)については、どこまでの情報を生成AIにインプットしているかが不明であり、手続非公開や守秘義務との関係で悩ましい面があると考えています。また、生成AIが回答した情報に起因する誤解に基づく問合せも見受けられます。定量的な件数把握は行っておりませんが、多く寄せられているという感触ではございません。
次に、13ページを御覧ください。
2の(1)ですが、現状、テキストマイニングによる苦情の分析、オンラインでの意見聴取などにデジタル技術を活用していますが、生成AIは利用しておりません。
(2)につきましては、生成AIの利用に当たっての課題、懸念の解消を前提として、相談員の応対内容をAIで要約し、記録の均質性、妥当性、効率性を高めていくということが考えられます。また、AIを相談対応の評価に活用することで、改善や指導につなげていくことが考えられます。紛争解決手続では、記録や統計資料の作成支援に活用するということが考えられます。
最後、(3)につきましては、手続非公開や互譲に基づく解決を目指すADR制度の本質を踏まえますと、手続そのものにAIを利用していくということは、一般論としてはなじみにくく、守秘義務や個人情報の取扱い、ハルシネーション対策などの観点で課題があると考えます。また、手続の結果のみが一般化されてしまうといったことも懸念されます。他方で、申立て内容や当事者間の主張を整理したり、和解案作成の参考に供するなど、補助的な作業の活用というのは考えられるところでございます。ただし、この場合でもクラウド環境の利用などに係る整理が必要になると考えております。
御説明は以上です。
【森下座長】
ありがとうございました。
続きまして、保険オンブズマンの種村委員、お願いいたします。
【種村委員】
15ページの最初からご報告します。
まず質問1について、内容に関してAI・SNSに起因するような案件はありませんでした。持ち込まれ方、進め方に関しての変化については、ごく僅かな数ですけれども、専門用語の羅列のような申立人からのメール、またはホームページの書き込みがありました。しかし、それが生成AIとかSNSによるものかどうかについては確認できておりません。そのようなものがあったという確認だけです。以上から、保険オンブズマンでは特に大きな変化は感じておらず、その影響について報告するものはありません。
質問2(1)の業務の効率化について、保険オンブズマンにおいては紛争解決手続の案件数がそれほど多くないことが理由だと思いますが、業務は担当する調停委員の知見により進めているところから、AIに頼るということが効率化になるとは考えておりません。事務局員の日常業務においても、言葉を理解するための検索、それから、検索で出てくるAIモードで表示されるものについても引用先を見るという利用で、案件の内容について直接的に使用するようなことは行っておりません。
次に、(2)の活用したい場面についてですが、現在「こういうことができたら・・・。」というようなケースはありません。チャットボットとかも可能性としては考えておりますが、保険オンブズマンではできるだけ申立人に寄り添っていきたいと考えていることから、担当者が出て会話するという形で進めております。
最後の懸念点または課題という点については、紛争解決業務は当事者の互譲によるということを考えますと、現在の生成AI、即ち「何が正しいか」のような書き方のところは使えないと考えております。将来ここが大きく変わってくれば別かもしれませんが、現時点においては検索等の補助的な使い方に留まっている状況でございます。
保険オンブズマンからは以上になります。
【森下座長】
ありがとうございました。
それでは、次に日本少額短期保険協会の大槻委員、お願いいたします。
【大槻委員】
少短協会の大槻でございます。報告をさせていただきます。
まずは質問1の(1)でございます。変化という意味では、記載のとおり、弁護士費用保険というのがございまして、これは紛争に関して法律相談、あるいは弁護士への委任などの費用を補償するという保険ですけれども、この請求事由の中を見ますとSNS上の誹謗中傷に対する法的措置をとるために弁護士費用保険を使うということで、その保険を使う上でのトラブルが発生するということで、そういう意味ではSNSに関する事案が発生しているという状況でございます。
それから(2)でございます。具体的には苦情申立人に対する少短業者からの回答に対して、お客様側、申出人が生成AIを活用して確認書を作成して、それで業者に回答を求めるというような事例が出てきております。具体的に言いますと、お客様側が業者の対応に対してここが問題だと、あるいは約款解釈のここがおかしいというようなものを、どちらかというとあげつらうといった感じでしょうかね、そういうものをいっぱい羅列してくるというような状況が見られるというところでございます。
それから(3)でございますけれども、発生件数はこの半年で2件程度かと思います。先ほど申し上げたとおり、生成AIの活用によりまして多岐にわたる情報取得と文章化が可能になった反面、それが正しいのかどうかという検証、あるいは適正な事実を前提とした主張であるかという確認が必要となるために、ADR機関の業務としては影響が出ると考えています。実態としては、先ほど申し上げたとおり、生成AIを活用することで文章、体裁とか、こういったものは整備されていますけれども、内容は少短業者の対応における様々な問題点への指摘の羅列と、比較的パターンとしてはいろいろなものを指摘はするけれども全体のまとまりがあまりないというような形が、傾向としては見てとれるかと思っていますけれども、当機関におきましては業者、申立人の双方に事実確認を行うとともに、訴えの焦点を絞るということでアドバイスをしています。お客様の資料を見ますと、簡単に言うと宿題をAIに任せてつくらせましたといったような形ですから、御本人の主張がどれだけのものなのかとか、何が問題なのかという認識をきちんと把握して進めるという必要があるかと認識しております。
それから、質問2の(1)でございますけれども、現在は当機関の業務におけるAIの活用はございません。今後につきましては、各種データの取得・整理・分析などに活用できるかということと、それからADR業務において活用する資料案などにおいて、あるいは記載内容のチェックなどには活用できるかとは思いますけれども、これまでの皆さんの御発言のとおり、ここは慎重に検討していく必要があるかと思います。
(3)でございますけれども、我々が今後、使うか使わないかを判断する上でも、まずはしっかりとこちらが知らないといけないと思っておりまして、ADR機関も含めた協会事務局側でしっかりとした勉強会をやったりとか、専門的な知見を得るということで、レギュレーションをつくって、その上でどう進めるかということを考えていく必要があるかと考えております。
以上でございます。
【森下座長】
ありがとうございました。
続きまして、証券・金融商品あっせん相談センター、FINMACの木内委員、お願いいたします。
【木内委員】
証券・金融商品あっせん相談センター、FINMACの木内でございます。本日もよろしくお願いをいたします。資料の19ページ、御覧を願います。
質問1の(1)でございますけれども、そこに書かれているような金融機関側のAI等の利用に起因する相談についてはごくまれでございまして、全体としてAI等の普及とFINMACに寄せられる相談内容等に変化は見られていないといったところでございます。
(2)でございますけれども、AIに相談したところ、FINMACを教えてくれたといった相談者や、ごくまれにでございますが、AIの答えを全面的に信用いたしまして、相談員の説明に耳を貸さず、事実と異なる主張を繰り返す、そういった相談事例、あと、あっせん手続において申立人がAIの誤回答をもとに法的根拠と異なる主張を展開して、終結に時間を要した事例であったり、AIが見込んだ和解割合に固執する、そういった事例はございました。
続いて(3)でございますが、AIを通じてFINMACの利用を提案された相談・苦情の申出でございますが、あくまでも利用者の表明ベースでの数字でございますけれども、直近6か月では1%程度ということでございます。
