麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和2年7月3日(金)11時20分~11時27分)

【質疑応答】

 
問)

昨日ですけれども、財政制度等審議会の財政制度分科会が開かれて、榊原会長から今後の財政運営についての談話が出されました。その中では「低金利環境の継続を当然視せず、歳出と歳入の両面から不断に取り組んでいくことが必要」といった指摘がありました。これに対する大臣の所感と今後の財政運営や政策にどのように生かしていきたいか、お考えをお聞かせください。

答)

今回はこの感染症のせいで財政制度分科会の開かれる回数が極端に限られましたので、例年のような建議を取りまとめていただくというような形での議論、意見の交換がなされなかったんですが、こういった「会長談話」という形で発表をいただいたということは大変ありがたいことだと思っています。談話の中では、当面とにかくコロナの対応を最優先にしつつも、ますます大量に国債も発行していますので、そういった意味では榊原さんとしては財政再建と経済再生という話がますます重たい課題になりますというので、アフター・コロナとかコロナ後とかという表現があるけれども、経済社会もいろいろ大きく変わってきますから、外交を含めていろいろなものが変わってくる中で選択と集中を徹底してやらなければいけないということが書いてあったけれども、その中で社会保障の持続可能性の確保というのが書いてあったし、低金利を当然視せず、歳出・歳入面からの不断の取組と書いてあったけれども、今言われている赤字公債は一時期、赤字公債から脱却したんですけれども、赤字公債をもう1回出すことになった、あれはいつだったっけ。いつから赤字公債を再発行するようになったんだっけ。94年だ。そのときの国債発行残高は幾らだったか。207兆円だった。そのときの金利は4.5%。そしてそれが今幾ら。

問)

0.03%ぐらい。

答)

0.0%、ほぼね。公債残高は総額約960兆円というのが今の状況だろう。207兆円が960兆円ということは約5倍近くになった。それで金利は上がらなきゃおかしいじゃないか。金を借りたら担保もないのに増えていけば金利は上がってくるだろう。何で下がるんだ。学校に行って習ったろう、そういった話は。しかし今起きていることは私達が学校で習ったのとは全く違う話が起きている。その答えをどうしてと言って答えられる学者がいたら是非教えてもらいたい。そういう本を書いた人がいるといえば是非教えてもらいたいというんだけど、俺はまだ読んだことがないんだけれども、世界的にもないんだと思うね。そういった意味では今までにないことが起きている。だからこの中で、低金利を当然視せずという言葉はすごく大事な言葉なんだと僕にはそう思えて、榊原さんのこの談話というのは大変いいところを突いている談話だなと。低金利で当たり前になっちゃっているんですよ。だから国債発行をいくらしたって、タダだからいいじゃないかというふうな話をしているけれども、それは今の日本の国の国債の信用があるからこれでもっている。その国債の信用がなくなったらどうなったかというのは、これまでほかの国にも例がいっぱいあるから、そういうのを見たらわかるように、一挙に金利がドーンと上がって、その国の発行する国債は全くということになる。そういうことにならないようにいかにするかというのは日本のマーケットにおける信用というのは極めて大事なんだということなんだと思って、談話全体というものを私共としてはしっかり受け止めなければいけないところだなと思って、あの談話を読みました。

問)

今日、国の昨年度の決算が公表される予定です。税収が新型コロナウイルスの影響で減少が見込まれています。また今年度の税収も見込みどおり確保できるかというのは不透明な状況になっていると思いますが、こうしたことを踏まえて今後どのように財政運営に臨まれますでしょうか。

答)

詳しくは今日午後だろう、発表するのは。正式な発表は午後だと思いますので、詳しくは午後発表になった後から聞いてください。今の話でいけば、経済情勢というものが予算を編成させてもらった昨年末等より厳しくなっていると我々も十分に認識をしているところなので、私共としては記事というか、予算編成時に比べて今の方が厳しいというのが出ているのはわかりますので、そういったものに対して詳しい数字が出る前にいろいろ言うのもいかがなものかと思いますから、15時発表以後で聞いてもらわないとお答えいたしかねます。

(以上)

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