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第152回自動車損害賠償責任保険審議会議事録
日時:令和8年4月17日(金)16時00分~18時05分
場所:中央合同庁舎第7号館 12階 共用第2特別会議室 ※オンライン併用
【藤田会長】
それでは、時間が参りましたので、ただいまより第152回自動車損害賠償責任保険審議会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御参集いただきまして、御礼申し上げます。
今年度はオンライン併用の対面会議とさせていただきます。会議の模様はウェブ上でライブ中継をさせていただいております。
議事録は、通常どおり作成の上、金融庁ホームページで後日公開させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。
まず、今回より本審議会に参加されることになりました委員について御紹介申し上げたいと思います。
全日本交通運輸産業労働組合協議会事務局長、蒔田委員でございます。
【蒔田委員】
よろしくお願いいたします。
【藤田会長】
よろしくお願いします。
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会理事・九州支部長、林委員でいらっしゃいます。
【林委員】
よろしくお願いいたします。
【藤田会長】
よろしくお願いします。
日本損害保険協会自賠責保険特別委員会委員長の水上委員でございます。
【水上委員】
損保協会、水上でございます。よろしくお願いします。
【藤田会長】
よろしくお願いいたします。
同志社大学大学院司法研究科教授の洲崎特別委員でいらっしゃいます。
【洲崎委員】
洲崎でございます。よろしくお願いいたします。
【藤田会長】
よろしくお願いいたします。
東京大学大学院法学政治学研究科教授の後藤特別委員でいらっしゃいます。
【後藤委員】
東京大学の後藤です。よろしくお願いいたします。
【藤田会長】
カメラ撮りはここまでとさせていただきます。報道機関の方は御着席をお願いいたします。
続きまして、事務局からは、金融庁、野崎審議官及び下井保険課長が出席しております。野崎審議官、よろしければ一言御挨拶をお願いいたします。
【野崎審議官】
金融庁の野崎でございます。
本年は、昨年度の補正予算で自動車安全特別会計の一括繰戻しが行われたことなど、周辺環境の変化も含めて、自動車ユーザーの方々の納得感が得られるよう充実した論議を行うために十分な準備を行う必要がありましたことから、例年1月開催させていただいております自賠責審議会につきまして、4月開催に延期させていただいて、本日開催という運びになりました。本日はお忙しいところ、日程を調整いただきまして、本当にありがとうございます。
委員の皆様方には既に御存じのことでございますけれども、自賠責保険、自動車ユーザーの皆さんに御加入が義務づけられる公共性の高い保険でございます。したがいまして、自賠責保険における保険料率の水準は透明性を確保した審議が必要であり、本審議会はその意味でも重要な位置づけにあるというふうに認識しております。
契約者が負担する自賠責保険料は、法令上は、能率的な経営の下における適正な原価を償う範囲内でできる限り低いものでなければならないとされております。これはいわゆるノーロス・ノープロフィット原則と呼ばれるものでありまして、保険料率の改定の要否の判断の前提としていただければというふうに考えております。
本日は、このような観点から深度ある御議論をお願いできればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【藤田会長】
ありがとうございました。
本日の議題としては、自賠責保険料率の検証結果、一般会計からの自動車安全特別会計への繰戻し、料率改定時の新料率適用開始時期の変更を予定しております。
皆様は御承知のことと存じますが、今般、令和7年度補正予算において、自動車安全特別会計から一般会計に繰り入れられていた約5,741億円について、全額の繰戻しを行うことが盛り込まれ、成立いたしました。
後ほど国土交通省から詳しく説明させていただく予定ですが、自動車安全特別会計への繰戻金は、交通事故の被害者支援等に充てられるための財源であり、自動車安全特別会計への繰戻金を活用することにより、さらなる被害者支援の充実が期待されるところです。しかし、自動車安全特別会計の歳出については、特別会計に関する法律により、被害者救済事業等への活用に使途が限定されております。したがって、純保険料や社費など自賠責保険料の引下げ原資として充当することはできない立てつけとなっております。このように、自動車安全特別会計への繰戻金が自賠責保険料の額に影響を与えることは制度上あり得ません。
このように、令和7年度補正予算において繰戻しがなされたことと自賠責保険料の額の決定とは無関係であって、両者は切り離して考える必要がございます。
このような制度的な前提は認識していただいた上で、まず、損害保険料率機構、金融庁から説明していただく純保険料や社費に係る料率検証結果をお聞きいただければと思います。
それでは、まず、自賠責保険料率の検証結果について、実際に料率検証の作業を行った損害保険料率算出機構の川口特別委員に概要を御説明いただき、その後、事務局から補足していただきたいと思います。それでは、川口特別委員、よろしくお願いいたします。
【川口委員】
損害保険料率算出機構の川口でございます。よろしくお願いいたします。それでは、令和7年度の料率水準検証結果等について御説明させていただきます。
今年度は金融庁とも御相談の上、例年説明している料率検証結果に加えまして、近年の基準料率の推移や滞留資金の活用状況、料率を改定することとした場合の改定率の見通しなどを含めまして、資料1を用いて御説明させていただきます。
資料1の1ページを御覧ください。ここは最も契約数の多い自家用乗用車の24か月契約・本土用の基準料率の推移をお示ししております。図を御覧いただきますとお分かりのとおり、2013年度の引上げ改定を最後に、自動車性能の向上による事故率の低下等を背景といたしまして、数次の引下げ改定を実施してまいりました。特に近年では、コロナ禍で人流・物流が大幅に減少したことを背景に、事故が大きく減少したことにより発生した収支の余剰を保険契約者の負担軽減に活用することといたしまして、複数回の引下げ改定を実施してまいりました。
括弧内の数字は純保険料率の予定損害率をお示ししております。一般的には損害率が100%の状態が収支均衡を示すことになりますので、直近の予定損害率133.5%というのは、保険金支払いが収入保険料を約3割超過することを前提とする赤字料率を設定しているということを意味しております。後ほど御説明いたしますが、この赤字部分に滞留資金を充当することでノーロス・ノープロフィットを実現しております。
それでは、今年度の料率検証の結果につきまして、保険会社・共済の経費に充てられる社費、及び保険金支払いに充てられる純保険料率の順にそれぞれ御説明いたします。
2ページを御覧ください。社費の計算基準につきましては、昨年の当審議会での論議を踏まえまして見直しが実施されましたので、まずは、社費水準の検証結果につきまして御説明いたします。
現行料率の社費水準は前回2023年度の料率改定時に設定されたものでありますが、これは当時の2021会計年度の支出社費等の実績に基づき算出された水準であります。
中段の社費収支の推移を御覧いただきますと、支出社費は2022年度以降増加傾向にありまして、収入社費を上回る状態が継続しております。これは下段の参考1及び2にお示ししているように物価・賃金が上昇していることによるものでありますが、それに加えまして、自賠責保険の契約管理システムであるOne-JIBAIの開発などのシステム費用の増加も一因となっております。
一方、直近、2024会計年度の支出社費につきましては、2023年度よりも減少しておりますが、これは保険会社等の支出社費を把握するための経費計算基準が見直され、デジタル活用等、保険会社の業務効率化の効果が支出社費に反映されるようになった結果と理解しております。
しかしながら、社費の収支に関しましては、物価・賃金上昇等の継続によりまして、上段の表の収支残に記載のとおり、2024会計年度の収支は80億円の赤字でありまして、依然として支出が収入を上回る状態は解消されておりません。
続いて、3ページを御覧ください。こちらは自賠責保険・共済の運営に要した全事業者の社費・経費の収支の推移を示したものであります。社費水準は、収支の過不足、累計収支残の蓄積状況、インフレ等の影響を勘案して設定することになります。
自賠責保険料率は、社費についてもノーロス・ノープロフィットの原則に従いますので、累計収支残が黒字であれば社費水準を引き下げ、赤字であれば社費水準を引き上げることで、収支均衡を図ることになります。
2024会計年度では、支出社費は経費計算基準の見直しにより前年度より減少しておりますが、収支は依然として赤字であることから、累計収支残の赤字は増加しております。すなわち、社費については収入が不足する状況となっております。
なお、代理店手数料につきましては、資料上には記載はございませんが、社費と同様に賃金・物価上昇の影響を受けて収入が不足しているものと見込まれます。
続いて、4ページを御覧ください。こちらは、現行純保険料率水準が2023年度に設定されたときの前提をお示ししております。純保険料率の水準は、ノーロス・ノープロフィットの原則に従いまして、収入純保険料と支払保険金が収支均衡するように設定されております。
実際には、料率改定時までに蓄積されてきました保険料運用益と過去契約分で発生した収支の余剰額の累計であります滞留資金も、契約者負担の軽減に用いることとされておりますので、収入純保険料に充当する形で織り込まれております。
具体的には、2023年度に改定された現行料率では、2022年度末の滞留資金7,239億円が収入純保険料の一部に充当されており、5年間でその全額を保険契約者に還元することとされております。その結果といたしまして、現行料率の予定損害率は133.5%に設定されておりまして、滞留資金を除けば、保険金支払いが収入純保険料を上回る赤字料率となっております。
この前提を踏まえまして、純保険料率水準の検証結果につきまして御報告いたします。
5ページを御覧ください。こちらは2025年度の純保険料率水準の検証結果となります。2025契約年度及び2026契約年度の損害率は、それぞれ128.7%、127.3%と見込まれます。いずれも前回改定時に前提としていた予定損害率133.5%を下回っております。支払保険金が収入純保険料を上回るため、収支残は赤字であるものの、収支は当初の見込みよりも良好に推移していると言えます。
具体的には、2026契約年度では、損害率が4.6%ほど予定損害率を下回っております。その要因を事故率と平均支払保険金に分けて考察いたしますと、事故率の減少がなだらかなペースで継続しており、前回改定時の予測よりも6.6%下振れしております。これは先進安全技術の普及等により減少傾向が続いていると考えられますが、従前に比べますと減少の幅は少なくなっているという状況でございます。
他方、平均支払保険金は2%上振れしておりますが、これは治療費の増加によるものと考えられます。
続いて、6ページを御覧ください。こちらは滞留資金の取崩し状況をお示ししております。先ほど御説明したとおり、前回改定時に存在していた滞留資金残高7,239億円は、収支均衡期間の5年間で契約者に還元するものとして純保険料の赤字補填に使用されておりまして、その取崩しが年々着実に進んでおります。
2023年度以降に発生した収支改善に伴う余剰や運用益もありますが、これらを上回る金額で契約者還元が行われている結果、滞留資金の残高は、資金運用益等の状況にもよりますが、毎年度約1,000億円のペースで減少してきております。結果といたしまして、足元の2025年度末では、滞留資金として5,215億円が見込まれているところであります。
なお、2023年度以降に発生した収支改善に伴う余剰や運用益につきましては、「参考」に記載した棒グラフのオレンジ色の部分でありますが、こちらは料率改定時に活用することになります。