続いて資料20ページ、御覧を願います。
質問2の(1)でございますけれども、3年前から音声認識アプリを活用いたしまして反訳を行っているところでございます。
続いて(2)ですけれども、現時点においてFINMACの紛争解決等業務にAI等を活用している場面はありませんけれども、今後、FINMACの業務の処理内容に即したAIで費用対効果が見込まれる実践例が確認された場合は、組織としてAI導入の検討に積極的に入っていきたいと考えてございます。
続いて(3)ですけれども、情報漏えいリスクであったり費用対効果といったことを書かせていただいているところでございます。
最後に、今回のテーマの趣旨に直接的には関係しないことかもしれないので資料には書かせていただいておりませんけれども、1点ほど、本日の議題にあるSNSの普及とも関連いたしまして、証券業界で、皆様御存じのとおり、昨年からインターネット証券口座に不正アクセスの被害が多く出て、我々、FINMACのほうにも相談や苦情の受付が増えたといったところがございます。こちらについては昨年春頃がピークで、現在件数的には落ち着いておりますけれども、それでもいまだに被害に遭われている方は一定数おりまして、最近でも被害に遭ったという相談が寄せられているところでございます。
証券業界のほうでは昨年春頃に申合せを行っていただいて、その上で、各社の取引約款に関わらず証券会社各社が定めた方法で被害補償を行っているところでございますけれども、その被害補償の方法や補償割合が証券会社によって違うといったこともございまして、そこに納得しない被害顧客からの苦情やあっせんの申立てがいまだに我々、FINMACのほうに寄せられているところでございます。
ちなみに、こういったことについて、我々の理事会がございまして、毎回報告を行って、理事の方から御意見を承っているところでございますけれども、その際、岩原理事、以前こちらの会合の座長でもあった方でございますけれども、その岩原理事からは、本件については制度面で立法的な手当てを行うことが必要だと思っているんだと、FINMACからも当局に働きかけをしたらどうかといった旨の発言をいただいております。せっかくの機会でございますので、この場を借りて少しお時間いただいて、発言をさせていただきました。
FINMACからの説明は以上でございます。どうもありがとうございました。
【森下座長】
ありがとうございました。
続きまして、日本貸金業協会の菅原委員、お願いいたします。
【菅原委員】
では、21ページ、貸金業協会です。
質問1の(1)の、足元で見られる変化としましては、SNSですとかインターネットを契機とした詐欺事案に関する相談、これが散見されているという点が挙げられます。具体的には、副業の名目で遠隔操作アプリを用いて消費者金融等からの借入れに誘導する事案、あるいはSNS上で関係を構築した上で借入れですとか資金搾取に至る事案というのが、デジタル技術を悪用した被害が高度化、複合化している状況がうかがわれるということです。具体例としては、「スマホ」、「副業」などと検索した利用者が詐欺業者に誘導されて、高額な契約に至るというような副業詐欺があります。手口としては、AnyDeskというような遠隔操作アプリをインストールさせた上で、利益が出るというふうに説明をして、複数の消費者金融への借入れの申込みを行わせると、このような手口です。
これについては、本年5月20日に国民生活センターより消費者への注意喚起とともに、業界団体に対する要望もなされております。併せて、この公表を受けて金融庁からも当協会並びに関係する協会に対して、引き続き被害防止に向けた取組を推進するように要請がございました。これに対しては既に我々協会、あるいは協会員におきましても様々な対策を実施しているところでありますけれども、より一層のきめ細かな対応について検討・取組を進めていくということとしております。
質問1の(2)ですけれども、相談や苦情申立ての持ち込まれ方ですが、相談者がAIによる誤った回答を正しいものと思い込んで無理難題を申し出ると、このようなケースが見られます。その一方で、AIの普及によりましてADR制度について一定の理解を持った状態で相談が寄せられるケースが増えているという変化もございます。そのため、AIにより作成したと推測される申立書が、通常ですと電話でまずは事前に相談をしてくるというケースが今まで多かったのですけれども、そういった事前の相談がなく突然、いかにもAIでつくったというような理路整然とした文書が突然送達されるという場合がございます。専門用語が非常に多用されているとか、主張の趣旨が不明確というような特徴が見られるということでございます。申立人の年齢や属性からは従来想定しにくかった水準の文書が提出されるというような点も、特徴的な変化かと考えています。
それから、質問1の(3)ですけれども、業務への影響としましては、まずAIの普及によりまして、ADR制度について一定の理解を有した状態で相談を寄せられるというケースが増えておりまして、制度説明が比較的円滑に進む側面があります。一方で、AIですとかSNS上の情報を十分に検証しないまま事実として受け止めた相談も一定数見受けられるということです。また、AIによって貸金業協会を案内されたというような理由による申立の中には、当協会の制度上の対象外となる案件も一定数含まれておりますので、誤情報に基づく申立てへの対応が課題となっています。
現段階では相談・苦情及び紛争解決手続の全体への影響という点ですと利点と課題の双方が存在しておりまして、一概に評価することは困難かと考えております。対応としては、AIによった誤った情報については丁寧に正しい説明を行って、範疇外の相談については適切な相談先を案内するというふうにしております。発生件数としては、月に数件程度というところだと思います。
続きまして、質問2の(1)ですが、現在の活用状況としましては、試験的に有料版のAIを導入しておりまして、内部資料の整理、それから統計資料の作成など、内部業務の補助的な利用に限定をしてAIを活用しているというところです。また、相談内容によっては相談員がAIによる回答を参考にしながら助言等を行うといった、こういうケースもございます。今後の活用としては、現段階では具体的な予定は特にありませんけれども、将来的にAIによる会話等を通じて紛争解決手続ですとかADRの制度に関する基礎的な説明をするというようなこと、あるいは相談・苦情の申立ての初期の受付対応についてもできるというようなことになれば、これはこれでいいのではないかとも思っています。
それから質問2の(3)ですけれども、課題・懸念点としましては、現在は個人情報が含まれるようなデータをAIに読ませるということは当然していないのですけれども、さらに活用が進んだ際にこういったいろいろな情報、個人情報を含む情報が外に出てしまうというようなことは、懸念としてはあります。併せて、AIによる回答内容の正確性ですとか信頼性をいかに担保するかが重要な論点であると認識をしております。
貸金業協会からは以上でございます。
【森下座長】
ありがとうございました。
それでは、ここまでの説明について御意見、御質問をお願いしたいと思います。本日のテーマ、特にAIはまだ今のところ事例がないというようなお話もあったと思いますけれども、最近のAIの進展を考えますと、1年後、2年後、場合によっては、半年後は全然状況が違うということもあるかもしれませんので、少しフォワードルッキングな部分も含めていろいろな御議論をしていただければと思っております。
御発言に当たり、事務局より事務的なお願いがございます。
【髙島室長】
御発言を希望される際には、会場にいらっしゃる委員の皆様におかれましては挙手またはネームプレートを立てていただき、またオンラインで御参加の委員の皆様におかれましては会議システムのチャット機能によりましてお名前と御所属、また発言希望であるという旨をお知らせいただければと思います。座長が指名されますので、指名のあった委員は御発言をお願いします。オンライン参加の場合はマイクのミュートを解除いただきまして、御自身のお名前をおっしゃっていただいた後、御発言いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【森下座長】
