第61回金融トラブル連絡調整協議会 議事録

1.日時:

令和4年1月14日(金曜日)14時00分~16時10分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館9階 905B会議室(オンライン会議)

○神作座長
 それでは、定刻になりましたので始めさせていただきます。ただいまから金融トラブル連絡調整協議会の第61回会合を開催いたします。

 座長を務めさせていただいております神作でございます。
 皆様方におかれましては、御多用のところ御参加いただき、誠にありがとうございます。
 冒頭に事務局より、会合に当たっての事務的な御連絡をしていただきます。よろしくお願いします。

○相澤室長
 事務局を務めます、金融庁金融トラブル解決制度推進室の相澤です。よろしくお願いいたします。
 
 本日の会合につきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からオンラインによる開催とさせていただいております。
 会議中は、ビデオ映像機能をオンにしたまま、マイク機能は御自身が発言されるとき以外はミュート機能に設定した状態にお願いいたします。
 オンラインでの開催のため、一般傍聴はなしとさせていただき、メディアの方々には金融庁内部の別室にて傍聴していただいております。なお、議事録は通常どおり作成の上、後日、金融庁のウェブサイトに掲載させていただきます。

 事務局より、以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、早速、議事を始めたいと存じます。

 本日は、まず、各指定紛争解決機関の業務実施状況につきまして、事務局から御説明をいただきたいと思います。
 また、本日の議題であります苦情・紛争の未然防止に資する情報提供の充実につきましては、指定8機関より御説明をお願いしたいと存じます。これらの御説明が終わったところで、一度、御意見、御質問をいただきたいと思います。
 その後、金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況、金融ADR連絡協議会の概要につきまして、金融庁金融サービス利用者相談室及び事務局から御説明をいただき、御意見、御質問をいただきたいと存じます。

 それでは、事務局から御説明をお願いいたします。

○相澤室長
 それでは、指定機関における令和3年度上半期の業務実績状況について御説明させていただきます。画面で共有をさせていただきます。

 まず、お送りさせていただいています資料1-1及び資料1-2、これは各指定機関からの報告を基にまとめさせていただいた表でございますが、本日は画面に出ております資料1-3、紛争解決機関の紛争解決等業務実施状況、ここにその件数等をグラフ化しておりますので、この資料に基づいて説明させていただきます。

 資料1-3の1ページ、ここに棒グラフを載せてございます。苦情処理受付件数の半期ごとの推移でございますが、一番右側にございますが、3年度上期の苦情受付件数は、8機関合計で3,093件であり、前年同期の3,189件と比べて3%の減少となっております。FINMACにおいて対応されております、上場投資証券の早期償還により損失が発生した事案、これに関する苦情につきまして、この後御説明をいたしますが、紛争受付件数も同様に大幅に減少してきているという影響によるものと聞いております。

 2ページ目、3ページ目については、苦情処理手続における結果、苦情処理手続の終結に要した期間について、それぞれ内訳を円グラフにし、前年同期との比較を示したものでございます。いずれも、前年上期と比べて大きな変化は認められてございません。

 続きまして、4ページ目でございますが、紛争解決手続受付件数でございます。先ほどの苦情と同じく、3年度上期の受付件数は、8機関合計で565件であり、前年同期の580件と比べて3%の減少となっております。

 次に、5ページを御覧いただきますと、紛争解決手続における結果の比較でございますが、右側の3年度上期の特別調停によるものを含めた和解成立割合が38%となっております。今期はFINMACにおける和解件数の減数、生保協及び損保協における紛争受付件数の増加などから、全体として2年度上期より6%低下している状況にあります。

 最後に6ページ目、紛争解決の終結に要した期間の比較でございますが、2年度上期は、コロナウイルス感染拡大による面談機会の制約の影響などから、期間の延長化の傾向にございましたが、3年度上期には平常に戻りつつある状況にあると考えております。

 このほか、別の資料となりますが、資料2-1、あるいは資料2-2、これらにつきましては、各業界団体における相談等件数の推移を、また各指定機関における金融商品別での相談等件数の状況を、それぞれ各団体・機関から御報告いただいたものを基に取りまとめさせていただいております。具体的な説明は割愛させていただきますが、御参照いただければと存じます。

 業務実施状況についての事務局からの説明は以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。

 続きまして、苦情・紛争の未然防止に資する情報提供の充実につきまして、各指定機関より御説明をお願いしたいと存じます。
 なお、恐縮でございますけれども、8機関合わせて40分ほどでお願いしたいと存じます。したがって、ポイントと思われるところに焦点を当てつつ御説明をいただければ幸いでございます。
 まず、議題の趣旨等につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○相澤室長
 事務局です。苦情・紛争の未然防止に資する情報提供の充実という議題でございますが、その趣旨でございます。紛争解決等業務に関する申立てや結果等に関する情報は、苦情・紛争の未然防止の観点から有用であり、各指定機関におかれては、その分析状況や個別の苦情・紛争事案の概要・結果等の情報をホームページ等により公表し、広く金融機関の利用者に対し情報提供を行うとともに、発生原因等の分析結果、情報を金融機関に対してフィードバックを行っているところでございます。
 指定機関において、継続的にこれらの情報提供の充実に努めていく中で、例えば利用者にとってより分かりやすく、かつアクセスしやすい公表方法による情報提供、高齢者や多様な観点からの苦情・紛争の分析など、利用者本位の情報提供のさらなる充実が期待されているものと承知しております。
 今回の会合におきましては、これから御説明いただく各指定機関における取組や改善事項等を踏まえ、当会合に参加されておられる委員の皆様の知見も得つつ、情報提供のさらなる充実に向けて議論を深めていただければと考えております。

 この後、各指定機関から御説明いただく資料でございますが、お送りしております資料3-1、電子媒体番号では06番でございます。表紙の次の目次で御覧いただけるように、8機関からの提出資料を1つのファイルに順次編綴しております。内容を御覧いただきますと、左側に着眼点として1番から7番までございまして、それに答える形で右側に各指定機関に記載いただいております。各指定機関の方から御提出いただいた資料3-2、参考資料をまとめておりますので、各指定機関の説明の際、適宜引用していただければと存じます。

 事務局からは以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 では、各指定機関より御説明をお願いしたいと存じます。はじめに、全国銀行協会の小林委員、御説明をよろしくお願いいたします。

○小林委員
 全国銀行協会の小林でございます。本日はよろしくお願いいたします。私どもの説明でございますけれども、今、事務局から御案内がございました資料3-1の1ページからの説明になります。画面でも投影させていただいておりますので、併せて御覧ください。

 まず、着眼点の1でございます。情報提供の状況でございます。①として、金融機関などへのフィードバックについて、こちらに幾つか媒体を羅列してございます。後ほどまた登場しますので、こちらでは媒体の名前だけたどっていきたいと思いますが、例えばフィードバックの資料としては、ディスクロージャー資料を四半期、あるいは年次で公表させていただいております。それから、個別行宛てについては、苦情の統計データの還元を、四半期で実施しております。それから、月次では、具体的な還元というのをしております。
 次に、加入銀行向けの研修会を年に一度実施させていただいております。
 2ページ目に行かせていただきます。そのほかの取組としては、業態代表行と私どもADR機関との情報交換、これを四半期に一度実施させていただいております。
 それから、個別の加入銀行とは随時、何か課題が検出されれば意見交換を実施するという取組をしております。そのほか、苦情・相談が多い事例に係る情報提供というのが私どもの提供している情報ということになります。
 2ページ目は以上でございまして、今御覧いただいたのは苦情についてということでございますが、紛争についても、同様の媒体でほぼ情報を提供していると御理解いただけたらと思います。
 3ページ目に行かせていただきます。②として、関係機関、ほかのADR機関や消費者団体といった先への情報提供でございますが、これはこちらに記載のとおり、アニュアルレポートというのを私ども、年次で配布をさせていただいておりましたり、消費生活センターさんなどへ送付をして、備置き、あるいは必要に応じてお客様への配布をお願いしておるというものでございます。
 それから、次のリーフレットの配布でございますが、これも同様に消費生活センター様などで備置き、配布をいただいているということでございます。そのほか、消費者団体さんとの情報交換を随時行ってございます。
 4ページ目でございます。金融機関の利用者への情報提供でございますが、今御説明したリーフレットであるとか、ほかにポスターを金融機関の営業店で掲出をしまして、これで情報を提供しているというもの、あとは、冒頭申し上げたディスクロージャー資料をこちらでも情報提供を行っているということでございます。

 4ページ目は以上でございまして、5ページ目、着眼点の2でございます。今御覧いただいたもののうち、特に苦情・紛争の未然防止の観点から有用と考える情報提供の内容ということでございますが、先ほど着眼点の1で御覧いただいたような内容とかなり重複してございますので、ここはすみません、説明は省かせていただきます。

 5ページ目については今御覧いただいたことにいたしまして、着眼点の3でございます。内容の充実を図ろうとしているものでございますが、金融機関等へのフィードバックについては、特に顕著に苦情が増えているような銀行に対して、個別に意見交換や研修を実施していくという取組が大事かなと思ってございます。
 それから、利用者さんへの情報提供でありますが、これは外部有識者からの指摘も踏まえて、現在の私どものウェブサイトでFAQを公表してございますけれども、こちらの充実について検討しているということでございます。

 着眼点の4でございます。現状の提供方法や提供経路に対する認識でございますけれども、利用者本位のフィードバックという観点では、一番最初に幾つかの媒体を御説明いたしましたけれども、こういった媒体を使ってフィードバックをしておりまして、できる限りの取組をしていると私どもは考えてございます。
 利用者目線の公表という観点ですが、これも有識者の方から以前に御指摘をいただいた内容をそのまま活用させていただいているんですけれども、1点目で書かせていただいております。例えば銀行の営業店の店頭であるとか、消費生活センターさんといった取引に係る紛争が生じ得る場所、あるいはトラブルが生じた後に相談等に往訪される場所といったところに媒体を設置・公表することが有用と考えておりまして、これに基づいて取組を行っているということでございます。
 そのほか、全銀協のウェブサイトで情報提供しているわけですけれども、バナーをできるだけ目立つように大きく掲出するとか、あるいは個々の媒体についても、視認性であるとか親しみやすさに配慮して作成しているといったことでございます。そのほか、今年度からは動画も新たに作成してございまして、こういったものを使ってADRの仕組みを御理解いただくように進めていけたらと思っております。

 7ページでございます。着眼点の5でございます。改善策の検討でございますけれども、これは2点ございますが、フィードバックについては、全銀協のADR研修会の資料の内容のさらなる充実を目指すということ、それから利用者目線の公表等については、ビジュアル面に力点を置いた情報発信の拡充を検討するということを考えてございます。

