参議院財政金融委員会における与謝野金融担当大臣の「破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告」概要説明

(はじめに)

昨年六月十日及び十二月十二日に、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。

報告の対象期間は、それぞれ平成十九年十月一日以降平成二十年三月三十一日まで、平成二十年四月一日以降九月三十日までの二つであります。

これらの報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。

(足利銀行に係る特別危機管理)

はじめに、足利銀行に係る特別危機管理について申し上げます。

足利銀行については、平成十五年十一月二十九日に特別危機管理開始決定がなされて以来、預金保険法に基づき所要の措置が講じられてきたところですが、今回の二つの報告対象期間中には、特別危機管理終了に向けた取組みが行われております。

まず、平成十九年十一月二十二日、事業計画書の審査を通過した二者の受皿候補から譲受条件等の提出を受け、審査の結果、平成二十年三月十四日に野村フィナンシャル・パートナーズ等を中心に構成される企業連合を受皿として選定されております。

また、平成二十年四月十一日に足利銀行の株式の譲渡に係る株式売買契約が締結され、七月一日には、全株式が預金保険機構から足利ホールディングスに譲渡され、これにより同行に係る特別危機管理が終了しております。

なお、預金保険機構による資金援助の実施については、百四十八億円の資産の買取り、及び二千五百六十六億円の金銭の贈与が行われております。

(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容)

次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。

金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、今回の報告対象期間中には行われておりません。

(預金保険機構による主な資金援助等の実施状況等)

続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証付借入等の残高について申し上げます。

破綻金融機関からの救済金融機関への事業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の二つの報告対象期間中に二千五百六十六億円、これまでの累計で十八兆八千六百七十七億円となっております。

また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産の買取りは、今回の二つの報告対象期間中に百四十八億円、これまでの累計で六兆四千六百六十二億円となっております。

これらの資金援助等に係る政府保証付借入等の残高は、平成二十年九月三十日現在、各勘定合計で六兆五千二百億円となっております。

(おわりに)

只今概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時・適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。

御審議の程、宜しくお願い申し上げます。

以上

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