平成26年10月31日
金融庁

川口化学工業株式会社株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、川口化学工業(株)株式に係る相場操縦の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成26年10月14日に審判手続開始の決定(平成26年度(判)第25号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第178条第1項第14号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり決定(PDF:143KB)を行いました。

決定の内容

被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。

  • (1)納付すべき課徴金の額金93万円

  • (2)納付期限平成27年1月5日

課徴金に係る金商法第178条第1項第14号に掲げる事実

被審人(A)は、川口化学工業(株)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成25年7月11日午後1時42分頃から同月12日午前9時17分頃までの間、2取引日にわたり、B証券株式会社を介し、下値買い注文を大量に入れたり、直前の約定値より高指値の買い注文を連続して発注して株価を引き上げるなどの方法により、同株式合計2万2,000株を買い付ける一方、同株式合計4万6,000株を売り付けるとともに、同株式合計9万4,000株の買付けの委託を行うなどし、もって、自己の計算において、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、同市場における同株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託をしたものである。

(別表)
取引年月日 委託株数 売買株数
売付 買付 売付 買付
平成25年7月11日 - 22,000株 2,000株 17,000株
平成25年7月12日 - 72,000株 44,000株 5,000株
合計 - 94,000株 46,000株 22,000株

課徴金の計算の基礎

金商法第174条の2第1項の規定により、当該違反行為に係る課徴金の額は、

  • (1)当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

  • 及び

  • (2)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等又は買付け等の数量が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等又は売付け等の数量を超える場合、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金商法第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格に当該超える数量を乗じて得た額を控除した額、又は当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

  • の合計額として算定。

2の別表に掲げる事実につき

  • (1)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、46,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量22,000株に、金商法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(109円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量26,000株を加えた48,000株である

    ことから、

    • 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(46,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (110円×2,000株+124円×4,000株+125円×4,000株

      +130円×19,000株+131円×1,000株+133円×1,000株

      +134円×2,000株+135円×3,000株+138円×10,000株)

      -(109円×28,000株+110円×3,000株+111円×7,000株

      +112円×5,000株+123円×1,000株+124円×2,000株)

      = 913,000円

    • 及び

    • 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(48,000株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(46,000株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(134円)に当該超える数量2,000株(48,000株-46,000株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額

      (134円×2,000株)-(124円×1,000株+125円×1,000株)

      = 19,000円

    • の合計額932,000円となる。

  • (2)金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、930,000円となる。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室
(内線2398、2404)

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