第54回金融トラブル連絡調整協議会 議事録

1.日時:

平成30年1月11日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

○山本座長
 おはようございます。ただいまから第54回金融トラブル連絡調整協議会を開催いたします。本日は、ご多忙のところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
  
 まず、事務局から人事異動等に伴う委員の交代のご紹介をお願いいたします。

○西原室長
 おはようございます。事務局を務めます金融庁総務企画局企画課金融トラブル解決制度推進室の西原でございます。よろしくお願いします。
  
 まず、人事異動等に伴いまして、交代がございました委員の方につきまして、所属団体とお名前のみとなりますが、紹介します。

 まず、消費者行政機関及び金融当局としまして、消費者庁消費者教育・地方協力課長、尾原様。全国消費者団体連絡会事務局政策スタッフ、大出様。国土交通省土地・建設産業局不動産市場整備課不動産投資市場整備室長、佐藤様。最後に金融庁ですが、総務企画局政策課金融サービス利用者相談室長、岡根。本日、岡根の代理で石井補佐が出席しております。同じく金融庁監督局総務課長、堀本。なお、堀本委員につきましては、本日は遅れて出席する予定でございます。
 
 委員の交代は以上でございます。

 なお、交代ではございませんが、全国労働金庫協会におかれましては、本日、保坂様が関山委員の代理で、また、総務省におかれましては、長井様が牛山委員の代理でご出席されています。
 
 また、田中委員におかれましては、ご都合により欠席されています。

 人事異動に伴う委員のご紹介は以上でございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 それでは、議事に入りたいと思います。お手元の議事次第ですが、Ⅲのところですけれども、各指定紛争解決機関の業務実施状況(平成29年度上半期)につきまして、資料1に基づきまして、事務局からまず概要の説明を受け、ご質問等がありましたら、事務局あるいは各指定紛争解決機関にご対応いただきたいと思います。

 まず、事務局よりよろしくお願いします。

○西原室長
 それでは、平成29年度上半期の指定紛争解決機関の業務実施状況につきまして、資料に沿いましてご説明します。

 資料1-1、1-2、1-3とございますが、このうち、前後しますが、1-3についてご覧ください。

 1-3の第1ページ目、これは表紙めくって第1ページ目ですが、苦情処理手続受付件数を半期ごとに示しております。27年度下半期以降、減少傾向にございましたが、29年度上半期におきましては8機関合計で3,549件、これは前年同期でございます28年度上半期に比べましてマイナス16%の減少となっております。また、機関別に見ますと、全銀協、損保協会、FINMAC等で減少しておりますが、このうち全銀協とFINMACに共通するのは、市場の落ち着きにより市場性商品関係の苦情が減少したこと、また、損保協につきましては、保険金の支払い事由でございます交通事故の減少によるものと聞いております。なお、全銀協におかれましては、このほか住宅ローン、消費者ローン等の貸付業務に関する苦情も減少しているということでございます。

 次に、1-3の2ページ目でございます。これは、苦情処理手続における結果の比較でございます。円グラフが2つございます。右の円グラフが29年度上期の状況でございます。約7割強が解決という結果に至っていまして、これは、左側の円グラフでございます28年度上期の状況とほぼ同様となっております。

 続きまして、1-3の3ページ目でございます。苦情処理手続の終結に要した期間の比較でございます。円グラフが2つございますが、右側の29年度上半期の状況としまして、28年度の上半期、左側の円グラフと同様、全体の約7割が申し立て後約3カ月未満で終結しておりまして、全体として見ますと大きな変化は見られないということでございます。

 次に、1-3の4ページ目でございますが、これは紛争解決手続の受付件数の半期別推移を示しております。27年度上半期以降、概ね横ばいとなっておりましたが、29年度上半期におきましては苦情処理受付件数の減少等もあり、8機関合計で576件、これは前年同期となります28年度上半期に比べましてマイナス9%の減少となっております。

 次の5ページ目でございますが、これは紛争解決手続における結果の比較でございまして、円グラフが2つございまして、右側の29年度上半期について見ますと、8機関合計で、特別調停によるものを含めた和解成立割合が42%となっておりまして、左側の28年度上半期と同様の傾向となっております。

 1-3の6ページ目でございますが、これは紛争解決の終結に要した期間の比較でございます。右側の円グラフ、29年度上半期におきましては、全体として約7割が6カ月未満の期間で終結しておりまして、左側の28年度上半期の状況と大きな変化はございません。

 次に、1-3の7ページ目でございます。これは5ページ目で触れました和解成立割合につきまして、各指定紛争解決機関ごとに示しております。全体としましては42%の解決ということでして、これは前年同期につきましても同様となっております。

 最後に、この件数に関する参考でございますが、後ろから3つ目の資料にA3の横長の資料がございます。これは、ADR機関を含めました業界団体全体におきます相談・苦情・紛争の件数につきまして、平成15年から28年度までの件数の推移を示しております。全体としましては、相談件数、苦情件数は減少傾向で推移しておるということ。また、紛争件数につきましては前年度比で28年度におきましては8%とやや増加が見られますが、それほど大きな変化といいますか、傾向の特色はないのかなと考えております。

 業務執行状況につきましての説明は以上でございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 ただいまの概要説明につきまして、ご質問、あるいはご意見等がおありでしたら、お出しいただければと思います。どうぞ、森下委員。

○森下委員
 1点だけ教えていただければと思います。資料1-1で苦情の処理の終了事由の内訳件数が書かれていますけれども、そこで「その他」というところがありまして、解決でもなく、移行でもなく、応諾でもなく、「その他」というような部分に分類されているもの、例えば、全国銀行協会さんですと1割強あるかと思うのですが、例えばどのようなものがここの中に分類されているのかお教えいただければと思います。

○山本座長
 どうぞ、阿部委員、もし可能であれば。

○阿部(耕)委員
 このその他ですけれども、不調と移行以外の案件で手続を終了するものでありまして、例えば、申し出を取り下げたり、連絡がとれなくなったというもののほか、一番多いのは、銀行の方で対応し尽くしたんだけれども、その後、申出人のほうから反応がないという、いわゆる静観対応になっているものがあります。これはやっぱり継続的取引が多い銀行業界ならではだと思うんですけれども、なすべきことはしたんだけれども、申出人の方の反応がないので待ってみようと。その様子見期間であります。実はこれ、前回はこの件数は233件、28年度上期は233件ともう少し多かったんですけれども、私どもの外部有識者の会合で、実態上、静観であっても解決に見えるものをどんどん解決に上げていこうじゃないかとの指摘を受けまして、69件となっていますけれども、これは減少傾向にあると、そういうものでございます。

 以上です。

○森下委員
 ありがとうございました。

○山本座長
 よろしいですか。

○森下委員
 はい。

○山本座長
 じゃあ、酒巻委員、とうぞ。

○酒巻委員
 生保協会の30件につきましては、苦情段階で解決が難しい場合に、紛争解決手続に移行する申立書をお送りするんですけれども、申立書をお送りした後1カ月以上経ってもご連絡がいただけないものにつきまして、一旦、苦情処理手続を終了させていただきまして、ただ、その後、申し立てがあれば当然受理させていただきますという前提でございますけれども、そういうものがこの30件になります。

○森下委員
 ありがとうございます。

○山本座長
 損保は、もし……村田委員。

○村田委員
 損保協会です。2桁の数字、28件出ておりますけれども、今、銀行さんと生保さんが言われたのと別に、保険会社の誤りというのがありまして、申出人の方が何々保険会社ですという似たような会社のお名前があったので出したものの、違いましたという、こういうケースございます。

○山本座長
 よろしいでしょうか。

○森下委員
 はい。ありがとうございます。

○山本座長
 それでは、ほかに質問等がございましたら。概ねよろしい……。全体の傾向としては、件数は若干減少傾向にあるけれども、解決内容あるいは解決期間については特段の変動はないというようにまとめられるのではないかと思いますが。

 それでは、もしまた何かありましたら、後の段階でもお出しいただければと思いますけれども、便宜上、次の議題に移りたいと思います。次が議事次第のⅣになりますけれども、本日のメインテーマであります高齢者・障害者事案への対応ということでございます。これも、まず事務局から概要の説明をお願いし、その後、各指定紛争解決機関からそれぞれご報告をお願いし、その後、意見交換の時間をとりたいと思います。

 それでは、まず事務局からお願いいたします。

○西原室長
 まず、今回のテーマにつきましてですが、若干長くなりますので、着席してご説明します。

 今回のテーマに高齢者・障害者対応というテーマをなぜ選んだのか、なぜそういったテーマになったのかということでございますが、1つには、過去の金トラ協におきましても、高齢者・障害者にとって利用しやすい金融ADR制度を望む声が高かったということ。もう一つは、これは障害者法制に関することですけれども、我が国における少子・高齢化のさらなる進展ですとか、28年4月には障害者に対する理由なき差別の禁止ですとか状況等に応じた合理的配慮の実施を求める障害者差別解消法が施行されたことを踏まえまして、今回のテーマを選定したということでございます。

 次に、高齢者・障害者事案の対応としまして、他の案件に比べて、事務局として着目している事象について若干説明したいと思います。これは1つには、利用者の方の特性、特性といいますのは、例えば、高齢者の方で申し上げますと、身体能力ですとか認知能力、判断能力、記憶能力の衰えということがまずあるだろうと。また、障害者につきましては、視覚・聴覚障害ですとか肢体が不自由であるとか、知的・精神障害ですとか発達障害といった、利用者の方々の特性や状況ですとかを踏まえた合理的な配慮がADR機関においてなされていない場合、指定機関に対する相談・苦情の申し出ですとか紛争解決の申し立て及び解決に向けた手続の途上で、利用者と指定機関の間のコミュニケーションが円滑に行われず、利用者保護にもとる結果を招きかねないということが挙げられます。

 次に、まず、高齢者・障害者事案について指定紛争解決機関はどのように取り組んでいるのかという点につきまして、これについては、お手元の資料でいいますと2-1と2-2でございます。前後しますが、2-2といいますのは分厚い資料となっております。これは、今回、高齢者・障害者事案に関して各指定紛争解決機関の取り組み状況の回答をいただいた内容でございまして、この2-2を要約したものが資料2-1でございます。2-1といいますのは、2-2の上についていますA3の資料ですね。2枚ございます。この2-1と2-2といいますのは、概ね大筋におきまして項目構成が共通しておりますので、この場では2-1の資料につきましてご説明します。

 資料2-1につきましては、2枚紙でⅠ番からⅦ番の項目で構成されています。このうちⅠにつきましては、指定機関のガバナンスに関する着眼点でして、また、ちょっと飛びますけれども、Ⅴ番以降ですね、Ⅴ、Ⅵ、Ⅶにつきましては、これ、2枚目のほうですけれども、利用者からのアンケートですとかフィードバック、同種事例の再発防止ですとか、業務検証といった、指定機関に対する一般的な監督上の着眼点に基づくものでございます。ここでは、今回のテーマに直接関連するⅡ番、Ⅲ番、Ⅳ番につきまして順にご説明します。

 まず、Ⅱ番、相談等の受付の円滑化の設問でございますが、これにつきましては①から③までございます。全体通しまして、Ⅱの趣旨は、高齢者・障害者がその特性ゆえにADR制度の利用を制限されないための体制整備がなされているかという点にございます。

