平成20年2月21日
金融庁

株式会社アスキーソリューションズの有価証券報告書等に係る金融商品取引法違反に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、(株)アスキーソリューションズに係る有価証券報告書等の虚偽記載の調査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成20年2月1日に審判手続開始の決定を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「法」という。)第178条第1項各号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、本日、以下のとおり決定を行った。

1 決定の内容

納付すべき課徴金の額及び納付期限

金1957万円  平成20年4月22日(火)

2 事実及び理由

  • (1)課徴金に係る法第178条第1項各号に掲げる事実

    被審人(株)アスキーソリューションズは、

    • 有価証券報告書等について、

      • 平成18年6月29日、売上の過大計上及び費用の無形固定資産への付替え等により、純資産額が520百万円(百万円未満切捨て。以下、当期純利益額、純資産額、中間純損失額、平成17年4月1日から同年12月31日までの期間における経常損益額及び純損益額について同じ。)であったにもかかわらず、純資産額に相当する「資本合計」欄に615百万円と記載するなどした貸借対照表、及び当期純利益が56百万円であったにもかかわらず、これを151百万円と記載するなどした損益計算書を掲載した平成18年3月期有価証券報告書を

      • 平成18年12月21日、売上債権の過大計上及び棚卸資産の過大計上等により、純資産額が669百万円であったにもかかわらず、純資産額に相当する「純資産合計」欄に1,071百万円と記載するなどした中間貸借対照表、及び中間純損益が358百万円の損失であったにもかかわらず、これを51百万円の損失と記載するなどした中間損益計算書を掲載した平成18年9月中間期半期報告書を

      • 平成19年6月1日、売上債権の過大計上等により、純資産額が669百万円であったにもかかわらず、純資産額に相当する「純資産合計」欄に858百万円と記載するなどした中間貸借対照表、及び中間純損益が358百万円の損失であったにもかかわらず、これを263百万円の損失と記載するなどした中間損益計算書を掲載した平成18年9月中間期半期報告書の訂正報告書を

      • 平成19年6月28日、前渡金の過大計上等により、純資産額が196百万円であったにもかかわらず、純資産額に相当する「純資産合計」欄に386百万円と記載するなどした貸借対照表を掲載した平成19年3月期有価証券報告書を

      各々関東財務局長に対して提出した。

      被審人が行った上記の各行為は、法第172条の2第1項又は第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出した行為に該当すると認められる。

    • 有価証券届出書について、

      • 平成18年3月1日、売上の過大計上等により、経常損益が5百万円の損失であったにもかかわらず、これを18百万円の利益と、純損益が8百万円の損失であったにもかかわらず、これを15百万円の利益と記載するなどした平成17年4月1日から同年12月31日までの期間における損益計算書を掲載した有価証券届出書を関東財務局長に対して提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、平成18年4月5日、1,500株の株券を525,000,000円で、

      • 平成19年8月10日、平成19年3月期有価証券報告書を組込情報とする有価証券届出書を関東財務局長に対して提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年8月27日、2,650株の株券を153,700,000円で

      各々取得させた。

      被審人が行った上記の各行為は、法第172条第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた行為に該当すると認められる。

  • (2)課徴金の計算の基礎

    • 法第172条の2第1項及び金融商品取引法施行令第33条の5の3の規定により、平成18年3月期有価証券報告書について、

      • 同有価証券報告書に記載されている貸借対照表に計上されている資産の額の合計額(1,731,850,061円)から負債の額の合計額(1,116,319,322円)を控除して得た額(615,530,739円)に10万分の3を乗じて得た額(18,465円)が

      • 3,000,000円

      を超えないことから、同有価証券報告書に係る課徴金の額は、3,000,000円となる。

    • 法第172条の2第1項又は同第2項の規定により、平成18年9月中間期半期報告書及び同半期報告書に係る訂正報告書並びに平成19年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額について、

      • 被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(131,117円)が

      • 3,000,000円

        を超えないことから、同半期報告書及び同訂正報告書並びに同有価証券報告書に係る個別決定ごとの算出額は、

         同半期報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円
         同訂正報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円
         同有価証券報告書については、3,000,000円

        となる。

        ここで、法第185条の7第2項の規定により、同一の事業年度に係る2以上の虚偽の継続開示書類が提出されたときは、課徴金の額を調整することとなるため、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。

        平成18年9月中間期半期報告書について  
           3,000,000   ×  1,500,000  (1,500,000+1,500,000+3,000,000)  
            (半期報告書の個別決定ごとの算出額) (個別決定ごとの算出額の合計)  
                    =750,000円
             
        同半期報告書に係る訂正報告書について  
           3,000,000   ×  1,500,000  (1,500,000+1,500,000+3,000,000)  
            (訂正報告書の個別決定ごとの算出額) (個別決定ごとの算出額の合計)  
                    =750,000円
             
        平成19年3月期有価証券報告書について  
           3,000,000   ×  3,000,000  (1,500,000+1,500,000+3,000,000)  
            (有価証券報告書の個別決定ごとの算出額) (個別決定ごとの算出額の合計)  
                    =1,500,000円
    • 法第172条第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の2に相当する額が課徴金の額となることから、

       平成18年3月1日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、
        525,000,000円 × 2 / 100 = 10,500,000円
       平成19年8月10日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、
        153,700,000円 × 2 / 100 = 3,074,000円
        について、法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨てて、
        3,070,000円

      となる。

    以上より、課徴金の額は次のとおりである。

    3,000,000円+750,000円+750,000円+1,500,000円+10,500,000円+3,070,000円=19,570,000円

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室(内線2404)

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