第147回自動車損害賠償責任保険審議会議事録


1.日時:令和6年1月15日(月曜)10時00分~12時00分

2.場所:中央合同庁舎第7号館 13階 共用第1特別会議室 ※オンライン併用

【藤田会長】
 それでは、時間が参りましたので、ただいまより第147回自動車損害賠償責任保険審議会を開催いたします。
 本日は御多忙のところ御参集いただきまして、改めて御礼申し上げます。
 昨年度までの数年間は新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインのみの開催とさせていただきましたが、今年度はオンライン併用の対面会議とさせていただきます。会議の模様はウェブ上でライブ中継させていただいております。
 議事録は通常どおり作成の上、金融庁ホームページで後日公開させていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。
 まず、今回より本審議会に参加されることになりました委員について御紹介申し上げたいと思います。
 まず、波多江委員でいらっしゃいます。前回まで特別委員として参加されておられましたが、今回より委員として参加いただくことになりました。

【波多江委員】
 明治学院大学の波多江と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【藤田会長】
 よろしくお願いいたします。続きまして、荒川委員でいらっしゃいます。

【荒川委員】
 日本損害保険協会、荒川でございます。よろしくお願いいたします。

【藤田会長】
 どうもありがとうございます。
 なお、金子委員におきましては、所用のため、本日御欠席となります。代理として、全日本自動車産業労働組合総連合会副事務局長の佐藤様にお越しいただいています。

【金子委員代理(佐藤)】
 佐藤です。よろしくお願いいたします。

【藤田会長】
 ここで、カメラ撮りの方は御退室いただきますようお願いいたします。

(プレス退室)

【藤田会長】
 続きまして、事務局からは、金融庁、尾﨑審議官及び三浦保険課長が出席しておられます。
 尾﨑審議官、よろしければ、一言、御挨拶をお願いいたします。

【尾﨑審議官】
 金融庁の尾﨑でございます。本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 皆様には既に御案内のとおりでございますけれども、自賠責保険は自動車ユーザーの加入が義務づけられている公共性の高い強制保険でございます。したがいまして、自賠責保険の基準料率の水準や運用益の使途につきましては透明性を確保した議論が必要であって、本審議会はその役割を果たすものであると認識しております。
 本年度の自賠審におきましては、昨年7月に施行されました改正道路交通法によって新たなモビリティとして位置づけられた特定小型原動機付自転車の自賠責保険における料率区分や保険料算出につきまして御審議いただくこととなっております。車種区分の新設は直近では例がなく、昭和の時代まで遡るものと認識しております。
いずれにしましても、自賠責保険の基準料率につきましては、強制保険であることに鑑み、ノーロス・ノープロフィットであることが求められております。委員の皆様方には既に御承知のところであると御存じ上げておりますけれども、こうした観点から基準料率の水準に関して御審議いただきたいと考えております。
 本日はどうぞよろしくお願いいたします。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 さて、本日の議題としては、自賠責保険料率の検証結果に関する報告、特定小型原動機付自転車の区分新設及び基準料率算出方法についての報告、来年度の運用益の使途等についての報告がございます。
 それでは、自賠責保険料率の検証結果につきまして、まず、実際に料率検証の作業を行った損害保険料率算出機構の川口特別委員に概要を御説明いただき、その後、事務局から補足していただきたいと思います。
 それでは、川口特別委員、よろしくお願いいたします。

【川口委員】
 損害保険料率算出機構の川口でございます。よろしくお願いいたします。それでは、令和5年度の検証結果につきまして、お手元の資料1に基づいて御説明させていただきます。
 目次がございますけれども、目次は飛ばしまして、1ページを御覧ください。自賠責保険・共済収支表でございます。ここでは、全事業者の収入純保険料、支払保険金、収支残、損害率につきまして、過年度の実績値及び2023年度と2024年度契約の見込み数字を記載しております。
 表の収入純保険料、A欄でございますけれども、こちらを御覧いただきますと、2023年度は4,357億円、2024年度は4,355億円を見込んでおります。2022年度と比べますと収入が減少しておりますが、これらは、2023年4月に純保険料率を19.2%引き下げたことの結果を反映しております。
 次に、支払保険金、B欄でございますが、2023年度は5,818億円、2024年度は5,717億円を見込んでおります。
 次に、当年度収支残、C欄でございますが、こちらは収入純保険料と支払保険金との差額でありまして、2023年度、2024年度はいずれも支払保険金が収入純保険料を上回る見込みでございます。2023年度が1,461億円の赤字、2024年度が1,363億円の赤字を見込んでおります。
 その結果、損害率は、2023年度が133.5%、2024年度が131.3%の見込みとなります。
 当年度収支につきましては、当面赤字が続く見通しとなりますが、これは、後ほど御説明する滞留資金を支払い原資として活用することで、収支均等になるように料率を設定しているためでございます。
 欄外横の(注)6に記載のとおり、2023年4月に料率を引き下げた際に想定しておりました予定損害率は133.5%でしたので、損害率はおおむね当時の想定どおりとなっております。
 以上が純保険料率の検証結果です。
 続いて、2ページを御覧ください。2ページは、警察庁の交通事故統計に基づく事故件数等をお示ししております。交通事故の動向を把握するための参考資料という位置づけでございます。まず、発生件数を御覧いただきますと、2004年をピークに、それ以降の事故件数は減少傾向にあります。死者数、負傷者数も同様です。ただし、2023年は対前年で発生件数が増加に転じております。これは、新型コロナ感染の拡大の影響がなくなってきた結果によるものと考えております。例えば、ここ数年の負傷者数の推移を御覧いただきますと、2020年が20.0%のマイナスと2桁の減少だったものが、2021年はマイナス2.0%、2022年はマイナス1.5%の減少にとどまり、2023年は2.4%の増加に転じております。2020年の負傷者数がマイナス20%も減少した理由は、2020年には新型コロナ感染の拡大に伴う外出自粛要請等があったこと等の影響を受けて、事故が一時的に大きく減少したものと考えられます。その後、2021年以降はその影響が徐々に解消され、2023年にはコロナ前の状況に戻ってきていると考えられます。
 続いて、3ページを御覧ください。料率検証における主な予測要因である収入純保険料関連、支払保険金関連について御説明いたします。
 まず、(1)の収入純保険料関連でございますが、保険契約の対象となる車両保有台数につきまして、2023年度と2024年度における台数を過年度の動向に基づいて予測しております。2023年度、2024年度はほぼ横ばいで推移するものと見込んでおります。
 次に、(2)の支払保険金関連でございますが、こちらは、①の事故率と、②の平均支払保険金の要素に分けて予測をしております。まず、①の事故率でございますが、事故率とは、保険金・共済金の支払い対象となる事故の発生頻度を指しまして、事故件数を分子、自賠責保険・共済を付保している車両の台数を分母として計算しております。2023年、2024年度につきましては、交通事故発生状況を参考にしつつ、過年度の動向に基づいて予測をしております。
 4ページで事故率の推移をグラフと表でお示ししておりますので、先に4ページを御覧いただきたいと思います。こちらにお示ししておりますのは、死亡、後遺障害、傷害別の事故率の推移でございます。グラフの実線が実績値となりますが、2019年度から2022年度までの期間は、新型コロナ感染症拡大の影響を受けまして一時的な事故減少があったと考えられることから、予測に際してはこの期間の事故率を補正しております。2023年度の事故率は、新型コロナ感染症の影響がなくなり一時的に増加しておりますが、今後は、事故防止軽減装置の普及等の効果によりまして、コロナ前と同様の基調で減少傾向が続くものと予測をしております。
 続いて、恐縮ですが、3ページに戻っていただきまして、(2)②の平均支払保険金について御説明いたします。
 平均支払保険金に影響を与える主な要因に、賃金、治療費、支払基準改定がございます。このうち賃金は、被害者が亡くなられた場合等の逸失利益の算定や、入院・通院中の休業損害の算定において使用する基礎数値となります。昨今、政府が賃金引上げを推進する方針を示しており、企業側もこれに応えて賃上げを行う動きが出てきておりますことから、2023年度、2024年度も一定の賃金上昇があるものと想定しております。具体的な数値としましては、昨年7月に内閣府が公表した中長期の経済財政に関する試算値で示されております賃金上昇率を見込んでおります。2025年度以降につきましては、現時点で利用可能な予測値がないため、据置きとしております。
 次に、治療費上昇率につきましては、1日当たりの平均的治療費の過去実績の推移に基づいて予測をしております。近年、入院・通院の日数が短くなる傾向にありまして、2023年度以降も緩やかに減少傾向が続くものと見込んでおります。
 次に、支払基準改定による上昇率でございますが、この支払基準と申しますのは、自賠責保険・共済から支払われる治療費、休業損害、慰謝料の算定方法等につきまして定められた規準です。その規準に定められた逸失利益の算定方法におきまして、損害額の現在価値を算出する式の中で法定利率を使用することとされており、法定利率は法律上3年ごとに見直されることになっておりますので、そのタイミングで支払基準も改定されて、支払金額に影響が出てくることを想定しております。2023年度と2024年度につきましては、支払基準改定は予定されておりませんので、影響がないものと見込んでおります。
 続いて、5ページを御覧ください。5ページは、支払件数と平均支払保険金につきまして契約年度別の推移をお示ししております。契約年度別と申しますのは、当該年度に保険責任が開始した自賠責保険契約・共済契約において支払い対象となる事故を集計したものです。したがって、例えば2019年度あるいは2020年度に発生した事故でありましても、2018年度契約に基づいて支払われた案件については、2018年契約年度の数値として集計をしております。この前提で御覧いただきますと、支払件数は、新型コロナ感染の拡大の影響によりまして2020年度中に発生した事故が一時的に大きく減少したことを受けまして、契約年度といたしましては、2018年度及び2019年度の契約を中心に支払件数が大きく減少しております。一方、平均支払保険金は、2020年4月に支払基準改定がございまして、新しい基準が改定以降に発生した事故に適用されたことの影響によりまして2018契約年度以降の金額が増加しております。その後、その影響は徐々に薄れてきておりまして、平均支払保険金の推移も落ち着いてきております。
 続いて、6ページを御覧ください。支払保険金総額につきまして契約年度別の推移をお示ししております。死亡、後遺障害、傷害の合計金額は、右の網かけをした列のとおりでございまして、2023年度は5,818億円、2024年度は5,717億円を見込んでおります。
 続いて、7ページを御覧ください。こちらは御参考までに、重度後遺障害につきまして障害等級別の支払件数の推移をお示ししております。重度後遺障害とは、労働能力の喪失率が100%となる後遺障害を指しております。具体的には、後遺障害等級表の別表第一に規定する介護を要する後遺障害と、別表第二の1級から3級までに該当する後遺障害の件数を集計しております。近年は件数が減少してきております。
 続いて、8ページを御覧ください。8ページは運用益の発生と積立状況でございます。自賠責保険・共済については、各事業者が保険料を収入したときから、事故が発生して実際に保険金をお支払いしたときまでの間にタイムラグが存在いたします。この間、事業者がこの資金を運用することで収益が発生することになります。自賠責保険・共済におきましてはノーロス・ノープロフィットの原則が採用されておりますので、事業者はこの運用益を運用益積立金として積み立てることによりまして、運用益が事業者の利益に帰属しない仕組みが取られております。運用益残高は、右端のK欄の積立金残高に記載のとおり、2022年度末で3,149億円となっております。
 続いて、9ページを御覧ください。表は滞留資金の推移を示しております。滞留資金と申しますのは、収入純保険料から支払保険金を差し引いた収支残の累計金額に運用益積立金残高を加えた金額を指します。毎年、A欄の収入純保険料からB欄の支払保険金を差し引いた当年度収支残が発生いたします。これはC欄に記載のとおり、赤字の年度もあれば、黒字の年度もあるというように変動いたします。累計収支残は、過去からの収支残の累計に当年度分を加えた金額でございますが、個々の事業者ごとに一般会計とは区分して管理をされております。累計収支残が赤字になった場合には、過去に積み立ててきた運用益積立金から赤字補塡が行われる仕組みとしており、こうすることで制度の安定を図っております。F欄の累計収支残の赤字補塡後の数字にG欄の運用益積立金残高を合算したものがH欄の滞留資金となります。表の一番下、2022年度におきましては残高が7,782億円となっております。この滞留資金は保険収支の均衡を図るために使用しておりまして、料率算定の中に織り込むことでこれまでの料率引下げに反映しております。具体的には、2022年度末の滞留資金7,782億円のうち、7,239億円を2023年4月の引下げ改定において活用済みであります。事故と保険金支払いは契約引受年度から数年間にわたって発生し続けますので、2023年度以降、当年度収支残は赤字が続き、これによって滞留資金も年々減少していく予定でございます。
 続いて、10ページは表の注記になりますので、飛ばして11ページを御覧ください。自賠責保険社費・共済経費の収支表は、自賠責保険・共済の運営に要した全事業者の社費・経費の収支の推移を示したものです。2020年度、2021年度は支出社費・経費が減少しておりますが、これは、コロナ禍の影響で事故が一時的に減少したこと等の影響によるものと考えられます。2022年度は単年度で31億円の赤字となりまして、過去の赤字と合わせて累計収支残は91億円の赤字となっております。
 続いて、12ページを御覧ください。12ページは、これまで御説明した内容のまとめでございます。
 まず、(1)の純保険料率水準の検証結果でございますが、2024年度契約は、収支残1,363億円の赤字、損害率が131.3%と見込まれます。2023年4月改定時に見込んでおりました予定損害率は133.5%でございましたので、これと比較すると1.6%ほど収支が改善される結果となっております。
 次に、滞留資金ですが、こちらは2022年度末時点で7,782億円となっておりますが、このうち7,239億円は、先ほど御説明のとおり、2023年4月改定で純保険料率の引下げに織り込み済みでございます。このため、滞留資金の残高は今後は年々減少していく予定でございます。
 (2)の社費水準につきましては、2022年度における収支残が31億円の赤字となっております。
 以上が本年度の検証結果の御説明です。
 続いて、13ページを御覧ください。13ページは、これまで御説明してまいりました純保険料率水準の検証の流れを全体像としてまとめたものでございます。説明は省略をさせていただきます。
 続いて、14ページを御覧ください。こちらは、2022年度における収入保険料と支出の構成割合を円グラフで表示したものでございます。下段には2021年度の実績を参考としてお示ししております。ここでリトン・ベイシスという用語を使っておりますが、こちらは、契約年度ではなく、会計年度単位での収入・支出という意味でございまして、保険金については当該年度中に支払われた額を集計しておりますので、過去に発生した事故の支払いも含まれております。なお、社費における営業費と申しますのは、主に保険・共済契約の計上や管理等に関する情報システムや事務経費等の費用及び人件費を指しております。
 私からの説明は以上でございます。

