第56回金融トラブル連絡調整協議会 議事録

1.日時:

平成31年2月8日(金曜日)10時00分~12時10分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

○今西室長
 皆様、おはようございます。ご多忙の中、第56回金融トラブル連絡調整協議会にお越しいただきまして、ありがとうございます。事務局を務めさせていただきます、金融庁金融トラブル解決制度推進室の今西と申します。よろしくお願いいたします。

 冒頭、事務局より、委員の就退任に関しましてご紹介させていただきます。本協議会におきまして、学識経験者及び弁護士の委員の在任につきましては、第51回より金融審議会に準じ、任期2年、連続10年まで再任可という取扱いを原則とさせていただいたところでございます。そうした関係もございまして、前回の55回会合をもちまして、山本座長、犬飼座長代理、森委員の3名の委員が退任となられます。

 前回、退任のご紹介、ご挨拶の機会を設けることができませんでしたので、本日は参考人としてご出席を特にお願いし、後刻、ご挨拶をいただきますとともに、それまでの議論にもご参加いただきたいと考えております。恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

 なお、座長、座長代理の退任に伴いまして、新座長が選出されるまでの間、いましばらく事務局より進行させていただきます。

 ここでご退任の3名にかわりまして、新たに委員に就任される3名の方々をご紹介いたします。恐縮ですが、あわせて簡単に自己紹介をいただければ幸いです。

 京都大学の山田様です。

○山田委員
 京都大学の山田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。大学では民事手続法を担当しており、ロースクールではADRのクラスも持つなどADRについては研究上の関心がございます。また、実務的には、かねてISO10001から10003として消費者紛争の解決手続のシステムの規格を策定した際、その議論に専門家として関わりまして、各事業者内の苦情相談とADRをつなげることの重要性を身に染みて理解したところでございます。
 
 また、最近ですと、国民生活センターの紛争解決委員として、金融トラブルを含む消費者紛争に手続実施者としても関わらせていただきました。かねてより、この会議の帰趨には大変興味をもっております。どうぞよろしくお願いいたします。

○今西室長
 ありがとうございました。
 
 続きまして、弁護士の斎藤様です。

○斎藤委員
 おはようございます。斎藤でございます。私は、東京弁護士会で紛争解決センター、ADRの委員会に10年以上携わっております。特に金融ADRの制度設計、あっせん人を担当しておりましたので、この度貴重な会議に参加させていただきまして、大変光栄に思っております。
 
 その他に、弁護士としては貸金業、銀行、保険会社などのインハウスロイヤーを経験しておりまして、金融機関側の代理でADRにも関わりましたし、また、弁護士として利用者側の代理でも関わり、色々な角度から金融ADRに関わってきました。微力ですけれども、是非金融ADRの発展に貢献できればと思っております。また、座学としては、明治のロースクールで企業実務、筑波大で金融法のクラスを担当しております。どうぞよろしくお願いします。

○今西室長
 ありがとうございました。
 
 東京大学の神作様です。

○神作委員
 おはようございます。ただいまご紹介いただきました東京大学の神作と申します。大学では商法のほか、金融法、金商法、信託法などを担当しております。私は専ら実体法の観点から金融関連法を勉強しておりまして、手続ですとか、実務については大変疎い者でございます。色々とご教示いただきながら、ご一緒に考えてまいりたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。

○今西室長
 ありがとうございました。
 
 続きまして、人事異動等に伴います委員の就任をご紹介いたします。
 
 全国信用組合中央協会の湯川様です。また、日本資金決済業協会の橋本様です。また、日本仮想通貨交換業協会が昨年の10月に自主規制機関となったことから、今回より長田様が出席されております。総務省の佐藤様、本日はご都合により欠席されております。

 金融庁でございますが、総合政策局金融サービス利用者相談室の鈴木です。

○鈴木委員
 よろしくお願いいたします。

○今西室長
 企画市場局総務課の長岡です。

○長岡委員
 よろしくお願いいたします。

○今西室長
 なお、委員の交代はございませんが、本日は、日本少額短期保険協会におかれましては代理の朝原様、消費者庁におかれましては代理の待鳥様が出席されておられます。また、本日は原田委員、沖野委員、坂委員がご都合により欠席されておられます。
 
 人事異動等に伴います委員のご紹介は以上でございます。
 
 続きまして、新しい座長につきましてお諮りいたします。山本前座長からは、後任は神作委員にお願いできればと承っております。他にご意見ございますでしょうか。
 
 差し支えなければ神作委員にお願いしたいと考えておりますが、ご賛同いただけますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)


○今西室長
 ありがとうございます。では、神作委員に座長にご就任いただきまして、座長席にて以降の進行をお願いすることといたします。

(神作委員 座長席に移動)


○神作座長
 ただいま座長にご指名いただきました東京大学の神作でございます。先ほど自己紹介の際に申し上げましたように、実体法の側面からは金融関連法について若干勉強しておりますけれども、ADRについては十分な知識、経験のないところもございます。是非、皆様のお助けを借りながら進めてまいりたいと思います。何とぞよろしくお願い申し上げます。座って失礼させていただきます。

 座長代理の取扱いにつきましては、人選も含めまして、私にご一任いただければ幸いでございます。よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)


○神作座長
 どうもありがとうございます。それでは、議事を進めたいと存じます。
 
 本日は、はじめに平成30年度上期における、各指定紛争解決機関の業務実施状況につきまして、事務局から説明をいただきたいと思います。また、本日の議題である金融機関・業界の業務改善に資する取組み(フィードバックが改善に確実に活かされるための仕組みの構築)と消費者への還元につきまして、指定8機関に資料をご用意いただいております。これらの資料をもとに、各機関よりご説明をお願いいたしたいと存じます。
 
 これらの説明が終わったところで、一度ご質問、ご意見をいただきたいと存じます。
 
 次に、毎回ご報告を受けております、金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況等、金融ADR連絡協議会の概要につきまして、金融庁金融サービス利用者相談室及び事務局からご説明をいただき、ご質問、ご意見を頂戴したいと存じます。
 
 最後に、ご退任いただきます森先生、犬飼先生、山本先生の3名から是非ご挨拶、ご感想をいただきたいと存じますが、それまでの間、3人の先生方にはどうかご議論に参加していただきまして、積極的にご意見を頂戴できれば幸いに存じます。何とぞよろしくお願いいたします。
 
 それでは、初めに事務局よりご説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○今西室長
 ありがとうございます。平成30年度上半期の指定紛争解決機関の業務実施状況につきまして、各機関からの報告に基づき作成した資料を使いまして、ご説明します。資料はお手元、1-1、1-2のそれぞれ1枚紙、及びホチキス留めの1-3、白黒の表紙のものになります。
 
 まず、資料1-1、苦情処理手続の実施状況の表をご覧ください。表を見ていただきまして、左手、(1)、苦情処理手続の左から2番目の項目に、当期の受付件数及び前年同期比がございます。その一番下の欄の8機関合計をご覧いただきますと、4,095件を受け付けておりまして、前年の29年度上半期と比べまして15%の増加となっております。
 
 こうした増加の要因としては、上場投資証券の早期償還により損失が発生した案件に係る苦情がその大部分を占めておりまして、その対応を担われました証券・金融商品あっせん相談センター、FINMACの欄をご覧いただきますと、前年比163%の増加、すなわち2.6倍の受付件数ということになっております。
 
 この他の指定機関では、多くの機関では減少となっておりますが、その中では全銀協等で増加しており、全銀協におきましては証券業務関連での増加が見られたと聞いております。
 
 続きまして、資料1-2、紛争解決手続実施状況の表に移ります。先ほどと同じく左手、(1)紛争解決手続件数の一番下の欄をご覧いただきますと、8機関合計で639件に対応しておりまして、29年度上半期に比べて11%の増加となっております。指定機関の別で見ますと、苦情処理手続と概ね同様にFINMAC、全銀協での増加が見られます。増加の要因につきましても、先ほどとそれぞれ概ね同様であると伺っております。
 
 なお、苦情処理手続及び紛争解決手続の受付件数につきましては、資料1-3におきまして、半期ごとの推移を棒グラフにしております。表紙からめくっていただいて、1ページに、苦情処理がございまして、恐縮ですが4ページに飛んでいただきますと、紛争解決が棒グラフで推移がわかるようになっております。いずれも足元で、先ほど申し上げましたような増加の状況がご確認いただけるかと思います。
 
 先ほどの1枚紙の資料1-1、1-2では、表の右側に終了事由別の内訳、手続所要期間というのを、それぞれ件数でお示ししているところですけれども、すみません、行ったり来たりで恐縮ですが、資料1-3におきましては、これを円グラフにいたしまして、前年と比較できるようにいたしております。
 
 この資料1-3の2ページをご覧いただきますと、苦情処理手続の終了事由別、すなわち結果でございます。めくっていただいて、3ページが手続終結までのかかった時間、所要期間別。5ページが紛争解決手続の終了の事由別、6ページが終結までにかかった時間、所要期間別ということになります。いずれも前年に比べて大きな変化は見られていないところかと思われます。
 
 なお、5ページを見ていただきますと、円グラフの右下に、それぞれ四角囲みで和解成立についての8機関合計の数字が載っております。220件、43%とございますけれども、めくっていただいて7ページでは、これの8機関それぞれの数字が掲載されているところでございます。
 
 以上が資料1-1から1-3の説明でございます。なお、この後ろにA3の紙、資料2というのが折り畳んでありますが、これは業界団体におけます件数の年度推移を、ご報告に基づき取りまとめたものでございますので、適宜ご参照ください。事務局からは以上でございます。

○神作座長
 ご説明どうもありがとうございました。
 
 続きまして、金融機関・業界の業務改善に資する取組み(フィードバックが改善に確実に活かされるための仕組みの構築)及び消費者への還元につきまして、続けて各指定機関よりご説明をお願いいたしたいと存じます。まず、冒頭、議題の趣旨等につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。

○今西室長
 今回の議題の趣旨について、口頭にて事務局より説明させていただきます。金融機関利用者から指定機関に寄せられる様々な声、ご意見といったものを的確に分析して、金融機関・業界に対して有効にフィードバックしていくということの重要性につきましては、当協議会におきましても、これまでも繰り返し採り上げられているところでございます。
 
 その際、指定機関の取組みについては、委員の皆様からも、一定の評価を頂戴した一方で、更なる改善を期待する声もあったところと承っております。
 
 指定機関に対する期待といたしましては、例えば、フィードバックを担当者レベルで行ったのでは改善が見られない場合も考えると、認識が経営陣に共有されるように伝達レベルの工夫も必要ではないのか。あるいは、フィードバックされた情報が適切に活用されているか、検証する体制が必要なのではないか。さらには、フィードバックされた情報が顧客にとって本当に有益な金融商品、サービスの企画立案、提供にきちんと活用されることを期待する、といった趣旨の貴重なご指摘があったところでございます。
 
 これらは、指定機関、または、その上部機関がその位置付けから金融機関・業界の実務やガバナンスに精通しており、各金融機関の経営や活動に一定程度影響を与え得るということを踏まえたものではないかと考えます。こうした期待、ご指摘を踏まえまして、各指定機関におかれましては、より良い仕組みの構築に向けて努力を重ねられているところと思いますが、今回、金融機関・業界へのフィードバック等の取組みについて、その現状や実効性を高めるための工夫、今後の課題等について改めてご報告をお願いしたものでございます。
 
