平成21年12月25日
金融庁

株式会社アルデプロに係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、(株)アルデプロに係る有価証券報告書等の虚偽記載の調査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成21年11月24日に審判手続開始の決定(平成21年度(判)第33号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「法」といいます。)第178条第1項第2号及び第4号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、本日、下記のとおり決定を行いました。

1 決定の内容

納付すべき課徴金の額及び納付期限

金2億8155万円  平成22年2月26日

2 事実及び理由

  • (1)課徴金に係る法第178条第1項第2号及び第4号に掲げる事実

    • 被審人(株)アルデプロは、

      • 平成18年4月17日、売上の過大計上により、連結中間純損益が1,009百万円(百万円未満切捨て。以下、連結当期純損益額、連結経常損益額及び連結純資産額について同じ。)の利益であったにもかかわらず、これを1,425百万円の利益と記載するなどした中間連結損益計算書を掲載した平成18年1月中間期半期報告書を、

      • 平成19年10月26日、架空売上の計上及び引当金の不計上により、連結当期純損益が4,710百万円の利益であったにもかかわらず、これを6,512百万円の利益と記載するなどした連結損益計算書を掲載した平成19年7月期有価証券報告書を、

      • 平成20年4月30日、売上の過大計上及び引当金の不計上等により、連結経常損益が2,379百万円の損失であったにもかかわらず、これを6,705百万円の利益と、連結中間純損益が7,807百万円の損失であったにもかかわらず、これを3,915百万円の利益と記載するなどした中間連結損益計算書、及び連結純資産額が24,965百万円であったにもかかわらず、連結純資産額に相当する「純資産合計」欄に38,491百万円と記載するなどした中間連結貸借対照表を掲載した平成20年1月中間期半期報告書を、

      • 平成20年10月31日、売上の過大計上及び棚卸資産の過大計上等により、連結経常損益が7,903百万円の損失であったにもかかわらず、これを1,129百万円の利益と、連結当期純損益が26,125百万円の損失であったにもかかわらず、これを10,413百万円の損失と記載するなどした連結損益計算書、及び連結純資産額が5,998百万円であったにもかかわらず、連結純資産額に相当する「純資産合計」欄に23,512百万円と記載するなどした連結貸借対照表を掲載した平成20年7月期有価証券報告書を、

      • 平成20年12月15日、棚卸資産の過大計上により、連結純資産額が1,107百万円の債務超過であったにもかかわらず、連結純資産額に相当する「純資産合計」欄に13,972百万円と記載するなどした連結四半期貸借対照表を掲載した平成20年10月第1四半期四半期報告書を、

      • 平成21年3月17日、棚卸資産の過大計上により、連結純資産額が8,564百万円の債務超過であったにもかかわらず、連結純資産額に相当する「純資産合計」欄に6,015百万円と記載するなどした連結四半期貸借対照表を掲載した平成21年1月第2四半期四半期報告書を、

      • 平成21年6月15日、棚卸資産の過大計上により、連結純資産額が11,014百万円の債務超過であったにもかかわらず、連結純資産額に相当する「純資産合計」欄に1,045百万円と記載するなどした連結四半期貸借対照表を掲載した平成21年4月第3四半期四半期報告書を

      各々、関東財務局長に対して提出した。

      被審人が行った上記の各行為は、金融商品取引法(平成20年法律第65号による改正前のもの。以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項又は第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出した行為に該当すると認められる。

    • また、被審人は、有価証券届出書について、

      • 平成18年4月28日、関東財務局長に対し、平成18年1月中間期半期報告書を参照書類とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、平成18年5月22日、21,339株の株券を3,499,596,000円で取得させ、

      • 平成20年8月6日、関東財務局長に対し、平成19年7月期有価証券報告書及び平成20年1月中間期半期報告書を参照書類とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、平成20年8月27日、新株予約権付社債を10,002,720,000円で取得させた。

      被審人が行った上記の各行為は、旧金融商品取引法第172条第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた行為に該当すると認められる。

  • (2)課徴金の計算の基礎

    • 旧金融商品取引法第172条の2第2項の規定により、平成18年1月中間期半期報告書に係る課徴金の額について、

      • 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(2,575,026円)

      • 3,000,000円

      を超えないことから、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円となる。

    • 旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成19年7月期有価証券報告書に係る課徴金の額について、

      • 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(4,013,705円)

      • 3,000,000円

      を超えることから、4,013,705円について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて4,010,000円となる。

    • 旧金融商品取引法第172条の2第1項又は第2項の規定により、平成20年1月中間期半期報告書及び平成20年7月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は

      • 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(2,324,114円)

      • 3,000,000円

      を超えないことから、

      同半期報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円

      同有価証券報告書については、3,000,000円

      となる。

      ここで、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、同一の事業年度に係る2以上の虚偽の継続開示書類が提出されたときは、課徴金の額を調整することとなるため、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。

      • 平成20年1月期半期報告書に係る課徴金の額は

        • 3,000,000×1,500,000/(1,500,000+3,000,000)=1,000,000円

      • 平成20年7月期有価証券報告書に係る課徴金の額は

        • 3,000,000×3,000,000/(1,500,000+3,000,000)=2,000,000円

    • 旧金融商品取引法第172条の2第2項の規定により、平成20年10月第1四半期四半期報告書、平成21年1月第2四半期四半期報告書及び平成21年4月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額について、個別決定ごとの算出額は、

      • 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(177,541円)

      • 3,000,000円

      を超えないことから、

      平成20年10月第1四半期四半期報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円

      平成21年1月第2四半期四半期報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円

      平成21年4月第3四半期四半期報告書については、3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円

      となる。

      ここで、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、同一の事業年度に係る2以上の虚偽の継続開示書類が提出されたときは、課徴金の額を調整することとなるため、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。

      • 平成20年10月第1四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

        • 3,000,000×1,500,000/(1,500,000+1,500,000+1,500,000)=1,000,000円

      • 平成21年1月第2四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

        • 3,000,000×1,500,000/(1,500,000+1,500,000+1,500,000)=1,000,000円

      • 平成21年4月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は

        • 3,000,000×1,500,000/(1,500,000+1,500,000+1,500,000)=1,000,000円

    • 旧金融商品取引法第172条第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の2に相当する額が課徴金の額となることから、

      • 平成18年4月28日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、

        • 3,499,596,000円×2/100=69,991,920円

        について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨てて、69,990,000円

      • 平成20年8月6日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、

        • 10,002,720,000円×2/100=200,054,400円

        について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨てて、200,050,000円

      となる。

    以上より、課徴金の額は次のとおりとなる。

    1,500,000円+4,010,000円+1,000,000円+2,000,000円+1,000,000円+1,000,000円+1,000,000円+69,990,000円+200,050,000円

    =281,550,000円

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室(内線2398、2404)

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