 着眼点の6でございます。こちら、利用者等の金融サービスの利用に際し、金融商品・サービスの注意点が把握できる具体的な商品分類ということでございますが、これも私どもが用意してございます媒体でディスクロージャー資料がございますが、この中で、現状、私ども全銀協ADRの中では、リスク性商品についての苦情・紛争というのが多くございますので、証券業務、あるいは保険業務といったリスク性商品について、苦情の件数の推移を記載させていただいたり、あるいはそのほかの業務分類についても、それぞれの傾向に係る説明箇所で注意点を示させていただいているということでございます。
 それから、着眼点の6の中で、注書きの重要情報シートでございますが、下から2つ目のポツを御覧いただきますが、重要情報シートの取扱金融商品の種類で示されている具体的な分類を、先ほど来申し上げているディスクロージャー資料で示させていただいておりまして、トラブルの内容等について御理解いただけるように配慮させていただいてございます。
 あと、金融商品とかサービスということではないのですが、一番最後の丸印でございます。業務分類のほかに、例えば金融犯罪関係であるとか、金融関連業法関係、特にマネロン対応などについて苦情・相談の事例というのもございますので、こういったものを公表して利用者に注意喚起を行うことも必要だと考えてございます。

 着眼点の7で事例を4つ掲載させていただいてございます。こちらは詳細な御説明は省かせていただきますが、事例の1番と2番は苦情の事例でございまして、いずれもお客様からの苦情を受けて金融機関で相当の対応をいたしまして、解決した事例というのを書かせていただいております。事例の3番と4番というのが9ページ、10ページでございまして、こちらは紛争の事案でございます。いずれも和解に至っているケースでございますので、すみません、詳細は割愛させていただきますが、後ほどお目通しいただけたらと思います。

 全銀協からの御説明は以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、信託協会の西川委員、よろしくお願いいたします。

○西川委員
 それでは、御報告をいたします。私どものほうで資料は共有いたしませんので、お手元の資料、番号を申し上げながら御説明してまいりたいと思います。

 それでは、11ページでございます。まず、1点目、具体的な苦情・紛争事例結果等に関する情報の提供状況でございます。まず、1点目、金融機関・業界団体へのフィードバックで「苦情」のところでございますが、各月内に寄せられた苦情事案の概要につきまして、翌月中に社員会社が参加する部長級の会議で報告しておりますほか、翌月末までに加盟会社全社にフィードバックをしております。
 また、年2回開催しております信託相談所運営懇談会、これ以下は、懇談会と申し上げますが、この懇談会の席上で苦情事案、これはあっせんに移行した事案を含みますが、こちらの概要と解決・未解決の別をフィードバックしております。また、この懇談会の模様につきましては、当日の配付資料を含めまして、全加盟会社にフィードバックをしております。この各紛争に関しましては、四半期ごとに苦情処理状況、苦情処理に関する実績の報告、またあっせん委員会の運営状況につきまして、加盟会社全社宛てにフィードバックをしております。
 その下、②関係機関への情報提供でございます。先ほど申し上げました懇談会、こちらに委員として生活経済ジャーナリストの方であるとか、消費者団体の推薦委員に就任いただいておりますけれども、こちらで情報提供を行っておるところでございます。
 次のページ、12ページに参ります。③金融機関の利用者への情報提供でございます。苦情、紛争とも四半期、年度でホームページにその状況を掲載しているところでございます。

 2ポツでございます。上記1のうち、金融機関担当者等において苦情・紛争の未然防止の観点から有用と考える情報提供の内容でございます。まず、金融機関へのフィードバックといたしまして、年2回開催しております先ほどの懇談会、こちらの席上で、委員からの意見、指摘事項がありましたら、そちらについて注意喚起をしております。また、そうした指摘がなくても、苦情・紛争の未然防止の観点から、加盟会社等に対して留意してほしい苦情・紛争事案がございますれば、加盟会社にその事案を紹介いたしまして、注意喚起を行うように努めております。
 そうした利用者等への情報提供でございますが、こちらは直接、利用者等への情報提供ではございませんけれども、懇談会の席上で、「本年9月」になっておりますが、「昨年9月」の間違いでございますので修正いたしますが、昨年9月の懇談会で委員から、「法定相続情報一覧表」の活用に関する周知徹底を促す意見がありましたことを踏まえまして、当協会加盟会社全社が対象となります業務連絡会という会議におきまして、加盟会社に対する通知文書を発出し、この法定相続情報一覧表の活用に関する周知徹底を行ったところでございます。なお、この法定相続情報一覧表につきましては、利用者からの苦情に基づきまして、こちらをなかなか取り扱ってくれない、こういった苦情があったことに基づくものでございます。

 次のページに参ります。13ページでございます。3ポツ、今後、情報提供の内容充実を図ろうと考えている分析結果等の概要でございます。まず、金融機関等へのフィードバックでございますが、年4回の頻度で信託相談所関係連絡会を開催いたしまして、社員会社間での苦情に関する情報交換を行っておりますほか、信託相談所に寄せられる相談・苦情等を踏まえまして、信託相談所からもより積極的に情報提供、あるいは注意喚起を行うなど対応を始めているところでございます。
 次に、利用者等への情報提供でございます。こちらは利用者本位の金融サービス向上の一環といたしまして、今後ホームページに掲載されておりますよくある質問につきまして、利用者利便の観点から見直しを行いまして、必要に応じ修正を加えたいと考えてございます。

 次に、4ポツ、情報のより有用な活用を促進する観点からの現状の提供方法・提供経路に対する認識でございます。利用者本位のフィードバックといたしまして、四半期ごとに「あっせん委員会運営状況」といたしまして、終結したあっせん事案につきましてホームページに掲載しております。
 また、その下、利用者目線の公表等でございますが、信託協会のホームページにおきまして情報を公表しておりますけれども、これらが利用者目線からの探索性・視認性に優れているのかどうか、こちらにつきまして、具体的なことはこれからでございますが、検討を要するのではないかというように考えてございます。

 次のページ、14ページでございます。5ポツ、今後、改善策の検討を図ろうと考えている事項でございます。利用者本位のフィードバックといたしましては、終結しましたあっせん事案の概要につきまして、より利用者の目線から分かりやすく平易な表現を用いることにつきまして検討してまいりたいと考えてございます。
 また、その下、利用者目線の公表等でございますが、信託協会のホームページのうちの各コンテンツにつきまして、より探索性・視認性を高めるような工夫ができないかどうか検討してまいりたいと考えてございます。

 6ポツ、利用者等の金融サービスの利用に際し提供できる情報と今後の取組・課題ということでございます。四半期ごとにホームページに掲載しております「信託相談所取扱状況」につきまして、こちらでは業務別に件数について公表しております。
 また、苦情につきましては、四半期ごとにホームページに掲載しております「信託相談所取扱状況」につきまして、こちらを業務ごとに分類しまして件数を公表しておりますほか、年度ごとに公表しております「信託相談所取扱状況」におきまして、苦情の主な事例についても公表しております。

 次のページでございます。15ページでございますが、7ポツ、利用者等に情報提供した個別の苦情・紛争事案の概要・結果でございます。当該事案の内容ですが、担当者が税務上、当該事例については、なかなか「等価交換」の適用は難しいのではないかと思われるにもかかわらず、やや断定的な提案というか、言及をしてしまったという事案でございます。この事案につきましては、最終的には和解に至っておりますけれども、この事案から考えられます着眼点、注意喚起のポイントといたしましては、利用者はもちろん、相手方である金融機関の担当者も、必ずしも全て法務・税務等に通暁しているわけではないということから、こうした断定的な説明を行う場合には細心の注意を払うということのほか、場合によっては、即答を避け、後日回答すること。また、事案の内容を受けまして、法務・税務等につきましては専門的な知識が必要であり、こうした専門的な知識が必要な場合には、弁護士であるとか税理士、こうした専門家に相談したり、確認する必要があるということを強調しておく必要があるということではないかと考えております。

 簡単でございますが、以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、生命保険協会の高橋委員、よろしくお願いいたします。

○高橋委員
 高橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 資料ですと、16ページを御覧ください。まず、1.情報の提供状況でございますが、①の金融機関・業界団体へのフィードバックについては、相談・苦情・紛争の受付状況、事例などを毎年1回、相談所リポートとして提供しておりますほか、四半期ごとにボイス・リポートとして提供しております。このボイス・リポートについては、全社版と会員会社ごとに作成した個社版の2種類を作成しておりまして、会員会社においては、自社の苦情と全社の苦情を比較分析できるようにしております。なお、全社版につきましては、理事会で報告をするほか、個社版は、各社の代表者に直接送付することといたしております。また、紛争につきましては、取下げ事案を除く事案について、事案の概要ですとか、当事者の主張、裁定結果などを裁定概要集として取りまとめまして、会員会社に提供しております。
 次に、17ページを御覧ください。当会では、苦情情報のさらなる活用を1つの目的といたしまして、昨年4月より「お客さま本位推進会議」といったものを設置いたしました。ここでは、当会に寄せられました苦情・相談等のお客様の声や消費者行政・団体からの意見・要望や、さらには裁定審査会、裁定諮問委員会の意見等を集約しまして、分析した上で、設定したテーマに応じたアンケート調査を行いまして、会員会社に課題認識やそれに対する取組を共有するというものでございます。これによりまして、相談所が受け付けた苦情などの分析結果及びそれに基づく課題認識の共有が図られる仕組みとなってございます。
 そのほか、下に書いてございますが、各社、本社部門の担当者向けの研修会や、現場担当者向けの顧客対応責任者研修などを通じまして、苦情対応や紛争等解決に向けた考え方、再発防止に向け保険会社が配慮すべき事項などを具体的に解説するという機会を設けております。
 次に18ページの②の関係機関でございますが、ただいま御説明いたしました相談所リポートなどにより情報提供しており、提供方法といたしましては、当会のホームページで公表しておりますほか、全国50か所にございます地方事務室を活用しまして、消費生活センター、消費者団体等への定例訪問のほか、毎年実施しております意見交換会の場を利用しまして情報提供を行っております。
 次に、中段の金融機関の利用者への情報提供につきましては、同様に相談所リポート等によりますが、当会のホームページで公表し、最新情報として表示するほか、申立人に対しましては、当相談所で受け付けた手続きの状況や動向などを説明する際に使用して説明をしてございます。

 次に19ページを御覧ください。2の未然防止の観点から有用と考える情報提供ですが、苦情につきましては、大項目として5項目、小項目37項目に分類するほか、発生原因や契約者年齢の切り口により分析・集計を行っているほか、金融機関代理店や乗合代理店を発生原因とする苦情申出については、別途、受付件数を表示し、情報提供を行っております。また、ボイス・リポート個社版及び「お客さま本位推進会議」につきましては、先ほど触れましたので割愛させていただきます。

 次に、20ページになりますが、今後の情報提供の内容の拡充でございますが、現在の情報提供を引き続き適切に行っていくこととしておりますが、手続きに関するお問合せがあることから、ホームページに相談・苦情・紛争といったことに関するQ&Aの掲載をさらに充実させていくことを検討してまいりたいと考えてございます。