それでは、ここまでの御説明を踏まえまして、皆様からの御発言をいただければと思います。どの点からでも結構ですが、いかがでしょうか。
大出委員、お願いします。
【大出委員】
全国消団連の大出です。皆様、御報告ありがとうございました。一番最初に事務局から報告がありました相談件数の増加の要因というところで、金融犯罪の事例が多いという報告がありました。全銀協の記載にもSNSを起因とした詐欺や不正送金による相談が多発しているということや、貸金業協会でも副業詐欺の事例が報告されました。金融庁や各金融機関でも消費者への注意喚起はなされているのですが、さらなる規制が必要であると思います。
先日、消費者庁の長官会見の中で、見守りネットワーク(消費者安全確保地域協議会)と金融機関との連携の協力要請がありました。既に関わっていらっしゃるところもあるかと思うのですが、消費者安全確保地域協議会に様々な業種の方々が参画することで被害の未然防止につながることが期待できると思いますので、ぜひまだ参加されていない機関の方は地元の見守りネットワークに構成員として参加していただきたいと思っております。
それから、報告の中でとても特徴的だったのが、相談者がAIやSNS上の情報を下調べした上で相談に来るケースが増加しているという点がとても顕著に出ていると思いました。それによって誤情報や不正確な内容での相談の申入れが見受けられたり、金融機関の業務にとても大きな影響を与えていることが分かりました。生保協会の中でもAIの回答を鵜呑みにした結果、間違った、本人の意向とは違う形で問題提起がされている事例がありました。そのような状況になりますと解決までの期間を要することになるし、相談者にとっても金融機関にとっても大きな負担になると思います。円滑な問題解決が困難になる要因になるとも感じました。そのような状況の中で、相談者の方のカスハラのようなものにつながったりしている状況というのはあるのかどうかということが、一つ質問です。
一方、事前のAI活用によって主張の趣旨が明確になる場合や、十分理解した上での相談で効率的に相談対応ができるという報告もありました。AIは利便性がありますが、消費者がその利便性の特性を十分に理解できていない状況にまだあるのかと感じております。AIは参考情報として位置づけるべきだというような周知が必要であると思いました。加えて、相談員の方の丁寧な説明がより重要であると感じました。先日、全国消団連でAIの学習会を開催したのですが、講師の方から「AIの回答の真偽を確認するのは人間にしかできないことである。AIが優秀になれば人間も優秀でなければならない。一緒に成長していく必要がある」というようなお話がありました。今回の状況はその重要性を示していると思いました。
あと、金融機関におけるAIの活用についてですけれども、24時間対応を可能とするチャットボットの利便性というのは大きいものの、必ずしも十分な回答が得られない場合や、利用者の表現能力によっては適切な解決に至らない場合も想定されます。そのため、AI対応の拡充と並行して、人による丁寧な対応体制も維持していくことも重要であると思いました。加えて、インターネット上の情報で金融ADR制度に対する誤解や過度な期待が広がっている点も課題であると感じています。誤解の解消には制度の趣旨の分かりやすい情報提供と個別事案に即した丁寧な説明が不可欠であると考えます。
最後に、金融機関におけるAI活用は今後も進展していくと考えられますが、その一方で個人情報やセンシティブ情報の取扱いに関するリスクの十分な配慮が求められます。情報管理やセキュリティー確保については慎重かつ適切な対応を徹底する必要があります。金融ADRの解決に当たって、AI活用に関するルールやガイドラインの作成をして、共有する必要があるのではないかと感じました。以上です。
【森下座長】
ありがとうございました。
見守りネットワークへの参加という呼びかけをいただいたかと思います。その他の点も含めていろいろな御指摘があったと思いますけれども、何か皆さんのほうから御発言ございますでしょうか。
一点、AIのアドバイスを信じたあまりに、相談員の方とのやり取りが激しさを増してしまうという事例まで至っているでしょうかというお問合せがあったと思いますが、その点についてはいかがですか。お聞きになられていますか。寺内委員、いかがですか。
【寺内委員】
全銀協の寺内です。私どもでは、現時点ではカスハラにまで発展するような局面には至っていないと思っています。私どもでは、カスハラ対応について、チェックリストを作って対応しており、当該リストの項目全てに該当しない限り、カスハラであるとの認定はしておりません。そういった中で、AIの回答を信用して相談を持ち込まれる方については、相談員が説明を尽くしても、なかなか意見を曲げず、対応に時間がかかっておりますが、いかんせん何らかのトラブルを抱えて困っていらっしゃる方であるということに変わりはないので、相談員はどれだけ説明に時間を要しても、丁寧に対応をしているというのが現状かと思います。ただし、カスハラに至るような事例が全くないかと言われると、もしかしたら私が把握していない部分もあるかもしれませんので、その点は御容赦ください。以上でございます。
【森下座長】
ありがとうございました。
他、いかがでしょうか。今の大出委員の御指摘に関してはよろしいですか。
【大出委員】
ありがとうございました。相談者が一生懸命調べていった上で邪険に対応されたら、それがカスハラにつながる可能性もあるのではないかと報告を聞きながら思いました。そういうことにつながらないようにしていただきたいと思いました。以上です。ありがとうございました。
【森下座長】
ありがとうございます。
恐らく、AIが本当に間違えてしまっている場合と、あとは相談者の方が、さっき表現能力という話があったと思いますけれども、部分的にしか聞いていないとか、聞き方が悪いとかいうことがあって、アドバイスがおかしくなってしまう場合と、2通りあるのかもしれないですけれども、なかなか難しい問題なのかと感じました。
他、いかがでしょうか。田中委員。
【田中(圭)委員】
今のことに少し関連するところでお話です。質問というよりかは意見に近いものでお話しさせていただければと思います。AIが普及すること自体は悪いことではないと思っていて、便利なものは使えばよく、時代の流れの、文化の更新という意味では使えばいいのだろうと私も思っています。ただ、AIもまだ精査ができていないという部分が大きいでしょうし、例えば日常で使っているAI、私自身が使っているAIでも、使うAIの会社によって特徴があったりしています。ここのAIで調べるとこの情報が出てくるけれども、こっちのAIで調べると全然違った情報が出てくるというようなところが今特徴として出ていて、それが時代とともに精査されていくのだろうという予想はつくところです。森下座長がおっしゃったように、これがあと半年後にどうなっているのかというのは私も気になっている部分ではあります。
AIは、事実をどうやって分析していくかというところは得意なんだと思うんですけれども、その事実自体が、今座長が言われたように、各個人の感情と重なって事実が上書きされてしまっているときに、実際に起こっている事が見えなくなっていることに対して、AIはとても苦手なのだろうと思っています。なので、何が事実かというところが消費者にとっては分かりにくい部分で、そこに感情が上書きされているところには、人がお話を聴くしかなくて、その意味ではAIと人のつながりがとても必要なのかと、感じているところです。
例えばお客様窓口の電話番号が書いていない会社もだんだん増えてきておりますので、特に紛争解決機関になる場合には必ずどこか人につながる道を分かりやすくサイトに作っていただく必要が、これからのAIの普及とともに必要になってくるかと思います。