 また、消費者への還元、情報提供も重要であるとのご指摘を踏まえまして、各指定機関より、消費者への情報提供や啓発のための取組み、これには指定機関の存在と役割の周知ですとか、中立性、公平性についての理解を深めるためのものから、利用者の不安を取り除いて利便性を高めるといったものまで、様々なものがあると思いますけれども、そうした取組みについてもご紹介、共有をお願いしているところでございます。
 
 以上がテーマの趣旨でございます。
 
 次に、今回ご用意しております資料の確認をさせていただきます。資料は大きく3種類ございます。まず、資料3-1と右肩に打ってあるもの。これは、テーマを踏まえまして、各指定機関で記述されたものでございます。8機関をホチキスで一括して褊綴させていただいております。
 
 続いて、資料3-2の束です。テーマを踏まえまして、フィードバックや消費者還元で実際に用いている書面等の例を各指定機関からご提出いただいたものでございます。見ていただきますと、3-2(-1)から始まりまして、最後、3-2(-8)まで、指定機関別に褊綴させていただいております。
説明をお聞きいただきます委員の皆様には、資料3-1により順次、各指定機関の説明をお聞きいただきつつ、資料3-2で書面の実例もご覧いただければわかりやすいのではないかと考えております。
 
 また、併せまして、資料3-3。A3のものでございます。この資料3-3につきましては、先ほど申し上げました資料3-1及び3-2におきます各指定機関の記載内容を踏まえまして、各機関にご確認いただいた上で、事務局において整理、要約して一覧化したものでございます。4機関ずつに褊綴した表形式となっております。
 
 資料3-3の表の造りを少しご紹介させていただきます。例えば、3-3(-1)をご覧いただいて左側のところを見ますと、金融機関のフィードバックについて、例えば、業界全体の情報を業界全体に還元するという取組みもあると思いますし、それから、その中で個社の気になるものを個社に還元するといったものもあるかと思います。あるいは、個社の情報なのだけれども、これは業界全体で共有する、アラームした方がいいのではないかというものもあるかと思いますので、そういったことで色々取り組んでいらっしゃるというのを、横串で見られるような形にさせていただいているところでございます。
 
 めくっていただいて、2ページになりますと、先ほど申し上げた金融機関、経営陣への伝達についてはどうか、あるいは実効性の検証についてはどうか、さらには商品開発、営業態勢の改善につながっている事例等についてはどうかというような観点で、整理をさせていただいているものでございます。
 
 テーマ2つ目の消費者への還元につきましても、同様の切り口で整理させていただいているところでございます。
 
 このA3のものが2束ございまして、それぞれ4機関ずつということになっておりますので、これも併せて適宜ご参照いただきたいと思います。
 
 すみません、長くなりましたが事務局からは以上です。

○神作座長
 どうもありがとうございました。それでは、各指定機関よりご説明をお願いいたしたいと存じます。
 
 まずは、全国銀行協会の西村委員、お願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。

○西村委員
 全国銀行協会の西村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。では、私の方から、全国銀行協会におけるフィードバックの取組みにつきまして、資料3-1の1ページ目と、3-2(-1)の同じく1ページ目に、資料を添付させていただいてございますが、これに沿ってご説明をさせていただきたいと思いますので、両方開いていただければと思います。
 
 フィードバックにつきましては、幅広く実効性のある還元が重要だと考えてございます。まず、金融機関に対する具体的な還元方法でございますけれども、大きく3つに分けて考えております。1つは、ディスクロージャー資料の還元というものになりまして、もう一点は、加入銀行向けの研修会の実施、3点目は個別銀行向けの還元ということでございます。
 
 まず、最初のディスクロージャー資料につきましては、資料編の方の資料1をご覧ください。カラー刷りで配付させていただいておりますけれども、本件は苦情・紛争の件数の推移だけではなくて、苦情分類別の傾向ですとか、トピック事項について、データを掲載させていただいているものでございます。銀行、消費者、いずれにつきましても還元資料の中核となるものでございまして、ご覧いただいておわかりのとおり、図表を多用してビジュアル化したり、統計資料の説明を適宜加えたりということで、平成29年5月にさらに情報量を増加させる改訂等を行ったところでございます。
 
 また、レジュメに戻っていただきまして、2点目の加入銀行向けの研修会の実施でございます。この研修会は年1回、全国主要5都市で開催させていただいているものでございまして、全銀協相談室やあっせん委員会における審議、また、消費生活センター様等との意見交換会等の状況を踏まえまして、業務上留意すべき事項について、トピック事項を紹介したり、あっせん委員会の指摘事項をまとめたりするなど、対応を工夫して、力を入れて行っているものでございます。
 
 配付させていただいている資料編につきまして、資料2をご覧いただけますでしょうか。資料2は、これは研修会で配布した資料の一部の抜粋でございまして、生命保険の販売時における留意事項をまとめたものでございます。下段にございますとおり、申立人の主な主張というところで、よく保険の関係で寄せられる苦情、1つは預金だと思ったというものですとか、あるいはリスク、為替を知らなかったというような苦情、また、ここまで損をするとは思わなかったというような苦情、こういったものが寄せられていますよということをご説明した上で、次のページをご覧いただきますと、それぞれの項目について、段階的に理解いただいて契約することが重要であるということを、銀行宛に研修会で説明させていただいた資料でございます。
 
 また、次の資料3を併せてご覧いただきますと、これも研修会で配付させていただいた資料であります。あっせん委員会からの指摘を踏まえた販売体制等の改善取組みの事例集というものでございます。あっせん手続を経た加入銀行からは、都度アンケートを実施してございまして、その指摘を踏まえて何らか業務改善等を行ったという報告があった銀行につきまして、それを資料としてまとめたものでございます。
 
 本年度の研修会から初めて配付したものでございまして、他行の取組みが参考になると、非常に好評でございました。1点だけご紹介させていただきますと、適合性原則のところの改善事項のポツの3つ目のところに、顧客の金融資産や投資経験に応じて投資金額の上限をシステムチェックするというご回答をいただいているところを、ご紹介させていただいてございます。
 
 具体的には、投資経験がないという顧客の場合につきましては、金融資産が一定、数千万円までの金額の場合については投資額20%までを上限とするということで、もしそれを超えて販売しようという場合については、ポップアップ画面が出て、なぜその方に販売してよいのかという販売理由をそこに入力して、それをコンプライアンス部門でチェックするというような取組みを行ったという事例がご紹介されましたので、各銀行の方にも還元させていただいたというものでございます。
 
 この他にも、研修会では種々資料をご用意させていただいておりまして、あっせん委員会における指摘事項を主にまとめて、適合性原則ですとか、手続義務違反ですとか、こういったことについて指摘を受けますよということを、各銀行の方にご周知申し上げ、電子データでも各銀行に還元して、行内への研修に役立てていただいたり、支店研修の資料とするなど、有効にご活用いただいていると聞いてございます。
 
 また、レジュメの方に戻っていただけますでしょうか。3点目としまして、個別行に対する還元施策というものがございます。全ての苦情事案につきましては、私ども、定期的に各銀行の方に還元してございますけれども、さらには2ページ目にございますとおり、個別行ごとの苦情の統計データの還元ということで、各銀行における統計データの推移ですとか、傾向、あと加入銀行における順位、こういったところをデータによって還元させていただいておりまして、銀行自身で全体としてどういう位置付けにあるかということがわかるような資料、こういったものを還元させていただいているところでございます。
 
 その他といたしまして、個別行のヒアリング・研修の実施ですとか、業態代表行との情報交換会、また、業務ごとの苦情、言うならばカードローンですとか、保険とか、そういったトピック的な事項につきまして、都度、情報等を収集した上で還元等を行っているという状況でございます。
 
 ②の経営陣への伝達の施策でございますが、先ほど中核となると申し上げましたディスクロージャー資料につきまして、役員会等の定例会で配付しておりますけれども、報告に当たりましては、これは結構大部なものでございますので、トピック事項をまとめて要約したものを配付して、わかりやすく、時間を節約してご説明しているという対応も行っているところでございます。
 
 続きまして、最近取り組んでいる事項でございます。先ほど申し上げたディスクロージャーの見直しを29年5月に行ったということと、加入銀行向けの研修会の内容につきましては、毎年工夫をして修正した資料をお配りしているということであります。
 
 ④のフィードバックの実効性の検証でございますけれども、個別行に対するものと、全体に対するものと、大きく3つに分かれようかと思ってございます。苦情・紛争事案の終了時に各銀行から報告等を受けておりまして、適切な対応がなされているかということを個別にフォローしたり、また、特定分野の苦情が増えているという場合については、当該行に対してのヒアリング等を行っているということであります。
 
 また、全体の傾向把握という意味では、全銀協金融ADR運営会議という、私どもの協会の担当役員と関係部門長をメンバーとする会合を月1回開催してございまして、苦情・紛争の状況ですとか、長期未解決事案の状況等を確認してございます。また、各地の消費生活センター様ですとか、消費者行政機関等とも情報交換会を適時実施して、銀行に関する苦情等の把握をしているということであります。
 
 ⑤のところは、先ほど1点ご紹介申し上げましたので、省略をさせていただきます。
 
 ⑥の業務改善の仕組みに関する評価と認識する課題という点でございます。こちらのところは、課題といたしましては、やはり支店など営業の現場までフィードバックの内容を浸透させることが重要だと考えております。色々情報交換等させていただくと、本部の方はよく知っているということはよく言われるのですが、それが支店レベルまで情報が行っているのかというところが問題点だというご指摘もいただいておりますので、まずそれが1点、課題だと考えております。
 
 もう一点は、当方、全銀協として金融ADR部門だけではなくて、その他の業務推進部門ですとか、事務企画部門、こういったところとの情報連携によって、社会的な課題、金融犯罪防止を含めた、こうした課題につきまして対応していくことが重要かと思っています。
 
 続きまして、2番目の消費者の啓発に有用な取組みということでございます。まず1点目、大きなところでは、やはりディスクロージャー資料の一般公表ということで、先ほど申し上げたような改善等も行いつつ、わかりやすい情報還元に努めているところであります。
 
 続いて、全銀協金融ADR運営状況レポートの新規作成ということで、これは本年度の9月に作成したものでございます。資料編の資料4をご覧いただけますでしょうか。資料4につきましては、ディスクロージャー資料の記載内容につきまして、一部カラー化した小冊子としまして、代表的な相談・苦情事例ですとか、統計資料等を掲載するということであります。また、音声認識コード等をつけまして、ユニバーサルデザインにも配慮した内容のものにしてございます。
 
 次に、消費者への啓発の取組みの現状でございます。消費者の直接的な啓発としましては、そうした各種媒体による情報提供ですとか、消費生活センター様、消費者行政機関様等を通じた啓発活動を行って、当方の制度について周知を努力しているということでございます。
 
 最後に、最近取り組んでいる事項と、④の認識する課題、こういったことについて併せてご説明をさせていただきたいと思っております。全銀協ADR、金融ADR全般についてそうですけれども、業界団体が運営しているため、業界寄りではないかというご意見、そういう見方をされる方が一定数おられるということでございますので、これは永遠のテーマでございますが、中立・公正性の一層の周知に努めていく必要があると思っております。
 
 このため、先ほど来申し上げているようなディスクロージャーの見直しですとか、小冊子の作成等も行っているところでありますけれども、今回は、資料編の資料5をご覧いただけますでしょうか。資料5は、あっせんの申し立てを考えておられる方に、資料を送る際に併せてお送りしております冊子でございます。
 
 実際にあっせんに参加しようとされる方は不安でいっぱいというところもございますので、次のページの漫画にもありますとおり、事情聴取の流れといったものがわかるような冊子にしたり、実際に利用された方のアンケートといったものを記載する等して、安心して事情聴取に臨んでいただけるような取組みをする小冊子をお配りしているということであります。
 
