「ソーシャルボンド検討会議」(第5回):議事録

1.日時:

令和4年5月23日(月曜日)16時00分~17時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館9階 905B会議室


ソーシャルボンド検討会議(第5回)

令和4年5月23日


【北川座長】
 ただいまよりソーシャルボンド検討会議、第5回会合を開催いたします。皆様、御多忙のところ、誠にありがとうございます。
 
 本検討会議の委員に関しまして、日本生命の反田委員から栗栖委員に交代されております。また、本日は2022年度としては初回会合ということもあり、一部の委員の方の肩書が変更になっておりますので、本日時点での本検討会議委員リストを資料として用意させていただいております。
 
 本日の会合は、これまでの会議と同様、新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインでの開催といたしまして、一般傍聴はなしとさせていただいております。また、メディアの関係者の方々には金融庁内部の別室にて傍聴していただいております。
 
 議事録は通常どおり作成の上、金融庁ホームページで公開させていただく予定でございますので、後ほどよろしくお願いいたします。
 
 さて、議事に移る前に、2点、注意事項がございます。いつもと同じでございますが、よろしくお願いいたします。
 まず、御発言されない間は必ずミュート設定にし、ビデオもオフにしていただくようお願いいたします。御発言される際にはミュートを解除していただき、画面の表示をオンにしていただき、御発言が終わられましたら再びミュート設定、ビデオオフに設定していただくようお願いいたします。
 次に、御発言を御希望される際には、オンライン会議システムのチャット上に、全員宛てにお名前または協会名、組織名などを御入力してください。そちらを確認しまして、私が指名いたしますので、御自身のお名前を名乗っていただいた上、御発言よろしくお願いいたします。他の会議では、他の省庁でもそうですけれども、事務局のみにチャットを送られるということもあったと聞いておりますけれども、必ず全員宛てにお願いいたします。
 
 さて、それでは、議事に入ろうと思います。
 議事次第を御覧ください。昨年より、本検討会議では、短期間ではございましたけれども、精力的に検討を行っていただき、その結果、その後、パブリックコメントの募集手続を経て、10月にソーシャルボンドガイドラインを公表するに至りました。同ガイドラインの公表後は、国内のソーシャルボンド・サステナビリティボンドの発行事例において、本ガイドラインに沿った発行が既に行われております。
 
 本ガイドラインでは、発行体は、ソーシャルボンドの資金使途となる適格なソーシャルプロジェクトがもたらす社会的な効果につきまして、適切な指標を用いて開示すべきであるとしておりますけれども、昨年の本検討会議の議論の整理においては、この具体的な指標例等については、初版のガイドライン策定後、関係府省庁等とも連携の上、引き続き検討を行うこととしておりました。
 
 これを踏まえまして、昨年12月には本検討会議の下に「ソーシャルプロジェクトのインパクト指標等の検討に関する関係府省庁会議」を設置し、指標等の具体的な例示に関しまして、その例示に向けた議論を進めていただいたところでございます。
 
 今般、関係府省庁会議において、ソーシャルボンドガイドラインの付属書4の案として、「ソーシャルプロジェクトの社会的な効果に係る指標等の例」の文書案がまとめられました。本日は、同文書案の内容につきまして、本検討会議の皆様に御確認いただきたく存じます。
 
 まず事務局より、本付属書案の概要について御説明いただき、その後、同文書案について御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
【西内市場法制企画調整官】
 それでは、お手元の資料2「例示文書案への委員からの主なコメントと修正内容」及び資料3「ソーシャルプロジェクトの社会的な効果に係る指標等の例(案)」について、御説明をさせていただきます。
 
 資料2は、関係省庁会議で取りまとめた例示文案について、事前に委員の皆様に御確認いただき、頂戴した主なコメントと修正内容をまとめております。資料3は、御指摘を踏まえて修正をした例示文書案となります。資料3に沿って御説明申し上げますが、資料2も併せて参照いただけますと幸いです。
 
 資料3の1ページ目を御覧ください。例示文書案では、冒頭に本文書を参考とする際に理解をしやすくするために、前文・留意事項を記載しております。
 前文の1.は、本文書の策定の目的です。ソーシャルボンドガイドラインではソーシャルボンドの発行体は社会的な効果を適切な指標を用いて開示すべきとされておりますが、本文書は、そのような開示の参考となるよう、我が国の多様な社会的課題に対処する具体的なプロジェクト例を挙げまして、その社会的な効果を示す指標等を例示するものとしております。なお、本文書は、ソーシャルボンドガイドラインの付属書4として、ガイドラインと一体として参照されるものであることも明記しております。
 2.では、本文書の構成・基本的な考え方を記載しております。
 本文書では、ソーシャルプロジェクト例ごとに3枚仕立ての構成をしております。
 1枚目はプロジェクトが対処しようとする社会的な課題をまとめたもの、2枚目はメインの内容になりますけれども指標等の例、3枚目がソーシャルプロジェクトの概要となっております。
 