【三浦課長】
 それでは、続きまして、ただいまの資料1の12ページに沿いまして、事務局である、私、保険課長の三浦から補足説明をさせていただきます。
 ただいま川口特別委員からも御説明がありましたとおり、今年度の検証結果といたしましては、支払保険金を収入純保険料で割った値である損害率は、令和6年度に131.3%になる見込みとなっております。令和5年4月の前回の基準料率改定時には予定損害率は133.5%でございましたので、改定時の見込みとの比較で申し上げますと、乖離率は約1.6%程度となる見込みとなっております。
 当審議会で継続的に料率検証を行うようになりました昭和59年度以降の数字と比較させていただきますと、料率改定を行った年度における予定損害率と検証結果の乖離率の平均が10.7%でございます。これに照らしますと、今般の検証結果は、料率改定を行った年度の乖離率に比べると比較的小幅であると考えております。
 運用益積立金残高等を考慮した滞留資金につきましては、令和4年度末の残高は7,782億円で増加しておりますが、前回改定の純保険料率の引下げに5年間で7,239億円が活用されることとなっております。
 乖離率が比較的小幅であることに加え、中長期的な料率の安定性や改定に要するコスト等も踏まえ、令和6年4月以降の基準料率改定の必要性につき、委員の皆様に御議論をお願いしたいと考えております。
 事務局からは以上でございます。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの料率検証結果の報告と補足説明に関しまして、御質問、御意見はございますでしょうか。
 それでは、細川委員、お願いいたします。

【細川(秀)委員】
 日本医師会常任理事の細川でございます。御丁寧な結果等、ありがとうございました。毎回なんですけど、ここで、この今の資料1とはちょっと違う部分かもしれませんけども、日本医師会としての御意見を少し発言させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

【藤田会長】
 よろしくお願いします。

【細川(秀)委員】
 昨年に引き続きまして、日本医師会として引き続き提示しておりました5つの問題点について、また御要望をちょっと発信させていただきたいと思います。
 まず、1、物件事故における自賠責の支払いの検証、それから自賠責保険における柔道整復施術費の適正化、支払限度120万円までの検証、社会保険の利用、この4つにつきましては、実態を把握するために引き続き検証を日本医師会としてはお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 また、今回、特にお願いしたいのは、最後の5つ目の自賠責診療報酬の基準案(新基準)の制度化についての推進をお願いしたいということでございまして、あと、昭和59年の当審議会の答申にありますとおり、全国的に浸透し、また定着化した段階で、制度化を図るということを最終的な目的としておるのは皆様御存じだと思います。平成2年の栃木県から始まって、平成28年には山梨県が合意されて、全ての地域で使用できる状況にあります。地域ごとの採用率を見ていきますと全国平均6割ぐらいと言われておりまして、長年、横ばいが続いております。
 日本医師会では、新基準の制度化に向けてさらなる浸透・定着を図るため、採用率の高い地域と低い地域を抽出してヒアリング調査を行いました。簡単に調査結果を御説明しますと、採用率の高い地域というのは、当初より高い水準を維持したまま今日まで来ている現状です。一方、採用率が低いところにつきましては、自賠責研修会、パンフレットの配布などを通して周知活動を行ってきておりますが、長年、形骸化し、関係省庁や関係団体からの導入促進に強い要請や介入がないことにより、現状維持の状態が続いているという印象でございました。
 以上のことから、新基準の検証や関係省庁からの働きかけなどにより、具体的な取組が必要な段階に来ていると考えております。日本医師会としては、厚生労働省の御指導もいただきながら、各都道府県医師会とともに基準案の採用に向けて活動していきたいというところでございますが、金融庁、また国土交通省におかれましては、基準案の制度化への推進について少し御意向をお聞かせいただければ幸いと思っております。
 以上でございます。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは、細川委員から御質問がありました自賠責診療報酬基準案(新基準)の制度化に関する意向につきまして、金融庁及び国土交通省からでしょうか、御返答いただければと思います。よろしくお願いします。