 内容を申し上げますと、①では、利用者の特性を踏まえまして相談等の受付手段を多様化しているのかという点につきまして、全8機関中6機関、機関を申し上げますと、全銀協、生保協、オンブズマン、少短協、FINMAC、貸金協におきましては、メール、ファクス等を併用することによって聴覚障害者からの受付に備えるほか、一歩進んで、利用者の自宅訪問による相談対応も状況に応じて可能であるということで表明しておられる機関も、これは少短協でございますけれども、ございます。

 また、Ⅱの②ですが、これは高齢者・障害者の方々が気兼ねなく相談できるように、相談窓口の対応力向上に取り組んでいるのかということにございます。状況としましては、8機関中3機関、これは全銀協、生保協、FINMACですけれども、例えば、全銀協におかれましては、専門家の講師による研修ですとか、生保協におかれましてはマニュアルですとかを作る、それに基づく研修を行う。また、FINMACにおかれましては、認知症サポーターの配置ということで対応していくということで、今、取り組まれているものと承知しております。

 続きまして、Ⅱの③でございますが、この内容としましては、高齢者・障害者にとってわかりやすい手法で金融ADR制度を周知しているかというところでございます。ここにつきましては、例えば、全銀協におかれましては、高齢者にとってイメージしやすいイラスト入りの制度の説明冊子を作るといった取組みに着手しておられます。そうした高齢者・障害者にわかりやすい周知手段ですとか、例えばそのほかには、高齢者・障害者の身近にある施設との連携といったことが有効なのかなということで、今、事務局としては考えております。

 続きまして、Ⅲでございます。職員等の指導・監督、この設問の趣旨でございますが、これは、不当な差別的取扱いですとか合理的な配慮が、金融ADRでいいますと具体的にどのような行為を指すのかということを各機関内に浸透させることで、障害者等の目線に立った実践的な職員教育に取り組んでいるのかという点にございます。取組状況としましては、職員研修自体は8機関中7機関で実施済みでございます。また、一部未実施となっている機関がございますけれども、本年度中には実施するということで、今、計画を組んでおります。といった状況で、今、研修自体は取り組んでおります。また、このうち3機関におかれましては、障害を有する講師の起用、これは全銀協、生保協ですとか、また、少短協につきましては、障害者雇用企業への訪問を通じました対応ノウハウの取得、こういった取組みもされていると認識をしておりますが、全体を通して事務局の認識としましては、そういった研修ですとか取組みはございます。ただ、一面でいいますと、合理的配慮等の具体的事例を機関内で周知しているのは、回答内容に基づきますと、8機関中、全銀協と生保協なのかなという形で認識をしてございます。全銀協、生保協の取組みということを踏まえまして事務局の方でまとめていますのは、金融機関や一般的な事業会社にはないADR業務の特性、例えば、調停を進めていく業務ですとか、そのための当事者間の調整を図っていく業務、そういった特殊性を踏まえますと、ADR業務における合理的配慮の事例等の収集・蓄積といいますのも今後重要なのかなという形では認識をしております。

 同じくⅢにつきまして、これは項目ではございませんけれども、参考情報という形で、職員等における外部資格の取得状況というのを挙げています。その趣旨としましては、高齢者・障害者の来訪が予想される場合、接遇等に対する資格、例えばユニバーサルマナー検定ですとか、そういった資格の取得を職員に奨励する等の取組みを行っているのかという点、これが着眼点として挙げられます。取組状況としましては、8機関中5機関におきまして、これは全銀協、生保協、少短協、FINMAC、貸金協につきまして、そういった資格の取得を行っているという実績が上がっていると考えております。

 次に、Ⅳ番です。この項目名としましては、個別事案におけます金融ADR手続とございます。このⅣ番の趣旨としましては、利用者本人の意思――高齢者・障害者の方々ですね、の意思や意向を尊重しつつ、その特性や状況に応じて、代理人・介助者の立ち会いの容認ですとか合理的配慮の実施を通しまして、柔軟な解決を図っているのかというところでございます。

 内容を申し上げてみますと、Ⅳ番の①ということでございます。これは合理的配慮を要する申立人か否かの判断でございますが、わかりやすく言いかえますと、ADRの利用者が外見等から判別困難な障害特性を有する場合、そういった状況を指定機関側で適切に判断・対応できるのかどうかというところにございます。この点、8機関中6機関において、例えば、申立人とのやりとり、打ち合わせの中で、その説明力、理解力、話し方等に注意して、配慮を要するかどうかの判断をするという回答が来ているというところでございます。

 続きましてⅣの②としまして、ややこのタイトルもわかりにくくございますけれども、わかりやすく言いますと、ADR手続への代理人・介助者の立ち会い等が申立人本人の意思に沿ったものとなるような手続ですね。具体的に言いますと、本人の意思確認・意向確認を丁寧にやっていくということがあるのかと。また、そういった本人の意思確認を阻害するような介助者の発言を停止させるといった手続も考えられると。そういった本人の意向に沿ったものとなるような手続を設けているのかということでございます。この点につきまして概要を申し上げますと、全銀協におかれましては、代理人資格のない補佐人が本人の意思確認を遮るような言動をした場合には、それを控えさせるといった旨を表明しております。他の指定機関におかれましても、大筋において利用者本人意思を尊重する姿勢を表明しておられます。ただ、そういった内容を具体的に手続ですとかマニュアルですとか研修に落とし込むといった手続の深度といいますか、そういったものはやや機関によって違うのかなということで認識をしております。

 次に③ですが、これにつきましては、指定機関が利用者に対して代理人の起用を求める場合ですね、言いかえれば、代理人がいなければADR手続の実施が困難な場合、そういった場合におきまして、そうした事情ですとか理由を利用者に説明して、代理人を立てることについて納得を得るように努めているのかどうか。この点については、3機関、生保協、全銀協、貸金協におかれましては、障害の内容等に応じて代理人を求めるといった方向性を回答しておられますが、他の5機関につきましては、指定機関側の方から代理人を求めることはないといったことで表明しておられると認識をしております。この設問に関連しましては、逆に、意思能力が著しく低くて、かつ、代理人もおられないといった場合、なおかつ、利用者本人が金融トラブルの解決を必要としていることが明らかな場合、金融ADR機関としましてどのように対応すべきかといった問題点もあるいは考えられるのかなという形で認識をしております。そういったケースにおかれましては、指定機関側としても、解決に向けた建設的対話ですね、例えば、法定代理人の選任を申立人の家族等に提案するといった選択肢も、あくまで選択肢でございますけれども、あり得るのかなと認識をしております。

 ④としましては、障害特性を有する利用者に対する合理的配慮の実践例でございます。この点につきましては、指定機関の方からの回答、これは資料2-2の方で詳細にいただいておりますが、このうち主なもののみを事務局の方で抜粋しまして挙げております。その内容としましては、障害特性等に応じて様々なことが考えられますが、利用者の自宅等に訪問して、タブレット端末を介して手続をしていくと。これは生保協ですけれども。また、貸金協におかれましては、関連書面に係る代筆等の容認ですとか、あるいは生保協におかれましては、適宜、申立人が指定機関とのやりとりの内容を理解しているかどうかの確認を行っていくといったことで、きめ細かな取組みをしておられるということを認識しております。

 続きまして、⑤としまして挙げております内容としまして、これは高齢者の特性を踏まえた合理的配慮といいますか、配慮に関する設問でございます。これは④の障害者の方に対する合理的配慮とも一部重複しますが、内容としては、認知能力ですとか記憶能力の低下を想定して、指定機関側としても、ゆっくり、丁寧に、繰り返し説明をしていくと。また、本人の理解度合いを都度確認していくといった取組みを、損保協ですとか少短協の方で、表明しておられます。また、少短協におかれましては、指定機関と申立人とのやりとりの内容を適宜文書化しまして、その文書ベースでもって確認を求めるといったことも表明しておられると。また、併せまして、全銀協と貸金協におかれましては、利用者本人の意思能力等に問題ある場合の対応にも言及しておられるのかなということで、認識をしているところでございます。

 続きましてⅣ番の⑥でございますが、これは不利益表明に関する事項でございます。内容を説明しますと、ADRの手続の途上で申立人本人からその申立人の不利益につながりかねない意思表明、例えば、申し立てを取り下げたいといった旨の意思表明があった場合に、直ちに取り下げに応じるのではなく、取り下げに伴う不利益の内容を申立人本人に十分に説明して、理解を得た上で対応していくといった趣旨の質問でございます。各指定機関につきましては、その趣旨に沿った対応を表明しておるものと考えております。

 テーマに関する資料の説明につきまして、事務局の方からは以上でございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 それでは、ただいまご説明をいただきました部分について、今度は各指定紛争解決機関から資料2-2に基づいて、高齢者・障害者事案の内容に即したトラブル解決を図る観点から、業務インフラ、職員等の指導・監督及び個別事案における手続実施等の現状と今後の対応についてご報告をいただきたいと思います。なお、大変恐縮ですけれども、時間の関係もございますので、各機関5分以内という時間厳守でご説明をいただければと思います。
それでは、まず、全国銀行協会、阿部委員からお願いいたします。

○阿部(耕)委員
 はい。それでは、お手元の資料2-2に沿ってご説明します。今、事務局様の方からご説明ございましたけれども、まず、2ページをご覧いただきたいと思います。
 
 高齢者・障害者のADR手続の利用アクセス確保の体制ということでは、(2)のところで先ほどご報告ありましたけれども、聴覚や口頭によるコミュニケーションが困難な方に対する専用の苦情入力フォーマットを設置しておりまして、昨年の4月から今現在、全部で35件寄せられております。ここのフォーマットでは、申出人さんの方が希望する伝達手段ですね、ファクス、郵送、メールを選べるんですけれども、メールによる回答を希望される方が多くございまして、実際にこうやって取り次いで解決に至る事例もありまして、この取組みの効果は少しずつ出てきていると考えております。

 その下の(3)の相談・照会の円滑化の観点では、先ほどの専門家による研修ですとか、日々の実務経験の情報共有と書いておりますが、全銀協の相談員は全部で11名おりまして、毎日、業務後に必ずミーティングを行います。そこで高齢者・障害者の方を含めまして対応に注意すべき事例というものを共有して、どの相談員であっても対応スキルに差が生じないように努めているということであります。外部資格としてユニバーサルマナー検定3級8名、サービス介助基礎検定7名、認知症サポーターは全員が取得しているんですけれども、取得することが目的ではなくて、取得したことによってさらにモチベーションを上げて、バランスのとれた相談業務をしていただくというのが主であります。

 (4)のところで、先ほど小冊子の作成をしていると。特に高齢者向けのADRの周知が必要であると考えておりまして、現在、この小冊子を作っておりますが、この小冊子の中のADRの中立・公正性ですとか互譲の精神などのキーワードをイメージしやすく理解いただくために、イラスト・漫画を活用しております。互譲の精神の互譲をとって「ごじょうさん」という江戸時代の娘さんが漫画のキャラで出てきまして、Q&Aの形式でADRの手続きですとか事情聴取の流れを説明するというものであります。視覚障害者の方にも音声コードを付けたり、カラーユニバーサルデザインの認証を受けておりますので、こうしたものを2月以降に全国の主要な消費生活センターに配付する予定であります。