 2枚目の指標等の例におきましては、アウトプット、アウトカム、インパクトの段階ごとに指標や算定方法の例をお示ししています。また、以前の検討会議でも御議論がありました「付随的にネガティブな効果をもたらすおそれのある環境・社会的リスク」につきましても、発行事例等を踏まえて例示をさせていただいております。ただ、必ずしも全ての実例において、こうしたリスクについて記載がされてはいないところ、委員からも留意事項を記載すべきではないかというコメントがございましたので、環境・社会的リスクが例示されていない場合もこうしたリスクがないですとか低いといったことを示すものではないということを、脚注の6において示させていただいております。
 
 3ページの前文の最後のパラグラフですけれども、関係府省庁会議におきまして、法務省が実施している再犯防止の推進に係るソーシャル・インパクト・ボンドの事例を掲載できないかという提案があったところ、ソーシャルボンドとは異なりますが、参考となるということで、本文書の最後に、ソーシャルボンドとは別立てでソーシャル・インパクト・ボンドの仕組みの解説も含めて掲載をさせていただいておりまして、その旨を記載しております。
 
 4ページでは、関係府省庁会議のメンバーリストを掲載しております。
 
 5ページですけれども、本文章に示した例を参照して、実際のプロジェクトについて指標等を検討する際の留意事項を記載しております。
 ここでは、例えば指標等の設定に係る留意事項としまして、類似のソーシャルプロジェクトであっても、社会的な効果を示す方法は実際のプロジェクトごとに適切な方法を検討する、また、指標は発行体において測定・評価可能なものとする一方、実際のプロジェクトの結果として期待される明確な社会的な効果を捉えるものとする、といった内容を記載しております。
 
 6ページ以降が、実際の指標等の例になります。
 まず、7ページの内容一覧で全体について御説明いたします。プロジェクト例としましては、全部で17個用意しております。このうち16個につきましては、外部委託調査をして、内外の発行事例等をベースに指標例等のベースを作成していただいて、それを関係府省庁会議におきまして内容を精査し、日本の社会的課題ですとか、それに対処するプロジェクト例を想定した形に見直したものとなっております。また、文部科学省から、障がい者スポーツの推進に係る例の提案がありまして、それを加えて全部で17個となっております。
 なお、外部委託調査でベースを作成いただいた16の例ですけれども、ソーシャルボンドガイドラインの付属書2で、社会的課題の例を15個程度示しておりまして、それをカバーする形で例を選んで整理していただいたということでございます。
 
 8ページですが、例の1です。こちらは海外の金融機関によるプロジェクトの事例を参考にしたものですけれども、もともとの事例は女性やマイノリティーへの教育支援と、広く射程を設定したものでございました。それを日本の状況に合わせまして、女性と外国人児童生徒に係るものに整理しておりました。ただ、委員から、女性と外国人児童生徒を合わせて整理するのは分かりにくいというコメントを頂きましたので、女性を例1、外国人児童を例2として整理をしております。
 例の1の社会的課題としましては、男女の特に高等教育をめぐる状況としまして、例えば理工系分野では女子学生の割合が低く、専攻分野によって男女の偏りが見られるといったことをお示ししております。
 
 9ページはその指標等の例ですけれども、元々の事例では、アウトプット指標として支援を受けた受講者数ですとか、アウトカム指標として支援を受けることによって伸びた教育年数といったものがございましたが、委員から、社会的課題に理工系で女子の割合が低いなどと記載されていることに対応する内容がないのではないかというコメントを頂きましたので、プロジェクト内容や指標の例に「女性の理工系分野への参画の促進」について追記をしてございます。
 
 12ページです。例の2の外国人児童生徒の教育支援に係る指標例となっております。こちらでは元々の事例に加えまして、アウトカム指標として「日本語能力・学力・就業能力」を追加しております。
 
 15ページですけれども、こちらは例3の保育/子育てサービス/施設の提供に係るプロジェクト例です。これは日本企業によるプロジェクトの事例を参考にしております。こちらは元の事例におきましては、プロジェクト内容やアウトプットに施設の提供、幼児教室の開催、教育コンテンツの開発、保育用品の提供といった内容がございましたが、アウトカム指標に保育/子育て支援サービスの質の向上といった内容は明確にはございませんでしたので、その内容を記載しております。また、職員が働きやすい環境づくりをすることで、こうした施設の従事者不足の解消につなげるという流れについても明確でなかったので、その内容も記載しております。また、委員から、職住近接という観点からの記載も追加してはどうかというコメントを頂きましたので、職場での施設整備等について追記をしてございます。
 
 18ページです。例の4の高齢者福祉・介護サービスの提供に係るプロジェクト例です。こちらは日本の投資法人によるプロジェクトの事例を参考にしております。元の事例におきましては、高齢者向けヘルスケア施設・サービスの提供といった内容がございましたが、ICT設備投資、人材育成、介護人材不足への取組みといった既存施設における設備投資などは明確ではなかったので、その内容を追記しております。また、それとともにアウトカムにおいて介護負担の軽減、労働環境の改善・業務の効率化、介護サービスの質の向上といった内容を追記しております。
 
