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第133回自動車損害賠償責任保険審議会議事要旨
1.日時:
平成26年1月29日(水)10時00分~12時00分
2.場所:
中央合同庁舎第7号館西館13階 共用第1特別会議室
3.議題:
(1)諮問事項
○自賠責保険事業に係る認可について
(2)料率検証結果について
(3)報告事項
○平成26年度自動車安全特別会計の運用益の使途について
○平成26年度民間保険会社の運用益の使途について
○平成26年度JA共済の運用益の使途について
○自賠責診療報酬基準案について
4.議事内容:
(1)諮問事項
◎事務局より、以下の諮問事項について説明がなされた。
○自賠責保険事業に係る認可について
- 保険業法第123条第1項の規定に基づき、アメリカンホーム医療・損害保険株式会社に対し、自動車損害賠償責任保険事業を営むことについて認可する。
◎審議の結果、諮問事項について異議がない旨、答申がなされた。
(2)料率検証結果について
◎損害保険料率算出機構および事務局より、平成25年度料率検証結果について説明がなされた。
- 純保険料率の損害率は、25年度100.3%、26年度100.2%となり、25年4月の基準料率改定の際に想定していた予定損害率100.2%と比較すると、ほぼ改定時の見込みどおりとなった。(損害保険料率算出機構)
- 本年4月の消費税率引上げの自賠責保険収支全体に与える影響については、おそらく僅かと思われる。ただし、代理店手数料については、課税対象であることから、代理店に生じる増税負担分を当面は保険会社等の社費で負担することとし、料率改定を行う機会があれば、その機会にそれまでの期間分を含め増税負担分を料率に織り込むこととする。いずれにせよ、消費税率引上げの影響については、次年度以降の料率検証の過程で確認をしていく。(事務局)
◎本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。
- 特別会計から一般会計への繰入金問題が未だ解決されていない。これまで具体的な返済計画が示されたことは一度もなく、遺憾。是非とも早期繰戻しのための予算措置をお願いしたい。
- 代理店手数料に新たに発生する課税負担については吸収していただけることを聞き、安心した。
- 今後も国の財政難が続いたとして、積立金を一般財源とみなす動きが復活する恐れがあることを懸念。まず全額返済してもらい、そこから新たな出発点として自動車事故対策事業を安定的に運営するための抜本的な仕組みについて検討していただきたい。
- 柔道整復師のデータに関しては、今後、公開されるということだが、国民にとっても見える形になって、適正化にも一歩前進と思う。
- 平成24年に社費に関し、経費を節約する努力をして頂いたが、今回のデータをみてもあまり反映されていない。損保協会と損保料率算出機構には、社費の節約について、更なる努力をしていただきたい。
- 短期間での料率の変更は望ましくなく、安定的に運営していくことが基本路線と承知。消費税の影響についても、2段階の引き上げなども念頭において、保険収支全体への影響がいかなるものか、今後とも注視していくことが必要。
◎今回の料率検証結果については、損害率が、昨年の審議会で議論の際に想定していた予定損害率と比べて乖離が非常に小さいこと、自賠責保険料は中期的な安定が求められていることなどを踏まえれば、今回は、代理店手数料に係る消費税負担の円滑かつ適正な転嫁に考慮しつつ、基準料率については据え置くことが適当であるということで了承された。
(3)報告事項
○平成26年度自動車安全特別会計の運用益の使途について
○平成26年度民間保険会社の運用益の使途について
○平成26年度JA共済の運用益の使途について
◎国土交通省、日本損害保険協会、全国共済農業共同組合連合会より、それぞれ説明がなされた。
◎本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。
- 損害保険料率算出機構から出されたデータを見ると、外来だけの柔道整復師の方が、医療機関よりも治療期間が長く支払額も高い。原因としては柔道整復師の治療期間が長いことがあるが、それに慰謝料や休業補償等が加わるため、支払保険金が比例して増えてくる。本来あるべき6000億円が返済されておらず、適正に支払われるべきお金が多目に払われているとなれば、ユーザーはまた料率が上がるのではと不安感を抱く。自賠責保険の原資である資金をしっかり守っていただきたい。
- 民間保険会社の運用益事業の中で、新規事業としてグリーフケアの人材養成講座の運営支援と受講料の補助が行われることとなったが、大変期待している。資金提供に加え、内容の実現についても、十分に検討していただきたい。
- 医業と柔道整復の現況について、もう少しブレークダウンしたもの等が出てくれば、問題がどこにあるかが分かるのではないかと思う。
- 国が行っている安全特別会計の運用益の使途について、本来は、元本をまわしてその運用益で事業をやっていく図式だったが、その元本が戻ってきていないため、現在は、元本を切り崩しながら運用している状態。現状の128億円規模の運用益活用事業を続け、仮に6000億円が返済されなかった場合、この事業は後どのくらい続けられるのか、今のまま続けてもいいのかなどについて、どこかの段階である程度の判断をせざるを得ないのではないか。
- 保険料の引上げの有無に関わらず、運用益事業の使途についてはPDCAをしっかりまわし、事業精査していく態度と実践が必要。新たに運用益事業を開始するときも、終了判断をするときも、質と量を含む明快な判断基準をもって今後とも事業運営に当たっていただきたい。
- 現在の運用益事業については、毎年基金を取り崩して走っている状態であり健全性を欠いている。その背景には6000億円問題があるので、抜本対策と目の前の事業の健全性の両立を果たしていただきたい。
- 脳脊髄液減少症の問題については、学問的にまだ結論は出ていないため、司法の場でその判断について裁判官や弁護士が困っている現状がある。運用益を活用するのであれば、脳脊髄液減少症のような今一番問題になっているトピックスにも資金を回して研究したらいかがか。
- 運用益事業の効率性については、国と民間保険会社とJAで重複が無いようにお願いしたい。
- 自賠責保険あるいは任意保険から損害賠償額が支払われる段階では色々な窓口があるが、その後の支援については、本当に十分かという思いがある。成年後見人制度や民事信託の利用などを現実的な制度として活用できるような包括的な窓口を運用益事業で検討していただきたい。
- 被害者対策の事業は必要であり、運用益は大事なお金なので、皆さんと一緒に6000億円を返してもらえるように各方面で働きかけていきたい。
○自賠責診療報酬基準案について
◎日本損害保険協会より、自賠責診療報酬基準案の実施状況について説明がなされた。
◎本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。
- 今年度、山梨県の医師会に自賠責保険の報酬基準案について説明を行い、実態としては、この新基準について山梨県でも使われていることを確認したが、正式に県の医師会と損保協会との契約までは至っていない。4月以降、新執行部の下で、再度前向きに検討したいということで、来年度には期待したい。
以上
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