 次に、4の情報提供方法・提供経路に対する認識ですが、利用者本位のフィードバックの観点からは、会員会社に対しましては、ボイス・リポート、相談所リポートについて、特に当会の理事会、あるいは社員総会の場において、各社の代表者、経営層に直接提供、経営層への働きかけを行っているところでございます。
 また、なお書きに記載しましたとおり、当相談所で受け付けた苦情については、会員会社ごとの受付状況を当会のホームページで公表しているほか、会員会社で受け付けた苦情も当会のホームページで公表しており、当相談所受付苦情と併せて一覧で掲載しております。その結果、当相談所と会員会社で受け付けた苦情の内容比較ですとか、傾向分析などを行うことができ、類似苦情の発生防止、あるいは未然防止に活用できると考えてございます。
 次に、21ページの利用者目線での公表でございますが、当会のホームページにおける紛争解決等業務に関する情報の探索性・視認性をできるだけ確保するよう努めております。
 また、2つ目のポツに記載してございますが、消費者センターや消費者団体等に対しても積極的に情報提供を行うこととしており、その結果、当相談所の認知経路の第2位は消費者行政機関となっておりますことから、消費者団体等への情報提供も一定の効果が出ていると認識してございます。なお、本取組を強化するため、一番下のポツにありますとおり、今年度は相談所リポートについて、全国網羅的に配布するよう、配布先の充実を図ったところでございます。

 22ページの6、商品分類等に関してですが、当会では、具体的な商品と苦情内容は必ずしも関係性を有しないことから、先ほど御説明しましたとおり、苦情の内容別、あるいは発生原因別で苦情分類を行っております。

 最後に、23ページの7、参考となる事案ですが、まず、事例の1では、預金と保険を誤認して契約した事案でございます。注意喚起のポイントとしては、利用者においては預金と保険の違い、商品特性を踏まえたリスクを認識する必要があること、そのためには、担当者においては、理解いただけるまで十分に説明する必要があることを注意喚起してございます。
 その他、事例2及び3につきましては、後ほど御確認いただければと存じます。

 私からは以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、日本損害保険協会の塚本委員、今回から新たに御参加いただいております。御説明をよろしくお願いいたします。

○塚本委員
 損害保険協会の塚本でございます。今回初めて委員として御説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず、着眼点の1でございます。会員保険会社をはじめとした金融機関等への情報の提供についてでございます。まず、苦情の取扱い状況について御説明いたします。月ごとには、苦情処理手続の受付件数、類型別の受付件数、類型別の終了事由内訳件数、会社別受付件数を提供しております。また、四半期ごとには「統計号」というのを取りまとめておりまして、この中で苦情については、受付件数と保険種類別の受付状況を掲載しております。苦情処理手続に関しましては、受付件数の推移、手続終了状況、都道府県別の受付状況を報告しております。苦情処理手続の受付に関しましては、保険種類別、苦情局面別、申出内容別での情報、手続の終了状況につきましては、終了事由別、所要期間別、手続方法別の情報を提供しております。
 次に、紛争の取扱い状況について御説明いたします。月ごとに、受付件数、類型別の受付件数、終了事由の内訳件数、会社別の受付件数を提供しております。また、苦情と同様に、こちらも四半期ごとに「統計号」を取りまとめておりまして、その中で受付件数の推移、手続終了状況、紛争の事例、これは当該四半期の全終了事案の概要を提供しております。
 ほかのADR機関様や消費者団体様への情報提供でございますけれども、こちらも四半期ごとに取りまとめております「統計号」をホームページ上で公表しておりまして、御覧いただけるようにしております。
 また、金融機関の利用者、顧客の皆様に対しましても同様に、「統計号」がウェブ上で御覧いただけるようになっておりますので、こちらを御覧いただくように御案内しているというところでございます。

 次に、項番2でございます。情報提供に当たっての分類等は資料に記載のとおりでございますけれども、苦情処理手続に関しましては、保険種類別、苦情局面別、申出内容別の受付件数、あと代表的な事例を「統計号」の中で公表しております。代表的な事例におきましては、事例の経過ですとか対応結果、保険会社における再発防止の取組を掲載しております。
 あと、ここで特に申し上げておきたいのは、会員保険会社に対しては、四半期ごとに当センターの担当者を集めて開催する業務連絡会というのがありまして、この中で、苦情処理手続の受付件数の各社別件数、件数が多い順として報告をして、意識を高めていただくように努めております。
 また、利用者に対する紛争解決手続の情報提供では、先ほど申しましたが、「統計号」に当該四半期に終了した全事案を掲載しまして、保険種類・事案の概要・手続終了事由・手続の概要を掲載しております。

 次に、項番3にまいります。資料28ページでございます。こちらは特に会員保険会社向けの構想でございますけれども、各相談員が、ADRシステムのデータベースに入力した苦情の概要を基に分析する仕組み、これをテキストマイニングというのですけれども、こちらを活用して、業界全体はもちろん、各社別の相談・苦情の傾向等をより一層詳細に把握して、各保険会社に提供して、業務品質の向上の一助としていただくことを予定しております。
 もうちょっと詳しく申し上げますと、当センターの相談員が聞き取った苦情・相談の記録、文章の記録を単語や文節、フレーズで区切って、それらの出現の頻度ですとか、出現の相関、あと出現傾向、時系列などを解析することで有用な情報を取り出します。これを分析していくということでございます。分析の結果から、業界全体の傾向ですとか、個別の保険会社の傾向が分かります。この結果を各社にフィードバックすることで、各保険会社においても自社の弱みですとか傾向を把握できることが考えられます。各社において、そこに対応する取組を進めていただくことで業務品質の改善・向上を図っていくことを目的としている取組でございます。

 次に、項番4にまいります。こちらも、前述の項番3の部分、今の部分で御説明したとおりですけれども、テキストマイニングを活用してよりきめ細かい情報を提供して、業界の業務品質向上に努めてまいりたいと考えております。
 あと、利用者目線では、ウェブサイトへのアクセス推進を図るために、よりアクセスしやすい体系を考案していきたいと考えております。必要な情報にたどり着く手順が今ではやや多いというふうに実感しておりますので、この点を改善していきたいと考えております。

 次に、項番5でございます。これもこれまで御説明申し上げましたとおり、今年度からテキストマイニングに着手しております。効果等を検証しながら、必要な見直しを加えていくことが重要と考えております。
 あと、利用者目線の取組ですけれども、交通事故ですとか自然災害が多発する時期・季節、すなわち、利用者の相談・苦情が増える時期にリスティング広告というのを、これも昨年度から取り組んでございます。例えば、検索エンジンでの検索の際のキーワードに連動した広告になるのですけれども、具体的には「交通事故」「相談」というキーワードで検索していただいた場合に、弊会のホームページが検索画面の上のほうに表示されるような広告設定をするということを進めております。

 次に項番6、資料29ページでございます。まず、商品分類につきましては、自動車保険、火災保険、傷害保険、新種・海上保険、その他という商品分類としております。分類ごとの情報でございますけれども、相談、苦情、苦情解決手続、紛争解決手続のそれぞれの件数でございます。商品分類ごとの相談等の件数の件数全体に占める割合も提供しております。あと、都道府県別の受付状況を公表しております。
 今後の課題でございますけれども、前述のテキストマイニングで把握できた業界全体の傾向等の内容のうち、これを利用者への注意喚起となるものについては、こちらを公表していこうかということを検討してはどうかというふうに考えております。

 最後に項番の7でございます。今年度の第1四半期の「統計号」に掲載しました苦情の代表的な事例を掲載しております。自動車保険における人身傷害保険の認定額の苦情事例でございます。これを掲載した理由ですけれども、保険種類では最もシェアが高い自動車保険でありまして、かつ、最もポピュラーな保険金支払いに係る苦情ということで選定して掲載しております。加えて、再発防止の取組の部分が、他の保険会社が御覧いただいても参考になるのではないかというふうに考えたものでございます。
 紛争解決手続の事例でございますけれども、こちらも通常、「統計号」には、当該四半期に終了しました事案全件の概要を掲載しております。こちらは、第1四半期だけで95件にも及びましたため、今回は自動車保険におけるフリート契約者に係る紛争事例のみを掲載させていただいております。

 損害保険協会からの説明は以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、保険オンブズマンの小野委員、御説明をお願いいたします。

○小野委員
 保険オンブズマンの小野でございます。お手元の資料で申し上げますと、31ページ以降に沿いまして御説明させていただきます。

 まず最初に、着眼点1番でございますけれども、私どもの業務に関する情報の提供状況ということで、31ページにかいつまんで記しておりますけれども、要約して申し上げますと、契約締結の事業者へのフィードバック、これはほぼ共通して苦情、それから紛争解決も同じですけれども、恐らくそれを御覧になる方のお役に立つような形のいろんな切り口でもって、例えば私どもで言いますと、事業者別、あるいは保険種類別、それからいろんな形態、募集時の話なのか、あるいは契約管理の話なのか、あるいは保険金支払いの段階の話なのか等、その内容に応じてこれは数字を取っておりますので、これをマトリックスにして御提供しております。
 紛争の場合には、当法人のホームページで、それぞれ半期に終了した紛争解決手続の概要を公表していることもございますので、ここも併せて同じく閲覧、あるいは確認ということを行っております。
 それから、例えばほかのADR機関、消費者団体様への情報提供ということでございますけれども、これは今申し上げましたホームページ等で公表しておりまして、情報交換も行っておりますし、加えまして、これは皆さん共通でございますけれども、金融ADR機関との情報交換の場でも、いろんな形で生の情報交換なり、よりよい方策があるかどうかということの提供なり入手をしておるところでございます。

 その次に、着眼点で言いますと、3番、これから内容充実を図ろうと考えている分析結果等の概要ということでございますけれども、ページで言いますと32ページになりますけれども、契約手続を済ませている事業者宛てへのフィードバックということで言いますと、私どもの法人業務の場合は、苦情にしても紛争解決にしても、ある一定の特定の事業者さんに集中、あるいは数が多いということがございますので、各事業者さんごとに個別に、またそれぞれ特徴も違っていることから、分析しまして、双方で情報交換、あるいは注意喚起ということをまめに実施しておるところでございます。