続いて、7ページを御覧ください。ここでは、これまで御説明いたしました損害率の改善と滞留資金の取崩しによる純保険料率への影響につきまして、2026年度に改定を行うと想定した場合のイメージをお示ししております。
現行、純保険料率における予定損害率は133.5%で設定しておりますが、5ページで説明しましたとおり、2026契約年度の損害率は127.3%となることが見込まれます。これにより純保険料率には6%程度の余剰が生じておりまして、引下げ余地があります。
他方、純保険料率の赤字部分に充当する滞留資金残高は、6ページで御説明のとおり、2025年度末時点で5,215億円と見込まれます。これは現行料率の算出時に使用した滞留資金残高7,239億円と比べますと、約2,000億円少ない金額となっております。契約者に還元するものとして赤字補填に使用可能な金額が前回の改定時より少ない結果、純保険料率で収支均衡を図るためには9%程度の引上げが必要になるところであります。
これらの両者を合算いたしますと、純保険料率は平均で3%程度引上げが必要となる見込みです。なお、社費等の付加保険料率を含む基準料率ベースの引上げ幅につきましては、次の8ページにまとめてお示ししておりますので、8ページを御覧ください。
こちらは金融庁からの御要請を受けまして、今年度検証結果に基づいて料率改定を行う場合と、改定を次年度に繰り越した場合につきまして、おおよその改定率を試算したものであります。まず、2026年度に改定を実施するとした場合でございますが、基準料率全体では、全車種平均で6%程度の引上げが見込まれます。
次に、2026年度の改定を見送り、来年2027年度に改定を実施するとした場合につきましては、料率に影響する主な要素といたしまして、損害率、適用利率、物価・賃金上昇率が考えられますので、それぞれ3パターンの前提を置いて、おおよその見通しを試算いたしました。
その結果、3つの要素がいずれも真ん中の②となるシナリオで見たときには、基準料率は9%程度の引上げが必要となる見込みであります。それ以外のシナリオにつきましては、最も楽観的なケースで7%程度、悲観的なケースでは12%程度の引上げが必要という結果になりました。これはあくまでも概算ではございますが、引上げ率は高まる結果になるものと見ております。
私からの説明は以上です。
【下井保険課長】
ありがとうございました。金融庁の保険課長の下井でございます。続けて事務局より、今の損害保険料率算出機構の川口委員から説明がありました事項をまとめさせていただきたいというふうに思います。
まず、1ページ目でございますが、自賠責保険料は2013年以降、事故率の低下を背景として引下げ改定を続けてきておりまして、10年前と比較しますと、24か月の普通自動車では1万円近くの引下げが行われている形になっております。
また、前回の2023年改定時におきましては、直前のコロナ禍における収支の余剰、いわゆる滞留資金を全額ユーザーに還元する形で保険料の設定がなされておりまして、純保険料は大幅な赤字料率という形になっております。このような中、今年度の損害保険料率算出機構の検証において確認しましたところ、純保険料、社費、代理店手数料のいずれにつきましても収入が不足する状況が判明したというところであります。
その主な要因としましては、純保険料に関しては、事故率が下げ止まりつつある状況において、診療報酬に連動した診療費の増加による保険金支払い単価が上昇していること、また、付加保険料に関しては、保険会社・共済等における賃金・物価の上昇により自賠責制度運営に係る事務コストが増加していること、そういったことが挙げられております。
こうした物価高の状況につきましては、来年度以降に大きく状況が改善する蓋然性は低いというふうに考えられるところであります。その上で、今年度改定を行うとした場合、6%程度の引上げを要するとの結果になるとの報告でありました。
なお、昨年度、日本損害保険協会におきまして経費の計算方法の見直しを行ったところでありますが、仮にこの見直しがなかった場合には9%程度の引上げ幅となっていたことが試算されておりまして、経費の計算方法の見直しを行ったことで引上げ幅を圧縮する形になっております。
さらに、損害保険料率算出機構におきまして、来年度に改定を先送りする場合のシミュレーションも行っておりまして、今年度分の不足額が上乗せされることとなりますので、先送りをするとユーザー負担の増加につながる蓋然性が高いといった試算結果の報告もありました。
以上より、なるべく早く、早期の改定が望ましいと考えられまして、法令に定めるノーロス・ノープロフィット原則に基づきまして、今年度、引上げ改定を行うことを提案させていただきたいと思います。
事務局からは以上でございます。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
続きまして、一般会計からの繰戻しについて、忍海邊参事官から御説明をお願いします。
【忍海邊保障制度参事官】 国土交通省物流・自動車局保障制度参事官の忍海邊でございます。それでは、資料3、一般会計から自動車安全特別会計の繰戻しについて御説明をさせていただきます。
1ページ目をお願いいたします。平成6年度及び7年度に、当時の財政事情の悪化を理由といたしまして、自動車安全特別会計から一般会計に約1兆1,200億円が繰り入れられておりました。国土交通省といたしましては毎年着実な繰戻しを求めておりましたが、このたび令和7年度補正予算におきまして、一般会計から自動車安全特別会計へ残額である5,741億円の全額繰戻しが実現したところでございます。
今回、全額繰戻しが実現されたことにより、自動車安全特別会計の財政基盤が強化され、将来にわたって本事業を安定的に継続して実施するとともに、より一層の事業の充実を図ることができるものと考えております。
次のページをお願いいたします。こちらの資料では、自賠責保険料負担金、また繰戻しの関係を整理しております。自賠責保険料は、純保険料、社費等により構成され、保険会社・共済を通じて交通事故被害者に対し保険金が支払われるものでございます。こちら緑のところに賦課金がございますが、賦課金は被害者保護増進等事業、また無保険車等による交通事故被害者への損害の填補に充てられるものでございます。
一般会計からの全額繰戻しにつきましては、平成13年度法改正によりまして、被害者支援等に充てられるための財源とされているところでございます。右のフロー図に具体的に示しておりますが、特別会計に関する法律により歳入・歳出が区分管理されており、特別会計による事故対策勘定の歳出は、被害者救済事業等に限定されているところでございます。
被害者保護増進等事業の内容につきましては、第153回の自賠責審議会で改めて御説明させていただきますが、事業の安定的かつ継続的な実施が必要であります。
次のページをお願いいたします。自動車事故被害者の救済等のため、国交省では、法定計画である「被害者保護増進等事業計画」に基づき被害者保護増進等事業を実施しております。各事業は有識者・関係団体の委員により構成される「被害者保護増進等事業に関する検討会」において、事業内容、年度ごとの効果検証等の報告を実施しております。
スケジュールを記載しておりますが、今年度は、令和9年度から13年度の次期5か年計画の内容、また、財源構成とありますが、運用益、賦課金等の財源構成の整理等について御議論をいただく予定でございます。
第1回の検討会を来週24日に開催いたしまして、11月を目処に財源構成の整理を行い、来年1月を目処に次期計画の取りまとめを実施する予定でございます。
次のページをお願いいたします。令和7年度補正予算で措置された全額繰戻しにつきまして、自動車ユーザーの皆様に正しく御理解をいただくために、国土交通省の自賠責ポータルサイトにおいて特設ページを掲載しております。ポータルサイトのトップページに特設ページを設け、全額繰戻しに関する説明、また被害者保護増進等事業の内容等を分かりやすく記載しております。こちらは3月末にアップしておりますので、ホームページでぜひ御覧いただければと存じます。
今後も引き続き、自動車ユーザー等への周知等につきまして、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
国土交通省からの説明は以上でございます。
【藤田会長】
ありがとうございました。
それでは、これまでの報告を私のほうからまとめさせていただきます。
まず、一般会計からの全額繰戻しについては、あくまで被害者救済事業に充てられる自動車安全特別会計に戻されるものですので、この特別会計の歳出については、特別会計に関する法律によって被害者救済事業等への活用に限定されており、自賠責保険料の引下げ原資として充当することはできないことになっております。
その上で、純保険料や社費などのいわゆる自賠責保険料は、ここ数年、引下げ改定を続けてきたところでありますが、昨今の賃金・物価の上昇や保険金支払い単価の増加などを受けて、引上げの必要性があるという御示唆がありました。また、来年に引上げを先送りしますと、将来の改定において今年度分が上乗せされることになりますので、ユーザー負担が増加することになってしまうというシミュレーションも示されました。
なお、繰戻しの使途につきましては、今後、有識者を交えた検討会の中で議論されることになります。その中で、自動車安全特別会計の財源である賦課金の水準についても別途検討がされるとのことでした。
以上の報告を踏まえまして、ここから議論に移りたいと考えております。ただいまの御報告につきまして、各委員の皆様から御意見や御質問を受けたいと思います。特に、今年度引上げ改定を行うべきか否かについて御意見を伺えればと思っております。
初めに、宮木特別委員は本日御欠席となっておりますが、説明資料について特段異議がないという旨を事前に伺っておりますので、その旨お伝えさせていただきます。
それでは、御意見、御質問のある方は挙手をよろしくお願いいたします。細川委員、お願いします。
【細川(秀)委員】
日本医師会の細川でございます。本日の報告について、日本医師会からも少し御意見、それから、あと、日本医師会から少し要望も含めてお話をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
まず、一般会計からの繰入れ・繰戻し及びその使途に関する御報告につきましては、自動車ユーザー等への周知活動を含めて、引き続き適切に御対応いただきますよう、よろしくお願いいたします。
また、本題であります料率検証結果を踏まえた基準料率の改定につきましても、事務局のとおり進めていただくことが適当であるというふうに考えております。また、時期に関しても、なるべく早く、周知活動を含めまして、早い時期にしていただければと思います。
あと、先ほど申し上げた日医からの要望でございますが、毎年少し話をさせていただいております5つの検証事項及び適正化に関する要望について、改めて少し意見を述べさせてください。
まず、物件事故による自賠責の支払いの検証、自賠責保険における柔道整復施術費の適正化、支払い限度額の120万円の検証、それから、社会保険の利用の実態、この4点につきましては検証をお願いしたいと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。
続きまして、自賠責における診療費基準の制度化に向けた動きについてでございますが、令和7年度の取組状況に関して少し御報告させていただきます。
当基準に関しましては、昭和59年の当審議会の答申におきまして示されているとおり、全国的に浸透・定着した段階で制度化を図るということを最終目標としているということでございます。御周知のとおり、本基準に関しては現在、自由診療の下で運用されているため、医療機関ごとの違いにより被害者負担に不均衡が生じる懸念というのがございます。
医療機関が統一的に当基準にて請求するということになりますと、交通事故被害者の不利益が解消されまして、公平性や透明性の確保が可能になるかと考えております。しかしながら、現時点の全国的な医療機関の採用率に関しましては、約6割にとどまっておりまして、統一化に向け、関係者が一層結束して普及促進を図る必要があると考えております。
また、国が推進する医療DX政策によるデジタル化・標準化の流れも踏まえて、制度化への迅速な対応が求められているところでございます。
