第21回金融機能強化審査会 議事要旨

1.日時:

平成29年8月30日(水)13時30分~15時40分

2.議題:

経営強化計画(福邦銀行及び南日本銀行)の審議

3.議事内容

  • ○事務局より、福邦銀行及び南日本銀行から提出された新たな経営強化計画の概要等について説明が行われた。

  • ○福邦銀行の渡邉頭取より新たな経営強化計画の概要について説明が行われた後、質疑応答が行われた。概要は以下のとおり。

    • 本計画では、ミドルリスク層への取組みをより強化していくということであるが、頭取から現場に対してどのような指示をされているのか教えていただきたい。

      • ⇒現場に対しては、融資を実行したら終わりではなく、半年後や1年後に売上等がどうなっているのかなど、借り手の経営状況を継続してしっかりフォローするよう指示している。

    • 取引先の3割で後継者が決まっていないという状況の中、本計画では事業承継について、どのように取り組んでいくのか教えていただきたい。

      • ⇒地元の大手税理士事務所と提携し、毎月、事業承継の相談会を実施することで、一定程度の実績は上がっている。こうした活動により事業承継や新事業展開等に係る支援を行うことで、顧客基盤の維持増強を図っていきたい。

    • 本計画では、「売上10億円以下の地元中小企業をコア顧客とし、徹底した本業支援や融資で粘り強く支えていく」とあるが、他行との競合状況について教えていただきたい。

      • ⇒信用金庫とは顧客層が重なっており、近隣他行も近年、ターゲット層の売上規模が下がってきているため、競合は避けられない状況である。そうした中、福井県内では売上や従業員の規模が小さくとも、技術力の高い企業もあるので、そういった先をしっかり深掘りしていくとともに、近隣の金融機関とも協調融資等で連携しながら支援していきたいと考えている。

    • ここ数年、要注意先への与信比率が減少してきているが、その要因を教えていただきたい。

      • ⇒外部環境の改善や当行の経営改善支援等の取組みによる、取引先の債務者区分の上方遷移が主な要因と考えられる。

  • ○福邦銀行の渡邉頭取が退室した後、南日本銀行の森頭取より新たな経営強化計画の概要について説明が行われ、その後、質疑応答が行われた。概要は以下のとおり。

    • 取引先の売上高を増やすことを目的としているWIN-WINネット業務について、職員の習熟度向上に向けた具体的な取組みを教えていただきたい。

      • ⇒若手行員も含め行員同士の勉強会(なんぎん維新塾)を開催し、成功事例の共有などを行い、成功体験を身につけさせることで、少しずつ習熟度が向上してきていると考えている。

    • WIN-WINネット業務を通じて取引先の売上が増加することにより、運転資金や設備資金といった資金需要に結びついているのか教えていただきたい。

      • ⇒取引先の売上増に伴い一定程度、当行の貸出が増加する結果が出ている。また、債務者区分の上方遷移による与信コストが減少したケースなどの副次的効果も出てきている。

    • 他行との競争がある中、今後、取引先を増加させていくことは容易ではないと思うが、銀行として重点先事業者の規模や業種については、どのあたりをターゲットにしているのか教えていただきたい。

      • ⇒重点先事業者は、経営支援を必要とする地元の中小零細企業が中心と考えている。こうした先に、銀行として事業性評価を行って、経営改善の支援を行うことで、収益基盤の拡充にも繋げていきたい。

  • ○南日本銀行の森頭取が退室した後、福邦銀行及び南日本銀行の新たな経営強化計画について討議が行われた。主な意見は以下のとおり。

    • 福邦銀行においては、新頭取の下、取引先のターゲットを明確にした上で、ミドルリスク層に対する融資等を通じ、徹底した本業支援の取組みを行い始めたところであり、今後、これらの取組みをより具体化し着実に実行していくことが期待される。

    • 南日本銀行においては、従来から展開しているWIN-WINネット業務に改善を加えるなど、地元企業への本業支援を通じた地域経済の活性化に貢献するビジネスモデルが十分に確立されている。今後、自らが設定した目標(なんぎんKPI)の達成状況もフォローし、計画に則ってしっかりと実績を上げていくことが期待される。

    • 金融庁においては、各金融機関の今後の取組みが確実に遂行され、実績にも表れるようにしっかりと対話やフォローアップを行っていただきたい。

    • 金融庁においては、顧客本位の持続可能なビジネスモデルを構築するに当たって、金融機能強化法で求められる数値目標を達成することが難しい場合もあるので、弾力的な対応を含め検討が必要ではないか。

  • ○以上の討議の後、審査会として福邦銀行及び南日本銀行の新たな経営強化計画について了承することとされた。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

監督局 総務課・銀行第二課

(内線3763・3222)本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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