アクセスFSA 第66号(2008年5月)

【特集】

「ベター・レギュレーションの進捗状況について」の公表について

金融庁では、昨年夏以来、金融規制のさらなる質的向上を目指した取組み、すなわち、「ベター・レギュレーション」への取組みを進めてきたところです。

ベター・レギュレーションの4つの柱としては、以下を掲げてきました。

1.ルール・ベースの監督とプリンシプルベースの監督の最適な組み合わせ。2.優先課題の早期認識と効果的対応。3.金融機関の自助努力尊重と金融機関へのインセンティブの重視。4.行政対応の透明性・予測可能性の向上。

また、当面の具体的取組みとしては、以下の5つの取組みを進めてきました。

1.金融機関等との対話の充実。2.情報発信の強化。3.海外当局との連携強化。4.調査機能の強化による市場動向の的確な把握。5.職員の資質向上。

このベター・レギュレーションへの取組みについて、平成19年7月から平成20年4月までの進捗状況を中心に取りまとめ、5月19日に公表しました。

ベター・レギュレーションの取組みについては、その考え方が定着し、効果が発揮されるには時間がかかるものと考えています。したがって、継続的・持続的な取組みとして、たゆまぬ努力を行っていきたいと考えており、こうした息の長い取組みの進捗状況を測る意味で、定期的に、その進捗状況をチェックすることとしたものです。

したがって、今後も、半年毎に進捗状況を調査していきたいと考えています。

今回の進捗状況の取りまとめとしては、以下の取組みなどを中心に、4つの柱、5つの当面の具体的取組みごとに取りまとめています。

  • プリンシプルの共有(平成20年4月公表)
    ルール・ベースの監督とプリンシプル・ベースの監督の最適な組み合わせを進めていく上で、非常に重要な役割を果たすもので大きな成果と考えています。
  • サブプライムローン問題への対応
    優先課題の早期認識と効果的対応が求められる政策課題であり、問題の深さと広がりを認識した上で、わが国金融システムへの影響を把握・分析する他、わが国金融機関のリスク管理状況を注意深くフォローするなどの取組みに重点的に行政資源を投入してきました。対応にあたっては、海外当局との連携強化、市場動向の的確な把握、情報発信の強化の取組みを進めたものと考えています。

     

また、この進捗状況の取りまとめの一環として、銀行、保険、証券会社等や、取引所、監査法人など監督対象機関の方々に対し、匿名形式でアンケート調査を実施し、この結果についても、参考資料として公表することといたしました。

アンケートについては、以下の項目について行いました。

  • (1)金融行政の透明性・予見可能性の向上

  • (2)金融機関等との対話の充実

  • (3)情報発信の強化

今回のアンケートの特徴としては、法人単位ではなく、同一の組織に属する異なるクラス(社長・頭取クラス、取締役クラス、課長クラス)の方々からそれぞれご回答いただくこととし、延べ1,500人を対象としています。アンケート結果として、以下のようなPDFご回答をいただきました。

(1) 透明性・予見可能性については、8割近くが「改善した」、「やや改善した」との回答。

(1)透明性・予見可能性

(2) 金融機関等との対話については、6割近くが、「改善した」、「やや改善した」と回答。国内の金融機関と比較し、外資系金融機関の評価の方が高く、また、クラス別に見ると、クラスが上がるとともに評価が高かった。

(2)金融機関等との対話 (2)金融機関等との対話

(3) 情報発信の強化については、8割近くが「改善した」、「やや改善した」との回答。英語での情報発信についても、外資系金融機関の方々に伺ったところ、6割以上が「改善した」、「やや改善した」との回答。

(3)情報発信の強化

● 英語での情報発信

英語での情報発信

こうした評価を見ましても、ベター・レギュレーションのこれまでの取組みについては相応に進捗しているものと考えています。

また、今後の課題としては、アンケート結果などを踏まえ、

  • (1) ベター・レギュレーションの考え方の職員への徹底

  • (2) 実務者レベルでの対話の充実

  • (3) 説明会など情報発信の機会の拡充等

が挙げられます。

今後、引き続き、財務局職員も含め、職員一人一人の意識改革に継続的に取り組むなど、たゆまぬ努力を行っていきたいと考えています。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「『ベター・レギュレーションの進捗状況について』の公表について」(平成20年5月19日)にアクセスしてください。


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