スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会(第3回)

1.日時:

平成29年3月22日(水)13時00分~15時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

【神作座長】
 定刻になりましたので、ただいまより第3回スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会を開催いたします。皆様、ご多忙のところをご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

 それでは、早速、議事に移らせていただきます。本日は、これまでのご議論を踏まえて事務局におまとめいただきましたスチュワードシップ・コードの改訂案について皆様にご議論いただきます。なお、本日のご議論終了後、厚生労働省の青山オブザーバーより3月17日に公表されました厚生労働省と企業年金連合会のスチュワードシップ検討会報告書についてご紹介していただきます。

【田原企業開示課長】
 それでは、お手元の「『責任ある機関投資家』の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》(案)」に沿いまして、ご説明をさせていただければと存じます。

 今回のスチュワードシップ・コード改訂に当たっての前文を2ページにわたりまして記載させていただいております。1.から3.につきましては、スチュワードシップ・コード策定から今回の検討会に至りますまでの経緯について記載させていただいた上で、4.におきまして、昨年11月の意見書において、5つの主な提言がされたということについてご紹介をさせていただいております。この5つの点につきましては、これまでのご議論で、コードに盛り込むべきではないかというご議論だったと思いますので、それらにつきましては、これからご説明差し上げますように、コードの中に盛り込む形にさせていただいております。

 それから、その次の5.でございますけれども、それらの5点以外にもこの場でご議論をいただいた点が3点ございます。1つ目は、議決権行使助言会社につきまして、現在のコードにおきましても、利益相反管理等の各原則が当てはまるということは示されているわけでございますけれども、その上でさらに、議決権行使助言会社が十分な経営資源を投入した上でサービスを提供することが重要ではないかというご指摘があったと理解をしております。

 それから、集団的エンゲージメントにつきましても、こういったものが選択肢として考えられるということをコードにも盛り込むべきではないかというご意見がございました。一方で、集団的エンゲージメントを行う際には、対話が形式的にならないよう、十分留意する必要があるのではないかというご意見も多くいただいたところでございます。

 それから3つ目でございますけれども、いわゆるESG要素につきまして、投資先企業の状況を踏まえて重要と考えられるものは、事業におけるリスク・収益機会の両面で、中長期的な企業価値に影響を及ぼすのではないかということについてもご指摘を頂戴したところでございまして、これらの3点につきましても、今回のコードの改訂に盛り込むという案をつくらせていただいたところでございます。

 なお、6.でございますけれども、これからご審議いただいた上でということになりますが、今回の改訂案につきましては、パブリックコメントを1カ月程度行いまして、その上で確定いたしますが、その後、実際どの段階から各機関投資家の方にご対応いただくかということがございます。もちろん準備ができているところは速やかにご対応いただく、ということをお願いしたいと思いますけれども、遅くとも6カ月ぐらい見た上でご対応いただいてはどうかということで、6.のような書きぶりをさせていただいているところでございます。

 3ページから7ページまでは、スチュワードシップ・コードを策定していただいたときの前文ということになります。こちらにつきましても幾つか変更点がございますので、ご説明をさせていただきます。時期などについて記載を調整させていただきましたものを除きますと、まず5ページでございますけれども、こちらは用語の修正でございますが、これまで「資産運用者としての機関投資家」と「資産保有者としての機関投資家」という言いぶりにしておりましたが、文言として長いということがございまして、今回の議論、あるいはフォローアップ会議でもかなりご議論いただきましたので、「運用機関」と「アセットオーナー」と言いかえさせていただければと考えております。

 6ページでございますけれども、12.のところに「コンプライ・オア・エクスプレイン」についての考え方が書いてございまして、スチュワードシップ・コード策定のときに「コンプライ・オア・エクスプレイン」という考え方を持ち込むということでかなり丁寧に説明をしたわけでございますけれども、昨今のフォローアップ会議ないしこの場の議論で、「コンプライ・アンド・エクスプレイン」ということも大事だというご指摘があったと考えておりますので、12.の最後にその旨について加筆をさせていただいているところでございます。

 6ページから7ページでございますが、「コンプライ・オア・エクスプレイン」の対象につきましては、従前、スチュワードシップ・コードの策定についてご議論いただいたときから、指針を含む各原則を対象とさせていただいているところでございます。従前は原則に対して指針の数がそれほどなかったということで、実務的には原則をコンプライしていれば、全部コンプライしているという対応がなされているところでございますけれども、今回指針を増やす形で改訂をさせていただくということもございますので、指針を含む各原則が「コンプライ・オア・エクスプレイン」の対象となるということを明確にさせていただいてはどうかと考えているところでございます。

 なお、その際ですけれども、脚注の4のところですが、指針の中には、一定の事項が「重要である」とするなど、必ずしも一定の行動をとるべきと書いていないものがございまして、こうした指針につきましては、必ずしも実施しない理由を説明することを求めるものではないということで、必ずしも「コンプライ・オア・エクスプレイン」の対象になるものではないとしてはどうかと考えているところでございます。

 以上、7ページまでが前文でございまして、8ページ以降が原則と指針ということでございます。事務局で検討させていただきまして、今回のご議論を踏まえて、特に原則自体を修正する必要はないのではないかということで、9ページ以降、指針の変更点についてご説明させていただければと思います。1-3から1-5でございますけれども、まず、アセットオーナーについての記載をさせていただいております。1-3は、アセットオーナーは、最終受益者の利益の確保のため、可能な限り、自らスチュワードシップ活動に取り組むべきであるということについて記載させていただいているものでございます。こちらにつきましては、当然、自ら行わない場合につきましては、運用機関に実効的なスチュワードシップ活動を行うよう求めるべきということでございます。

 1-4につきましては、実効的なスチュワードシップ活動が行われるように、アセットオーナーは、運用機関の選定や運用委託契約の締結に際しまして、スチュワードシップ活動に関して求める事項や原則を明記すべきという点について書かせていただいております。また、特に大規模なアセットオーナーについては、自ら主体的にこういったことについて検討を行って、運用機関に対してスチュワードシップ活動に関して求める事項や原則を明確に示すべきということについて、記載させていただいております。

 1-5でございますけれども、こちらがモニタリングということでございまして、アセットオーナーは、運用機関のスチュワードシップ活動が自らの方針と整合的なものとなっているかについて、運用機関の自己評価なども活用しながら、実効的にモニタリングを行うべきであるということについて記載させていただいているところでございます。

 11ページの原則2のところに、利益相反に関連する点につきまして改訂案を書かせていただいているところでございます。

 2-2でございますけれども、利益相反に対する対処の仕方ということでございまして、運用機関は、議決権行使や対話に重要な影響を及ぼす利益相反が生じうる局面を具体的に特定して、それぞれの利益相反を回避し、その影響を実効的に排除するための措置について具体的な方針を策定して公表すべきということについて、記載させていただいております。

 2-3におきましては、こういったことをしっかり行っていくために、運用機関においてはガバナンス体制を整備すべきということについての記載、それから2-4におきまして、運用機関の経営陣がこういったことに関して重要な役割・責務を負っているということについて記載させていただいているところでございます。

 以上の点は、フォローアップ会議でもご指摘をいただいたものについて、ほぼそれらを踏襲する形で書かせていただいたところでございます。

 12ページの3-3でございますけれども、3点追加させていただくと先ほど申し上げた中の1つ目でございますが、従前、社会・環境問題につきましては「リスクを含む」という形で例示をさせていただいておりまして、リスクファクターを中心に記載させていただいていたわけですが、これは例示でございますので、当然ここには、重要であれば収益機会というものも入るということでございます。この場のご議論で、ESGというものについての昨今のご議論ですとか、あるいはリスク・収益機会の両方に着目して考えていくべきというようなご意見を頂戴したと考えておりますので、収益機会についても明示をさせていただくということと、日本のスチュワードシップ・コードにはESGについての言及がないのではないかというご指摘も頂戴しておりますので、ちゃんと言及しているということを明確にするために、脚注のところでこういったものがESG要素と呼ばれているということについて明示をさせていただいたところでございます。

 13ページでございますけれども、4-2はフォローアップ会議以来ご指摘を頂戴しておりますパッシブ運用についての記載でございまして、パッシブ運用を行うに当たりましては、投資先企業の株式を売却する選択肢が限られ、中長期的な企業価値を促す必要性が高いということでございますので、より積極的に中長期的視点に立った対話や議決権行使に取り組むべきであるということを書かせていただいております。

 4-4のほうは、先ほど申し上げた3つの追加点の2つ目でございますけれども、集団的エンゲージメントにつきまして記載させていただいております。そもそも現在のコードや法制度のもとでも、集団的エンゲージメントが行えないということではないわけでございますけれども、一方で、コードに集団的エンゲージメントという文言が形式上存在しないということで、こうした取組みは行えないのではないかというご指摘も頂戴しているところでございまして、今回の改訂に当たって確認的に集団的エンゲージメントの文言を盛り込むことにさせていただいたものでございます。

 また、スチュワードシップ・コードを策定する際には、これがしやすくなるように法的な論点について整理をさせていただいておりまして、これについても再度、脚注で触れさせていただいています。

 15ページでございますけれども、こちらのほうに議決権の行使結果の公表についての指針を整理させていただいております。

 5-3でございますけれども、現在のコードでは、議決権の行使結果につきましては議案の主な種類ごとに整理・集計して公表すべきであるとされているところでございますが、今回のご議論では、個別の投資先企業及び議案ごとに公表すべきであるということを原則とすべきということであったと考えておりまして、それに応じてこういった書きぶりにさせていただいているところでございます。

