五味金融庁長官記者会見の概要

(平成19年4月23日(月)17時00分~17時07分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

私からは特にございません。

【質疑応答】

問)

20日の経済財政諮問会議の金融・資本市場ワーキンググループで、証券取引等監視委員会について、現在、金融庁が持っているルールメイクの権限を監視委員会に移して、より機動的なルール形成を行っていくべきだとの提言がありました。17日の諮問会議でも、民間議員から、金融庁の企業開示課の機能を監視委員会に移すべきだという提言がありました。一連の監視委員会の機能強化に関する提言について、長官としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。また、監視委員会の強化について長官としてのご所見があればお聞かせ下さい。

答)

お話のありましたうち、17日の経済財政諮問会議では、民間議員の皆様から三つご提案があったと承知しています。第一に、取引所の競争力強化、第二に、銀行と証券の垣根の見直し、第三に、市場の監視態勢の強化ということだったと承知しております。このうち、三番目の市場の監視態勢の強化に関しましては、述べられておりますのは、「まず、改革の第一歩として、平成20年の早期に課徴金制度の適用範囲の拡大、課徴金額引き上げを実現すべきである」とされております。この点につきまして、金融庁として検討していくこととなったところでございます。当庁としては、独禁法の課徴金の見直しの検討結果なども踏まえまして、課徴金のあり方についての検討を行っていくことになります。具体的にはこういうところでございますが、17日の諮問会議では、併せてお話がありました、「証券取引に係る開示に関する業務」の監視委員会への移管などが民間議員から提案されましたほか、20日の経済財政諮問会議の金融・資本市場ワーキンググループの第一次報告で、監視委員会へのルールメイク機能の付与等、監視委員会の機能強化というのが盛り込まれております。これらの提案は、機能の移管というご提案になっていますが、この機能を移管するということは、現在の国家行政組織法上は、別の行政機関を設立するということに繋がる可能性のある話でございます。そうなりますと、同じ経済財政諮問会議、例えば17日の民間議員のご提案で、銀行と証券の垣根の見直しということも言われているわけです。現実に銀行・証券・保険の垣根は低くなっていますし、銀行と証券の垣根を緩和的に見直すべきだという声もある中で、こうした銀行系統と証券系統の組織を、別々の行政機関にする必要が生ずる可能性のある機能論というのをどう見ていくかというのは、大事な話でございまして、同じ諮問会議の中で、こういうことが両方言われているということですから、それ程難しいお話だということなのだろうと思います。ここは、そうした銀行・証券等の垣根が低くなるということの中で、実効的な行政を行っていく、そのためには、機能としてどうであるべきであり、組織としてどうであるべきか、この両方を、頭を冷やしてよく考える必要があると私は思っております。以上でございます。

問)

今おっしゃられた、銀行と証券の垣根についての規制の見直し、という議論が諮問会議で出ていますが、これについては、必要性についてどうお考えかということと、今後検討されるとする場合、どういったスケジュールをお考えなのかお聞かせ下さい。

答)

銀行と証券間の垣根は、現在、いわゆるファイアーウォール規制という形で規制をされております。この規制のあり方につきましては、一方で、日本の金融機関の国際競争力、業務運営の効率性ですとかという観点を踏まえて検討する必要がありますし、他方で金融機関の優越的地位の濫用、或いは利益相反などを防止するという点にも配慮する必要があるということでございます。従いまして、ファイアーウォール規制のあり方については、こうした両様の観点から、そして日本の現在のマーケットの現状、特性というものも十分踏まえた上で、過剰でも不十分でもない規制となるように検討をしていく必要があると考えております。スケジュール感というお話ですけれども、金融審議会のスタディグループが、17日に主要な論点というものをとりまとめておりますが、この中に、この点についての記述もあるわけです。今後、このスタディグループで検討が深められていくという過程でございますので、現状でスケジュール感を含め、これ以上のコメントは控えさせていただきたいと思います。以上です。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る