 4番目、今度は、利用者本位のフィードバック等のお話でございますけれども、今申し上げましたように、私どもとしては、事業者に対して、苦情の場合ですと再発防止策を私どもで策定しまして、それを依頼しまして、また、あるいは苦情もそうですけど、内容によりましては、その会社の全社レベル、あるいは部門レベル、あるいは当該のセクションレベル、もしくは、場合によっては経営レベルの話ということでございましたら、そういう認識を持ちまして、しかるべきところにお話ししまして、今後の再発防止のためにいろんな形でこうやってほしいということの注意喚起等も行っているところでございます。
 あと、紛争につきましては、今申し上げたのに加えまして紛争解決終了後に、両当事者からアンケートを私どもいただいていまして、申立人からのアンケート結果を事業者に御提供しまして、同様の紛争に発展しないように、今後そういうことがないように、再発防止がないようにということを、またその会社で情報共有の上、将来に向けてよくしてほしいということの依頼等を、あるいは問題等の指摘をしているところでございます。
 それから、利用者目線の公表ですけれども、今しがた、ほかの紛争解決機関さんから一部お話がございましたけれども、インターネットの検索ブラウザには、例えば「損害保険」とか「苦情」とか「相談」ということを打ちますと、当法人のホームページにつながることにもなっておりますし、そこから入り口として私どもへの御相談なりお申立てがあれば、適宜、応対させていただくという形を取っておりますのに加えまして、契約事業者さんのホームページにも当法人のことはきちっと書いていただきまして、当該事業者様のお客様からも、それを御覧になって私どものほうにいろんな形で苦情なり、あるいは紛争解決依頼なりというメッセージが、言わば直に気軽にできるような形でやっていただくようお願いしているところでございます。

 その後、いろんな形の、特に利用者ごとの情報提供ということの事例もそこに書いておりますけれども、ここは、要はどういう趣旨かといいますと、何が問題だったのかという事例の個々の、個別の案件というよりは、そこに共通する考え方とか、あるいは業務のやり方とかということがこういうことにつながってしまったので、それの是正なり改善なりということを指摘するために、事業者を含めて共通の情報、理解として進めておるところでございます。

 私どもからは以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、日本少額短期保険協会の大槻委員、よろしくお願いいたします。

○大槻委員
 日本少額短期保険協会、大槻でございます。よろしくお願いいたします。
 
 それでは、項番の1から順番にお話をさせていただきます。
 まず、全体状況でございますけれども、情報提供としますと、「ほけん相談室レポート」を年に2回、上、下で発行しておりまして、これを協会のホームページに掲載してございます。また同時に、後ほど御説明をします少短経営者トップへ年に2回、同時に現在の業界の全体状況をレポートする手紙を発信しますので、そこにも併せて経営者トップ宛てにもこの相談室レポートをお送りしているというところでございます。
 相談室レポートの中身につきましては、記載のとおり、例えば全体の受付件数、それから保険金の支払い、募集関連の苦情なのかという内容の分析、それから商品別の分析、そして処理期間などの推移を含めた傾向が分かるような形でまとめております。それと同時に、具体的事例を掲載しまして、分かりやすい形で公表しているというところ、これが1つ目でございます。
 2つ目の情報提供としますと、苦情・紛争解決手続についての御報告という、先ほど申し上げた少短会社の経営トップに直接送る手紙を年に2回発信してございます。これは趣旨としますと、経営トップに送って、取締役会で自社の体制の問題点を御論議いただくために、あえてトップに直送するという形でやってございます。少短協会全体の状況、苦情・紛争の状況、それから当該少短会社についての現在の苦情の件数等、これを報告するものを経営トップ宛てに送っております。こういった取組をしたことによって、ここ数年継続してきたことによりまして、今や苦情がゼロという会社は9割に達しているという状況でございます。
 それから、関係機関への情報提供ということでは、記載のとおり、東京都消費生活総合センターに、レポートに基づきまして御説明をさせていただいているというところ、それから、利用者への情報提供という意味では、協会のホームページの「消費者の皆様へ」というサイトがございますので、ここに過去10年分を掲載させていただいて、すぐに分かるような形で公表しているということでございます。

 続きまして、項番の2番目、切り口についてですけれども、先ほど申し上げましたとおり、商品別の分析、あるいは苦情の内容の分析などを行っているということが1つ目。それから、具体的には、苦情が増加している業者に対して、当協会はベテランの相談員が2名おりますので、直接、少短会社の担当者、あるいは責任者に情報提供して改善を促すというようなことをしております。つまり、媒体の情報提供と同時に、具体的アクションを起こすことによる情報提供、これを並行しているということでございます。
 具体例を記載してございますけれども、例えば、ペット保険で投薬のみの請求を不担保としている場合、これが分かりにくいという苦情がございましたので、パンフレットの改訂等を直接相談員から少短会社宛てに説明、それから改善を促すというようなアクションを起こしているということでございます。

 それから、項番の3番目でございまして、さらなる充実を図る意味ではということで、先ほど来のことに加えて、一般的な情報提供とともに、未然防止に向けた行動のための情報提供ということで、例えばということで1つ例を挙げてございますのが、裁定委員の弁護士による具体事例に基づいた各社への態勢整備のセミナーを開催いたします。これは2月に実施をするものですけれども、例えば少短会社側の初動等に問題があって苦情に発展するということもございますし、その他紛争に発展するような事例もございますので、そういったものを裁定委員の弁護士の先生から具体的に御指摘をいただいて、それで改善、それから態勢整備を促すということで、これは少短会社の経営者、それから保険金支払いの責任者、お客様担当の責任者のみならず、商品開発の責任者、つまり約款の解釈の問題等もございますので、こういったメンバーを参加者として具体的な情報提供、セミナーを実施するということでございます。
 それから2つ目としまして、資料をおつけしましたけれども、家財・賠償事故に焦点を当てた注意事項を具体的に記載したもの、こういった形で苦情・紛争に発展しないような対応をいただくという情報提供をしているというところでございます。
 それから、利用者への情報提供という意味では、先ほど申し上げました相談室レポートに、今後ですけれども、契約者側にも注意を喚起するようなコメントを加えていくという予定でございます。契約者サイドでも御留意いただくことによって紛争等に発展しないというケースもございますので、こういったことをコメントとして記載して注意喚起をするということをやっていこうと考えてございます。

 項番の4番目でございまして、これにつきましては、経路ですけれども、先ほど申し上げましたとおり、ほけん相談室レポートは、協会のホームページの「消費者の皆様へ」というサイトに10年分を掲載しているというところでございます。また、内容につきましても、相談室レポートは平易な言葉の記載に努めているということでございます。

 そして、項番5番目で、今後の改善という意味では、実は協会全体のホームページの見直しを今検討してございます。ADRのみならず、協会のホームページ全体、お客様から分かりやすい、視認性を高めるという観点で協会ホームページの見直しをしていこうということにしてございますので、そういう意味では、この中でお客様からの視認性を高めるような改善をしていきたいと考えてございます。

 それから、項番6番で、分類ごとの課題ということでございます。具体的なものを記載させていただいてございますけれども、利用者側に理解・納得していただく事項ということで、例えば家財・賠償であれば、保険金額、補償内容、免責、あるいは事故を証明する第三者を確保すると、こういったことを今後、相談室レポートにも盛り込んで注意喚起をしていきたいというふうに考えてございます。

 それから、項番7番目です。具体的事例を4つほど記載してございます。1番目が、スマホの修理に関わるトラブルでございますけれども、これは契約者が理解しやすい説明を少短会社側ですべきということで、パンフレットの工夫等をする、こういったこと。これは先ほど申し上げたとおり、具体的に相談員が少短会社の責任者に説明をして改善したということで、現在ではほとんど苦情がない状態になっているということでございます。
 それから、次でございますけれども、これは現金の盗難でございます。問題は、少短側につきましては、事実確認をしっかりするということ。一方、契約者側には、警察への届出をしっかりしていただくというようなことでございます。
 それから、3番目、4番目、生保事案について記載してございますけれども、それぞれ少短側、それからお客様側が留意すべき点を記載させていただいております。例えば、高齢者であれば、お客様側では第三者の方に同席いただくとか、あるいはこういう場合での募集人の対応がきちんとできるように募集人教育をしっかりするとか、こういったところがポイントかと考えまして記載をしてございます。

 御説明は以上になります。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)の丸野委員、よろしくお願いいたします。

○丸野委員 
 FINMACの丸野でございます。御説明させていただきます。資料は41ページからになります。

 まず、着眼点1でございますが、①金融機関・業界団体へのフィードバックでございます。我々FINMACは、7つの業界団体からの紛争解決業務などを受託しています。7つの業界団体名につきましては、※の1番に列記させていただいています。これらの団体に対して毎月、相談・苦情・紛争の各受付件数、紛争の終結件数、全ての事案の概要、※2に記載させていただきました概要の中身それと内容内訳。内容内訳につきましても、※3に記載があるとおりでございます。勧誘に係るもの、売買取引に係るもの、事務処理に係るものなどの分類でございます。それらの分類と商品の内訳。商品の内訳につきましては※の4にございます。さらにこれに加えまして、申出者の年齢などの情報を提供しています。
 また、日本証券業協会に対しては、41ページ下段ですが、苦情と紛争に記載させていただいています情報を提供しています。もう少し申し上げますと、日本証券業協会の協会員とお客様との間で同じような苦情に対する未然防止、再発防止といった観点から、協会員にとって注意を要すると思われる事例を毎月1事案、四半期ごとに4事案、したがいまして、合計で、1四半期で7事案の情報を提供しています。これらの申出内容、対応結果、主な留意点をまとめまして、日本証券業協会が運営する協会WANというシステムがございますが、これによって全ての協会員への周知をお願いしています。
 また、紛争に関しましても同様に、注意を要すると思われる事案を選定いたしまして、「あっせん事例集」という形で取りまとめて周知をお願いしています。

 少し飛びます。46ページ、47ページの着眼点7に飛ばせていただきますけれども、実際に周知をした内容そのものではございませんけれども、おのおののページの下段、「着眼点、注意喚起のポイント」に各事案の主な留意点を記載しています。例えば、46ページのところで、法令あるいは日本証券業協会の規則などで求められるものではございませんけれども、トラブルを未然に防ぐためには、高齢顧客との取引に際しては、顧客本人の了解を得て、面談時などに御家族に御同席いただき、御家族にもその取引内容を御理解いただくようにするというようなことも大切な取組の1つであるというような形で、多少踏み込んだことを書かせていただく場合などもございます。
 我々の情報提供態勢は、日本証券業協会向けの周知がほかの団体に比べると少し厚くなっています。これは、私どもが扱う案件が、日本証券業協会の協会員に由来するというものが圧倒的に多いという事実がございますけれども、それ以外にも、私どもFINMACは、法人として設立される以前には、日本証券業協会の一部署であったということもあって、その当時から日本証券業協会の協会員向けに通知をしていた内容を現在も継続しているということが、日本証券業協会向けのものが他団体に比べて若干厚くなっているという背景でございます。

 42ページに戻らせていただきます。②の関係機関への情報提供と③の金融機関利用者への情報提供内容、これは同一でございます。私どもは、情報提供先を関係機関向けや利用者向けと特別に区別することなく、ウェブサイトで情報を掲載しているということでございます。苦情事案や紛争事案などについて、受付件数や内容内訳、商品内訳などを、月次、四半期、半期、通期というタームで集計していまして、それぞれウェブサイトに掲載しています。