 一方で、それぞれの機関投資家の置かれた状況によって、個別の投資先企業や議案ごとに議決権の行使結果を公表することが必ずしも適切でないと考えられる場合には、その理由を積極的に説明するということが選択肢としてはあるということについても、明示をさせていただいています。

 なお、議決権の行使結果を公表する際に、機関投資家の方々が議決権行使の賛否の理由について対外的に明確に説明することも可視性を高めることに資すると考えられるということについても、フォローアップ会議以来ご指摘を頂戴しておりますので、これについても記載をさせていただいております。

 なお、「考えられる」というような表現につきましては、先ほど申し上げましたように、脚注4にあるとおり、必ずしも「コンプライ・オア・エクスプレイン」の対象になるものではないということでございますので、この部分につきましては、そういった考え方の下で、「コンプライ・オア・エクスプレイン」の対象にはならないということでございます。

 それから、16ページでございますけれども、こちらは追加的なポイントの3つ目でございますが、5-5として議決権行使助言会社について記載させていただいております。議決権行使助言会社は、企業の状況の的確な把握等のために十分な経営資源を投入し、また、本コードの各原則が自らに当てはまることに留意して、適切にサービスを提供すべきであるという形で記載させていただいているところでございます。

 18ページ、7-2でございますけれども、運用機関の経営陣は、スチュワードシップ責任を実効的に果たすための適切な能力・経験を備えているべきであるということを記載させていただいているところでございます。また、スチュワードシップ活動の実行とそのための組織構築・人材育成について、重要な責務、役割を担っていくことを認識して、これらに関する課題に対する取組みを推進すべきであるということについても、フォローアップ会議以来、ご指摘を頂戴したと思いますので、これもあわせて記載させていただいているところでございます。

 7-4が、運用機関における自らのコードの実施状況についてのチェック、自己評価ということでございますけれども、従前の記載に加筆をする形でこの点について記載させていただいておりまして、運用機関は、持続的な自らのガバナンス体制・利益相反管理や、自らのスチュワードシップ活動等の改善に向けて、本コードの各原則の実施状況を定期的に自己評価し、結果を公表すべきとさせていただいているところでございます。

 先ほどのアセットオーナーのところにも記載させていただいておりますが、脚注18にございますように、こうした自己評価の結果を踏まえて、アセットオーナーが運用機関の選定や評価を行いやすくなるという効果もあると考えているところでございます。

 以上、コードの改訂案につきましてご説明を差し上げました。よろしくご議論いただければと存じます。ありがとうございます。

【神作座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、これより皆様からご意見等をお伺いする討議の時間とさせていただきます。なお、本日ご欠席の川田メンバー、田中亘メンバー、堀江メンバー、ワリングメンバーからは、本改訂案にご賛同される旨のご意見を頂戴しております。

 それでは、ご意見お願いいたします。いかがでしょうか。

 上柳メンバー、どうぞ。

【上柳メンバー】
 恐れ入ります。私も全体として賛同いたします。少しだけつけ加えさせていただきますと、指針で言いますと5-3の議決権の行使結果のところですけれども、ここは議論を反映して注15も含めて書きぶりに工夫をいただいているところだと思います。ただ、将来といいますか、私の希望としては近い将来に5-3の最初の2行は削除され、脚注の15ももう少し簡潔なものになることを希望しております。

 同じく希望ということで申し上げますと、指針の3-3、いわゆるESG要素のところですけれども、リスク・収益機会ということで整理されたと思いますけれども、やはりこういう長期的視点、あるいは企業が社会的存在であるということを踏まえるということは、このスチュワードシップ・コード全体について大事なことだと思います。ここも近い将来変わっていく方向性を示すという意味で重要かと思いました。

 それからもう一つ、さらに長期的なことになるかもわかりませんが、指針の4-4、13ページでございますけれども、集団的エンゲージメントについて、今の段階では、資料2ページのところに書いていただいておりますように、集団的エンゲージメントを行う際には対話が形式的にならないように留意するというところが留意点かとは思います。けれども、もう少し将来で言えば、何か投資先あるいは企業に問題があったときに機関投資家同士で共同してその企業の行動を変えさせるというようなことも含めて集団的エンゲージメントということが有益な場合もある、と私自身としては議論を通じて考えるに至ったところです。

 以上でございます。

【神作座長】
 どうもありがとうございました。

 ほかにご意見、いかがでしょうか。あるいは今の点に関連しても。

 それでは、桝田メンバー、お願いいたします。

【桝田メンバー】
 15ページの指針5のところでございます。今回、議決権行使結果を広く公表することについては基本的に全く賛成でございます。それに関して1点意見を言わせていただきますと、「議決権行使結果を公表する際」というくだりに、「その賛否の理由についても対外的に明確に説明することも可視性を高める」とあり、これは全く事実だと思います。ただ、今のところは、これを全てやれということではないと理解をしておりますが、私どもで議論をしておりますと、議決権行使結果を公表すると同時に、賛否の理由も全て公表することにはメリット、デメリット両方があるのではないかと整理をしております。

 我々は、企業に対してエンゲージメント活動をしております。私どもの議決権行使判断基準に則って、例えば取締役の選任議案に基本は反対の場合であっても、企業の経営状況やビジネスモデルについて議論をすると、取締役会がしっかりワークしていると確認できることも、エンゲージメント活動を通じてあります。そのため、個別の議案についての賛否の理由まで明確に書き込むとなりますと、私どものエンゲージメント活動そのものを書き込むことにもなります。また、賛否の理由の中には投資判断も含まれてくることもございますので、広く公表するものに賛否の理由も含まれるかどうかの議論を、今後、よくやっていく必要があるのではないかと考えます。ここはあくまでもコンプライ・オア・エクスプレインの対象ではないとご説明がありましたので、このワーディングが残ることについては結構でございます。

 以上です。

【神作座長】
 どうもありがとうございます。

 今の点について事務局からございますか。よろしゅうございますか。

 ほかにご意見いかがでしょうか。

 加藤メンバー。

【加藤メンバー】
 ありがとうございます。私は、原則2の指針の2-2と2-3についてコメントをさせていただきます。既に先ほどご説明があったかもしれませんが、2-2と2-3はセットのようなものと考えております。すなわち、機関投資家、特に運用機関などが抱えている利益相反の状況というものは個々の会社ごとにかなり違ってくるわけでして、そういった利益相反の状況を特定した上で、それに対応したガバナンス体制というものをつくるという視点が必要だということです。

 関連して1点、重要かと思いましたのは、2-3で利益相反を防止するためのガバナンス体制の例として、独立した取締役会が挙げられていることの意味です。これまでの議論を振り返ってみますと、金融グループに属する運用機関についてこの独立した取締役会というものが重要であるということがフォローアップ会議でも指摘されていたわけであります。ただ、金融グループに属する運用機関は完全子会社であるわけで、完全子会社の取締役が、例えば東京証券取引所の定義を満たすような独立性の基準を満たしていたとしても、なかなか完全親会社の意向を無視して行動するということは非常に困難だと思います。ですから、完全子会社である運用機関が独立した取締役会を設置することは利益相反に対するガバナンス体制として重要だとは思いますが、単に独立した取締役会を設置するというだけではなくて、そのような取締役が独立した立場から、すなわち、完全親会社の干渉を受けることなく実際に行動できるようなサポートを提供する仕組みを合わせて構築するということが、2−3の文言には含まれているのだろうというふうに理解をしております。

 以上です。

【神作座長】
 どうもありがとうございます。

 ほかにご意見いかがでしょうか。

 島田メンバー、お願いいたします。

【島田メンバー】
 私もこの案には賛同させていただいているのですけれども、1点、確認をさせていただきたい部分がございます。2-1と2-2について、ほかの部分の指針では「アセットオーナーは」という言葉がたびたび入っていますが、2-1、2-2には当然、機関投資家にアセットオーナーも含まれていると思いますが、「特に運用機関は」と後段に述べられているものと対比しまして、アセットオーナーに対してこの利益相反に対する管理の意識を高めるという部分が若干弱いようにも感じております。特に、企業の年金の場合には、担当者の皆さんも企業人でございますので、親会社、あるいは所属する企業のステークホルダーからのさまざまな要望等もあるやに聞いております。ここについてなぜ「アセットオーナーは」という言葉がないのかということについて1つご質問させていただきました。

【神作座長】
 ご質問がございました。事務局からお答えをお願いいたします。

【田原企業開示課長】
 ご指摘のように、2-1と2-2の前段には、当然、アセットオーナーが含まれるということでございます。2-2の後半以降、なぜこれが運用機関になっているかということでございますが、これまでのご議論が運用機関の問題を中心に議論されてきたということを踏まえて、こういう形でまとめさせていただいたということでございまして、アセットオーナーの方についての議論というのもあるかと思うのですけれども、昨年のフォローアップ会議以降、基本的にはやはり運用機関についてこういうことがまず問題になっているんじゃないかという問題意識からこういう指摘がされたということで、「特に」ということで書かれているということでございます。

 ただ、いずれにしても2-1、2-2の前段はかかるわけでございますので、そういった観点でアセットオーナーの方にもよくそういった点について考えて行動していただければということではないかと考えております。

