第30回金融トラブル連絡調整協議会議事要旨

1.日時:

平成17年10月27日(木) 14時00分~16時00分

2.場所:

中央合同庁舎第4号館 金融庁特別会議室

3.議題:

金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況等について など

4.議事内容

金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況等について

  • 金融庁総務企画局政策課金融利用者サービス相談室安藤室長より資料1に基づき説明が行われた。

    • 高橋委員 4点伺います。1点目は、相談の分類の「類型」、「方法」、「分野」のうち、「分野」に含まれる「預金融資等」の細目を見ると、「その他為替」の分類が非常に多いので内容を教えてください。2点目は、同じく分野の「保険商品」について、「変額保険」と「外貨建保険」は銀行窓販等も行われていますが、これらの販売先と製造先のいずれで分類をしているのか教えてください。3点目は、情報提供について、利用者自身のもの、内部告発的なもの、誹謗中傷など、内容による分類を行った統計を取っているのか教えてください。4点目に、相談室への相談経緯について個社に相談したが解決しなかったもの、直接相談してきたもの、業界団体等へ相談をしたが解決しなかったものなどに区分して統計を取っているか教えてください。

    • 安藤委員 1点目は、為替が多いのではなく、預金業務と融資業務を除いたところを全てその他として分類しております。2点目は、変額年金については、販売先で分類しております。3点目、4点目につきましては、そのような集計はしておりません。

    • 島野委員 利用者相談室の2ヵ月半の状況をどのように自己評価なさっているのでしょうか。また、相談等の内容についてはどのように活用されているのでしょうか。

    • 安藤委員 相談等の内容については千差万別でございますが、相談等の件数は想定していたより多いのかなと考えております。社会問題化しているものについては、相談、意見、情報提供等が私共に寄せられているところは事実であります。次に相談等をどのように活用できたかについてですが、(6)、(7)、(8)に記載しておりますが、例えば、貸し渋り貸し剥がしについては、監督における金融機関の対応方針であるとか、検査における苦情処理態勢の検証などに活用しています。1つのものが即何かに繋がるというよりは、いろいろなご意見・ご相談等が積み重なって活用されていきます。

    • 土田委員代理 アドバイスについては、各センターで相談した際のアドバイス以上でも以下でもないという感想を持ちました。消費者にとって各業界団体に対し金融庁からこのようなアドバイスをもらったという言い方が出来れば、効果があるかと思います。金融庁から紹介されたり、移送された相談についてその有無と対処を具体的に各業界団体の方からお聞きしたいと思います。

    • 蓮沢委員 私共のところにもどんな所に相談したらよいのかという相談がありますが、業界団体等に相談した後に藁をも掴む思いで相談してきた方に対して、利用者相談室がどのような機能を果たせるのかと感じています。

    • 高橋委員 利用者相談室は、個別のトラブルには入らずに他機関の紹介を行うということですが、金融トラブル連絡調整協議会(以下、「当協議会」)の移送ルールと違い紹介するだけなのか、それとも移送をしてその後どうなったかまで把握しているのか、また紹介した先での対応に満足せず、再度金融庁に相談するケースも考えられるが、そのような事例が分かるようになっているのかを教えていただきたい。

    • 安藤委員 利用者相談室は個別の紛争案件については斡旋・仲介・調停は行わず、当該取引に係る業界団体を紹介するという形で対応しています。これは金融行政当局は個別金融取引に介入しない、それらは民法や商法に基づく私法上の契約であり、一義的に当事者間、裁判外紛争処理機関、あるいは司法当局で解決すべきものだからです。また、当庁に与えられている監督権限は、信用秩序の維持や預金者全体の保護等を図るための必要最小限のものであるとの考え方からです。

      委員がご質問された、各相談機関を訪ねた後に当相談室にいらした相談者や、当相談室が紹介した相談機関の対応に満足せず、再度当相談室を訪ねられた相談者に関する統計は取っておりません。

      当相談室の相談員は、利用者に対して、一般論としての知識の提供、問題点の論点整理、自主規制機関の連絡先及びその機能の紹介などを行っています。それに基づき相談者ご自身が、どこへ相談に行くのかをご判断されるかと思いますので、私共から各機関へ報告を求めることなどもいたしておりません。

    • 原委員 2点質問いたします。1点目は、当協議会においては紛争解決のモデルに則った移送ルールを定めております。各業界団体も金融庁も同じ立場で参画しているので他の自主規制機関を紹介した場合にはその結果について把握するべきであるし、紹介を受けた各業界団体も金融庁に報告をするべきであると考えます。また、各業界団体におかれては、この点をどのように対応されているかについて、お聞かせ願いたいと思います。2点目は、先程の説明で意見交換の場を設けたいという発言が相談室長からありましたが、それは当協議会を考えているのでしょうか。もう少し分析した結果を求めたいと思いますので、深めた検討をする場を設けていただきたいと思います。

    • 安藤委員 いろいろなケースがございますので、今後どのようにしていくのがよいのか考えていくうえで、全体についてではなく、まずは個々の団体・機関からお話しを聞かせていただきたいと考えております。