一方である意味時代に逆行するような部分ではあるのですが、電話の苦情が大変だからこそだんだんメールや機械になってきたのだと思いますが、AIが普及したときには逆に電話につながるというところの道を分かりやすく作っておくというところが、必ず必要になってくるかというところです。
さらに、私自身の経験からも、AIのハルシネーションを避けるためには、できるだけ多くの正しい情報を公開していくしか方法がありません。それは従来のホームページのアップという頻度より高く、細かい情報を分かりやすく公開をしていかないといけなくなります。AIはそれらの情報を見ているわけですから、そこの情報のアップの仕方というのが今後、それぞれの指定機関の中でAI対策としては一番必要なことなのかと感じています。ぜひ皆さんには、いたちごっこというのは否定できない部分ではあるんですが、これだけAIというものが盛んになってきている時代には、情報公開の道筋と、人にどうやってつなげるかという2点を、大きく御検討いただきたいと思っております。
【森下座長】
ありがとうございました。
今の田中委員の御指摘について何かございますでしょうか。
なるべく正しい情報をたくさん出していこうというのは、多分、前回もそういう御指摘があったと思いますので、ぜひ御協力いただけますと幸いです。ありがとうございます。
他の御意見、お願いいたします。
【森田委員】
金融庁の森田です。いつもお世話になっています。金融庁の立場としての発言では全くないんですけれども、AIを使っていろいろな前提で相談に来てくれるのは、それは人が正せばいいかと今、思っています。私が一番懸念しているのは、AIの間違った情報に納得してそれでいいんだ、誰にも相談しなくてAI相談したっていいんだという形で終わってしまうのが一番怖いのではないかと思っておりまして、先ほど田中委員からもありましたように、正しい情報を数多く公開してやっていくしかないのかと。
前回の会合でも私、お話ししたかと思うんですけれども、詐欺業者のほうが先に間違った情報をインターネット上にたくさん公開してしまって、これはすばらしい商品なんだと、これは間違いないんだと、登録番号なんかも全部先に多数入れてしまわれると、間違った情報のほうに誘導されてしまうのではないか、そこをどうしたらいいのかというのが皆さん方、私どもも含めて、相談が来ないものをどうやってやっていくのかというのが、金融庁の立場での発言ではないんですけれども、一個人として疑問に思っているところです。失礼いたしました。
【森下座長】
ありがとうございます。大変重要な御指摘をいただいたと思います。いかがですか、今の点について何か、御自身の業界の範囲を超えてもいいと思うのですけれども、AIに相談してしまって、本来だったらもっと違う相談の仕方があったり、本当はもっと違う選択ができたはずなのに止まってしまうという、それをなくすために何か業界として、あるいは社会としてできることはないかという問いかけだったと思いますけれども、いかがでしょうか。
今、金融庁さんでもいいですし業界団体さんでもいいですけれども、消費者の方が金融に関してAIとどう付き合うべきかという、消費者向けAI利用ガイドのようなものというのは、作っておられるかどうかは、いかがですか、まだですかね。
【髙島室長】
金融庁としては消費者向けAI利用ガイドラインのようなものは発出していない状況です。各ADR機関や金融庁から発出していくのは容易ではないとは思いますが、ADR協議会の場も活用しながら、皆で議論をしていければと思います。
【森下座長】
ありがとうございました。
いかがですか、今の点に関連して。坂委員、お願いします。
【坂委員】
3点ほど、先ほど来出ているところとも幾つか関係するところがありますので発言させていただければと思います。一つは相談者のAI利用ということで、相談者が相談の前にAIで調べてくるというのは、我々、弁護士の相談でもかなり増えてきているという印象がございます。中には指摘のとおり自己に有利な回答にこだわる相談者の方も見られるところですけれども、こうしたときにはより専門的な見地から丁寧に説明していくということが肝かと思います。金融ADRにおいてもぜひ専門性を発揮して、AIに勝る信頼を得られる取組をお願いできればと思います。
2点目ですけれども、SNSやAIを使った詐欺的な相談等についてです。こうした相談については、基本的には金融ADRの場では解決がなかなか難しいと思いますが、まずは関係機関に適切につなぐということが重要だと思います。特に被害の救済、あるいは被害の拡大の防止のためには、例えば新たな手口などをできるだけ早く検知して、関係機関で情報共有し、できるだけ早く対策を打っていくということも非常に重要なところだと思っております。そういう観点からしますと、おそらく幾つかある窓口の中でも、金融ADRの窓口というのはかなり早い段階でそういった相談が入ってくる可能性が高いもののうちの一つだろうと思います。
そこでできるだけ早く関係機関と情報連携をする、あるいは対策をする体制が現在どんな形であるのか、ないのかということについて、もし何か取組があるのであれば教えていただければと思います。相談者に、例えば警察に行っていただく、他の相談窓口に行っていただくということもあろうかとは思うんですけれども、そうではなく、相談者の了解を得つつ、ダイレクトに関係機関と何か情報を共有する、あるいはその先の対策につなげていくということがもしあればありがたいと思いますし、そういったものができるだけつくられていくということも必要なのかと思います。
それから3点目ですけども、紛争解決手続におけるAI利用についてです。AI利用についてはその特性に留意しつつ、適切な範囲で効率化に資する利用を考えるというのが基本的な方向性と思います。先ほど来も幾つか指摘がありますが、私のほうでは2点、留意点があるのではないかと思っております。一つは金融ADRに持ち込まれる案件というのは、それぞれに事案の個性、特性があるということと。特にこの分野では過去にはなかった新しい金融サービスですとか、新しいタイプの紛争が持ち込まれるということも少なくないように思われます。
こうした課題への対応というのは、過去になかったということであるような場合は特にそうだと思うんですけれども、AIというのは必ずしも、得意でない面があるように思います。主張の整理等においてAIを利用するということを検討するときには、こうした点を十分留意する必要があるのではないかと思います。いま一つは、紛争解決手続では解決に向けた当事者双方への説得が行われると思うんですけれども、こうした説得というのはおそらく委員の先生方が、言わば五感を駆使して行うというところがあるように思います。現状ではこうした点も、必ずしもAIが得意としないところである可能性があるように思います。あるいはこうした点についてAIを使っていくときに、当事者の内心を探るなどのおかしな使い方をすると、別の問題を生ずるようなところもあるように思いますので、この辺は慎重な検討が必要ではないかと思います。
金融ADRのAI利用については御報告いただいたところでありますけれども、恐らく個別の金融機関の相談現場ですとか、あるいは顧客対応現場では、かなりAIの利用というものが進んでいるのではないかと思います。こうした知見というのは金融ADRにおいても参考になるようにも思われます。もし各機関で、個別の金融機関での議論状況ですとか実施状況について何か把握しているところがあるようでしたら、教えていただければありがたいと思います。以上です。
【森下座長】
ありがとうございました。
幾つかお尋ね事項もありましたけれども、いかがですか。例えば比較的新しい、SNSなんかもそうかもしれませんけれども、トラブル事例、犯罪事例なんかがあったときに、ダイレクトにいろいろな関係機関と協力をして情報提供しているのか、していったらどうかというお話ですとか、個別金融機関におけるAI利用を紛争解決機関におけるAIの利用に結びつけていくような可能性、あるいはそういった事例はあるでしょうかというようなお尋ねであったように理解しておりますけれども、いかがでしょうか。