【神作座長】
 よろしゅうございますでしょうか。

【島田メンバー】
 はい。ありがとうございます。

【神作座長】
 大場メンバー、お願いいたします。

【大場メンバー】
 今の島田さんのご質問にも関連するのですが、最初にアセットオーナーによる実効的なチェックと、こういう観点が大事だということでフォローアップ会議で整理をされているわけですね。そういうことで言いますと、島田さんのご意見と全く同じことなのかもわかりませんが、特に原則の7には当然、アセットオーナーも重要な位置づけになるのではないかと考えるのが筋ではないかと思うわけです。実力がないとチェックできませんからスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきだと思います。そういう点で考えますと、7-1、7-2のところで、7-1はこれは両方にかかわるわけですね。7-2が特に運用機関の経営陣と、こうなっているのですが、人材育成とか組織の構築とかということについてはアセットオーナーも全く同じように考えるべきではないかと思うのですが、その点はいかがでございましょうか。

【神作座長】
 事務局からご回答をお願いいたします。

【田原企業開示課長】
 これも同じ議論でございまして、今、大場メンバーからご指摘いただきましたように、7-1は当然、アセットオーナーの方も対象になるということでございますが、7-2につきましてはフォローアップ会議以来の議論の中で、運用機関の経営陣についての議論という形で行われてきましたので、こういう書き方にさせていただいているということでございます。こういう議論になってきた経緯でございますけれども、こういう考え方自体は、運用機関だけでなく、アセットオーナーにも当てはまるということであろうと思いますけれども、アセットオーナーにつきましては、まずもって原則1のところに書かせていただいた3つの点を中心にしっかりやっていただくということをコードに盛り込むことが、これまで議論されてきたということでございますので、ややそういう意味では少し差があるようなところもあるのかなと考えているところでございます。ただ、実際にやるべきことというのは、おっしゃるように同じではないかと言われれば、それはそのように考えられる点もあろうかと思ってございます。

【神作座長】
 大場メンバー、よろしゅうございますか。

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、田中正明メンバー、お願いいたします。

【田中(正)メンバー】
 ちょっと別件なのですが、16ページの5-5なのですけれども、これまでのこの会合でいただいた資料その他を少しレビューしてみたのですが、前回、議決権行使助言会社につきまして資料をいただいて随分議論があったわけなのですが、その際頂いた資料によりますと、欧米における例が書かれており、それから、議決権行使助言会社の影響力についても分析がされていて、この議決権行使助言会社の影響力が次第に高まってきているという事態についてもご説明があったわけですね。そういう中で、米国においては議決権行使助言会社を登録制として、さまざまな、例えば十分な財務経営資源を有していることの証明を開示させるとか、体制の整備義務を義務づけるとか、そういうことがされているというご報告がありました。それから、EUにおいても現在、議決権行使助言会社に対して、スタッフの資質の確保のための手続とかもろもろのことについて開示させるという内容の改正案が検討されているということでした。こういう流れがあるようなのですが、そういうことを考えて5-5を読みますと、「議決権行使助言会社は、企業の状況の的確な把握等のために十分な経営資源を投入し」としか書いてなくて、こうしたことをやっているということをきちんと開示するといったことが書かれていません。議決権行使助言会社の影響力が非常に高まりつつあるという中では、この中でそうしたことを、欧米の例も参照しながらしっかり開示してもらって、それを利用する人たちがほんとうに安心して使えるものなのかどうか、論点があるのかどうかということがわかるような形にしていくということが一つの論点として残るのではないかという気がしております。

 私のコメントはその1点です。あとは非常によくできた形になったと思って、喜んでおります。ありがとうございました。

【神作座長】
 ありがとうございました。

 今の点について事務局から何かございますでしょうか。

【田原企業開示課長】
 今のご指摘は、議決権行使助言会社において、例えば業務体制や利益相反管理などの取組みについて、何らか開示、公表すべきであるというのをコードに盛り込んだらどうかという、そういうことでしょうか。

【田中(正)メンバー】
 そういうことです。

【神作座長】
 特に今の点について、ほかの方からもぜひご意見をいただければと思います。

 小口メンバー、お願いいたします。

【小口メンバー】
 すみません、今の点ではないのですけれども、1つ、その前に確認したいのですが、今回、序文の最後のところには、前回と同じようにおおむね3年毎を目途として見直していくという文言がそのまま残っているわけなのですが、これは多分、意図的にこうされたと思うのですが、つまり、今回改訂されてまた3年後に、前回つくってから今回改訂されたように、いろいろな状況を踏まえながら変えていくという意図で残されているのかなと思うのですが、それはそういう理解でよろしいでしょうか。

【田原企業開示課長】
 ご指摘の点につきましては、当初そういう形で規定されたものを直していないということですので、これでよろしいということになれば、おおむね3年ごとを目途として定期的な見直しを検討するというのがそのまま残るということになります。

【小口メンバー】
 今それを申し上げた理由というのは、今日いろいろ議論が出ていますが、前回策定時に比べて大きくいろいろな面で改善内容が盛り込まれていまして、私は今の時点ではこれでいいと思っているのですが、当然のことながら、また時間がたってきますと、先ほど出ていたような、例えば運用機関だけにしているものがアセットオーナーも対象になるのではないかとか、あるいは先ほどもご指摘があったように開示という問題も、いずれそういったことが腑に落ちるような形になってくれば、まあ、そのときに改善すればいいのかなという視点もあろうかと思っているからです。そういった意味で、現状の中で、フォローアップ会議から、それから今回の有識者検討会での議論も踏まえて、私自身はでき得る限りで一番高いところを書いていただいた理解でおりますので、もちろん言い出せばいろいろあるのかもしれませんけれども、そういった視点に立って、また3年後にこういう議論をされて、また改訂されるということを踏まえれば、この内容のままでいいのではないかなと思っています。

 以上です。

【神作座長】
 どうもご意見ありがとうございました。

 冨山メンバー、お願いいたします。

【冨山メンバー】
 今日は特に爆弾発言はしません。まず、田中さんのご指摘で、全くそのとおりだと思います。私もちょっと被害者だったので、ちゃんとやれよなというのが前から言っているところでありまして、あと、全体の議論で言っちゃうと、よくここまでまとめていただいてすばらしいなと思います。マクロ的な議論で言うと、やっぱり今まではっきり言って、企業側のガバナンスがあまりにひどかったので、機関投資家どうよというのがあまり顕在化しなかったわけです。ある意味では企業統治改革が進んできたおかげで、それは会社さんが一生懸命やろうとしているんだから、今度逆に、資本民主主義ですから、投票権を持っている側はちゃんとやっているんですかと問われるのは、これは当然の話です。その観点で言うと、私、どっちもどっちだと前から思っていたところもあり、総理の御前会議でもばかの二つ覚えという発言が非常に受けまして、ここでも言いましたけど、とにかくあほな機関投資家というのは、口をあければ「配当を増やせ」と「買い取り償却をしろ」しか言わんと。もっと気のきいたことを言えよ、というのが私自身結構体験してきた事実で、とりわけこの問題は結構、国内の機関投資家にもありがちです。あえて言うと。意外とハゲタカ、ハゲタカと言われている外資のプロの人たちはあまりそういうことは言わなかったりします。はるかに気のきいた要するにエンゲージメントのコミュニケーションがとれるのが事実です。

 なので、ここはやっぱり今後の議論としては、この後どれだけレベルが上がっていくのか。この前ちょっと日経にも出ていましたけれども、前回書いた文章ですけれども、要は、実際企業の側として、私も社外の立場でIRのエンゲージメントで機関投資家やアナリストと話をすることがあります。であるけれども、残念ながら、これも繰り返しになりますが、はっきり言って外資系のほうがレベルが高いです。外資系のほんちゃんの、例えば日本をちゃんとカバーしている長期保有型のプロがヨーロッパから来ましたと。彼らと話をするほうがはるかにクオリティーが高いです。残念ながら、こうやってわーわー言われているので、みんなしようがないからエンゲージメントもどきを始めていますが、日系で出てくるお兄ちゃんだかお姉ちゃんだかの中には、もう何か知らないけど、マニュアルみたいな質問やったり、これがエンゲージメントですみたいな。そんなものおまえ、開示資料を読めばわかるだろうがというような質問を形式的にやって帰っていくばかがいっぱいいます。

 問題は、この2年後、3年後にそのレベルが上がるかどうかです、これは。そこはもうぜひぜひチェックしていかなければいけないし、あと、この5-3かな、ここでちょっとストレートに言っちゃうと、多分、おそらくこの問題って、生命保険さんとか苦労した議論だと思います、きっと。ストレートに言っちゃいます。僕は歯に衣着せるのが苦手なので。で、ちょっと個人的体験で言うと、私が若いときに一番高い金融商品を買ったのは、おそらく日本で一番大きな生命保険会社の生命保険です。それ以来もう30年近くたっているかな。もし万が一今まで生命保険会社が仮に議決権行使に当たって、このスチュワードシップ・コードに書いてあるようなことをやっていなかったとしたら、もうはっきり言って噴飯ものです。こっちはもうはんぱじゃない金払ってるわけで、そのお金ちゃんと面倒見てよということです。こっちに言わせれば。たしか相互会社なので私、社員なんですね、これ。実は社員なんです。要は、相互会社のオーナーの1人なので。だからこのぐらいのことはちゃんとやっているはずだと信じたい。だからここで抵抗感があったとしたら、私には全く理解ができない。これはことほどさよう、全部、さっきちょっと出たアセットオーナーの問題も同じでね、アセットオーナーって言うけれども、私が大体見ている認識で言っちゃうと、大体、企業の年金基金の何かやってる人って、あれでしょう、どうせその会社の管理部のサラリーマンのなれの果てだったりする。サラリーマンの要するに。おそらくCAPMも知らなきゃ、ポートフォリオ理論も知らないようなど素人がかなりいるわけでしょう、これ。そういう世界なんですよ。そんなやつが仕事すんなよなってことなんですよ、これ。根本の議論は。大切な、要するに自分たちの元従業員の老後の資金預かっているわけですよね。そんな素人ではなくプロの仕事であるべきです。だから、そこはね、やっぱり根本的にいろいろなことを僕、問われているんだと思います。この問題の底流にある問題は。

