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平成23年12月16日
金融庁

シティバンク銀行株式会社に対する行政処分について

シティバンク銀行株式会社(以下「当行」といいます。)に対して行った検査結果(平成23年9月2日通知)、及び、それを踏まえた報告内容等を踏まえ、本日、業務の健全かつ適切な運営を確保するため、当行に対して以下を内容とする行政処分を行いました。

なお、この処分と併せて、今後の当行の態勢を継続的にフォローアップする観点から、基本的に同一の主任検査官が、随時、当行に対する立入検査を実施できるような検査体制をとることとしています。

I.命令の内容

銀行法第26条第1項に基づく命令

  • 1.平成24年1月10日(火)から平成24年2月9日(木)までの間、個人金融部門における外貨預金、投資信託、仕組預金等リスク性商品にかかる勧誘(広告、宣伝を含む)を停止すること(但し、顧客から自発的意思表示があり、かつ、そのような意思表示であることが客観的に認められる場合の販売業務(商品説明を含む)は妨げない。)。

  • 2.業務の健全かつ適切な運営を確保するため以下を実施すること。

    • (1)経営責任の明確化

    • (2)経営管理(ガバナンス)態勢の見直し

    • (3)内部管理態勢、顧客保護等管理態勢、法令等遵守態勢、システムリスク管理態勢(外部委託先の管理のあり方の見直しを含む)、及び内部監査機能の抜本的再構築(システム監査を含む)

    • (4)ビジネスモデルのあり方を含めた持続可能性のある収益計画の見直しとそれを支える顧客本位の営業体制の確立(報酬体系の見直し、支店における適切な業務運営体制の再構築及び適切な苦情処理体制の確立を含む)

    • (5)当行に必要な人材の育成・確保を主眼とする人事管理のあり方の見直し

    • (6)上記(1)~(5)、ならびに検査結果通知及び報告命令で指摘された事項にかかる業務改善計画の策定と速やかな実行(これまでの累次の行政処分に対する業務改善計画の実行状況の検証、前回の業務改善命令(平成21年6月26日)で指摘された疑わしい取引の届出態勢の再検証を含む)

  • 3.上記2.(6)にかかる業務改善計画(業務改善計画を着実に実施するための経営管理態勢の整備・確立及び実効性確保にかかる責任の分担の明確化を含む)を平成24年1月31日(火)までに提出すること。

  • 4.当該業務改善計画の実施完了までの間、平成24年3月30日(金)を初回として、以降3ヶ月ごとに進捗、実施及び改善状況をとりまとめ、翌月15日までに報告すること。

II.処分の理由

当行の顧客保護等管理態勢、経営管理(ガバナンス)態勢及びシステムリスク管理態勢などに、業務の健全かつ適切な運営の観点から基本的な問題が認められたこと。

  • 1.顧客保護等管理態勢の問題

    当行個人金融部門に属する支店において、顧客に対する不適切な勧誘や不適切な投資商品の販売等、多数の法令違反等が認められること。

    またこうした背景には、不適切な報奨金制度の存在が認められること。

    多数の法令違反等として、例えば、

    • (a)顧客の投資能力レベルを判定する際に、販売したい投資信託の銘柄を告げ、商品のリスクレベルに合致した回答を示唆・誘導することにより商品を販売するなど、リスクプロファイリングの手続きを形骸化させ、適合性の原則に違反している事例

    • (b)顧客に対して、長期に亘り商品内容やリスクの説明を十分行わずに外貨取引や仕組預金などを勧誘している事例

    • (c)リスク性商品を勧誘する際に、顧客に対し分配金が確実に受領できると説明しているほか、長期的に保有すれば損をする可能性がほとんどないような説明を行うなど、不確実な事項について断定的判断を提供し勧誘を行っている事例

    • (d)投資信託の販売において、目論見書を交付していない事例

    等が認められる。

  • 2.経営管理(ガバナンス)態勢の問題

    • (1)顧客保護上の問題の看過・放置

      当行経営陣は、上記1.のような顧客保護等の管理態勢上の問題を看過・放置しており、経営管理態勢に問題があること。

      こうした管理態勢上の問題として例えば、過去の業務改善命令(平成16年9月17日)を踏まえ、当行が策定した業務の適正な遂行のための業務改善計画の一部について、当該業務改善命令の解除後、取締役会等での十分な議論・検討がない中で変更している例が認められること。

    • (2)内部監査の問題

      当行では、個人金融部門に対する内部監査を行ったにもかかわらず、今回検査で認められた法令違反等の事実や、法令違反等を発生させる原因となった管理態勢の問題点について、指摘しておらず、内部監査の実効性は確保されていないこと。

    • (3)東京銀行間取引金利(TIBOR)にかかる問題

      当行の職員がシティグループ証券株式会社職員よりユーロ円TIBORの呈示レートに関する働きかけを継続的に受けていたことについて、経営陣等に適切に報告されなかった等、内部管理態勢に問題があったこと。

      また本件について当行が銀行法第24条第1項の規定に基づき提出した報告書について、今回検査で重要な事実の相違が判明していること。

  • 3.システムリスク管理態勢の問題

    当行では、顧客に影響を及ぼすシステム障害が頻繁に発生しているほか、外部委託先に対する不十分な管理が認められ、システムリスク管理が十分機能していないこと。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
監督局銀行第一課(内線3751、3398)
検査局総務課(内線2504)

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