こうした背景を踏まえまして、一昨年から国土交通省、金融庁の御理解と御協力の下、日本医師会、日本損害保険協会、損害保険料率算出機構と共同で都道府県医師会の自賠責保険担当理事に向け連絡協議会を開催して、さらなる周知、協力依頼をしております。令和7年度に関しても11月に開催させていただきました。
今回の協議会では、既に取りまとめております当基準の実態調査の結果を基に、浮かび上がってきた2つの課題について協議いたしました。
1つ目に関しましては、当基準の認知度が依然として十分でないことが明らかとなりました。このことから、さらなる周知活動のお願いについてでございます。
2つ目に関しては、当診療基準が複雑であるために採用をためらう医療機関が見受けられることが明らかになったことから、レセプトコンピューターに標準的に導入するなど周辺環境整備の必要性についてでございます。
特にレセコン環境の整備につきましては、協議会の開催に当たっての下準備として、厚生労働省の診療報酬改定医療DX推進室と意見交換を行い、当基準を標準算定モジュールに参画できないか、また、そのための条件、今後の対応方法などにつきまして意見交換を実施しておりましたので、都道府県にも共有したところでございます。引き続き、こうした取組を通じて、当基準の普及に努めてまいりたいと考えております。
国土交通省、金融庁におかれましては、自賠責版標準算定モジュールへの導入検討をはじめ、制度化に見据えた当基準のさらなる推進に向けての御理解と御協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
日本医師会からは以上でございます。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
報告につきまして、繰戻しについてユーザーへの周知をお願いしたいという要望がございました。また、料率につきましては、事務局からの提案に御賛成との御意見もいただきました。その後、実施時期についてできるだけ早くとの御意見をいただきましたが、この点につきましては、後ほど、別途議論させていただくことになります。
その上で、自賠責診療報酬基準案の普及に向けた取組について御報告がいただきました。詳細な御説明ありがとうございました。また、4点ほど、例年のことですけれども、検証の御要望が、お願いがございました。
これらの検証のお願いにつきましては、国土交通省、金融庁の順で、もし何かございましたら御説明お願いできればと思います。
【忍海邊保障制度参事官】
国土交通省でございます。
細川委員、御報告いただきましてありがとうございました。まず、全額繰戻しを踏まえたユーザーへの周知、こちらはしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
また、自賠責保険診療費算定基準のお話がございました。国土交通省といたしましては、自賠責制度の適切な運用に努めているところでございまして、自賠責保険診療費算定基準に基づく診療が行われることは、被害者の負担を適正な範囲に抑えるという観点から望ましいものであると考えております。
自賠責保険診療費算出基準の制度化を検討するに当たりましては、先ほど細川委員からも認知度のお話もございましたが、全国の医療機関におきまして一定の普及が図られる等、制度の一層の周知が必要と認識しております。また、医療DX化のお話もございましたが、こちらは医療機関が自賠責の請求をするに当たっての迅速化・効率化にも資するものと考えております。
引き続き、厚労省また金融庁などの関係省庁、関係機関と連携しながら、実効性のある取組の仕組みの在り方につき議論してまいりたいと考えております。
国土交通省からは以上でございます。
【下井保険課長】
金融庁でございます。御報告ありがとうございます。
金融庁としましても、交通事故における自由診療において、診療報酬基準案を用いて医療機関が請求をして、保険会社が支払うことで、保険料の過度な高騰を抑制することにつながっているといった認識をしております。そのため、医療機関におきまして同基準案を用いた請求が広がっていくということは、金融庁としても望ましいというふうに考えており、日本医師会を中心に、引き続き同基準案の普及に努めていただければというふうに考えておるところでございます。
その上で、今後の保険会社の支払い面における同基準の制度化に当たりましては、被害者保護の観点から、制度化を推進するに当たって十分な水準にあるかについて、例えば、請求件数全体に占める同基準案を超える請求を行っている件数が何割を占めるかなど、定量的な数値も見ながら検討を進める必要があるというふうに考えております。
こうした観点も踏まえまして、関係省庁、関係機関とも連携して議論を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
金融庁からは以上でございます。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
細川委員、よろしいでしょうか。
【細川(秀)委員】
御丁寧な御回答ありがとうございます。今後また、ぜひ、制度化に向けて、それから、に関してよろしくお願いします。
以上です。
【藤田会長】
ありがとうございました。
それでは、ほかの委員で御意見、御質問がある方、よろしくお願いします。京井委員、お願いします。
【京井委員】
失礼いたします。いのちのミュージアムの京井でございます。本日は料率と繰戻しの丁寧な御説明をいただきまして、ありがとうございます。
私、いのちのミュージアム、交通遺族の当事者の団体としてお話をさせていただきますと、料率の件に関しては、ユーザーの負担が今後大きくなるので、引上げはしょうがないなと思っています。ただし、交通事故が減っているという現状で、どうしてかという、一般の国民の方たち、私自身はこういう席に座らせていただいていますので納得はするんですけれども、国民の一般の方たちはどうしてというのがあると思いますので、その辺理解していただくための丁寧な周知というのが必要ではないかなと思っております。
そして、繰戻しの件です。これは被害者の支援でないと使えないということですので、本当に私たち当事者団体はありがたいと思っています。その中で、この検討会のほうの、検討会委員のメンバーなんですが、有識者、本当にいろいろな角度から考えていただいてありがたいなと。自動車ユーザー団体様に入っていただいて。ただし、被害者団体のほうが、見ていただくように、関東交通犯罪遺族の会1団体なんです。あと障害のほうで。確かに障害の方たちは、これから生活していくためとか、あと、それを支える御家族のこととかありまして、団体がしっかり入っていただくというのは必要です。遺族のほうももう一団体、今後、入れていただくことを考えていただければと思います。
あと、私は山口で地方ですので、地方では必ず車が必要なんです。その中心だけではなく、地方の声も上げていただけるような被害者団体の選択ということもしていただければと思います。
以上です。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
最後の要望につきましては、国土交通省のほうから御返答をお願いします。
【忍海邊保障制度参事官】
国土交通省でございます。
京井委員におかれましては、先日、「いのちのミュージアム福井」でのパネル展示、先ほど申し上げたホームページの内容をパネルにしていただき、御周知いただきまして、大変ありがとうございました。引き続き、国交省といたしましても様々な場面で周知を図ってまいりたいと考えております。
被害者保護増進等事業の委員の皆様につきましては、遺族団体の方、また、障害の種別によりまして、被害者団体の方に委員になっていただいているところでございます。もう一団体、また、地方の声も入れていただきたいというお声を頂戴いたしましたので、今後、被害者保護増進等事業の検討会の委員の選定等におきまして、今回の御意見も踏まえて検討させてまいりたいと思っております。
【藤田会長】
よろしいでしょうか。
それでは、続いて、オンラインで参加の後藤委員から御意見、御質問お願いいたします。
【後藤委員】
御説明どうもありがとうございました。今日この後、別の予定で早めに退席しなければいけないので、この時点で意見を申し上げさせていただきます。
御説明いただいた基準料率の改定の件なのですけれども、一般会計からの繰戻し分は今回のこの部分には考慮には入れないという前提に立ちますと、今回改定をしないと、1年先送りすることによって、さらに引上げ幅が大きくなるということが懸念されるということですので、できるだけ急激な変化をなくすという観点からは、今回御提案のように引上げをしていただくのがいいのではないかというふうに思っております。
以上でございます。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
続きまして、オンラインの参加の麦倉委員からお願いいたします。
【麦倉委員】
ありがとうございます。関東学院大学の麦倉です。御説明ありがとうございました。
国土交通省のほうからも周知等についてお話がありましたが、賦課金の金額について改めて確認をさせていただきたいというふうに思います。賦課金の考え方についてですね。今回、繰戻しが行われたということは非常に歓迎すべきことなんですけれども、これが賦課金の金額の変更を促すような、そういう根拠として受け止められることがないように、理解の周知ということを徹底していただきたいと思います。
御説明の中にもあったように、現在、療護センターの建て替えという直近の課題に加えて、介護者の方たちの高齢化の問題というのも非常に著しいところがございます。加えて、物価の高騰という現在の状況を鑑みれば、被害者対策に係る資金というところでは、資金がむしろ増加するということが見込まれているところです。
現時点で、賦課金水準というのを繰戻しがあったにしてもきちんと維持していくということは、事業の安定性を維持する上で非常に大切だというふうに考えています。これらの事業というのは、自動車事故によって重大な被害を受けた人たちのまさに生命の存続の可能性であり、例えば、遷延性意識障害の方に対する入所支援、短期入所、短期入院等々、あるいは高次脳機能障害の方たちのための社会復帰の支援、それから重度脊髄損傷を負った方のリハビリテーションを目的とする入院に関する事業、それぞれありますけれども、本当に確実な成果を上げていて、当事者の方たちの安心のよりどころというふうになっていると、様々なところから非常に肯定的な評価を聞いているところであります。ぜひこれを維持していただきたいというふうに思っています。
この賦課金の導入に関しては、自動車事故対策勘定の在り方に対する検討会が行われ、その中で導入されたことですけれども、安定財源として位置づけられたところでありますが、外部環境の変動に左右されにくいこと、現在、お話のあった運用益等々の増減が仮にあったとしても、そこからは影響されないようなものとして位置づけられていますので、こうしたところをきちんと自動車ユーザーの方々に周知というものを徹底していただきたいというふうに考えております。
以上です。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
主として賦課金についての御要望、御意見だったと思いますが、国土交通省からもし何か現段階でお伝えすべきことがあればお願いいたします。
【忍海邊保障制度参事官】
国土交通省でございます。麦倉委員、ありがとうございました。
賦課金につきましては、令和4年の法改正におきまして、当時の積立金を取り崩して財源を確保していくことは持続可能でないという背景を踏まえまして、将来的な積立金の枯渇が懸念されていた状況で、新財源として賦課金を拡充するという形で導入された経緯がございます。
今回の全額繰戻しにつきましては、財政基盤の安定化というところもございますし、麦倉委員がおっしゃっていた被害者保護増進等事業の充実について、様々な環境変化、物価高騰等や、療護センターの建て替え等の課題に対応していかなければいけませんので、内容・規模につきましては、来週第1回が行われますが、「被害者保護増進等事業に関する検討会」の中で、委員の皆様から御意見をいただき検討してまいりたいと考えております。
その上で、賦課金についてどの程度の水準が適当なのかというところは、事業規模、また、委員の皆様のお考えもあろうかと思いますので、国交省としてしっかり整理してまいりたいと考えております。