 21ページです。例5のバリアフリーなどのユニバーサル対応の推進に係るプロジェクト例でございます。これは日本の企業によるプロジェクトの事例を参考にしております。こちらは元の事例におきましては、利用者向けのユニバーサルなサービスの提供、従業員向けのユニバーサル対応の推進を行い、それによって施設の利用者が増え、従業員としての障がい者の雇用率が増えるという流れは整理されておりましたが、従業員に対する研修を実施することで、心のバリアフリーを促進するという流れは必ずしも明らかではなかったので、そうした内容を追記しております。
 
 24ページです。例の6の経済的に困窮する子どものための教育・福祉に係るプロジェクト例です。こちらは途上国における早期教育事業を参考にしたものです。こちらは概ね元の事例をベースにしながら整理をしておりますが、元の事例ではアウトカムとして、支援を受けた学校の教員の給与水準といったものもあったのですけれども、こちらは日本の実情に沿わないということで落としております。
 
 27ページです。例の7の人権と企業責任に関する研修プログラムの提供等に係るプロジェクト例です。こちらは海外の企業におけるサプライチェーン管理のプロジェクトを参考にしております。元の事例はサプライヤーの行動規範等を整備し、そうした規範を守らせて評価をして、評価が低いサプライヤーに対して検証を行うというプロジェクトですけれども、指標としては、研修を受けたサプライヤーの数といったものしか設定がなかったので、プロジェクト内容に沿って指標等を改めて整理しております。
 
 30ページです。例8の健康・医療分野のICT活用(遠隔医療システムの導入等)のプロジェクト例です。こちらは海外の企業による遠隔診療に係るプロジェクトを参考としております。こちらは対象となる人々を、遠隔地や医療資源の限られた地域の患者、通院困難な高齢者や障がい者等の患者、慢性疾患等により長期的な治療が必要な患者、必要治療回数が増えた患者などと明記した上で指標等を整理しております。
 
 33ページです。例9の所謂孤独・孤立対策に係るプロジェクト例です。こちらは海外のITプラットフォームの提供による近隣地域との結びつき強化支援のプロジェクトを参考にしております。これは元の事例では例えば、アウトカム指標におきまして、feeling of isolation and lonelinessといったかなり漠とした内容が記載されておりましたので、もう少し具体的なものとなるように指標例を整理しております。
 
 36ページです。例の10の企業による新型コロナウイルス感染症対策支援のプロジェクト例です。こちらは日本のショッピングモールの事例を参考にしております。これは元の事例では感染症拡大防止備品の導入やテナント賃料の一時的減免といったものが含まれていたのですけれども、各店舗へのオンライン接客等ツールの導入支援といった内容もプロジェクトとして考えられるということで、その内容も指標等とともに追記をしております。
 
 39ページです。例の11の地域の中小企業支援のための投融資に係るプロジェクト例です。こちらは海外の金融機関によるプロジェクトを参考にしております。これは元のプロジェクトでは投資先の従業員数や売上高といったものはアウトカム指標としてあったのですけれども、賃金水準も指標例として考えるだろうということで追求しております。なお、ここで対象となる人々としまして、社会経済的に困難な状況に置かれている地域の中小企業でありますが、こちらは発行体が特定をして、その理由を説明するということが想定されておりますけれども、例えば震災、台風などの災害による被害、影響を受けた企業ですとか、感染症拡大により影響を受けた企業などが考えられます。
 
 42ページです。例の12の地理的条件不利地域などの高速ブロードバンドネットワークの整備に係るプロジェクト例です。こちらは海外や日本の企業によるプロジェクトを参考にしております。海外の事例では光ファイバー網の整備、日本の事例ではHAPSといった新しい技術を基にしたネットワークの開発といったもので、そうしたものを参考にして指標などを整理しております。
 
 45ページです。例の13の防災・減災対策に係るプロジェクトの例です。これは日本の投資法人によるプロジェクトを参考にしております。こちらはショッピングモールにおいて災害時の避難場所の提供等を行うといったプロジェクトにつきまして、自治体との防災協定の締結実績等を指標等として整理をしております。
 
 48ページです。例の14の住宅確保要配慮者向けの手ごろな住宅の供給拡大、所謂affordable housingの供給に係るプロジェクト例です。こちらは海外非営利投資ファンドによるプロジェクトを参考にしておりますけれども、日本の状況を踏まえまして、空き家・空き室の利活用を内容として追加をしております。
 
 51ページです。例の15の食品ロス・廃棄問題への取組みに係るプロジェクト例です。こちらは海外の非営利マイクロファイナンス組織の事例を参考にしております。これは元々途上国における農産物流通市場の整備に係るプロジェクトだったのですけれども、日本企業の取組みの実情にも合わせまして、AI、IoTを活用した需要予測の高度化、フードバンク活動、フードシェアリング、食品廃棄物のリサイクルといった内容として指標とともに整理をしております。
 
 54ページです。例の16の農業従事者への技術支援等に係るプロジェクト例です。これは途上国の農産物生産業者のプロジェクトを参考にしております。こちらも日本の実情に合わせまして、アグリテックを活用しました農業機械の導入支援、付加価値の高い農産物の生産支援といったプロジェクトとして指標等を整理しております。
 