例えば先ほどSNS関連で、貸金業協会さんから最近の傾向についてのお話がありましたけれども、そういったケースというのは紛争解決機関として様々なところとうまく連絡を取り合いながら動いていらっしゃるという理解でよろしいでしょうか。
【菅原委員】
そうですね。特に昨年度で言いますと、上期と下期に分けて、全国の消費生活センターの相談員の方々と東西それぞれで情報共有の場を設けました。そこではこのような詐欺事案の事例の内容についての情報共有ですとか、貸金業界の取組についても説明をしています。例えば、大手貸金業者を中心に、スマホでの申込みの際に、申込み手続きの途中で、「これは詐欺ではないですか」「このようなケースに該当しませんか」というような注意喚起のポップアップを表示するなどの対策を実施しています。また、信用情報機関に問い合わせた際に、既に照会件数が多く出ている場合には断るとか、当日の融資をしないとか、様々な対策をしています。こうした業界の取組についての情報をこちらから提供したり、消費生活センターの相談員の方から「このような事例があるが、どのように対応しているか」といった相談や情報共有をいただいており、相互に連携を図っています。また、大手を中心とした貸金業者と個人信用情報機関及び当協会で定期的に詐欺事案への対策をどのように進めていくかについて連携を図っています。
【森下座長】
ありがとうございました。
では、斎藤委員、お願いいたします。
【斎藤委員】
ありがとうございました。少しだけコメントさせてください。
AIの利用ということで、非常にいいタイミングでテーマに取り上げていただけたと思っております。とはいえ非常に大きな影響というのはまだ今回の段階では出てこなかったかと思いますが、各機関で共通している影響が2点あったかと理解しました。一つは運営側でAIを補助的な使い方をしている。資料作成したりとか、リサーチに使ったりとか、コールセンターに使ったりとかというようなことで、これは大変有益な影響だということを認識しました。これは企業でも、我々弁護士でも、非常に有益に使っているところではあると思います。
もう一つ、当事者側がAIを使っていることの影響です。ハルシネーションによる間違った情報に基づいての主張が散見されるとのことで、これに対しては他の委員もおっしゃっているように十分な説明が必要だと思います。また、AIで綺麗に整った書面といったお話もありました。私もあっせん人をやっていて最近感じてるのは、AIで作成したであろうと思われる書面が増えていることです。これは、確かに主張は整理されて分かりやすい点もあるんですけれども、一方で当事者が何に怒っているのか、何が不満なのかというのは逆に見えにくくなっている。そうすると、ADRは裁判ではないですから、どこが不満なのか、何をどうすれば解決に導くことができるのかというのが、逆に見えにくくなっているところがあるのではないかという気が、あっせん人として感じています。
よく交渉学でいう統合型交渉の考え方では、立場よりもその人のインタレストもよく見極めてウィン・ウィンの解決をすることが提唱されていますが、このインタレストを見つけに行くというのが、AIがきれいにしてしまっていることで、また、あとどなたかおっしゃっていましたけれども、ありとあらゆる主張可能な論点を羅列してしまっていることで、逆にインタレストが見えなくなっているというところがあると思います。そういうときにあっせん人がどうヒアリングしていくか、そういったスキルが求められていくのかと思います。
現段階ではそのぐらいの影響かと思いますが、半年後、1年後、どんどんAIが進化する中で、将来を見据えたディスカッションを、というお話が座長からございましたので、あっせん手続の中でAIをどう利用していくか、についても触れたいと思います。和解案をAIに作らせるのはまだなかなか難しいというコメントが幾つかの機関からされましたが、私も現段階ではそう思います。例えば裁判の判決は法律を事実に当てはめて権利義務の存否を確定する作業ですから割とAIは得意で、研究者の一部ではもうAIで判決作成が可能ではないかという方もいらっしゃるぐらいですけれども、それがいいかどうかは別として、ADRの場合は田中委員もおっしゃったように感情の問題をどう解決するかということが大きいのでそれを考慮した和解案を作成するのはより難しいと思います。また現在のAIはインターネットや公開されている情報を前提にデータを取り入れて回答を出すそうですから、法律とか制度の知識、あるいは公開されている判例などを前提に判決書きをつくることはできるかもしれませんけれども、ADRの紛争事例は簡略化された事例以外は情報として公開されているわけではないので、AIが和解案を創案するというのは、今の段階ではまだ難しいかと思います。
ただ、今後、さらに先取りした言い方をすると、ODRにAIを組み込んでAIにあっせんができるかというような、いずれそういう問題も出てくると思います。現状では、今言ったような理由でなかなか難しいと思いますが、これも半年後、1年後どうなるか分かりません。AIも心理学の知識を活用していろいろな工夫した和解案をつくってくるようになるかもしれませんし、また誤情報などもだんだん減ってくると思いますし、我々としては、AIはここまでは無理だよねというのではなくてAIの進展具合を見ながら、今後どうやって活用できるか、逆にどのような制限をかけた方がよいのか、などを、ぜひ1年後とか2年後とか定期的にここでもテーマに取り上げていただけるといいなと思っております。以上です。
【森下座長】
ありがとうございました。
坪田委員、お願いいたします。
【坪田委員】
ありがとうございます。全国の消費生活センターで消費生活相談員をしている者で構成している団体でございます。
今、皆様から伺ったお話、全くそのとおりだと痛感しておりました。弁護士の先生のところでもあるとおっしゃっていましたが、消費生活センターでも、同じような状況はやはり発生しております。消費生活センターでなかなかあっせんが難しいものに関しましては、金融関係はADRを御紹介することが多々あるわけですので、御紹介の仕方なり、いま一度、しっかりとしていかなくてはならないですし、また連携をさらに強めていくことが必要かと感じております。
消費生活センターでも、AIで事前にチェックをして自分のトラブルがどうだろうかと分析をして、回答まで出して相談にこられる方が見られるようになりました。当然なんですけれども、AIには何を質問するかが鍵であります。なかなか人間というのは全てを、重要なことも含めて、それを質問することは難しいですし、相談者自体がそのトラブルの原因がどこにあるかということが分からないこともありますので、いわんや結局、若干異なる回答が出てきてしまう。相談員のほうがそれをもっとしっかりと聞き取りした結果、AIの回答とは少し違う回答をすると、AIは電子頭脳という印象なのでしょうか、金科玉条のように思っている方がまだいらっしゃるのは事実です。
AIが助言をするのはよろしくて、消費生活センターの188を案内してくれることも周知していただいてありがたいんですが、寄り添っていろいろと助言をしてくださった後に、そういうことは188、消費生活センターに相談しましょうと、最後は投げつけて振るという状況がございます。その影響か定かではないんですが、このほど消費者白書も出ましたが、大体年間90万件の全国の相談件数が今年は97万件ですか、上がっておりまして、これが具体的にある属性の相談、ある取引形態が急に増えたというわけではなく、よくは分からないんですが、私どもの会員の現場感覚から見ると、恐らくそれが影響しているのではないかという状況も起こっております。
同じ相談を対応している立場としましては、通常は消費者の方はよく分からないトラブルに遭っていますので、私どもの知識、情報、まずはそれをお伝えして助言をすることで、一つ作業が終わるわけなんですが、間違った情報をインプットされていますので、なぜそれがその消費者の方にとっては間違っていて、ふさわしくない回答であるかということを説明した上で、今度は正しい考え方を御説明するということで、非常に相談員のスキルが求められてきていることを感じております。恐らくそれはADRの受付の相談の窓口でも同じようなことを感じていらっしゃると思います。
