柳澤金融担当大臣記者会見の概要

(石川銀行について)

(平成13年12月28日(金)17時48分~18時24分)

【冒頭大臣より】

石川銀行につきまして、業務及び財産の管理に関する処分をいたしておりますので、これにつきましてお話を申し上げるわけでございますが、その前に、皆さん方の報道につきまして、私共大変遺憾に思っている点がございますので、その旨を以下、申させていただきます。

本日行われました処分の内容につきまして、今、申したように発表いたすわけですが、その前に一言申し上げておきたいと存じます。

一部の報道機関におきまして、今回の処分決定の前に個別の金融機関の名称を挙げての報道が行われました。報道内容は、預金者等に不安を与えるとともに、信用秩序の維持に大きな悪影響を与えかねないものでありまして、極めて遺憾であると思っております。今後、金融機関の破綻報道につきましては、信用不安の防止や信用秩序の維持の観点から、十分に慎重に行われるよう重ねて要請をいたしておきます。この件については以上です。

それでは、石川銀行の処分につきまして申し上げます。

-金融担当大臣談話「石川銀行について」-

申し上げるべきことは、この談話に全て盛り込まれていると考えておりますので、あとは皆さんの方からご質問をお受けしたいと、こう思います。

【質疑応答】

  • 問) 今回、石川銀行が破綻に至った理由について大臣はどのようにお考えでしょうか。

  • 大臣) 石川銀行については、バブル経済当時の融資の不良債権化というものが顕著にありまして、これを結局において克服できなかったということが基本的に背景として申し上げられる点だと私は思っております。

  • 問) 年末の時期の破綻なんですけれども、地域経済への影響をどのようにお考えなのか、また、地域の金融の円滑化などについて、何か金融庁として対応するようなお考えはおありなのでしょうか。

  • 大臣) まず地域金融への影響ですけれども、皆さんには度々申し上げているように、第二地銀もですけれども、その他地銀あるいはそれよりも小さい業態であるところの信金とか信組、こういったものについてやや集中的に、この石川県について、特に信組について破綻が認定されております。そういう意味では非常に注意して、この点、地域金融の疎通ということに欠けるところのないように、私としても注意を払わなければならないということを常に申して来ておるわけでございます。

    ただ、全体として、今、金融機関の預貸金の現況等を見ますと、地方銀行にもしっかりしたところが中心的な役割を演じているところがありますし、また、信金にもそうしたしっかりしたところもあるというようなことを含めると、今回の石川銀行のことは誠に遺憾ではありますけれども、地域の金融の疎通に重大な何か支障が起こるということではないだろうと、このように考えております。

    しかし、出来るだけ早く、先程の談話にありましたように、受皿の金融機関が確保されて、特に預金者は保護されているわけですが、善意かつ健全な債務者が融資を継続して受けられるようになって行くことは非常に大事なことだと、このように考えております。

    また、年末の点については、従前、年末にこうした処分をしなければならないところが私の前任の当時にもありまして、この点については非常に留意をしているところでございます。今回につきましても、このようなことから財務局においていろいろ配慮する、また政府関係金融機関等への連絡・連携も格別に払うようにということを命じておりますので、そうしたことでやや押し詰まって、ここまでには大体、年末金融の話というものはついているケースが多いとは思いますが、念には念を入れて、このようなことについて遺漏のないように万全を期しているところでございます。

  • 問) 今も出た受皿の話なんですけれども、ある程度目途は立っているのでしょうか。全くこれからということでしょうか。

  • 大臣) これは、まだ全くそうしたことについて私は承知をいたしておりません。

  • 問) この秋以降、信用組合を中心に地域金融機関の破綻が相次いでいるんですけれども、現在地域金融機関が置かれている経営の現状等について、大臣はどのようなご認識をお持ちでしょうか。

  • 大臣) これは、今回の石川銀行の件について、破綻の背景というのは先程言った通りですけれども、その他、景況の影響を受けて不良債権がなかなか克服出来ないというようなところもございますし、また、地域金融機関の中には、預貸率が非常に低くて余資がかなりあって、その運用をいろいろしているうちに芳しからざる結果が生じてしまうというようなこともあって、それらがいろいろな形で影響して破綻が割と多く起こっているということは、私としても極めて残念なことだと、このように考えております。

  • 問) 大臣は、「ペイオフ解禁時には問題のある金融機関をラインアップに加えることは出来ない」と仰っているのですけれども、そうした意味から、こういった地域金融機関の破綻というのは、まだかなり起こる可能性があるというふうにお考えなのか、ある程度ペイオフ解禁に備えての準備というのは、もうかなり整って来たというふうにお考えなのか、その辺はいかがでしょうか。