 併せて、資料6をご覧いただきますと、これは、「これで安心! 金融商品のご購入」といったリーフレットでありまして、まさにそういったリスク性商品を買う場合には、こういった点を注意して買いましょうというもので、周知啓発を図っているということでございます。これは動画でDVDも作成したんですが、DVDだけですとなかなか記憶に残らないということで、小冊子も作成して、併せてご覧いただくことによって深く記憶に浸透する形に工夫したということであります。
 
 最後に、レジュメに戻っていただきまして、もう一点ご紹介させていただきたいところは、外国語による相談・苦情対応を本年1月から行ったということでございます。先般の本協議会の場でもご意見をいただきましたし、また、政府の外国人材の受け入れ総合対策で訪日される、あるいは在住される外国人の方が増加するだろうということを踏まえまして、1月から英語、中国語、韓国語による相談・苦情に対応できるような体制を整えたということでございます。
 
 当方からの説明は以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 
 続きまして、信託協会の高桑委員、よろしくお願いいたします。

○高桑委員
 信託協会の高桑です。どうぞよろしくお願いいたします。
 
 まず、信託相談と現状という意味で、先ほどのご説明のあった資料1-1というのを見ていただきたいんですが、それとともに、私どもの資料3-2の信託協会の9ページをめくっていただきたいと思います。私ども、こちらにADRとして提出している数字はこのような数字になっておりますが、信託相談所では、こちらの資料編の資料4にございますけれども、下の方に併営業務などがございますが、これはいわゆる代行業務とか、あるいは相続関連業務、もちろんこれについても苦情を当然受けているということで、数字ではこちらの方、資料4の方のベースを我々は常に意識してやっているということをご理解いただきたいと思います。その上で、どんなことをしているのかということでお話ししたいと思います。
 
 資料は信託協会の方の資料3-1、7ページにございますが、まず、金融機関向けにフィードバックしている情報ということでございます。私ども、ここにございますが、月次、四半期、年次、あるいは信託相談所運営懇談会というのがございます。こちらは、資料3-2の方に、これは公表用に書いておりますけれども、具体のものがついておりますが、これらを毎月、特に例えば、資料3-2(-2)の15ページのところというのは、月次にどのような苦情相談が来ているのかというものでございますけれども、こういうものを踏まえまして、これを、ちょっと内容が飛びますけれども、毎月、部長クラスの委員会に報告しているところでございます。
 
 さらに、四半期ごとになりますと、理事会クラス、一般クラスということで、7ページの下の方に書いてございますが、伝達ルートということで、社長クラスが参加する理事会、それから、役員が参加する一般委員会の方で報告を行っているところでございます。
 
 そして、今回、信託相談所運営懇談会の模様というような形で外部の方にご意見をいただいたものも報告を行っております。これらの報告については、全て加盟行及びADRの契約締約をしているところに関しては情報共有を行っているものでございます。
 
 まず、私どもではこのような内容を行っており、それから、フィードバック情報の実効性の検証とか、色々あるんですが、そこら辺については、私どもの件数のこともあり、あまり積極的には行っておりません。
 
 それから、飛びまして、消費者の方の啓発ということでございますけれども、これにつきましては、全てウェブサイトにまず載せております。ウェブの方に数とか、あるいは代表的な苦情の内容についても、例えば、こちらの資料編の資料3のところにございますけれども、ご覧のような形で、ウェブサイトに載せております。ちょっと、今日、ウェブサイトの造りをお見せできなかったのであれですけれども、そこで出しているということでございます。
 
 それから、すみません、これはお詫びになりますけれども、私ども、資料の回答の仕方で不備がございました。例えば、消費者金融団体にパンフレットとかを配っていないのかということでございますけれども、これはもちろんパンフレットはあるんですけれども、かなり昔に1回配って、改訂を行っていないので、大分時間が経ったものですから、積極的にやっているということがなかったので、記載を省略いたしました。
 
 それから、ADRの仕組みについても、ウェブの方では手続の仕組みをかなりきれいに書いてあるんですけれども、これも啓発ということで、より積極的、プロアクティブなアプローチがあるかという意味においては、ウェブと、パンフレット止まりのものでございますから、あまりないという回答をしております。
 
 以上、最後に9ページに書きましたが、信託協会全体に関するような共通する事案が発生した場合には、これはより積極的な啓発をやらなければいけないかなと思っているところでございます。私からは以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 
 続きまして、生命保険協会の高橋委員、よろしくお願いいたします。

○高橋(正)委員
 生命保険協会の高橋でございます。よろしくお願いいたします。
 
 それでは、レジュメの資料で申しますと10ページで、資料編でいいますと3-2(-3)、こちらを併せてご覧ください。まず、フィードバックの現状でございますが、大きく括りますと、4つの情報をフィードバックしてございます。まず、aとして記載してございますが、当会が受け付けた苦情、これは全社の合計となります。情報の種類といたしましては、苦情の内容別、発生原因別の件数、割合、あるいは推移、上位苦情内容の傾向分析などでございます。四半期ごとには、お手元の資料編でいいますと、1ページになりますが、ボイス・リポートという形でお付けしてございますが、四半期に1回フィードバックをしてございます。
 
 また、年次報告書といたしましては、相談所リポート、こちらが11ページ以降になりますが、このような形で取りまとめまして、会員会社にフィードバックするほか、ウェブページへの掲載、あるいは関係先への説明の場で活用してございます。
 
 続きまして、2つ目のフィードバックになりますが、bとして当会が受け付けました苦情の個社別の情報でございます。資料でいいますと31ページ以降になりますが、ボイス・リポートの個社版という形で、当該会社に関する苦情の内容別、発生原因別の件数、割合のほか、全ての苦情の概要につきまして、フィードバックをしてございます。
 
 なお、米印に記載してございますが、フィードバックする際には、資料をご覧いただきますと、お分かりになると思いますが、全社の合計を併記する形にしてございまして、自社の状況と簡単に比較ができるという工夫をしてございます。さらに、個社の苦情の内容別の件数につきましては、私どものホームページでも公表するということをしてございます。
 
 3つ目は、cとしまして個別会社が受け付けた苦情でございます。苦情の内容別、発生原因別件数・割合、推移等を取りまとめの上、全生命保険会社にフィードバックを行っています。また、この個社が受け付けました苦情につきましては、(エ)に記載しましたとおり、ただいまbでご説明しました情報とあわせまして、会社ごとの苦情内容別件数、推移のほか、個人保険保有契約件数等を、ウェブページで公表してございます。
 
 こちらにつきましては、資料編35ページの資料4ということで、ウェブページのイメージを添付してございますので、ご覧いただければと思います。
 
 36ページとなりますが、各社ごとに生保会社に寄せられました苦情件数及び、協会に寄せられた苦情件数を、それぞれ苦情内容別に表示するということをしてございます。
 
 最後に紛争解決手続に関する苦情につきましては、申立件数、裁定結果別件数などの統計情報のほかに、原則として全ての個別事案につきまして、事案の概要、当事者の主張、裁定手続・結果をフィードバックしてございます。
 
 こちらは39ページになりますが、表紙のみ掲載してございます。こちらにつきましては、特に和解に至った事案につきましては、和解の理由、例えば、何がしか保険会社側に不適切な対応があれば、そちらについて明示することによって、改善を促すということを行ってございます。
 
 レジュメの12ページになります。伝達ルートの3つ目に記載してございますが、紛争解決委員である裁定審査会委員と各社の担当者との研修会、こちらを年に2回開催してございまして、具体的な裁定事案について解説を行い、業務改善に向けた提言等を行ってございます。
 
 次に、経営陣への伝達の確保でございます。ただいまご説明しました全社にフィードバックする情報につきましては、生命保険各社の代表者で構成されております理事会で報告するほか、各社経営企画部門の役員で構成する会議における定例報告事項としてございます。また、当会が受け付けた苦情の個社別情報であるボイス・リポート個社版、こちらにつきましても各社役員に直接送付するということで、経営陣にフィードバックしてございます。
 
 また、業務規程におきましては、苦情の発生状況を踏まえまして、当会常勤役員から、特定の会社の役員に注意喚起、改善勧告等を行う旨を定めまして、各社経営陣への伝達手段を制度上確保しているというものでございます。
 
 続きまして、④のフィードバックの実効性等を検証する仕組みでございます。定期的に実施する利用者アンケートなどにおきまして様々なフィードバックを受けて、各社において自主的に改善した事項などのヒアリングをしてございます。具体的な内容につきましては、⑤、13ページに記載のとおりでございます。
 
 続きまして、2番の消費者の啓発に有用な取組みでございます。消費者の情報提供につきましては、ただいまご説明申し上げました内容と重複しますので、割愛させていただきます。②の消費者への啓発の取組みの現状でございますが、消費者への情報提供につきましては、ウェブサイトによる情報提供を行っているほか、関係機関への情報提供や消費者行政、あるいは消費者団体、マスコミとの意見交換会でできるだけ多くの機会を設けまして説明等を行い、情報提供に努めているところでございます。
 
 また、生命保険相談所のご案内、パンフレットを作成しまして、各社及び消費者団体等を通じて、消費者に苦情処理手続、紛争解決手続についての周知を図るということも行ってございます。私からは以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 
 続きまして、日本損害保険協会の村田委員、よろしくお願いいたします。

○村田委員
 損害保険協会、村田でございます。よろしくお願いいたします。レジュメでは16ページ、資料編では3-2(-4)をご覧いただければと思います。
 
 まず1点目のフィードバックの現状でございますが、3点ございます。1点目は、当センターで受け付けた苦情・紛争等に関する統計情報、これは統計情報と具体事例を紹介した報告書を四半期ごとに発行して、ホームページで公表するとともに、全社にもフィードバックを行っております。
 
 これに加えて、個社へのフィードバックといたしましては、個社ごとの統計情報をシステムを通じて自社データを随時閲覧できるようになっておりまして、これらの情報を毎月取りまとめて配信するとともに、各社を集めた会議でも報告してございます。
 
 2点目、こちらは特徴的なADR事案に関するフィードバックということで、これは本年度から取組みを開始したものです。苦情・紛争として扱った事案の中から、概ね全社に共通するであろうという課題を洗い出して、有識者の意見を踏まえてフィードバックを行うようにいたしました。
 
 17ページに行っていただいて、3点目ですけれども、苦情事例に関するフィードバックです。これは、苦情事案の中から再発防止策が全社に有効だと考えられるものを中心にピックアップして、フィードバックをしております。これらの事案の一部は、1点目で紹介した公表用の報告書にも記載しているというところでございます。
 
 ここで2点目と3点目の違いがややわかりづらいかと思いますけれども、3点目のフィードバック事例は、苦情として発生した事例を、定型的な切り口で毎月抽出しているもの。2点目のフィードバックにつきましては、苦情事例と紛争事例、全体の中から更に原因などを分析して絞り込んで、外部の諮問機関にも諮ったものという違いでご理解いただければと思います。
 
 続いて、17ページの中ほど、経営への伝達についてです。四半期ごとの統計情報や業務の実施状況全般、これは理事会の場で各社の経営トップにも報告しているとともに、「そんぽADRセンター統計号」については、各社の経営企画担当役員にも報告しているというところです。
 
 次に、③の最近の取組みとしては、先ほどのご報告のとおり、特徴的なADR事案のフィードバック、これはADR機能の強化の観点から、本年度から新規取組みとして開始したところです。
 