AIは非常に便利でこれからは大いに活用していくべきツールですが、こういったことに対しては、正しい使い方ということになりますと情報リテラシーの問題になってきます。携帯電話が出てインターネットが出始めた頃からどんどん進化していますが、ずっと情報通信関連の消費者トラブルはたくさんあります。最近の傾向として、よく若い方からの出前講座の依頼の中に、この情報リテラシー、特に詐欺業者、もうかるよということで、もう声もそっくりで言ってくるようなものがありますので、そういった情報を見極めるということに対する消費者講座ということもだんだん出始めてきております。
実は私どもの会員もそういうことで活動はしているんですが、なかなかそれをする講師がいないということもございます。私どもとしても、こういったことも含めて今後は被害の防止、また被害にもし遭ってしまったときにはどういう形でどこを検索して相談に導くか、消費生活センターが一番簡易迅速な窓口なんですが、それだけにやれることの限界があります。訴訟は非常にハードルが高いですので、ぜひADRを利用していただきたいと思っておりますので、そこはしっかりと御案内をしたいと思っております。やはり消費生活相談でもAIに書かせた書面が来ることがあるわけですが、消費生活センターもADRも裁判官が判事するわけではございませんので、最終的には互譲でどうにかするということがあると、互譲の余地があるような形での申出がないと、もう白黒はつけられない状況になります。同じような課題を抱えている立場としてすごく参考になりましたし、連携してやっていきたいと思いました。以上です。
【森下座長】
ありがとうございました。
オンラインで山田委員から御発言の御希望をいただいていますので、山田委員、お願いします。
【山田委員】
発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
本日のお話、私も今までの方々と基本的に方向性は同じなんですけれども、今後、AIを使わないという世の中は多分、戻ってこないので、ここは問題性をいろいろと見極めつつ、いかにこれを上手に、あるいは悪用する人たちを上回って上手に使っていくかということかと思います。本日、お伺いしたところですと、AIの現在の、あるいは少し将来の利活用の側面として3点ほど、3側面ほどあるようにお伺いをしました。
第一にはインテークの部分ということで、ADRの選択にAIが使われているということでした。いろいろ誤情報に基づいた選択もあるということなのですが、対処方法として、先ほど来お話のあるように、正しい情報を開示していくということはもちろんですが、できればせっかくこの金融ADRの協議体がありますので、ここで合同で一種のプラットフォームをつくって、そこにさえ来てもらえば、こんな紛争なんですということを書き込めば、正しいところに導いてもらえるというような、プラットフォームをつくっていくと。こういったことは金融庁さんはもちろんですけれども、例えば法務省のODR推進政策ですとか、あるいはデジ庁ですとか、そういったところはそれぞれ関心のあるところかと思いますので、関心を共有する等して、そういった工夫が将来的にできればいいのではないかと思います。
二番目の側面としては、事案に関する記載にAIを用いるということです。こちらはすでにある程度なさっていて、例えば全銀協様はウェブ上の受付フォームに記載してもらうということなので、それの整理にAIを使っておられるのではと想像しますが、この側面での活用は比較的取りかかり易いように思います。ただ先ほど斎藤委員が御指摘のように、あまり整理され過ぎてしまうとニーズが分からなくなり、後に困るということですので、後ほど申し上げますけれども、やはり人間による補充が非常に重要だと思います。
第三には実体判断といいましょうか、実体的な情報の提供において補助的にAIを使うという場面でございまして、これにも恐らく2段階ぐらいあって、一つはこれまでのADRの事案をデータベースにしてそれを参照して、相談員なり紛争解決委員なりに開示をするというもの。第2段階は、裁判のデータベース化が開始されますので、そのデータを使ってAI利用をしていくということが考えられようかと思います。前者については、守秘義務の関係でこれもルールをつくらなければいけないと。後者については、データベース化が進みましても無料では多分使えないので、これは協議会等で共同の利用権限を得るといったことが将来的には必要になるのかと思います。座長から少し将来のこともというお話でしたが、しかしかなり近い将来で考えていかないといけないのかと思っております。
全体としては、先ほど少短協様からお話があったかと思いますけれども、ADRとしてAIをどう使っているのかは、ADRの前段階の相談とか苦情処理の段階での利用実態を含みますが、不正確、不足部分が必ずあるわけですけれども、それについて人がどのように補助や検証をしなければいけないのか、あるいは田中委員がおっしゃったように、AIはどこまでやるのか、最終的に人が担当することを確保しておくべきかということについては、行動規範のようなものを作成して、開示をして、社会の信頼を得ていくということが必要になってくるのではないかと思います。
こういったルールについては、国際的にはISO規格ですとか各種のところでソフトローをつくり出しているところでございまして、そういったものも勘案しながら、これもぜひ近い将来、簡単なものからでもいいので、AIのフェアユースですとか、セキュリティーをちゃんとやっていますとか、どこからは人がやりますとか、そういったことも開示していく規範が必要になってくるのではないかと思います。既に着手なさっているかもしれませんけれども、少し気が付きましたので申し上げます。以上です。
【森下座長】
ありがとうございました。皆様から、様々な将来に向けた御提案とかアイデアをいただきまして、ありがとうございました。ぜひここで終わりではなく、今後も検討を続けていっていただければと思っております。
それでは、加藤委員、お願いいたします。
【加藤委員】
加藤でございます。前回から委員に就任しておりましたが、前回は公務のため欠席し、本日が初めての参加となります。どうかよろしくお願いいたします。
私が申し上げたかったこと、感じたことは、ほとんど既に他の委員の皆様におっしゃっていただいたのですが、何点か付け加えさせていただきます。まず、AIやSNSをはじめとする技術の話ですが、それがそもそも問題の原因になっている、問題発生とか詐欺などの手段になっている場面、相談者の方が相談するかどうかなどを判断する際に使う場面、あとはADRの現場、実際の紛争解決の段階で使われるという場面の3つぐらいの異なる場面があって、それぞれにおいていろいろとまだ検討すべきことがあることが分かりました。それぞれの場面での対処の方法が異なる可能性がありますので、問題を区別した上で対策を考えていく必要があると思いました。ただ、共通する部分もあって、AIが参照する可能性のある情報、ここに留意することがやはり重要であると思います。今後はマシンリーダブルというか、どうすれば正しい情報をAIが参照してくれるのかということを考えながら、積極的かつ継続的な情報開示を考えていくことが課題になるということです。
あともう一つ、ADRの現場に立っていらっしゃる皆さんのお話の中で、相談者の方がAIを若干不適切な形で使ってしまっている場合があり、その結果、ADRがうまく進まないということもあるというご指摘がありました。そういったことについては、先ほど山田委員がおっしゃったように、そもそもどうやって使うことが望ましいのかということを相談者の方が分かるような仕組みがあるといいと思いました。ただ、そのためには実例を積み重ねる必要があるという気がしておりまして、ここは紛争解決機関の皆様が、例えば相談者とやり取りをする中でAIによって調べてきましたといったことを相談者の方から言われた場合には、どうやってAIを使ったのかに関する実例を地道に集積していくと、どういった聞き方をするとどういう反応が返ってくるかというところが分かってくるかと思います。そういった点に関する調査をした上で、要は相談者の方がこういうふうにAIを使っていただくとADRなどの運営もスムーズにいくということを、我々も考えていく必要があると思いました。私のコメントは以上です。