以上でございます。
【藤田会長】
よろしいでしょうか。
【麦倉委員】
はい、結構です。ありがとうございました。
【藤田会長】
ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。大野委員、お願いします。
【大野委員】
弁護士の大野と申します。お世話になっております。
本日御説明いただいた検証結果等の2ページ、3ページに社費についての記載がある状況でして、2024年度においても、経費計算基準の見直しにより支出社費は減少したものの、依然として赤字であるということが記載いただいておりますが、今後の見通しというか、来年度以降の見通しで、さらに社費が上がるのか、また、そういった社費の増加があるかないかといったことについて、今回の料率改定に反映されているのか、いないのかということについて、あまり記載がないような気がしていましたので、今、御説明いただけることがありましたらばお伺いしたいと思いましたが。
【藤田会長】
社費のことですので、損保協会からもし可能でしたら御返答をお願いできますでしょうか。
【水上委員】
御質問ありがとうございます。損保協会の水上でございます。経費に関する状況について、今後の見通しというようなお話がありましたので、その点について触れさせていただきます。
現段階で、現在の経費、これは損保協会の経費基準にのっとって適切な運営、低減に努めております。昨今の関係で言いますと、システムに関する投資、One-JIBAIですとかこういったところへの投資も進めておりますが、こういった中で、非対面の手続ですとかキャッシュレス、ペーパーレス、こういったことを今現在、協会として進めております。
こういう内容を進めていくことによって、お客様の利便性、そして、かつ、自賠責で、これまでは代理店が対面で手続して、実際に金額を回収して、それを振り込むというようなこともやってきておりましたが、そういう内容につきましても、非対面のお客様が個人で手続をできるようになると、こういったことに関わる経費の削減といったものができるようになるというふうに考えております。
改めてまた、キャッシュレス、ペーパーレスといった自賠責のオペレーションを続けるに当たっての手続の簡素化、こういった点でも最終的な社費、経費の削減に努めている、寄与するというふうな状況にあると思っています。損保協会といたしましても、実際、契約1件当たりの支出社費の推移ということで申し上げますと、2000年度対比で約13%減少しておりまして、中長期的に社費の効率も図れているというふうに評価しております。
今後も、保険会社代理店による業務効率化を推し進めるとともに、業務プロセスの進展、こういった点を適時適切に自賠責の経費に反映できるように努めていきたいというふうに思っております。
私からは以上でございます。
【藤田会長】
ありがとうございました。大野委員、よろしいでしょうか。
【大野委員】
ありがとうございます。
また、今お伺いした社費の状況、赤字が近年続いているということにつきましては、今回の料率改定により何か改善される見通しというのはあるんでしょうか。それはあまり考慮されていないということなのかちょっとよく分からなかったので、御教示いただければと思います。
【藤田会長】
これは川口委員から御返答お願いできますでしょうか。
【川口委員】
料率算出機構の川口でございます。
私どもは新しい経費計算基準に基づいて各保険会社・共済さんから報告を受けた社費に基づいて検証をしておりまして、次回のこの審議会で改定をもしするとすれば改定率をお示しすることになりますけれども、現状赤字ということは、ノーロス・ノープロフィットの原則に基づきましてこの先の社費の部分も引上げになりますので、それによって少しでもこの赤字が縮小していくような、あるいはゼロになるような、そういう形での料率設定をしてまいる予定でございます。
【藤田会長】
ありがとうございました。大野委員、よろしいでしょうか。
【大野委員】
承知いたしました。ありがとうございます。
【藤田会長】
蒔田委員、お願いします。
【蒔田委員】
交運労協の蒔田と申します。よろしくお願いいたします。
私の立場から、交通運輸・観光サービス産業に働く仲間、労働組合の立場から2点御要望させていただきます。
まず、既に過ぎてしまったことですので、今さらと言われれば仕方がないのですが、2022年度に初めて収入を支出が上回ってということで、社費に関係することで御報告を受けました。その後、上回った状況が続いたにもかかわらず、この基準料率の推移を見ると、2023年度以降、今まで料率の改定が行われずに、2026年度の今になって引き上げなければならないことを鑑みますと、やはり2023年度以降、機敏に対応していくことが必要ではなかったのかと指摘せざるを得ません。
以上を踏まえて、今後、時々の時勢により、必要に応じて機敏な料率改定を検討されるように要望をいたします。
次に、私たち交通運輸・観光サービス産業のうち、とりわけトラックの産業においては、2024年問題に端を発しまして、国にはその対策としてトラック適正化2法をはじめ様々な法改正を成立しながら対策を講じていただいており、やっとこの4月にスタート地点に立ったばかりの今、そして、バス事業やハイタク事業においても担い手不足が厳しい中、中東の情勢不安による燃油費高騰に併せて、供給不足も相まって、さらなるこのたびの自賠責保険料率改定になると、荷主や利用者に十分に運賃の転嫁をできず、今にも増して厳しい状況に置かれることが想定をされます。
待ったなしの状況であれば致し方ないのですが、可能であれば、荷主や利用者への運賃転嫁のスピードと連動させながら、段階的な料率改定をするなどソフトランディングさせて取り扱うなどの対応を、今の段になって厳しいこととは思いますが、御検討いただくようにお願いしたいと思います。
最後になりますが、社費や料率改定の試算の基になる賃金引上げについては、労働組合の立場から否定するものではないことを申し上げて私からの発言とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
【藤田会長】
ありがとうございました。
ただいまいただいた要望につきまして、可能でしたら、金融庁のほうから御返答をお願いできますでしょうか。
【下井保険課長】
金融庁でございます。蒔田委員、御意見、御要望ありがとうございます。
料率の設定の仕方というところでございまして、収入と支出を見て、機敏に引上げ・引下げをすべき、という御意見と理解しました。2ページ目、損害保険料率算出機構からの説明の中で、2022、2023年度頃から収入と支出が赤字になっているというところでございます。
他方で、損害保険料率算出機構からも御説明がございましたけれども、2021年度までの間、コロナ禍以降の事故率の減少による余剰分、いわゆる滞留資金が生じている。2022、2023年につきましては、そういった滞留資金を使うことによって収支の状況についてノーロス・ノープロフィットを実現していた、というところでございますので、その時点での引上げの必要性というのは無かったというふうに理解してございます。
それが先ほどの御説明の中にもございましたように、そういった滞留資金を使っても足元赤字が見込まれるという時点で引上げが必要、これはこれまで審議会においてとられているノーロス・ノープロフィット原則の考え方であり、その時点で引上げの必要性があればその時点で引き上げる、そういった意味で、機敏に対応しているというところでございます。
【藤田会長】
よろしいでしょうか。
そのほか。それでは、寺田委員、お願いいたします。
【寺田委員】
福島学院大学の寺田です。過不足のない説明をいただきまして、ありがとうございます。結論としては、過去の決め方からして、今回の改定といいますか、引上げの検討をしていただくことに賛成します。
その上で、今申し上げるのがいいのか、あるいは別な機会がいいのか分からないんですけれども、京井委員から言っていた周知というか、透明性のほうの問題は多少感じました。例えば、ノーロス・ノープロフィットというのもそのとおりだとは思うんですが、ただ、公共料金など一般には、収支均衡といっても、その先、もう少し進んだ説明が含まれるのが普通だと思います。
自賠責保険料については、昨年度というんですかね、前回、共通費の配賦等について大分整理していただいて、その辺りは透明化が進んだと思うんですけれども、ただ、依然として、ほかの公共料金のような説明をしていただくという必要、公共料金じゃないのかもしれませんが、例えば高速道路の通行料金とか、ユーザーの方から見て、普通、頭の中そういうふうに整理しているというものにある程度合わせて料金について説明していただくということが長期的には好ましいのではないかというふうに思います。
以上です。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。今回の改定提案自体は賛成だけれども、ユーザーの理解・納得が得られるような、透明性があるような料率についての説明の仕方を考えてほしいということでしょうか。
【寺田委員】
はい、そうです。
【藤田会長】
もし可能でしたら、金融庁のほうから御返答をお願いいたします。
【下井保険課長】
金融庁でございます。寺田委員、御意見ありがとうございます。
透明性の問題、周知の必要性、非常に重要な点というふうに思ってございます。私どもの説明の中では、ノーロス・ノープロフィット原則による料率決定の仕方を説明させていただいたところでございます。先ほど、京井委員からもございましたように、今回、料率の引上げになるわけでございますので、ユーザーに対する負担というものがございます。
そういった意味で、どういった過程でこの料率が決定されていくのか、そういったところについてしっかりと説明していく必要があるというのは仰るとおりだと思ってございます。私どもとしましても、今回、損害保険料率算出機構が様々な試算を置いて説明をしたところでございますけれども、周知、透明性の点については、さらに向上を図っていきたいというふうに思ってございます。何か御指摘の点がございましたら、その点もさらに踏まえて進めていきたいというふうに思ってございます。
【藤田会長】
よろしいでしょうか。
【寺田委員】
ありがとうございます。
【藤田会長】
そのほか御意見、御質問等ございますでしょうか。洲崎委員、お願いいたします。
【洲崎委員】
同志社大学の洲崎でございます。御丁寧に御説明をいただきましたので、料率改定の必要性について、多分私なりに理解できたとは思うのですけれども、念のためにちょっと確認をさせていただきたいと思います。
2022年度末の時点で7,239億円滞留資金が見込まれたので、それを5年間で契約者に還元する、毎年1,450億円弱の資金を保険料に充当することになり、この5年間は予定損害率133.5%ということですから、多分3割近く保険料が安くなったのかなと思います。
ところが、この2022年度に定められた形で2027年まで5年間、丸々1,450億円ずつ使っていくと、その5年間は非常に保険料が安くて済むのだけれども、それを使い切った2028年度におそらく一挙に保険料が上がってしまうということが見込まれるので、そういう激変が生じないような形で、今、保険料を見直したほうがいいんじゃないかという、実質はそういうことなのかなというふうに理解したのですけれども、そういう理解でよいのかどうか。
仮にそうだとすると、2028年度に一気に保険料が上がるということで、自動車ユーザーの納得が得られるかというと、かなりそこは難しいように思いますので、今の時点で保険料を見直して、1,450億円の使用を多少後ろ倒しにするというのがそれなりに合理的なやり方なのかなというふうに思っております。
先ほどのような私の理解でよろしいのかどうかということでお教えいただければと思います。
【藤田会長】
それでは、川口委員から、今の点について御説明といいますか、御確認をお願いいたします。
【川口委員】
洲崎委員、ありがとうございます。基本的な御理解は、激変を避けるという点については、まさにそのとおりでございます。
先ほどの資料1の6ページにございますように、滞留資金が5年後ゼロになるかというと、実は、前回の改定後に発生したこのオレンジ色の部分、こちらは滞留資金としては今後まだ使えますので、今回、これを使った上で改定すれば激変緩和になるということは御理解のとおりでございます。ゼロにはなっていないという、そういう状況でございます。