 なので、まあ、何が言いたいかっていうと、これはこれで終わりではありませんっていうことです。この後、2年、3年、私もいろいろな会社の社外をおかげさまでやっているので、それはどこかの投資信託だろうが生保だろうが、いろんな方と私、IRで接点を持つと思います。そのときに申しわけないけどちゃんと見させてもらいます。彼らのクオリティーが上がるか上がらないのか。で、上がらないんだったらもう1回、3年後にほえちゃいますから。爆弾発言をしますので、そうならないように、もし今日、機関投資家の関係者がいらっしゃったら、真剣に力つけてください。これはほんとうに真剣に世界水準で力つけてください。そうしたら全然、そもそもね、もしそうだったらコードなんて要らないんです。その問題です。

 ちなみに、よくまたね、これも長くなるんですけど、議決権行使の議論でね、もうとにかくいっぱい投資先あるから大変なんだと。個別に開示なんかしたりすると大変だと泣き言を言う。何言ってやんでえですよ。たかだか3,000社でしょう。それで飯食ってるんでしょう。それができないんだったらやめちまえです、はっきり言って。どこかと合併すりゃいいんですよ。その能力がないんだったら。だからおまえら、素人かっていうことです、これ。くどいですけど、この世界はね、はっきり言って、これはコーポレートガバナンスというのは企業経営者もそうだし、これから機関投資家の仕事もこれはプロの仕事です。プロの仕事です。これはお医者さんなんかと一緒ですよ。プロの仕事ですよ。プロたるものがね、そんなもの、たくさん会社があるから見切れねえだのね、何かそういう何か泣き言言ってんじゃねえよって話と、あと、この議論の中で、何かあれですかね、何かいろいろ運用機関に形式的な議決権行使を助長するなんて、これも、泣き言ですよ、これはっきり言って。わーわー言われっから形式的行使になっちゃう? ちょっと待ってくれですよ。要するに、これ、自分たちアマチュアですって言ってるのと一緒です、これ。自分たちはど素人の、要はそういった議論に太刀打ちできないんで何とかしてくれって言ってる話で、もしこれね、この議論はね、多分ね、もし助長するんであれば、真に問われるべきはやってる連中のプロフェッショナリティーの方です。だから、これ、問題は違います。全然とんちんかんです、これ。ど素人で自信がないからそういうことに私たちは影響受けちゃいますよって言ってるのと一緒です、これ。だから、そういうやつ交代しろです。だから、これの議論、ちょっとまだ情けない議論が結構残ってるので、この情けない議論が2年後、3年後に払拭されているかどうかというのが私は楽しみでしようがないので、とにかくくどいですが、今日いろんな関係者が集まっておられると思うので、ぜひぜひプロとして世界で通用する一流のプロにこの2年後、3年後に成長していただきたいと思います。

 以上です。

【神作座長】
 どうもありがとうございました。

 今、3点ご指摘いただいたと思いますけれども、第1の田中正明メンバーのご意見に賛同するという点について、またちょっと戻ってご議論いただきたいと思います。議決権行使助言会社についてご意見ございましたらご披露いただきたいと思います。

 はい、上柳メンバー。

【上柳メンバー】
 5-5の点ですけれども、私も、田中メンバーの意見が正しいと思います。このコード全体が、特に公表すべきと書かれていなくても、コンプライ・アンド・エクスプレインというふうに考えていいわけですので、いずれもエクスプレインする対象というのは利害関係者ですけれども、広く言えば社会全体ですので、公表を含んでいると思います。けれども、ほかのところ、あるいはほかの者について公表すべきであるというふうに書いてあるので、ここにないというのは確かにちょっと平仄を欠くなというふうに思いました。

 それから、さらにそのついでで復活折衝みたいなことで恐縮なんですけれども、先ほど大場メンバーがおっしゃった7-2のところも、これも運用機関に限定しなくて、機関投資家の経営陣でよいような気がいたします。これは原則7というのはある意味でまとめの章ですし、これは総論的な指摘として重要な項目ではないかというふうに思いました。

【神作座長】
 どうもありがとうございます。

 大場メンバー。

【大場メンバー】
 今、上柳さんからご指摘いただいたので、先ほどの意見の続きではありますが、7-2の「また」のところは特にアセットオーナーとマネージャーの両方にかかっていいのではないかと思います。上は系列の金融グループがあるので、これは運用機関のほうがフィットする表現かなとは思いますが、下の人材育成とか組織というのは、これはインフラともいうべき普遍的な話なので、先ほどの冨山さんのご指摘にもありましたが、どうやって人を育てていくかというのは大変重要なことだと思うので、機関投資家全部にかかっておかしくないと思います。

【神作座長】
 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。特にこの議決権行使助言会社の問題について指針でどのように書くべきかという点についてご意見ございましたらお出しいただければと思います。
 それでは、高山メンバー、お願いします。

【高山メンバー】
 議決権行使助言会社の件については、私も開示を進めることについて賛成です。といいますのも、彼らはそういうリソースは十分持っているはずですし、それを開示するということ自体、特に行使会社にとって大きな負荷にならないどころか、自分たちの体制をきちんと示すよいチャンスになると思います。むしろきちんとした助言会社はこのようなコードを歓迎するのではないかと考えられます。この点に関する意見は以上です。

 それ以外に2点コメントさせていただきます。その大前提として、今回のスチュワードシップ・コードについて私は賛同いたします。その上でのコメントでございますけれども、先ほど上柳委員からもご指摘があったように、原則3-3のESGのところでございます。グローバルなトレンドを見ますと、ESGといった非財務の重要なファクターと企業の長期的な経済的価値、財務パフォーマンスというのは密接な関係があるというコンセンサスのもとで、企業、投資家双方が対応しているという状況です。コードを3年後に改訂する時期になりましたならば、ここのところについてもっと充実した書きぶりになるのではないかと期待しております。

 それから、もう一つは、企業と投資家の対話についてです。これは一部、冨山メンバーのおっしゃることとも重なるのですけれども、私は仕事柄、企業と投資家の対話について直接その場に立ち会ったり、あるいはそのような対話の状況についての話を聞くことが多いのですが、スチュワードシップ・コードやガバナンス・コードができてからの変化ということですと、以前よりは長期的な観点からの対話が増えたというところがあります。その際には、財務的な情報だけではなくて、先ほど申し上げたようなガバナンスやEとSに関する関心も高まっているため、それに関する議論も増えていったと理解しております。ただ、一方で、同じくよく言われているのが、投資家の対話の質には非常にばらつきがあるということです。企業に対する深い理解のもとで本質的な議論を行い、経営陣・取締役が非常に学ぶところもあるという対話もあります。しかし、極めて形式的な対話も多いという話も伺います。日系の投資家を弁護するわけではないのですが、単純に欧米の投資家はよくて日系は悪いとまでは言い切れません。欧米の投資家は過去二、三十年にわたって長期的な観点からのエンゲージメントをずっとやっていますので、もちろんそういった点では彼らが先を行っているというところはあります。しかし、日系の投資家においてもかなり長い間からそういったことも含めてきちんと対応している、企業をきちんと分析しエンゲージメントをしている投資家さんはちゃんとおります。でも、一方でそうではない投資家さんもかなりいらっしゃるという状況だと思います。これは企業にとって非常に不満な状況です。なぜかといいますと、企業はコーポレートガバナンス・コードのもとで、経営の質を高め、それを監督するガバナンスの質を高めよと言われている。それに加えて、それらが正しくなされているかどうか、取締役会評価などで自ら検証しなさいと言われている。そのような高い要求が企業になされている。そうであれば、企業としては、では投資家も対話の質を高めてほしいし、それから、自ら責任を果たしているかどうか投資家もきちんと自己検証してほしいという要求は持つのは当然だと思います。

 そういった観点では、今回のスチュワードシップ・コードはそれらについてかなり明確に書かれていますので、これを機にさらに投資家が対話の質を高めて、それがまた企業に戻っていくというように、このコードが企業と投資家の間の正のスパイラルを呼ぶきっかけになることを強く願っております。

 以上です。

【神作座長】
 どうもありがとうございました。

 ほかにご意見、ございますでしょうか。

 上田メンバー、どうぞ。

【上田メンバー】
 ありがとうございます。まず初めに、この短期間でというか、年末から始まった短期間でこれだけのコードをまとめていただいてありがとうございました。フォローアップ会議で実質的に議論があった内容が反映されているということもあって、あと、集団的エンゲージメントであるとか、助言会社については前回追加で議論もあったということですので、私はまず全般的にこの内容については全く異論がございません。細かいところでいろいろ修文等あるのかもしれませんが、方向性については賛同しております。

 先ほど田中メンバーからのご指摘ですが、私も賛成です。特に米国ではSEC登録もされているということであれば、公表を求めるということはスチュワードシップ・コードの方針というか理念にもかなうことじゃないのかなと思います。あと、特に助言会社についても、前回たしか佃さんからもご指摘があったと思いますが、利益相反の問題があるようです。投資家に助言をしながら、他方で企業に対してもコンサルティングビジネスをやっていたりするところもあるようです。これはまさに利益相反こそを収益の源泉にしているのかなとも思えます。そのため、なおさらそういう説明責任、あるいは透明性が求められると思いました。