【森下座長】
ありがとうございました。
他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。お願いいたします。
【髙島室長】
皆様、貴重な御意見ありがとうございました。様々御意見をいただいた中で、ADR協議会という場において情報共有及び議論をしていく、また必要に応じて対応を行うということが望ましいといった御示唆を複数いただいたと考えております。ぜひ次回のADR協、またはそれ以降のADR協も活用しながらしっかりと議論をしていきたいと考えております。また、1~2年後にもまたこのテーマで本会議を開催できればとの御意見もあったかと思います。社会の変化やADR協議会での議論を踏まえて、再度同種のテーマでの開催を検討していきたいと思います。
【森下座長】
ありがとうございました。
本当に貴重な御示唆を数多くいただいたかと思います。大変ありがとうございました。
それでは、次の議題である金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況等につきまして、金融庁金融サービス利用者相談室の森田委員から御説明をいただき、続いて金融ADR連絡協議会、第46回及び第47回の概要につきまして、事務局から御報告をお願いいたします。
【森田委員】
それでは改めまして、金融サービス利用者相談室の室長の森田です。よろしくお願いいたします。日頃からADR機関の皆様、また委員の皆様には大変お世話になっています。この場を借りて御礼申し上げます。
それでは、私のほうから御説明をさせていただく資料は、お手元の資料3-1、3-2となっております。まず、3-2のグラフのほうから、資料の一番後ろから2枚目のところについているのではないかと思います。グラフを見ていただければと思います。このグラフは令和3年の1~3月期から令和8年の1~3月期までということで、ちょうど5年間とらせていただいているところでございます。
令和3年頃は1万件前後でございましたが、今足元では1万5,000件前後ということで、おおむね年率7%ぐらいで伸びているのかと思っております。凸凹ありますけれども、令和7年1~3月期以降、投資商品に関する相談というものが全体を押し上げる要因となっているかと思います。そのほかのピークについて改めて御説明をさせていただきますと、令和5年の1~3月期の辺りに預金融資でピークが出ておりますが、これは個別金融機関にかかりますテレビ報道に関する質問ということでございます。その横の、これは小さな出っ張りですけれども、令和5年の7~9月期、これは保険商品関係が増えておりますが、これはコロナ関係の保険金の支払いと認識をしているところでございます。
お手元の資料をお開けいただきますと、3-1のほうにお戻りいただきたいと思います。今回、2期分をつけさせていただいております。1ページから13ページまでが令和7年10月~12月期、14ページ以降が令和8年1月~3月期となっております。直近の令和8年1~3月期、14ページの資料のほうで御説明をさせていただければと思います。この期は前期に比べて全体的にプラスになっている項目が多いんですけれども、そもそもの相談日数も前期に比べまして減っておりますので、1日当たりの相談件数としては増えていると認識をしております。
預金・保険・投資、大きく3桁伸びておりますけれども、やはり投資商品に関しましては詐欺的な相談等も含めまして相談が寄せられております。先ほど委員の方から御指摘がありましたけれども、AIでありますとかチャットボットですとかいろいろな各金融機関のチャネルというのは増えているんですけれども、結果、人につながらないAIチャットボットでは答えが出ない、電話は待たされていつまでたってもつながらないといた感じで、金融機関の窓口につながらないという相談が、そんなに急激に増えているわけではないんですけれども、やはり一定数あるのかとは感じているところでございます。
資料の24ページを見ていただければと思います。こちらは詐欺的な投資勧誘に関する情報の受付状況となっております。一番下のところに時系列で載せさせていただいておりますが、令和7年の1~3月、これはすみません、年度で書いておりますので、令和8年の1~3月期という形になりますけれども、足元では少し減ってきている感じでございますが、令和5年、令和6年などを見ますとそれよりも高い水準にございますので、高止まりしている状況かと思います。やはり被害の後の相談というのが数多く寄せられておりまして、このようなものに対しまして丁寧に今後の対応について御説明をさせていただくとともに、被害前のものにつきましては一切のコンタクトをとらないようにアドバイス等をさせていただいているところでございます。
簡単ではございますが、私のほうから相談の受付状況につきまして、御説明させていただきました。
【髙島室長】
続きまして、金融ADR連絡協議会について御報告をさせていただきます。当該協議会におきましては、金融ADR機関同士の連携を強化すべく、定期的かつ実効性のある情報交換ですとか意見交換を行うために、当庁を事務局といたしまして、指定8機関の実務責任者が参加をして、概ね四半期ごとに開催をしております。
資料4を御覧いただければと思いますけれども、第46回会合を本年3月に開催いたしまして、今回の本会議の前段といたしまして、金融ADRにおけるAI活用の現状及び課題について、指定8機関の皆様と議論を行ったところです。また、47回に関しましては、メール等のやり取りを通じて、第46回会合における議論を踏まえて、今回のテーマでありますAI・SNS等の普及による金融ADRへの影響について、資料を検討いただいたというところになります。
先ほども申し上げましたけれども、この議題に関しては、今後、より深く議論をしていくべき項目があるかと思いますので、次回以降のADR協議会でも議論を進めたいと考えております。
事務局からは以上になります。
【森下座長】
ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問などございますでしょうか。よろしいでしょうか。
以上で本日取り扱うべき議題は全て網羅できたかと思っております。今日はAI・SNSということで、比較的新しいテーマを取扱いましたけれども、皆様から先を見通した部分も含めていろいろな御示唆をいただいたかと思っております。先ほど髙島室長からもお話ありましたけれども、ここで出たアイデアをぜひ今後につなげていって、金融界は取組が早いと、フォワードルッキングでちゃんと対応できているというような方向へと進んでいくことができればと考えておりますので、また今後とも引き続き皆様の御協力をお願いできればと思っております。
また、先ほど詐欺的な投資勧誘に関する情報の御報告もいただきましたけれども、改めて見てみると、3か月で1,947件の被害の申出があったと、1日当たり20件以上被害に遭っているとおっしゃっている方がいるということで、やはりここで満足するというのはよくないと思いますので、少しでも減らしていくという方向で、官民合わせて努力していくことが重要なのではないかと考えております。
それでは、次の議題である議事次第の第6につきまして、事務局からお願いいたします。
【髙島室長】
