麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和2年7月31日(金)11時24分~11時31分)

【冒頭発言】

昨日取りまとめました「被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージ」を実行するため、第1弾として本日閣議において1,017億円、予備費の使用を閣議決定しております。内容、大きく4つに分かれますが、廃棄物・土砂の処理や生活再建支援金の支給など被災者の「生活再建」に必要な経費として109億円、「なりわい再建補助金」による中小・小規模事業者の支援、農林漁業者の支援などの事業者の「生業の再建」に必要な経費として544億円、河川や道路といったインフラの復旧などに必要な経費として214億円、避難所の設置や自衛隊などによる被災者支援活動に必要な経費として149億円を計上しております。この予備費等によってパッケージに盛り込まれております施策を速やかに実施して、一日も早い被災地の復旧、被災者の生活・生業の再建につなげていただければと思っております。

【質疑応答】

問)

昨日、内閣府は景気動向指数研究会を開き、2012年12月から始まった景気拡大局面が18年10月に終わり、景気後退局面に入ったと暫定的に認定しました。2008年2月まで73カ月続いたいざなみ景気の戦後最長記録は更新できなかったことになると思います。安倍政権は経済を重視してきたと思いますが、今回の認定について大臣の所感をお聞かせください。

答)

昨日の内閣府の景気動向指数研究会において2018年10月に「景気の山」に設定をされたということは承知をいたしておりますが、政府としては今年に入ってからこの新型コロナウイルスの感染拡大等による急激な経済の下押しというものが生じるということになるまでの間、いわゆる政策努力等あって雇用とか、所得環境の改善というのを背景にして外需ではなくて内需中心にいろいろな施策というのをやらせていただいたんだと思って、それが緩やかな景気回復が続いてきたんだと私共としてはそう思っております。今回の「景気の山」の設定によって別にそういった認識が変わるわけではありません。様々な経済指標の動向を今後とも注視しつつ、経済財政運営をやっていかなければならないというところだと思っていますね。

問)

為替相場についてお伺いします。今朝、午前中ですが104円20銭台と円高方向につけていますが、3月以来の円高水準になっています。まずこの受け止めをお願いします。

答)

為替の相場について財務大臣がコメントすることはありません。こういったものは安定するのが極めて重要なことなのであって、こういったものに対しては引き続き緊張感を持って為替相場というものの動向を注視してまいりたいということです。

問)

関連してなんですけれども、円高が進むことによって日本企業にとってはコロナ、自然災害、さらに円高という三重苦になっていると思います。円高の背景にあるのが米国の経済の下振れ、米国経済が弱いということが背景にあるとすると、日本としてはそれに対抗するべく何かでき得る手段というのはあるのでしょうか。

答)

いわゆる円高と言うと大変だと国内の新聞では書いてある。だけど過去を調べてみて、円が上がったときと下がったときと貿易収支にどれくらい差が出たか。全然出ない。だから認識が間違っている。円高円安に関係なく貿易収支はほとんど変わらなかった。円安でも上がったし、円高でも下がったことがある、両方ありますから、あまり意味がないというのがこれまでの背景ですね。この10年間ぐらいで見たらそういうことが言えるんだと思っています。それから日本の場合、貿易立国なんて書いてある新聞がまだありますけれども、GDPの中に占める貿易の比率は何%です。

問)

確かですけれども10%とか20%だったと思います。

答)

20%はいきません、17%とかそんなもんです。したがってGDPの中に占める貿易比率が高い国の名前を挙げるとあれだろうけれども、いろいろな国がありますけれども、先進国の中でもありますけれども、そういった国は30%とか32%とかという数字が挙がっても、日本の場合は17%前後ですから、そういった意味ではそれによる影響というのはそんなに極端に大きなものではありません。したがってそれによって直ちにどうこうという大きな影響が出てくるわけではありませんけれども。ただし、こういったものは、今107円、安倍内閣になってここのところは107円前後でずっと安定していましたので、そういった意味では円高というものは急激に、今回は3円ぐらい急に円高に振れていますけれども、こういったようなものは安定しているのがすごく大事なのであって、そういった意味では引き続き注視しておかなければいけないところだろうと思っております。

(以上)

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