五味金融庁長官記者会見の概要

(平成19年4月9日(月)17時00分~17時09分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

私からはございません。

【質疑応答】

問)

国内の生命保険会社を対象に、金融庁が命じた保険金の支払い漏れに関する報告の期限が今週13日にきます。複数の報道によりますと、13日までに調査が間に合わない保険会社があるように見受けられますが、金融庁としては現在の各社の調査状況をどのように把握していらっしゃるでしょうか。また、期限までに調査が完了しない場合、金融庁としてどのような対応をされるお考えでしょうか。

答)

2月1日に生命保険会社全社に対して、保険金等の追加的な支払いを要するものの件数、そして金額等について4月13日までに報告を行うように求めたということでございます。各社の調査状況はどうかというお話ですけれども、まだ現在、この期限に向けて報告を待っているという段階でございますから、各社の調査状況等についてコメントをする状況にはございません。いずれにしましても、当局としては、各社からのご報告を受けた後で、調査状況を含めまして、報告内容について精査・分析をしていきます。期限までに調査が完了しない場合の対応というお話ですが、仮にそういう会社があるという場合には、その理由、或いは調査完了の具体的な時期等について確認をしていくなど、その状況に応じた適切な対応を図りたいと考えております。以上です。

問)

4月4日に全店業務停止命令を受けました三和ファイナンスについてですが、組織的な違法行為という指摘を受けているにも拘らず、同社は経営陣の刷新については、そういった考えは現時点ではないということを明らかにしているようです。先週金曜日にも、山本大臣から、この対応について疑問視するようなご指摘があったかと思うのですが、経営責任の明確化という点について、改めて長官のご所見と、今後、金融庁として、同社に対して、どのような指導監督をしていくことをお考えなのか、お考えをお答えください。

答)

まず、第一点の経営責任についての明確化についての所見という点でございますけれども、本件につきましては、処分の際の当庁からの公表文書にも明らかにしておりますが、本社が法令違反行為を助長又は直接指示する社内規定等を策定していたということが認められ、これは処分の重大な根拠になっているわけです。従いまして、この会社の抜本的な業務改善のためには、まず、経営陣が経営方針の誤りというものを率直に認めることが必要でございます。今、大臣の記者会見でのご発言を引かれましたけれども、大臣も、そうした意味で、経営責任の明確化という、そして、その点についての説明責任を果たすことが必要だという認識を示しされたというふうに考えています。誠に的確なご指摘であるというふうに考えます。それから、今後の対応というお話でございますけれども、この点につきましては、一般的に経営責任をどう明確化するのかということにつきましては、経営陣において、適切な判断をしていただくというものでございまして、当局から個別具体に対応を命ずるという性格のものではございません。当局としましては、この会社がどのように経営責任を明確化するのかということも含めまして、会社の業務改善の方針というものを把握・注視していきたいと、そう考えます。その上で、この会社において、全社的な法令等遵守意識の徹底、或いは抜本的な経営管理体制・業務運営体制の改善のための必要な取組み、こうしたものが着実に実施されるように監督をしていきたいと、こう考えております。

問)

6日に政府の多重債務者対策本部の有識者会議で、地方自治体の相談窓口の設置等を柱とする方策が取りまとめられました。多重債務者に対する相談体制が適切・確実に全国で整備されるために、金融庁としては今後どのような役割を今後果たしていかれるお考えでしょうか。

答)

6日に有識者会議で意見の取りまとめについての議論が行われましたけれども、その議論も踏まえまして、最終的な内容というのは、今日取りまとめをして、この後、公表、ご説明を申し上げるという段取りになっております。そういう段取りの中での話でございますけれども、今後はこの有識者会議の取りまとめに基づきまして、多重債務者対策本部、こちらで早急に具体的な措置を検討して頂きます。その上で、「多重債務問題改善プログラム(仮称)」、これを策定するということになるという段取りであると、こう考えております。このプログラムの中で、今お尋ねのありました相談体制の充実ということについても、繰り返しになりますが、有識者会議の取りまとめに基づきまして、関係省庁・関係者と一体となって具体的な取組みを行っていく、金融庁としては、そうした取組みの中で、自らの役割を果たしていくということを考えております。

問)

生命保険のことについてなのですが、報告は13日ということでありますが、足掛け3年にわたって、全容が明らかになるのに時間がかかっているという状況について、もう一度この原因というのは何故かというのを、現時点でのお見立てをお聞かせいただけないでしょうか。

答)

今、報告を待っている話はそれとして、伺ってみないと分かりませんが、これまで明らかになっている、当局も認識をしている状況というものを見ますと、やはり、当初において、この保険金の支払い漏れですとか、或いは不払いですとか言ったことについての各社経営陣の認識というものが、やはり当局や国民の目から見れば甘かったというところが基本にあると思います。これが初動の遅れというものを決定的なものにしてしまったと思います。そもそもこうしたことが起こっているということを経営陣が知らなかったというところからスタートしておりますので、これは事態は深刻ですね。その後、皆さんそれぞれに努力をなさって、これが保険会社の基本機能に係わる部分であって、保険というものに対する消費者とか国民の信任に関わる話だという認識が徐々に醸成をされる中で、業界団体、そして各社経営陣の取組みのいうものが本格化してきたということでありましょうが、ただ、あまりにもやはり、この運用環境が厳しい中での生き残り競争という中で、リスク管理、或いは内部統制というものが疎かにされてきた、そのツケがまわったということであろうと思います。やはり、事柄の根は深く、その広がりも大きいものだということで、なかなか全容を解明するというのには、時間がかかるということになっているのだろうと思います。

(以上)

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