五味金融庁長官記者会見の概要

(平成19年5月7日(月)17時00分~17時06分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

私からは特にございません。

【質疑応答】

問)

消費者金融の大手各社が、続々と業績を下方修正したり、既に発表したところもあるのですけれども、非常に赤字が拡大しております。これをどのように見られているのかということと、今後の監督の方針についてお聞かせ下さい。

答)

お話の様に、今年3月期の業績予想修正というのは、大手貸金業者で相次いでおりまして、大手5社の当期純利益で約1兆7,900億円の赤字というような集計が当座できます。大幅な下方修正でございます。こうした業績下方修正というのは、基本的には、一つは足元における過払い金返還請求の急増という状況、そしてこれに伴う引当金の負担の増大、これが足元の状況ということであろうと思いますが、将来を見ましても、貸金業法の改正によりまして上限金利が引き下げられる、また総量規制が導入をされる、といった様なことがございまして、貸金業者の業績を巡る経営環境というのは厳しいものになっているというのが私の認識でございます。こうした中で、大手の業者の皆さん、様々なリストラの取り組みというのを公表しておられます。貸金業者というのも、一定の金融機能を日本の経済の中で果たしているわけでございますから、新しい経営環境の下で、それぞれの事業戦略を確立するというのは、大変重要なことであると考えます。そして、そうしたそれぞれの事業戦略の中で、改正貸金業法の要請を踏まえまして、法令遵守態勢、そして内部管理態勢などの整備に取り組んで行っていただきたい、監督当局としてはこの点を特に強調をしたいところでございます。以上でございます。

問)

先週、九州親和ホールディングスとふくおかフィナンシャルグループが経営統合に向けて検討に入るという発表がありましたけれども、現在、地域の金融機関でそれぞれに色々な取り組みをしていると思いますけれども、今、地域金融機関の全般的な状況、それから今後の動向について金融庁としてどう見ているか、そして監督方針としてどういうところを強調していくお考えか、改めてこの機会にお聞かせ下さい。

答)

地域金融機関の全体的な状況、これは、一時の不良債権比率で申しますと、ピーク時8%を超えておりましたものが、4%台まで下がってきているということで、トレンドとして、全体としての健全性というのは、徐々に良い方向に向かってきているという様に考えております。そうした中で、真にそれぞれの営業基盤とする地域における金融機能を発揮するための安定した経営基盤、或いはさらに言えば、競争力のある経営基盤、こう言ったものを構築できるかどうかというのが、今の地域銀行の大きな課題であると考えます。もちろん、それぞれの地域金融機関の置かれている状況によって、目指すべきもの、重点を置くべきポイントというのは、それぞれ異なっていると思います。また、そうした課題を克服するために、単独でその経営の改善を図っていくというやり方もございましょうし、様々な業務提携、さらには統合・再編といった選択をしていくというのも、経営判断としてはあるであろうと思います。そうした意味では、真に地域に役立つ金融機関という目標を達成するために、地域銀行にはまだやらなければならないことが沢山あるという様に考えています。特に、経営基盤において様々なばらつきがございます。こうした経営基盤という面で、若干弱いといったような金融機関については、現状、経営がある程度順調に進んでいるうちに、将来の自分の銀行の姿というのをどう描くのかということを真剣に検討して、今から手を付けていくということが、経営者にとっての大きな課題だと思います。追い詰められてからでは、選択肢は非常に小さくなります。地域にとっても、それは幸せなことではないと思っています。こういう意味で、私は、地域銀行の皆さん、経営者の皆さんの的確な現状の分析、そして将来への見通し、そしてそれを踏まえた経営判断というものを期待したいと思います。

(以上)

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