 次に、④、フィードバックの実効性についてです。ここは、後の課題認識でも触れていますとおり、仕組みの構築自体、課題として考えてございます。まず、件数という観点では、交通事故の減少等により自動車保険の苦情が減少したことがありますけれども、お客様の声を踏まえた各社における取組みが進んできたことも要因の1つではないかと考えてございます。
 
 続いて⑤、改善事例でございます。傷害による通院保険金の算定に当たりまして、日数の算定に必要な固定具の定義が不明確であった紛争事案が複数件発生しましたので、定義の明確化に付言した終了通知が出されたことから、各社に注意喚起を行った事例がございます。
 
 続いて⑥の課題認識です。フィードバックするためには、分析はどうしても事案を読み込む必要がございまして、スキルを持った人間が人手に頼った抽出となっている実態の中で、いかに質を向上させていきながら検証する仕組みを構築するかというところを、課題として考えてございます。
 
 続いて、18ページ中ほどからの消費者への情報提供です。1.としては、先ほどご説明の中でも説明させていただいた、ディスクロージャー資料を四半期ごとに公表しているとともに、2.としては、ADRをより身近に感じていただけるように、イラストやQ&Aを用いた機関紙を発行し、消費生活センターや運転免許試験場にお届けしてございます。
 
 19ページに行って、3.としては、損保協会及び各社で受け付けたお客様の声の件数、その分類、そして、これを受けた取組みを各社ごとにホームページに掲載してございます。
 
 次に、②の消費者への啓発ですけれども、資料に記載のとおり、大学、消費者向けの講演会ですとか、各種メディアを通じた情報発信等がございます。
 
 最後、③と④、併せてご説明させていただきます。今ほどご紹介した機関紙においては、機関の紹介ではなく、具体事例を紹介するなど、お客様目線でフィードバックの内容の充実を心掛けているというところでございます。
 
 当方からは以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 
 続きまして、保険オンブズマンの小野委員、ご説明、よろしくお願いいたします。

○小野委員
 一般社団法人保険オンブズマン、小野でございます。まず、私ども、保険オンブズマン、当法人は、ADR事業者といたしまして、一般社団法人外国損害保険協会加盟の損害保険会社、及び保険仲立人協会加盟の保険仲立人を事業者として業務を受け付けております。
 
 それでは、本日のテーマに沿いまして、まずお話しさせていただきます。私どものフィードバックという面で申しますと、これは皆さん共通だと思いますけれども、個別案件に係るフィードバックは、至急を要するものでございますので、それはもちろん適切に行っておりますけれども、本日のテーマからいたしましては、私どもとしては再発防止を目的とした観点から、どう仕組むか、どう取組むか、あるいは事業者の方にどう取り組んでいただくかということでの、私どもの取組みをご説明したいと思います。
 
 資料といたしましては、レジュメの20ページ以降、及び事務局がご用意いただきましたA3の資料になりますが、資料3-3(-2)に簡潔におまとめいただいておりますので、それをご覧になりながらお聞きいただければと思います。
 
 まず、フィードバックの現状でございます。私どもとしましては、各事業者側の方に疑義、あるいは問題点というか、改善点が要するのではないかと判断される場合は、個別に即時対応しております。加えまして、各事業者ごとに、私どもではエクセルによりまして色々な統計というか、データをとっております。そこの案件、例えば、保険の契約でいいますと、どういった種類の保険だったのか、あるいは、どういうプロセスのときの苦情なり紛争解決だったのか等をカテゴリーに分けまして、私どもから見て一覧性のあるものにしております。
 
 これは、定期的に私どもが見ておりまして、改善を要する、問題がある、あるいは更なる取組みを要すると、私どもが判断するところにつきましては、個別に先方、相手の事業者へお話ししまして、取組みの改善をお願いしている、こういう管理体制をしております。間違いなく、これは四半期ごとには行っておりますし、各個別案件ごとには、それぞれ1カ月ごと、あるいは2カ月ごとに定期工程管理しておりますので、その中から抽出したものを対象としております。
 
 伝達ルートといたしましては、各社、事業者の連絡担当者、保険会社または保険仲立人には、お客様相談室のような部門がございますので、そこを中心にしております。経営層への伝達の確保策でございますけれども、これ、現状、直接には、私ども、ストレートには行っておりません。と申しますのは、それぞれの会社さん、特に私どもの場合は、苦情及び紛争案件、多くて数社に集中するものですから、その数社さんについてのその後の処理についての体制を要請し、確認しております。
 
 レジュメでいいますと、21ページに例といたしまして、A社からD社までの例を書いておりますが、各社とも、例えば、お客様の声対応委員会とか、あるいはお客様の声検証委員会とか、そういうのが社内体制でございまして、最終的には役員にフィードバックして、改善なり、対応というのをきちんとするような体制を確認しております。この体制そのものがきちんと行っているかどうかにつきましても、私どもとしましては定期的に検証してございます。とりわけ、ここに書いてございますA社からD社を含めましては、四半期に一度は四社連絡協議会みたいなものを設けまして、その徹底というのを、私どもとしても図っているところでございます。
 
 加えまして、その他業者、事業者につきましても、個別の案件から、いわば汎用的に、これは参考になる、あるいはこうした方がいいのではないかと私どもが判断するものにつきましては、不定期ではあるんですけれども、そういった事案が生じたごとに、私どもニューズレターという言い方をしていますが、それを全事業者にお知らせしまして、こういう改善された方がいいとか、こういう点で問題があるということの共有をした上で、各社への対応の改善を促しているところでございます。
 
 私ども、事業者に要望していることは、いわばソフト面での対応、あるいは指導になるんですけれども、例で申し上げますと、保険金請求者に、これは「内規」であるという風に、お客様なり、保険金請求者にお話しする担当者、あるいは部門があったようでございますけれども、「内規」とか、あるいは医療保険との関係でいいますと、当社顧問医がこう言っているとかいうことがある訳でございます。
 
 これは、いわば、社内の考えで、お客様なり、苦情申立者にご説明するのは、ちょっと納得感がないのではないかということ等も幾つか散見されたものですから、そこは、お客様、あるいは苦情申立者の目線に立った形でのご説明を丁寧にするようにということの指導なり、あるいは再発防止ということで、お願い、徹底周知したこともございます。
 
 それから、各種フィードバックでございますけれども、これは23ページに書いています。私ども、定期的に個別にも行っていますし、あるいは、ウェブサイトでもここに記しているような情報の提供をしておりまして、再発防止、及びその取組みの強化ということを日々努めているところでございます。
 
 私どもから、以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 
 続きまして、日本少額短期保険協会の朝原委員、ご説明、よろしくお願いいたします。

○朝原委員
 少額短期保険協会の朝原です。よろしくお願いいたします。ご指示いただいたテーマに関しまして、少額短期保険協会のある種、特殊的なところがあると思いますけれども、そういう取組みについてご紹介いたします。
 
 資料は、お手元のレジュメ版の資料3-1と、資料編の資料3-2(-6)、この2つに沿ってご案内したいと思います。まず、3-1、これの25ページを見ていただきたいのですが、フィードバックに関する情報の種類というところに関しまして、会員各社へのフィードバックの取組みとして、少短協会としては、個社の経営のトップに対する情報提供ということを非常に大事なテーマだなということで、取り組んでございます。このレジュメの太線で四角く囲った部分、ここについてご案内したいと思います。
 
 まず、経営者宛てのフィードバックとしまして、当相談室にて受け付けた会員各社、個社ごとの苦情・紛争案件の事案内容と解決結果、これにつきまして、全少額短期保険会社の経営者宛て、これ、経営者になっていますけれども、経営トップ、ここに対して直接、親展で、これは年2回、半期ごとに送ることにしております。
 
 実は、当協会は2006年の業法改正によって誕生いたしました。そのときに、各種ありました共済事業のうちの52事業が、少額短期保険として登録されました。その後、異業種が参入してきまして、今現在では99社、恐らく年度内に100社になるのではないかと思いますけれども、そのように増えてございます。実は、今現在は、異業種から算入した業者が47社、ほぼ半数という状況になっております。
 
 実は、異業種からの算入というのは、色々な面がございます。1つ、特徴的な面としましては、やはり顧客指向が結構強いという傾向がありますので、今までの保険、そういったものにとらわれないで、顧客ニーズというものに合った形の新しい商品を開発したいと、そういうイノベーション的なものがございますので、これは、協会にとっても、新しい商品を生み出せるということであれば、非常にいい側面だと思っております。
 
 一方、やはり注意しなければいけない点としましては、異業種、特に保険行政であるとか、特にADRといったことについては、あまり馴染みがない、あまり経験豊富とは言えない部分がございますので、その辺は注意していかなければいけないのかなと思っております。
 
 実は、こういったことを周知徹底していくためには、トップがきっちり認識を持って、下の方に下ろしていって、下も、確かに保険経験のある人間もいますけれども、やはりトップが強烈な意識を持って指示しないと、なかなか動きにくいという状況もございますので、そういうこともあって、まず経営トップの方にメッセージを送りたいという意味で、ここを具体的な取組みとしてやってきております。
 
 まず、資料編の3-2(-6)の資料1をご覧いただきたいと思います。これは経営トップにお渡ししている封書の中のカバーレター、メッセージです。私たちが一番伝えたいのは(1)、具体的にはこの2018年度の上期は、苦情・紛争案件がゼロの会社が98社中76社ありますということ。したがって、苦情・紛争を協会の方に持ち込まれている業者というのは、そんなに沢山あるわけではないということです。これは、そういう持ち込まれた業者に対して、あなたのところが来ていますよ、だから、きちんと取り組んでくださいねという、一番目のメッセージです。
 
 2番目としましては、当相談室において苦情・紛争案件の受付けのございました会社におかれましては、業界平均の惹起率と比較感等をご参考としていただく。後で資料編の資料2で説明しますけれども、ここで業界の具体的な平均のいわゆる苦情件数といったものを、保険業種別に参考資料として加えることによって、これを送られた各社のトップが自社の苦情状態が平均と比べてどうかということの1つの目安にして、それをもとにアクションをとる必要があれば、行動をとっていただきたいと、そういうメッセージでございます。
 
 資料1の次のページをめくっていただきますと、これが親展の中に封入されているものですけれども、字が小さくて非常に見にくくて申し訳ないですが、これは具体的な少短業者の方にお送りした資料でございます。この業者の場合には、苦情が2件、当期にあったということでございます。A4判の横書きの上側です。ここに、この半期に受け付けた苦情の受付番号と受付年月日、それと苦情の申出人の属性、この場合には契約者2名。これが、丸がついているのは苦情として入ってきたということを示しており、紛争のところに丸があるのは、これが苦情の段階で解決できずに、紛争に至りましたという内容でございます。
 
 具体的には、申出内容が書かれて、協会も含めた対応内容が書かれて、解決日(移行日)。上の欄の場合には、苦情が解決できずに、2018年6月26日に紛争解決手続に移行して、2018年9月25日に終了しているということでございます。
 
 次の下の方の例は、苦情としてまだ現在対応中ですから、これについてはよく調べて、よくウォッチしてくださいと、そういうメッセージでございます。下の方は、先ほどご案内させていただいたように、2018年度上期の苦情・紛争解決手続案件の発生件数です。これ全体では、保有件数1万件に対する発生割合と書いてありますけれども、発生件数が0.05件ということになります。ですから、20万件の保有があって1件というのが業界平均ですということです。それぞれ家財、生保・医療、ペット、費用その他で記載してございます。全体的に生保・医療、それと費用その他は少し多いのかなという傾向が見てとれると思います。
 