 次に3ページ、下におりていただきまして、③のところに障害者に対する合理的な配慮の事例につきまして、昨年5月に起きました全ろうの申立人によるあっせんの事案があったということを記載しております。ここをもう少し補足しますと、この申立人の方はある地方にお住まいで、聴覚に重い障害があって、手話もできず、メール、文書のやりとりを希望されていたと。これに対しまして事務局として、手続の負担をできるだけ減らすために、苦情の段階から文書とかメールによる主張内容の確認、あっせんの申立書の書き方のアドバイスですとか質問事項のやりとりを行いまして、事情聴取当日にはあっせん委員3名が全員現地に出張しまして、パソコンで発言を打ち込んで、プロジェクターで壁に投影して筆談をするというやり方をとりました。残念ながらあっせんの結果は打ち切りになったんですけれども、後日、アンケートでは、ご本人から一連の対応につきましての感謝の意が示されたということで、今後、こういった高齢者事案も増えてきますので、こういうよい意見がいただけるように努めていきたいと考えております。

 次に4ページに移っていただきまして、ここでは申立人の特性や事案内容に応じた進行を確保する体制でございますが、①のとおり、苦情、あっせん、いずれにおきましても、個人の属性ですとか事情を常に意識した対応に努めているということのほか、③の方にございますとおり、事情聴取におきまして補佐人ですとか介助補助としてご家族による手続参加をされる場合であっても、補佐人のご主張だけが前面に出ないように、必ずご本人の意思・主張を確認するようにとしております。

 最後に課題でございますけれども、ここに書きました高齢者・障害者対応というのは、過去にこういうふうにしたから今回も同じようにすればいいという一律な対応ではできませんので、一人一人の個人の特性、事情に応じた柔軟な対応を継続していくことが重要な課題であると考えている次第でございます。

 ご説明は以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、信託協会の岡本委員、お願いいたします。

○岡本委員
 はい。私どもは、資料は15ページ以降になりますが、まず、そのあたりからご説明したいと思います。

 高齢者・障害者事案に対する相談等の受付の円滑化という点ですけれども、もともと高齢者の方のご相談等は多いということになっております。そこで、できるだけ丁寧に、大きな声で、かつ専門用語等を使用しないで、わかりやすく応接するように努めているところです。

 また、資料の15の真ん中の下にもちょっと書いておりますが、現在、ホームページを見直しておりまして、字体を大きくしたり、ルビを振るなどの改正を行う作業に入っております。

 また、障害者の方につきましては16ページあたりに書いております。現状の障害者の方のお取り扱いというのはありませんが、平成28年3月から「金融庁所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応方針」というものに基づきまして、障害者差別解消に関する内規というものを作成いたしております。それに基づきまして、障害者の方の相談・苦情、紛争解決手続の受付等の体制を規定し、併せて内規の趣旨説明を行っているというところです。今後、事案が発生した場合には、利用者の方の声等を受けながら、費用対効果を勘案しながら対応していきたいと考えております。

 また、職員の指導・監督につきましては、これも16ページあたりに書いておりますが、今お話しいたしました内規の趣旨説明を行ったほか、内閣府作成の「障害者差別解消法【合理的配慮の提供等事例集】」というのがありますので、これを相談員に回覧の上、机の上に備え置いているというところです。現在、紛争解決委員に対してこのようなことを周知しておりませんので、今後は機会を捉えて紛争解決委員に対しても周知していきたいと考えております。

 最後になりますけれども、当協会では個別の事案件数が少ないということもありまして、申立人本人の意向・意思を尊重しつつ、柔軟に対応することを心掛けております。また、申立人に意思能力がない場合には、そもそもの申し立て等の意思が確認できないという問題はありますけれども、事案内容が明らかに相手方金融機関に瑕疵等がある場合には、家族による支援ですとか公共機関等からの支援、支援者派遣等を提案し、事案の解決を行うこととなると考えております。

 以上でございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、生命保険協会の酒巻委員、よろしくお願いします。

○酒巻委員
 はい。当方は、資料でいいますと25ページ以降になります。

 26ページをご覧いただきたいと思いますけれども、まず、制度利用者からのアクセスを容易にするための対応ということで記載してございますが、先ほどもご紹介いただきましたが、ホームページに専用のページを開設いたしまして、専用の電話番号による受付あるいは専用フォーマットによる書面での受付を行っておりますほか、申立人の状況を踏まえて、可能な限り柔軟に個別に対応するということを基本にしてございます。また、紛争解決手続におきましては、申立人からの事情聴取を行う場合に、タブレット端末を用いまして、こちらから申立人宅等に出向いてまいりまして、そちらで事情聴取を実施するなど個別に対応しているところでございます。

 その他、27ページの方に参りますけれども、各地の消費者行政等を定期訪問すること等によりまして当方ADRの周知を図ってございます。

 また、職員等の指導・監督についてでございますけれども、独自に障害者対応マニュアルを作成いたしまして、職員を対象とする障害者対応の研修を適宜実施してございます。また、研修の一環といたしまして、障害のある方を講師に招きまして、配慮すべき事項ですとか要望等について意見交換等を行ってございます。

 28ページの方に参りますが、障害者対応マニュアルには、障害者差別解消法の目的・概要あるいは障害の種別ごとの特性・特徴を解説いたしまして、電話及び対面の場面における応対の心得ですとか必要な配慮などにつきまして記載をして、職員、また紛争解決委員に周知を図っております。なお、障害者対応マニュアルにつきましては、本資料を提出した後で改訂を行ってございまして、現時点では、不当な差別的取扱いの判断基準についても具体的に記載をしてございます。

 また、障害者事案への対応が適切に行われているかどうかにつきましては、管理職等が手続実施記録を確認することによりまして事後検証を行っているところでございます。

 資料29ページの方に参りますが、申立人の特性や事案内容に応じた手続の確保ということでございますけれども、先ほどご紹介しましたマニュアルには障害者の種別ごとの特徴を例示しておりまして、申立人の特性を見落とすことがないように留意をしております。また、苦情処理手続におきまして配慮の必要性が判明した場合には、紛争解決手続への移行に際しまして、担当者間で配慮の必要性が共有されるということを徹底しております。また、代理人とか支援者等への手続への関与につきましては、苦情処理手続におきましては、手続への移行は権利者本人の意思を確認するということが前提になりますけれども、状況によりまして家族からの申し出を認めております。また、紛争解決手続におきましては、補佐人等につきまして特に制限はしておりませんで、事情聴取への同席及び発言については、紛争解決委員が必要性、適切性等を個別に判断するという対応をしております。

 30ページの方に参りますが、指定機関からの代理人徴求につきましては、当方から代理人を求める場合は申立人に意思能力がないと認められる場合に限定されますが、その場合には、申立人、またその親族に対しましては理由を丁寧に説明するようにしてございます。

 また、障害者対応における合理的配慮の内容ですとか実施手続につきましては、マニュアルに具体的に障害の種別ごとに記載をしておりまして、それを踏まえた対応を行っております。

 次に32ページになりますが、高齢者等、認知能力・記憶能力等に支障のある申立人に対しましては、申出人の状況――視力の低下ですとか認知・理解力の低下等色々ございますけれども、そういった状況を踏まえまして、申し出内容をより丁寧に聴取する等の対応をしているほか、個別の事情を踏まえまして、権利者本人以外の親族等によるサポートを認めるなど柔軟な対応をしてございます。

 最後に34ページになりますけれども、高齢者・障害者取引の適正化に向けた業態の取組みと、それらに対する実効性評価ということでございますけれども、生命保険協会では、「高齢者向けの生命保険サービスに関するガイドライン」で定める高齢者ルールを定めておりますが、その一部に形式的な履行が苦情の原因となっているケースも見受けられたことから、事業者との研修会におきまして、紛争解決委員から、具体的な事例を解説した上で、高齢者ルールの趣旨を踏まえた実効性のある対応が重要である旨の指摘をするなど、再発防止に向けた対応を行っているところでございます。

 私からは以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。

 続きまして、日本損害保険協会の村田委員、よろしくお願いいたします。

○村田委員
 はい。私どもは43ページからになります。この下から44ページにかけてですけれども、利用者へのアクセスの確保について記載させていただいております。(1)ではADR制度の周知について触れていますけれども、ここは、ホームページの工夫ですとか事務所のバリアフリー化を実施しているというところです。

 44ページの(2)以降では、相談・受付体制の周知についての記載です。ここは、高齢者・障害者に限らず、電話や文書、面談等の方法でも受け付けられるようにしているとともに、行政機関ですとか相談窓口、病院等にもポスター・パンフレット等のPRツールを配付して周知をしてございます。

 続きまして、職員等への指導・監督、こちらは44ページの中ほどから記載しております。こちらは、障害者差別解消法を受けて私どもの損保協会においても基本方針を定めておりまして、これらの理解促進のための内部研修を実施しているというところです。この研修の内容、最初は「差別解消とは」というところからスタートして、法律の中身として、不当な差別的取扱いと合理的な配慮について理解をするようにして、翌年以降は少し工夫を重ねて、例示などを交えながら理解を深めるようにしてきたというところでございます。しかしながら、45ページにありますとおり、その理解度ですとか浸透度合いの検証については十分でないところがございますので、受けた後の何らかのフォローアップですとか受講者の反応、こういったものを確認しながら周知に努めていきたいと考えております。

 あと、外部資格の取得、こちらも実績が現在ございませんので、他の機関さんの状況も参考にしながら検討を進めていきたいというところでございます。

 続きまして、45ページの中ほどからは申立人の特性に応じた手続について記載してございます。基本的な考え方としては、研修等でも周知をしているところでありますが、ご本人の状況に応じた配慮を心掛けると、こういったスタンスが重要と考えておりまして、45ページの例示にもございますとおり、ご本人の理解度に応じた対応ですとか配慮が必要な方が訪問される場合は、事前に朝礼等で職場周知を行うケースもございます。ご本人の特性や事案内容に即した柔軟な解決対応については、例えばということで46ページにありますとおり、一定の届け出をしていただいて、紛争解決委員が承認をした上で代理人または付添人が出席できる体制を整えてございます。1つ事例を挙げさせていただくと、紛争解決委員の説明に対してご理解の中身が心配であったケースがございますけれども、このケース、和解案をご提示したものの、期限までにご連絡がないということで、このままだと不調になるところですが、心配された委員の先生が、「もし申立人が望まれるのであれば、一度和解案の内容を説明してもよい」、こういったことを言っていただいて、受諾期限延長の上、面談を行いまして、指さし確認的な説明を行って和解が成立した事例がございます。いずれにしても、今後、研修等を通じて、十分な対応を心掛けるようにしたいと思ってございます。

 以上でございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 続きまして、保険オンブズマンの小野委員、よろしくお願いいたします。

○小野委員
 はい。私どもの法人で申し上げますと、資料でいいますと54ページ以降になります。ただ、先ほど事務局の西原室長の方から資料2-1を使いまして要点をおまとめいただきましたので、私ども保険オンブズマンにつきましてもキーポイントとしてはそこに尽きるかと思います。ただ、私ども法人として、特徴的、あるいはここで申し上げたいということをこの時間をおかりして二、三申し上げます。

