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山本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成19年1月26日(金) 9時51分~10時05分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議のご報告を申し上げます。内閣官房長官からゴラン高原国際平和協力業務実施計画の変更についてご発言があり、本年9月30日まで延長されることとなるようでございます。また、コンゴ民主共和国国際平和協力業務実施の結果についてご報告がございました。また、東ティモール国際平和協力業務の実施についてご報告がございました。国家公安委員長から東ティモール国際平和協力業務の実施について警察の対応についてご説明がありました。外務大臣から東ティモール国際平和協力業務の実施につきまして、円滑な実施に全面的に協力していく旨の発言がございました。菅総務大臣から消費者物価指数について公表がございました。12月の全国確報値は100.2となり、1年前に比べ0.3%の上昇となりました。また生鮮食品を除く指数は、1年前に比べ0.1%の上昇、食糧とエネルギーを除いた指数は0.3%の下落となりました。平成18年平均の全国の確報値は100.3となり前年に比べ0.3%の上昇となりましたという旨の報告がございました。閣僚懇に移りましてから、財務大臣から公共調達の適正化の作業を行って、昨年6月2.2兆円の7割を一般競争入札の方針を改めていくこととしたと経過の報告がございました。また国土交通大臣からも公共調達の適正化についてのご発言がございました。特に水門設備の発注に関して、入札談合への元職員の関与が指摘されたことは遺憾の旨の公表がありました。総務大臣から公共調達の適正化について関連したご発言がございました。内閣官房長官から公共調達の適正化について入札契約制度のさらなる改善徹底に努められたい旨のご意見がございました。郵政民営化推進会議が開催されて、金融2社の株式の早期上場に向けた具体的案の検討等の指示がございました。

ここで大事な発言を申し上げます。金融庁におけるテロ、マネロン防止態勢強化に向けた取組みについてお話を申し上げます。昨年末の三菱東京UFJ銀行に続き三井住友銀行が米国拠点のマネロン防止対応に関し、米国当局より業務改善命令を受けたことは極めて遺憾であります。両行には米国当局の命令を真摯に受け止め、業務改善を行なっていく必要があると考えております。テロ・マネロン防止のための取組みは、金融市場にとって信頼確保の観点から極めて重要でございます。このような取組みは、北朝鮮問題への対応など我が国自身にとっても重要な課題となっております。国際的にもバーゼル銀行監督委員会におきまして、銀行監督のためのコアとなる諸原則が改訂され、コルレス先や顧客属性の一層の把握などの実務的な取組みが盛り込まれるなど、テロ・マネロン防止態勢強化の動きが見られるところでございます。このような状況を踏まえ、バーゼル銀行監督委員会が示した諸原則の改訂内容を取り込む形で監督指針を改正することとし、本日改正案をパブリック・コメントに付するとともに、銀行に対しテロ・マネロン防止に関する事務精度の一層の向上を要請することといたしました。これらの取組みが、我が国金融市場の信頼の向上に繋がることを期待しております。なお、本件につきましては、この後事務方より具体的内容について説明があると思いますので、どうぞ詳しいことはまたそちらでお願いをいたしたいと思います。

【質疑応答】

問)

今のお話のありましたマネロン対策についてなのですけれども、大臣の認識として、現状邦銀は対策が不足していたと考えられているのか、それとも個別行の問題として深刻な不備があったとお考えになっているのか。どのようにお考えでしょうか。

答)

そもそも我が国金融機関のテロ資金供与、マネー・ローンダリング防止態勢は、国際的に見ましても相応の水準にあると考えております。2004年7月に公表されたIMF報告では良好の評価をいただいていることでもそのことが言えようかと思っております。しかしながら先ほども申し上げましたとおり、テロ資金供与、マネー・ローンダリング防止のための取組みは、北朝鮮問題への対応など我が国自身にとって重要な課題となっているだけでなくて、国際的にも金融市場の信頼確保の観点からその重要性は高まっているものと考えております。このような状況を踏まえまして、監督上の着眼点を明確にすることで、金融機関に一層厳格なテロ資金供与、マネー・ローンダリング防止のための取組みを求めることが適当と判断しまして、監督指針の改正を行なうこととしたところでございます。

