平成20年6月19日
金融庁
株式会社クリムゾンの有価証券報告書等に係る金融商品取引法違反に対する課徴金納付命令の決定について
金融庁は、証券取引等監視委員会から、(株)クリムゾンに係る有価証券報告書等の虚偽記載の調査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受け、平成20年6月3日に審判手続開始の決定(平成19事務年度(判)第30号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「法」という。)第178条第1項各号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、本日、以下のとおり決定を行った。
1 決定の内容
納付すべき課徴金の額及び納付期限
金500万円 平成20年8月20日(水)
2 事実及び理由
(1)課徴金に係る法第178条第1項各号に掲げる事実
被審人(株)クリムゾンは、売上原価の過少計上等により、
○平成18年4月27日、当期純損益が35百万円(百万円未満切捨て。以下、当期純利益額、中間純損失額、純資産額、連結当期純損失額及び連結純資産額について同じ。)の利益であったにもかかわらず、これを467百万円の利益と記載するなどした損益計算書を掲載した平成18年1月期有価証券報告書を
○平成18年10月24日、中間純損益が827百万円の損失であったにもかかわらず、これを280百万円の損失と記載するなどした中間損益計算書、及び純資産額が3,856百万円であったにもかかわらず、純資産額に相当する「純資産合計」欄に4,866百万円と記載するなどした中間貸借対照表を掲載した平成18年7月中間期半期報告書を
○平成19年4月27日、連結当期純損益が1,227百万円の損失であったにもかかわらず、これを463百万円の損失と記載するなどした連結損益計算書、及び連結純資産額が3,483百万円であったにもかかわらず、連結純資産額に相当する「純資産合計」欄に4,679百万円と記載するなどした連結貸借対照表を掲載した平成19年1月期有価証券報告書を
各々関東財務局長に対して提出した。
被審人が行った上記の各行為は、法第172条の2第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出した行為に該当すると認められる。
(2)課徴金の計算の基礎
法第172条の2第1項及び平成17年法律第76号附則第5条第2項の規定により、平成18年1月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、
イ被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の2を乗じて得た額(122,612円)が
ロ2,000,000円
を超えないことから、2,000,000円となる。
平成18年7月中間期半期報告書及び平成19年1月期有価証券報告書に係る課徴金の額について、
・法172条の2第2項及び平成17年法律第76号附則第5条第2項の規定により、同半期報告書に係る個別決定ごとの算出額は、
イ被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の2を乗じて得た額(107,143円)が
ロ2,000,000円
を超えないことから、2,000,000円の2分の1に相当する額である1,000,000円となり、
・法第172条の2第1項の規定により、同有価証券報告書に係る個別決定ごとの算出額は、
イ被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(160,714円)が
ロ3,000,000円
を超えないことから、3,000,000円となる。
ここで、法185条の7第2項の規定により、同一の事業年度に係る2以上の虚偽の継続開示書類が提出されたときは、課徴金の額を調整することとなるため、次のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。
・平成18年7月中間期半期報告書について
3,000,000 × 1,000,000 / (1,000,000+3,000,000) (半期報告書の個別決定ごとの算出額) (個別決定ごとの算出額の合計) =750,000円 ・平成19年1月期有価証券報告書について
3,000,000 × 3,000,000 / (1,000,000+3,000,000) (有価証券報告書の個別決定ごとの算出額) (個別決定ごとの算出額の合計) =2,250,000円
以上より、課徴金の額は次のとおりである。
2,000,000円+750,000円+2,250,000円=5,000,000円
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