  • 大臣) なかなか金融の問題というのは、将来のことを見通すことは難しいのですが、私共としては基本的に今指摘のあったような考え方、つまり来年の4月1日に店を開く金融機関というものは健全だと、即ち、預金者の皆さん、あるいは利用者の皆さんに信頼されるような金融機関であると、こういう形にしなくてはならないと、このように考えておりまして、そういった方向に向けて努力を重ねているところであります。

    どの程度かということについては、いわく言い難いですけれども、とにかくそうした方向に向けて進んでいると、そんなに、まだやらなければならないことが非常に多いという状況でないようにしないといけないということで進んでいるわけです。

  • 問) ペイオフ凍結解除を控えまして、今後、あと3ヶ月ということですけれども、地域金融機関については健全性の確保、真の体力の見極めなど、今後も万全な監督体制が必要との認識でいらっしゃいますか。

  • 大臣) その通りですね。やはり地域経済をきめ細かく支えて行くというか、資金の疎通を図って行くというのは、その地場に基盤を置いた地域金融機関と言われる金融機関の使命だというように思ってまして、従って、そういう使命を果たして行くためにも、何と言っても預金者を始めとする利用者から信頼されるだけの健全性を持っていないといけないと、こういうことだろうと私は思っておりまして、そういうことを実現するように今後とも地域の金融機関に対しては、監督の立場からもこれを進めて行くと、適切な監督を行うということを怠りなくやって行きたいと、こういうように思います。

  • 問) 2年前に新潟中央銀行が破綻した時に、大臣はその時は金融再生委員長でいらっしゃったのですが、その時に「これで地銀、第二地銀の破綻は最後ということを期待したい」というような趣旨のことを仰ったわけですが、今回、石川銀行が破綻したということで、それはなぜこういうふうになったのか、その原因みたいなものをどういうふうに分析されているのでしょうか。

  • 大臣) まあ、先程も言ったように、この石川銀行についても、まあいろんな問題を抱えているということは検査等で判明をしておりました。しかし、その後、当行はいろいろな形で増資等の努力も相当規模やって来たというようなこともありまして、私共としては、そうした努力が結実すると、それで銀行が健全化するということを期待していたのですけれども、やはり両方の力の競合というか競争ですね、競い合いの中で、やはり健全化の努力の力が不足したと、こういうことだろうというように思います。極めて遺憾なことだというように思っています。

  • 問) 例えばその石川銀行の場合ですね、これまでいろいろ何回か増資を重ねて来ましたが、結構怪しげな増資みたいなものも中には指摘されるところもあるのですけれども、監督上、問題はなかったのでしょうか。

  • 大臣) 私の口からはそこまでちょっと言及するのは、ここでは控えたいと、こういうように思います。それはまあそうしたことが総体的に今日の事態を招くようなところになった一つの背景だということはあり得ようかと思います。

  • 問) オーバーバンキングの問題なんですが、先程も預貸率が低くて芳しからざる結果になったということを仰いましたけれども、もう一段のやはり再編と言いますか、昔「1県2行」というお話があったとかなかったとか、そういうこともありましたけれども、もう一段の、特に地方の金融機関における再編というのは必要ではありませんでしょうか。

  • 大臣) 預貸率の点についての私の言及は、その運用先に問題があったケースについて申し上げた中で言ったことでありまして、それはそれとしてご理解をしておいていただきたいと、こういうように思います。

    このオーバーバンキングの問題という一方では、特に地域金融については国会等で皆さんご承知の通り、アセスメントの中に地域金融への貢献というか、そういったようなものも含めて、地域金融が十分に行き渡るようにというようなことを重視する考え方もありますので、なかなか一概に預貸率とオーバーバンキングというものを結び付けて論ずるということも、ちょっと慎まなくてはいけないかなと、こういうように思っております。

    ただ、むしろそれよりも利鞘の薄いことをですね、金融機関の収益力を高めて行かなければならないわけですけれども、そういうこととの関連でも考えなくてはならない課題ではあるというふうに思いますが、それと再編というようなことを、今にわかにここで結び付けて申し上げられるような、そういう状況にはないというふうに申し上げたいと思います。

  • 問) 先程の増資の件をもう少し分かり易くお話いただきたいのですが、直近の検査の段階で石川銀行の増資に対して、その増資の妥当性についてはどのようなご判断を最終的にはされていらっしゃったのでしょうか。

  • 大臣) それについて云々する以前に、我々は今回の破綻認定に当たって、その増資の中身について何か指摘すべきことがあるので、こうしたことに立ち至ったということではありません。そういうことが完全であったとしても、実はここにありますように、申し出にあったような状況に立ち至っているという認識を、向こうサイドからそういう話があって、我々としても「それはそうだ」というふうに受け止めたということでございまして、増資の質というか中身について論じなければ、このような認定に至らなかったということは全くありませんので、先程の答弁に止めたいと、このように思います。