 全体的なところでちょっとコメントだけなのですけれども、ご議論およびこのコードの改訂案を拝見して、基本的にアセットマネジャーについてはもう形式的な段階というよりも実質の向上をどう図るかというステップに入っているのかなと思いました。これに対してアセットオーナーについては、最初の第一歩のところから今回検討がしっかりされているように感じております。中でもアセットオーナーは一番大事な役割というと、このコードの中では、自らスチュワードシップ活動をできるだけやるべきであると書いてありますが、多くの場合にはモニタリングというところにエネルギーが割かれるのかなと思います。このモニタリングについては企業年金だけではなくて公的年金においても、今まさにスタッフを増やしたりとか、あるいは開示を充実させたりということで模索しているんじゃないかと思います。ここではアセットマネジャーが協力しないともうお話になりませんので、そういった協調が欠かせません。それに関連して、アセットマネジャーの自己評価が書かれているので、これを重要な実務として取り組むものになるのかなと思っています。ガバナンス・コードには取締役会の評価というのがありましたけれども、この評価ってほんとうに難しくて、多分、書いてあることの意味はほんとうにわかるんだけれども、実際何をしたらいいんだろうかという悩みが出てくるのがアカウンタビリティだと思います。具体的にはここでは数字だけではなくて、例えばエンゲージメントで対話の質を上げるための情報が必要なんだと思います。英語をどう書かれるのかは知りませんが、ニュアンスとしてはレビューに近いのかなと思っています。

 そういった中で今回、厚労省さんから資料が出ていますけれども、具体的な取組みとして参考になりそうですので、ご紹介させてください。英国等を見ていると、自己評価というのは、一つには評価フレームワーク的なもの、これは、後ほどご説明があると先ほど伺いましたけれども、厚労省さんからの資料にあるチェックポイントのようなもので評価することで定量的に数値化するものです……すみません、勝手にまだ説明いただいていない資料を言及して恐縮なのですが、最後の10ページにあるようなもの、こういったフレームワーク的なものがあれば可視化もできるし、比較評価もしやすいのかなと思いました。

 2つ目なのですが、これはスチュワードシップ活動の報告書的なものです。実際にGPIFさんであるとか地共連さん、こういった公的年金は既に開示されております。あるいはエンゲージメントについては、お名前を出して恐縮なのですが、日本生命さんもすごく詳細なエンゲージメント活動の報告書のようなものを出されていると思います。こういったものに議決権行使の結果であるとか、利益相反の取組みであるとか、そういった、今、ばらばらに開示されているようなものを統合して、有機的に合体させれば一つのアニュアルレポート的になると思います。こういったものがあれば、アセットオーナーにとっても各運用会社を評価するのに役立ちます。今後、企業年金のコード受入が増えるという中で、アセットマネジャー側もなかなかカスタマイズの報告書って難しいと思うのですが、こういったものが一つあれば、潜在的顧客に向けても情報発信ができるのかと思います。

 また、機関投資家の裏側には個人の投資家がいるわけなのですが、こういう個人投資家、投信会社の場合には直接顧客になりますけれども、こういう人たちに対しても自らの活動を発信するすべになるのかなと思います。今後はそういった実務の発展に期待をしているというところでございます。

 ありがとうございました。

【神作座長】
 どうもありがとうございました。

 佃メンバー、お願いします。

【佃メンバー】
 ありがとうございます。3点、コメントさせていただきます。

 まず1点目が、16ページの5-5の、先ほど田中メンバーがご指摘された点は私もそのとおりだと思います。単に十分な経営資源を投入するだけじゃなくて、それをきっちり開示していくといったことが大事だと思います。

 それから2点目に6ページ、前のほうですね。コンプライ・アンド・エクスプレインの重要性については先ほど田原課長からもご説明がありました。前回も指摘させていただきましたけれども、今回に関してはこの6ページの下のほうにある、「なお、原則を実施しつつ、併せて自らの具体的な取組みについては積極的に説明を行うことも、顧客・受益者から十分な理解を得る観点からは、有益であると考えられる」と、非常にマイルドな表現になっています。これに関してはぜひとも3年後にもうちょっとレベルの上がったコメントになるといいんじゃないかなというふうに思った次第です。

 それから最後3点目、先ほど冨山さんがご指摘されたことが本質だと思うんですね。冨山さんは爆弾発言をここでしないと言いながら、横で聞きながら、爆弾発言っぽく聞こえたんですけど、でも、実は冨山さんがおっしゃると全然許されちゃうっていうふうにうらやましく聞いていたんですけれども、横で。冨山さんの発言を聞きながら、やはり思い出すのが、スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードは車の両輪であると。先ほど冨山さんもその話を指摘されていたと思うのですけれども、スチュワードシップ・コードはちょうど今から3年前に導入されましたということで、3年たって今回改訂になりました。一方でコーポレートガバナンス・コードは2015年の6月ですから、あと1年半ぐらいでちょうど丸3年と。こちらのほうは別に3年ごとに見直しということは特に書かれていないと思うのですけれども、私の期待としては、スチュワードシップ・コードが今回改訂されて、機関投資家の行動が変革されて、当然ながら企業サイドに対する健全な良い意味でのプレッシャー、それから建設的な対話が十分になされて、その結果、来年の今ごろには、やっぱりそろそろコーポレートガバナンス・コードもレベルアップしていかなきゃいけないねと、こういうふうな議論になっているのが本来のあるべき姿じゃないかなと思います。

 ガバナンスの先進国と言われるイギリスも、二十何年前、ガバナンス・コードが初めて入ったときというのは、これはイギリスの同僚に聞いたら、実は今の日本のコーポレートガバナンス・コードとほぼ一緒だったと、当時は。そこから何十年かけて、大体3年に1回ぐらいずっと改訂してきているということはあるので、やはりスチュワードシップ・コードもコーポレートガバナンス・コードも終着点がないと。私の感覚では、今、富士山の登山で言うと、大体1合目か2合目ぐらいだと思いますので、まだまだ登山は続く。このことを理解しておくことが大事じゃないかなと考えます。

 最後に、この取りまとめ、ほんとうにご苦労さまでございました。私は、この内容で100%いいと思います。どうもお疲れさまでございました。

【神作座長】
 どうもありがとうございました。

 ほかにご意見ございますでしょうか。

 清水メンバー、お願いいたします。

【清水メンバー】
 生命保険協会の代表として意見を申し上げます。プロの長期の機関投資家として、また、コードができる以前からエンゲージメントに従事している投資家として、また、対話に重点を置いたスチュワードシップ活動に努めているといった特徴を持っております生命保険会社といたしましては、重ねてではございますが、15ページの脚注にあります個別の議決権行使結果の公表についての懸念点については引き続き懸念を持っているところでございます。ただ、そうした点はあるものの、今回、取りまとめていただいたコードの改訂案につきまして異論はございません。

 その上で、今後も数年おきに継続的にコードの見直しの議論が行われていくと考えておりますので、その際にぜひ期待したいことを2点申し上げたいと思います。

 1点目は、個別の議決権行使結果の公表でございますが、個別開示の効果や課題について振り返り、PDCAをしていただきたいと思います。とりわけ、第1回目のケリー委員ご自身のコメントで、イギリスでは公表しているものの誰も見ていないというコメントがケリーメンバー自身からございました。そのことが非常に引っかかっております。

 2点目は、今後、改訂の議論を行う際は、議決権行使のみに焦点を当てるものではなく、スチュワードシップ活動全体のプロセスを高めるといった観点、さらには、対話の質をいかに高めるかといった観点、こうした観点から実質的な議論がなされることを期待したいと思います。フォローアップ会議の中では、たしか対話の質を高めるといった議論は各機関投資家に任せておくものだというコメントがあったと記憶しておりますが、ほんとうにそうだろうかと。対話の質に関していろいろとこの場でもご意見が出ましたけれども、そのご意見を踏まえて対話の質を高めるために、このスチュワードシップ・コードそのものがしなければいけないことがあるのではないかと考えますので、ぜひ継続的に対話の質を高めるための議論、そして、そのことのコードへの反映、そうした観点からの議論をぜひお願いしたいと思っております。

 以上でございます。

【神作座長】
 どうもありがとうございました。

 ほかにご意見ございますでしょうか。

 小口メンバー。

【小口メンバー】
 すみません、先ほど、基本的には私はこれでいいということで申し上げたのですが、どうも5-5のところに開示を求める皆さんの声が多いので、もし開示をする場合という前提でご検討いただきたい点が、議決権行使助言会社、あるいはサービス会社というのは、基本的に海外の会社がグローバルにカバーリングしているところに日本株の部分がちょっとあるという現状であります。序文の4には「投資先の日本企業」と書いてあり、スチュワードシップ・コードは基本的には投資先の日本企業についてということで、その後は書いていないけれども、黙示的にそういう前提で理解されていると思うのですが、議決権行使会社のみが該当する5-5が英語になって、それに対して議決権行使助言会社が開示する場合、対象をはっきりしておかないと、グローバルにこれだけ人がいますよ、グローバルに体制が整っていますよというところで終わってしまうことが懸念されるのです。それで肝心の日本株の部分に絞った開示まで多分行かないと思うんですよね。日本株に関する取組みと、その開示を求めるという趣旨であるのであれば、そこははっきり書いたほうがいいのかなと、実務的な話で恐縮ですけれどもコメントさせていただきます。