 43ページ、着眼点2に移らせていただきます。相談・苦情・紛争の動向を、前年同期の数値とともに、記載の区分に基づき、当センターのウェブサイトに掲載しています。区分ごとの増減状況などがこのことにより把握できるようにしています。区分の内訳としましては、協定事業者別の内訳、商品内訳、内容内訳、業態内訳、個人・法人の別、地区ごとの苦情・紛争・相談などの内訳を掲載しています。
 金融機関向けフィードバックと利用者などへの情報提供ですが、これも情報提供先をどこそこ向けと区別することなく掲載しています。また、紛争解決事案につきましては、未然防止、あるいはコンプライアンス態勢の充実に役立てていただくという観点から、和解が成立した事案の概要を取りまとめて、日本証券業協会経由での周知をお願いしています。また、日本証券業協会も含めた7団体の中には、当方が提供した情報を基に、自主規制機関として半期ごとに苦情の分析を行い、苦情の多い協会員に対して個別の連絡を行っている機関もあると聞いています。

 続きまして、着眼点3に移らせていただきます。今後の対応ということでございますが、今までの情報提供に対しまして、特段ここが足りないといったような御意見をいただいていませんことから、今後も今までの対応を継続していこうと考えています。
 なお、これも今までの対応ということでは一緒ですけれども、私ども自身の周知のためにポスターを作って各金融機関などに配布しています。店頭などで貼り出していただくということを想定してお配りしているわけですけれども、ポスターがかなり古くなったので新しいものを作ろうということで、早ければ今年度中、遅くとも来年度の初めにはできるのではないか、ということで、新たなポスターの配布ということを今、検討しているところでございます。

 44ページ、着眼点の4でございます。利用者本位のフィードバックでございますが、着眼点1で御説明しましたとおり、取りまとめたあっせん事例集を毎月日本証券業協会経由で協会員に周知しています。特に主な留意点では、利用者本位の金融サービスの向上を促す観点から、事例を通して協会員に必要な注意喚起を促しています。本日の資料に記載はないのですが、この中で過去に行われた行政処分を受けた事例などを紹介したり、個別の事案だけに限らず、事案から考えられる改善点や留意すべき点などを金融機関向けに通知しています。
 また、依頼があれば、業界団体あるいは個社の研修などの講師を引き受けて、事例を紹介するとともに注意喚起を行うなどして、利用者本位の金融サービスの向上を促しています。なお、講師派遣は金融機関に限らず、消費生活センターなどからの依頼も受け付けています。
 利用者目線の公表ですけれども、一般の利用者からお問合せをいただければ、丁寧に説明し、御理解を得るように努力しています。これまで改善要望は寄せられていないことから、我々としては、適切に情報提供が行われていると認識してございます。

 着眼点の5でございます。利用者本位の金融サービスの向上を促すフィードバックは適切に行われていると認識しているため、今後も今までと同様の対応を継続していきたいと考えてございます。

 45ページ、着眼点6でございます。こちらは、相談・苦情・紛争ごとに、先ほども御説明しましたが、商品内容あるいは内容内訳によって、申立件数などをマンスリー、クオータリー、セミアニュアリー、アニュアリーという形で提供してございます。

 46ページからの着眼点7は、着眼点1と併せて説明させていただきましたので、省略させていただきます。

 以上で説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、日本貸金業協会の森委員、御説明をお願いいたします。

○森委員 
 日本貸金業協会の森でございます。資料3-1の48ページからでございます。

 まず、項番1の①金融機関・業界団体への苦情処理・紛争手続等の情報提供についてですが、記載のとおりでございますが、提供方法については、紙ベースで報告するものと意見交換会などを開催し直接伝えるパターンに分かれます。紙ベースの提供は、年間、半期、四半期のペースでホームページに掲載し提供しております。委員会への報告は、開催都度、前後することもございますが、報告をしております。また、今期より、相談等の情報収集・分析をさらに詳細に行っておりますので、部分的に必要とされる機関への積極的な公表を行っております。
 例えば、多重債務問題、ギャンブル依存症対策で行っております当協会独自の取組の貸付自粛制度が、登録者のヒアリングにより多重債務問題に効果があるなどの金融トラブルの防止の情報などもお伝えして、周知活動を行っております。意見交換においては、実際に詳細な意見などが直接聞けますので、非常に必要性を感じておりますので、今後も定期的に進めてまいります。
 49ページの②の関係機関への情報提供については、内容的には①と同じになりますが、意見交換会においては、今までは地区を限定しておりましたが、本年度下期からは、ウェブを活用した意見交換会を全国的に対象とすべくテスト的に開催をいたしました。ウェブ開催については大きな支障はございません。情報提供には活用できることが確認できましたので、今後、ウェブでの意見交換会を積極的に進め、周知活動を進めてまいります。

 50ページの項番2の金融機関の担当者及び利用者等への未然防止の観点からの提供内容ですが、相談、前段階の聞き取りで入手した年齢構成や貸付自粛申告時の年齢の傾向やギャンブル等の種類の傾向などの情報をホームページ等に掲載しております。
 また、本年4月から成年年齢引下げに伴う金融トラブルの事例、これについては、資料3-2の27ページにつけておりますが、消費者センターなどからの具体的な事例などを当センターだよりに掲載し、金融機関へも共有し、貸付時の注意喚起を誌面にて啓発するとともに、意見交換会の場において注意喚起を行い、金融機関に若年者への貸付等の対応についても確認をしております。
 項番2の利用者などへの情報提供は、今期、特に相談・苦情・紛争の情報と若年層への金融トラブルの情報提供を大学、専門学校、市民講座などを対象とした出前講座にて提供を行うとともに、今期初めての取組として、お金の貸し借りに免許証が必要となることから、若年層が集まる教習所への金融トラブルの周知活動、これについても資料3-2の28ページにございますが、若年者専用のリーフレットを作成した上で、情報の共有、周知活動を行って注意喚起につなげております。

 項番3の今後の情報提供の内容充実を図ろうと考えている分析結果の概要については、資料3-2の29ページにございますが、多重債務発生防止の取組として、特に資金需要者からのお問合せ、お客様の声として精度の高い情報の収集と分析に努め、多重債務防止の対応として3から4を行い、未然防止として6から7を実施するとともに、周知活動の充実を図ることを考えております。

 項番4については、情報のより有用な活用を促進する観点から、現状の提供方法の認識については、利用者本位のフィードバックについては、掲載を見て問合せをしてくるケースもありますので、一定の評価はいただいていると考えております。また、利用者目線の公表で、ホームページにての公表については、ページ移動やアクセスの状況より改修が必要な部分もあると認識しておりますので、今後、改善予定としております。

 項番7については、金融トラブル未然防止の好事例として、事例1を資料3-2の30ページに記載しております。この事例については、さきに述べたように、関連団体からの情報を基に、金融機関と共有した結果として未然防止につながっております。

 以上で報告は終わりとさせていただきますが、今後とも精度の高い情報の収集と分析、周知の活動に努めていきたいと思っております。
 以上で報告を終わります。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ここまでの御説明につきまして、御意見、御質問をお願いしたいと存じます。また、消費者機関・団体、あるいは自主規制機関・業界団体の皆様を含め、御参考となる取組など言及いただくと大変ありがたいと存じます。
 御発言に当たりまして、事務局より事務的なお願いがございます。よろしくお願いします。

○相澤室長
 御発言を希望される際には、会議システムのチャット機能によりお名前と所属組織を入力の上、全員に宛ててお送りください。チャットの初期設定は全員宛てになっていると思いますので、事務局宛てではなく、そのまま全員宛てでお願いいたします。座長がチャットを確認し、指名されますので、御指名のあった委員は、マイクのミュートを解除し、御自身のお名前をおっしゃっていただいた上で御発言いただければと存じます。

 以上、よろしくお願いいたします。

○神作座長
 ありがとうございました。では、御発言がございましたら、いかがでしょうか。チャットでお知らせいただければと存じます。
 森下委員、お願いいたします。

○森下委員
 ありがとうございます。詳細な御報告、ありがとうございました。各機関において本当にいろいろ取り組まれているということがよく分かりました。利用者目線ということに関して、2点申し上げたいと思います。

 今回のテーマが、紛争の未然防止ということだと思うのですけれども、私のほうで何か所かの機関のウェブサイトを訪問させていただいたところ、トラブルになってからそこにたどり着くということはあるかとは思うのですけれども、紛争を未然に防止する、例えば取引の段階のときに、こういったトラブルに陥らないようにしようというふうに注意できるための情報がホームページから提供されているかというと、なかなかそうでもないのかなというような気がいたします。言い換えると、トラブルになった後調べるための情報提供というのはされているかもしれませんけれども、未然防止ということからすると、こういったトラブルに陥らないでくださいとか、よくあるトラブルがあるので、こうならないようにこういうものを見てからやったらどうですかというような形での情報提供の仕方というものが、ウェブサイトを活用することでできると、もう少し未然防止という点に役立つのではないかというような印象がありました。

 あと、もう一点ですが、各紛争解決機関とも、本当に詳細な情報を提供してくださっているのですけれども、例えば解決事例がPDFファイルで、いついつからいついつはこういうトラブルの事例がありましたというような情報がずらっと並んでいるのですけれども、これは私のような研究者にとっては大変ありがたい、一つ一つPDFを開けていって、どういうことがあったのだろうというのを確認するのはありがたい、詳細な情報があるのはいいのですけれども、恐らく利用者の方にとってみれば、自分と同じようなどういったトラブルがあって、そのときどうなったのだろうとか、例えばこういった商品との関係でどんなトラブルに気をつけなければいけないのだろうというのを確認するには、一枚一枚PDFファイルを開くというのはちょっと現実的ではないのかなと思います。なかなか御負担だとは思うのですけれども、例えばキーワードで検索ができるようになるとか、あるいは商品別に調査できるようになるとか、そういうような機能が備わるとよりユーザーフレンドリーになるのではないかというような気がいたします。
 
 以上でございます。ありがとうございました。

○神作座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、東京弁護士会の斎藤委員、お願いいたします。

○斎藤委員
 斎藤です。よろしくお願いします。
 情報開示、大変参考になりました。どの機関も、機関によっては全件開示しているというところもあって、十分な開示がされているという印象を持ちました。そこで、ちょっと細かいですけれども、運用の点で質問させてください。この情報開示、特に事例の開示、概要の開示です。代替手段としての弁護士会ADRでは、日弁連で全国の弁護士会の金融ADRの事例を取りまとめて、「仲裁ADR統計年報」でそれなりに詳しい概要を開示しています。これを開示するに当たって、各弁護士会によって若干やり方は違うのですけれども、私の所属している東京弁護士会では、あっせんに入る前に、事例を個人を特定できない形で研修や情報開示に利用することについて個別の同意を取っています。これは考え方としては、統計化するので同意は不要だという考え方もあると思いますし、あるいは最初から利用しますという説明を提示して行う考えもあるかもしれませんけれども、東京弁護士会では個別に同意を取っているというのが現在の運用です。
 ところが、以前は特に何の反対もなく利用者は同意していただいていたのですが、昨今、やはり権利意識の高まりもあるせいか、一切開示は困る、個人が特定されなくても利用許諾をしない、というようなことをおっしゃる利用者が散見されます。運営委員会のほうでも、こういった場合どうするか。そこまで言われると、これはそもそも開示に一切利用できないのではないかというところから、同意の取り方をどうすべきか、議論しています。また、事例開示をされるのであれば、あっせんの利用を控えたいという人も出てきてしまうのではないかなど、いろんな懸念が今議論されています。