 経営の方は、これを見られた上で、保有件数と照らし合わせて、保有件数は少ないのに苦情があるようなケースは、やはり強烈に改善していかなきゃいけませんよというメッセージということで、伝えてございます。
 
 次に、資料編の資料2を見ていただきたいと思います。「苦情削減取組事例集&顧客満足度向上およびお褒めの言葉事例集」。実は、トップの方に、関心を持って改善をしてくださいというメッセージは出しておりますけれども、じゃ、具体的に改善の取組みをしようとしたときに、どういう風な取組みの入り口があるのかということが、やっぱり事例としてあると、これは早くアクションにつながりますし、そのことが実務の方にも伝わっていると、経営トップと実務というのが同じような情報を持ちながら、同じような解決策を模索することができるのではないかと思っております。
 
 ということで、実は各社にお願いしまして、苦情削減取組事例集というものを作って、これも全社に配付してございます。これも簡単にご案内いたしますと、苦情削減取組事例集(抜粋)と書いてございますが、これも保険種目別に、どういうところで起きてきた苦情なのかというカテゴリー、募集関係なのか、保険金支払いなのか、その辺のことを入れまして、苦情の対象先であるとか、苦情内容、申出者へのどういう対応をしたのか。
 
 それと、ここが非常に大事だと思いますけれども、発生原因が、直接原因は何であって、根本原因は何であったのか、こういうところをきちんと分析した上で、そして、改善策、再発防止策をどういう風にしたのかということを出していただいて、その結果、削減効果としてこういうことがあったよということを記載して、情報提供をいただいております。
 
 これをまとめて、各保険会社の方に提供するということにしております。実はこれ、抜粋ですので、ほんの一部でございまして、まだ沢山ございます。
 
 その裏ですけれども、「顧客満足度向上およびお褒めの言葉事例集」、これも書いてございますけれども、やはり改善策をやって実施して、そういうサイクルを常に続けていくためには、やってよかったねということが現場でも、そういうことが共有される必要があると思っております。そういうことがあれば、事例をいただいてやっていくことのインセンティブ、それに対して動機付けになればということで、お褒めの言葉事例集というものを送付してございます。
 
 大体以上が、私たちの取組みのメーンということになります。
 
 本文のレジュメの方に戻りまして、フィードバックの結果ということですけれども、お手元の資料3-1の27ページで、四角く囲った部分です。これを見ていただきますと、2015年から2018年の業界全体としての苦情件数を書いてございますが、傾向としては減少傾向に見えるのかなと認識しております。参入業者が増えて、取扱い件数も増えておりますけれども、苦情件数としては減ってきている。
 
 それと、苦情なし会社数、これも傾向としては増えてきている。確かに数がそんなに多くないので、統計的な意味があるかということはございますけれども、傾向としてはそういう風に読み取れて見えるかなと思っております。
 
 簡単ですけれども、以上が少短協会の取組みでございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 
 続きまして、証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)の三森委員、ご説明、お願いいたします。

○三森委員
 ありがとうございます。証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)の三森と申します。よろしくお願いいたします。
 
 資料でございますけれども、レジュメの方は、資料3-1の29ページからになります。資料編の方は、資料3-2(-7)になります。資料3-1の29ページに基づきましてご説明させていただきます。主要な点に絞ってご説明させていただきたいと思います。
 
 まず、金融機関・業界の業務改善に資する取組みの点でございますが、29ページの真ん中あたり、3つ目の矢印のところに、事例及び参考情報の提供と書いてございます。(1)番で、苦情の事例、紛争事例の紹介と問題等のフィードバックと書いてありますが、3つポツがありますが、上2つをご説明したいと思います。
 
 まず1つ目ですけれども、月次であっせん事例、1事例ではありますが、事例及び参考情報を提供しております。2つ目、四半期ごとに、こちらは苦情事例、それから参考情報を提供しているということでございます。
 
 提供している内容でございますけれども、(2)番のフィードバックを受けた事業者側における取組みの中に記載しております。トラブルとなった取引の内容、それから顧客と事業者双方が、そのトラブルについてそれぞれどういう主張をしていたのか、そして、この事案に対する、あっせんでいいますと、紛争解決委員の見解とあっせんの結果というものをまとめた上で、この事例から学ぶべき留意事項であったり、内部管理上のポイントなどを指摘して、注意喚起をしております。
 
 個別の事例でございますが、証券取引の場合、やはり高齢者の顧客が多いということで、高齢顧客のトラブル事例が中心というか、多い状況でございます。業務改善の参考にしていただくためということでありますので、単に事例を紹介するということではなく、やはりその事例の中から学ぶべきものが何か、何が問題であったのか、何が欠けていたのか、あるいは未然防止のために何をすべきだったのかといったことをわかりやすく示すことが極めて大事ではないかなと思っております。
 
 この点が苦情相談を受け付ける現場とはまた別のところの、私どもとしての大変さになっておりまして、毎月悩みながら作成、提供しているところでございます。
 
 そして、私どもの課題としましては、この事例を提供するわけですけれども、事業者にとって業務改善に資するより有効な情報とすべく、引き続き努力することだと思っております。
 
 それから、(2)の2つ目のポツにありますが、フィードバックを受けて、多くの事業者におきましては、研修材料として社内研修を実施しておりますし、業務改善に取り組んでいて、有効に活用していただいていると理解しております。
 
 次に、最近の新たな取組みについてお話をしたいと思います。ページを飛んでいただきまして、31ページでございます。真ん中の箱の③番をご覧いただきたいと思います。私どもFINMACでは、日本証券業協会などの業務の委託元の自主規制機関に情報提供しておりまして、自主規制機関を通じての事業者へのフィードバックということもございます。
 
 前回、この場でも、その点、自主規制機関側での取組みということにもお話をいただいておりますが、実は、日本証券業協会におきましては、2年前から新たな取組みとしまして、私どもFINMACから提供しております苦情相談のデータを分析して、半年ごとに全体的な苦情の傾向や特徴、そういったものを証券会社や銀行などにフィードバックするとともに、個別の金融商品、あるいは行為内容で苦情が目立つ個別の事業者を訪問して細かにフィードバックし、注意喚起と改善要請を行っております。
 
 そこに(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)と書きましたが、分析の視点を概略的に記載しております。相談、苦情の全体を商品の種別と行為の内容の種別でマトリックスにしてヒートマップを作成し、最近の傾向、増加要因などを分析することですとか、(ホ)にあります個別のテーマの分析とありますが、最近の苦情相談によく上がってきます金融商品や行為内容から個別テーマをピックアップしまして、その事例を分析し、業界全体にもフィードバックをしております。
 
 もちろん、日本証券業協会内の主要な会議体でもこの情報は報告をされておりまして、参加されている事業者の経営層にも周知されております。
 
 続きまして、2つ目の消費者への啓発に有用な取組みについて、お話をさせていただきます。32ページでございます。32ページの一番下のところから、33ページ以降にかけて記載させていただいております。私ども、FINMACにおきましては、従前から、広く一般の方々への周知啓発活動には力を入れてきたところでございます。
 
 ①番の消費者等への情報提供(ディスクロージャー)のところでございますけれども、ホームページにおきましては、相談・苦情・あっせんの統計情報、それから、あっせん手続の個別事例ですとか、それから機関紙なども載せておりまして、消費者の皆さんに見ていただき、トラブル防止ということにつながればと思って、色々な情報を掲載して、情報提供しているところでございます。
 
 ただ、このようにホームページ上での情報掲載は色々やっているわけでありますが、やはり消費者の方々にFINMACのホームページに来ていただく、アクセスしていただく、これがないと意味がないと従前から思っている次第でございます。従いまして、いかに私どもFINMACの存在自体を広く周知する、そして何をやっている機関なのかをできるだけ多くの人に知っていただくというための取組み、方策が非常に重要であると考えております。
 
 33ページの中段の②に、啓発の取組みの現状を書きました。昨年、新たなパンフレットを作成し、配布しただとか、あるいは、従前から国民生活センターの方ですとか、あるいはその他の機関の皆様との意見交換、それから研修講師を派遣させていただいたりということもやっております。広報活動としましては、新聞や雑誌への広告掲載、それから、昨年ですけれども、YAHOO!とかGoogleの検索エンジンを使ってリスティング広告やバナー広告なども実施しているところでございます。
 
 しかしながら、課題はやはりまだ認知度が依然として低いというのも事実、現実でありまして、引き続きより効果的な周知の方策ということを継続、検討しているところでございます。
 
 私からは以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 
 続きまして、日本貸金業協会の遠藤委員、ご説明をお願いいたします。

○遠藤委員
 日本貸金業協会の遠藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
 私どもの資料につきましては、34ページでございます。その他、資料3-2(-8)で併せてご説明させていただきます。
 
 まず最初、業界の問題点のフィードバックの現状でございます。フィードバックの種類につきましては、こちらにありますとおり、相談・苦情・紛争解決の受付件数、その内容につきまして、年次と今までの推移等を含めて公表させていただくとともに、相談、苦情・紛争の代表的な事例なども公表させていただいているところでございます。
 
 その頻度についてでございますが、ホームページは当然でございますが、遅かりし今月の初めからスマホ化をさせていただいたというのは、こちらに掲載はございませんが、まずご報告させていただきます。
 
 その他、年次、四半期、月次という報告をさせていただいております。資料編につきましては、資料1が年次の部分でございます。資料1をめくっていただきますと、数、受付件数、その他が全て公表されているとともに、今行っています闇金だとか、そういうような苦情、それと信用情報機関への登録を行っております自粛などにつきましての分析内容、そういったものなどを入れるとともに、カウンセリングの状況と紛争に至った内容の事例なども掲載させていただいているところでございます。
 
 それとともに、数字だけでございますが、資料2になりますけれども、四半期でご報告させていただくということと、ADRに特化した形で「センターだより」というのを出させていただいております。その他、全体的なニュースといたしまして、「JFSA NEWS」これは、資料4でございますので、後ほどご覧いただければと思います。
 
 フィードバック先でございますが、消費者の方につきましては、NEWS等々をもちましてご報告をさせていただくとともに、業界につきましては、協会員の加盟業者、貸金業者全てでございますし、ADRのみの契約をしている非会員の業者様、こちらにつきましてもフィードバックの対象とさせていただいております。
 
 一般公開は、先ほどの年次、四半期、センターだより、NEWS、こういったものは全て見ていただけるようになってございます。
 
 次に、問題点の関係でございますが、相談、不満等の関係につきまして、及び苦情につきましては、適切な対応をするということは当然でございますが、何が原因であったか、何が要因で不満足の表明があったかということにつきまして分析を行うとともに、不満足につきましては、毎週複数の管理職で判定会というものを開きながら、その原因の追及を行っているところでございます。その内容につきましては、業者につきましてもフィードバックをしているというところでございます。
 
 伝達のルートでございますが、問題点の大きいものにつきましては、日々当然ながら電話で対応するなり、業者の方に来ていただいて、内容の確認をするということも行っております。去年の1月より、各社のお客様相談室、課長クラスの方においでいただきまして、各社の問題点、それから、各社で起こっております、私どもに寄せられた内容につきまして意見交換会を行わせていただいております。今、年に二、三回の実施をさせていただいております。それを定期的に行うことによって、その場で事例の公表と、それに関係する問題の再発防止などについて協議を行っているところでございます。
 