    • 岩本委員 全国銀行協会です。私どもの相談窓口は、「銀行よろず相談所」と申しますが、現場担当者によりますと、「銀行との個別トラブルなら銀行よろず相談所へ相談するように言われた」とお客様がおっしゃることがありますので、金融庁に先に相談したと思われるものはあるようです。金融庁との間には、保険窓販に関して生命保険協会と結んでいる移送ルールのようなものはありませんので、処理結果を公式にお返しするようなことはしておりません。また、相談件数につきましては、最近の計数を見ておりましても、利用者相談室設置後、さほど変化は見られません。

    • 竹中委員 生命保険協会です。金融庁から紹介された案件については手元に数字はありませんが増えてきております。その実態を見るということで、何をもって当協会へ電話をされたのかという経路に10月から利用者相談室を加え相談者にお伺いしております。もうしばらく時間をかけ、機会があればご報告したいと思います。私共でお受けしたものにつきましては、金融庁からの紹介であれ、直接来たものであれ、同じ扱いとしています。金融庁からの紹介案件について、私共のほうから、会社を通じて、結果を報告すると言うことはしておりません。

裁判外紛争解決手続(ADR)関係法令に係る今後の見通し等について

  • 法務省大臣官房司法法制部司法法制化司法制度改革推進支援室内堀室長より資料2に基づき説明が行われた。

偽造・盗難キャッシュカード問題について

  • 全国銀行協会企画部大坪次長より資料3に基づき説明が行われた。

    • 石戸谷委員 2点ございます。1点目は「偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律」の附則の2条で法律施行以前の問題については最大限の配慮というのが盛込まれていますが、どのような具体的対応を考えておられるのか。2点目は衆参両委員会の附帯決議において通帳印鑑を用いた窓口での不正な払戻しについて速やかに防止策と預貯金者保護の在り方を検討し、必要な措置を講ずるとありますが、どのような対応を考えておられるのかをお伺いします。

    • 大坪次長 全国銀行協会としては、施行前の被害についても、金融機関がお客様の話しを聞いて最大限の配慮を行うことがお客様への保護が一番伸びていく1つの考え方であると思っております。一律にどれくらいの期間遡って対応するという決め方は行わないとしております。2点目の質問についてですが、偽造印鑑を用いた払出しというケースがございましたので、全国銀行協会においては、平成15年秋以降、通帳に印影を貼り付けた副印鑑制度というものを廃止して、通帳から印影を剥がすように推進しております。この防止策もありましてか、全体としては通帳による窓口での不正な払出しの件数は減ってきていると考えておりますが、なお、お客様への周知に努めていきたいと考えております。

投資サービス法(仮称)の検討状況について

  • 金融庁総務企画局市場課投資サービス法令準備室松尾室長より資料4に基づき説明が行われた。

    • 石戸谷委員 自主規制機関を作って行うことには賛成です。当協議会は、苦情解決、紛争斡旋等の運用の改善を行ってきましたが、利用者が自主規制機関を実際に使ってみると、法律に根拠があるところと業界団体で行っているところでは、かなり落差がある。当協議会で2000年にモデル案を作ったが、なかなかそれに沿って変わってこない。

      横断的な自主規制機関を作る場合、斡旋・紛争解決手続きがないような部分が出てこないように作ることが重要であり、投資サービス法に根拠があるような形にしていただきたい。その場合、せっかく横断的にするのであるから漏れがないように、自主規制機関で斡旋・紛争解決手続きがないような部分が出てこないように作らなければいけない。仮に自主規制機関の間に空白が生じた場合であっても、直接投資サービス法に根拠を求められるような形で設置していくことが重要であると考えています。そうしない場合には利用者相談室の機能を法律上で明確に位置づけることによって、自主規制機関がない分野でも斡旋・紛争解決段階まで行えないという事態は、回避することが出来るのではないかと考えています。

    • 原委員 自主規制機関について、現在、紛争の解決と事業の振興策を両方やっているが、これらの業務を切離し、苦情・紛争解決については、当協議会に所属している業界団体については横断的・包括的な統一された自主規制機関を作るべきであり、自主規制機関がないところについては、そのようなところで集まって、新たに紛争処理機関を作ればどうか、という金融庁の提案が先の金融審議会で行われましたが、その方向で検討していただきたい。まったくの民間のADRとなると金融と医療分野については専門性が高いことに加え、無体物を扱うこととなる難しい分野であるので、実現性が乏しいと考えています。この点については、再度検討していただきたい。

    • 高橋委員 重ねての発言になりますが、原委員とともに当協議会が生れる前から金融審議会に参加していた者としては、原委員の発言されたことは、まさに99年に話し合われていたことで、統一的・横断的な紛争処理機関が必要であるというところまでは意見の一致がみられています。行政の関与するかについては、意見が分かれたところです。それはさておき、法的根拠を持つ自主規制団体になるのであれば、少なくとも紛争処理機能に関しては、それぞれが持つということは不合理でコストもかかるので、まとまって行う方が合理的であるという意見もいくつかの業界団体から伺っています。当協議会は、金融審議会の方にも意見を運んでいけるような形で検討すべきと考えます。

参加団体等における裁判外紛争処理に係る取組について

  • 資料5に基づき、全国銀行協会、生命保険業協会及び金融庁より報告が行われた。

問い合わせ先

総務企画局企画課
電話03-3506-6000(内線3517)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正がありえます。

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