平成26年11月7日
金融庁
長期国債先物に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の決定について
金融庁は、証券取引等監視委員会から、長期国債先物に係る相場操縦の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受け、平成26年9月5日に審判手続開始の決定(平成26年度(判)第21号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第178条第1項第14号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり
決定(PDF:148KB)を行いました。
記
1決定の内容
被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。
(1)納付すべき課徴金の額金33万円
(2)納付期限平成27年1月7日
2課徴金に係る金商法第178条第1項第14号に掲げる事実
被審人(A)は、長期国債先物(平成25年9月限月)について、市場デリバティブ取引を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成25年6月26日、B証券株式会社及びC証券株式会社を介し、約定させる意思がないのに、買い最良気配値以下の価格に多数の買い注文を発注したり、売り最良気配値以上の価格に多数の売り注文を発注したりするなどの方法により、上記先物合計39単位を買い付ける一方、同先物合計39単位を売り付けるとともに、同先物合計1,672単位の買い注文及び合計757単位の売り注文を発注し、もって、自己の計算において、市場デリバティブ取引が繁盛であると誤解させ、かつ、上記先物の相場を変動させるべき一連の市場デリバティブ取引及び委託をしたものである。
(別表)
年月日 | 回数 | 委託数量 | 売付け等の価額及び買付け等の価額等 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
売付け等 | 買付け等 | 売付け等の価額(円) | 買付け等の価額(円) | ||||||
(単位) | (単位) | (注) | (単位) | (価格) | (注) | (単位) | (価格) | ||
平成25年6月26日 | 1 | 6 | 445 | 426,390,000 | 3 | 142.13 | 426,360,000 | 3 | 142.12 |
2 | 85 | 98 | 426,540,000 | 3 | 142.18 | 426,510,000 | 3 | 142.17 | |
3 | 0 | 98 | 426,240,000 | 3 | 142.08 | 426,210,000 | 3 | 142.07 | |
4 | 101 | 95 | 426,240,000 | 3 | 142.08 | 426,150,000 | 3 | 142.05 | |
5 | 88 | 85 | 426,630,000 | 3 | 142.21 | 426,630,000 | 3 | 142.21 | |
6 | 0 | 95 | 426,720,000 | 3 | 142.24 | 426,690,000 | 3 | 142.23 | |
7 | 193 | 95 | 426,690,000 | 3 | 142.23 | 426,660,000 | 3 | 142.22 | |
8 | 0 | 95 | 426,810,000 | 3 | 142.27 | 426,780,000 | 3 | 142.26 | |
9 | 85 | 3 | 426,810,000 | 3 | 142.27 | 426,810,000 | 3 | 142.27 | |
10 | 98 | 3 | 426,600,000 | 3 | 142.20 | 426,600,000 | 3 | 142.20 | |
11 | 98 | 85 | 426,540,000 | 3 | 142.18 | 426,510,000 | 3 | 142.17 | |
12 | 3 | 190 | 426,630,000 | 3 | 142.21 | 426,630,000 | 3 | 142.21 | |
13 | 0 | 285 | 426,660,000 | 3 | 142.22 | 426,630,000 | 3 | 142.21 | |
合計 | 757 | 1,672 | 5,545,500,000 | 39 | 5,545,170,000 | 39 |
(注)長期国債先物は、長期国債標準物を対象原資産とする先物取引であり、長期国債先物の最低取引単位(1単位)は、同先物の価格を1,000,000倍した金額となる。
3課徴金の計算の基礎
金商法第174条の2第1項の規定により、当該違反行為に係る課徴金の額は、当該違反行為に係る有価証券売買等の売買対当数量に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額。
2の別表に掲げる事実につき
(有価証券の売付け等の価額)5,545,500,000円-(有価証券の買付け等の価額)
5,545,170,000円=330,000円
となる。
お問い合わせ先
金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室
(内線2398、2404)