 経営陣の伝達でございますが、センター内におきましては、毎週、経営陣に相談全件の抜粋情報をご報告するというのは当然行っておりますが、その他に年に1回の総会、月1回の理事会におきまして、会員会社の役員の方にご報告をさせていただくとともに、全国に協会員がおりますので、こういう方につきましては、10カ所で年1回でございますが地区協議会を開いております。その場で経営陣の方に実際に起こっております状況の資料をもとに、ご説明をするということも行っております。
 
 それとともに、ここ数年でございますが、苦情や不満足の表明など、初期対応に非常に問題があるということがわかってきておりますので、カウンセリング的な手法を用いた顧客対応ということを、資料をもとに研修を実施しているところでございます。
 
 ①と②を通じまして取り組んでいる事例といたしましては、不満足の表明、苦情などを分析した結果、先ほども申し上げたとおり、相談の最初の段階、初期の対応が非常に問題があるということがわかっております。ですので、センターだよりにおきまして、この状況をしっかりと報告するとともに、先ほどの研修などを行っていただくための初期のテーマをもとにした内容を掲載しているところでございます。
 
 次のページでございますが、フィードバックの実効性の検証でございます。これは、先ほど申し上げましたが、年に二、三回お集まりいただく各担当者の中での周知の徹底をするとともに、問題点の改善の状況について検証を実施しております。商品等々への開発につながった事例でございますが、当然、貸金業協会は商品といいますより、お客様への対応ということが重要になってまいります。そういったところで、やはり初期対応が問題ということは、先ほどから申し上げているとおりでございますので、その段階でしっかりとお客様の内容を受け止め、その内容について具体的に、わかりやすく対応を行うためのカウンセリング的な手法の顧客対応というものの研修を行うとともに、社員の方への研修の実施を進めているところでございます。
 
 資料5の26ページになりますが、各社でこのような形で研修の実施の依頼をいただき、行った内容を抜粋はしてございますが、会社名を入れてそちらの方に載っておりますので、こちらもご覧いただければと思います。消費者金融だけではなくて、クレジット会社、銀行系の会社様、それから不動産、動産などを扱っている業者の方々の研修なども行わせていただいているところでございます。
 
 改善につながった内容で、その他でございますが、高齢者、障害者、それと成人年齢の引下げに対する対応につきましては、私どもも非常に問題としているところでございます。今、高齢者、私どもは今まで、あまり高齢者の方はいないと言うつもりで去年まで考えており、また、年齢を確認するようになった結果、80歳、90歳という方からの電話もいただいております。
 
 その中で音声応答システムを取り入れている会社さんが増えている中で、その取扱いができないという問い合わせが非常に増えてきているということでございます。音声応答以外で、直接高齢者の方が電話ができる内容などを各社からお聞きいたしまして、どうしても対応ができない方については、その電話番号を特別にお知らせするということも、各社にご協力をいただいているところでございます。
 
 その他、職業訓練所、知的障害者の方で就労ができるという方、修了者について、就職を前にした社会生活上の金銭管理教育が必要ということで、研修を実施させていただいております。こちらは、やはり学校側の今後の理解なども必要かと思っておりますが、少しでも協力をさせていただくということで、今やっている最中でございます。
 
 その他、金融機関への要望といたしましては、やはり私どもの内容について、ADRのこちらの掲載方法、ADR機関であることの掲載方法について、ホームページ印刷物に印刷していただいているわけでございますが、それの記入の仕方、表現の仕方が少しわかりにくいということで誤認電話が増えております。これにつきましては、私どもの方で各社にお願いをし、少し表現の仕方を変えていただくようにしていこうと考えているところでございます。
 
 次でございますが、消費者への対応でございます。消費者への対応につきましても、テーマは先ほどのものと一緒でございますし、情報提供につきましても先ほど申し上げたとおりでございますので、後ほど資料を見ていただければと思います。
 
 消費者への取組みといたしましては、今一番重要なところとしては、やはり消費者センターの皆様と一緒に市民向けの講座を開きながら、金融トラブルなどについての啓発活動を実施していきたいということと、ローン、クレジット、お金の関係について、学生の方々についても啓発をし、金銭トラブルに巻き込まれないための内容を行っていきたいと思っているところでございます。
 
 その他、ソーシャルレンディングなど非常に増えている中で、資料5の25ページと27ページに、消費者関係、それから会社関係の出前講座を載せさせていただいておりますので、こちらも後ほど見ていただければと思います。最近取り組んでいる内容といたしましては、先ほど申し上げました消費者センターの方々との連携をするとともに、国民生活センター様との意見交換もさせていただきながら、やはり今消費者の方がどういったことに困られているか、どういったことを我々が対応すべきなのかということを、今後も把握しながら研修なども実施をさせていただきたいと思っているところでございます。
 
 その他、下に書いておりますが、先ほどから申し上げております、若年層、高齢者、障害者の方への対応につきましては、今後もしっかりと見直しを行い、検討してまいりたいと思っております。
 
 以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 
 それでは、ここまでの説明につきまして、ご質問、ご意見等をお願いいたしたいと存じますけれども、本日ご欠席の坂委員から、議題を踏まえたご意見が寄せられておりますので、初めに事務局よりご紹介していただきたいと思います。お願いいたします。

○今西室長
 メーンテーブルの皆様にはメモでもお示ししておりますところでございますが、口頭でご紹介いたします。

 金融ADRの本来業務は個別紛争の解決であるが、苦情相談や紛争解決の情報を、業界ないし各社の業務一般に活かしていくことは重要と思う。

 苦情相談の現れ方や、紛争解決における顧客の受止めに関する情報は、市場における利用者の評価の一端を知る機会ともなり得るし、全体の傾向と個社ごとの傾向を比較することにより、市場の中における個社の位置付けを知る機会ともなり得る。また、特定の商品や特定の業者の苦情相談の増加に関する情報は、問題や課題の早期検知にもつながるものと思う。

 個々の苦情相談を業務改善や商品開発に活かすことは極めて重要で、製造業等では利用者相談窓口は苦情対応ということもさることながら、業務改善や商品開発のためのヒントを得る場として意識されるようになってきていると承知している。金融分野には特有の難しさもあると思うが、今回の資料を拝見して、金融分野でもそのような視点が広がりつつあると感じた。
 
 情報の利活用という視点からも、苦情相談や紛争解決の情報の蓄積、共有及び開示は重要と思う。

 また、業界横断的に取組みを参考にしていただくという視点も重要と思う。
 
 以上でございます。

○神作座長
 ありがとうございました。坂委員からは、併せて各機関に対するご質問等も5点いただいております。事務局よりご紹介していただいた上、それぞれお答えをお願いいたしたく存じます。
 
 それでは、よろしくお願いいたします。

○今西室長
 ご説明の中で言及されているものもあるとは思いますが、順番に紹介させていただきます。生保協に関してです。個社が受け付けた苦情が減少しているにもかかわらず、当会が受け付けた苦情が増加している場合、特定の苦情項目の件数の増減が著しい場合など、当会が必要としたときは個社との情報交換等を行うという記述が資料の中にございます。具体的にどのような例があるのかということでございます。
 
 先生の問題意識は、問題の検知とその対応という観点から重要な経験を含むと思うということでございます。

○神作座長
 生保協会の高橋委員、いかがでしょうか。

○高橋(正)委員
 私どもでは、先ほどご説明申し上げましたとおり、当会に寄せられる苦情のほか、会員会社が受け付けた苦情につきましても報告をいただきまして、取りまとめの上、ホームページで公表することとしてございます。当会に寄せられた苦情を分析するに際しまして、各社に寄せられた苦情の件数ですとか、その内容についても比較しながら、参考として使っているというのが現状でございます。
 
 活用の具体例ということでございますが、資料に記載しましたのが一例でございます。当会が受け付けている苦情件数が増加している場合のほかにも、当会において、例えば、保全関係などで特定の苦情項目の件数自体が増加している、あるいは、その割合が増加している、さらには継続的に高い数字を維持しているとか、そういう場合があれば、私どもの動向とも比較しながら、当該会社との間で適宜情報交換をするということを行ってございます。
 
 当然、その際には、私どもが持っている問題意識といったものが相手方会社にも伝わりますので、そういう意味では、改善に向けたフィードバックとなるように努めているというのが、ここの記載の趣旨でございます。
 
 以上でございます。

○今西室長
 続きまして、少短協に関してです。ご説明の中にあったと思いますが、当業界は異業種からの参入が半数を占めており、保険業者として求められる顧客対応レベルと自社の現状について理解し問題意識を持ってもらえるよう、経営者に直接働きかけとあるが、どのような取組みが行われているかということです。

 先生の問題意識は、金融業界全般に異業種からの参入が増えてきており、これは重要な経験と考えるということでございます。

○神作座長
 朝原委員、いかがでしょうか。

○朝原委員
 説明の中でも、具体的なものについてはご案内しましたけれども、ここで触れられていないこととしまして、今年から経営者に対するトップセミナーというものも開催してございます。今年、もう既に4回やられていますけれども、1回、大体90分。3回をもって、やはり保険ルールというものをまずきちんと知っていただく必要から、3回の時間をかけて、少額保険の監督指針といったものについての解説、これを会長がよくご存じだったものですから、90分ずつ3回に分けまして、解説をやってございます。
 
 それと、もう一回は、やはり保険会計というのは特殊なものがございます。登録して契約が増えていくと、どうしても未経過部分の積み立てであるとか、そういうものが発生してきて、そうするとボトムラインだけを意識していくとおかしなことになる可能性がございますので、そういった保険会計の特殊な部分、そういうものを決算における留意事項という形で、これを1回90分のテーマという形で始めてございます。
 
 こういったものを今後も続けていくことによって、経営者が異業種から来ていますから、保険業ということに対しての正しい理解を持っていっていただくということを考えてございます。以上の実務的なものはご案内したとおりです。今ご説明した経営者に対する啓蒙ということ、この2点で今やってございます。

○今西室長
 続きまして、FINMACに関してです。投信協会に、毎月、苦情や紛争の対象となった投資信託の個別商品名を提供、同協会では商品組成の面から参考情報として活用という記述が資料の中にございました。具体的にどのような取組みが行われているのでしょうか。
 
 背景といたしましては、苦情情報を商品開発に生かすという点で重要と思うということでございます。

○神作座長
 三森委員、いかがでしょうか。

○三森委員
 ありがとうございます。私どもから、投資信託協会に苦情やあっせんの対象となった投資信託の商品名と苦情、あっせんの事案の概要を提供しております。投資信託協会は、投資信託を組成する事業者の自主規制機関でございます。投資信託協会におきましては、投資信託の商品名称をもとに、その投資信託の目論見書を入手いたしまして、運用タイプ別の分類をいたします。
 
 目論見書には、主な投資方針ですとか、投資対象などが記載されております。例えば、国内株式型なのか、あるいは公社債型なのか、あるいは外国証券型なのか、こういったタイプ、運用対象から見た分類をいたしまして、その分類と苦情事案の概要をセットにして、会員の事業者に周知をしております。
 
 組成をする側の事業者におきましては、それを今後の投資信託の組成に際しての参考情報として活用しているということでございます。以上でございます。

○今西室長
 あと2点ほどいただいておりますけれども、それぞれ個別に伝えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○神作座長
 ご回答いただいた皆様、ありがとうございました。
 
 では、ご出席の皆様からのご質問、ご意見等をお伺いしたいと存じます。樋山委員、どうぞ。

○樋山委員
 全相協の樋山でございます。今日は、委員の皆様から色々なお話を伺いまして、ADRの担当の方と各金融機関とでは色々なご努力をなさって、フィードバックについて色々な工夫をしていらっしゃるというところがよくわかりました。ありがとうございました。
 