 まず、一般論でございますけれども、経験値的には、私ども、高齢者の方からの苦情等は数ございますが、障害者の方からの苦情等の申し出は、今のところ、1件だけちょっと変則的なものはあったんですけれども、ないというのが実情で、ただ、そうはいいましても、両高齢者の方・障害者の方に対しましても同様なご応対ができるような形の整備というのを日々努めるようにしておりますし、併せまして、当協議会もしくはほかの機関の方々の例等を参考にしながら、日々その向上に努めたいとは思っております。

 項目としまして、まず、相談者の受付円滑化あるいはアクセスのところでございますけれども、私どもの場合は、当然、電話等もございますが、ホームページ上でメールアドレスも公開しておりまして、ここ経由でのご相談も受け付けております。現状では、高齢者の方からはありましたけれども、障害者の方からの例はないんですが、それに関わらず、全ての方にここでいつでもお受けする体制にしております。併せまして、ファクス等もその後ご連絡いたしまして、そこでの交信も可能なような体制にしております。

 それから、職員等の指導もしくは監督でございますけれども、当然、今申し上げましたように、日々その体制に努めておりますが、資格という意味では、私ども今、そういった制度は受けておりませんので、今後、そういった内容も踏まえて整備を図っていきたいとは思っております。ただ、各相談員・職員には、各行政庁さんからの色々な連絡・指示・指針等は十分伝えておりまして、それに努めるように、あるいは一般社会人として、機関として十分なご対応をできるような体制、研修は日々続けております。

 それから、手続等でございますけれども、私どもの場合は、高齢者の方あるいは障害者の方であっても、あるいはほかの事案でありましても、代理人という方が苦情等に関わるプロセスでお入りいただくことはありますけれども、それに関わらず、ご高齢者あるいは障害者の方がコミュニケーションにやや困難を伴うという方がいらっしゃいましたら、連絡者ということで他の方、多くの場合は近親者の方が多いんですけれども、お願いしまして、あくまでもご本人と私どものコミュニケーションを円滑に図るということで、そこは大いにそういう連絡者の方ともコミュニケーションをしております。ただ、一番大事なことは、最終的な意思の確認なりお申し出の内容なり、これは申立者ご本人が確実にその意思なり内容であるということを踏まえた上での手続化を図っております。

 特徴ということで言いますと以上の点でございます。以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。

 続きまして、日本少額短期保険協会、小泉委員、よろしくお願いいたします。

○小泉委員
 はい。少短協会の小泉でございます。少短協会の対応状況についてのご報告は67ページ以降となってございます。

 まず、67ページを見ていただきたいと思います。相談業務の中では当然に高齢者は一定数おりまして、私どもの相談室におきましても高齢者は大体8%から15%、特に上期がちょっと増えまして、これが一時的な要因なのかどうなのか、その辺は今後注視していきたいなという具合にも思ってございます。そういう意味では、日常からある程度、高齢者に対する対応というのは私どもの受け入れベースの中でも一定はできているのかなとは思ってはございます。ただ、丁寧に、ゆっくり、しっかりとした確認といったことを常にしてございます。

 あと、障害者の事案ですが、残念ながら、今のところはそういった事案が0件でございます。ただ、この件については、既に金融庁の所管事業分野における対応方針をはじめとして、かなり大きな問題として我々も捉えておりまして、それに対しての万全な対応というのをできるだけとっていきたいと。限られた人的ソース等の中でどうやって対応していくのかというのは、私どもの小規模世帯における対応のやり方、考える工夫のところかなと思ってございます。

 67ページの一番下の方にバリアフリー化ができているかという話においては、残念ながらできておりません。私ども協会もそうですし、各社においての受け入れ態勢においてもまだそこまでいってないというのが実情でございます。特に相談室という立場においてそれができないというのは、当然に対応方針の中でも過度な設備投資は求めないという話にはなっておりますが、だからといってそれでいいとは思っておりませんで、それを何とか工夫の中でやるものとしては、やはり障害者の方においては相談員が訪問することがもう基本線だということで対応の方針を定めております。私自身、職歴の中で3年間、障害者雇用の関連業務に携わったことがございまして、やはり頭の中で知っていることと実際というのはかなり格差がございます。そういったことの中で、やはりSeeing is believingですから、現場を見ることが一番ということで、パソナハートフル社の見学を相談員の方、それから担当者1名代表で行ってもらっていると。そこでどのぐらい違うものなんだと、そのギャップをしっかりと体感するということがすごく重要なことだなという具合に思ってございます。

 具体的な中では69ページをご覧いただきたいんですけれども、70ページの3のところに、申立人の特性や事案内容に応じたADR手続の進行を確保する体制ということがございます。これについてですけれども、特に最初のときの受電時の対応について、具体的なチェックポイントという形で、聴力が弱い方はどうするとか、質問に的確な回答ができない方の場合はどうするだとか、電話での対応が困難だなと思った方の対応をどうするとか、そういうようなことについて打ち合わせの中で対応方針を決めているというところでございます。

 それから、70ページのところに、代理人を求めること自体の問題点ということに対する対応をどうするかということでございますが、ご本人が「自力で説明することができる」と言えば、当然にそれを尊重するということが当然のことだと思ってございます。その意思は尊重します。ただ、次回以降色々と面談をする中で、やはりもう少し詳しく聞くためには介助者の対応も必要だとかそういうようなことがあれば、その辺の本人のご了解をいただく中で訪問し、やっていくということでございます。それから、特に重要なのは、発達障害、それから精神障害の方などは特にあるんですが、いろんな質問をしたときに、どうしてもすぐに「はい」というお答えをされるケースが多くて、内容を十分ご理解いただけているかどうかということについては、やはり相当程度繰り返しながら確認をしないといけない。それから、その内容はこれでよろしいですねということの文書での確認を一応置いておくというようなことも必要なことじゃないかなという具合に感じてございます。

 そういう具合に対応方針はきっちり定めているつもりなんですけれども、まだちょっと具体的な障害者の事案がございませんので、今後あった場合はその方針に則ってしっかりやっていきたいと、このように思ってございます。

 以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。

 続きまして、証券・金融商品あっせん相談センター、三森委員、お願いいたします。

○三森委員
 はい、ありがとうございます。それでは、私どもの対応につきまして主要な点に絞ってご説明をさせていただきます。

 資料の方は80ページをご覧いただきたいと思います。まず、利用者のアクセスの確保のところでございます。当センターにおきましては、相談や苦情の申し出につきましてはフリーダイヤルを設けて、無料でかけていただくことができておりますので、いただく相談・苦情のそのほとんどは電話での受付というのが実情でございますが、(2)に記載をしておりますけれども、電話のほか、書面、電子メール、この電子メールは当センターのホームページにメールのフォーマットを設けておりまして、そこから送っていただいております。それからファックスでも受け付けております。また、当センターに直接来訪される場合もございます。高齢者の方・障害者の方々、その特性によってということですが、電話に限らず、そういった方法を選択して当センターをご利用いただけるという状況でございます。また、あっせんにおきましては、物理的な話になりますけれども、申出者でございます高齢者や障害者の方が来訪されますので、設備面でのバリアフリー化をしておりまして、東京事務所内のあっせん会場に限った話にはなりますけれども、歩行の手助けとなるよう廊下に手すりを設けております。また、トイレは車椅子に対応したトイレを設置しているということでございます。

 続きまして、相談や苦情を受け付けます相談員の指導・監督につきましてでございますが、相談員につきましては、一昨年に施行されました障害者差別解消法についての研修を実施いたしまして、法律にございます合理的な配慮ですとか不当な差別的取扱いなどに関しては理解を深め、かつ、認知症サポーターのそこでの認定を受けた相談員を配置して対応しているところでございます。ただし、80ページ一番下の欄のところにありますとおり、前回の研修から2年近く経過をしておりますので、知識を更新あるいはおさらいということも含めましてですけれども、今後は継続的に研修を実施する必要があると思って、この点ちょっと課題というふうに認識をしております。

 次に、個別事案の手続につきましてでございます。こちらは81ページ、次のページになります。実際に相談や苦情を受け付けた場合に、その電話での会話、電話がほとんどということは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、高齢者であることや、あるいは障害者であるということをできるだけ意識を持って把握するように努めております。当然、そういったことがわかりますと状況に応じてということでありますけれども、会話の言葉を丁寧に、ゆっくり、はっきりとするですとか、あるいは理解を確認するためには同じ内容を繰り返すというようなことも必要に応じてということでありますが、行うようにしております。相談員は相談や苦情の内容を記録することになっておりまして、全ての記録は管理職者が、事後的ですけれども、検証しております。気づいた点はその都度確認や指導をしておりますし、相談員間でもこの記録は共有をされておりますので、他の相談員が行った対応なども共有しておりまして、それによって対応のレベルの向上につなげてきております。

 それからもう一つ、実際のあっせんのお話でございます。82ページの方になります。申立者のほかに補佐人を同席させることも認めております。実際の補佐人の方というのはほとんどご家族ということにはなりますが、申立者であります高齢者あるいは障害者の方から「家族を同席させてほしい」というような申し出があった場合に、あっせん委員の判断で家族もあっせんの場に同席できるということにしております。高齢者の方・障害者の方々がより安心してあっせん制度を利用いただけるケースも、こういうことで実現できるのかなと思っております。

 最後に、いずれにしましても、高齢者や障害者の方々それぞれ個別の特性に応じて弾力的に相談、苦情、あっせんでの対応をしていくことが必要なのかなと思っておりまして、また、利便性の面では、引き続き利用しやすい環境整備ですとか態勢整備を進めていきたいと思っております。

 以上でございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 最後になりましたが、日本貸金業協会、遠藤委員、よろしくお願いします。

○遠藤委員
 はい。日本貸金業協会でございます。

 89ページからご覧いただければと思います。まず一番下でございますが、その前に、今まで、私ども貸金業業界では65歳以上の取引の方というのは非常に少ないということを申し上げてまいりましたが、こういう会議体で高齢者・障害者のお話が出てまいりまして、昨年の8月以降、匿名でありましても年齢をなるべく聞くようにいたしました。その結果、70%ぐらいの電話の方から年齢を聞くことができるようになりまして、その中で20%強の方が非常に年齢が高い、80歳、90歳という方もいらしたということがわかりましたので、私どもでも急にこういった体制をとり始めたというところを前提にさせていただければと思います。

 まず、89ページの1番のバリアフリー化等につきましては、こちらに書いてありますとおり、すぐにそういうことがわかったものですから、全国の各支部を含めまして確認をいたしました。そうしますと、やはり賃貸物件なものですから、その施設によっては古い物件を借り入れしているということがございまして、なかなかそこは進んでいないということがわかりました。今後の課題といたしまして、移転等も考えながらバリアフリー化を前提にしてそういったものを検討したいということを考えております。

 次のページからでございます。相談の受付の円滑化ということで、特性などを含めまして、周知等について受付の手段等からご説明をさせていただきます。まず現状、私どもでは、当然、来訪いただくこと、それから電話ということを中心に相談・苦情を受け付けているところでございます。ただ、特性の関係上、電話だけでは、もしくは来訪もできないという方もいらっしゃるので、昨年の4月から、聴覚・言語障害の方でございますが、その方に対しましてホームページからご相談をいただけるという環境を整備させていただきました。その結果、今までで1件の問い合わせがございました。電話では出られない、それから手紙などをいただいても字がやはり読みにくいというようなことで、非常に大きな文字でホームページ、メールを使ってですと色々な話ができるというようなご相談ではございましたが、そういったようなものが1件とりあえずございました。今後は、やはりホームページからメールだけではなくて相談ファクスなどを含め、ほかの機関様の対応を見ながら、ほかの対応についても検討させていただければというところを考えているところでございます。

