麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要

(令和2年12月15日(火)18時39分~18時47分)

【冒頭発言】

令和2年度の第3次補正予算の概算につきまして、本日の臨時閣議で決定しておりますので、その概要について申し上げます。今回の補正予算は、先週8日に閣議決定をされました、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」等を実行するためのものであります。具体的には、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止策」に4兆4,000億円、「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」に11兆7,000億円、「防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保」に3兆1,000億円、合計19兆2,000億円を計上いたしております。また経済対策実行のための歳出とは別に、国際分担金等の追加財政需要として252億円を計上いたしております。一方、新型コロナウイルス感染症が経済・企業業績に与える影響を反映して、令和2年度の税収の減額補正を8兆4,000億円行いますとともに、一般会計の地方交付税交付金の減額及びその補填、地方法人税の税収減に伴う補填を行います。これらを補うための財源につきましては、令和2年度のコロナ予備費のうち1兆9,000億円を含みます既定経費の減額、また税外収入の確保、前年度剰余金、また公債発行の追加によって対応することといたします。その際、財政法第6条の公債の償還財源とされている前年度剰余金の2分の1を活用する、そのため来年の通常国会冒頭に、補正予算関連の法案として、剰余金の処理の特例に関する法律案を提出する予定であります。本日の閣議決定を踏まえて、今後、来年の通常国会の補正予算の提出に向けて作業を進めてまいりたいと考えております。私の方からは以上です。

【質疑応答】

問)

20年度は一般会計税収が想定より8兆円減少し55兆円に、新規国債発行額も112兆円になる見込みとなりました。こうした税収と新規国債発行額の見通しについて大臣の受止めと、財政に与える影響についてのお考えをお聞かせください。

答)

第3次補正予算につきましては、これは歳入面では当初の見積りを行っていた昨年の12月の見込みと比べて、経済並びに企業業績が大幅に下振れをいたしました。従いまして、税収は8兆4,000億円減少して63兆円を見込んでおりましたけれども、55兆1,000億円と見込んでおります。歳出面では、先般決定した「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」の関連経費として19兆2,000億円を計上した結果、新規国債発行の額は22兆4,000億円増加いたしておりますので、112兆6,000億円となっておるというところであります。第3次補正予算によって、これは足元の財政が悪化するということになるのは、これは事実であります。従いまして、財政の信任が損なわれないように、経済再生と財政健全化の両立というのをしっかりと進めて、新型コロナの危機を乗り越えて、次の世代に未来をつないでいくということが我々に与えられた責任だと思っております。今後、補正予算の早期成立を図って、経済対策を迅速に実行することによって、新型コロナを乗り越えるとともに、未来の成長力の強化につなげ、民需主導の経済回復を確かにしていかなければならないものだと思っております。また、こういう難しい時だからこそ、このコロナだけではなくて、日本が抱えております構造的な課題にも、着実に取り組んでいかなければならぬのだとも考えています。その中で、最も差し迫った問題の一つが少子高齢化という話だと思っています。引き続き、社会保障を持続可能なものにするための改革など、歳出・歳入両面の改革の取組を続けていくということが必要であると考えております。

問)

経済対策並びに今回の3次補正に直接・間接に関わってくる、現在日本を直面している、いわゆるコロナの第3波についてなんですが、昨日総理がGoToトラベルの見直しを表明されました。このタイミングが適切だったのかどうか、遅かったのかどうか、大臣はどのようにお考えになられますでしょうか。

答)

このGoToトラベルの事業については、これは制度を段階的に見直しながら延長するということで、来年の6月末までとすることを基本の想定としつつ、感染状況というのは、よく見通しができないところでありますので、柔軟な対応をされたところなんだと思っています。11日に決定した予備費の活用も含めて、一連の予算での対応については、これらの対策を実行していくため、予算の不足により事業が止まったりして混乱を招くことのないよう、必要な措置を行ったものです。地域ごとの感染状況を踏まえた事業の運用につきましては、これは感染症対策分科会によっていろいろ提言がなされておりますので、これは各知事さんの判断等や要請もありますので、政府全体として適時に判断されていくものだと承知をしております。

(以上)

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