 57ページの例17は、先ほど申し上げました文部科学省から提案があった障がい者スポーツの推進のプロジェクトです。また59ページ以降は法務省から提案があったソーシャル・インパクト・ボンドの例につきまして、参考として、ソーシャル・インパクト・ボンドの仕組みの解説と、再犯防止の推進事例に係る成果指標などを参考として記載をしております。
 
 私からの説明は以上です。
 
【北川座長】
 ありがとうございました。
 それでは、これより皆様から御意見等をお伺いしたいと思います。多くの委員の方に御発言いただく機会を確保する観点から、御発言のお時間としましては、恐縮ですけれども4、5分を目安にしていただければと存じます。4分を過ぎますと、事務局から発言時間の残りが1分である旨、チャットが発言されている委員に失礼ながら送付されますので、参考にしていただければと思います。 
 それでは、皆様、よろしくお願いいたします。平田様、よろしゅうございますか。
 
【平田委員】
 ありがとうございます。最初に非常に短い時間にこうして事例集をまとめていただきましてありがとうございます。
 私どももセクター別にこうした効果指標というのをまとめております。教育や保健医療なども含め、今回の例示文書にも通ずるセクター別の指標例をまとめるという取組みを20年ほど継続しているのですが、その観点から幾つかのコメントをしていきたいと思います。
 
 まず1番目は、やはり同じセクターでありましても、プロジェクトの内容によって、データが取れない指標も出てくるということもありまして、指標例がそのまま機械的に適用できないというのが私どもの経験であります。そうした場合、指標集を参照し代わりの指標を探して工夫するというようなこともできまして、こういった例示をしていただくということはインパクトを測る上で非常にいい取組みだというふうに考えています。
 
 2番目は、適切な指標を設定するためには、事業を担当する部門だけですと、なかなかきちんと適切な指標を選定するのが難しいということがございます。私どもは、評価を担当する専門の部門を設けまして、そこがピアレビューをしまして、プロジェクトを選定する際にロジックモデルや指標の適切性についてアドバイスや検証を行う体制を敷いております。また、プロジェクト終了後に、第三者の評価者が指標の達成度評価を行っており、プロジェクト実施前の評価結果と終了後の評価結果を外部に公開しております。加えて、外部有識者による評価委員会を半年毎に実施し、プロジェクト評価の取組みや手法の改善に取り組んでおります。

 また、モバイルデータや衛星データ等から新しいデータの取り方が可能となってまいりますので、指標例は今後も進化していくものと思います。この観点から、今回、前文で「例示の見直し、充実等を行う」と記載いただいた点は、まさに私どもの経験でも感じているところで、追加いただいて歓迎しております。
 
 最後に1点だけ、インパクト指標事例集の議論を超えることかもしれませんけれども、ESG評価に関して1つ期待を申し上げたいと思います。
 別途、「ESG評価・データ提供機関等に係る専門分科会」での議論もされていると承知しておりますが、インパクトデータを含むESGデータは投資判断において非常に重要な情報であると理解しております。1つ論点としては、評価メソドロジーの透明性向上というのがあると思います。その観点から今回の事例集が、発行体だけでなく、評価機関にも活用されていくということを期待しております。そういったことを通じて、評価機関側のメソドロジーの透明性も向上し、発行体も評価機関のメソトロジーをよく理解した上で、プロジェクトの選定とかロジックの説明の仕方を工夫していくというようなことが進んでいくのではないかと。それによって、ますますソーシャルプロジェクトとボンドマーケットの拡大につながることを期待しています。
 
 どうもありがとうございました。以上です。
 
【北川座長】
 ありがとうございました。
 それでは、熊谷さん、お願いいたします。
 
【熊谷委員】
 熊谷でございます。ありがとうございます。
 今般策定されたソーシャルボンドガイドガイドラインの付属書となるインパクト指標の例示文書を拝見しましたが、日本の社会的課題に照らした具体的なプロジェクト例に紐づける形で指標例等が示されており、我が国のソーシャルボンドの発行体のレポーティングに非常に参考になるのではないかと感じました。
 
 1点だけお願いがございますが、ソーシャルインパクト評価については、国内外で様々な議論があり、社会的状況の変化によっても例示内容が変わり得るので、初版作成後も引き続き見直しや充実化などを御検討いただければと考えます。
 また、証券業界でも、グループ会社を含め投資家や発行体、評価機関など、様々なステークホルダーと協働し、ソーシャルボンド発行促進に向けた施策に取り組んでまいる所存であると聞いておりますことを申し添えます。
 最後に、今回の付属書策定に御尽力いただいた皆様に心から謝意を表しまして、私からのコメントとさせていただきます。ありがとうございました。
 
【北川座長】
 ありがとうございました。
 それでは、ほかにいかがでございましょうか。ちょっと私のほうからは見えないのですが。林様ですか。林様、お願いいたします。
 