【藤田会長】
一応、以上のような確認でよろしいでしょうか。
【洲崎委員】
そうですね。ただ、1,450億円を27年度末まで全部使い切ってしまうと、新たな滞留資金はあるとしても、やはり激変は生じてしまう、そういう理解でよろしいでしょうか。
【川口委員】
御理解のとおりで、滞留資金はそれほど多く発生しないと見込まれますので、当時の7,239億円に比べますと、激変になるというおそれがあるというふうに考えております。
【藤田会長】
ありがとうございました。よろしいでしょうか。
先ほど蒔田委員から激変緩和措置ということが言及されましたけれども、まさに今回の提案そのものが激変緩和措置なんだということで御理解いただければと思います。
ほかにどなたでも御意見、御質問ございますでしょうか。オンラインの林委員、お願いいたします。
【林委員】
林でございます。今回から参加させていただいております。日本消費生活アドバイザー・コンサルタント相談員協会というところの、NACSと短く言いますけれども、そこからの委員でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私からは1点意見と、もう一点質問がございます。
まず、1点目は、今日の御説明で、事故率が下げ止まっていること、それから、改定を来年に引き延ばすと非常にインパクトが深いということで、今年少し改定をするということで、そこは異論がないところでございます。クリアに説明いただいておりますので、異論はございません。
ただ、もう一点質問といいますか、意見といいますか、につながるところなんですけれども。今日、ユーザーの納得感というところを冒頭におっしゃったかと思いますが、一般の自動車ユーザーからすると、5,741億円もの繰戻金があるのに保険料率が上がってしまう、事故も下げ止まっているとはいえ増えているわけでもないのにというようなところで、やっぱりあると思うんですよね。
そして、今、車を保有することのコストの増大というのがユーザーにとっては非常にきついところでもありますので、ここの部分の繰戻金の使い方、もちろん、法的には被害者救済とか支援に使われるというところは委員としてはすごく納得するところなんですけれども、もちろん、ホームページなども拝見すると、よく説明をされているなというのも分かるんですが、ここのもっとプッシュ的に消費者に説明していくというところの工夫が必要かなというふうに思われます。
そのユーザーの納得感というところを得るための工夫とか、お金の透明性を確保していくところというところを質問させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【藤田会長】
ありがとうございました。質問といいますか、御要望、周知、ユーザーの納得感を得るための説明についての御要望かと思いますけれども。金融庁から御説明あるいは御意見をお願いします。
【下井保険課長】
金融庁でございます。林委員、御質問、御意見ありがとうございます。
冒頭、審議官の野崎から話をさせていただきましたように、今回、補正予算で一括の繰戻しが行われたといった周辺環境を踏まえて、一般の自動車ユーザーの納得感が得られるよう、しっかりと世の中に対して説明していく必要があるというふうに、私ども事務局としても考えているところでございます。
今回の説明資料の中では、事故率の推移や平均支払保険金の推移、昨今の物価高の状況、そういったものについて実際の数字を使って説明をさせていただいてございます。他方で、さらに、ユーザーの納得感が得られるようなしっかりとした周知、説明が必要という点については仰るとおりかと思っておりますので、その点については、より分かりやすい説明、ユーザーの納得感が得られるようなしっかりとした説明を引き続き考えていきたいというふうに思ってございます。
【藤田会長】
よろしいでしょうか。
【林委員】
ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【藤田会長】
そのほかどの点でも、御意見、御質問等ございますでしょうか。武田委員、お願いします。
【武田委員】
御丁重な御説明をありがとうございます。弁護士の武田涼子でございます。
御説明いただいた内容において、料率の引上げが必要だということに関しては理解が得られたのではないかと私自身は思っているところでございますので、提案に関しても賛成いたしたいと思います。
ただ、一般国民への影響というのが非常に大きい部分でもございまして、特に今回、非常にノーロス・ノープロフィット原則というのがクローズアップされているところで、保険の引受け者の側での能率的な経営の下における適正な原価を償うというところを、もう少し一般国民にも分かりやすいような形で御説明いただきたい。もちろん、既に保険の引受け者は、それぞれ各社で経営努力を非常にされておられるとは思うのですが、技術もどんどんと進展していて、事故率も下がっている状況の中でも、社費が多くなっているという部分につき、やむを得ないというふうに国民が思えるような、信頼を構築していただくことをお願いしたいなと思っております。
以上です。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。ユーザーの納得感との関係で、経費節減、社費の削減についての説明が十分される必要があるということだったかと思いますけれども、この点につきまして、損保協会から、もし可能でしたら何か御返答いただければと思います。
【水上委員】
武田弁護士、御意見ありがとうございます。
先ほどの話とも重なるところはございますが、業界といたしましても、自賠責保険制度の効率的な運営には努めてきており、極力、業務効率化を推し進めて、業務プロセスの進展に伴う経費の変化については、自賠責の経費に反映できるように努めていきたいというふうに思っております。
先ほど一例で挙げましたシステム関係、One-JIBAIの導入もしかりでございますし、2024年度におきましては、インフレ等の影響によって支出社費が増加傾向にある中で、今日的な業務実態に照らして経費計算基準の見直しを行っております。この基準の見直しによって、旧基準対比では約150億円の経費の減少という形でも見えております。
今年度の自賠審でまた追って報告をさせていただく予定にしておりますが、今回より経費計算基準等の見直しプロセスを導入しておりまして、従来よりも早期に経費変動を反映できるような運営に見直しております。
この運営の中で、定期的に自賠責保険における業務プロセスの進展に伴う変化を、検証・把握して皆様方に御説明することで、タイムリーに経費基準を見直し、そして極力圧縮に努めていくと、こういうことでやっていきたいというふうに思っております。
私からは以上でございます。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
削減に努めると同時に、その点についてぜひ周知していただければと思いますが。武田委員、よろしいでしょうか。
【武田委員】
ありがとうございます。国民の皆様にそれだけ御納得感をいただくような形での周知をよろしくお願いいたします。
【藤田会長】
そのほか。それでは、金子委員、お願いいたします。
【金子委員】
御指名ありがとうございます。自動車総連の金子と申します。私は自動車ユーザーの声を代弁する立場で少し発言させていただきたいと思います。
まず1点目は、4月15日に一部の新聞で、料率6%引上げというような報道があったというふうに思っております。これはまさに今、この件についてここで審議をしているわけでありますけれども、ああいったかつ断片的な情報が出るということは、外部に対して、あたかもこれありきでの、もしくは決まったものというような誤解を与えかねないということで、大変危惧をしております。
金融庁をはじめ、皆さんにおいても同様だと思いますので、ぜひこれについては強い抗議と再発防止に向けてメッセージを発していただきたいというふうに思っております。
そして、2つ目は、先ほど来ありました料率についてでございます。6%というような話もありましたけれども、それはそれとして、ここまでのところ、政府全体として景気好循環にさせるための経済対策また物価対策、国民生活の下支えと、こういったことを主眼に政府全体でここまで行ってきているというふうに承知をしております。
そういった中で、昨年、ガソリン税の暫定税率廃止、軽油取引税も同様、さらに、今回の自賠責保険5,741億円の全額返還と、こういったことでユーザーにとっては大変喜ばしい施策も講じられたということは、この点だけは大変評価をしたいというふうに思っております。
本来は、先ほど藤田座長もおっしゃっていただいたように、被害者保護事業とこの料率の議論というのは制度上全く別というふうに切り分けられていますので、これは別に考えるべきだということは重々承知をしております。ただ、一方で、先ほど林委員もおっしゃったように、一般ユーザーからすると、料率だとか繰越金とか賦課金とかここら辺を整合的に理解をしているかというと、それを当然だというふうに思って議論を進めるのは少しいけないんじゃないかというふうに思っておりますので、そうしたユーザーの感覚にも合わせて、我々としてはできる十分な配慮をしていくべきではないかというふうに考えております。
そういった意味で、今回、本来1月にやるべきところ、この4月になっているといったところは、大変深い検討を行っていただいたというふうに理解していますので感謝をしておりますけれども、それでもなお、このタイミングで料率を引き上げていかなければならないというさらに丁寧な分かりやすい説明が求められるんじゃないかというふうに思っております。
この後のいつからかというのはまたこの後の議論なのかもしれませんが、料率引き上げる高さとタイミングというのは一連不可分だとも思いますので、そういったところの整合性を改めて補足説明をいただければというふうに思っています。
2008年から、2ページ目のグラフによれば、一気に引き上げている過去もあります。そうした年と比べたときに果たして、来年度まで先送りしたときに、大きな段差と言えるものなのかどうなのかといったところもしっかり関係者で認識を合わせる必要があるんだというふうに思っていますので、その点の補足をぜひお願いしたいと思います。
それともう一点、賦課金についてです。先ほど申し上げたように、引き上げるのであれば、それはやっぱり5,741億円が返ってきたということが、すなわち引下げに行くのではないかという一部誤解のあるような認識があるということも我々は承知しなきゃいけないというふうに思います。
当然、私の立場からも、被害者保護をしっかり充実させ、安定的に継続的にやっていくということを大前提に今後の議論も進めていかなければならないというふうに思っていますが、それでもなお、現在の賦課金の水準というものは、全額返済されたという大きな環境変化の中では、十二分に見直す余地のあるものだと思っていますので、今後の検討において、廃止または十分な引下げがなされるということを前提とした検討を強く要望したいと思いますので、今後の進め方について改めて補足いただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
3点ほど重要な御指摘をいただいたと思います。1つは情報管理の問題です。過去にもありましたけれども、自賠責保険料の値上げの件が審議会に先駆けて報道されるという現象について懸念を示されたと理解しました。
2番目は、自賠責保険料の今回の改定そのものを否定するということではなくて、むしろ、そういうことをしたときに、それを理解していただくための丁寧な説明を求められるというふうな趣旨かとも理解しましたけれども。実施時期も含めてですね。そういうふうに理解しました。
3点目が、賦課金について、これは繰戻しと関係する議論ですけれども、これは今回のここでの議題ではないですが、将来、賦課金を検討する回においてどういう検討がされるかということについての御要望だと思いますけれども、3点ほど御意見いただきました。
最初の2点につきましては金融庁のほうからお答えいただき、最後の賦課金の件につきましては国交省から返答をお願いいたします。
【下井保険課長】
金融庁でございます。金子委員、御意見ありがとうございます。