【神作座長】
 どうもご意見ありがとうございます。

 ほかに。

 それでは、冨山メンバー。

【冨山メンバー】
 未来の話をします。さっきちょっとコーポレートガバナンス・コードの議論が佃さんからあったので、その脈絡でちょっと申し上げておくと、私が個人として考えているコーポレートガバナンス・コードの今後の2つの大きな課題があります。これはこの前、未来投資会議で総理からも出ていましたけれども、一つは、いわゆるOBガバナンスの問題です。要は、社長でもないやつが、相談役だか何だか知りませんけど、わけのわからない方がえらい経営に影響を与えているんじゃなかろうかと。あるいはそういう人がいっぱいいるんじゃないかと。それは私に言わせれば、これは会社の側も機関投資家も同じです。そういう問題があります。それについてちゃんと皆さんがエンゲージメントができるかどうか、それは見させてもらいたいと思います。要は、何かどことは言わないけれども、何かぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃいろんな人がいて、何か知らないけど、何かどこかの、日本何とかの社長やってるのに相変わらず自分の会社に部屋あったりとかいう人がいたわけで、どこかに。そういった会社の議決、議案は多分、私はとりあえず全部ノーですね。はっきり言って。そうあるべきだし、それがほんとうのエンゲージメントです。私に言わせれば。そこはちゃんと突っ込まなければならない。だからニッセイさんも突っ込んでください。ぜひとも突っ込んでもらいたいと思います。

 それから、もう1点。ちょっと似た話なんですけど、やっぱりトップマネジメントの、要は長期的な、要するにセレクションの問題です。この問題、これ、今のOBガバナンスの問題は、おかげさまで、今、問題になっていますが、そもそも論として、実はこの裏側にある問題は、日本の会社のトップをあまりにも不真面目に選んできたっていう問題です。結論から言っちゃうと。何でおまえ断言できるかっていうと、多分、私、日本で一番、社長人事やってる人間なんで、これは断言できます。一番たくさんやってます、社長人事は。上場企業の社長も一番たくさんやってます。要するに、毎回思うのは、何で前の人この人なのっていうケースがあまりにも多過ぎる。それはやっぱり真面目に選んでないです、はっきり言って。この問題はほんとうは前回のコーポレートガバナンス・コードにほんとうはもっと突っ込んで入れたかったんだけれども、どこかで強烈に反対している人たちがいたので、ある意味では、何ていうのかな、ちょっと見逃してやったって感じです。だけれども、やっぱりその後、起きている事象見たって、やっぱりね、トップマネジメントの問題、大きいですよ。何であんなやつ選んじゃうんだろうってのがやっぱり続出してるわけです。そういった事案が。要は、私はこの次のコーポレートガバナンス・コードにおける二大論点、ほぼ同じコインの表裏なんですけど、大体そのOB連中がまたトップ人事に口を出すので、大体表裏なんですが、この問題は私は真剣に取り組むべきだと思います。裏返して言っちゃうと、今日こういったスチュワードシップ・コードがちゃんとしたときに、皆さんが本気でちゃんとエンゲージメントをやっているかどうかというのは、そのエンゲージメントの中でそういった問題に皆さんが突っ込んでくれるかどうかです。何でおまえが社長やってるんだっていうふうに突っ込んでくれるかどうかです。それができたら、さっきおっしゃったように、それは本物のエンゲージメントです。それができないんだったらうそです、それは。形だけです。そこを私は見させてもらいたいなと思っておりますので頑張ってください。

 以上です。

【神作座長】
 ご意見ありがとうございます。

 ほかにご意見ございますでしょうか。

 よろしゅうございますでしょうか。本日、事務局からご提案いただきました案について、それを運用するに当たってのご注意、あるいは次の見直しの際、さらには中長期的な見直しにおける課題についてもご指摘いただいたと思いますが、ご提案いただいた提案自体についても修正を施してはどうかというご意見がいくつかあったと思います。

 その一つが指針の5-5の議決権行使助言会社について十分な経営資源を投入し、適切にサービスを提供すべきであるということに関連いたしまして、十分な経営資源を投入したこと等について開示を求めるべきではないかというご意見が多くのメンバーから寄せられました。この点について事務局から何かお考えございますでしょうか。

【田原企業開示課長】
 ありがとうございます。議決権行使助言会社についてのご指摘でございますけれども、特にご異論がないようであれば、5-5に、例えば以下のような文章をつけ加えてはどうかと思っております。「議決権行使助言会社は、例えば業務の体制、利益相反管理、助言の策定プロセス、そういったことについて自らの取組みを公表すべきである」といった文章を付け加えさせていただければと考えております。

 小口メンバーのご指摘には直接この案では応えていないかもしれないですが、基本的にはコードの中に入るということですので、解釈としてはご指摘いただいたようにやっていただくということかと思っております。

【神作座長】
 ただいま事務局から、修正案のご提示がございましたけれども、皆様いかがでしょうか。

(「異議なし」との声あり)

【神作座長】
 よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。では、議決権行使助言会社について、業務の体制、利益相反管理、助言の策定プロセス等について自らの取組みを公表すべきとの一文を付け加えることとさせてただきます。

 それから、もう1点、指針の7-2に関連いたしまして、7-2が運用機関に名宛人が限られているけれども、特に第2段の「また」以下の部分等については、アセットオーナーを含める旨を明らかにする記述をすべきではないかということについても複数の方からご意見がありました。この点については何か事務局から修正等のご提案がございますでしょうか。

【田原企業開示課長】
 この点につきましては、基本的に7-1のほうで、こうした対話や判断を適切に行うために必要な体制の整備を行うべきであると書いてございますので、基本的にはそちらのほうでカバーされているのではないかというふうに考えております。もし書きかえるとしますと、大場メンバーからご指摘があったように、前半の3行にはややスペシフィックなことも書いてあり、文章の入れかえなども生じ得ますので、変えるべきだということであれば検討させていただきますが、今でもカバーされているということで、それでいいということであれば、このまま行かせていただければと。

【大場メンバー】
 ちょっと技術的なことは、今、田原課長が言われたように、主語と述語が合わなくなるとかっていうのがあると思いますので、ちょっと難しいのかもわかりませんが、要は何かというと、冨山さんからの話にもちょっと関連するのですが、アセットオーナーがしっかりすれば運用会社はしっかりせざるを得ないんですよ。構造的に。消費者がしっかりすれば企業は頑張るしかないわけでしょう。なので、より運用機関がしっかりしなくちゃいけないって、ここに書かれたとおりですよ。しかし、それ、アセットオーナーもやっぱりそういうような問題意識で取り組まないといけないということをどう表現したらいいかと。こういう話を申し上げているわけでありまして、そこをどのように表現するかっていう、そういう話です。

【神作座長】
 加藤メンバー、どうぞ

【加藤メンバー】
 7-2に関する大場委員のご意見に賛成です。文言の修正として、例えば、「特に」と「また」の段落を入れかえて、最初に、機関投資家の経営陣は人材を育成しなければいけない、特に運用機関の経営陣は、とすると文章の流れも悪くないですし、さらに大場委員のご趣旨もかなり明確に入るような気がします。

【田原企業開示課長】
 わかりました。では、この点については検討させていただいて、またご連絡をさせていただきます。

【神作座長】
 ありがとうございます。

 ほかにご意見よろしゅうございますでしょうか。もしよろしければ、先ほど指針の5-5の後に一文追加をすると。それから、また、7-2についてもまた場合によっては文言等の見直しを含めて、改訂案について本日いただいたご指摘を踏まえて、事務局において修正を行い、あとはメール等で調整をさせていただいた上で取りまとめをさせていただきたいと存じます。いかがでございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【神作座長】
 ありがとうございます。

 また、表現の平仄などの最終的な精査につきましては、念のため私のほうにご一任をいただきたく存じます。よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【神作座長】
 ありがとうございます。

 それでは、今後のパブリックコメント等の手順について事務局からご説明をお願いいたします。

【田原企業開示課長】
 どうもご議論ありがとうございました。冒頭で申し上げましたように、本検討会で取りまとめていただきました改訂案につきましては、今後、およそ1カ月程度パブリックコメントに付させていただいて、広く関係者の皆様のご意見を頂戴したいと考えております。

 それから、毎度で恐縮なのですが、若干公表は遅れますけれども、英語版も同様にパブリックコメントに付させていただきたいと考えているところでございます。

【神作座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、パブリックコメントにおいて寄せられたご意見も踏まえて、スチュワードシップ・コードを最終的に確定、公表いたしたく存じます。場合によってはもう一度、メンバーの皆様にお集まりいただく可能性もございますけれども、その場合には何とぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、最後になりますけれども、厚生労働省及び企業年金連合会のスチュワードシップ検討会から先日公表されました報告書について青山オブザーバーからご説明をいただきたいと存じます。ご説明よろしくお願いいたします。

【青山オブザーバー】
 どうもありがとうございます。厚生労働省年金局企業年金・個人年金課の青山でございます。今日は貴重なお時間をいただきどうもありがとうございます。