  • 問) 数字的なことを聞いて申し訳ないのですが、直近の債務超過額はいくらなのでしょうか。

  • 監督局長) 13年9月期で、224億円の債務超過になっています。

  • 問) この数字は提出された半期報告書に基づくものという理解でよろしいのでしょうか。

  • 監督局長) そうです。

  • 問) では、半期報告書の数字ではなくて、直近のものも含めて過去の検査時点と、その時に通知した自己資本比率を教えてください。

  • 広報室長) 後程事務方の方から説明させていただきます。

  • 問) 過去に債務超過を把握していたということはないのですね。

  • 監督局長) そもそも12年9月期について前回検査をしているわけですね。その時の検査結果を踏まえた、それについて報告徴求したわけですけれども、検査結果を踏まえた報告によりますと、12年9月末には、ちょっと債務超過額は今は持っていないのですけれども、自己資本比率で申し上げますと、マイナス8.67%になっていたと。13年3月末につきましては、先程大臣が申し上げたように増資等を行って、結果4.08%に戻ったという報告を受けています。

  • 問) 12年9月期の時点でマイナス8.6%というような、このような劣悪な経営状況の銀行を今まで放置していたのですか。

  • 監督局長) それは、その時の報告が13年3月期で4.08%であって、12年9月期が別に債務超過になったわけではないのですね。検査の結果を踏まえてそうなったので、それに対して、それを受けて業務改善命令等を打っているということになっています。

  • 問) 直近の検査の結果では自己資本比率はいくつだったのですか。あと、債務超過額はどうですか。

  • 監督局長) 直近の検査は、要は立ち入り自身は終わっているのですが、今は検査結果の取りまとめ中であって、まだ通知していない、そういう状況にあります。

  • 問) 福島銀行が、先日、早期是正措置を当局から打たれたという発表をされました。それで、今回、破綻認定ということで、これまで信金・信組が破綻ということでしたけれども、地域銀行のレベルまで破綻が及んできたことによって、世の中の人々の地域銀行に対する注目、不安というのもあるのではないかと思うのですけれども、現在において、地域の銀行の経営状態について、この他に問題がある金融機関はあるのでしょうか。

  • 大臣) それは、我々は法令に照らして、監督上必要な措置をとっているわけでありまして、福島銀行の場合にはそういうことを我々の方からそれをコンファームする、あるいは発表するというようなことを致さないということになっていますので、相手方からそういう話があったということを我々は承知していると、こういう立場をとらせて頂いているわけでございます。

    地域銀行について、そういうことが片方は早期是正措置、片方は破綻認定ということ、いわゆる財産及び業務に関する管理処分ですね、こういうことがあったわけですけれども、これをどう見るかということでございますけれども、私共としては、基本的に日本の地域金融機関にたくさんの問題があるというようには考えていないということで、更にそれを具体的に申し上げるというのはちょっと差し控えさせて頂きたいと、このように思います。

  • 問) 資本不足に対して公的資金の注入という選択肢をとらなかったのは、大臣が最初の方の質疑で仰ったように、地域金融への影響が重大ではないという判断に基づいているという理解で宜しいでしょうか。

  • 大臣) これはですね、仮に、ではそういう申し出があった時に、申請があった時にどう判断するかということですけれども、これは我々、再生委員会時代に基本的な考え方を明らかにしているわけでありまして、そういうことから考えても、今回の場合、なかなか該当するということには障害があったのではないかなと、こういうように考えています。地域金融の重要性ということについては言うまでもないことだということです。

  • 問) 地銀クラスであれば、危機対応会議ということもあり得るのですか。

  • 大臣) 危機対応ということは、それも地域の経済に重大なというようなことでありますから、それは法令に照らしてあり得ないことではないということです。

  • 問) 新潟中央銀行の時もそうなのですが、非常に時間がかかって、後の処理が遅くなったと、そういう経緯があるのですが、今回、ペイオフがもう間近なので、これからどういう手続きになるのでしょうか。まあ、ああいう時間のかかり方をするのかどうかということは想定できないのですが、そこはどういうふうにお考えでしょうか。

  • 大臣) これはなかなか悩ましい問題でして、まず第一には最終の受皿の決定まで、我々としてはこの年度末までに何とか立ち至りたいということを考えております。仮にそれが出来なかった時にどうなるかと、これはですね、やはりいろいろな制度も敷かれているわけでありますから、その中で工夫をしていかなければいけないということになります。

  • 問) 石川銀行に関しては、福島交通グループの日本ロイヤルクラブの休眠会社等を使った不正融資事件等で逮捕者を出すなど、いろいろな経緯があったと思うのですけれども、過去に何らかの行政処分なり命令等、そういう行政的な措置というのはとってこられたのでしょうか。