 それから、窓口の対応の向上のためにはコミュニケーションのスキルというものが必要だということも含めまして、やはりこれも言語・聴覚障害の方になってしまうのでございますが、私どものほうでコミュニケーションシートなどを各本部・支部に設置いたしまして、その使い方については当然職員教育を行いながら、今、行っているところでございます。それに付随しまして、私どもの方で資格を取っている者については、後でもご説明いたしますが、数名もう出ているところでございます。周知の方法といたしましては、消費者センターなどのご協力をいただきまして、こういうことができます、こういう方でもご相談をお受けいたしますということを各センターの方に周知を今行っているところでございます。私どもの制度、それから特性などの説明をしながら、パンフレットもわかりやすいものを作りながら、センターの相談員の方になるべくご協力いただいて、周知させていただければということを考えております。今年の4月頃でございますが、来期になりますと、各センターの相談員の方々と意見の交換会を持ちながら、どういう形で進めていったらいいかというようなことも行いながら実施をさせていただければということを検討しているところでございます。

 それと、職員等の指導・監督のところでございます。こちらにつきましては、私ども、不当な差別的取り扱い、それから合理的な配慮というものを含めまして、実践的に職員研修を今取り組み始めたところでございます。障害者の対応マニュアルを各支部に配付したとともに、先ほども申し上げましたコミュニケーションシートを配付し、その使用につきまして本部・支部職員に対して研修を実施しているところでございます。

 そのほか、外部職員その他でございますが、心のバリアフリー推進員というのがございまして、こちらは1名、講座を終わったところでございます。それから、銀行協会さんからも出ておりましたが、ユニバーサルマナー検定の3級を、今19名本部には職員がおりますが、そのうち3名が取得し、そういう方々に対しての対応について職員にも研修を実施しているところでございます。

 次に、個別事案における手続でございます。申立人の意思の尊重を前提にしつつ、特性や事案を当然ながら検討して、電話による意思疎通の困難な方、機関へおいでいただけない方、文章の読み書きが困難な方、それから全般的に色々なコミュニケーションがとれない方、こういうものを中心にいたしまして、私どもは個別相談内容において十分に配慮した上で、メール、郵送、それから来訪などについて対応しております。その他、そういうものに対応ができない方々に対しましては、ガイドヘルパー様、それから補助者、後見人など、代理人の方についても代筆も含めて検討し、紛争解決委員と相談しながらその対応を行っているところでございます。申立人に意思能力がなく、かつ代理人が存在しないような場合、こういう方に対しましても同じように配慮をしながら、紛争解決委員の方々と相談をし、その対応について適切な対応を心掛けているところでございます。

 私どものその他のテーマといたしましては、当協会の上期の相談件数が1万1件ございました。そのうち80%が匿名の相談になっているところでございますが、匿名であったとしても年齢を確認している、それから内容なども確認しておりますので、内容によっては紛争解決委員の方と相談し、今後、何かまた匿名ではなく相談があった場合には、取り上げながら対応できるような扱いをし、不当な取扱いにならないよう合理的な配慮をする体制をとっているところでございます。

 以上でございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 各指定紛争解決機関から一通りご報告をいただきましたので、今のご報告あるいは先ほどの事務局説明も含めまして、ご質問あるいはご意見をお出しいただければと思います。どなたからでも結構ですので。どうぞ、森委員。

○森委員
 森でございます。今、ご報告の中で2点伺いたいと思うんですけれども、1つは、職員さんや相談員さんに対する障害者・高齢者対応についての啓発・教育についてのお話はあったんですけれども、先ほど信託協会さんから若干お話があったんですが、紛争解決委員ですね、あっせん手続、紛争解決手続を扱うあっせん人、紛争解決委員に対して、何かそうした啓発活動や事例報告でも何でも結構なんですけど、そういった研修あるいは周知活動をしているかどうか。あるいは、その周知活動そのものではなくても、そうした啓発・教育を受けている方のサポートを得られるような体制を得るなど、何か工夫されているようなところがありましたらご報告いただきたいというのが1点目でございます。

 2点目は、先ほど代理人のお話が出ている中で、個別対応で様々な類型があるかと思うんですけれども、必ずしも、今お話を伺っていると、代理人として、本人に代わって意思決定するというところまではどうも想定されていないのではないかという気がしており、どちらかというと、法的な意味では補佐人とか立会人とか言ったほうが適当な類型も多いのかなというふうには思っているんですけれども、厳密な意味で代理人ということになりますと、例えば、本人が不在でも、その方だけ出てきてお話をするというようなことまで――法定代理人以外の場合ですね、法定代理人とか弁護士以外の場合で、ご本人が実際に手続の場に出ていらっしゃらないということで、その代理人の方のみがいらっしゃるというようなことが実際あるのかどうか。もしあるとすれば、その場合に、特にあっせん手続を進める上であっせん人から意思確認を本人に対してする機会があまりないようにも思うので、事実聴取や最終的なご本人に関する意思決定に関して、あっせん人、紛争解決委員の方からその本人に対する意思確認、アクセスというのはどういった工夫をとっておられるのかという点を伺えればと思います。

○山本座長
 ありがとうございました。2点ご質問がありました。まず第1点ですが、紛争解決委員に対する啓発ということで、これは信託協会から先ほど、その必要があって、今後検討するというお話があったかと思いますが、他の機関でもし何かございましたら、お出しいただければと思いますが。阿部委員、どうぞ。

○阿部(耕)委員
 全銀協では、障害者差別解消法が施行される前にも、銀行におけるバリアフリーハンドブックといって、聴覚障害・視覚障害に対する基本的な接し方ですとか具体的なアクションについてベストプラクティスをまとめた本があります。これを必ずあっせん委員の全員に配って、是非この知識を習得していただきたいというのが1つと、あと、合理的な配慮につきましては、あっせん委員の場合はまさに現場で、先ほどの例ですと、聴覚障害の方に対する筆談をどうやってやるのかというのは、まさにその事例を皆さんで共有いただくということで、年間2回開いておりますあっせん委員同士の意見交換会がありまして、障害者に対してはこういうアクションをしましたということで、委員長を中心に、皆様方もこれでやってほしいという形で、現場サイドで認識を深めていくという形で研修といいますか、研修的な対応を行っているということであります。

○山本座長
 他の機関でもし何かあれば。どうぞ、酒巻委員。

○酒巻委員
 当方では、高齢者・障害者に対して合理的な配慮をすべき事項あるいは留意事項等を取りまとめたペーパーについては、マニュアルを含めまして紛争解決委員も共有化しております。また、先ほど障害者を招いての研修を行ったというお話をさせていただいたんですが、その中には紛争解決委員も出席をしていただきまして、全員で共有化しています。

○山本座長
 他はございますか。どうぞ、村田委員。

○村田委員
 私どもも、委員懇談会で取り上げるケースと、あと初年度は職員だけの周知だけだったんですけれども、次年度は職員にこういう周知をしていますという形で委員の先生にもお知らせしているという状況で周知をしてございます。

○山本座長
 三森委員、どうぞ。

○三森委員
 FINMACでございます。同じような話になりますが、私どもでも紛争解決委員――あっせん委員と呼んでいますけれども、毎年、勉強会――業務研究会という名称なんですが、開催をしておりまして、実際の事例につきましてそれぞれからご紹介をいただいて、そういった情報共有をさせていただいて色々知見を高めていただいているのが1つ。それから、実際のあっせんの場におきましては、相談員があっせん委員の補佐的な役割として同席をいたしますので、相談員は苦情処理の段階から申立人とのやりとりをしておりますので、そういった情報をあっせん委員の方には提供して、必要な配慮をいただいているという状況でございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 それでは、第2点の方ですが、代理人のみの出席というのがあるのか、その場合の本人の意思確認はどうなのかというようなご質問だったかと思いますが、阿部委員、いかがでしょうか。

○阿部(耕)委員
 代理人だけが出席するあっせんって極めて少なくて、さっき先生がおっしゃられていたとおり、本人がどうしても動けなくて、なおかつ適切な近くの場所もないというときには、ご親族、ご家族の方がやむを得ず代理でという場合はなくはないんですね。そのときに、やっぱり事情聴取もあらかじめ質問を用意して、ご本人の意思を含めたやりとりはやった上で代理人さんに対して質疑を行って、それで、ある程度のあっせん案が出ても、その代理人さんがすぐそこで判断するんじゃなくて、持ち帰ってご本人とご確認いただいて、ご返答くださいということで本人の意思を確認しております。

 以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。

 ほかに。どうぞ、酒巻委員。

○酒巻委員
 生保協会も基本的には全銀協さんと同じでございまして、紛争解決委員の判断で代理人を認めるケースはございますけれども、実際には全件で基本的には事情聴取を実施するという手続を行っておりまして、事情聴取の対象となりますのは基本的にやはりご本人でないと意味がないケースが大半というか、ほとんどでございますので、やはりこちらが出向いての事情聴取を含めましてご本人からお話を聞くということで、形式的に代理人が存在する場合はありますけれども、代理人のみが手続を行うというケースはございません。

○山本座長
 ほかに。遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員
 貸金業協会でございます。たまたま昨年の暮れにあった案件でございます。申し立ての段階ではお父様が元気でございまして、途中で、一、二度、事情聴取を行った後に認知症を患いまして、その後もう出てこられないということで、申立人に代わって、息子さんが出てこられたと。ですから、申し立て内容はもう事実がわかっておりますので、その辺のところは業者と相談するということになりましたので、その際は代理人だけの出席ということで認めた場合がございました。

○山本座長
 ありがとうございます。

 他にいかがでしょうか。小野委員、どうぞ。

○小野委員
 よろしいでしょうか。先ほど私、この件でちょっと付言しましたので、併せて申し上げます。私どもの場合は法人の規則があり、あらかじめ代理人制度といいましょうか、代理人の方を申立人として私どもと連絡されるということをあらかじめ定義づけておりまして、それはそれなりの手続をします。もちろん法定代理人も含みます。ただ、先ほど私が連絡者と申し上げましたのは、申立人が代理人として指定した、あるいはその方ではないんですけれども、色々なコミュニケーションの中で意思疎通にちょっと困難を伴うかもしれない、あるいは最初からそういう事態がわかれば、連絡者ということで、申立人ご本人との間で意思疎通を図ってもらって、それぞれの目的は到達できるということでお入りいただいています。したがいまして、代理人であればまた申立人の云々ということが最終的にはあるんですけれども、連絡者の場合はなおさらそこは申立人ご本人の意思ということを一義に考える手続にしております。