【三浦課長】
 それでは、金融庁のほうから、まず、今御要望のありました診療報酬基準案の制度化についての我々の現時点の考え方を申し述べさせていただきます。
 まず、1984年の自賠審の答申を踏まえまして、診療報酬基準案の制度化に向けて、国交省、料率機構、損保協会、医師会と連携しながら進めていきたいと考えております。他方、私ども金融庁としては、どう制度化していくかにもよりますが、仮に制度化された後も医療機関から基準案を上回る請求が続いてしまった場合に、交通事故の被害者が自賠責保険から十分な手当てを受けられないケースが発生するかもしれないというようなことを懸念しているところでございます。制度化によって交通事故被害者が不利益を受けないような枠組みを検討することが、制度化推進に必要だと考えております。先ほど医師会のほうから話がございました、まさに活動内容につきまして、引き続き、私どもに御報告、御連携いただき、当庁としてもその上でしっかりと検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 金融庁からは以上です。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。
 今、金融庁からもお話しいただいておりますが、診療報酬基準案の制度化につきましては、国土交通省といたしましても、金融庁、料率機構、損保協会、医師会と、いろいろお話を伺いながらしっかりと検討を進めてまいりたいということは考えております。ただ、制度化に当たりましては様々な課題があるかと考えておりまして、それについて関係者の皆様方といろいろ情報共有させていただきながら検討していく必要があると考えております。
 金融庁からもお話しいただきましたが、医療機関においてばらつきがあって、被害者保護の観点から、被害者の方に不利益があるようなことがあってはならないということが非常に重要かと国土交通省としては認識しております。医師会のほうでもいろいろ御活動されているというお話でございますので、そちらのほうの話をまたいただきながら、国土交通省といたしましても金融庁と連携して検討を進めてまいりたいと思います。
 以上でございます。

【藤田会長】
 細川委員、よろしいでしょうか。

【細川(秀)委員】
 はい、ありがとうございます。制度化していただいて、やはり全国の診療所、それから医療機関がスムーズにいくためには、逆に言えば、この新基準を採用していただくというのが必要かと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。ありがとうございました。

【藤田会長】
 細川委員からは、そのほか4点の問題点につきまして引き続き検証のお願いをいただいております。国土交通省及び損保協会におかれましては検証をよろしくお願いいたします。もし国交省あるいは損保協会から何かありましたら御発言いただければと思いますが、特にないようでしたら、要望を承るという形を引き取らせていただきますけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、そのほか、御意見、御質問ございますでしょうか。
 もし特に御意見がないということのようでしたら、今回の料率検証結果につきましては、事務局から御報告のありましたとおり、収支は当初の想定より若干良化しているものの、予定損害率と現状の損害率との乖離は比較的小幅にとどまるということ、滞留資金の残高や制度の安定的な運営の側面等を鑑みると、今回、直ちに料率改定が必要な状況にはないと、これらに基づいて今回は基準料率は据え置くということでよろしいでしょうか。オンラインの参加の方、もし御異議があればチャットでコメントいただければと思います。会場の方はうなずいていただければ分かるわけですけども、もしオンライン参加の方は、何かございましたらチャットに書き込んでいただければと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【藤田会長】
 それでは、御異議がないようですので、御了承いただいたということで取り扱わせていただきます。
 それでは、引き続きまして、特定小型原動機付自転車の区分新設及び基準料率算出方法について、まず、区分新設について事務局から御説明いただき、その後、損害保険料率算出機構の川口特別委員から基準料率算出方法について御説明いただきたいと思います。
 それでは、まず、事務局の三浦保険課長からお願いいたします。

【三浦課長】
 それでは、事務局より御説明いたします。
 令和5年7月1日に施行された改正道路交通法により、原動機付自転車の区分が細分化され、「特定小型原動機付自転車」が新たに定義されたところでございます。この特定小型原動機付自転車につきましては、改正道路交通法で、交通ルール、道路運送車両の保安基準の改正で車両面のルールが新たに整備されたこと等によって、既存の原動機付自転車とリスク特性が異なる新たなモビリティとして位置づけられたところでございます。
 特定小型原動機付自転車は、交通事故の被害者救済に支障が出ないように、引き続き自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の対象となっており、現在、道路交通法改正前と同様に既存の原動機付自転車と同じ料率が適用されております。
 今回、特定小型原動機付自転車が、既存の原動機付自転車とはリスク特性が異なるモビリティとして定義されたことに加えまして、他の車種と識別が可能であり、区分を新設しても保険引受け時に実務上問題がないこと等から、自賠責保険の基準料率としても特定小型原動機付自転車を新たな車種区分として新設し、既存の原動機付自転車の区分を「一般原動機付自転車」と「特定小型原動機付自転車」に細分化することを考えております。
 この新設区分について令和6年4月から適用ができるよう、特定小型原動機付自転車の特性等を勘案した基準料率の算出方法について損害保険料率算出機構において検討を進めていただいておりますので、この後、御説明いただきます。
 事務局からは以上でございます。

【川口委員】
 損害保険料率算出機構の川口でございます。よろしくお願いいたします。それでは、自賠責保険基準料率におきまして特定小型原付の区分を新設する場合の料率算出手法につきまして、お手元の資料2に基づいて御説明させていただきます。
 1ページを御覧ください。1ページの特定小型原動機付自転車の区分新設の経緯につきましては、先ほど金融庁の三浦課長から御説明のあったとおりでございます。
 続いて、2ページを御覧ください。自賠責保険・共済におきまして特定小型原付の区分が新設されることになった場合には、2024年4月1日以降は保険成績の収集が開始されます。これまでは、特定小型原付は一般原付と同じ区分で同じ料率で引受けをされておりますことから、特定小型原付に限定した保険統計というものは存在しておりません。このため、特定小型原付の料率を新たに設定する場合には、定量的な評価が可能な範囲で一般原付と特定小型原付のリスク較差を推定し、現在適用されている一般原付の純保険料率を基準といたしまして、それにリスク較差を反映することによって料率算出を行うことになります。その考え方を式に表しますと御覧のとおりでございまして、純保険料率較差は事故率と保険金単価の較差に分解することができますので、そのそれぞれにつき考察をいたしました。
 次の3ページを御覧ください。
 まず、(1)事故率較差についてでございます。事故率とは、保険期間中に発生が予測される事故の件数を分子といたしまして、それを、世の中を走行している自賠責保険・共済を付保している台数を分母にして求められる事故頻度のことでございます。特定小型原付につきましては、車両保有台数が明らかになっておらず、また、自賠責保険の対象となる事故の件数につきましても有意な統計が存在しておりません。ちなみに、こちらでお示ししている表は、昨年7月に道路交通法が改正されて以降に発生した特定小型原付の事故を警察庁が集計したものでございます。7月から11月までの5か月間に65件の事故が発生しております。このうち、相手方がいない単独事故、四輪を相手方とする事故が全体の過半数を占めておりますが、これらの事故は基本的には相手方の死傷を引き起こすものではございませんので、特定小型原付の運転者自身のケガが中心となります。自賠責保険は、御承知のとおり相手方の人身損害を補償する保険でありますことから、これらの事故は保険金支払い対象にはなりにくいと考えられます。そこで、保険金支払い対象となるタイプの対人事故に着目いたしますと、主に歩行者または自転車を相手方とする事故ということになります。これらの事故は、昨年7月以降11月までに、歩行者が14件、自転車が5件となっておりまして、月別に見ると、毎月数件程度で推移してきている状況でございます。御覧のようにまだ件数が少なく、あくまでも参考という位置づけとなります。特定小型原付の危険性につきましては様々な御意見があることから、使用可能な情報の入手に努めてまいりましたが、残念ながら、いずれも一般原付とのリスク較差を定量化するための統計的な裏づけとして使用するには不十分でございました。このため、事故率につきましては、まずは一般原付と同等とみなしてスタートすることとなります。
 続いて、3ページ下段、(2)保険金単価較差を御覧ください。現在、自賠責保険で二輪車を主体とする車種は3区分が存在しております。表に記載のとおりでございまして、大きいものから順番に記載しております。これら3区分の保険成績を確認いたしましたところ、事故を起こした場合に、相手方が死亡に至ったり後遺障害を伴ったりする可能性につきまして、重量と速度の小さい車種、つまり運動エネルギーの小さい車種ほど低くなる傾向が認められました。また、死亡、後遺障害には至らなかった比較的軽微な傷害事故につきましても、支払保険金単価が小さくなる傾向が認められました。この関係性に基づきまして、重量と速度の違いに着目して、一般原付と特定小型原付とのリスク較差を算出することといたします。
 4ページを御覧ください。
 (1)運動エネルギーの算出では、自賠責保険の既存の車種区分(①から③まで)と特定小型原付(④)の重量と速度から運動エネルギーの違いを算出しております。
 次に、(2)保険成績と運動エネルギーの関係を御覧ください。自賠責保険の事故種別は、相手方が死亡に至る事故、後遺障害を伴う事故、傷害事故の3つに区分されます。これらの事故種別合計の保険金単価につきましては、要素に分解いたしますと、死亡、後遺障害、傷害の件数がそれぞれ事故全体に占める割合と、それぞれの保険金単価を加重平均した金額として求められます。小型二輪、軽自動車(検査対象外車)、一般原付の保険成績を確認いたしましたところ、死亡や後遺障害といった保険金が高額な事故が事故全体に占める割合は運動エネルギーの大きさに比例して大きくなり、運動エネルギーと相関していることが確認されました。また、比較的軽微な傷害事故につきましては、運動エネルギーが小さくなると保険金単価が小さくなるという相関が認められました。これらから、運動エネルギーが小さい車両は、死亡や後遺障害といった高額な事故の割合が小さくなり、さらに傷害事故の保険金単価も低額になる。その結果、全体としての保険金単価が低額になるものと推定されます。
 5ページを御覧ください。(3)特定小型原動機付自転車と一般原動機付自転車の保険金単価較差でございますが、これまでに御説明した考察に基づきまして保険金単価の較差を算出いたしました。まず、小型二輪、軽自動車(検査対象外車)、一般原付の保険成績から、死亡の件数割合、後遺障害の件数割合と車種別の運動エネルギーの相関関係を示す算式をそれぞれ求めまして、特定小型原付の運動エネルギーから、その死亡、後遺障害事故の件数割合を推定いたします。また、同様に、傷害事故の保険金単価に関しましても、小型二輪、軽自動車(検査対象外車)、一般原付の保険成績から保険金単価と車種別の運動エネルギーの相関関係を示す算式を求め、特定小型原付の運動エネルギーからその保険金単価を推定いたします。このようにして求めた死亡、後遺障害事故の件数割合と傷害事故の保険金単価から特定小型原付の事故種別合計の保険金単価を求め、一般原付の保険金単価との較差をもって純保険料率の較差といたしたいと考えます。
 算出方法に関する私からの説明は以上です。