まず、1点目の情報管理の点でございます。こちら金子委員からもお話がございましたが、以前もそういったことがございまして、従前の審議会におきましても、金融庁から情報管理の重要性について発信したところでございまして、今年度も同じように事前に報道が出てしまったといったことについては、事務局である金融庁としても極めて遺憾であります。
御案内のとおり、自賠責保険は、公共性の高い強制保険、ということを踏まえまして、なるべく透明性の高い運営を目指していくということでございます。その際、当然、情報管理の徹底というのが前提になる、というふうに思っております。
その上で、金融庁としましても、関係省庁、損害保険協会、それから損害保険料率算出機構、それぞれにおいて情報管理をしっかりと徹底してまいりたいというふうに考えてございます。同時に、委員の皆様におかれましても、当然ながら守秘義務がございますので、情報管理の徹底に御協力をお願いしたいというふうに思ってございます。
2点目につきましては、ユーザーの納得感を如何に得るか、というお話というふうに思ってございます。こちらは損害保険料率算出機構、そして事務局からも補足説明させていただきましたけれども、今回、保険料率の引上げについて、先送りした場合については、今年度分の不足額が上乗せされるということになりますので、それがユーザーのさらなる負担につながるといった蓋然性が高くなってくるといったところでございます。これは自賠法によるノーロス・ノープロフィット原則に基づけば、なるべく早期に改定する必要があるというふうに事務局として提案をさせていただいたところでございます。
ただ、全額繰入れやこういった状況の中で自動車一般のユーザーの理解を得るためには、引き上げる根拠、そういった点についての説明を正確かつ丁寧にしっかりと周知・広報を行っていくといったことが重要というふうに思ってございます。先ほどの林委員や他の委員からもお話がございましたように、しっかりとした説明、対外的な周知活動、そういったことにしっかりと対応していく必要があろうと思ってございます。
私ども金融庁としましても、この審議会の場で御議論いただいた点、今回の議論、そしてまた、次回30日に議論をするわけでございますけれども、そういったことをまとめて、しっかりと対外的に金融庁のホームページでもこの資料や議事の内容について公表し、正確かつ丁寧な形で、なぜ引上げが行われるのか、ということについてしっかりと説明をしていきたいというふうに思っております。
同時に、事務局である私どもに加えて、損害保険料率算出機構や損害保険協会、それから、ほかの委員の皆様方におかれましても、こうした周知・広報に御協力いただけますと幸いでございます。その辺についてもよろしくお願いしたいというふうに思ってございます。
【忍海邊保障制度参事官】
国土交通省でございます。金子委員、ありがとうございました。
被害者救済事業につきましては、まだ自動車事故が後を絶たない中、長期安定的、継続的に実施することは非常に重要であると認識しているところでございます。
その上で賦課金の取扱いにつきましては、将来にわたって被害者保護増進等事業の充実、また、安定的な継続を確保するということをしっかりと考えた上で、次期計画の中でどのような事業を、どれほどの事業規模で行うべきかについて、今月24日から開始する「被害者保護増進等事業に関する検討会」の中で、委員の皆様、金子委員にも委員に入っていただいておりますが、御議論いただく予定でございます。
事業規模、内容等を踏まえて、賦課金の水準の在り方につきましては、今年の11月頃を目処に取りまとめてまいりたいと考えております。国交省といたしましても、委員の皆様の御意見を踏まえた上で対応してまいりたいと思っております。
以上でございます。
【藤田会長】
ありがとうございました。金子委員。
【金子委員】
ありがとうございます。
丁寧な説明を求めている一方で、今の材料だけで一般ユーザーが理解されるというのはなかなかまだ厳しいかなというふうに思いますので、例えば、資料1の8ページにあるようなシミュレーションも少しまだざっくり感が拭えませんので、そういったところをもう少し精査すれば、6%が7%に抑えられるというのはあるけれども、6%よりも下がる可能性だってシミュレーション上あると思っていますので、そういったところの精査をもう少ししていただくことによって、より客観的に理解が進むのではないかというふうに思いますので、よろしくお願いします。
それと、賦課金については承知をしております。改めて別の場でもしっかり議論させていただきたいと思います。重ねてになりますけれども、我々も決して被害者保護支援事業がないがしろになるということは全く本意ではありませんので、それを前提としてでもなお下げる余地があるんじゃないかというふうに感じているものですから、発言させていただくことを御理解いただきたいと思います。引き続きよろしくお願いします。ありがとうございます。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
蒔田委員、お願いします。
【蒔田委員】
度々、くどくて申し訳ございません。周知・広報という観点で1点だけ要望させていただきます。
交通運輸産業では、ユーザーのみならず、運賃への転嫁に関して荷主や利用者の理解が必要です。国交省や公正取引委員会などの関係省庁とぜひとも連携を図っていただくようにお願いをしたいと思います。
以上です。
【藤田会長】
ありがとうございました。
確かに広報の名宛て人はユーザーとは限らないのも、そのとおりかもしれません。国交省から何かございますか。
【忍海邊保障制度参事官】
国交省でございます。蒔田委員、ありがとうございました。
自賠責保険料について、荷主等、いわゆる事業者への周知につきましても、金融庁としっかり連携した上で、取り組んでまいりたいと考えております。
【蒔田委員】
ありがとうございます。
【藤田会長】
それでは、一通り御意見はお伺いできたということでよろしいでしょうか。御意見、御質問等ございますでしょうか。もしないようでしたら、議論はこの辺りまでにさせていただければと思います。
これまでの議論ですけれども、今般、一般会計からの全額繰戻しは決定したけれども、これは交通事故の被害者支援等に充てられる財源なので、繰戻しがなされたことから、純保険料や社費などの自賠責保険料の引下げにつながるものではないということが最初に確認され、その上で自賠責保険料について料率検証を行っていただいたところ、純保険料、社費、代理店手数料いずれにおいても収入の不足が確認された、ノーロス・ノープロフィットの原則に保険料の引上げ改定が必要だという試算が出されたということです。
まず、純保険料については、これまで数年間は、自動車の性能向上等による事故率の低下を背景とした保険料の引下げを続けてきました。また、コロナ禍における事故減少で発生した収支の余剰について、2022年度の改定において保険料の引下げの原資として活用させていただきました。
このような中、今年度の純保険料率の検証においては、コロナ禍が終わって収支の余剰は縮小しつつあること、事故率の低下が下げ止まりつつあること、診療費の増加などを背景として保険金支払い単価が足元で増加しているといったことが分かり、その結果、現行の純保険料率では収支相償うことにはならないことが判明しました。
また、社費についても、2022年度以降、賃金・物価の上昇、One-JIBAIをはじめとしたシステム費用の増加により、保険会社・共済の自賠責にかかる経費が増加してきました。これに対して、昨年度、当審議会でも報告いただいた自賠責保険の経費の計算方法の見直しによりまして、一定の経費削減効果はあったところですが、それでもなお収入が不足する状況であることが確認されました。代理店手数料につきましても、賃金・物価の上昇の影響を受けることになるため、やはり収入が不足した状況となっておりました。
そういった背景を前提に、事務局から今年度の引上げの改定について御提案がありました。多くの委員の皆様からこの点について御意見を伺いましたけれども、引上げそれ自体についてはほとんどの方から御賛成いただいたと理解しております。ただ、それと同時に、いろいろな角度から広報や周知徹底、理解を求める詳細な説明ということが要望されました。
周知徹底あるいは理解を深める点は様々御指摘がありました。例えば、繰戻しが行われたタイミングで自賠責保険料を引き上げるということは納得が得られないんじゃないかといったことから始まり、そもそも仕組みそのものが分かりにくいとか、シミュレーションについてもう少し丁寧に説明してほしいとか様々な点がございましたけれども、そういった御指摘を踏まえて、さらに、自動車ユーザーに限らず、この改定によって影響を受ける方々の理解を得るための努力が必要であることは、これは恐らくこの場の皆様異論のないところだと思いますので、金融庁、国土交通省、損害保険料率算出機構、日本損害保険協会はもとより、各委員におかれましても、ぜひ正確な情報の周知や理解の向上に資するような取組、働きかけをしていただければと思います。
その上で、次回、もしこの引上げそれ自体については賛同を得られたとすれば、次回4月30日の審議会においては、新料率の算定を行い、その料率について審議するという形で進め得ようと考えておりますが、よろしいでしょうか。オンラインの参加の方、もし御異議があればチャットでコメントいただければと思います。この場の方は、異議があれば、今、挙手をお願いいたします。よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。それでは、御異議がないようですので、ただいまの進め方で御了承いただいたということで取り扱わせていただきます。それでは、損害保険料率算出機構において、従前どおり、収支均衡期間を5年とした新料率の算定を行い、2回目の自賠責審議会において御報告いただけるよう準備をお願いいたします。
【金子委員】
途中で挟んですいません。
この後、料率の改定のタイミングの提案があるんだろうというふうに思うんですけれども、ぜひ、最終的に次の審議会に向けての審査をされるのであれば、タイミングについての合意形成を図った上で……。
【藤田会長】
タイミングについては、次の議題として議論させていただく予定ですが。
【金子委員】
先ほど申し上げたように、引上げが例えば来年度になった場合に、さらに6%から上乗せされるということと、今、現時点のどこかのタイミングでの6%というものと、ある程度納得というか、それを併せて検討した上で次に進むということを考えるべきではないかというふうにも思うんですけれども。これは全く別物の手続ということではないんじゃないかというふうにも感じるんですが、それは違うんですか。
【藤田会長】
新料率の適用時期の問題ではなくてですか。そうすると、適用時期の問題も次回に、改めて、この引上げの出てきた数字と併せて検討せよという御要望と理解してよろしいですか。
【金子委員】
この後の提案が、ちょっと理解していないんですけれども、この後に何月から適用する、従来ですと4月だと思うんですが、それを何月にするということがあるとするならば、そこと来年度の4月との数か月の差を繰り越すということで埋められないかどうかということは、検討の余地はないことはないというふうに思っているんですけれども。
【藤田会長】
今から、この議題の後に、適用時期について改めて別途検討して、そこをこの場で決めるか、あるいは次回にその点を併せて検討するかということは、この後検討していただくことになるんですが、そういう形でよろしいですか。
【金子委員】
分かりました。すいません。私が理解していないのかもしれませんけれども、来年度4月改定といったときの新料率と4月より前に改定するといったときの料率というのがイコールであるならば、そのタイミングについては別議論が可能だと思うんですが、先ほどですと、先送りすると料率が上がるということですので、先送りしてでも上がったほうがいいのか、先送りせずに今のタイミングでやるのかという、この選択肢はまだ残っているんじゃないかと思っていますけれども。
【藤田会長】
先送りして9%に、例えば、先ほどの算出だと非常に上がることになりましたけれども、それについては、ほとんどの委員は、激変が望ましくないという理由で今回の改定というのを支持されたと理解しておりますが。
【金子委員】