○山本座長
 ありがとうございました。

 他に補足いただくことは。森委員、よろしいですか。

○森委員
 はい。ありがとうございました。

○山本座長
 ありがとうございました。

 それでは、他のご質問あるいはご意見をいただければ。どうぞ。

○樋山委員
 全国消費生活相談員協会の樋山でございます。

 各ADR機関さんが柔軟な対応をとられていることは、資料を拝見してよくわかりました。それで、申立人の意思や利益に反しない形で、代理人とか介助者、連絡者、家族の関与を容認しているということもよくわかったのですが、しばしば私どもの相談の場では、ご高齢者の親御さんとその家族と意見が違う。極端な例を申し上げますと、例えば、投資商品のような場合には損する場合もあるわけですから、家族としては相続財産を減らしたくないというような意思があったり、そういうような場合がございますが、お話を聞いていると、どうも家族とご本人様とは意思が違うなということはうっすらわかるのですけれども、やはり高齢者が弱い立場にある。これから家族に面倒見てもらわなければいけないというような弱い立場にあるところから、両者が同席すると、どうしても家族の意見が強くなってしまうというようなことが多々感じられます。こういった場合などについて、ご本人様の意思確認をするということはとても大切なことになってくるのではないかなと思うのですが、同席するとなかなか意思確認ができないということを私どもの方では実感しておりますが、各ADR機関さんではそこら辺の本人確認の意思確認についてどのような工夫をしていらっしゃるのかということがまず第1点。

 それから2点目に、先ほど貸金業協会さんの方からお話がございましたが、これから各センターを回って色々なことを啓発していきたいというようなお話がございました。それで、私ども、いつも各ADR機関さんに色々なことをご質問させていただくんですが、いつも一方向なので、1つ教えていただきたいのですが、そういった形で各ADR機関さんがセンターをご訪問していただいた場合に、例えば、私どものようなセンターの相談員がADR機関さんをご紹介するに当たって、こういうことに注意してほしいとか、こういうことを必ず言っていただけないかというようなことがございましたら、真摯に受けとめて、そのご意見を反映していきたいと思いますので、そこら辺のところもどうぞ教えてください。お願いいたします。

○山本座長
 はい、ありがとうございました。第2点はやや一般的なご質問であったかと思いますが、まず第1点ですけれども、高齢者のご本人とお子さんがいるような場合に、同席だとどうしてもお子さんの方の意見が強く出てしまうと。その本人の本当の本心のご意思をどういうふうに確認するか、その工夫についてのご質問であったかと思いますが、いかがでしょうか。三森委員。

○三森委員
 先ほどご指摘の中に投資商品という話もございましたので最初にお答えさせていただきます。ご指摘のとおり、ご本人に、例えば、申立者として親の方が出てきて、補佐人としてお子さんが出てくるというケースがございます。あっせん委員が判断するということで、補佐人は当然出席の許可、それから発言の許可もあっせん委員の判断に基づいて行っておりまして、そう多くはもちろんないんですけれども、そのあっせんの場の状況によっては、お子さんの方には一時退席をしていただいて、その場では席を外していただいて、契約者であるご本人様のご意思を改めてその場で確認するというようなことも、ケースによってですけれども、させていただいているという状況でございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 他に。どうぞ、阿部委員。

○阿部(耕)委員
 この問題、非常に難しくて、電話の苦情の段階でお子さんが怒っていて、「よくもこんなのものを、うちの母さんに売ってくれた」という話から、あっせん手続まで過程を踏んでいく中で、ご本人の意思というのは、当初は違っていても、最終的にやっぱり息子さん、ご家族の意思と結局同じになってあっせんに参加されております。ただ、息子さんのエネルギーとお母さんが思っているエネルギーとやっぱり差があるわけですけれども、ベクトル自体は、あっせんに来たときには、まあ揃っているのかなという感じでは来られます。あっせんの席上で息子さんとお母さんの意見が対立をして、「私はそんなことは思ってない」というような形もないわけじゃないんですけれども、基本的には家族の説明もあって、消極的でもあるけれども、ご本人もそのつもりでやってきていらっしゃるということなので、私どもの運用としては、退席までさせて、そこで「ご本人のお考えはどうでしょう」というところまではしてないです。ただ、やはり必ずご本人、「お母さんどうですか」というのをやって、その上で、「いや、息子の言うとおりでいいよ」ということであれば、やっぱりそれも一つの意思だというふうに考えております。ただ、ケース・バイ・ケースで、明らかにこれは違うじゃないかといったときには、先ほど三森委員がおっしゃったように、物理的に同席を避けるということもあり得るのかなと考えています。

 以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。

 他にいかがでしょうか。大体そういうようなご理解ということでしょうか。樋山委員。

○樋山委員
 ありがとうございました。

○山本座長
 それから第2点ですけれども、このセンターの訪問についてのお話だったと思うんですが、これは、高齢者あるいは障害者の事案についてという感じのご趣旨ですか。

○樋山委員
 そうではなくて、高齢者・障害者も全て含めまして、センターがご相談者にADR機関をご紹介するときの何か注意点とか、是非こういうことは言っていただきたいというようなことがございましたら、真摯に受けとめたいと思っております。

○山本座長
 何か今の段階でもしあればですが。どうぞ、酒巻委員。

○酒巻委員
 なかなかこういうふうに申し上げにくい部分もあるんですけれども、やはり我々は中立・公正にすごく個別の事情をしっかりお聞きしながら解決を図っていると思っておりますので、一部にやはり、事業者団体が運営しているということで少し疑問を持たれている方もいらっしゃるかと思いますので、そういうことはないんだということをお知らせいただければありがたいと思います。

○山本座長
 ありがとうございます。

 どうぞ、遠藤委員。

○遠藤委員
 今、始めさせていただくところでございますので、準備をしておりますが、今お話もあったとおり、やはり中立・公正な立場ということがございますので、通常のご相談であっても、高齢者・障害者の方々であっても、あくまでも私どもは中に入って、事業者の立場と、それからお話しいただいた申請していただいた立場を中心に聴聞を重ねながら、非常にいい解決ができればということを常に心掛けておりますので、こういう仕組みがあるということをまだ知らないセンター様もいらっしゃるものですから、私どもは、そういったものと、どういったことができるか、それから、裁判とかそういったことで非常な費用をかけているという話はやはりその前にいただくことでございますので、そういうこともなく、低費用で、今のような早期に解決もできますよということでお話をさせていただいておりますので、できればセンターの方から、何かそういうお話があれば、事前に私どもと仲介でセンターの方がお入りいただいても、今いただいている方もいますが、お話をさせていただいて、内容を詳しく説明した上でご申請をいただくというようなこともお願いをしたいと思っているところでございます。

○山本座長
 他にはございますか。じゃあ岡本委員から。

○岡本委員
 すみません、少し瑣末な話になりますが、投資信託に関する苦情とか紛争の件です。投資信託といいますと、やっぱり皆さん、信託協会とすぐ思われるのですが、信託協会では苦情は受け付けられるのですが、紛争になりますと、全銀協さんですとかFINMACさんが担当になります。もし苦情で処理してほしいということであれば結構なんですが、紛争まで想定されているケースの場合には最初から全銀協さんなりFINMACさんの方をご紹介いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○山本座長
 阿部委員、どうぞ。

○阿部(耕)委員
 中立・公正な手続につきましては皆様と同じ意見でございます。是非それは強調いただきたいというのと、あと、いらっしゃるお客様がADRにものすごく期待をして、多分、自分の願いを叶えてくれるところなんだというような思いが強い人もおりますので、譲り合う場所だと。互譲の精神と先ほど申し上げましたけど、お互い譲り合って解決を探る場所なんですよという、そこをご説明いただけると大変ありがたいと思います。

○山本座長
 よろしいでしょうか、樋山委員。はい、どうぞ。

○樋山委員
 私ども、ご紹介するときに、まず話し合いでお互いに譲り合ってくださいということをお話ししております。それから、各ADR機関さんがホームページで今まで取り扱った事例などについてアップしていらっしゃるので、それを見ていただければ、中立・公正な立場であるということは多分おわかりいただけるのではないかというようなご案内もさせていただいておりますので、引き続きそのように努力してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山本座長
 ありがとうございました。引き続きどうかよろしくお願いいたします。

 他にご質問、ご意見は。どうぞ、坂委員。

○坂委員
 ご報告ありがとうございました。この高齢者・障害者事案への対応というのは、金融機関の課題の中でも、相談や紛争解決の現場で問題状況を的確に捉えて解決を図るとともに、現場へのフィードバックが重要なのではないかと思っております。若干整理をさせていただきますと、恐らく、主として契約者の判断能力が問題となる場面と、主として身体能力が問題となる場面があるというふうに思われ、この2つは問題の性格がちょっと違うのではないかと思われます。それから、課題の局面としては、バリアフリー化ですとか手続上の権利確保というような手続面に関する問題と、それから案件の中身ですね、要するに、高齢者・障害者の事案の特性に応じた適切な解決がいかに図れるかという内容面の問題と、2つあるのではないかと思います。

 こういったことを念頭に置きつつ、2点ほどご質問させていただければと思うんですが、1点目は、資料の中では、生保協会さんの資料の中で、資料2-2の32ページあたりに記載されているところです。紛争の性格にもよると思うんですが、紛争原因発生時における判断能力を慎重に見極めていると、こういうご指摘をいただいております。この点は極めて重要と思っておりまして、特に高齢者等の判断能力を検討するに当たっては、一般的な判断能力だけではなくて、当該契約に関する認識・判断能力が十分かどうかということが問題になりますし、また、加齢による判断能力の低下ということを考えますと、長年の契約関係の中で、以前は判断できていたものが判断できなくなるといった、こういった問題もあります。また、高齢者等によっては、体面ということもあるんでしょうが、本当は理解できていないにもかかわらず、理解できているかのような対応をしてしまうというふうなこともあるようです。こういった特性を踏まえて、これは、恐らく医学的な一般的な知見と当該本人に関する医学的な観点からの考察も必要になるかと思いますけれども、こういったある意味非常に難しい問題について、どういった工夫といいますか、対応ということがされているのか、もしありましたら教えていただければと思います。これが1点です。

 もう1点ですけれども、これも今の問題状況と少し関係するんですが、特に高齢者の方の判断能力が低下した事案の場合には、当該紛争の解決とともにその後の再発防止といいますか、同じ方がまた同じ問題状況にならないようにきちんと対応をとるということも必要なことかと思います。こういったこととの関係では、これはADRのところでどこまでできるかというところはあろうかと思うんですけれども、事案によっては、例えば、他機関に連携を図るですとか、福祉場面に話をつなぐですとか、あるいは家族の協力をきちんと得るですとか、色々な対応が考えられるかと思うんですけれども、そういったその後の対応について何か取組み等されているところがあれば、教えていただければと思います。

 以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。これも2点いただきました。まず第1点ですが、契約時の判断能力、高齢者の特性というものに鑑みて、どのような工夫を行っておられるかということでございますが、いかがでしょうか。酒巻委員、どうぞ。

○酒巻委員
 我々にとっては非常に悩ましい事案でございまして、実際に今現在は判断能力がないと思われるような方が、3年前、5年前の契約について取り消し、無効を求めると、こういうケースが実際あるわけでございまして、そういう場合、具体的に我々がどういうふうにしているかということでございますけれども、当然、通常の契約書類等を提出いただきまして、それをまず見させていただくんですが、こういう事案につきましては、保険会社から、契約に至った経緯とか契約時のやりとりに関する内部の資料ですね、これがあれば全て出していただくようにいたしまして、また、実際に募集をされた担当者からは事情聴取で非常に詳しくお聞きしていく。さらに、契約当時の参考となる医師の診断書とか検査結果等があれば、それは外部の専門医に出しまして、必要に応じて意見を聴取いたします。そういったことを全て踏まえまして総合的に判断をしているというのが現状でございますが、なかなか明確に結論が出せないケースもありまして、非常に悩ましいところであるということでございます。

