参議院財政金融委員会における伊藤金融担当大臣の「破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告」概要説明

(はじめに)

本年六月十七日、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」第五条に基づき、平成十六年十月一日以降平成十七年三月三十一日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。

本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。

(足利銀行に係る特別危機管理)

はじめに、特別危機管理銀行である足利銀行について申し上げます。

足利銀行については、平成十五年十一月二十九日、金融危機対応会議の議を経て、預金保険法第百二条第一項第三号に定める措置を講ずる必要がある旨の認定及び特別危機管理開始決定がなされて以来、同法に基づき所要の措置が講じられてきたところでございますが、報告対象期間中には、昨年十月八日に業務及び財産の状況等に関する報告が提出され、特別危機管理開始決定の公告時における資産及び負債の状況が公表されております。また、同年十二月一日には、平成十六年九月期における経営に関する計画の履行状況の報告が提出されております。

また、本年二月四日、足利銀行により旧経営陣に対し損害賠償を求める三件の訴訟が提起されております。

さらに、本年二月二十八日には、預金保険法第百二十九条第三項に基づき、預金保険機構により五百六十四億円の資産買取りを行う旨の決定が行われ、同年三月二十二日、預金保険機構の委託に基づき整理回収機構により当該資産の買取りが実行されております。

(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容)

次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。

金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、報告対象期間中には行われておりません。

(瑕疵担保条項に基づく債権の買取り)

続いて、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買取の状況について申し上げます。報告対象期間中に、預金保険機構が引き取った案件は、あおぞら銀行についてはなく、新生銀行については四件で、債権額百三十二億円、支払額百二十二億円となっております。

なお、新生銀行及びあおぞら銀行から預金保険機構が今後新たに引き取る案件はなく、これまでの累計で、新生銀行から引き取った案件は三百三十一件で、債権額一兆二千百十九億円、支払額八千九百二十八億円、あおぞら銀行から引き取った案件は百五十五件で、債権額四千四百五十四億円、支払額三千二百八十六億円となっております。

(預金保険機構による資金援助等の実施状況等)

続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証付借入等の残高について申し上げます。

破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千百五十六億円となっております。

また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買取は、報告対象期間中には足利銀行からの五百六十四億円、これまでの累計で六兆四千二百七十八億円となっております。

これらの預金保険機構による資金援助等に係る本年三月三十一日現在の政府保証付借入等の残高は、一般勘定、金融再生勘定、金融機能早期健全化勘定、危機対応勘定及び金融機関等経営基盤強化勘定の各勘定合計で十六兆八千七百四億円となっております。

(公的資本増強行に対する取組み)

最後に、参考として報告しております公的資本増強行に対する取組みのうち主なものについて申し上げます。

りそなホールディングス及びりそな銀行については、平成十七年三月末までを対象として策定されていた経営健全化計画の見直しが行われ、新しい経営健全化計画が昨年十一月十八日、公表されました。

(おわりに)

只今概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時・適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。

御審議の程、宜しくお願い申し上げます。

以上

サイトマップ

ページの先頭に戻る