であるならば、先ほど申し上げたように、過去に段階的に引き上げているケースは過去何度もあるわけで、その引上げ額の段差よりもさらに超えて今回大きな引上げになるのかどうかということも検討材料にあります。それは次回の具体的な新料率の額によって判断すればいいと思うんですけれども、それが例えば仮に軽微であれば、4月でもいいんじゃないかという話にまた戻ってしまうんじゃないかと思うんですが。
水準額が全く出ていない中で言うのはすごく難しいんですけれども。例えば、3,000円とか上がっている過去のケースがあって、今回が例えば1,000円であり、それを先送りしたら1,500円だといったときには、過去の引上げの事例から言えば、必ずしも過去にない大きな激変ではないというふうにも見てとれると思うんですよね。
そういったときにそれをどう判断するのかというのは、このタイミングのこの不定期なタイミングで改定するということによるデメリットもあるというふうにも思いますので、それと合わせた判断というものが必要ではないかと思っているので、タイミングと引き上げるということはセットで議論すべきじゃないかというふうに思っていたんですけれども。
【藤田会長】
差し当たり、ただ、ここで引上げしないと決めると算出をしないことになりますので、次回のために、数字を出してしてもらうためにも、引上げを前提として作業をしていただいて、その数字を見た上で、さらに必要であれば議論するという形で引き取らせていただいてよろしいでしょうか。
【金子委員】
引き上げるということに承知しております。引き上げるのがタイミングによって変わるんじゃないかということを少し懸念しているものですから。
【藤田会長】
分かりました。それは具体的な数字を見て判断する必要があるとすれば、次回にその点も含めて検討するということになるんでしょうかね。
【金子委員】
分かりました。それは次回も含めて。承知いたしました。
【藤田会長】
分かりました。
どこまで話したか若干あれなんですけれども。周知についてお願いしたところですが、その点については、よろしくお願いいたします。
損害保険料率算出機構において、第2回の会議に向けて料率の算定を行って、報告をお願いいたします。
賦課金につきまして、国土交通省から説明のあったとおり、こちらのほうは、繰戻しは自賠責保険料には充当できないけれども、被害者保護のための原資としては、もちろん関係するものですので、この点についても有識者を通じた検討を進めるという報告を伺っておりますが、これも検討結果がまとまったタイミング、秋頃というふうに伺いましたけれども、それについても本審議会でできるだけ早い時期に報告いただくということをお願いいたします。
それで、先ほどの議論と少し関係しますけれども、料率改定時に新料率をいつから適用するかという改定時期についての問題がございます。この点につきまして、日本損害保険協会から御報告いただきます。改定した料率を実務的にちゃんと施行できるタイミングというのを検討していただく必要がありますので、日本損害保険協会の水上委員から御報告をお願いいたします。
【水上委員】
日本損害保険協会の水上でございます。私からは料率適用開始日の変更につきまして、御提案、御説明させていただきます。
お手元の資料4の1ページ目を御覧くださいませ。まず最初に、自賠責保険審議会で料率を改定するということが決まった場合には、プリンシプルとしてノーロス・ノープロフィット原則、先ほどから議論されている内容ではございますが、可能な限り早い時期で新料率の適用を行っていきたいというふうに考えております。そういう意味で、新しい基準料率の適用開始日を11月1日に変更することを検討させていただいております。
具体的には、資料にお示しのとおり、2025年1月のOne-JIBAIの導入から初めての改定となります。このため、One-JIBAIとのシステム上の整合性の担保、信頼性・安定性の確保、これによって従来より多くの工程をシステム開発に要するため、3か月程度の開発期間の延伸が必要であるというふうに見込んでおります。
また、道路運送車両法改正によりまして、2025年4月1日から、車検証の継続検査を受検可能な期間が有効期間満了日の1か月前から2か月前に変更となっております。これを受けまして、引受け開始日がそういう意味でも1か月間前倒しに変更されるということになります。
これらを総合的に勘案した場合に最速のタイミングということで、11月1日に変更することが必要というふうに見ております。
参考資料としておつけした資料について、概要だけ簡単に説明させていただきます。
資料2ページ目になりますが、新料率適用開始時期の変更の理由の1つでありますOne-JIBAI、これは2025年1月にリリースした自賠責保険の引受け、契約管理に関わる共同利用型のサービスでございます。
このサービスの導入によりまして、先ほどから触れさせてもいただいておりますが、異動・解約等の手続において保険会社の来店が必要であったところ、お客様がダイレクトにスマートフォンですとかパソコンでウェブサイトにアクセスをして、手続を非対面でやっていただけると、こういうことが可能になっております。
これに伴いまして、もともと保険料の払込みが現金に限られて、また、代理店から保険会社への保険料精算業務というのが発生していたところ、お客様がウェブサイトにアクセスしてクレジットカードでお支払いいただけると、こういうような利便性が向上しております。そして、自動車の運行時には自賠責証明書を紙で備え付ける必要があったところ、PDFデータでダウンロードして、条件を満たす場合には、自賠責証明書のPDFデータのみの備付けで自動車の運行ができると、こういうことにもなっております。
このように、自動車ユーザーの皆様方の利便性を向上してきたOne-JIBAIでございますが、具体的に、この共同利用型のサービスの仕組みにつきましては、資料の3ページ目に記載補足させていただいております。従来、代理店向けシステムとして稼働していましたe-JIBAIでは、代理店さんによる証明書の作成が、契約計上、これのみがオンラインでできるようになっていましたが、One-JIBAIの利用開始によって、直接お客様が異動・解約等の手続を行えるようになった。これがそちらの図の左下で、お客様からOne-JIBAIに直接矢印が伸びている場所のイメージとなります。
One-JIBAIの利用開始前は、この青く全体網かけした部分の箇所がそのまま抜けておりまして、保険会社等の契約データベースに直接連携されていた。イメージとしてはこういうイメージです。このOne-JIBAIは、中央に自賠責契約管理と記した、業界共同のデータベースを構築・運用しているというのが1つの特徴になっておりまして、従来はe-JIBAIから一方の方向に契約計上がされるのみであった。これに対しましてOne-JIBAIでは、共同のデータベースと各社の契約データベースとが双方にデータ連携していると、こういう点がポイントでございます。
ただ、冒頭申し上げましたように、これらの異動や解約の手続、これは契約内容の変更や終了に関わる重要な情報でありまして、そうすると、新料率の適用開始に向けた開発工程では、One-JIBAIのシステムが保険会社各社のシステムとちゃんと整合しているか、問題ないか、こういうことを1つ1つ確認して進めていく必要がございます。こういう点で従来より開発・検証期間がどうしても延びるということで、それが従来比3か月程度延伸して見込んでいるという状況でございます。
全体の説明としては以上でございます。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの日本損害保険協会の説明に関しまして、御質問あるいは御意見がございましたらお願いいたします。加藤委員、お願いします。
【加藤委員】
日本自動車会議所の加藤でございます。説明いただきまして、誠にありがとうございました。
私から、今回のこの改定時期の問題につきましては、熟慮を重ねた結果の御提案だと思いますので、なかなか難しいと思うんですが、あえて意見として申し上げたいと思います。
実は日本自動車会議所にも一般のユーザーの方から問合せがありまして、従来、自賠責保険料が改定の時期は4月なんだけれども、3月下旬になってもそういう話もないし、金融庁のホームページを見ても何も載っていないんだけれども、どうなんだろうという問合せがあったということでございます。このユーザーの方はどうも法人の経理担当の方のようで、年間予算を組む際に、自賠責保険料が途中で上がると、その分見通しというか業績が変わってしまうので、どうなんだろうという問合せだったようです。
我々としても分かりませんという回答をしたわけですけれども、通常、改定の時期については、年度であるとか、あるいは少なくとも四半期ごとでありますので、11月はちょっと中途半端ではないかなという印象がございます。また、一般的に12月はユーザーの方からするとボーナスの支給月でありまして、ボーナスを頭金の原資の一部として車を買うユーザーの方も多いことから、その直前になって上がるというのは、非常にユーザーからすると嫌らしいというか、という感じがするのではないかと思います。ですから、せめて1月に延期できないかという御提案でございます。
というのは、4月15日に日本経済新聞並びに朝日新聞等で一部値上げの話が出た後に、まさに今日、ネットニュースでフリーランスの記者の方が自賠責の保険料が上がる話を、記事を書いておりまして、この方自体は非常に認識としては正しくなっていて、自賠責保険料の引上げが検討される背景として、事故件数は減っていますけれども、重度の後遺障害者の方など支援を必要とされる方が減っていないこと、あるいは、今までの低金利によることで自賠責保険料の運用益が減少している状況などがあるという正しい認識はされているんですが、その一方で、ネット記事ですので、ページビューを稼ぐために非常にキャッチーなタイトルがつけてられておりまして、「どこまで国民を苦しめるつもりなのか、返還金はどうなった」――これは繰戻しのことだと思うんですけれども、「返還金はどうなった。SNSでは怒りの声。自賠責保険料13年ぶり値上げか」と書いてあるんです。
そういった意味では、ユーザーの誤解といいますか、理解をちゃんと得られないと難しいと思いますので、そこの部分について、もし1月にずらせられないのであれば、ほかの委員の方もおっしゃっていますけれども、やはり十分な説明が必要だと思います。
これは被害者支援等に5,741億円は使途が限定されていること等も含めて、ユーザーの誤解を解かないまま、このまま続けていても、ユーザーのみならず、交通事故の被害者並びにその御家族の方々は誰も幸せにならないと思います。そういった意味では得策でないことが想定されますので、十分な説明、丁寧な説明をぜひお願いしたいと思います。
私からは以上です。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
議論を続ける前提として、まず、日本損害保険協会に1点確認させてください。
これまで、料率改定が行う場合には、プリンシプルとしてノーロス・ノープロフィットの原則に基づいて、可能な限り早い時期で新料率を適用してきた。実務的に対応可能な最短のタイミングで適用を行ってきたと理解しております。今回はその最短最速の適用時期というのは、いろいろな事情を勘案すると11月にならざるを得ない。11月になる。そういうものとして、この11月の適用開始ということを御提案していただいているというふうな理解なんですが、まず、その理解はそれでよろしいでしょうか。
【水上委員】
損害保険協会、水上でございます。ありがとうございます。
御理解のとおり、これまでの料率改定におきましても、ノーロス・ノープロフィット原則の趣旨に照らしまして、なるべく早いタイミングでの適用開始を目指して運営させていただいております。今回、まさにいろいろな事情、様々な事情がありますので丁寧な議論を尽くさなければいけないと、こういう背景もございますので、こういった形で期間も延ばして、今回のような形での開催となっておりますが、適用時期につきましては、先ほどからちょっと話にも出ておりますけれども、どうしても後ろ後ろという形になりますと、逆に負担が大きくなるというようなところもございますので、今回も同様に、最速での適用を目指して11月という形で御提案させていただいている次第でございます。
私からは以上でございます。
【藤田会長】
ありがとうございます。