 ただ、私どもは消費生活センターの相談員をやっている者なのですけれども、金融機関ではなくて、代理店、要は募集時のときのことが発端となり、ADRに持ち込まれた事案について、実際は代理店、もしくは金融代理店が取り扱っていて、そこで問題が生じているということになると思います。
 
 そういった場合には、フィードバックとしては2つのロードがあります。ADRの方から金融機関さんに個別の事例をご案内いたしたり、経営層への啓発をなさったりという点が1つと、あともう一つは、その会社から、例えば、損害保険であれば、損害保険会社さんが代理店さんにそれをどのようにフィードバックしていくかということが、大変重要になってくるのではないかなと感じております。
 
 それから、生命保険などの、巨大な金融機関の代理店をどのようにコントロールしていき、現場の方に結び付けていくかという努力も大変必要になってくると思います。世間のものの流れとしましては、どうしても販売の方が力が強くなるというような傾向が見られる中で、いかに損害保険協会さんとか、生命保険協会さんが現場にこういった趣旨を浸透させていくのかということが、大変大きな問題になってくるのではないかと思っていますが、そこについてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、どのような対策を考えていらっしゃるのかという点が1つ。
 
 あと、もう一つは、先ほど信託協会の方から色々ご案内があったのですけれども、恐らく高齢者が増えていく中で、今後は遺言信託などの商品を契約される方が多くなると思います。その方たちというのは、まさに高齢者の方ということになっておりますので、ホームページなどにおいて高齢者の方がわかりやすい、文字ばかりではなく、全国銀行協会さんが工夫されているように視覚的に、漫画でよくわかるとか、色々な努力を工夫していただけると、ありがたいなと思いました。
 
 あと、もう一点なのですが、仮想通貨交換業協会さんが初めて出席されていると思います。今後どのように発展していくのかよくわかりませんが、今日の各業界さんの努力、それから対策などをご参考の上に、なるべく速やかにADRが機能できるような形にしていただきたいというお願いがございます。よろしくお願いいたします。

○神作座長
 ありがとうございました。ご指摘いただきました第1点につきましてはご質問も含まれていたと思いますけれども、お答えいただけますでしょうか。では、村田委員、どうぞよろしくお願いいたします。

○村田委員
 損害保険協会でございます。確かに私どもの扱う事例の中に、募集時に何らかの問題があったのではないかという事例もございます。通常、こういう事例のときには、解決の報告をいただく中で、再発防止策というところを併せてご報告いただくことになっています。我々は、再発防止策も含めて各社にフィードバックして、全社で共有すると、こういった流れを繰り返すところが1つの解決策かなと思ってございます。

○樋山委員
 基本的には、その代理店全体の中でトラブルを起こさないというような意識の醸成というか、そういったものが非常に大切になってくるのかなと思いますが、お願いします。

○神作座長
 それでは、小野委員、お願いいたします。

○小野委員
 同じ損害保険業務に携わっている事業者との関係で申し上げます。ご指摘のように、損害保険に関しましては、直接お客様と損害保険会社の間に商品の募集、あるいは契約の締結ということでいいますと、多くの場合、保険会社から委任を受けました保険代理店があります。
 
 もう一つは、先ほど私が触れました、私どもの事業者の中にもおりますけれども、いわゆる保険仲立人という立場の方、これは保険業法で全て各所に規定されていることですが、保険代理店さんで申し上げますと、特に募集時における行為、これは全て保険会社に帰属することになっております関係上、当然のことながら、そこで発生しました苦情なり、あるいはトラブルの原因なり、これは保険会社さんにも当然帰属するという理解です。
 
 そういう意味で、私どもといたしましては、事業者が損害保険会社である場合は、損害保険会社からの当該代理店への指導も含めまして、当該保険会社の問題として改善なり、解決を図るように促しております。ですので、そこはもし仮に特定の代理店がいるとすれば、それが再発なり防止に役立つとあれば、私どもとしては、先ほども申し上げましたルートを通じまして、きちんとした改善を促すように、これはいたしているところでございます。

○神作座長
 高橋委員、どうぞ。

○高橋(正)委員
 代理店に関しましては、先ほどご説明申し上げましたボイス・リポートなどにおきまして、代理店の苦情の件数について明示してございます。また、フィードバックに際しましては、全事案をフィードバックする中で、その取扱いの状況についても、こちらから各社に連携をするという対応をしてございます。
 
 また、紛争解決委員である審査会委員との研修会におきましても、代理店を原因とする紛争につきまして、不適切な対応があれば、それを指摘した上で、改善を保険会社を通じて促すという対応を、基本的な対応として行っているところでございます。
 
 あと、金融機関代理店の話がございましたが、こちらにつきましては全国銀行協会さんとも定期的な情報交換を通じまして、直接お話をさせていただく場を設けることで、必要な対応を行っているという状況でございます。
 
 以上でございます。

○樋山委員
 ありがとうございました。

○神作座長
 今の代理、媒介関係につきましては、他の委員の方からご発言、ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 
 樋山委員からは、信託協会と仮想通貨交換業協会の方に対してはご要望が出されたと思いますけれども、ご発言ございますでしょうか。
 
 それでは、高桑委員。

○高桑委員
 大変良いご指摘をありがとうございました。私ども、去年ホームページを直しまして、信託というのは難しいので、わかりやすい信託というものを入れてみたんですけれども、高齢者目線での信託の説明というのがちょっと欠けているような気がいたしました。人生100年時代ということもありますので、ちょっと工夫してみたいと思います。ありがとうございました。

○神作座長
 長田委員。

○長田委員
 日本仮想通貨交換業協会の長田でございます。冒頭、ご紹介いただきましたように、昨年10月24日にご認定いただきまして、それから活動を始めております。まだちょっと短い期間でございますけれども、今後、このような場での知見を広めて、仮想通貨交換業の健全な発展に資したいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

○神作座長
 どうもありがとうございます。
 
 他に。田中委員、どうぞ。

○田中委員
 代理店に関しての関連ということで意見述べさせていただきます。代理店の特性を考えると、例えば、自動車保険などは、異業種に近いような業種の方たちが代理店であることも多いかと思います。代理店教育という中で、どのようにこういったADRの分野というものを推進していくのかは今後必要な視点なのではないでしょうか。消費者向けのパンフレットやリーフレット的なものを代理店さんにも配布する必要性もあるのではないかと思います。
 
 当局のご要望とはいえ、とても細かい資料を作っていただいてありがたかく思っております。しかしながら、私が意見として投げかけさせていただきたいのは、数値が減ったからといって問題点が減ってきていると一概に言って良いのかという点です。例えば、ただいま、損保協会さんは保有契約者数との比較というところで数値を出していただいていますが、他の機関からは、契約者数との数値の比較が見えにくく思いました。件数が減っている事と世の中の傾向的との兼ね合いが見えにくいというのが、本日の全体的な感じとして見受けられました。
 
 これは今後への課題ということでご意見させていただきます。例えば、自動車保険契約は減っているのではないかなという予想はつくのですが、その中で保険への苦情がどういう風になっているのか。全体的に金融商品の契約者数が世の中の全体の流れの中でどのようになっているのか。例えば、先ほどの遺言の話もありましたが、その中の契約者数や金融商品の世の中の流れとトラブルというものがどういう傾向にあるのかというのは、私どもとしては把握しておく必要があるのではないでしょうか。
 
 次に、先ほど同じく損保さんからもご指摘がありましたが、フィードバックのケースをどうやって選定するかということはご指摘させていただきたいと思います。もちろん、緊急案件や目に余るものというのは個別に経営者や代理店なり、個別の金融業者に連絡する必要があると思います。しかし、自戒も含めて内部の中では当たり前だと思っていることが、外部の視点から見ると、フィードバックしていかなければならないというケースが中に埋もれてしまうということがあるのではないでしょうか。
 
 その意味で、一部の今ご報告いただいた中には、外部の方にケースを見ていただいた上で、それをフィードバックするというところを選定されているようですけれども、金融業界全体としてのフィードバックの質というものをどのように考えていくか、これも今後の課題としてご検討いただければと思います。

○神作座長
 どうもありがとうございました。ただいま契約者数、あるいは契約数との比較との関係で数値を出す必要があるのではないかという問題と、それから、フィードバックの質の確保という観点から、外部の視点から本来フィードバックされるべきものが埋もれているようなことがないかというご指摘をいただいたと思います。大変貴重なご指摘であると思います。
 
 何か、委員の皆様からご発言ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 
 それでは、ご意見として承るということでよろしゅうございますでしょうか。
 
 それでは、他のご発言、ございませんでしょうか。齋藤委員、よろしくお願いします。

○斎藤委員
 斎藤でございます。フィードバックの全体像を大変わかりやすく説明していただいて、かつ、金融庁のこの対比表が非常に整理されており参考になりました。ありがとうございます。感想、コメントに近いかもしれませんけれども、幾つかコメントしたいと思います。
 
 1つは、フィードバックの対象として、経営陣にフィードバックするのは非常に大切だと思いますが、大きな会社の場合は、顧客とのタッチポイントの担当者がどれだけ紛争を認識しているかということも非常に大事だと思います。したがって、全銀協さんが営業の支店のところまでフィードバックをきちんとするように考えている、取り組んでいるという点は非常に重要だなと思っています。
 
 その関係で言うと、先ほどの話がありましたけれども、保険の場合はタッチポイントが社内ではなくて社外なので、なかなかそこへのフィードバックが難しいのだろうなと思いながら聞いておりました。
 
 それから、苦情の紛争のシェアというのはよくされていると思いますけれども、一方で、ベストプラクティスの共有というか、例えば、損保さんだと再発防止策のシェアとか、あるいは、さらには少額保険さんのお褒めの言葉事例集とか、このようなベストプラクティスの共有というのも大事だろうと思います。
 
 それから、消費者への啓蒙、周知というところで、全銀協さんとか、貸金業さんが消費者団体との連携ということを重要視されているという取組みがありました。これも、利用者から見て、業界寄りではないというメッセージが伝わるので、非常にすばらしいなと感じました。
 
 それから、フィードバックする紛争の区分けについてです。色々な切り分けがあると思いますが、紛争の申立人、利用者の属性に着目したものが、意外と少ないなという気がしていました。例えば、高齢者というのが1つの切り口と思いますけれども、また、性別で分けているのもありましたけれども、他の属性による区分けがもっとあれば参考になると思います。フィンテックの進展とともに、非常に新しいタイプの紛争が増えていると思います。典型的には仮想通貨などですが、そのような紛争では、ITリテラシーの高い利用者の方の苦情というのが多分増えていると思うので、その辺が従来の高齢者とか一般の方の紛争とどう違うのかというところが見えてくるとより参考になるのではないかと思います。そういう点で、FINMACさんのヒートマップで、苦情相談を商品内容や属性の観点から特徴的なテーマをピックアップして分析している試みは、非常に参考になるのではないかなという感想を持ちました。
 
 それから、異業種から金融への参入に関する坂先生からの指摘もありましたけれども、異業種から参入してきた企業に、顧客本位というマインドセットをしっかり持ってもらうというのは、1つ大きな課題だろうと思います。
 