【藤田会長】
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの特定小型原動機付自転車の区分新設及び基準料率算出方法の説明に関しまして、御意見、御質問はございますでしょうか。
 金子委員代理、佐藤副事務局長、お願いいたします。

【金子委員代理(佐藤)】
 自動車総連の佐藤です。金子の代理で発言をさせていただきます。
 基準料率を新たに算出することに加えて、その方法についても異論はございません。
 一方で、今後の電動キックボードによる事故の増加や事故時のけが等の重症化についてはちょっと懸念があると認識しております。交通違反数が増加していることや、日本に先行して普及した海外などでは事故が多発することによって規制を強めた国も出てきているというようなことを報道などから聞いております。利用者への安全運転講習の拡充やヘルメット着用の重要性の周知を図るなど、安心・安全な利用支援をしていくことが重要ではないかと考えております。
 自賠責の観点においても、車両による電動キックボードの巻き込み事故などが増える可能性もあり、結果として全体の保険料増加によるユーザー負担増にもつながるというふうにも思っておりますので、意見として述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 ただいまの御意見につきまして、金融庁あるいは国土交通省から何かコメント等ございますでしょうか。

【三浦課長】
 金融庁でございます。それでは、一言だけ申し述べさせていただきます。まさに今、委員が御指摘していただいたとおり、特定小型原付の交通ルールの遵守につきましては、仮に交通事故が増加し、被害者がけがをすることが増えてしまうと、そこは当然自賠責保険料の水準に影響し得ることから、私どもとしても交通ルール遵守ということは非常に重要なファクターだと考えております。
警察庁ほか関係省庁におきまして、交通ルールの遵守を徹底するよう周知や取締りを行っているところと承知しておりますが、しっかりと引き続き取り組む必要があるものと認識しております。ありがとうございます。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。今、金融庁のほうからもお話がありましたが、警察庁をはじめとする関係省庁でキックボードについては連絡を取り合っておりますので、そちらのほうでもしっかりと問題意識を共有して取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございます。

【藤田会長】
 よろしいでしょうか。

【金子委員代理(佐藤)】
 はい、よろしくお願いします。

【藤田会長】
 そのほか、御意見等ございますでしょうか。寺田委員、お願いいたします。

【寺田委員】
 福島学院大学の寺田です。どうもありがとうございます。ちょっと初歩的過ぎる質問で申し訳ありませんけれども、今の御説明の5ページのところは対数比例のように見えるんですが、実際の計算方法を特定しなくてよいのでしょうか。よろしくお願いいたします。

【藤田会長】
 算出方法ですので、川口委員からお願いいたします。

【川口委員】
 川口でございます。実際の実績値から回帰をしておりまして、御指摘のように対数回帰の算式を使っております。ここでは算式までは掲載しておりませんけれども、必要があれば、またそこは別途お答えしたいと思います。

【藤田会長】
 よろしいでしょうか。

【寺田委員】
 取りあえず、そこから先はお任せするというか、そういう議事になるのでしょうか。実際の算出方法まで決めない、そういう議事になるということでしょうか。

【藤田会長】
 もし今回、こういう区分新設をお認めいただき、いただいた方向性で料率を決定するということについて承諾いただきますと、具体的な料率を計算する作業を損害保険料率算出機構にしていただいて、次回、具体的な出てきた結果について審議いただくという流れになるかと思います。その際に計算式まで知りたいということであれば、直接、寺田委員のほうに損害保険料率算出機構から御説明いただくか、あるいは次回の審議会の際に示していただくといったことが考えられますが。

【寺田委員】
 はい、分かりました。どうもありがとうございます。

【藤田会長】
 川口委員、何か追加ございますでしょうか。

【川口委員】
 それで結構でございます。

【藤田会長】
 よろしいでしょうか。そのほか、どの点でも、御意見、御質問等ございますでしょうか。新しい問題で、データの少ない中やや試行錯誤的に決定しなくてはいけないことですので、いろいろ御質問などあるかもしれません。もし何かございましたらぜひお願いします。京井委員、お願いいたします。

【京井委員】
 失礼いたします。いのちのミュージアムの京井です。よろしくお願いいたします。これからこういうふうに区分が新しくなるということで、やはり自賠責がどういうことに使われているかということもなかなか皆さん御承知じゃないこともありますので、これをきっかけに、こういうふうに区分が分かれていく、こういうふうに保険料がと、先ほど佐藤代理委員がおっしゃったように、このことで交通安全を改めてまた考えていただくという形で、また広報に力を入れていただきたいなと思っています。そして、今後、新しい区分になっていきますので、見直しを何度もしていただきながらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【藤田会長】
 新しい区分の特定小型原動機付自転車についての保険をきっちり掛けるようにする広報及び交通安全を働きかける広報の双方をきっちりしていただきたいということだと思います。本来なら警察庁かもしれませんが、金融庁あるいは国土交通省から何かございますでしょうか。

【三浦課長】
 金融庁でございます。私どもとしてもまさにおっしゃるとおりであると思いますので、直接は警察庁中心になるかもしれませんが、我々としてもしっかり、できることについては前向きにいろいろ検討していきたいと思います。よろしくお願いします。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。ルールの話などは警察庁さんになるかと思いますが、私どもも、キックボードに乗るに当たっては必ず自賠責に入ってくださいという広報を昨年からしております。また、実際の自賠責による被害者救済も含め、引き続き広報に取り組んでまいりたいと思います。
 以上でございます。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。
 そのほか、どの点でも、御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 金子委員代理の佐藤副事務局長から、区分新設及び新たな料率の算定の仕方について賛成であるという御意見をいただきました。そのほかの委員から特にこれらについて異議は出なかったと理解しております。それでは、基本的にいただいた御報告の提案の内容で御了承いただいたということで取り扱わせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【藤田会長】
 それでは、そのようにさせていただきます。
 以上の議論を踏まえまして、損害保険料率算出機構におかれまして速やかに新たな基準料率の案を作成いただき、次回の審議会にて御説明いただきたい、御提案いただきたいと思います。
 なお、最後に事務局より補足事項があると伺っております。事務局の三浦課長、よろしくお願いいたします。

【三浦課長】
 それでは、事務局から補足説明をさせていただきます。
 料率算出に直接関連する事項ではございませんが、仮に新設する特定小型原付の料率が既存の原動機付自転車の料率よりも引き下がった場合には、2023年7月以降に特定小型原付の契約をした方に対して、その取扱いに不公平が生じないように差額分を返金するために、現在、損保協会において準備を進めております。詳細は損保協会のホームページに掲載してございます。
 事務局から以上でございます。

【藤田会長】
 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、令和6年度の運用益の使途等について御報告いただきたいと思います。国土交通省、日本損害保険協会、JA共済連の順で御説明いただき、その後、一括して御議論いただきたいと思います。
 それでは、まず、令和6年度自動車安全特別会計の運用益の使途について、国土交通省、出口保障制度参事官より御説明いただきたいと思います。