そうなりますと、今の御提案というのは、従来の適用時期に関する、できるだけ最速に適用するという考え方で提案したらこうなるというものでして、今、加藤委員から御提案あるいは御示唆があったのは、そのような従来の考え方、プリンシプルとはちょっと違った考慮要素で政策的に後ろ倒しすることの検討を御提案いただいたということになります。
いろいろなことを理由として挙げられましたけれども、事業者にとって、こういう時期は中途半端でやりにくいとか、消費行動に影響を与えるとかいろいろございましたが、そういうある種の政策的な考慮によって適用時期を変えるという提案がなされたわけですが。
この適用時期について、ほかの委員の御意見も伺いたいと思います。御意見ございますでしょうか。金子委員、お願いします。
【金子委員】
ありがとうございます。
今年度については、イレギュラーなタイミングで、かつ、今、御説明があったように、ノーロス・ノープロフィットの原則で最短でという原則に基づいた提案ということですので、現場実態に踏まえて、それがベストだけれども、少しでもずらせないかという検討だと思うんですが。
一方で、今回、仮に従来の4月じゃないタイミングになったとして、来年以降も最短で、日本は4、3の年度で回っている法人が大半の中で、期中の改定ということによる現場の混乱だったり、また実務的な負担感というのも増してくると思うんですけれども、どこかのタイミングというか、今回はともかく、来年以降もしくは再来年以降、4月を改定ということでの最短という考え方に戻すということも念頭にあるのかどうかということをもう少し確認させていただければと思います。
【藤田会長】
それは恐らく自賠責審議会の開催時期なんかにも関わることかもしれませんが。金融庁からもしこの点について御意見がございましたら。
【下井保険課長】
さきほどの損害保険協会からの御説明にありましたとおり、審議会の開催と適用時期の関係については、ノーロス・ノープロフィット原則に従うと、今回、11月適用という御説明だったというふうに理解してございます。これは4月に審議会を開くと、最速11月適用という話です。
今後、審議会の時期につきましては、これは予断を持ってお答えできませんけれども、損害保険協会のお話ですと、例年どおり、1月に審議会を開いたとき、適用時期は4月ではなくて、計算どおりにいけば、8月とかその辺の時期になってくる。そういった期中になるという点に対しての御意見というふうに思っております。
こちらの適用時期については、損害保険協会からもお話がございましたように、ノーロス・ノープロフィット原則、すなわちプリンシプルどおりに進めるのがいいのか、あるいは、今、金子委員からお話がございましたように、プリンシプルとは別の政策的な判断として、別の時期に、タイミングを動かしたほうがいいのかどうか、そういった御意見というふうに理解してございますが、それはこの審議会の中での御議論次第かと思っております。
【藤田会長】
ありがとうございました。
念のために損保協会にも御確認させていただきたいんですが、後ろ倒しにしなくてはいけないという事情というのは今回限りの話なのか、今後もずっとそうなのかという点は、いずれでしょうか。
【水上委員】
ありがとうございます。損保協会の水上でございます。
確かに、自賠責保険を今後も安定的な運営をしていくということに立って見れば、システム開発、システムの確認がどの程度かかるのか、特に今回はOne-JIBAIを導入して初回ということもありますので、3か月見ていますが、実態として、来年以降同じような時間がかかるのかどうか、この辺りというのは今年度のところも見ながら検討していくことになるかと思います。
ただ、基本的には、安定的に運営するためには、今回のような車検の受入れ期間の拡大、そしてシステムの開発の延伸が必要であることの確認が取れたということに基づけば、従来のように1月の自賠審で4月から適用という形ではちょっと難しいのかなと。逆に言えば、もう少し時間がかかる。例えば、先ほど申し上げましたような8月だとか、こういうようなタイミングにならざるを得ないのかなと。これはやってみないと何とも言えませんけれども、そういうような感じで今捉えております。
私からは以上でございます。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。
【金子委員】
説明は理解しましたが。こちら側の、運用側の都合で適用時期を決めるのか、ユーザー側の、要は、年度始めじゃないと、法人はなかなか、予算繰りの観点から、引き上がるときには予算がなくなってしまいますので、そういう意味では、4月にどれだけ年間でかかるかということを分かってもらうほうが絶対現場としては望ましいと思っていますので。
そういう意味で、審議会をもっと前にやればできるのかとか、いろいろ検討の余地はあるんじゃないかと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
【藤田会長】
ありがとうございました。
実施までの時期が安定的に幾らぐらいと見込めるようになったところで、タイミングがそろえられるかどうかということを検討させていただくということになるのかと思います。
時期それ自体につきまして、今回についての改定の実施時期につきまして、御意見ございますでしょうか。通常、これまでどおりの考え方だと11月になるところ、特別な政策的な考え方で、それより後ろ倒しにするという考え方につきまして。洲崎委員、お願いいたします。
【洲崎委員】
洲崎でございます。
先ほどの私の発言とも関係するのですけれども、今回は激変緩和のために早めに保険料を見直すということですので、適用時期が遅れれば遅れるほど、今回の改定の趣旨に反することになるのではないかという気がいたします。可能な限り早く新しい料率を適用するというほうがよいのではないかというふうに思っております。
以上です。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
オンラインで参加の波多江委員、お願いいたします。
【波多江委員】
波多江でございます。
新基準の料率の適用の時期につきまして、お話をお伺いしておりましたが、確かに、政策的なということでおっしゃられた点、11月の引上げということで、ボーナス直前ということで、消費者の行動に影響を与える、あるいは、期中ということでいろいろと混乱も与える可能性があるといった御指摘も確かにもっともであるというふうに感じました。自動車ユーザー宛ての自賠責保険という面からしますと、大変それも説得的な御意見と存じました。
ただ、他方で、自賠責保険が自動車事故の被害者救済を目的とした保険でありまして、加入が強制される公的な保険であると、こういった公的な面を考えますと、先ほど来御指摘があります、自賠法上のノーロス・ノープロフィットの原則ということで、保険会社に損失も生じさせることもなく、また、利潤割れさせることもない水準で保険料を設定しなければいけないと、そういうことが法律上決まっている。
そうしますと、保険料の基準料率の必要性を審議しますこの審議会において、この原則からいって料率の変更が必要であるというふうに判断したとなれば、適用が可能となり次第、その料率を適用するということが自賠法の趣旨に沿うものと考えられます。
公的な保険としての公正性あるいは公平性といったことを保つためにも、適用が可能となり次第適用するというのが求められることではないかというふうに考えられます。したがいまして、なるべく早くという11月からの適用をするのが望ましいのではないかと考える次第でございます。
以上でございます。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
そのほか御意見ございますでしょうか。寺田委員、お願いします。
【寺田委員】
ちょっと発言しにくいんですけれども、いろいろな御意見が出て、もっともだというふうに思った部分もあるんですが、ただ、ボーナスについては、この審議会、新車販売を促進するというミッションは多分この審議会にはないかと思いますので、あるいは、ほかの政策でもそういうことは普通考えないと思いますので、その点だけは考慮しないということが好ましいかなと思います。
以上です。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。
当てて申し訳ないんですけれども、損害保険料率を算定するという観点から、損害保険料率算出機構の川口委員から御意見ございますでしょうか。感触を伺えればと思います。
【川口委員】
料率算出機構でございます。
適用開始時期を先送りにするということは、すなわち、低い料率が続くということになりますから、その分滞留資金がどんどん減少していくことになります。したがって、今回の改定ではなく、さらに次回の改定になりますけれども、その改定のときの上げ幅が滞留資金が減る部分が大きくなるということが考えられますので、そういうことで将来の保険契約者に負担を先送りするということになりますので、その辺りの公平性をどう考えるかといったような観点も留意しなければいけないかなというふうに思っております。
【藤田会長】
どうもありがとうございました。洲崎委員の御指摘と基本的に共通する御指摘だったと思います。
そのほかに御意見等ございますでしょうか。特にないでしょうか。
なかなか難しいのですけれども、積極的に11月より後にすべきだという御意見は、最初に加藤委員からそういう御指摘がありましたが、積極的に後ろ倒ししなくてはいけないという意見は、それ以外の方からは出なかったと理解しております。
ただ、さはさりながら、理解、こういう変な時期、イレギュラーな時期に改定が実施される、ユーザーから見れば、そこから保険料が上がるという現象が起きることが、そうでなくてもいろいろ不満が出る可能性があるところ、さらに不満の原因となったりするということについての御指摘というのは確かにあると思いますので、先ほどから繰り返し出ておりますユーザーへの周知、なぜこの時期なのかということも含めた周知、御説明といったことをより丁寧にしていくことということは必要になるんだとは思います。
そういうことで、この場での御意見としては、通常どおりの考え方で、最速の時期で施行するということを支持するということが多数だったと理解し、そのような形で進めさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。オンラインの方、御異議があればチャットに記入いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、損害保険料率算出機構におきましては、11月を適用開始とするという前提で新料率の算定をお願いいたします。それを次回、御提示お願いいたします。
【川口委員】
承知いたしました。そのように進めます。
【藤田会長】
それでは、本日予定しておりました議事はこれで全て終了したことになります。
全体につきまして特段の御発言があれば、この際承りたいと思いますが、特に何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、最後、事務局から事務連絡がございますので、保険課長からお願いいたします。
【下井保険課長】
事務局でございます。ありがとうございます。
次回の自賠責保険審議会でございますけれども、4月30日火曜日の午後14時より、オンライン併用の対面会議にて開催させていただきたいというふうに存じます。委員の皆様におかれましては、可能な限り御出席賜りますよう、よろしくお願いいたします。
なお、審議会の運営につきましては、委員の皆様や関係省庁とやり取りをさせていただいてございますし、先ほど金子委員からの御指摘がございましたように、今回、審議会における予断を排した公正・中立的な審議、そういったことを確保する観点から、引き続き厳格な情報管理を徹底していただきたいというふうに切にお願いいたします。その下で事務局としましても適切な審議会運営を行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
本日はどうもありがとうございました。
【藤田会長】
それでは、本日の会議を終了させていただきます。司会の不手際で5分ほど時間超過してしまいまして、申し訳ございませんでした。どうもありがとうございました。
以上
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