 今、ご紹介いただきましたので、企業年金におけるスチュワードシップ・コードの受け入れ促進の取組みについてご紹介させていただきます。資料を用意させていただいております。厚労省という表紙をめくっていただきまして、これまでの経緯とありますが、企業年金にとってのスチュワードシップ活動の有益性というのは、この会議の皆様におかれてはもう言わずもがなでございますので、あえて繰り返しませんけれども、そういう趣旨を踏まえて、日本再興戦略、昨年策定されたものでも企業年金におけるスチュワードシップ・コードの受け入れ促進というものがうたわれていたわけでございます。今、受け入れを表明している企業年金がまだわずかという状況でございます。そうしたことから、その反面、企業年金側においてはどのように対応したらいいかわからないという声もあったことから、去年の9月に企業年金連合会という、企業年金を会員とする団体においてスチュワードシップ検討会というものを設けまして、当厚労省も一緒に連携しまして、金融庁さんにもオブザーバーに入っていただきながら検討してまいりました。検討した内容が、そもそも企業年金によるスチュワードシップ活動をする意義とか、あとは、受け入れた場合の行動の例というものを検討してまいりました。

 めくっていただきまして、ちょっと繰り返しになりますけれども、この検討は企業年金関係者とか学識経験者、あと、運用機関の方も来ていただきまして会合を5回ほど設けました。途中、12月に中間的な論点整理を公表し、意見募集を行ったり、セミナーを行ったりしながら議論も詰め、紹介いただきましたとおり、3月とありますが、先週17日に報告書を取りまとめさせていただきました。報告書の本文は長い文章ですが、要旨はこの5ページ以降になりますが、今日は時間もありませんので、3ページのポイントのところで簡単にどういう内容かをご紹介したいと思います。

 今、言いましたように、チェックが3つありますけれども、まずは企業年金においてのスチュワードシップ・コード活動の意義というものを改めて整理したいということでございます。皆さんご案内のとおり、企業年金は株式運用は運用機関への委託運用でございます。つまり、この議論で言いますと、アセットオーナーの立場でございますが、そういう立場であっても、企業年金をみずから受け入れることによって委託先の運用機関の取組みを促す意義があるということとか、企業年金自身が加入者等に対して負っている、加入者等の利益のために働かなければいけないという受託者責任を履行する観点からも非常に意義があるという整理を改めてしております。

 あわせて受け入れる際のさまざまな行動というものがあるだろうということで、スチュワードシップ・コードの原則などを参考にしながら、ここにあるような運用機関に対するさまざまな活動を求める事項や原則を提示することとか、報告を求める、運用機関の活動の状況を代議員会という加入者などからなる受託者責任を負っている相手に示すといったモニタリングや、受託者責任を示すための行動を例示しております。これらにつきましては、皆さんにとっては当然の内容かもしれませんけれども、具体的に書き下すことで受け入れに当たってのイメージを持ってもらおうという趣旨で書かせていただいています。

 あわせて、先ほど上田メンバーからご紹介いただきましたとおり、こういう行動をするときに、特に運用機関との関係が出てきますので、運用機関にさまざまなことを求め、そことミーティングをし、モニタリングをするということになりますが、この束の一番最後の10ページに表でチェック項目の例というのがありますけれども、このように実際の機関とどういうことをチェックしながらミーティングしたらいいんだろうという、チェック項目みたいなものを幾つかつくりまして、これはミーティング時の例ですけれども、そもそも運用機関に求める事項とか、その他のこういういろいろなチェック項目みたいなものを、質問項目なども示しまして、やり方というのをわかりやすく提示しております。また、企業年金自身にやってもらうのですけれども、あわせて運用機関はある程度共通していますので、そこからの報告を複数の企業年金が集まった合同の説明会で受けるとか、そういう集団的な運用機関とのかかわりの場などを関係団体が用意するなどの支援策もやったらいいのではないかということも書いております。

 こういう形で企業年金自身にちゃんと意義をわかっていただき、かつ、具体的な活動、行動をイメージいただくという趣旨でまとめておりまして、今後の対応といたしましてはこういう今回の報告書を周知して理解を深めるとともに、企業年金が実質的なスチュワードシップ活動を、効率的かつ効果的に行えるよう支援していくつもりでございます。まとまったばかりでございますので、これからになりますけれども、スチュワードシップ・コードの趣旨を十分に踏まえて、今後、促進を図っていきたいと思います。

 以上です。

【神作座長】
 どうもありがとうございました。

 ただいまの青山オブザーバーのご説明についてご質問、ご意見等ございますでしょうか。

 冨山メンバー、どうぞ。

【冨山メンバー】
 ちょっと質問なんですが、さっきの大場さんの話とつながる議論なんですよね。要するに、スチュワードシップ・コードというのは、要は皆さん、ちゃんとしたプロフェッショナルとしてやりましょうということを要求しているわけで、プロフェッショナルって多分、2つの要素があると思っていて、ある種のプロフェッショナルのモラルであるとか利益相反っていう倫理的な側面ですね、プロとしての。やっぱり一番基本は能力だと思うのですが、この中にあまり、実はリテラシーないんじゃないのっていう、ストレートに言っちゃうと。大丈夫なんですかこいつらっていう要素っていうのは、中で、まずプロフェッショナルとしての基礎スキルというか、リテラシーを上げるのにどうすべきかっていう議論がこの中であったのかなかったのか。なかったとするとまずいと思うし、あるんであれば、やっぱりそのやってるアセットオーナーの責任者のレベルを上げるっていうことは必須だと思うんですね。

 ご案内だと思いますけど、例えばアメリカの大学の基金、アセットオーナーですけど、例えばスタンフォードマネジメントカンパニーの責任者っていうのは、もうスーパー一流です。もうあの世界の王様中の王様です、あの世界の。だから運用機関に行ってもすぐ年収何億なんて人が、私のスタンフォードビジネススクールの後輩がやってますけど、そういう連中がやってます。で、そういう連中がファンドを評価しているわけです。だから、それは厳しいです。プロ中のプロがプロを評価しているわけで。GPIF自身はややそういうモードにも変わってきているわけですけど、でも、肝心の企業年金の側がそれについていけないと、これまた同じ連鎖なんですよね。要は、機関投資家の皆さんがある意味でガバナンスを働かせられる側のアセットオーナーがあほだと、何でこんなあほにぐちゃぐちゃ言われなきゃいけないってことになっちゃうんで、その辺どんな感じでしょうか。

【青山オブザーバー】
 能力ということも含めて、やはり体制面、負担面がハードルという議論はすごくありました。確かに体制が整っていないとなかなか受け入れもできないんじゃないかという懸念は常につきまとっていまして、まずは規模を含め、企業年金の体制とか、あと形態、基金か、企業自身がやっている場合なのかとか、運用も単独か合同かと、いろいろなパターンで受け入れやすさも大分違ってくるという議論もしています。ですから、受け入れやすい体制を持っているところからやりましょうということをまず整理したのと、それでもそもそも体制がなっていないじゃないかという、能力という点につきましては、なかなかそこは明確に効果的なはっきりとした対応策がここで見出されたわけではないのですけれども、やはり委託運用ですので、まず委託先をきちんと管理、評価する実力が必要だということで、対応する例の中には研修の受講などを通じて、委託先を管理、評価する実力を自ら企業年金もつけましょうねということはうたっております。その程度ではございますけれども、意識としてはあったかなと思います。

 以上です。

【冨山メンバー】
 その脈絡で言っちゃうと、やっぱりさっきの議論で言うと、もうサインしてもらう以上はやっぱりアセットオーナーを意識した文言は入っていたほうがいいと思いますよ。サインした以上はこれにコミットするわけですから、一応ね、アセットオーナーがちゃんとプロフェッショナル化していきましょうということにつながっていくので、そこはすみません、田原さん、仕事増やして申しわけないですけど、やっぱり改めてそう思いました。

【神作座長】
 ほかに青山オブザーバーのご報告に対しましてご質問、ございますか。

 加藤メンバー。

【加藤メンバー】
 ありがとうございます。私は、企業年金の詳細な仕組みを存じ上げているわけではありませんけれども、アセットオーナーとしての企業年金の特徴として、競争がないということを挙げることができると思います。どういう意味かというと、黙っていても掛け金という形で新たな資金が入ってくるということです。このようにアセットオーナーである企業年金の段階で競争が存在しないため、先ほど冨山メンバーからご指摘があったとおり、企業年金の母体企業の意識が非常に重要になってくると思います。たとえば、母体企業にとって、企業年金は、単なる福利厚生という意味だけではなく、確定給付の場合には年金債務に関連する問題としても非常に重要です。ですから、アセットオーナーとしての企業年金の意識を変えるためには、母体企業の企業年金に対する意識が変わっていく必要があるのかなという気がします。確かに、母体企業と企業年金が癒着するのは問題がありますが、企業年金で実務を担当する方を母体企業が派遣するという人材供給の仕組みが欠かせないのであれば、人材供給者である母体企業の意識を変えて、より優秀な方を企業年金に派遣してもらうようにするというのが非常に重要だと思うのです。このような点について、何か議論があったのかということをお聞きしたいと思い質問いたしました。

【神作座長】
 青山オブザーバー、ご回答をお願いします。

【青山オブザーバー】
 ありがとうございます。まず競争というか、もともと企業年金は受益者が自らの加入者で、会社の従業員とか退職した方で、そこと企業とが連携して運用しているので、ほかとの競争というよりは、まずは受益者に責任を負わなければいけないという意味では、いかに年金資産を安全に運用して給付するかということかと思います。ただ、母体企業との関係につきましては、利益相反という重要な論点には企業年金も直面しているというのはそのとおりかとは思いまして、そこはちゃんと受託者責任の原則でやりましょうということは報告書でもうたっていますし、他方、母体企業自身が理解しなければいけないという面も当然でして、そこは母体企業自身の理解も得ていきましょうということはうたっています。ですから、企業年金だけが理解すればいいんじゃなくて、母体企業自身がスチュワードシップ・コードの意義をわかりやすく理解するよう、説明しなさいということもうたっている形で議論いたしました。