今回の第70回の会合をもちまして、森下座長、坂委員、田中委員、唯根委員の4名が退任されます。4名の皆様におかれましては、様々な視点から金融ADR制度、指定紛争解決機関への御助言や御所感をいただきまして、誠にありがとうございました。それでは、退任に当たりまして、森下座長から御挨拶をいただきたいと考えております。森下座長には第52回から第68回まで委員をお務めいただきまして、その後、第69回からは座長をお務めいただきました。法学の専門的見地に基づき、委員としてはもとより、座長としても本会合の運営、議論の取りまとめを通じて、金融ADR制度の充実・発展に多大なる御貢献を賜りました。それでは、森下座長、よろしくお願いいたします。
【森下座長】
座ったままで失礼いたします。長い間に渡りまして大変お世話になり、ありがとうございました。この間、どこまでお役に立てたか本当に全く自信がないところなのではございますけれども、この場で各機関の皆様がどれほど御苦労されていろいろ日々の問題に取り組まれているかというようなことを勉強させていただきました。こういったことが今後の金融機関の実際の経営にうまく反映されていくことが、スムーズに進んでいけばいいなと強く感じているところでございます。
ここで議論がされていることというのは研究者として取り組むべきテーマというものも多々あるかと思いますので、今後は研究者としての立場で金融トラブルを少しでも減らすことに貢献できるように頑張ってまいりたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【髙島室長】
ありがとうございました。
続きまして、坂委員から御挨拶いただきたいと思います。坂委員におかれましては、第52回より委員をお務めいただきまして、弁護士としての豊富な御経験と専門的見地から、金融ADR制度の向上のため、大変貴重な御意見をいただきました。坂委員、よろしくお願いいたします。
【坂委員】
皆さんありがとうございました。最後ですので、この10年間、特に意を用いてきたこと2点と、それからあと一言、二言、述べさせていただければと思います。まず、この10年間、少し重視をしてきた点、1つ目です。この10年間の前半の時期に何度か発言させていただいた点なんですけれども、実態把握の重要性という点です。ADR機関は裁判と異なる、話し合いによる紛争解決の機関ですけれども、紛争解決のためには可能な限り実態把握を行って、紛争解決委員が事件をよく知った上で双方に解決を促すということが肝であると思います。客観的に確認できる事実は何か、紛争の原因は何かなどの実態把握を、今後とも重視していただければと思います。
もう一つは10年間の中盤に何度か発言させていただいたことですけれども、金融機関の窓口、あるいは業界の窓口としての金融ADRの重要性です。私はこちらの委員になる前頃に、金融以外の業界の、製造、販売、サービスの業界におけるお客様相談窓口の情報が業務の改善や商品サービスの開発にいかに貢献しているのかということを具体的に学ぶ機会がございました。そこでは、多くの現場において苦情相談を生かす仕組みがつくられ、機能していたと認識しております。金融機関においてもこうした仕組みができてきていると思いますけれども、さらにブラッシュアップしていただければと思いますし、また金融ADRはかかる点においても非常に重要な役割を果たし得ると考えております。
それから今日の議論を踏まえて一言、二言なんですけれども、一つは今日の御報告の中で、FINMACから証券の不正アクセスに関する御報告があったかと思います。今日の議題の必ずしも中心ではないかもしれませんけれども、金融ADRの現場からそういった声があったことについては、重く受け止めるべきであると思います。
それからもう一つ、10年間の感想ですけれども、やはりこの10年間のうちに金融ADR機関のいろいろな力も、高まってきたという印象を持っております。ここでの今日の議論もかなり高度な議論がされたと思います。私は今日で一区切りではありますけれども、今後ともひとつどうぞよろしくお願いします。どうもありがとうございました。
【髙島室長】
ありがとうございました。
続きまして、田中委員から御挨拶いただきたいと思います。田中委員におかれましては、第52回より委員をお務めいただきまして、紛争解決の実務及び消費者の視点を踏まえた御見識に基づき、金融ADR制度の向上のため、大変貴重な御意見をいただきました。田中委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【田中(圭)委員】
長い間、本当にどうもありがとうございました。私自身、金融ADRに関わるようになり、金融庁さんに初めて伺ったときはプレハブの建物でした。その後有識者会議等も参加させていただいてここに至っています。長い間、金融ADRって何だろう、目指すものは何だろうという視点、理念をもとにいつも御発言させていただきたいと思って参加させていただいておりました。
その中で、いつも金融庁からのテーマがとても先鋭的な、時代を先取りするようなテーマで、高齢者、カスハラ、今日はAIというような形で、いつも時代を先に読みながらADRとして何をしていくべきかというところ、視点というのがとてもいつも面白かったと思っています。テーマが事前に来たときに、ああ、こうきたのかと、いつも感心しながら、面白く、興味深く拝見させていただきました。それと同時に、各金融機関の皆様がそれにとても真摯に誠実に対応してくださって、事前に御準備いただいて御意見を聞けるというのが私もとてもうれしく、その誠実な対応が健全な金融マーケットの発展につながっていけばとてもうれしいと思っていたところです。
最後に、今後の見通しとして2点、申し上げさせていただきたいんですが、先ほど座長のほうからフォワードルッキングというところが出てきましたが、そこがまさしくADRが目指すところなのではないかと思っています。裁判というのはやはり過去の事実を精査して誰かが判決を下すというところですが、ADRはそうではなくて、将来を見越してどうしていくかというのを決めていく場所です。もちろん、そこには過去のものが出てくるかと思いますが、そこに裁判との違いというのが一番違いとして出てくるかと思っています。それを金融ADRとしてどういうふうに見極めていくか、これから制度としてつくっていくかというところが、まさしく理念に直結している部分なのではないかというところでした。
2点目ですが、先ほど申し上げましたように、それぞれ先鋭的な視点で各論を述べていくというところは論じていくというところはとても必要なのですが、この金融ADRが立ち上がったときから課題になっていますし、今、先ほど山田先生からも御示唆があった部分ですが、横断的に金融ADR全体としてどのようにしていくかという点は、そろそろ本格的に議論をすべきところとして残っているのではないかと思います。この2点を、ぜひ皆様に今後御検討いただきたい課題としてお願いして、御挨拶とさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。
【髙島室長】
ありがとうございました。
最後に、唯根委員は本日御欠席でございます。唯根委員におかれましては、第41回より委員をお務めいただきまして、金融ADR制度の向上のため、消費者側の視点から大変貴重な御意見をいただきました。
御退任される森下座長、坂委員、田中委員、唯根委員、長きに渡り金融ADR制度の発展に多大なる御尽力、御貢献を賜りましたことを改めて心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
【森下座長】
ありがとうございました。
それでは、本日の協議会はこの辺りで終了したいと思います。
なお、次回、第71回の協議会につきましては、追って事務局から御連絡をさせていただきます。
皆様、大変お忙しい中、どうもありがとうございました。
(参考)開催実績
- 問合せ先
-
- 電話受付
受付時間:平日10時00分~17時00分
電話番号:0570-016811(IP電話からは03-5251-6811)
- ウェブサイト受付
(注)金融行政等に関する一般的なご質問等は金融サービス利用者相談室で承ります。
- 電話受付
- 所管
-
銀行・証券監督局総務課金融トラブル解決制度推進室(庁内用2711、2503)