 そこで、質問させていただきたいのが、各機関でこういった開示の前提として、具体的な事案の利用者に対してこういった情報開示の合意を取っているのかどうか。同意を取っているとすれば、どういう形態で取られているのか。また、同意を拒否されるという例があるかどうか。拒否された場合はどうしているのか。この辺のことを教えていただけると各機関同士の参考にもなるかなと思うので質問させていただきたいです。

 それが1点で、もう1点の質問は、これも今の件に関連するのですけれども、事例の概要の抽象化の程度です。当然、個人を特定できる情報は削除するのだろうと思うのですけれども、例えば和解金額の金額を出すのか出さないのか。出すとしたらどこまで数字を丸めるのか。あるいは、年齢を書くのか書かないのか。数字とか年齢の要素が、事案によって重要な意味を持つ場合と、あまり関係ない場合があると思いますけれども、事案ごとに工夫されているのか。その辺りで、事案の概要のまとめ方の基準等があれば、参考までに教えていただきたいなと思います。
 それから、特に事前の同意を取っていないという機関の場合に、事案を開示した後に、当事者から、何で私の事案をこういうところに載せるのですかというようなクレームがあったか否かというようなことを教えていただければと思います。

 質問が多岐にわたってしまったので、適宜、取捨選択していただいて、工夫しているところがあれば教えていただければと思います。
 以上です。

○神作座長
 どうも御質問ありがとうございました。ただいま斎藤委員から3つの御質問があったかと思いますけれども、全てに触れなくてもよいということでございました。どなたからでも御経験等を教えていただければ大変参考になると思いますが、いかがでしょうか。

○小林委員
 全国銀行協会の小林でございます。

○神作座長
 お願いいたします。

○小林委員
 発言させていただいてよろしいでしょうか。

○神作座長
 どうぞ御発言ください。

○小林委員
 ありがとうございます。御質問ありがとうございます。3点いただいて、まず1点目。私ども、御本人さんから同意を頂戴してございます。具体的には、申立書の一部としていろいろ留意事項を書かせていただいている中で、公表についての同意というのをいただいております。具体的に読み上げさせていただきますと、全国銀行協会が関係者のプライバシーに配慮した上で、あっせん事案の概要などを加入銀行へ通知すること、また公表することについて、御本人さんの自署をいただいた上で同意をいただいているということでございます。これが1つ目で、あとは、こういった同意を取る上で、御本人さんから開示は困るといったような御意見というのは、特に今のところ私どもでは頂戴してございません。

 それから、2つ目の概要の丸め方でございますが、私どもの事案については、公表しているものについては事案番号を付して公表してございますので、当該申立人さんと、あとは、相手方銀行は事案番号を見ると自分のことだというのが分かる内容にはなりますが、和解の具体的な金額は一切公表してございません。それから、年齢については、これは丸めておりまして、80代とか70代とかといった形で公表させていただいてございます。
 
 それで、3つ御質問いただいて、すみません、3つ目の御質問をちょっと聞き逃してしまったのですけど、もう一度お願いできますでしょうか。

○神作座長 
 既にお答えいただいているかと思いますが、同意を取っていない場合にクレームがありますかという、そのような御質問だったかと思います。

○小林委員
 なるほど、なるほど。大変失礼いたしました。では、以上が回答になります。
 
○神作座長
 どうもありがとうございました。大変参考となりました。
 ほかの機関からぜひ御紹介をいただければと存じますが、いかがでしょうか。

○高橋委員
 生命保険協会でございますが、よろしいでしょうか。

○神作座長
 どうぞ。よろしくお願いいたします。御発言ください。

○高橋委員
 ありがとうございます。私どもも、今、全国銀行協会さんのほうからお話がありましたのとほぼ同様の取扱いとなってございます。まず同意につきましては、お申立てをいただく際の申立書の中に、同意事項のうちの1つとして、プライバシーに配慮した上で事案の概要を公表するということを記載し、同意を頂戴してございます。この記載によって、ADRを利用することを躊躇されるようなお客様は、今のところ特にいらっしゃっていないようでございます。

 あと、事案の概要の公表の方法でございますが、こちらは同じように、和解の内容については具体的なものは明示してございません。あと、私どもで注意をしていますのは、特別な病気をお持ちのお客様からのお申立てについては、その病気を開示することによってある程度範囲が限られてしまうとか、そういった特殊事情もございますので、公表に際しては、極力プライバシーに配慮するといった点を重視して対応しているところでございます。

 以上でございます。

○神作座長
 どうもありがとうございました。うちはちょっと違う方法で行っている、同意の取得等について御発言がございましたら、ぜひお願いいたします。
 大体、全銀協さん、それから生保協会さんと同じような実務だと理解してよろしいでしょうか。
 斎藤委員、追加の御発言、御質問ございますでしょうか。

○斎藤委員
 どうもありがとうございました。2機関からの御回答のほかに特にご発言はないというところで、弁護士会で散見されているような、同意を拒否する利用者の方は今のところあまりないと理解しました。ありがとうございます。
 
 プライバシーに対する意識が高くなっている時代ですので、同意を取ってもらえばもちろん安心なのですが、やはり事例を開示するときにも一定の配慮が必要だと思います。これは難しい問題で、できるだけ具体的に書けば、利用しようとする人にとってはとても参考になるのですけれども、場合によっては、こんなに生々しい情報が出ちゃうのかと。自分が利用すると、特にさっきのお話のように、病名とかそういうのが出ちゃうのかと思うと、逆に利用を躊躇してしまうということもあり得るかなということもあるので、事例の概要の開示でどこまで書くかというのは、なかなか難しいのですけれども、注意しながら工夫してやっていただければと思います。ありがとうございました。

○神作座長
 貴重な御指摘、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、大出委員、御発言ください。

○大出委員
 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。私からは2点ございます。

 1点目は、利用者目線の公表というところですけれども、先ほど銀行協会からは、有識者の方から指摘があって、それに対するというようなお話があったと思うのですけれども、他のところでも、検討の余地があるように思われるというところの回答がありまして、今後検討するに当たって、外部の方の意見とか有識者の方の意見とかを聞いて対応するというところがあれば教えていただきたいと思いました。

 それから、もう一点ですけれども、ここは意見ですけれども、トラブル事例の中に高齢者募集のルールをきちんとされている銀行協会と保険協会のところではあると思うのですけれども、そのルールがきちんと履行されなかったがためにトラブルになったというような報告もありました。ただ、他のところでは、高齢者対応のルールというものがきちんとマニュアル化されているのかどうかというのがちょっと分からなかったです。
 それから、参考資料の保険のところですけれども、所属代理店では独自の高齢者ルールが作成されていなかったというふうになっているのですけれども、やはり高齢者への対応というのは、統一的にきちんとマニュアルとかルールを統一していただければ、説明の理解やその後のトラブルを未然に防止するということが可能かと思いますので、検討していただければと思いました。

 以上です。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。1つ御質問をいただいたと思います。外部者、有識者の意見等を参考にしているという機関がありましたら、御発言、あるいは御説明いただければと存じますが、いかがでしょうか。
 御説明の中で触れていただいた以外のところは、特にそのようなことはしていないという理解でよろしゅうございますでしょうか。
 大出委員、何か御発言ございますか。

○大出委員 
 ありがとうございます。外部の意見も重要だと思うので、ぜひいろいろ参考にしていただけたらなと思いました。
 以上です。ありがとうございます。

○神作座長 
 貴重な御意見、ありがとうございました。
 続きまして、田中委員、御発言ください。

○田中委員 
 ありがとうございます。メディエーターズの田中です。詳細かつ具体的なデータを教えていただきまして、ありがとうございました。私も、質問というより全体を拝見した上での意見を2点述べさせていただきます。

 1点目は、いみじくも大出委員と全く同じ視点で、第三者の視点が公表されるデータにどこまで反映されているかです。今回幾つかの機関を除いて見えなかったというところが私の正直な感想でした。今回公表されていないところでも、各種委員で第三者を交えて検討されているところがあるように私は理解しております。自戒の念も込めてですが、どうしても組織内のみで見ていると視点がずれてしまうというところがありますので、こういった公表される資料にも組織外の視点が入っている事が可視化されると利用者にとっても分かりやすく利用されやすいものだと思います。第三者的な専門家の意見という存在にも具体的な事例やケースを見ていただいて、その意見なども併せて、各社あるいは利用者双方にお伝えいただければと思います。

 2点目は、着眼点の2及び4です。情報公開の方法に関して、以前からこの協議会においても、高齢者にはホームページの記載をもって提供するということは難しいのではないかというところが繰り返し懸念としてお話しされていると思います。今回の設問の意図もそういった背景を、今までの議論の背景を含めてこういった設問がされていたのではないのかなと思います。残念ながら皆様、ホームページの工夫ですとか、検索ワードが引っかかるということはとても大事なのですけれども、そういったホームページ以外の取組、特に高齢者への部分というのがあまり見えてこなかったというのが正直なところかなと思っています。
 各機関、工夫をされてレポートなどいろいろ作っていらっしゃるので、例えば高齢者が訪れやすい公共施設とか店頭ですとか、あるいは公共交通機関も含めて、皆さんがせっかく作ってくださっているリーフレットやレポートですとか、紛争解決機関の対応についてというところの冊子を、簡単な小さなもので構わないので提供いただければ、高齢者自身がもしそれを目に留めなくても、例えば家族が目に留めたときに、家に帰ったときにそれを親に渡すですとか、そういった工夫というのが取り得るものだと思います。できるだけ多くの目に触れるところに、小さなもので、簡単なもので結構ですので、そういったものを御提供いただければと思います。

