金融行政モニター委員と金融庁幹部との意見交換会(令和5年3月31日)  議事要旨

議事要旨

・日時:

令和5年3月31日(金曜)13時30分~14時30分

・場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用1特別会議室

・議事要旨:

金融庁から、金融行政モニター制度の運用について説明した後、金融行政モニター制度の運用に関する意見や金融行政モニター委員が把握している金融機関の金融行政に対する意見等について、以下のような議論が行われた。(〇:金融行政モニター委員の発言、●:当庁の発言)

(金融行政モニター制度の運用のあり方)
 

 ○ 最近海外の方から金融行政モニター受付窓口に意見が寄せられるケースが複数あるが、当該制度の本来の意義を理解していないような意見があるため、今後、海外に対する周知も必要になってくるのではないか。

 ○ 規制当局から言われたことだけを形式的に守ろうとする対応がありがちな中、その実効性を担保しようとするこの制度は非常に重要。

○ 個別事例に関する意見等は金融サービス利用者相談室を案内することになるが、こうした個別事例から広く一般に問題となる点を拾い上げて議論をすることができたら良いのではないか。

 ○  金融機関の職員・顧客以外の方からの意見の中に、金融制度の企画立案に関わる有益な示唆があり、このような方々の意見が増えると良いのではないか。

 ○  現在の金融行政運営にも一理あるが、提出された意見も考え方として成り立つのではないかと思われることがあるので、金融庁には、意見を受けて改めて考え、現在の運用を見直すことについて積極的になってほしい。

 ●  金融行政モニターに寄せらせる意見について丁寧に対応し、金融行政の改善に繋げる観点から前向きに対応するよう運営していきたい。

 ●  各種規制を導入した時と前提となる社会経済情勢が変化していることも踏まえ、現在の運用を見直すということについて金融庁内で活発に議論していきたい。

 (新たなNISA制度)
 

 ○  新たなNISA制度について、抜本的に拡充がなされ、投資の入門という役割から、国民の投資を大胆に促進するという役割に変わってきている中、現行のNISA制度と同様に複数のNISAの口座の保有が認められていない点等、新たなNISA制度が導入された後でも見直すことが必要ではないか。

 ●  NISA制度において、顧客により良いサービスを提供した者が生き残るという公平な競争世界が重要であり、競争が働かない状況が生じているようであれば今後しっかりと検討していきたい。

 ○  スピード感があることは良いが、複数のNISA口座を保有できないことや対象商品の制限などについて、一般の方や金融機関へ決定プロセスに関する説明が行き届いていない点があるのではないか。

  また、つみたてNISAの説明の際、長期投資によるリスクが低いのは確かだが、色々なケースがあり得るなか、リスクに関する説明が足りていないのではないか。

 ●  各金融機関に対して、NISAの周知・広報について、ライフプランに基づく資産形成の重要性を周知するとともに、その一つの選択肢としてNISAの活用があることを説明し、リスクがあることやNISAは長期・積立・分散の投資を慫慂するものであること明確に伝えるよう依頼しているところである。


 (顧客本位の業務運営)
 

 ○  最近寄せられた意見の中には、ホームページの苦情受付窓口において必要以上に個人情報の入力が求められているのではないかといった、各金融機関が顧客本位の業務運営を進めている中で、色々なサービスが顧客の目線に立っていないために顧客の誤解を招いているケースに関するものもある。

  今一度顧客の側に立って、各種取組みを見直すよう金融庁から呼びかけていただきたい。

 

 ○  顧客本位の業務運営に関して、現在、金融商品取引法等の一部を改正する法律案が国会に提出されているところだが、当該法律案が成立すると、顧客本位の業務運営がソフトローからハードローとなり、金融行政モニターに寄せられる意見も場合によっては法規範に触れる話になる。法規範になることを意識して業務を行っていただきたい。

 ●  法律案の成立後は、顧客本位の業務運営がより浸透するように努めていきたい。


 (若者の消費者トラブル)
 

 ○  詐欺的な投資話といった若者の消費者トラブルが多発しており、無登録業者との取引については警告していく必要。成年年齢引下げを踏まえて、貸金業界とともにプロアクティブな対応をしていただいたことは評価しているが、ソフト闇金と呼ばれるような業者も出てきており、警察との連携が非常に重要。

 ●  金融経済教育の推進にあたっては、投資に関するものだけではなく、適切な業者を選択してトラブルを防ぐ方法といったものを含め、金融知識に関する金融経済教育を進めていきたい。

 ●  SNSにおいて個人間融資の勧誘を行う悪質な書込みに対して、金融庁公式アカウントから直接返信する取組みを行っており、根気強く続けていきたい。

 (決済の多様化)

 ○  決済の多様化に伴い、ポイントとマネーの区別がつかなくなり、ポイントに関するトラブルも生じている状況。決済に関する規制について随分と整理されてきていると思うが、今後ポイントの扱いについても議論しては良いのではないか。

 ●  ポイントについて大きな経済圏が発達する中で関心を持っている。


 (最近の欧米金融情勢等)

 ○  最近の欧米金融情勢等を踏まえ、日本の地域金融機関への影響等はないか注視していく必要があるのではないか。

 ●  強い警戒心をもって個別の銀行のポートフォリオや運用体制等を注視していきたい。

 ○  資本コストが国際的に上昇する中であるが、保険会社に対する経済価値ベースの資本規制について、粛々と進めていただきたい。

 ●  関係者や専門家からの意見を聞きながら、保険会社に対する経済価値ベースの資本規制については粛々と進めていきたい。


 (デジタライゼーションの進展に伴う対応)

 ○  デジタル資産への投資運用や投資助言、媒介といったことに関する業規制やデジタル資産の譲渡や発行による資金調達に関する情報開示規制に関して、現在の業規制や開示規制が上手く適用できるのかをしっかりと検証する必要があるのではないか。

 ●  現在の枠組みで上手く取り込んでいけるどうかについて、規制コストも勘案しながら機動的に対応できるよう勉強等を進めていきたい。

                                     以上
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