【林委員】
 BofA証券の林です。
 ありがとうございます。今日御説明いただいた内容は本当に具体的ですし、ややもするとソーシャルは何をレポートしたらいいのかと悩まれるお客様も多うございますので、大変本当に分かりやすくてよい資料だと思います。
 
 1点なのですが、先ほどすみません、JICAの平田様の御説明をなかなか聞き取れなかったので、もしかしたらおっしゃっていただいているのかもしれませんけれども、ソーシャルとなりますとどうしても公的な発行体が多いというふうに考えておりまして、今まで日本の事業会社ではなく公的なところが発行したソーシャルの、あるいはサステナビリティでもソーシャルの要素のところで、今回の事例が主だと思いますけれども、必ずしも事例がカバーしていないものも発行されていたというふうに理解をしております。
 
 それで、よく公的な御発行体は、存在そのものが公的だからソーシャルをやりますというふうにおっしゃるのですが、ちょっと今日の資料そのものの質問かどうかは申し訳ないですが違うかもしれないのですが、民間の事業会社はさることながら、公的な機関がソーシャルボンドを出すときも、このようなインパクトなどもきちっとレポートしていくということを期待しているということでよろしかったでしょうか。これまでの議論を全部カバーし切れないかもしれませんが、改めての確認ということでよろしくお願いいたします。
 
【北川座長】
 今の林様の御質問に対してはいかがでしょうか、事務局のほうで。
 
【西内市場法制企画調整官】
 事務局でございます。
 ソーシャルボンドガイドラインにつき、主な対象は一般の民間企業ということで念頭に置いて策定をしておりますが、公的セクターがソーシャルボンドの発行を検討するに当たりまして、必要に応じてガイドラインの内容を参照することはもちろん可能ですし、また、そのような形が望ましいというふうに考えられるといった旨をガイドラインに記載をさせていただいております。
 
【林委員】
 ありがとうございます。そこはちょっと念を押しておきたいというふうに思っておりますので、ありがとうございます。
 
【北川座長】
 ありがとうございました。
 ほかの方はいかがでしょうか。梶原様、お願いいたします。
 
【梶原委員】
 ありがとうございます。JCRの梶原です。
 私からは、本当に感想めいたものとなって恐縮でございますが、改めまして今回いただきました指標、付属書4についての重要性というところで、意見を申し上げさせていただきます。
 
 まず、実は最初の5ページ目のソーシャルプロジェクトの社会的な効果に係る指標等の例について留意事項をおまとめいただいたというところが、今後のこの例示に限らないソーシャルプロジェクトを組成するに当たって、皆様の参考になる有益な事項が記載されているというふうに思いました。特にベースラインの考え方というのは、なかなか気づいているようで気づいていないところであるという気がいたしておりまして、ソーシャルだけでなく、グリーンもベースラインは非常に重要だと思っておりますので、とても重要な指摘をいただいたのではないかというふうに感謝しております。
 
 続きまして、ソーシャルプロジェクトを考える上で、最初に社会的課題の状況というところをつぶさに記載いただいたというところも重要と考えております。ここのところから、ソーシャルプロジェクトの概要の中に、社会的な目標、そしてプロジェクトの概要、ソーシャルボンドガイドラインとの関係性をまとめていただくということで、非常に人々の目線が合わせやすい構成にしていただいたというところに大変感謝をしておるところでございます。ありがとうございます。
 
 あとはただ、先ほども林様からもありましたが、民間の方々が参照されるというときに、ここに御記載いただいたようなすばらしいアウトカムまで全て書けるということではないかもしれないのですが、やはり今後、民間の皆様が御自身のソーシャルプロジェクトをモニタリングしていくに当たって、自身で取れる指標も大事なのですが、アウトカムに書かれているようなところを自ら統計資料などを取りにいって、御自身のプロジェクトと比較しながら、御自身の今後の事業活動の発展に資するような参考としていただくというのも非常に重要かと考えておりまして、そういった意味でこの考え方のまとめというのは参考になるのではないかと思いました。
 
 どうもありがとうございました。以上です。
 
【北川座長】
 ありがとうございました。
 それでは、相原様、お願いいたします。
 
【相原委員】
 野村證券、相原でございます。
 このような短時間でまとまった事例集をご作成いただきまして、誠にありがとうございます。インパクト指標に関しましては、ソーシャルインパクトの評価を実際のデータとして提示していくということで、投資家にとっての比較可能性を容易にするということで、大変意義がある内容と考えております。
 
 1点、御検討いただければと考えておりますが、現状、マーケットにおきましては、サステナビリティ・リンク・ボンドという形で、環境に関したターゲットにおいて、それを達成する、達成しないによって商品性が変化するというような債券が出てきているところでございます。現時点においては環境指標、CO削減量とか、そういった指標をターゲットにするのがサステナビリティ・リンク・ボンドにおいて取り扱われる事例が多いのですが、ソーシャルボンドのインパクト指標としてお示しいただきましたように、ソーシャルインパクトを指標にしたサステナビリティ・リンク・ボンドが、今後発行されてくる可能性がある、今後マーケットにおける存在感が大きくなってくるのではないか考えます。
 