○山本座長
 他にいかがでしょうか。どうぞ、阿部委員。

○阿部(耕)委員
 先生がおっしゃられたとおり、契約そのときの判断能力がどうであったかというのを、今のあっせん委員会の中で多分恐らくこうだったんだろうという類推はなかなかできませんので、そのときの医師の診断書などがあれば、それは参考にしますけれども、そこは意見が対立しているところでもあり、そこの判断能力があったか、なかったかというところに踏み込んで、それを根拠として和解理由に入れるというのは全銀協の中ではなかなか難しいという位置づけであります。ただ、それを前提に、さっき先生がおっしゃられたように、契約時には判断能力があったと言う銀行はその後その顧客が3年後には認知症になったり、身体的・精神的判断能力が鈍ってきている、高齢者特有のそういう判断能力の衰えに対して、当時どういうような対応をしたんですかという、これは、あっせん委員会でよく指摘する事項なんですけれども、高齢者特有のそういう事象を生じた販売体制が当時できていたかというところを根拠にしてあっせんの方の根拠にするということはしております。当時鬱病だったとか、色々なお話が申立書の段階で来るんですけれども、それを今、そうであるということで明確な判断というのはできませんので、そういうような工夫で対応しているということであります。

○山本座長
 ありがとうございました。

 他にいかがでしょうか。坂委員、以上のようなことでよろしいですか。

○坂委員
 はい。

○山本座長
 それでは、第2点でありますが、やはり判断能力の低下の事案で、再発の防止といいますか、もう一度また同じようなことが繰り返されないように、関係機関との連携とか家族の協力、あるいはそういう事後的な何らかの措置、再発防止のための措置みたいなものについての工夫があるのかという趣旨のご質問だったかと思いますが、いかがでしょう。遠藤委員。

○遠藤委員
 貸金業につきましては、貸付自粛制度ということで、各情報センターでございますが、貸金業のJICCという情報センター、それからクレジット・信販等のCICというところにつきまして、貸付自粛の登録をするということで、こういう方に、苦情とかあっせんの場合にはそちらの方にご案内を必ずするような形をとっております。この4月以降、まだちょっと時期はわかりませんが、もう公表されていますが、銀行協会様の情報センターにもそういう制度ができるかのように聞いておりますので、その辺とも協力いたしますと、金融に関しましては自粛についてかなり広い範囲でできるのではないかと考えるところでございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 他にいかがでしょうか。坂委員のご趣旨としてはあれですか……はい、お願いします。

○坂委員
 恐らく、どんな事案が挙がってくるかということによるかと思うんですけれども、私ども色々議論する中で、再発防止をどういうふうに社会的にバックアップするかということも重要な課題と考えております。是非そういった観点からもご検討いただければと思います。

 それからもう1点、先ほど冒頭に申し上げた現場へのフィードバックということも重要ではないかと思っております。感想的なことですけれども、この点も生保協会さんのご報告の中で、これは34ページあたりに出てくるところかと思いますが、ご指摘がございます。ガイドラインの高齢者ルールについて、一部に形式的な履行となっており、苦情となるケースがあるとの指摘とともに、各社との研修会において、具体的事例を踏まえて、ルールの趣旨を踏まえた実効的な履行が重要との指摘等、再発防止に向けた対応を行っていると。これは要するに、その種の案件についての再発防止ということかと思いますけれども、こういったフィードバックが非常に重要かと思いますので、是非広く取り組んでいただければと思っております。

 以上です。

○山本座長
 ありがとうございます。そういう意味での再発防止というのもADRの一つの大きな目的といいますか、機能だと思いますので、その点は是非よろしくお願いしたいと思います。

 他にいかがでしょうか。どうぞ、沖野委員。

○沖野委員
 ありがとうございます。各機関とも非常に問題関心を持って工夫をされているということに、心強く思っているところでございます。私自身の問題関心としましては、このように様々な工夫をされているのですけれども、それが実効的であるのか、有用であるのかという点からの検証も必要ではないかと思っております。それは、それぞれの工夫をするに当たっては費用ですとか予算的な問題もありますので、そういった検証が必要であり、あるいは他機関にとっての参考になるという観点からも重要なことではないかと思っております。

 そのような問題関心から個別に3項目を教えていただければと思っておるのですけれども、1つは、今、坂委員からご指摘のあったところの生保協会さんの34ページには、一部に形式的な履行になっていて、それがむしろ苦情を生んでいるというご指摘がございました。せっかくの各種のガイドラインや工夫をしているんだけれども、機械的にそれによればいいということがかえって問題になってはいないかという点は、非常に重要な観点ではないかと思います。それで、形式的な履行になっていて問題になっているというのは、例えばどういうことなのか、もし具体例がわかれば教えていただきたいということと、それから、他機関におかれましても同じような問題は生じるかと思いますので、これを機械的に守っていればいいというようなことにならないように、十分注意をされているのだと思いますけれども、どういったことをされているかというのを教えていただければというのが1点目でございます。

 2点目は、これも繰り返し問題になっていることでございますけれども、とりわけ判断能力の点で難しいことがあるときに、本人とのコミュニケーションや意思確認をどうやっていくのかということがあり、それをやはり家族や近親の人、知人の人を通じてということになりますと、その人たちに遠慮してとか、その人たちの意向が優先してしまうと。それも外側からはわからないというようなこともありまして、それをどうするかという問題が既にご指摘があるところです。これはもうご回答いただいたんですが、他方で、少し今回興味深いと思いましたのは、多くの機関で認知症サポーターの認定ということを取り入れておられます。これがどのくらい有用なんだろうかということで、例えば、わかっていないけど、「はい、はい」と言ってしまうとか、家族に遠慮して「私もそうなんだ」と言ってしまうけど、本当のところはどうなんですかというようなところが、例えば、認知症サポーターの認定などを受けた方を配置することによって、一部分なりとも対応できるというようなことが表れているのかどうか。実効性があるということであれば、そういう方を増やしていった方がということも出てくるものですから、もし実例として認知症サポーターというものがそれなりに効果を上げている、あるいは効果を上げる使い方がされているというようなものがありましたら、教えていただければと思うのが2点目でございます。

 3点目は、電子メールですとかホームページあるいは電子化というのは一方で様々なところでの課題でもございまして、今回拝見しますと、多くのところで手法としては用意されているということでございました。また、報告の中でも実例があるということをご紹介いただいたところがあると思いますので、制度として用意されているところは、件数はそれぞれでしょうけど、それなりに実例があると理解してよろしいかと思いますが、どうでしょうか。そういったときに損害保険協会の方ではそのような手法を用意されていないということは、若干突出した感じを受けるわけですけれども、逆に、そのような電子メールですとかホームページからの申請ですとか、そういったことに対してはこういう懸念があるのでまだ検討中なんですという具体的な考慮がありましたら、教えていただければと思っております。必要性については、こういう手法がないと最初から来ないために、今、必要ないというのは、なかなかちょっと言いにくいように思われますので、もしそういう手法をとること自体に対する懸念がこういうことがあるんだということであれば、逆に、そういう手法をとっておられるところにとって注意すべきことかということにもなってくるかと思いますので、考慮がありましたら教えていただければというのか3点目でございます。

 以上です。

○山本座長
 ありがとうございます。3点ご質問でした。まず第1点ですが、このガイドライン等について、形式的な履行に留まっているというのは具体的にはどういうことなのかと。生保協の34ページのところにそういう記述があるということでしたが、まず、生保協会、酒巻委員から。

○酒巻委員
 生保業界では高齢者のガイドラインというのを定めておりまして、高齢者に生命保険を販売する場合には、親族の同席を求めるとか、あるいは熟慮期間を設けるとか、あるいは複数募集人が同席をして理解度を確認しながら説明等を行うと、こういったようなことがございまして、生保各社におきましても、概ね今申し上げたような対応のどれかを選択しながら高齢者に生命保険を販売するということを行っているわけでございますけれども、審査会委員が指摘をした事例といいますのは、複数募集人が同席をしているということで高齢者ルールを遵守しているというところでございまして、どうしてそういうことを求めているかといえば、担当者が説明しているのを横で見ていまして、ちゃんと理解しているかどうか、あるいは、その説明に不足があれば適宜補足したりすると、そういう役割が期待されていると思っているんですけれども、実際に事情聴取とかでどういう形で同席をして補助をしたかというお話を聞いてみますと、どちらかというと同席をしていたということがメインになっているのではないかというような事情がございまして、本来求められる役割をきちんと果たしていないケースがたまたまあるというようなことがございましたので、そのあたりを指摘させていただいたと、そういうことでございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 他の機関でもそのような事情はないかということですが、阿部委員、どうぞ。

○阿部(耕)委員
 全銀協も研修会であっせん委員からの指摘事項というのを毎年取りまとめておりまして、その中で、今、議題になっていますガイドラインに則って販売をしているという、それは当たり前のことでありまして、じゃあ実質的にそれは意味をなしているかどうかというところが論点になりまして、今、酒巻委員がおっしゃったように、上司の方がいましたと。「じゃあ、上司の方は何をどう確認して、どういう点が理解が深まったのか、そこまで言ってください」と、あっせんではそういう質問をしますけれども、「いや、そこまでは記録がない」とかなってくると、それは形式的な運用じゃないですかというのが1つ。最近は、家族の同席といっても、90歳のご夫婦が90歳と90歳でいて、おられたからいいじゃないかって、それは違うだろうということで、息子さんとか理解力のもう少し高い方が同席することは意味があることじゃないですかと、そういうあたりを留意事項として毎年の研修会でお話はさせていただいているということで、まさに形式的にやっているからいいということではないよということは、我々も注意してやっているということであります。

○山本座長
 ありがとうございます。

 よろしいでしょうか。どうぞ、沖野委員。

○沖野委員
 ありがとうございます。私、ちょっとこの項目を自分が誤解していたことに気づきました。形式的な履行というのは、今回の34ページの方は販売におけるものでございますし、発生原因の分析なのですが、私自身は、高齢者・障害者対応、とりわけ判断能力などを含めてですが、その対応に当たってはこういうことに留意すべきだという相談ですとか苦情ですとか、あるいは紛争解決において、一定のガイドラインとか定式とかあるときに、その形式的な履行に陥っていないかという問題関心からお伺いしたということですので、それはそれでまた問題になるかとは思いますけれども、問題関心について、自分が誤解していたということのお詫びも含めて補足させていただきます。

○山本座長
 ありがとうございます。

 それでは、第2点ですが、認知症サポーターの配置、幾つかの機関で記載がされているところでありますが、これが実効性が出ているのか、その実効性が出た例というようなものはあるのかという趣旨のご質問だったかと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ、阿部委員。

○阿部(耕)委員
 私も先ほど、この資格については私どもも認知症サポーター全員取得していますと申し上げたんですけど、取得をしたからには、それがじゃあ取得しないのと比べてどう変わったかというところ、前と後でどう変わったかというのはなかなかよくわからないところでありまして、結局、認知症の方に対して、繰り返し同じ質問があったって繰り返し丁寧にやっていくんだという姿勢というのは、それを取得することによってどの相談員も身につけてやっているというふうに信じておりまして、そのサポーター取得というのが役立っているということを総論的には感じるんですけれども、どう違ったかというところはちょっと私にはなかなか説明できないのかなと思いますが。ただ、やっぱりモチベーションも違いますし、資格を取得するということはそれなりのプロ意識を持って対応能力が高まっていく一つの要素であるというふうに考えております。