問)

日興コーディアルグループなのですけれども、一部報道で過去の利益供与事件で有罪判決を受けた元常務に対して、日興が報酬を与えていたという報道があるのですけれども、会社の法令遵守を含め大臣のご所見がありましたらお願いします。

答)

報道があることは知っております。事実についてはまだ正確に調査・把握をしているわけではありませんが、この報道の事実を仮に正確なものと仮定しますと、これは長きに亘って負の遺産を継続していたという会社体質、これは問われなければならないと思います。ただ、桑島社長が、こうした行為に対して決然と会社体質を変え、さらに法令遵守の観点からこの常務の報酬を支払うということを終局し、新しい体制に切り替えるというような、いわば負の清算をしようとする姿勢は評価に値するというように思っております。今後、こうしたことを徹底していただきましてガバナンスを強化し、さらに財務体質や業務の健全性を確保していただきたいと考えているところであります。

問)

今国会の位置づけなのですけれども、民主党が格差是正国会と位置付ける中で、大臣自身どういう国会にしていきたいとお考えでしょうか。

答)

まず、格差についてが、国民的論点・国民的共通認識であるならば、野党・与党の認識を共通化させたいと思います。すなわち、格差の問題については、国際的なレベルで考える場合と、また国内のレベルで考える場合とで、当然そこにニュアンスの違いというものが出てくるわけでありまして、それぞれが、それぞれの立場でお答えになった時に、やはり格差というのは議論が錯綜しがちでございます。そして、その前提となる事実に共通化ができましたならば、対策が非常に打ち易い、あるいは適切なものになると考えておりますので、まずは議論を尽くしていただくことによって格差についての共通認識、さらに適切な対策、スピード感ある対応ということが図られるならば、私は体感温度で厳しいご批判をいただくのではなくて、ただお互いが批判するのではなくて、ではどうしようというところにテイクオフできるということを願う、そういう国会であって欲しいと思います。単に与野党勝った負けた、参議院勝った負けたという現象面だけではなくて、本当の意味での対策が採れる国会でありたいと思っております。

問)

大臣自身の格差に対する認識というのはいかがでしょうか。

答)

やはり以前よりも格差は有り得ると考えております。数字的に見れば、われわれのマクロでの経済は成長を続けているわけでありますが、そのマクロでの指標と自らの賃金の上昇が比例していないということにおいて不満が出ていることは確かであろうと思います。しかし、それは一体どういうことからそうなっているのかと、お互いが共通認識することによって、ではどうしようというところがこれから出てくるだろうと思います。その意味におきましては、会社の収益・企業収益において大企業を批判して、大企業に対してきつい処分をする、きつい税制を行うということだけで足りるのかどうか、そうした場合どういう現象が起こるのか冷静な措置が必要でありますし、今の製造業分野を見てみましても、下請けだとか、取引先だとか、部品の納入だとかというようなきめ細かな系列化も行われているわけでありまして、大きいからといってそれが悪いわけではなくて、やはり中小企業が頑張るということになりました時に、ではどういう支援策や大企業との協調・繁栄の施策があるかというようなことを考えていくような冷静な判断と適切な手法が見出されるであろうと思っておりますので、そこをエモーショナルに全てを誰々が悪いという一元的な、一方的なトレンドを起こすことが今の時代の要請ではないだろうというように思っております。ですから、そうならないような国会になっていただきたいと思います。

問)

格差改善に向けまして、今国会でどのような施策が必要だと考えていらっしゃいますか。

答)

昨年暮れにまとめました再チャレンジ支援プランは、まさにイギリスのブレア政権が当初採りました「福祉から雇用へ」というまさしくセーフティネットはできるだけ限られた方々になるように頑張っていただいて、皆さんが自助自立、自立できるような、そして再チャレンジと言って皆が明るい方向で頑張れるようなそういったところにベクトルが向くということが一番大事なことであろう思っております。

(以上)

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