 意見になりますが、2点述べさせていただきました。ありがとうございます。

○神作座長 
 貴重な御意見、ありがとうございました。
 続きまして、山田委員、御発言ください。

○山田委員 
 ありがとうございます。私からは1点意見と1点御質問です。

 まず、1点目ですが、今、田中委員が言われたこと、及び最初の森下委員のご発言に関連しております。田中委員が言われたとおり、リアルにも情報提供をすることは非常に重要と思いますが、私としては、ホームページについてもなお工夫の余地があるのではないかと思っております。といいますのも、例えばFAQや具体の事例がどのように扱われたかといった情報は、紛争解決フローの中でも一番最初のフェーズにおいて、情報の検索や自分のトラブルが法的に意味があるのかを調べる際に知りたいことであり、相談やADR利用はその後に位置づけられると思われます。一般の消費者は、この最初の一歩の段階ではADRの概念やそのサイトを知らないのが通常で、そうすると、ホームページに載せているだけではアクセスしにくいわけで、もう少しアクセスしやすく、ワンクリックで検索できることが非常に重要なのではないかと思います。
 そこで、1つは、森下委員が言われたように、検索エンジンで直接事例の検索ができるようにすることもとても有用と思います。また、例えば全銀協さんがお書きのように、取引が生ずる場所で情報提供すること、すなわち、現在はオンライン取引も多いと思いますので、オンライン取引をする個別の金融機関のホームページから直接アクセスできるリンクを張っていただくことはぜひ検討いただければと思います。
 さらに、これはなかなか難しいこととは承知しておりますけれども、複数の金融商品を有する顧客のためには、金融ADRの横断的なサイトあるいはデータベースがあって、そこに金融商品を対象とするADR機関の紹介を含めて一覧化され、最初のフェーズで必要な情報は一括して検索ができる、そういうポータルサイトがあると非常に便利なのではないかと思われます。特に最後のものは維持・管理を含めて難しい問題があるとは思いますけれども、意見として申し述べたいと存じます。

 それから、第2点目ですが、本日は金融ADRから個社等への、あるいは一般消費者への情報の流れが御紹介されたわけですけれども、そもそも情報発信の源となる、苦情や相談がスムーズに金融ADRに持ち込まれているのか,その流れが適切で滞りがないかの確認も重要だと思います。現在は、一つのルートはそれぞれの機関で苦情等として受け入れられたもの、他のルートとしては例えば消費生活センターですとか、国民生活センターが相談を受けてそれがリファーされてくるものがあると思います。特に後者では、相談機関が受けた情報がそのまま横滑りで情報共有をされ、各金融ADRのほうに移ってくるというような連携の御工夫があるでしょうか。
 例えば紛争カルテのようなフォーマットがあって、横滑りになっていけば相談者の二度手間もなく非常に便利だと思いますけれども、他方で、そのような横滑りのための相談者の個別の同意をどう取るのかといったような問題もあろうかと思いますので、そのような消セン等の相談と個別の金融ADRを結ぶ連携の御工夫がありましたら、教えていただければと存じます。よろしくお願いいたします。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。2点目は、御質問も含まれていたかと思いますけれども、連携の工夫について、どなたか御発言、御意見、御教示をいただけますでしょうか。

○小林委員 
 全銀協の小林でございます。

○神作座長 
 小林委員、お願いいたします。

○小林委員 
 ありがとうございます。山田委員から今、最後に御質問があった連携の部分でございますが、私どもは日常、相談業務で受電をしていると、消費生活センターさんから、今、消費者さんが目の前にいてこんな御相談を受けているのだけれども、金融上の相談で、多分、全銀協さんで受けていただけるのではないかと思う、みたいな形でリアルにつないでいただいているというものが少なくございません。なので、センターさんで、これは金融だ、しかも銀行だというふうに受け止めて私ども全銀協というパターンが今のところ、全部の消費生活センターさんではないかとは思うのですが、特に意見交換だとか情報交換だとかを定期的にやらせていただいているセンターの相談員さんで、全銀協というのを頭の片隅で覚えていただいているような方については、入り口段階で私どもを紹介していただいて、私どものほうで受けさせていただくという仕組みではないかなと思います。

 以上であります。

○神作座長 
 どうもありがとうございます。ほかに連携の工夫とか、実務について御教示いただける方、いらっしゃいますでしょうか。
 よろしいでしょうか。山田委員、追加の御発言、御質問ございますか。

○山田委員 
 どうもありがとうございます。様々な機関間で連携が発展していくというのは非常に重要なことでして、金融機関に直接行く相談者と消センさんに行く方々というのは、少し情報や相談の質が違っている可能性もございます。今、全銀協さんから御示唆があったような方法もあろうかと思いますし、消センさんのほうでいったん相談を受けて、それを相談者の二度手間にならないよう移行していけるという仕組みがあると相談者にとって便利ではないかと思いますので、今後、さらに御工夫をいただけますと大変ありがたいなと思います。

 以上です。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、坂委員、御発言ください。

○坂委員 
 坂です。よろしくお願いします。苦情・紛争の未然防止ということですけれども、苦情等を契機にサービス向上を適切に図っていくという視点が重要と思います。御報告をお聞きしまして、非常に様々な工夫を各機関で進めていただいているという感想を持ちました。

 私のほうからは、意見として3点と、それから質問を2点お願いしたいと思います。意見の1点目ですけれども、利用者との関係では、情報が社会的に共有されるとともに、利用者の利用や契約の際の留意、あるいは注意喚起に資すること、及び、もし問題が生じた場合に、利用者が適切に必要な情報にアクセスできるということが重要です。利用者に情報が届くためには、報道機関や消費者団体等の機関のそれぞれの働きですとか、それぞれの接点や特性を生かした情報加工、情報提供、情報拡散というところも重要と考えます。
 それから、基本的にはやはり利用者の意識や認識のレベルが上がることによって、事業者のサービス内容の底上げに資することができる状況をつくっていくことが大事かと思います。

 2点目ですけれども、サービスの中にはいろんな質のものがありますし、またこれから新しいサービスを展開するような業態もあろうかと思いますが、例えば少額短期保険協会さんのほうでは新しい取組が比較的多く取り組まれているのではないかと思います。こうしたところで、苦情・紛争への適切な対応はもとより、苦情等を商品やサービス内容の向上に生かしていくということがより重要ということになっていくと考えられます。
 御報告の中では、ADRのほうで紛争の原因分析をするということですとか、あるいは38ページからの事例を拝見させていただきましても、重要な役割を担っておられるのではないかという感想を持ちました。

 3点目ですけれども、これは若干要望も含めてなんですが、金融ADRの議論としては、苦情・相談等の情報や紛争解決情報の活用等について、この間かなりの蓄積や議論がされてきていますが、例えば海外の金融事業者においてこういった取組がどういうふうに行われているのか、あるいは国内の金融以外の業態でどういった取組が行われているのか等についても、ぜひどこかで情報共有できる機会があればよいと思います。

 それから、2点質問ですけれども、1点目は、御報告の中で、経営層への働きかけを行っているとの御報告ですとか、あるいは苦情・相談が増えている事業者等については、個別に意見交換の機会を持っているというふうな御報告がございました。こういった取組をされているところで、具体的な事例や、どんな効果が出ているのかということについて、もし御紹介いただけることがあれば、お願いいたします。

 2点目ですけれども、全銀協さんの6ページのところで、利用者本位のフィードバックということが言われております。この中で、「販売体制等の改善の取組を全加入銀行に還元する」という項の中で、「他の銀行の好事例をうまく活用し」ということで、好事例の情報提供ということが言われております。好事例の情報提供ということも非常に重要な視点と思いますが、この点、もう少し具体的な取組を教えていただけるとありがたいと思います。

 以上です。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。2つ御質問をいただいたと思います。
 第1点、経営陣への働きかけ、あるいは紛争が多い業者との面談というのでしょうか、これを実践されている機関でその効果はどのようなものですかという御質問だったかと思います。お答えいただけますでしょうか。

○大槻委員 
 少短協会の大槻でございます。お世話になっております。御質問ありがとうございます。

○神作座長 
 大槻委員、お願いいたします。

○大槻委員 
 御意見の中でも出てまいりましたのでコメントさせていただきますと、まず、経営層への取組というのは、事例を御紹介させていただいたとおり、トップ宛ての直接の手紙、見本をつけさせていただいておりますけれども、業界全体としてはこういう動きで苦情が減ってきていますよと。片や、御社にとってはどうですよと、こういう比較になってございますので、経営層が見ていただくと、当社はどうなんだというふうに思われるであろうということで、具体的にはこれをやり続けたことで、先ほど申し上げたとおり、もともと当協会といいますか、苦情は多かったのですけれども、先ほど申し上げたとおり、苦情ゼロが約9割ぐらいになったと。一時、苦情が年間で百数十件あったものが、今50件程度まで下がってきているという意味では、経営トップ層の意識と、それに伴って具体的な窓口担当者の意識が変わってきたかなと思います。
 そして、一方で、担当者の意識という意味では、これもまた具体事例に書かせていただきましたスマホの修理の件ですけれども、この業者、実は非常にこういうトラブルが多かったので、当協会の2人のベテランの相談員が直接責任者のところに行って、問題点を洗い出して、対応の実態を聞いて、こうすべきであるというような話をしたことによって、先ほど申し上げたとおり、今、ほとんど苦情がなくなっているという状態になりました。それには現場での説明の仕方であったり、あるいはお客様に対しての通知を行うようになったとか、こういった努力が実ってきているということだと思いますので、こんなトップ層、それから具体的な実務レベルでの取組が功を奏しているのかなというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○神作座長 
 御説明、どうもありがとうございました。
 坂委員、今の点につきまして御発言、さらなる御質問ございますか。

○坂委員 
 ありがとうございました。ぜひほかの機関でも何かございましたら、お聞きかせいただけるとありがたいかなと思うのですけれども。

○神作座長 
 ほかの機関で同様の取組をされているところは、ございますでしょうか。御紹介いただければと思います。

○高橋委員 
 すみません、生命保険協会ですけれども、よろしいでしょうか。

○神作座長 
 御発言ください。お願いいたします。

○高橋委員 
 ありがとうございます。報告の中でも触れさせていただいたのですが、私どもでは四半期ごとに、ボイス・リポートという形で、私どもが受け付けた苦情の情報を各社に還元しております。その中で、業界全体の数字と当該会社の数字、これを比較できるような形で当該会社の代表者宛てに還元するというものでございまして、こういう取組を行うことによりまして、苦情に対する、あるいはお客様の声というものに対する意識が非常に高まっているというのは一つあるかと思ってございます。
 さらに、私どもの業界では、ほかの業界も同じかと思いますけれども、お客様の声を経営に反映させるという意識を今非常に高めているところかと思いますので、大きな意味では、その一助になっているのではなかろうかと考えてございます。
 効果というのはなかなか測りにくいというのが現状かと思いますが、一つの尺度といいますか、基準として、各社が受け付けている苦情の件数、これを見ますと、年々減少傾向にあるというのは事実かと思います。これは苦情情報を還元しているからということもあるかもしれませんが、むしろそれよりも、各社の中でお客様の声を非常に大事にするという経営の方針が浸透しているということも考えられるかと思ってございます。

 お答えになっていないかもしれませんが、以上でございます。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。
 他の機関におかれまして追加あるいは補足の御発言はございますか。
 よろしいでしょうか。それでは、坂先生からいただいた2つ目の御質問は、全銀協に向けられたものだったかと思います。小林委員、お答えお願いできますでしょうか。