 以上です。

○山本座長
 他はいかがでしょうか。どうぞ、小泉委員。

○小泉委員
 少短協会ではこれを取り始めたところなので、まだ分析までは至っておりません。ただ、認知症サポーター認定者もいますが、基本的にあの講座自体がある意味結構簡単なものでありまして、要は、認知症の方に対しての偏見を持たないようにする、思いやりの心を持たすようにするとか、そういったことに重点が置かれている認定講座でありまして、これをやったからすぐにということはなくて、むしろご本人の感性の問題の方が大きいんだろうと思うんですね。ただ、それが、これをやることによってより一層その辺に対しての思いが強くなる。そういった意味での繰り返しのご質問だとかそういうことについても対応できるようにする耐性がつく。その辺のある意味意識面の変革の方が大きいのかなという具合に思ってございまして、その出た結果として明らかに違うというところまではまだいっておりません。

○山本座長

 ありがとうございました。

 沖野委員、そういうことでよろしいですか。

○沖野委員
 はい、結構です。ありがとうございます。

○山本座長
 それでは第3点ですが、メール等による相談・申し立てについて、損保協会に何らかのご懸念があるのかというご質問だったかと思いますが。

○村田委員
 資料2-1、A3の横長、一覧にすると明確なんですけれども、当方の課題として、各団体さんとの比較において、私どもの方も他の受付手段での対応を検討ということで認識させていただいております。今、開放してないところの事情を申し上げますと、やらないんだという積極的な理由はないんですけれども、例えば、電子メールを想定すると、お客様が訴えたいことと我々がお聞きして解決に持っていきたいときの寄せていかなければいけないキャッチボールがあるんですけれども、電子メールだとやや時間がかかるかなというところを心配しているというところと、あと、私ども、件数が多いということで、システム的に外とつなぐと情報管理のところもきちんとやらなければいけないなというところを課題としながら、前向きにここは我々としての認識としてやっていきたいというふうに思ってございます。

○山本座長
 ありがとうございました。そういうことでよろしいですかね。

○沖野委員
 はい、ありがとうございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 それでは、やや時間が迫ってきましたが、ほかに。どうぞ、犬飼委員。

○犬飼委員
 感想で大変恐縮でございますが、今回、高齢者・障害者事案への対応というテーマをお選びいただきまして、金融庁さんに感謝申し上げます。大変適切なテーマだったと思います。それと同時に、皆様の業界団体、ADR機関の皆様におかれましては、大変に詳細な、また分析的なレポートのご作成、それと日頃からの適切なご対応、今日お聞きしておりましてよくわかりまして、本当にありがとうございます。各業態の団体の皆様のご尽力に改めて深謝申し上げます。

 それで、今日は単なる感想で恐縮なんですけれども、高齢者・障害者事案の対応ということをお聞きしておりまして、5年、10年ぐらいこれから展望してどうなんだろうというところで少し感じたことがございますので、ごく手短に申し上げますと、今後、これも金融庁さんが既にご対応を開始されておられますけれども、新たな各種の電子マネーでありますとか仮想通貨でありますとか、そういうものがどんどん出てくるであろうと。既存の銀行を超えたスマホ決済機能、ネオバンクというようなことが言われておりますけれども、そういうものがどんどん出てきて、銀行以外の決済機能というものがどんどん出てくると。そういうところで高齢者・障害者の方々が、まず第1にフィナンシャル・インクルージョンのエクスクルージョンの観点からそういうものに乗っていけるのかという問題もあるんですけれども、仮に乗れたとした場合でも、現状の、ここで皆様が一生懸命やられていて、大変に立派なご対応をされているフィナンシャルADRにそういう部分が乗ってこない可能性があると、これはよくないなというふうに思いまして、横断的・包括的な金融サービス、特に決済のあり方については金融庁さんで既にご検討が開始されていると理解をしておりますけれども、そういうものに乗っかるべき金融ADRのあり方ということについても、そろそろ同時的にご検討いただく必要があるのではないかなという感じがいたします。

 それと、高齢者・障害者の範疇に入らないかもしれない方々も実は問題になっていると私は理解しておりまして、例えば、東京23区内の単身ではなくて、要するにアパート等で一人暮らしの方々が孤独死をされている案件が非常に多くなっていると。女性に比べて特に男性の方が孤独死をされているのが多くなっているということなんですが、60代を中心に、40代、50代の方々も大変沢山亡くなっておられると、そういう状況も聞いております。これは、こちらに関係されているある業界団体さんのレポートから得た情報でございますけれども、そんなことも含めて、これから課題はやはりたくさんあるなと感じておる次第です。

 以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。

 他にもご質問、ご意見あるかもしれません……、どうぞ。

○樋山委員
 時間がないので、手短にお話しさせていただきます。ADRのこの会議については、各ADRの担当者の方々の努力のたまものでいつも資料を充実したものを頂戴しているところなんですけれども、1つ気にかかるのが和解率についてです。和解というのは、互譲の精神に基づいてそもそも話し合いをするところがADRというところなので、和解を意識するということは、前向きであり、大変重要なことなのかなとは思っているんですが、ホームページとか今回の事例などを拝見させていただくと、そもそも和解の率というんでしょうかね、和解率をあまり気にして、その数字がひとり歩きすることについては、少し考えないといけないところがあるのではないかなというふうな感触を私は持っています。和解率で考えるのがいいのか、それとも本当の中身で考えるのがいいのかというと、やはり本来あるべき解決方法、これが一番いいのだろうというような解決方法をとるべきなので、一度ここで和解率について少し考え方を少しリセットしてみて、中身でやっていこうというような考え方に少し方向を変えたほうがいいような事案が時々見受けられるのではないかなと思っておりますので、感想なのですが、お伝えしたいと思いました。

○山本座長
 ありがとうございました。

 まだご質問、ご意見あるかもしれませんが、予定された時間を過ぎておりますので、この点についてはこの程度にさせていただきたいと思います。言うまでもなく、この高齢化あるいは障害者の方々への対応の問題というのは、今後の日本社会全体にとって重要な問題であることは間違いありませんので、今後も当協議会において引き続き取り上げていかなければならないのだろうと思っております。本日は様々な観点からご議論いただきましてありがとうございました。

 それでは、ちょっと恐縮ですが、時間を延長させていただくことになるかもしれませんが、次の議題であります「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等について、金融庁金融サービス利用者相談室長、岡根委員の代理である石井補佐からご説明を受け、続いて、金融ADR連絡協議会の概要につきまして事務局からご報告をお願いしたいと思います。

○石井委員
 相談室からでございますけれども、29年度上期の相談等の受付状況について説明させていただきます。

 お手元の資料3-3をご覧ください。相談等件数の推移を四半期ベースで示しております。29年度上期は、右のほうでございますけれども、8,289件と8,173件の相談等を受け付けております。相談等の件数は減少傾向となっております。

 次に、資料3-1と3-2でございますけれども、相談等の受付状況等を具体的に記載したものでございます。こちらはホームページで公表しております。

 資料3-2の7ページの下をご覧ください。3の分野別受付件数の区分欄でございますが、仮想通貨等に関する相談の割合が増えてきたため、これまで貸金等に含めておりました仮想通貨等の件数を貸金等から分けまして、仮想通貨等として公表することといたしました。仮想通貨等に寄せられた相談等の内容としましては、昨年4月から仮想通貨交換業を行う業者に登録制が導入されたことに伴いまして、仮想通貨交換業者の登録状況などの照会が多く寄せられております。全体の相談等の件数を見ますと、預金・融資と投資がそれぞれ約3割、保険はそれより若干少なく、仮想通貨、貸金は1割程度となっております。

 相談室からは以上でございます。

○西原室長
 それでは、お手元の資料4に沿いましてご説明します。資料4の方をお願いします。

 まず、第12回の内容としましては、高齢者・障害者を当事者とするトラブルへの対応をテーマとして、昨年9月に開催、内容としましては、申立人の特性や事案の内容に応じた解決を図る上で、1つには指定機関職員の対応スキルの向上、2つにはADR手続途上における申立人本人の理解度や意思の確認、3つ目としては代理人・介助者の立ち会い容認等の重要性について、意見交換を行っております。

 また、13回におきましては、利用者の信頼性確保に資する情報管理態勢をテーマとして、昨年11月に開催、内容としましては、ADR業務における秘密の漏えいを防止する上で、1つ目として情報取扱いルールの制定や周知、2つ目としては情報の取扱い手続に係る外部監査を含めた事後チェックを行うこと、3つ目としては個人情報漏えいに係る当局報告の要否判定等の重要性について、意見交換を行ったところでございます。

 金融ADR連絡協議会に係るご説明は以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。

 ただいまのご説明につきましてご質問、ご意見がおありでしたらお出しいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、最後になりましたが、消費者庁、尾原委員より、消費者ホットラインに関する情報提供があるということでございます。尾原委員、お願いいたします。

○尾原委員
 はい。消費者庁でございます。

 お手元、「消費者安全確保地域協議会について」の資料の8ページをおめくりいただいてもよろしゅうございますでしょうか。本日の議論の中でも、消費者トラブルの再発防止として他機関との連携が社会的な課題であるというご議論があったかと思います。消費者安全法の方では、高齢者・障害者・認知症等の判断力が不十分となった方の消費者被害を防ぐために、地方公共団体及び地域の関係者が連携した見守りネットワーク(消費者安全確保地域協議会)の構築を進めておるところでございます。まだ制度が始まったところでございますので、数からいくと、実は、我々としては人口5万人以上の市町村では全ての町でこの協議会を作っていただければと思っておるのですが、なかなかそれが進んでいない状況でございます。

 本日、このお話をさせていただきますのは、この制度の概要というところで、協議会の役割としては、構成員間での必要な情報交換、協議ができる。あるいは、もっとできるということであれば、守秘義務を課した上で構成員間で情報共有ができるというものが、消費者安全法に規定されております。本日ご参加いただいております金融機関のそれぞれ業界団体さんのところにつきましても、この事業者関係というところで構成員として入ることは可能でございます。ですので、傘下の都道府県もしくは市町村の地方公共団体で協議会設置の際には、是非積極的なご参加をご検討いただければと思っております。

 そして、最後のページでございますけれども、14ページでございます。見守りネットワークでは、全ての構成員が消費者トラブルの専門家である必要はないです。まずは地域の力を結集して、消費生活センター、188で全国どこにでもそれがつながる状況になっておりますので、是非そういうところをつないでいただくことが大事だと思います。本日お集まりいただいていらっしゃる方はもちろんADRの専門家でいらっしゃるので、これは既にご存じかもしれませんけど、お戻りになられて、消費者安全確保という観点から我々としては是非この188の認知度も高めていきたいと思っておりますので、そのあたりの普及啓発もご協力をいただければと思っております。

 ありがとうございます。

○山本座長
 ありがとうございました。

 それでは、本日の協議会はこの程度とさせていただきたいと思います。

 次回の協議会につきましては本年6月頃を予定しておりますが、詳細については追って事務局からご連絡いたしたいと思います。

 本日は、大変お忙しい中、活発な議論をいただきまして、ありがとうございました。これにて閉会させていただきます。
 

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