平成25年8月6日
金融庁

株式会社オービックに係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、(株)オービックに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成25年6月21日に審判手続開始の決定(平成25年度(判)第11号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)178条1項4号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおりPDF決定(PDF:156KB)を行いました。

決定の内容

被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。

  • (1)納付すべき課徴金の額金884万9,999円

  • (2)納付期限平成25年10月7日

課徴金に係る金商法178条1項4号に掲げる事実

被審人(株)オービック(以下「被審人」という。)は、その発行する株式が東京証券取引所市場第一部に上場されている会社である。被審人は、海外の不動産プロジェクトを資金使途とする社債(私募債)に対する投資を行っていたが、社債発行者が破綻したことから、連帯保証人の資力に依拠して当該社債の償還可能性を評価していた。その後、被審人は、当該連帯保証人の財政状態が大幅に毀損した可能性をうかがわせる事象を把握したが、社債の評価体制の不備等により、当該事象の影響を十分確認せずに当該社債の評価を誤った結果、当該社債に係る投資有価証券評価損等を計上しなかった。

この結果、関東財務局長に対し、下表のとおり、重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書及び四半期報告書(以下「開示書類」という。)を提出したものである。

番号 開示書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 財務計算に
関する書類
内容(注) 事由
1 平成24年
2月14日
第45期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成23年4月1日~平成23年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
連結四半期純損益が▲6,025百万円であるところを7,242百万円と記載 ・投資有価証券評価損の不計上
2 平成24年
6月29日
第45期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書 平成23年4月1日~平成24年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
連結当期純損益が▲2,910百万円であるところを10,357百万円と記載 ・投資有価証券評価損の不計上

(注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。

課徴金の計算の基礎

2の表に掲げる事実につき

  • 番号1及び同2

    金商法172条の4第1項本文、2項前段及び金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令(以下「課徴金府令」という。)1条の3の規定により、被審人の第45期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第3四半期報告書」という。)及び同事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

    第3四半期報告書 8,698,214円
    同有価証券報告書 8,853,298円

    6,000,000円

    を超えることから、

    第3四半期報告書については、8,698,214円の2分の1に相当する額である4,340,000円(金商法176条2項の規定により1万円未満の端数を切り捨て。以下、この項において同じ。)

    同有価証券報告書については、8,850,000円

    となるが、第3四半期報告書及び同有価証券報告書が、いずれも第45期事業年度に係るものであることから、金商法185条の7第6項及び課徴金府令61条の3の規定により、8,850,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分(金商法185条の7第28項の規定により1円未満の端数を切り捨て)することとなり、

  • 第3四半期報告書に係る課徴金の額は

    8,850,000×4,340,000/(4,340,000+8,850,000)

    =2,911,978円

    同有価証券報告書に係る課徴金の額は

    8,850,000×8,850,000/(4,340,000+8,850,000)

    =5,938,021円

    となる。

    以上により、納付すべき課徴金の額は次のとおりとなる。

    2,911,978円+5,938,021円

    =8,849,999円

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室(内線2398、2404)

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