【出口参事官】
 国土交通省の出口でございます。資料3「令和6年度自動車安全特別会計の運用益の使途等について」により御説明させていただければと思います。
 表紙から1枚おめくりいただきまして、自動車安全特別会計運用益活用事業についてでございます。
 先ほど京井委員からも使い道についてというお話がございましたが、国土交通省では、自動車事故被害者の方々の救済のために、重度後遺障害者の方々などに対して被害者救済対策を実施しております。また、それと車の両輪として、新たな自動車事故被害者を生まないための事故発生の防止対策というものを実施しております。これらの事業のうち、一部は独立行政法人の自動車事故対策機構、ナスバと通常呼んでおりますが、ナスバにて実施しております。
 今映しております資料、ページでいいますと1ページと振ってあるものでございますが、左側、赤字で被害者救済対策と書いてございます。主なものを記載しておりますが、先ほど申しました重度後遺障害者の方々への支援ということで、専門病院である療護施設を全国にナスバが直接運営、あるいは委託して設置しております。また、介護料の支給ですとか訪問支援、短期入院・入所協力事業の実施や介護者亡き後の生活の場確保に向けた支援、また、高次脳機能障害の方々の社会復帰などを促進するための環境整備といった事業などを行っているところでございます。
 また、右側、事故防止対策と青字で書いておりますけれども、安全総合対策事業といたしまして、ASV(先進安全自動車)と私ども呼んでおりますが、衝突被害軽減ブレーキなどを搭載した自動車の普及などを進めているほか、下にございます自動車安全性能の評価、自動車アセスメントとナスバで呼んで実施しているものでございますが、実車を用いた衝突試験等の結果の公表などを行うことで車両の安全性能を向上するという事業を行っているところでございます。
 次のページに移っていただきまして、今お話ししたのが運用益を活用した事業の概要でございますが、こちらの自賠審におきましては、例年、昨年度と今やっている事業、また次の年度に行う予定の事業を御報告させていただいておりますので、そちらの御報告でございます。
 2ページ目は、令和4年度ということで、昨年行いました主な事業でございます。上に3つ赤枠で囲っております被害者救済対策といたしましては、介護料の充実ですとか、2つ目、先ほど専門病院と申しました療護センターの老朽化対策の検討、また3つ目、介護者亡き後を見据えた日常生活支援の充実、こういった事業を行っております。また、事故防止対策といたしましては、自動車アセスメント事業の充実ということで、自転車に対応した被害軽減ブレーキを追加する、あるいは交差点における被害軽減ブレーキの評価に向けた調査といったことを行っておりました。
 次の3ページ目でございます。今年やっております令和5年度の取組状況でございます。まず、赤枠で囲っております被害者救済対策でございますが、1つ目として脊髄損傷に対応した療護施設の新設でございます。これまで、先ほど専門病院と申しました療護施設、主に遷延性意識障害の方向けの病院ですけれども、脊髄損傷に対応した療護施設というものを新設するために今、選定を行っているというところでございます。2つ目が被害者・遺族等団体の相談支援でございます。今、被害者や御遺族の方々から、同じような経験をされた方にということで、現在ある被害者・遺族等団体の方々がボランティアで対応していただいていることが非常に多いと聞いております。こちら、深夜にも及ぶことも多いということで、こちらの相談窓口の構築・継続を支援する事業を今年度から開始しているところでございます。3つ目が介護者亡き後を見据えた対策の充実ということ。4つ目が、先ほど広報という御意見も頂戴しておりますが、事故被害者の方々へのアウトリーチと同時に、自賠責がこういうことに使われているんですというユーザーの方々の理解促進の事業というものを今年度行っているというところでございます。2つ目の事故防止対策でございますが、自動車アセスメント事業の充実ということで、対歩行者のペダル踏み間違い時の加速抑制装置の追加ですとか、交差点における被害軽減ブレーキの評価に向けた検討などを現在行っているというところでございます。
 次、4ページ目でございます。来年度こういう事業をしたいということで予算を確保しているというものでございます。1つ目、赤枠で囲っております被害者救済対策でございますけれども、千葉の療護センターの機能強化ということで、療護センターの中で最も早くからできておりました千葉療護センターについて、まず検討を行っているというものでございます。2つ目の介護者亡き後を見据えた対策の充実、また、先ほど申しました事故被害者の方々へのアウトリーチですとかユーザー理解促進、こちら、いずれの事業につきましても引き続きしっかりと取り組んでまいる予定で、政府としては予算概算決定しているところでございます。また、事故防止対策、下の青字のところでございますが、こちらについても、また新たな評価項目に向けた調査の開始などを行っているところでございます。
 次、5ページ目でございます。一般会計から自動車安全特別会計への繰戻しでございます。概要のところにございますが、平成6年度、7年度に自動車安全特別会計から一般会計に繰り入れられた1兆1,200億円につきまして、まだ5,800億円ほど繰り戻されていないという状況でございます。今回の予算要求過程におきまして、令和5年度補正で13億円、令和6年度当初として65億円繰り戻されることになっておりますが、概要の2つ目のポツでございますが、早期かつ着実な全額の繰戻しに向けまして、大臣間合意を踏まえつつ、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 国土交通省からの説明は以上でございます。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、令和6年度民間保険会社の運用益の使途について荒川委員より御報告いただきたいと思います。

【荒川委員】
 改めまして、日本損害保険協会の荒川でございます。私からは、令和6年度の民間保険会社の運用益の使途につきまして御報告を申し上げます。お手元の資料4を御覧ください。
 この運用益拠出事業案は、第三者委員で構成される協会長の諮問機関である自賠責運用益使途選定委員会にて審議・了承をいただいているものであり、2月15日開催の日本損害保険協会理事会で決定する予定でございます。令和6年度の事業案策定にあたりましては、これまでの自賠責保険審議会の答申等を踏まえ、自動車事故の被害者対策を中心に取り組むとともに、昨今の環境変化を踏まえて、交通事故被害者を生まないための自動車事故防止対策にもより一層注力することを基本方針としております。
 それでは、運用益拠出事業のポイントを、資料の1ページ目を使って御説明させていただきます。令和6年度の拠出予定合計額は、自動車事故被害者や関係者の皆様の声をお聞きするとともに、使途選定委員会や拠出先の各団体からの意見等を踏まえ、必要な事業を積み上げました結果、17億5,979万円、前年度対比で約5,091万円の増額となっております。
 次に、拡充する主な事業についてまず御説明いたします。
自動車事故防止対策の分野では3つの新規事業がございます。具体的には、「健康と交通安全を考える高齢者ドライバーズ・クリニック」実施の支援、自動車運転に必要な視覚認知機能を向上させる仮想現実シミュレーションを用いたビジョントレーニングの構築と効果検証、横滑り防止装置の横運動に連係した加減速制御によるAEB装置(衝突被害軽減ブレーキ装置)の作動時の事故防止技術の実用化、これに対して助成をいたします。
 続きまして、自動車事故被害者対策の分野では2つの新規事業を実施いたします。具体的には、障害者等の新規運転免許取得及び中途障害者の運転再開による社会参加と運転寿命の延伸に向けた障害者等への支援事業、高次脳機能障害者の社会復帰支援に関する研究事業、に対して助成をいたします。
 また、救急医療体制の整備の分野でも支援を継続してまいります。交通外傷で受傷した開放骨折患者に明るい未来をもたらす日本全国で運用可能な外傷ネットワークの構築、こちらへの支援は昨年度から開始した事業です。外傷ネットワークシステム開発に段階が進むため、当初の計画とおり増額する予定でございます。
 今後も引き続き、各団体の事業・研究の取組状況を精査しつつ、適切な被害者支援等のあり方を検討してまいりたいと考えております。
 次に、減額する主な事業についてです。事業の見直しにおける減額方針に基づき、自動車事故防止対策における交通事故防止用機器の寄贈と、救急医療体制整備における公的病院への救急医療機器購入費補助、これを減額しております。
 令和6年度の事業案の概要は以上のとおりになります。総額としましては前年度対比で増額となっておりますが、これは、必要な事業を充実させる一方、個々の事業内容の精査・見直しも行うなどして各事業を積み上げた結果でございます。
 なお、2ページ以降に、令和6年度の各事業内容、直近5か年の拠出額の推移、それと令和4年度の運用益拠出事業の実施状況報告を記載しておりますが、時間の関係から説明は割愛させていただきます。
 民間損保としましては、本拠出が自動車事故の被害者の皆様への支援並びに事故防止対策に資するよう、今後とも自賠責保険運用益の有効かつ適正な拠出に努めてまいりたいと考えております。
 私からの説明は以上でございます。

【藤田会長】
 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、令和6年度JA共済の運用益の使途について長島委員より御報告いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【長島委員】
 それでは、JA共済連の長島でございます。お手元の資料5に基づきまして、令和6年度のJA共済の運用益の使途について御報告を申し上げます。
 まず、この運用益拠出事業の計画策定に当たりましては、外部調査機関における各施策の実施状況や効果、課題などの検証とともに、交通事故発生状況等の環境認識を踏まえて方向性を整理し、損保協会様と同様に、外部有識者などから構成されます使途選定委員会にて御審議をいただいた上で決定させていただいております。なお、検討に当たりましては、これまでの自賠責保険審議会における御意見も参考とさせていただいております。
 それでは、早速でございますが、資料の1ページを御覧ください。上段に記載しておりますとおり、令和6年度の計画額の合計は10億6,706万6,000円を予定しているところでございます。
 次に、令和6年度の施策における主な変更点について御説明いたします。
 まず、自動車事故防止対策に係る拡充とあります取組が2点ございます。1点目が生徒向け自動車交通安全教室の実施になります。これは、全国各地で中高生を対象とし、スタントマンを活用した交通事故の実演によります自転車事故の危険性を学ぶ交通安全教室を開催する取組ですが、コロナ禍の影響緩和に伴い実施回数の増加が見込まれ、運営費の上昇を踏まえまして計画額を2,775万円増額いたしております。2点目は歩行者向け交通安全啓発活動の実施となります。これは薄暮時間帯や夜間の歩行中事故削減に向けた啓発活動でございまして、昨年度、服装の輝度を測定するソフトウエアを活用したプログラムを開発いたしました。本プログラムの活用促進や交通関係団体等と連携した取組強化を図る観点から、計画額を3,000万円増加いたしております。
 続いて、見直しを行う取組が3点ございます。まず1点目は、救急医療機器等購入費の補助となります。こちらの取組につきましては、救急医療機器の整備が一定進んでいること等から、全体計画額におきます占率等を勘案いたしまして500万円減額とさせていただきます。2点目は、交通事故無料法律相談事業・機関の支援になります。交通事故に関する無料法律相談事業や機関を支援し、被害者救済を図るものでございますが、自動ブレーキなど安全装置の普及やコロナ禍におけます事故減少を受けまして、相談件数等が減少しております。これによりまして1,786万円減額をさせていただいております。3点目といたしましては、幼児向け交通安全教室の実施となります。全国各地で幼稚園・保育園児とその保護者を対象といたしました交通安全教室を開催する取組となりますが、コロナ禍以前より開催回数が低迷しており、公共性の高い資金の費用対効果に鑑みまして、実施しないということといたしました。
 最後に、予算の推移についてページ下段に記載しておりますが、令和5年度と比較いたしますと合計で8,625万円、割合にいたしまして約7.5%の減額となっております。
 次ページ以降は、令和6年度の本運用益拠出事業の計画詳細と令和4年度の実施計画を記載しておりますが、御覧おきいただければと存じます。
 弊会からの報告については以上でございます。