○小林委員 
 かしこまりました。御質問ありがとうございます。

 これは何点かあって、直近で去年の11月、私どもの中で銀行向けの説明をしたときのもので幾つか御紹介させていただきますと、例えば適合性の原則について、お客様の金融資産をヒアリングするときに、可能な限り具体的な金額とか内容を確認した上で、リスク商品の比率などについてお客様に注意喚起を行って、さらにそれを記録に残す。言ってみたら基本動作ですけれども、この基本動作を改めて徹底するような事例でありますとか、あとは説明義務の事例といたしまして、特に税務関係の事例を基にした改善内容でございましたので、銀行員に求められる税務相談対応のあり方とか考え方について、改めて行内で周知徹底をしたといったものであります。
 今申し上げた説明義務、あるいは適合性原則というのは、特にリスク性商品を販売する上で、私ども紛争解決手続の中でのチェックポイントとして大きな2つであります。最近、もう一つございますのが、事案としては高齢者の事案でございまして、先ほどほかの団体さんでも御説明があったと思いますけれども、例えば高齢者に販売するときに、行内でルールを作っているものについて、家族の同席をいただきますだとか、面談記録を詳細化するといったもの、あとアフターフォローの頻度を見直すといったもの、あとは家族といっても、配偶者様と御本人様だと、両方とも高齢者になってしまいますので、子供世代の同席をお願いするといった改善内容というのが、これは実際にある紛争の事案から抽出された指摘事項を基にした改善内容になります。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。坂委員、いかがでしょうか。

○坂委員 
 ありがとうございました。

○神作座長 
 よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、渡邊委員、御発言ください。お待たせしました。

○渡邊委員 
 よろしくお願いいたします。御報告等、ありがとうございました。私ども、消費者と接する機会が多いものですから、様々な情報提供をする際、活字をしっかり読むというようなことが苦手な方が多くて、特に金融関係の相談ですと、どうしても難しいことがたくさん入ってきてしまうと、Q&A等を作って情報提供をしようとしても、読み切っていただけないみたいなことがあるわけです。そういうところに対して、イラストを入れるとか、あるいは媒体を、動画サイトを使うとか、いろんなところを、消費者の意見等を聞いていただいて、さらなる工夫をしていただけると反応が全く違うと実感しております。御検討いただければと思います。

 それから、御報告の中に、実際のADRの利用者の方に対してのアンケートを取っているという機関が複数あったと思いますけれども、その目的はいろいろあると思いますが、実際に利用した消費者の方の声というのをきちんと受け止めるということは、今後の機関の運営とかADRの在り方に対して非常に参考になると思いますし、利用者としても、不満があってというところもあるでしょうけれども、いろいろ情報提供してもらえることで今後に生かせるということは有効だと思います。

 それと、ADRとそれから消費生活センターとの連携、つながりといったところですけれど、非常に難しくて、私どもとしては、できるだけ早く消費者のためによりよい解決ができればと思っております。時間をかけないために、早くADR等にお回しして、少し専門的な立場からの解決を図っていただくほうがいい場合と、そこにつないでいけない方、家族のいない高齢者等に対しては、ADRのいろんな解決の事例や情報を非常に参考にしております。それを基に、できるだけセンターの窓口で消費者の方に早く安心していただける対応を目指しております。

 解決の内容については、それぞれの機関で非常に工夫していただいて分かりやすく書いていただいていると思いますが、論点をより明確に分かるようにしていただけると、金融商品は難しいので、そこをきちんと捉えながら、聞き取りも正確にしながら解決に結びつけられるかと思います。よろしくお願いいたします。

○神作座長 
 貴重な御意見、ありがとうございました。
 それでは、沖野委員、お願いいたします。

○沖野委員 
 ありがとうございます。各機関におかれまして非常に工夫をされているということがよく分かりました。詳細な御説明をありがとうございます。重複するところがありますけれども、大きく2点を申し上げたいと思います。

 1つは、今回、とりわけインターネット経由、あるいはホームページでの情報発信というのに大変力を注いでおられるということが分かりました。ホームページの在り方自体も適宜見直していくということであり、これからどんどんその形の情報発信というのは進化していくと思うのですけれども、他方で、既に御指摘のあったところですけれど、取り残される層というのがどうしても出てくる可能性があります。高齢者というのはしばしば言われますけれども、これからさらに時代が進んでいくと、リテラシーのある人たちが高齢になっていくので、高齢者の中でもより少数の人になっていくということがあります。ただ、そういう層がやっぱりあるということは十分に意識する必要があると思います。
 高齢者だけではなくて、恐らくほかの場面で言われるのは、例えば外国の方で日本語の問題だとか、うまくサポートをしてもらえる人がいないとか、そういった層も含めてどうするのかということはやはり考えておく必要があるし、とりわけホームページの充実は、例外の方法での情報提供の比重を小さくしていく可能性もあるので、それ以外のことにも注意をすべきだろうというのは、重複しますが感じたところです。

 2つ目は、各機関で情報を集積されて、その分析についても工夫をなさっている。さらに、そのプレゼンテーションの仕方についても既に様々御指摘があったところだと思いますけれども、さらに検討しつつあるということかと思います。情報はただ持っていてもしようがないわけなので、どこかに届けるということが必要だと思うのですけれども、今回伺っておりまして、2種のお話があるのかなと思いました。

 1つは、言わば情報の宝庫になっている各機関において、欲しい情報を取れるようにするという必要があって、例えば利用者のほうでも、あるいは金融機関のほうでも、こういうデータが欲しいというときに、そのデータを取り出せるようにするにはどうしたらいいのかです。ホームページの中でのアクセスの仕方もそうですし、ホームページへのアクセスの仕方もそうですし、そういうような話が一方ではあるのではないかと思いました。ホームページ以外の方法もそうだと思います。

 他方で、例えば取引をするときにはこういうことの注意が必要ですよというのは、実際の経験から非常に貴重な情報の収集となっており、提言がされていても、それをこれから取引しようとする人が、ADRのことを考えて、そこに行けばデータがあるはずというふうに思うかというとそうではないように思います。その辺りを認識していないから逆にトラブルが発生してくるということで、そういう情報を取りたいと言って積極的に取りに行くというよりも、むしろ意識はしていないかもしれないけど、ここを届けたいという、そういう情報ではないかと思います。そうすると、2種がありますので、いずれの情報であって、それを実現するためにはどこに置くのが一番いいのかということを考えるべきではないかと思いました。

 そして実は、一番の入り口は各金融機関ではないのかなと。これから取引をするに当たっては、こういうことがデータとしてありますからぜひ見てくださいとか、あるいは何か紛争があったときにも、まずは取引相手のところに行くでしょうから、そこからの情報提供がつなげられるようにするというのは大事ではないのかなと思ったところです。この話は金融機関側もそうで、経営者層に訴えるというのは、やっぱり届けたい情報が適切に届くようにするにはどうしたらいいのかという視点が入ってきているのかなと思いました。

 すみません、長くなりました。以上です。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。
 時間を既に超過しておりますけれども、指定8機関以外の皆様で、もし参考となる取組などがございましたら、簡潔に御紹介いただければ大変幸いです。また、国民生活センターにおかれましては、いろいろな情報発信を行っておられると思いますけれども、本日の議論に関連して、もしコメントをいただけましたら幸いでございます。指定8機関以外の機関、あるいは国民生活センターの猪又様等から御発言いただくことはできますでしょうか。

○猪又委員 
 国民生活センターのADR事務局の猪又と申します。発言してもよろしいでしょうか。

○神作座長 
 猪又さん、どうか御発言ください。

○猪又委員 
 国民生活センターとしては、相談の窓口で、最近こういったトラブルの相談が多いですよという注意喚起の情報というのは結構出しております。これは頻繁に出しておりますし、新聞やテレビなどでも取り上げられるような形が取られています。
 そして、国民生活センターADRの仕組みとしては、皆さん金融のADRの方々とはちょっと違いまして、国民生活センター法という法律に基づいて、いわゆる根拠法規に基づいて事案の概要の公表ができるという仕組みになっているので、その中で、解決した概要までできるだけ具体的に情報提供しようとしております。確かに今回の議論の中で、少しデメリット・メリット両面あるとは思うのですけれども、私どものほうとしては、消費者の人たちにそういったことが情報として、「こんなふうな解決につながったんだ」というようなことを具体的にイメージできるようなことで、相談してみようとか、そういったようなきっかけになることも期待しています。

 また、もう一つ、アドバイスになるかどうか分からないですけれども、いわゆる結果事例ですね、ADRの結果事例の公表については、事例別というか、カテゴライズしたような形で分類しているので、自分の目的のトラブル、自分が遭っているトラブルの事例はこの辺かなというのが見つけやすいような形でホームページ上では掲載しているという形を取っております。

 あまりご参考にはならなかったかもしれないですけれども、以上です。

○神作座長 
 貴重な御発言と御教示、どうもありがとうございました。

 大変申し訳ありません、時間が大分過ぎてしまっております。時間の都合上、議事次第の第4及び第5の説明は省略させていただければと存じますけれども、議事次第の第4につきましては資料4-1及び4-2を、また第5の議題につきましては、資料5を適宜、御参照いただければ幸いです。

 最後に、時間が押しているところ恐縮ですけれども、私から一言、今日はあまり議論になりませんでしたけれども、今後非常に重要になるのではないかと思っていることを1点だけコメントさせてください。
 重要情報シートのことでございます。重要情報シートの利用が始まっていると思いますけれども、この重要情報シートは、紛争の未然防止という観点からも大変重要であると思います。重要情報シートには、ターゲットとする顧客層というのが念頭に置かれて、それに合った顧客層に向けて金融商品を販売していくことが想定されています。実際にトラブルが生じたときに、果たしてそもそもターゲットとしている顧客層に合っているのかどうかというチェックですとか、あるいはターゲットとしている顧客層に合っているのだけれども、非常に紛争とか苦情が多いというような場合には、そのような情報を販売業者、さらには組成業者にフィードバックしてターゲット層を見直すといった大きなサイクルと申しますか、フィードバックがなされることが重要情報シートには期待されているのではないかと思います。まだ利用は始まったばかりでございますけれども、将来的にはこういった、特に重要情報シートが利用されているような金融商品、金融サービスについては、ADR機関の皆様におかれましても、ぜひ重要情報シートを有効に活用していただければと感じています。
 最後に、時間をお取りいたしましたけれども、感想を述べさせていただきました。

 それでは、本日の協議会はこの辺りで終わりとしたいと存じます。
 なお、次回、第62回の協議会につきましては、追って事務局から御連絡をしていただきます。
 皆様、大変お忙しい中、また時間を超過いたしまして、大変申し訳ありませんでした。どうもありがとうございました。

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