  • 監督局長) 直近ですと、出資法違反事件がありました。あれについては、いろいろヒアリングした上で、法令遵守体制全般について問題があるということで業務改善命令を打っております。

  • 問) 確認なのですけれども、先程のお話で4月以降、地銀・第二地銀が破綻した場合は、危機対応会議で預金全額保護するということでしょうか。

  • 大臣) いや、そんなことはないですよ。法令に照らして地域経済、地域の信用秩序に重大な影響があることという、皆さん御承知の危機対応の条項に照らして判断するということがあり得ると、こういうことを言っているのです。全てについて、そういうこと…。

  • 問) 破綻した場合、預金のカットも当然あり得るということですか。

  • 大臣) それは正に制度通りですね。

  • 問) 確認ですが先程の発言で、この受皿探しが年度を越えてしまった場合にいろいろ工夫があり得るというのは、その場合は預金者の人もまさかカットされるとは今の時点で思っていないと思うのですが、カットされることがあり得るのでしょうか。

  • 大臣) それはないです。それはもう、そういうことはないので、ここで私が先程の談話の中でも言っているように、預金者その他の、債務の保護は全額図られますということはそのまま実現されます。

    どういうふうにしてやるかということについては、後で局長等にお話を聞いて頂ければ良いのですが、結局、承継銀行に受皿銀行になってもらって、現在の資金援助というものが確保されるという形を取らざるを得ないということもあり得るということをちょっと申し上げたということです。

  • 問) 今回の処理の1年以上前から石川銀行の財務内容が悪化していることを把握していながら今日に至ったというこの経緯の中で、政治的な配慮なり圧力というのはなかったのでしょうか。

  • 大臣) 全くありません。

  • 監督局長) 1年前からと仰いますので、もう一回付言しますけれども、検査に13年1月に入って、検査結果通知を…。

  • 問) 今年ですよ。

  • 監督局長) 今年ですね。5月21日にやっているわけですね。その間に増資もやっていますから、その結果分かったことは12年9月末は債務超過だったと。しかし、3月の増資とか4月の増資をやって、例えば4月末時点ですと、自己資本比率が単体で5.67%に回復しているというふうな状況ですから、何と申しますか、ずっと債務超過であり、大分前から把握してそのまま放っておいたということはないわけです。

  • 問) 破綻の理由について大臣が指摘されたバブル経済当時の融資や不良債権問題の克服というのは、そういうのはもう全国の金融機関に共通して言えることだと思いますけれども、この銀行はやはり普通の銀行とはちょっと違うのではないですか。その辺りの認識はいかがでしょうか。

  • 大臣) 恐らく念頭に置かれていることを私がそういう表現で言ったということです。

  • 監督局長) やはり与信管理が甘いと、審査が十分でないという面があるのだと思いますね。

  • 問) 東京や大阪でかなり債権を持っていると思うのですけれども、受皿が見つかるのでしょうか。

  • 監督局長) 金融整理管財人を最大限支援して、一生懸命やりたいというふうに思っています。

(以上)

サイトマップ

金融庁についてページ一覧を開きます
大臣・副大臣・政務官
金融庁について
所管の法人
予算・決算
採用情報
お知らせ・広報ページ一覧を開きます
報道発表資料
記者会見
講演等
広報誌アクセスFSA
パンフレット
談話等
白書・年次報告
アクセス数の多いページ
更新履歴
車座ふるさとトーク
新着情報メール配信サービス
金融庁twitter新しいウィンドウで開きます
政策・審議会等ページ一覧を開きます
全庁を挙げた取り組み
金融制度等
金融研究センター新しいウィンドウで開きます
取引所関連
企業開示関連
国際関係
銀行等預金取扱金融機関関係
証券会社関係
保険会社関係
金融会社関係
法令関係
その他
法令・指針等ページ一覧を開きます
法令等
金融関連法等の英訳
金融検査マニュアル関係
監督指針・事務ガイドライン
Q&A
金融上の行政処分について
公表物ページ一覧を開きます
審議会・研究会等
委託調査・研究等
政策評価
白書・年次報告
金融機関情報ページ一覧を開きます
全金融機関共通
銀行等預金取扱機関
保険会社関連
金融会社関連
店頭デリバティブ取引規制関連
日本版スチュワードシップ・コード関連
国際関係ページ一覧を開きます
国際関係事務の基本的な方針等
グローバル金融連携センター(GLOPAC)
職員による英文講演新しいウィンドウで開きます
職員が務めた国際会議議長等
日本にある金融関係国際機関
金融安定理事会(FSB)
バーゼル銀行監督委員会(BCBS)
証券監督者国際機構(IOSCO)
保険監督者国際機構(IAIS)
その他

ページの先頭に戻る