【藤田会長】
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの3者の報告に関し、御質問、御意見はございますでしょうか。加藤委員、お願いします。

【加藤委員】
 日本自動車会議所の加藤でございます。詳細な説明をいただきましてありがとうございました。そのうち、資料3にあります国土交通省からの報告に関しまして、私もメンバーを務めております自動車損害賠償保障制度を考える会を代表して、一言、御意見を述べさせていただきたいと思います。
 自賠責の保険料積立金が特別会計から一般会計に1兆1,200億円繰り入れられておりまして、いまだ6,000億弱が返済されていない現状を踏まえ、繰戻し額のさらなる増額、それから今後の全額返済に向けての道筋、いわゆるロードマップを明確にしていただくことを要望するために、昨年末に斉藤国土交通大臣並びに赤澤財務副大臣と面会させていただきました。その中で、考える会のメンバーでもあります全国遷延性意識障害者・家族の会の横山副代表から交通事故の被害者及び介護者の実情並びに思いについて率直にお話をいただきまして、斉藤大臣、それから赤澤副大臣にはしっかりとお話を聞いていただけたと思っております。そういった活動もあってか、昨年12月22日に令和6年度当初予算における繰戻し額65億円が閣議決定されました。これで7年連続増額での繰戻しとなりました。この間の国土交通省をはじめ関係者の皆様の御尽力に感謝申し上げたいと思います。しかしながら、一方で、令和6年度末見込みでいまだ5,802億円が繰り戻されていない現状にあることは、関係者間で認識を共有しておかなければならないと思っております。
 それから、先日、我々考える会にとって非常にうれしいニュースがございましたので、この場を借りて御披露させていただきたいと思います。考える会の座長として、長年、繰戻し問題に取り組んでこられた日本大学の福田弥夫先生が、国土交通省の第65回交通文化賞を受賞されました。受賞理由として、福田先生御自身も「考える会の活動が評価されたものだ」とおっしゃっております。我々考える会といたしましては、不幸にして交通事故に遭われた被害者救済対策並びに事故防止対策のさらなる充実のため、早期の全額繰戻しに向け、今後とも適宜要望活動を実施してまいりたいと思いますので、関係各位の御協力を引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 私から以上です。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。一般会計から自動車安全特別会計への繰戻しの件でございますが、国土交通省のほうから、もし何かございましたらコメントいただければと思います。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。ありがとうございます。御指摘いただきましたとおり、一般会計から自動車安全特別会計への繰戻しにつきましてはいまだに約5,800億円残っている状態でございます。引き続き早期かつ着実な全額の繰戻しに向けまして大臣間合意を踏まえつつしっかりと取り組んでまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【藤田会長】
 どうもありがとうございます。繰戻しが着実に増えてきていること自体は大変喜ばしいことですけども、もともと望ましくない状況が続いてきたということは認識は共有していきたいと思います。
 そのほか、どの点でも。では、麦倉委員、お願いいたします。

【麦倉委員】
 関東学院大学の麦倉です。私は、障害者福祉の立場から国土交通省の被害者保護増進の検討会に参加しておりました。検討を重ねる中で、当事者と御家族の方への支援というのは徐々に着実に充実してきたところであると考えておりますが、まだ課題は山積していると思います。
 様々な被害者救済対策が行われる中で、先ほど御報告もありましたけれども、療護センターの果たす役割というのは非常に重要なものであると実感しています。意識障害に関する評価や治療、リハビリテーションといった医学的な見地からの重要性はもちろんのこと、退所された後の在宅生活を支える拠点としての重要性も増しています。また、医学的な知見のみならず社会的な意識においても、意識障害のある人の反応を細やかに見てとり、相互行為の可能性を示すという療護センターでの取組は非常に大きな意味を持っており、遷延性意識障害に関する社会的な認識を変える力を持っていると考えています。
 御本人と御家族がリハビリテーションとして望んでいるのは、単に身体機能の維持・改善を図るための処置ではないと推測されます。リハビリテーションを通して行われる相互行為、社会参加ではないでしょうか。相手に対する深い理解と注意をもってコミュニケーション・リハビリテーションが行われるときに、このリハビリテーションという行為は、遷延性意識障害の状態にある人にとってはかけがえのない意思を伝達する機会となります。私が幾つか当事者の方、御家族の方に対して行った調査からは、支援スタッフや家族による受け止めと理解を通して自らの意思を表明するということを受け止められるということが分かってきました。まばたきであるとか、息を吐くとか、視線といった一つ一つの動きは本当に微細なものでありますし、表現の手段は限られているのですが、だからこそ、本人が発する微細な表現をシグナルとして受け止めて、双方向のコミュニケーションとしていくために、家族との信頼関係が構築されたスタッフによるリハビリテーションと支援の実践が欠かせないと思います。
 本人にとってリハビリテーションを受けることというのは、自らが他者とつながり、社会を構成する一員として存在するために必要不可欠の行為であります。何か声を発したときに、周りの人がその音に意味を見いださなければ、そこにコミュニケーションは成立しません。逆に、同じ発声であっても、受け止める側がそこに意味を読み取ろうとする態度を持つことでコミュニケーションが生まれると思います。
 療護センターの検討の中で明らかになってきた課題は以上のものでありますし、ほかにも複数ございます。在宅介護の相談であるとか遠隔相談への対応、地域の診療・リハビリテーションとの十分な連携が取れるインフラと人員の整備、また、在宅患者の高齢化に対応できる地域医療とのネットワークづくりなど、様々なニーズがございます。また、こうしたニーズは、遷延性意識障害以外の高次脳機能障害、重度脊髄損傷の方々の長期リハビリテーションをどう考えるかという課題に関しても、非常に共通性を持って捉えられます。高次脳機能障害の方に対する社会復帰促進支援については、上記のことに加えて、継続的な事業を行うことによって安定的な事業運営を図ることができる体制が求められています。また、重度脊髄損傷を負った方を受け入れる施設の設置については、委託病院の選定も着実に進んでいると思いますが、退院というのもありますので、その後は、ナスバの訪問支援等々を活用しながら、スムーズな地域生活をどう築いていくかということが課題になっています。
 障害のある人に対する世界的な動きを述べておきますと、障害者権利条約、それから権利委員会による意見の中では、障害のある人の人権を尊重するために、地域生活、脱施設化というのを達成しなければならず、また、全ての障害のある人の法的能力が回復され、彼らはどこで誰と生活するかを選択できるようにしなければならないとされています。障害のある人が自らの希望や意思を十分に育んでいくためには、地域社会から隔絶された施設の中での生活ではなくて、脱施設化された環境が必要不可欠な条件でもあります。
 事故被害者の方々も同様に、リハビリテーションの希望を着実に実現しながら、住み慣れた地域でその人らしい暮らしを実現していくことが求められます。また、これに当たっては、先ほど民間損保での取組等も報告していただきましたが、こうした取組も非常に重要な存在になっていると思います。
 こうした実践を着実に積み重ねていくことが、自動車被害者の救済に対する政策、自賠責等も含めて、社会的な合意形成を図る礎になるものだと考えております。
 以上です。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。被害者救済対策について幅広い御意見をいただいたと思うのですけれども、運用益事業の在り方にも関わってくると思いますので、もし可能でしたら、国土交通省、損保協会及びJA共済連のほうから何かございましたらコメントいただければと思います。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。貴重な御意見ありがとうございました。今回、自賠審の場で御報告させていただいた事業はごく一部でございます。被害者の方々の救済に関しましては、麦倉委員から御紹介いただきましたような療護センターですとかナスバによります訪問支援、そういったものも行っておりますし、また、重度脊損の方々の支援が開始するところでございます。高次脳機能障害の方の社会復帰に向けた事業なども進めているところでございます。先生おっしゃっていただいたとおり、様々な障害を負われた方、その方々が、それぞれどういった形でその人らしい生活を送っていく支援ができるのか、どれが最も望まれることなのかということにつきまして、麦倉委員にも参加していただいておりますが、国土交通省で実施しております被害者保護増進等事業の検討会で、ユーザー団体の方々、被害者団体の方々、また福祉関係の先生、関係者の方々の御意見をいただきながら事業の効果検証なども行っているところでございますので、今日いただきました御意見、また検討会でいただきます御意見、また、それ以外の場でも様々な御意見、様々な場で頂戴しておりますので、そういったことを踏まえながら取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございます。

