麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要

(令和2年7月17日(金)18時10分~18時27分)

【質疑応答】

 
問)

本日、骨太の方針2020が閣議決定されたと思います。その中で防災・減災について原案から加筆して、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策後も必要・十分な予算を確保する」などとされています。先日、令和2年7月豪雨の被災地支援に予備費の使用も決められたところだと思いますけれども、今後の国土強靱化の取組やそれに関する予算について、現時点で大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

防災・減災、国土強靱化という話ですけども、これは政府としては、前回も申し上げましたけども、このところ得られた災害の情報というのは、もう従来のものとはかなり変わってきているんですよね。例えば一級河川というのは1時間当たりの降雨量というのは何ミリで計算してあるか知っているでしょう。時間降雨量というのは河川によって変わるが例えば50ミリで計算してあるんですよ、一級河川というのは。このところ起きているのは、みんな80ミリとか90ミリ、この間福岡で降ったのは103ミリ、その前のやつは108ミリ、一級河川は50ミリで計算してあるんだから、その倍降られたらそれはもちませんわなというのが起きている話ですけど、予期せざるとか想定外とか書いているけど、もうこの10年間起きている話ですよ。現実問題として想像以上のものが地域的に起きている、はっきりしているでしょう。台風というのが9月ぐらいからよく言われるところですけども、起きるところが変わってきて、去年は千葉とか、その前は静岡、間違いなく本州横断とか縦断とか色々な表現があるけれども、そういった話になっているんだよ。やっぱり、そういった教訓を踏まえて、平成30年12月に「国土強靱化基本計画」というのを見直して、「3か年緊急対策」等をやったというのがこれまでの経緯ですよ。その上で、令和元年度の補正予算の時において、昨年の15号、それから19号か、千葉の話ですけれども、あの辺に色々大きな災害が起きたので、河道掘削とか、それから堤防の強化など、色々国土強靱化を、更に強力にするものとして1兆1,500億円ぐらいを計上するなど取組を強化してきたんだと思っていますので、少なくとも今後、2020年度までに、今「3か年緊急対策」というのを着実に実行してもらわなくちゃいけないんだと思いますけれども、その上で実施状況を踏まえてよく見ないと。今、建設業者の手持ち工事量というのがどれぐらいあると思っています。14カ月も手持ち工事を持っているんだよ。これで改めて仕事が来たってどうやって消化するんだね。是非聞いてみたいと思って。今来ても消化出来ないんですよ。そうすると繰越しになっちゃう。それ、おかしいでしょうがと。だから、少なくとも実施状況というものを踏まえた上で、我々としては国土強靱化という極めて大きな国家百年の計を考えるような大事なものですから、そういったものを考えて、優先順位等をよく考えないと。球磨川だって昔ダムを造るべきだといって、反対して潰したんだから、あれ。忘れないでくださいよ、みんな。是非そういった意味で、こういったものはもうちょっとよく我々としては大事な税金なんですから、それを有効に使うということを考えないと、少なくとも非常に無駄なことになってみたり、手遅れになってみたりして、我々としては災害とかそれで亡くなられるとか悲惨な事件につながりかねませんから、こういったようなものというのは単にダムがといえば、コンクリートから人へと言った時代もあったじゃないですか。そういったことを思い出すと、今になってみれば、コンクリートから人どころの騒ぎじゃなくて、もう一回コンクリートですかと。そういうつもりはないけど、少なくともやるべきことはやっておかないと、現実問題としてはそういった形で、河道掘削をやったところは、今回も大量に降っていますけど氾濫していませんし、決壊もしていませんから、やっぱりそういった意味では公共工事の非常にうまくいったところは大きな災害にもなりませんし、大概降っても大利根川という川も少なくとも八ッ場ダムが出来たおかげで、うまくこのところの大きな台風に関しても、決壊することもなくうまくいっているというのは、やっぱりきちんとした工事をやっていくと、そういったものに対応出来るというのは、我々は現実だと思っていますから、予算に限りがありますので、そういったものをどこからやっていくかというのはきちんと考えながらやっていかなければいけないところだと思います。

問)

骨太方針に今回プライマリーバランスの黒字化の目標ですとか、GDP600兆円達成の目標ですとか、そういったものが盛り込まれなかったわけなんですけれども、以前の会見では18、19年の骨太方針に沿って、その目標は維持されているということでしたけれども、マーケットなどからちょっと難しいのではないかという声も多く聞かれます。マーケットに対して、そういった日本が財政規律を維持していくということが分かるような、安心出来るような政府としての財政健全化に向けた意気込みというのを聞かせてください。