 ターゲットは、サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲットと呼ばれており、ターゲットを示すKPIにおいては、第三者検証というものが、このサステナビリティ・リンク・ボンドを組成する上では大事になってきます。今後こういったパフォーマンス指標に関しまして、投資家に対する何らかの検証について、現在発行体が取得するかしないかということに関しましては任意となっていますが、市場に対しての信頼性、信任性、客観性を担保していくために、第三者検証等の取得というものも今後のテーマとして御提示いただいたらどうかと考えました。
 
 以上でございます。
 
【北川座長】
 ありがとうございます。
 それでは、水口先生、お願いいたします。
 
【水口委員】
 ありがとうございます。私も皆さんと同じで、大変よいものができたと思いまして、基本的に賛成しております。
 この資料自体に特にここをこう変えてほしいといったコメントはないのですが、特に今回、アウトカムとインパクトのレベル感を整理して表にしていただいたのは、非常に分かりやすいというふうに思いました。特にインパクトの部分については、社会全体のインパクトということで整理をしていただいていると思いますし、ここはしたがって、どういうふうに評価をしていくのかということが、まだまだ今後の課題的な部分が多いのかと思いますので、この付属書に基づいて実際に実務が進んでいくのに合わせて、アウトカムとインパクトそれぞれの評価の実施状況を検証して、引き続き発展させていく必要があるのかというふうに思います。
 その意味で、御提案としては、今回の府省庁会議ですとか、この委員会もそうですが、継続して、言わば定期的に見直していくということを確認できればというふうに思います。
 
 それから、今、相原さんからありましたように、この指標は今度はリンクボンドのほうにも使えるということもそのとおりだと思いますし、その意味でも、この指標が実際にどういうふうに評価されるのかというのを継続的に見直していくというかモニタリングしていくことが重要だということを感じました。今回の資料については、私はこのとおりで結構だと思っております。ありがとうございました。
 
【北川座長】
 ありがとうございました。
 それでは、森澤様、お願いいたします。
 
【森澤委員】
 どうもありがとうございます。このガイドラインから、発行体によります社会的な効果の適切な参考となるような事例を策定いただきましてありがとうございます。本当に色々な事例が参考になります。
 
 Sにつきましては、これはもう世界中で取組みに温度差があります。加えて各国、地域の課題もあります。特に日本におきましての独自の課題ということについて、これは日本でどのように考えていくか海外の事例を参照しながら、どのような金融としての役割を果たしていけるかという部分がある中で、このガイドラインに沿った事例集が出たことは、日本の方々にとって進めていきやすいことだと思います。また、投融資家の方々にも参考になるのだろうというふうに思います。
 
 今も水口先生はじめ皆さんがおっしゃいましたとおり、インパクトというところに関しまして、例示いただいていますが、更なるインパクトも期待できます。インパクトにつきまして、気候変動や環境とは異なり、Sについての日本の独自の課題があるかと思いますから、プロジェクトと共にアウトカム、インパクト部分につきましてアップデート頂き、定期的に見直しを行われることが重要と私も思います。
 
 以上です。
 
【北川座長】
 森澤さん、ちょっと途切れているので、よろしゅうございますか。
 
【森澤委員】
 すみませんでした、大丈夫です。聞こえますでしょうか。
 
【北川座長】
 大体聞こえたと思います。
 
【森澤委員】
 そうですか、すみません。ありがとうございます。
 
【北川座長】
 ほかにはいかがでございましょうか。非常にこれまでのところ、皆さんから、私の印象ですと、具体性を帯びた、非常に日本のSの問題についてきちっと取り上げて、画期的なものであるという評価だったと思います。それから、継続性を持ってこれからも、どんどん新たな問題等が起きたときにリバイズしていくというようなことも、皆さんからお話があったと思います。あと、第三者検証の問題とか、これはまた応用的な問題で、これから出てくる問題だと思いますけれども。
 
 それでは、竹林様、お願いいたします。
 
【竹林委員】
 大変すばらしいものをまとめていただき、ありがとうございました。
 皆様と一緒で、私からも特段こう変更すべきというような追加リクエストはございません。ここまでの検討会等の場で発言させていただいた内容を可能な限り反映していただいている状況かと承知しております。
 
 付属書における、代表的な指標の例示という性質を考えますと、ここからあれもこれもと新たに追記を提案するのもその趣旨に反すると思います。代表的なものは網羅されているという前提で、その網羅性をあげようとするのではなく、逆に例示の中でカバーしていないもの、つまりリミテーションを明確にすることで、付属書としての完成度を高めていくことを目指すのがよいのかなと考えている次第です。
 
 その意味でいうと、まず付属書全体が日本政府によって策定されたSDGsアクションプランをベースに検討がなされたものであるため、日本の国内課題が中心となっている点。あと、ほかの方からもコメントがあったと思いますが、社会課題はその時代・地域の社会状況や、技術の発展等によって変化していくものであるため、例示されている取組みは、この付属書作成時点において追加的な社会インパクトのあるものである一方、将来にわたってそれが担保されているわけではないという点。こういった点は、付属書の説明としても注記していただいていると承知していますが、この場でも敢えて申し添えさせていただければと思います。
 
