令和4年2月1日
金融庁
 

火災保険水災料率に関する有識者懇談会(第3回)議事要旨及び資料

議事要旨

1.日時:

令和3年12月6日(月曜)10時00分~12時00分

2.場所:

オンライン会議

3.議事内容:

 唯根委員より消費者からみた火災保険水災料率に関する課題(資料1)について、家森委員より水災保険に関しての意識調査の結果(資料2)について、プレゼンテーションが行われた。
 プレゼンテーションに対する質疑が行われた後、委員より以下のような意見が示された。

<料率細分化>

  •  ○ 水災料率細分化には、
    ・リスクアナウンスメント効果により、高リスク契約者のリスク認識の向上に資する、
    ・保険料負担の公平性の向上により、低リスク契約者の水災補償離れを抑制し、社会全体としてのプロテクションを上げる効果が期待される、
    などの意義が認められ、社会にとって望ましい方向性といえるのではないか。
  •  ○ 他方、過度な細分化・料率較差を設けることは、水災補償付帯の促進の観点から、逆効果となる可能性があるので、適度な範囲で収める必要。
  •  ○ 細分化による区分設定は、保険料負担の公平性を期すことに重点を置くあまり、地域区分が細かくなりすぎることや、料率区分数が極端に多くなることにより、消費者の理解が得られにくい複雑なものや購入可能性を阻害するようなものとならないよう留意すべき。
  •  ○ 地域区分を細かくするほど、販売実務の煩雑化やシステムコストの増大が生じ、保険会社の事業経費にあたる付加保険料が上昇し、結果的に顧客の負担が増加するおそれがある。
  •  ○ 市区町村などの行政区分を活用した地域区分であれば、システムコストの増大等は一定抑制できることから、(各社が任意に料率算出に用いることのできる)参考純率の地域区分については、市区町村単位等のある程度まとまった形にして、それ以上の細分化については、各社が自社の経営戦略の中で創意工夫により行うことが望ましい。
  •  ○ 料率区分については、区分数が多くなるほど、料率較差が大きくなり、高リスク契約者の購入可能性が阻害されるおそれがあるので、区分数が多くなりすぎないように留意する必要。
  •  ○ 水災については、ハザードマップの認知度が高く、細分化においてはこれを前提に料率を設定することが適当。他方、実際の細分化にあたっては、ハザードマップで示されるリスク較差をそのまま反映するのではなく、保険の相互扶助性などのさまざまな観点を踏まえて料率を成り立たせる必要がある。こうした経緯を消費者にしっかりと伝え理解してもらう必要。
  •  ○ 地震保険では、保険料割引の形で建物の耐震化に対するインセンティブが提供されている。水災料率についても、減災・防災のインセンティブとなる料率の仕組みを検討することが期待される。他方、こうした仕組みは、現状、具体的なものが見いだせないため、まずは、保険料負担の公平性の向上に取り組み、それによる情報提供効果に期待することが現実的。
  • 保険会社に期待される取り組み>

    •  ○ 消費者のリスク認識向上の観点から、引き続き水災リスクに関する情報提供に取り組むとともに、細分化実施後の募集時等の顧客説明においては、料率の細分化の考え方や料率適用の状況等について説明を行うことが期待される。
    •  ○ リスク情報は非常に公共性の高いものであり、各社の取り組みも重要であるが、損害保険業界の協力体制の構築や、国との連携もさらに進めてもらいたい。
    •  ○ 長期契約については、水災リスクが補償されていない契約者等がいるので、より丁寧な説明など付帯率の向上に向けた一層の取り組みが必要ではないか。
  •  
以上

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