【藤田会長】
 荒川委員、お願いいたします。

【荒川委員】
 荒川でございます。貴重な御意見ありがとうございます。損保協会の支援事業でも様々な領域に多岐にわたって支援のテーマ・メニューを設定させていただいているつもりですが、それで十分かというところにつきましては、常に課題として認識しております。御家族は24時間365日の絶え間ない介護等が必要になるケースもあります。また、介護を経た上での社会復帰に向けたプログラム、ヤングケアラーの課題等々、様々な課題に対してできるだけ有益なものをつくり上げてしっかり周知しながら有益に活用していただく、このような活動に引き続き注力していきたいと思っております。御意見どうもありがとうございました。

【藤田会長】
 ありがとうございました。
 長島委員、よろしいでしょうか。

【長島委員】
 貴重な御意見、誠にありがとうございます。我々も、自動車事故被害者対策ということでは、先ほどの詳細にも記載させていただきましたとおり、いろいろな御支援をさせていただいております。引き続き、今御指摘いただいた点、損保協会様とともに、あるいは引き続き各団体と連携の上、取組を継続してまいりたいと思います。御意見ありがとうございました。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。
 続きまして、オンラインで参加の唯根委員、お願いします。

【唯根委員】
 ありがとうございます。日本消費者機構日本の唯根と申します。もう既に麦倉委員やほかの委員の方々がたくさんの意見を出していただいているので、私も、被害者救済というか、被害者救済の対策の中で施設の老朽化についての支援に関しまして、元旦に起きました大地震や何かも踏まえまして、療護施設等の運営にも、ぜひ防災の面も含めて支援をしていただけないかなと感じた次第です。
 以上です。ありがとうございました。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。療護施設の老朽化との関係ですと、これは国土交通省からの返答をお願いいたします。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。貴重な御意見ありがとうございます。今まさに一番老朽化が進んでおります千葉につきましては、まさにその点も含めまして設計にかかっていきたいということで6年度から作業を進める予定でございますし、ほかの施設につきましてもそういった面を改めてしっかりと考えてまいりたいと思います。ありがとうございます。

【藤田会長】
 それでは、先ほど手を挙げられた武田委員、お願いいたします。

【武田委員】
 国交省さんと損害保険協会さん、JA共済連さんの詳細な御説明をありがとうございました。今回、特定小型原動機付自転車の区分新設に当たりまして、恐らくこの運用益の使途に関しても対策を取られているところかなと思いますけれど、御説明ではなかなかその点が触れられなかったように思いますので、その点、教えていただければありがたいと思います。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。特定小型原付に関係するような運用益の使途につきまして、もしとられている対策があれば御説明いただきたいという趣旨だと伺いましたけども、国土交通省から、お願いします。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。特定小型原付に関しまして、先ほどキックボードのところでもお話しいたしました自賠責に必ず入ってくださいといったような広報につきましては、自賠責全体の被害者救済、事故防止の広報と併せまして、電動キックボードに乗る際には必ず自賠責に入ってくださいというような広報を行っているというものがございます。
 以上です。

【藤田会長】
 ありがとうございました。被害者救済という段階よりは、まだ啓蒙活動のほうに主として尽力するという形での運用益の使途を考えているということだと思います。よろしいでしょうか。
 そのほか。京井委員、お願いいたします。

【京井委員】
 失礼いたします。いのちのミュージアムの京井です。日頃より、国交省の皆様や民間保険会社様、JA様、自動車事故被害者の対策だったり事故防止の対策に御尽力いただいて本当にありがとうございます。その中で何点か再度お願いしたいなと思っております。
 交通遺児への支援も本当に充実しておりますし、ここで抜けているのが、きょうだい児の支援というところを今後また深めていただければなと思っています。母子に関しては結構いろんな情報が入ってくるので、社会支援があったりとかするんですけど、父子の方に今回のナスバのような支援とかそういうのがなかなか情報が入らないということもあったりしますので、父親だから経済的には安定しているだろうとか、あと、子供を亡くした家庭だから御両親・保護者がいるのでちゃんとしているというか、経済的にとか精神面でではなくて、子供を亡くした御家族にも本当に精神的なケアだとかそういうところも今後また今以上に少しずつ充実させていただければと思います。
 あと、高次脳機能障害の社会復帰を促進するためにということで環境をすごく年々充実させてくださっていまして、遺族としても、なかなか仕事が手につかなくてお仕事を辞められる方もいらっしゃいますし、御家族がやっぱり介護のために仕事を辞められるということもありますので、そちらの支援をしている側とか遺族のほうにもまたこのような就労支援という形を少しずつ入れていただければうれしいなと思います。
 先ほど麦倉委員がお話しなさっていました人員の整備とか、あとネットワークですよね、今年度から当事者の団体が相談を受けるようになりました。少しずつそのようなネットワークを使っていただきながら、また今後広げていただければと思いますし、あと、社会資源を知っているのはやっぱり地域のそこで動いていらっしゃるいろんな方々なので、地域の方でコーディネートしていただける人材を今から育成していくということも必要なのではないかなと思います。
 あと、国交省でこのような被害者支援をやっていただいていて、ここが中心になって、警察庁や厚生労働省や文科省、そして今、こども家庭庁もできてきました。交通事故に遭って子供がいじめに遭ってしまうということもあったりしますので、ぜひいろんな省庁との横のつながりをここが中心になって、モデルケースで今後どんどん広げていっていただければうれしいなと思います。
 今後も被害者、加害者を生まないためにもということで、継続的に動いてくださることに感謝してちょっとお話しさせていただきました。ありがとうございます。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 ただいまの御意見につきまして、まず、国土交通省からもし何かございましたらお願いします。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。貴重な御意見ありがとうございます。何点かいろいろいただきましたので、今、全部すぐにお答えできるようなものではないんですけれども、関係者の支援とか、ナスバのほうでも訪問支援したり、遺児の方の友の会の活動とかいろいろしているところではあるんですが、どういった形で活動していくのがいいのか、どういった形でサポートが可能なのかについて、引き続き検討させていただければと思います。関係省庁との連携につきましても、いろいろな省庁がいろいろなことやっている中でしっかりと連携して取り組んでいければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

【藤田会長】
 そのほか、高次脳機能障害者の社会復帰との関係、就労の関係では、たしか民間保険会社の運用益事業では新規に始められていることもあったかと思うのですけど、もし損保協会のほうから何かございましたら、御意見いただいてよろしいでしょうか。

【荒川委員】
 ありがとうございます。荒川でございます。グリーフケアの質の向上というようなことで既に実施している事業もございますが、当事者や家族が助けを求めるときに支援できるよう、周知の強化を図っていきたいと思っております。
 お話の中では、きょうだい児への支援や、母子だけではなく父子、このような観点もとても貴重な御意見だと思います。しっかりと当事者や当事者家族の方々が支援事業に助けを求めることができる仕組みづくり、先ほどもございましたが、周知もより一層強化していく必要があると思っており、協会でもホームページ上に様々な支援事業の詳細を掲載しております。文字だけではなくて各事業の代表者のインタビューも掲載し、具体的に何にきくかというところも開示をさせていただいております。そういったところも強く発信して、新規事業の申請や既存事業の活用拡大につなげていければと思っております。
 私から以上でございます。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 もし長島委員からも何かございましたら、お願いできますでしょうか。

【長島委員】
 貴重な御意見ありがとうございます。我々としても、今、特段このところでの対応というのは記載はありませんけども、後遺障害の認定の中でそういった研究等をさせていただいております。また、今日いただいた御意見がありましたので、こういった新たな点も含めて、各関係団体も含めて連携の上、継続して検討、そして取組、継続してまいりたいと思います。ありがとうございました。

【藤田会長】
 ありがとうございました。
 そのほか、御意見等ございますか。宮木委員、お願いします。

【宮木委員】
 第一生命経済研究所の宮木でございます。御説明ありがとうございました。
 私、自動運転の社会的受容性醸成に携わっていることもありまして、ASVについても普及のお手伝い等させていただいております。今、非常に高齢化が進む中で、公共交通のドライバー不足もあって、やっぱり高齢者が運転寿命を延ばしていくことは非常に大きな課題だと思っています。そこでASVが安全性の向上と運転寿命延伸に非常に大きく寄与するのかなと思っているんですが、普及が進んでいる一方で、調査を行いますと、まず、自分の車にASVが搭載されているかどうかが分からないとか、どう使っていいか分からないという方が結構いらっしゃって、普及はしているものの、うまく活用されていないというケースが多々ございます。またさらに、例えば衝突被害軽減ブレーキを「自動ブレーキ」と表記するようなことによって、必ず止まるとか、そういった誤認を招いているというケースもありまして、こうした事故防止のための新しい技術が新しい保険金支払い案件につながっていくというのは非常に嘆かわしいことだと思っているので、普及促進と同時に、広報という観点からも正しい利用と意識の啓蒙というところも推進していただきたいなと思っています。
 その場合に、ほかでも言えることかもしれないんですが、この活用事業間でうまく連携できるというところもあると思うので、独立して活用事業を推進するというところだけではなく、必要に応じてうまく連携しながら、情報交換とかその推進、例えば普及促進と広報が連携するとか、そういう形でうまく事業者さん同士が連携できればいいなと考えております。
 以上です。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 ただいまの御意見に対しては、国土交通省から御返答をお願いいたします。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。貴重な御意見ありがとうございます。衝突被害軽減ブレーキが必ず止まるという誤解を招いているというのは、技術担当部門も今いろいろ苦労しているところではあるんですが、そういったところとも連携いたしまして、また、御意見いただきましたとおり、分担とかそういう観点も含めまして取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございます。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 そのほか。では、桑山委員、お願いいたします。