答)

これは今まで累次の閣議決定とか、それから改革工程表で、この問題についてはコロナの話があったとしても、この決められた方針に従ってきちんとやっていきますということで、決して後退させるつもりもありませんと。経済再生と財政再建この両立というのは我々は基本として、ずっとしっかりこれまでやってきましたし、今後ともその方向で進めていくつもりにしております。その上で、骨太の2018と2019年に基づきということで、経済・財政一体改革を推進していくと、そう書いてあると思いますが、今回の骨太2020においても確認されているものだと承知をしております。従って、私共はその点に関して色々丁寧に説明した結果だと思いますが、マーケットも色々荒れたりすることもなく、我々の基本方針というのは日本は変わっていないということの理解があるから、マーケットも荒れずに円が高くなってみたり安くなってみたり、株が急に上がったり下がったりというようなこともない中で、こういった方向に行っているんだと思いますので、我々としては経営目標として2025年のプライマリーバランスというものはまだ今から5年もありますので、それに向かって何が起きるか分かりませんから、私共としては今の段階でこの問題を直ちにどうこうするというつもりはありません。少なくとも、経済再生なくして財政再建なしということを認識しておりますので、今回事業規模で230兆円ぐらいの対策で、まずは事業の継続、それに伴う雇用の継続、それによって生活を守り抜いていくと。私共はその方向でやっていくので、引き続きこの問題を腰を据えてやっていかなければいけないというので、ちょっと今回日本だけじゃなくなって、世界中になっていますので、死亡者数としては1,000人に満たないという段階で、少なくとも多くの方の協力をいただいて、今のところそれなりに抑え込むということに、それなりの成果を上げているんだと思いますが、今また新たに100人、200人という単位で患者数が増えているということもありますけれども、重症者数というのはほとんどありませんし、死者の数も増えていませんから、そういった意味では、それなりに抑え込めているんだと思って、これは本当に我々はロックダウンなんていう都市封鎖なんていうことをすることもなく、色々な方々のご協力をいただいてこれまでやれてきたんだと思っていますので、やっぱりみんなでお互いに自覚した上で対応していく以外にありませんので、こういったものに対するワクチンが出るまでの間は、これはみんなで注意し合ってやっていかなければいけないということなんだと思います。

問)

関連してになるのですけれども、コロナの対策の財源について、まだコロナで感染者が増えている中で考えること、段階ではないのかもしれないんですけれども、新規国債発行が今年90兆円に達していて、赤字を増やしていくことによって、将来世代にツケを回していくということなりかねないと思います。それではなくて、例えば現役世代で東日本大震災の時のように、何がしか増税をするですとか、あるいは国際的に協調して金融課税を入れていくとか、色々方策としては考えられると思うのですけれども、現段階でどういったものが考え得るのかということについてお願いします。

答)

前回、例えば東北の津波の時にも色々な方々にご理解いただいて、皆さん方少しずつということで義援金とは言いませんけども、税金やら色々な形で頂戴しましたけど、あの時は場所が特定されていましたから。今回は、全然発生していない県が1県ぐらいありますけれども、47都道府県ほとんど何らかの影響が出ていますので、そういったような形はちょっと適さないと思いますし、今景気が悪くなってくるという経済の問題が横に動いていますから、感染拡大と同時に経済というものも考えなきゃいけません。従ってその経済を考えると、やはり今の段階で経済の中で消費の減というのが大きな要素ですから、消費を減退させるということを、更に税金を上げるということはそういうことになりますので、色々な形で影響がそっちへ出てくるということも考えなければいけないということで、色々なことを考えなければいけないと思っていますから、今直ちに増税するという考え方はありません。

問)

明日の夜にG20の財務大臣・中央銀行総裁会議がありますけども、大臣の考える注目点と意気込み等あれば、お聞かせください。

答)

G20というのは、これはご存じのように、G7と少し内容が違いますので、参加される国の数も多いのですけれども、基本的には今回の場合も世界経済というものが大幅にマイナスになるということが予想されていますので、その経済状況の話とか、このコロナ感染症への対応というのは、アメリカのように13万人を超えているというようなところとか、我々とか韓国とかかなり少ない数になっているところとか、色々なところがありますので、その問題について議論が行われて、黒田日銀総裁も参加されると思っていますが、私共としては、我々の感染症への対応を含めて、日本としてもG7でも言っていましたけれども、対策として景気の落ち込み等に対応して、いわゆる補正予算を組んだ内容とか、そういったものについて説明して、今我々がやっていることというものについて、きちんとした話をしておかなければいけないなと思っています。

(以上)

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