 もう一点、これはガイドライン全体を読むと分かる形になっていると承知していますが、これら例示されている取組みによる社会的インパクトは、発行体の本業における社会的課題へのエクスポージャーや競争優位性との掛け算によって創出されるものです。付属書の例示は大いに活用いただきたい一方で、単純にそこに書かれていることをやればよいというものではないという点は、ガイドライン全般を通じたメッセージとして伝わればよいなと期待しております。
 
 最後、ソーシャルボンドのガイドラインとしての機能を超えた個人的な期待ではあるのですが、ソーシャルインパクトをもたらす事業をこのような素晴らしい形で整理していただいた本付属書は、用途としてソーシャルボンドだけにとどまらず、昨今普及しつつある社会的インパクトの創出を目的とした投融資の案件形成にも非常に参考になるものだと考えております。これはガイドラインや付属書に追記いただきたいという趣旨ではないのですが、議事録に残していただくことで、そういった用途にも使えるということが、発想として広がっていくとよいなと思うところです。
 
 以上になります。ありがとうございます。
 
【北川座長】 
 ありがとうございました。
 それでは、ほかにはいかがでございましょうか。アムンディの有江さん、よろしくお願いいたします。
 
【有江委員】
 ありがとうございます。アムンディの有江でございます。
 これまでに皆さんおっしゃったように、短期間でここまでの事例を、非常に分かりやすい形でまとめてくださったことに感謝いたします。本当にありがとうございます。
 
 私も内容そのものに付け加えたいことはないのですが、今まさに竹林さんもおっしゃったとおり、広範な利用価値があるものなのではないかと思っておりまして、そうするとすごく細かい話なのですが、7ページに示していただいている一覧の順番をキーワードでまとめていくというのはいかがかと思います。まだ1ページですので、特に見にくいということはないのですが、例えば、ダイバーシティというのが結構ばらばらになっており、今後事例が増えてきて数ページにわたるということになると、似たようなキーワードのものを同じようなところに置いていくことで、参照のしやすさが更に高まるのではないか、と感じた次第であります。
 
 以上です。ありがとうございます。
 
【北川座長】  
 ありがとうございました。
 それでは、川北先生、お願いいたします。
 
【川北委員】 
 川北です。ありがとうございます。
 私も、皆さんがおっしゃっていたように、事例としてかなり充実したものができて、今後、ソーシャルボンドを発行する上での参考に大いになると思います。個々の内容については事前に少しコメントを差し上げて、それを反映させていただいているので、細かな点に関して特に意見はありません。
 
 7ページの一覧表を見て思っているのですが、11、12の地方創生と地域活性化の観点、これは日本の課題として非常に重要だと思っています。地方を活性化するに際しては、民間というよりも、やはり公的機関がかなり音頭を取らないといけない。公的機関が地域に合わせた多様性をはかっていく。もし公的機関が関与して、ソーシャルボンドを発行するのであれば、事例が積み重なっていく。そういうことで更に内容を充実させていくということでいいのではないかと思います。
 
 ただ、こういう事例を、特に地方に関して集めていくと、地方を応援するためのボンドというふうな、そういう活用の仕方というのが出てくるのではないか。所謂ふるさと納税的な、少し例は悪いかも分からないですが、そういうものが出てくると、日本のかなり疲弊している地方にとってはいいのではないかと思っています。観光資源や色々な一次産業的な資源を沢山地方は持っているので、そういうものを活用していくための事例として、ここの11、12が1つの出発点となるし、ほかのところもどこでしたか、健康のところでも交通弱者というふうな観点もあったと思います。これもやはり地方に代表されると思いますので、そういうふうな事例を積み重ねていくことで、内容の充実を更に図っていっていただければと思っている次第です。
 
 私からは以上です。
 
【北川座長】
 ありがとうございました。
 続きまして、大石様、よろしくお願いいたします。
 
【大石委員】
 R&Iの大石です。
 具体的な事例及び指標等をまとめていただいて本当にありがとうございます。やはり従来のガイドラインですと、それなりに色々事例が書かれてはいるのですが、今回、具体的な例示が沢山出てくることによって、より分かりやすく、捉えやすくなっているということが、普及という観点からすると非常にありがたいというふうに思います。
 
 現場で私どもが色々案件の評価等をさせていただいている中では、やはりどこまでがソーシャルと言えるのかという、線引きが非常に難しいのですが、こういった形で指標等、実例等が明示されることによって、参考になると思います。
 
 一方でやはりソーシャルインパクトを目指したサステナビリティ・リンク・ボンドないしローンというものも、案件としてはかなり出てきていますし、相談ベースでも非常に出てきているという中では、このガイドラインで示されたような指標等が、KPIとして選択されやすいということに、やはりつながってきているというのが実感としてあります。このガイドラインが必ずしもソーシャルボンドだけではなくて、そういった別のファイナンス商品にも非常に参考になる指標だということは、改めて感謝申し上げたいと思った次第です。
 