 また、仮想通貨を例にとって申し訳ありませんが、どうしても仮想通貨の場合は、急激な取引の増加でシステムがなかなか追いつかない。そうなると、メンテナンスの取引停止期間が増えたり、なかなか注文が通らないとかの問題が生じると思います。想定外の負荷増大の場合のシステム上の難しさはよくわかるのですけれども、金融としては、それでも顧客保護を貫くとのマインドセットを持っていただくというのが大切だと思います。 一方で、異業種が入るということによって、正のインパクトもあると思います。色々なルールメーキングの点でも非常に有意義なところがあると思いますので、その両面を、新しい設立団体で非常に大変かと思いますが、是非頑張っていただきたいというのを、新任委員から新任業界団体への応援という意味でコメントさせていただきます。
 
 以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。時間が大分押してまいりましたので、短めにお願いできればと思います。
 
 他にご意見、ご質問、ございませんでしょうか。山田委員。

○山田委員
 すみません、手短に3点ほど申し上げたいと思います。第1点ですけれども、経営陣へフィードバックをなさることは、非常に重要なことと思います。その内容は、手続的な側面と、実体についての側面、両方があろうかと思います。手続的には、少しお話がありましたように、ADRへの苦情が減っているか否かに着目する視点もあると思います。他方で、苦情が減るというのは消費者が諦めていてトラブルが潜在化している可能性もありますので、常に良いと評価できるわけではないと思います。
 
 そこで、自社への苦情や相談数とADRに来ている数とを比較して、相談がきちんと拾い上げられ処理されているか、ADRに回るべき事案が回っているかという判断を経営者にはしていただきたい。そのヒントになるような情報提供をしていただければと思います。
 
 それから、内容的には、FINMACさんなどからコメントがありましたけれども、単に客観的な情報を提供するのではなくて、ここがまずいとか、ここをこのようにすべきだという評価の部分を併せて出していただければと思いました。
 
 第2に、斎藤委員からも指摘がありましたけれども、業界において一種のソフトローを作っていくためにも、ADRは有用ではないかと思います。例えば、高齢者に対する説明の方法に係る苦情をADRが集約・整理し、業界共通の対応を検討し、それをソフトローとして業界に提案して業界全体をレベルアップしていくことを考えていただければと思いました。
 
 第3に、ADRの中立性を消費者にアピールするのはなかなか大変だという話がありました。本日、お話がありましたように、業界に対してこういうフィードバックがあって、こういう改善がなされましたということも開示をしていただけると、業界に対してものを言う機関ということが明らかになり中立性のアピールにもなるのではないかと思います。
 
 以上でございます。

○神作座長
 貴重なご意見、ありがとうございました。
 
 他にご質問、ご意見ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 
 どうもありがとうございました。それでは、冒頭に事務局から委員の交代のご説明がございましたけれども、今般、ご退任の3名の方につきましては、それぞれ本協議会の委員として、また、座長、座長代理として、金融ADR制度の改善に大変なご尽力をいただきました。そこで、最後に、一言ご挨拶を兼ねまして感想等をおっしゃっていただければと思います。
 
 初めに、森先生、お願いいたします。森先生には、第34回、平成19年12月より委員をお務めいただきました。
 
 では、森先生、どうかよろしくお願いいたします。

○森参考人
 森でございます。2007年から11年、こちらの協議会の方に参加させていただきまして、その頃から金融ADRの立ち上げから始まり、こうしたことに参加できたことについては非常に感謝しておりますし、私自身にも大変勉強になりました。
 
 私、弁護士会の関係でこちらの方に参加させていただいていて、今日のご議論なんかも伺っておりまして、やはり指定機関があるところについては非常に進んできているし、充実もしてきているなと、フィードバックの問題にしてもそう思っております。従来から申し上げているとおり、指定機関がない業態、そのところについて弁護士会などでも扱っておりますし、最近ですと、仮想通貨の関係というのも既に半年ぐらいでも20件ほど来ているという状況もあります。
 
 そうした実際に案件がある中で、解決していく課題があるのかなと思っております。例えば、先ほどのフィードバックの問題にしても、やはり機関が違いますので、なかなかそのあたりフォローし切れないところもあるかと思いますので、そうした課題の解決というのにも引き続き取り組んでいただければと思いますし、従来から問題になっておりますワンストップサービスとしての業界を跨いだ問題についても、引き続き取り組んでいただければなと思っております。
 
 この10年間、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

○神作座長
 森先生、どうもありがとうございました。
 
 続きまして、犬飼先生、お願いいたします。犬飼先生には、第41回、平成23年2月より委員をお務めいただき、第43回、平成24年6月からは座長代理をお務めいただきました。
 
 それでは、犬飼先生、ご発言、よろしくお願いいたします。

○犬飼参考人
 犬飼です。大変お世話になり、ありがとうございました。この度は、私どもの退任に当たりまして、ご挨拶の機会をいただいて本当にありがとうございます。私の方からは、お礼の言葉のみ申し上げたいと思っております。
 
 金融庁さんはベターレギュレーションの一環として、Principles-Based Approachと、Market Integrityという言葉を一貫して、繰り返し、例えば、金融庁長官ご自身による英語でのスピーチも含めまして、過去ずっと使い続けておられます。このことに関しましても、他の国の規制当局には見られないすばらしい特色であると言ってよく、金融庁の皆様に感謝と御礼を申し上げたいと思っております。
 
 また、金融ADRでは、皆様ご承知のように、Fairnessという言葉が大変重要な意味を持っております。ここでいちいち定義の説明はできませんけれども、市場に信頼と活力のあるところでは、必ずFairnessとMarket Integrityが備わっているということが言えると思います。
 
 また、金融規制の目的には、投資家保護というのがございます。投資家保護がきちんと機能するためには、その大前提としてFairnessとMarket Integrityが市場に備わっている必要がございます。私が申し上げたいのは、今後、ウェブが多用されたり、市場の仕組みや取扱い商品が更に多様化したりするなどのことがあったとしても、FairnessとMarket Integrityが金融規制の全ての基礎にあるという状況に変化はないであろうということでございます。
 
 どちらの金融機関、どちらの指定機関におかれましても、自らの組織と従業員、顧客などとの関係において、有機的な連携としてのFairnessとMarket Integrityが横溢している状態を作るべく、引き続きご努力、ご尽力をいただきたいというのが、私の願いでございます。
 
 そのような皆様によるご尽力のお陰をもちまして、金融ADRに関しては制度創設以来8年を経て、制度自体非常に順調に発展してきていると思っておりまして、ご同慶の至りでございます。
 
 一方、我が国において、最初制度を作るときの手本とした英国のフィナンシャルオンブズマンの制度は、制度創設以来、間もなく20年になると聞いておりますが、未だに大きな問題に直面したままであり、もちろん部分的には学ぶところは多いのですが、英国金融機関のFairnessとMarket Integrityに改善が見られないままでございます。日本と英国の間の落差は覆いようもないものとなってございます。
 
 90年代以降、悪い意味でのアメリカナイズされた英国の金融サービス産業の本質的な問題、これは機関のトップの問題である場合が多いのですけれども、これは依然として解決されないまま、そういう状態にあると思われます。
 
 このような重要な問題も含んでおりますので、英国の制度についても、今後、皆様の方で定期的に是非アップデートをいただきまして、比較分析などをしていただければありがたいと思っております。
 
 最後に、最近、アジア各国の金融市場におきましても、まだ萌芽的であるところが多いものの、金融ADR的な取組みが少しずつ増加してございます。これは、日本の制度が少しずつアジアに好ましい影響を与えていることの結果であろうと考えております。私の方から、以上のことを本日申し上げたいと思います。
 
 本当に皆様、長い間にわたりましてお世話になりました。ありがとうございました。

○神作座長
 犬飼先生、どうもありがとうございました。
 
 それでは、山本先生にお言葉をいただきたいと思います。山本先生には、第1回、平成12年の9月より委員をお務めいただき、第41回、平成23年2月からは座長をお務めいただきました。
 
 それでは、山本先生、どうかよろしくお願いいたします。

○山本参考人
 山本でございます。ただいまご紹介いただきましたように、振り返りますと、当協議会発足から18年ということになります。その前の金融審議会のワーキングから数えますと、足かけ20年、この問題に関わってまいりました。発足時の委員が次々とご卒業されていく中で、私だけ落第を繰り返して卒業に至りませんでしたが、この度ようやく卒業の許可をいただきました。皆様方のお支えによって、これまで委員、座長としての任を務めることができましたことに、改めて御礼を申し上げたいと思います。
 
 当協議会に参加しての所感でありますけれども、まず何といってもADR機関の皆様がこのように集結されて、相互の情報交換によって制度のハーモナイゼーションを遂げる、こういうモデルが作られたということは、日本のADR全体にとって極めて重要なことだったのではないかと思います。今、犬飼参考人からのお話だと、世界のADRにとっても非常に画期的なことだったと思います。
 
 私、今日はこの場所にいますが、私から見ると、左側に座られている皆さんの間で、目線をそろえて、より高い目線に向かって、目的に向かって相互に切磋琢磨していただくということでございます。そういう意味で、こういう向上的なフォーラムが設けられているということは、極めて貴重なことだと思います。
 
 また、それを支える者として、私から見ると右側の委員の皆様方から、非常に活発なご意見、時にはご批判をいただくということも、非常にこのフォーラムの大きな意味だったのだろうと思います。座長は主としてタイムキーピングの役割であります。しかし、その座長が時に困惑するほどの活発な、積極的なご意見を頂戴しました。恐らく今日も神作座長は、事務局が予め作ったタイムテーブルと実際の進行との違いに愕然とされていたのではないかと思います。私も毎回そうでした。
 
 そういう非常に活発な、自由闊達な議論が百出するというのが本協議会の大きな特徴であると、私は認識しておりました。その結果として、ADR機関にも、また金融庁の方々にも、良い意味での緊張感をもたらすものとして非常に制度の透明性を高めるという意味があったのではないかと思います。
 
 このような協議会の営みは金融のみならず、先ほど申し上げたように、ADR制度全体にとって1つのモデルとして大きな意味があったと思います。国内ではかつて司法制度改革というもので、ADRの活性化というものが議論されたときに、当協議会は1つのモデルとして審議会の中でも言及されたと伺っております。先ほど山田委員からのお話がありました、国際的にもISOのADR規格を制定する際にも、当協議会が作成したモデルルールというものが参照されたという風に伺っております。
 
 そういう意味では、非常に存在感のある協議会であるということでございます。今後もその発展を遂げていただければと思います。
 
 個人的なことを申し上げさせていただくと、この20年間というのは、私の研究者人生にとってほぼ3分の2を占める期間でございます。そのような長い期間、この金融ADRと向き合ってきたということで強い感慨を持っております。その意味で、卒業後も同窓生という資格で、常に関心を持って当協議会の活動を見守ってまいりたいと思っています。この自由闊達な伝統というものを是非引き継いでいただいて、神作座長が困るほど活発なご議論をして、10年後、20年後に向けてADRのモデルを作っていかれることを、心より祈念いたしております。
 
 本当に長い間、ありがとうございました。

○神作座長
 山本先生、本当にありがとうございました。ご退任される3名の皆様、長い間、金融ADR制度の発展にご尽力いただきまして、改めて厚く御礼申し上げます。
 
 委員の皆様から何かご発言ございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。私の不手際で時間を超過して申し訳ございませんでした。議事次第の5と6については省略させていただきたいと思います。議事次第の5につきましては、資料4-1から4-3が作成されておりますので、それをご参照いただければと存じます。それから、議題6につきましては、資料5をご覧いただければ幸いです。
 
 それでは、本日の協議会はこのあたりで終了させていただきたいと思いますけれども、次回、第57回の協議会につきましては、本年6月頃を予定しております。詳細は追って事務局からご連絡していただきます。大変お忙しい中、本日は誠にありがとうございました。
 
 これで閉会といたします。

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