第149回自動車損害賠償責任保険審議会議事要旨
1.日時:
令和6年6月4日(火曜)12時00分~13時00分
2.場所:
オンライン開催
3.議題:
自賠責保険における経費の計算方法等について
4.議事内容:
- 事務局及び日本損害保険協会より自賠責保険における経費の計算方法等について説明がなされた。
<事務局>
自賠責保険は法令上、自賠責保険事業から損失も利益も出さない、ノーロス・ノープロフィットの原則が定められており、この原則は、純保険料だけではなく、社費及び代理店手数料にも適用される。
社費の計算基礎となる経費計算基準及び代理店手数料算出における基礎数値(以下「経費計算基準等」という。)については、2012年の自賠責審議会で報告の上で改定されたが、その後、デジタル化の進展など、自賠責保険の経費に影響を与えうる環境は変化していると認識。
こうした環境変化を踏まえ、日本損害保険協会に対して、
- 経費計算基準等が現在の業務実態に合っているか検証し、必要に応じて見直しを行うこと
- 経費計算基準等を将来的に見直すための手続の導入
について検討を依頼し、検討結果について、2025年1月に開催予定の自賠責審議会において、日本損害保険協会から報告するよう要請したい。
<日本損害保険協会>
前回見直し時から、デジタル化の進展や法改正対応などの、経費計算基準等に影響しうると考えられる環境変化があったことを踏まえると、日本損害保険協会としても経費計算基準等が今日的に妥当か検証したうえで、必要に応じて見直すべきであると考えている。
ついては、本自賠責審議会終了後、日本損害保険協会内に第三者委員会を設置し、具体的な論議を行い、その結果を2025年1月の自賠責審議会に報告したい。
第三者委員会は、客観性を確保する観点から、第三者委員のみで構成し、金融庁もオブザーバーとして参加のうえ、日本損害保険協会は適切な論議ができるよう情報提供等の必要なサポートをする事務局として参加したいと考えている。また、透明性を確保する観点から、日本損害保険協会のホームページ上に、委員会の設立趣旨及び構成員とともに、委員会資料や議事録も公表していくこととしたい。
- 本件について出された委員の主な意見は以下の通り。
- 前回の見直しから既に12年が経過しており、その間の環境変化を踏まえると現在の経費計算基準等の適切性・妥当性を検証した上で必要に応じ改定することと、今回の見直し後も将来的に見直すための手続きを導入することについて賛成する。
- 今後導入が予定されている、キャッシュレス化やウェブ手続きを実現する共同システムの経費計算基準等への影響を検討した上で、2025年の1月の自賠責審議会で報告するのはスケジュール的に難しく、間に合わないのではないか。
- 第三者委員会の運営及びその検討プロセスについて、自動車ユーザーや国民に納得いただけるよう、客観性・透明性を確保することが大切。
- 今後の見直し作業に当たっては、ノーロス・ノープロフィットの原則が担保されるようにお願いしたい。
- 審議の結果、
前回2012年の改定時からの環境変化等を踏まえ、日本損害保険協会において客観性・透明性を十分に確保した形で、第三者委員会を設置の上、
- 経費計算基準等について、経費計算基準の計算式が実態に即しているかという観点も含めて、業務実態に合っているかを検証した上で必要に応じ見直しを行うこと
- 将来的に経費計算基準等を見直す場合の手続の導入
について、検討を行うこと
また、第三者委員会の検討結果について、2025年1月に開催予定の自賠責審議会において、日本損害保険協会から報告を行うこと
について、了承された。
以上
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