 私からは以上です。
 
【北川座長】  
 ありがとうございました。
 ほかに。森澤さん、手挙げされていますでしょうか。
 
【森澤委員】 
 忘れです。すみません。
 
【北川座長】
 ほかにはいかがでしょうか。
 かなりの方から御意見いただきましたので。日本生命の栗栖さん、いらっしゃいますでしょうか。いかがでございましょうか。
 
【栗栖委員】
 栗栖でございます。せっかくなので、全体で示していただいていることに関しては、本当に網羅的にまとめていただいて、非常に参考になるものだと思っております。
 
 1点申し上げると、先ほど竹林様からもおっしゃっていただいていますけれども、これはこれでソーシャルボンドの資金使途となるプロジェクトを明示する上で非常に参考になると思いますが、結局、この資金調達による事業投資が、これは業種ごとや企業ごとに多分異なると思うのですが、企業の戦略としての価値創造ストーリーみたいなところにどういうふうにつながっていくかを最終的に開示していただくことが、機関投資家の分析にとって非常に重要だと思っております。これはいいベースとなる例示だとは思っておりますが、そういった観点も踏まえて、最終的に資金使途だけではない情報開示といったところで、参考になるものとなっていけばというふうに思っております。
 
 以上でございます。
 
【北川座長】
 ありがとうございました。
 一渡り皆様、お話をお伺いできたと思いますが、いかがでございますか。もしほかに追記すべきことがございましたら。非常に皆様から、ある意味では大変高い評価を受けていると思います。
 
 何かここまでのところで、事務局のほうから補足的に御説明ございますでしょうか。
 
【西内市場法制企画調整官】
 事務局でございます。特にはございません。皆様、大変高い評価を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
 委員の皆さんからもお話がありましたけれども、この指標例、一度つくったらおわりということではございませんので、今後、社会的な課題の状況ですとか、国内外の議論等を踏まえまして、見直しをしていくということを文書の中にも記載させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 
【北川座長】
 ありがとうございました。
 委員のほうからは一通り御意見をいただいたと思いますが、オブザーバーの方で何か御意見ございましたら、ぜひ御発言いただきたいと思います。いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
 
 本当にこういう言い方は失礼ですけれども、よくこれだけまとめていただいたというのが私の率直な印象でございまして、多くの委員の方からの評価と全く同じでございます。ぜひこれをまた広げていただき、継続的に練り直してゆくことが、まさしくソーシャルインパクトに対する大きな影響を及ぼすものではないかと思った次第でございます。
 
 大分時間があるのですが、御意見のほう、よろしゅうございますか。
 
 それでは、多数の貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。本付属書案の基本的な方向感は、皆様に非常に強く御賛同いただいていると思います。したがいまして、もう一度皆様にお集まりいただく必要はないと思いまして、今後、私と事務局で必要な修正があれば行った上で、パブリックコメントの募集手続に入りたいと思います。その方向で、今後の作業につきましては、大変恐縮でございますが、私に御一任していただきたいと思いますが、御承認いただけますでしょうか。

 (「異議なし」の声あり)


【北川座長】
 一応異議なしということで、よろしゅうございますか。もちろん今日の会議の趣旨に沿いますように、もう一度練るという形になると思います。よろしゅうございますか。それでは、御承認いただいたものといたします。
 最後に、事務局のほうから御連絡ございましたらお願いいたします。
 
【西内市場法制企画調整官】
 本日も御議論いただきましてありがとうございました。先ほど委員の皆様より御承認いただきましたとおり、本付属書案につきましては、本日の御意見を踏まえて修正を行いまして、北川座長の御了解を得た上で、パブリックコメントの募集をさせていただきます。同手続終了後、必要な修正を行いまして、正式な付属書として確定させていただく予定でございます。
 なお、パブリックコメントの経過を踏まえた本付属書案の修正ですが、軽微な修正にとどまれば事務局で必要な対応をさせていただき、北川座長と修正内容を決定しまして、委員の皆様に個別の連絡の上、本付属書の内容を確定させていただきます。同手続の結果、仮に本付属書案に大幅な修正が生じる場合には、必要に応じて本検討会議をもう一度開催して、本検討会議へ修正内容の報告をさせていただきます。
 事務局からは以上でございます。
 
【北川座長】
 ありがとうございました。
 本日もコロナ状況下でございますのでオンライン開催となりましたが、皆様から非常に高い視点、専門的な視点から御議論いただきました。ソーシャルボンドガイドラインの付属書といたしまして、「ソーシャルプロジェクトの社会的な効果に係る指標等の例」の文書案がまとめられました。大変うれしく思います。今後、パブリックコメントの募集を経て文書が確定される予定でございますが、ソーシャルボンドの資金使途となるソーシャルプロジェクトがもたらす社会的な効果の開示に当たり、市場関係者等に広く有用なものになると考えております。本当に皆様、ありがとうございました。
 
 それでは、ちょっと早いのですが、以上をもちまして本日の会議は終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 

―― 了 ――

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