【神作座長】
 ありがとうございます。加藤メンバーよろしいでしょうか。

 ほかにご質問ございますでしょうか。

 小口メンバー、どうぞ。

【小口メンバー】
 せっかくの機会なので教えていただきたいのですけれども、一つは、企業年金の方の、これは企業年金だけの話というよりも、フォローアップ会議でも議論された、あるいはコーポレートガバナンス・コードでも議論された話だと思うのですけれども、運営されている方のインセンティブですね。中長期的な、この場合でしたら企業価値でなくて、企業年金資産価値の向上に資するようなインセンティブについて、企業年金さんの場合はどういうふうな報酬体系が一般的なのかという部分。企業年金資産価値を増やすこととどうリンクをしているのが一般的なのかという質問が一つです。

 もう一つは、1月の末に金融庁さんから、「機関投資家による国内株式の運用状況」という資料をいただいて、これを拝見すると、日本においては公的年金で40兆円、うちGPIFは30兆円ということで、企業年金は10兆円なんですけれども、例えば確定給付企業年金の数が、規約型1万3,000ですか、基金型で600という、ものすごい多くの数の年金が、言い方悪いですけど、少額の国内株式を運用している。そういうことを外から見ると、これってもうちょっと効率的な運営ができないのか。例えば、先ほど来の人材の問題とかインセンティブの問題とか人材教育は限られているという世界になったときに、じゃあ限られた人材を有効に使うために何か合同で運用するとか、そういうふうな経営資源の制約をもとにした工夫みたいなものがあるのかなという質問です。

 今回いただいた報告は、多分、今の体制を前提とした議論であって、それはそれで一歩進んだ議論だと思うのですけれども、もう少し先を見たときに、今申し上げましたようなインセンティブの話とか、あるいは合同運用みたいな話というのはどういう状況になっているのか少し教えていただきたいのです。

【神作座長】
 青山オブザーバー、お願いいたします。

【青山オブザーバー】
 まず初めのご質問が企業年金の意義をどのように理解しているか。

【小口メンバー】
 インセンティブ、報酬体系ですね。企業年金の経営陣の報酬体系についてです。

【青山オブザーバー】
 それは、すみません、実態となるとなかなかにわかには。それは各企業年金のほうで判断していますので、必ずしもわからないのですけれども、ただ、体制としては、基金であればきちんと資産運用の担当理事を設けろということにもなっていますし、報酬という話ではないですけれども、きちんと最低限の体制はとるようなことをしていますので、それ相応の処遇が各所でされているかなと想像します。

 合同の話につきましては、もともと合同運用の場合も少なくないです。企業年金は個々の規模はそんなに大きくないところのほうが多いので、そういう意味で合同運用が多いということで、既にしていますし、今後、スチュワードシップ活動に向けた取組みとして、先ほど言いましたように、運用機関は共通だと思うので、運用機関と複数の企業年金が一緒になって話を聞くような場も考えることで、おっしゃったとおり効率的な活動への準備というのもできるのかなという議論を始めたところでございます。

 すみません、不十分かもしれません。

【神作座長】
 冨山メンバー、どうぞ。

【冨山メンバー】
 今のちょっと、ちゃんと一度真面目に調べてほしいのが、結局、企業年金のやってる人たちがどういう人たちで、どのぐらいの期間やっててっていう、その実態を、これ、把握するべきで、私のイメージだとね、さっき言いましたように、何か人労畑だか総務畑だかのおっさんで、十分に偉くなれなかったおっさんが、当て職でちょろっと行って、大体4、5年おきに当て職で交代していくっていう、そういう世界ではダメなんですよ。おそらく固定給で何か決まっててっていうやつで、要は第二の人生みたいな感じのおじさんだとするとその人たちにしてみれば、4年ぐらい何かとにかく何事もないように平和に、とにかく俺のいる間はリーマンショックとか起こってくれるなよなみたいな感じで4、5年やって、大体ウイークデーから週末ゴルフのこと考えてるみたいな、そんな感じのおじさんでは困るんです。

 もちろん全体としての実態は知りません。だけど、実態を把握することが大事で、今、小口さんが言われたように、これ、ほんとうにプロにやらせようと思ったら、あんなに数あって、そんな1万何千、そんなプロいるわけないじゃないですか。だから、やっぱり真面目にこれ、合同運用するとか合同化して規模を大きくして、ちゃんとしたプロを雇うとかっていうことを真面目に考えるべきなんだけれども、おそらく日本型サラリーマン組織においてはそういった人たちの当て職ポストのほうが大事なんで、多分、建前で何と言っていようが、真面目にそういった人たちの年金を安全かつ高利で運用するという、非常に本来真剣で誠実にやるべき問題よりも、終身年功制でおじさんたちがずっと待ってるわけだから、ずっと4年おきぐらいにこの人たちのポストをつくることのほうがはるかに会社の中では大事で、それでそうなる傾向があるようになったんだと思うんですよ、僕、本音で言っちゃうとね。だから、そこは僕、一度ちゃんと調べられたほうがいいと思いますよ。どんなやつがやってんのか。それがやっぱり実態から見て、どう考えてもプロっぽくないんであれば、むしろそういう合同運用とか、要するに実質的な疑似合併的なものを促していくということを真面目に考えないと、やっぱりこの状況って僕、あまり変わらないと思うので、そこはぜひ今後の課題でよろしくお願いいたします。

【神作座長】
 青山オブザーバー。

【青山オブザーバー】
 いろいろな実態の把握に努めたいと思います。確かに基金の事務局は人数がそれほど多くないとは聞いていまして、体制も含めきちっと今後の課題に入れて考えていきたいと思います。ありがとうございます。

【神作座長】
 濱口メンバー、お願いします。

【濱口メンバー】
 冨山さんの言葉は、あまりにも過激ですよね。私共の連合会自体はまさにプロとしてやっているんですが、会員の基金のところについては、先ほどの表現はよくないと思いますが、確かに世の中で言うプロでない方もおられることは事実です。ただ、ここ5年、10年ぐらいで、相当変わってきて、いわゆる大手の企業の企業年金の方は、給付とかをやる常務理事以外に運用執行理事をちゃんと別に設けられて、ここの方はその企業の財務であったり、もしくは大手の運用機関からの出向を受けていたりということで、相当運用機関と同等のプロに近いレベルの人が増えているんじゃないかと思います。そこは母体の企業の意識、対応も相当変わってきていると思います。

 それと、小規模だということで言うと、まだ今年度から、始めたところですけれども、企業年金連合会のほうで共同運用事業というのを始めていまして、これは特に代行返上で小さくなったところなんかも対象にして、我々連合会とそこの基金が共同で運用していくという事業を始めていますので、まだ始めたばかりですので数は少ないですけれども、徐々にそれが拡大していくことを期待しています。

 それと、このスチュワードシップについての母体企業の意識ですけれども、それはここで先ほど青山さんからご説明があった検討会でもたびたび話題になりました。確かにそこは、例えば冨山さんが役員をやられている会社の企業年金も署名されていないのですよ。コーポレートガバナンス・コードにみんな署名されていて、投資家との対話は重要ですと、どんどんやりますとおっしゃっているわりには、それを最終的に社長さんであり総務担当の役員が宣言されているわけですけれども、大体その総務担当役員なり財務担当役員の方が企業年金の理事長で、じゃあ、自分のところの基金は何でそれをやっていないんだということをね、まあ、意識されているのか、意識されて署名されていないのか、もしくはあまり意識されていないのかというところがあるので、そこはぜひ母体企業の方にも、理事長がそこにおられる訳ですから働きかける必要があると思います。

 それから、ちょっと思いつきなんですけれども、先ほどアセットオーナーしっかり人材も体制も整えろっていう話があったんですが、どうでしょうね、私が聞いている限り、コーポレートガバナンス・コードをやって、もう企業側の意識はそれで終わっているのではないか。スチュワードシップ・コードがあること自体も、あんまり意識されていないようにも聞いていますので、だから前文のところで企業年金ということで言うと、やはり母体企業の影響力が非常に大きいので、そこへの対応も考慮すべきだとかいうようなことが何か入ると、そういうメッセージも伝わっていくんじゃないかと思います。

 正直言って、基金の現場の、ほんとうに実務をやっている方に言っても、なかなかつらいものがあって。日本の企業年金は財政も、ちゃんとやってるじゃないかと。掛け金も今までいっぱい入れて、リーマンショックも乗り越えて、積み立て水準で120とか130とかで、そんな立派な企業年金って世界にないんですよね。これだけ一生懸命やってんだからって、そういう意識があると思います。ただ、財政だけではなくて、やっぱり株をポートフォリオに入れてて、日本株の割合は減っていますけど、やはり日本株持っているわけですから、日本株の投資家として、もしくはその後ろにいるオーナーとしての一定の責任を果たすべきだという意識を持っていただく必要はあると思うので、その辺を注意喚起するようなメッセージなりが入ると、基金の現場の人も動きやすいと思います。

 以上です。

【神作座長】
 どうもありがとうございました。

 ほかによろしいでしょうか。

 それでは、以上をもちまして本日の会議を終了させていただきたいと思います。まことに本日はありがとうございました。
 
── 了 ──




 
 
 
 
 

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