【桑山委員】
 全国遷延性意識障害者・家族の会の桑山といいます。様々な被害者支援の対策、本当に感謝しております。今、様々な施策がなされているわけなんですが、やっぱり一番今の被害者対策のネックというのは人手不足の問題なんです。具体的にヘルパーさんがすごく不足しているというのがありまして、今回、厚生労働省も障害福祉サービスの報酬が上がるというような情報なんかも聞いているんですが、国土交通省も今年度の補正予算なんかでもそういった面での支援が図られるというふうには聞いております。ただ、今後、安定的に我々が地域で生きていく場合に、ヘルパーさんの助けというのはどうしても必要なんです。そのときに、厚労省からの障害福祉サービスに上乗せするような形で自賠の安全特会のお金を支援の一部としてかさ上げしてもらえたらなと、本当にそれは思っています。今でもヘルパーさんの賃金水準というのはあまり高いものではないものですから、やっぱりヘルパーさんの成り手が少ないというのが本当に正直なところなんです。そういったときに、少なくともほかの職種と同じぐらいの賃金があれば、やっぱりこういった産業に入ってくるような方々も当然増えてくるわけですから、その辺のことをまたぜひともよろしくお願いしたいなと、そんなことを思っています。
 以上です。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 被害者救済対策についての御要望を伺いましたけども、国土交通省から何かございますでしょうか。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。ありがとうございます。人手不足については、私どもの検討会のほうでも何度も御意見いただいているところでございます。御紹介いただきましたとおり、今回の補正でも、補正の期間中に新規に雇用された方の人件費分のサポートを行うといった事業など入れているところではございます。常々、人手不足が一番問題だという御意見は、桑山委員のみならず私どもの検討会のほかの委員からもいただいているところでございます。厚労省でも様々施策を打っているところかと思いますけれども、国交省としてどこまで何ができるのかということも含めて、引き続き検討してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。
 そのほかどなたか御意見・御質問はございますでしょうか。金子委員代理、佐藤副事務局長、お願いいたします。

【金子委員代理(佐藤)】
 自動車総連の佐藤です。冒頭、加藤委員からも一般会計の繰戻しの件がありましたけれども、我々からも、早期の全額返済、ここへの道筋をお願いしたいと思いますし、新たな賦課金制度が導入されたということを考えると、自動車ユーザーの納得感、こういったところも踏まえても早期の変革が必要だと考えています。
 あわせて、運用益のところでいきますと、有限な費用という中で、この被害者救済支援と自動車事故防止対策、ASV含めて、こういったところを充実させていく必要があると考えております。そういった中で、いろんな効果検証であるとかいろんな費用の見える化、こういったものを進めながらより充実させた活動にしていければと思いますので、改めてよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 2点、御意見いただきました。前者のほうは、既にかなり御返答いただいたところですけども、特に後者につきまして国土交通省から御返答ございますでしょうか。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。繰戻しにつきましては、全額の繰戻しに向け、早期かつ着実な繰戻しに向け、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
 2点目でございます。総連さんにも参加していただいております私どもの被害者保護増進等の検討会のほうでも、しっかりと効果検証するようにと、もともとそういう趣旨で設置されているものでございますし、委員の方々からも御意見を頂戴しているところでございます。御指摘のとおり、有限なお金をどういう形で効果的に使って施策を充実させていくかにつきまして、関係者の皆様方の御意見をいただきながら引き続き取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【藤田会長】
 よろしいでしょうか。
 そのほか、御意見、御質問ございましたら。オンラインで参加の荒川委員、お願いいたします。

【荒川委員】
 今の2点目の御質問に対してですが、協会としてもしっかり内容の検証を行っております。具体的には、財源論とか必要性、効率性、この辺りを各事業でそれぞれ数値も使いながらしっかり見させていただき、一定の基準に達していない事業に対しては代表者の方々と様々な会話を行って改善を図っていく、このようなことで評価をしております。
 以上でございます。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。

【長島委員】
 JA共済連でございます。長島でございます。JA共済連といたしましても、これらの実施した取組につきましては、外部研究機関へ委託しまして第三者的な立場からの取組ごとの実施効果を調査あるいは評価を実施しておりますけども、いただきました御意見を踏まえまして、引き続き、適正に評価し、効率的に実施してまいりたいと考えております。ありがとうございました。

【藤田会長】
 よろしいでしょうか。
 そのほか、どの点でも、御意見、御質問等ございますでしょうか。金子委員代理、佐藤副事務局長どうぞ。

【金子委員代理(佐藤)】
 すみません、ちょっと全体を通じてという形になるんですけども、冒頭の料率検証の結果等々にも絡むんですけども、今、世間の物価高騰、こういったところが続いているという中で、保険事業の運用に関わるいろんな企業・団体がいろんな役割を発揮していくためには、適切な費用の確保というのが必要だと考えております。そのような観点で、今、物価上昇等々も踏まえると、いろんな社費の削減みたいなところも含めてやっていくということと、業務の効率化、こういったところが求められると思っております。特に手書き書類の削減だとか、非対面手続によるユーザーの要望というのが年々高まってきていると思っていますので、デジタル化、ここが進んでいく中で、2つ目の項目であった電動キックボード、ここだけではなくて全ての車両が自賠責保険証の証明書のペーパーレス、こういったものについて取り組むことによっていろんな効率化を図っていければなと思っています。行政間での連携を図りながら、やっぱりこのゴール時期を定めるのと、早期にペーパーレス化の実現、ここをお願いしたいと思います。
 また、このような契約や医療手続の簡素化だけではなくて、カメラ映像などの損害調査への警察情報の活用、医療機関等とのネットワークの構築など、行政と業界が連携したこうした取組についてもぜひ進めていただきたいと思います。
 ちょっと全体を通じた発言ということで御了承いただければと思います。

【藤田会長】
 ありがとうございました。ペーパーレス化への取組をぜひ進めてほしいということですが、これは恐らくいろいろなところに関わってくると思います。金融庁、国土交通省及び損保協会、JA共済連、おのおのの立場から、もし何か現段階であればお願いします。次回の審議会でも若干関連することを検討することになりますけれども、もしあればよろしくお願いいたします。

【三浦課長】
 それでは、まず金融庁からお答えいたします。まさに今御指摘ありましたとおり、デジタル化、もちろん、例えばキャッシュレスのさらなる推進、あと手続の簡素化・デジタル化ということにつきましては、保険だけにとどまらず世の中全体の動きだと我々認識しておりますので、当然、保険分野におきましても可能な限りしっかりそういった対応を進めていくというようなことになろうと思います。もちろん、個別個別のパーツにおいては、ここだけはどうしても目検が必要だといったケースはあるかもしれませんが、ただ、そうした中でも、どこまでしっかり対応していくのかということも踏まえまして、基本的には可能な限りデジタルを活用し、効率化していく方向でというふうに進めていくというようなところにつきましては、我々も同じ認識を持っているところでございますので、そういった形でいろいろ検討させていただきたいと思います。
 以上です。

【出口参事官】
 国土交通省でございます。全体もろもろデジタル化・省力化を進めていくべきというのは、おっしゃるとおりかと思います。特にお話しいただいた自賠証ペーパーレス化につきましては、損保協会さんのほうで今進めていただいているということで、随時お話を伺いながら、国の手続についてもどういった形で対応できるかというようなことを関係者の皆様方と日々意見交換させていただいているところですので、引き続き取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

【荒川委員】
 損保協会、荒川でございます。今、金融庁様、国土交通省様のお話のとおりでございまして、関係者そろってしっかり対応していきたいテーマであります。例えば電動キックボードのように、証明書の備付けが難しいような車種も出てまいります。ここは今、スマートフォンでの読み取り・ファイルを保存する仕組みになっておりますので、そういったことも踏まえ、ユーザーの利便性をより高めるべく、しっかりと具体的に対応していきたいと思います。
 以上でございます。

【長島委員】
 JA共済連でございます。今の効率化という点でのペーパーレス・キャッシュレスということで、今後進めていかれるということでございます。特にキャッシュレスにつきましては、共済事業のほうは、次回、規定の変更ということでまた御審議をいただくということで、今後、進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。

【藤田会長】
 どうもありがとうございました。
 よろしいでしょうか。

【金子委員代理(佐藤)】
 ありがとうございます。自動車ユーザーの利便性のみならず、効率的な運用、これによって被害者支援だとか事故防止、こういったものの拡充につなげていきたいと思いますので、引き続きの御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

【藤田会長】
 御意見ありがとうございました。
 そのほか、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議論はこの辺りまでにさせていただきたいと思います。様々な御意見をいただきましたけれども、これらの御意見は今後の運用益の使途等に十分参考とさせていただければと存じます。どうもありがとうございました。
 これで、本日予定しておりました議事は全て終了いたしました。もし全体につきまして何か特段の御発言があればお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、最後に事務局より連絡事項がございますので、よろしくお願いいたします。

【三浦課長】
 それでは、事務的な御連絡になります。次回の自賠責保険審議会でございますが、1月19日(金曜日)の同じく午前10時より、オンライン併用の対面会議にて開催させていただきたいと存じます。委員の皆様方におかれましては可能な限り御出席賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 本日はありがとうございました。

【藤田会長】
 ありがとうございました。
 それでは、これで本日の会議を終了させていただきます。長時間どうもありがとうございました。

以上

 

お問い合わせ先

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監督局保険課(内線:3859、3496、2816)

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