第140回自動車損害賠償責任保険審議会議事要旨

1.日時:

令和2年1月16日(木)10時00分~11時30分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館西館13階 共用第1特別会議室

3.議題:

  • (1)料率検証結果について
  • (2)報告事項
○令和2年度自動車安全特別会計の運用益の使途等について
○令和2年度民間保険会社の運用益の使途について
○令和2年度JA共済の運用益の使途について

4.議事内容:

(1)料率検証結果について
◎ 損害保険料率算出機構および事務局より、令和元年度料率検証結果について説明がなされた。
 
・本年度料率検証結果である令和元年度、令和2年度の損害率は、それぞれ92.5%、91.5%であり、29年4月の基準料率改定における予定損害率105.9%と比較すると、大きく改善がみられる。(損害保険料率算出機構)
・運用益積立金残高等を考慮した滞留資金については、平成30年度末の残高が4,529億円を見込んでおり、増加傾向にある。(事務局)

 
◎ 本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。
 
・損害率が予定と大きく乖離していること、社費の収支状況、滞留資金の状況などを考えると、料率の引き下げというのは自然な流れではないか。
・予定損害率との乖離状況は、2017年度以降、4年連続でマイナスあり、収支も黒字が見込まれており、黒字幅も拡大していることから、改定は妥当な判断である。料率を検討するにあたっては、令和2年4月1日より施行される「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」の一部改正に伴う支払保険金の増加や、令和元年10月の消費税増税に伴う代理店手数料の増加など、一定の引き上げ要因も勘案すべき。加えて、ノーロス・ノープロフィットの原則や、ユーザー負担軽減の観点なども踏まえ、中長期的な収支などにも十分配慮すべき。
・社費の削減に向け、契約手続きの簡素化や損害調査への警察情報の活用など、行政と業界が連携した取組によるさらなる効率化を考えていただきたい。特に消費税増税後、政府も率先してキャッシュレスを推進している現状に対応すべく、現在、現金・小切手に限定されている自賠責保険の振込方法について、クレジットカード払いなどを選択できるよう、振込方法の拡充も検討していただきたい。
・傷害による損害に係る自賠責の支払限度額120万円については、この数十年変更がない。一方で、物価・平均給与・医療費はこの数十年大きく変わっていることを踏まえ、支払限度額が妥当かどうか検討すべき。


◎ 審議の結果、今後の料率のあり方については、次の2点を踏まえて、令和2年度より、自賠責保険の収入と支出が見合う料率水準とすることが適当であるとの方向性が示された。
 
・保険収支の状況を見た場合、交通事故の減少等により、損害率については92%程度と、前回の基準料率改定時の想定以上の黒字となっていること
・保険契約者への還元に活用される滞留資金の残高は、増加傾向にあること

(2)報告事項
○令和2年度自動車安全特別会計の運用益の使途等について
○令和2年度民間保険会社の運用益の使途について
○令和2年度JA共済の運用益の使途について
 
◎国土交通省、日本損害保険協会、全国共済農業協同組合連合会より、それぞれ説明がなされた。
 
◎本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。
 
・自動車安全特別会計運用益活用事業において、脳及び脊髄損傷に関する再生医療については、急性期だけではなく慢性期においても効果があるという可能性がでてきたことを踏まえ、更なる充実を希望する。また、民間保険会社及びJA共済の運用益使途については、医師の働き方改革を促進するためにも、救急医療体制の整備に係る充実を希望する。
・令和2年度も一昨年、昨年に引き続き、一般会計から自動車安全特別会計へ40億円余りが繰り戻されることは評価。引き続き、一般会計に貸し出された6,000億円については返済されることを求めてまいりたい。
・JA共済や民間保険会社が行っている相談事業については、交通事故の当事者の団体と連携させていただきたい。また、被害者支援について、国交省が中心となって、各省庁と連携を取ることが必要。
・交通事故減少に対して即効性があり、踏み間違い加速抑制システムのような後付けできる事故防止効果の高い装置の普及等に向けた補助制度の充実や情報発信を強化・検討していただきたい
以上
お問い合わせ先

金融庁監督局保険課

Tel 03-3506-6000(代表)(内線3375、3342)

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