平成27年4月24日
金融庁

株式会社SJIに係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、(株)SJIに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成27年3月27日に審判手続開始の決定(平成26年度(判)第40号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第178条第1項第2号及び第4号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり決定(PDF:169KB)を行いました。

決定の内容

被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。

  • (1)納付すべき課徴金の額金1億9,426万円

  • (2)納付期限平成27年6月24日

課徴金に係る金商法第178条第1項各号に掲げる事実

  • (1)課徴金に係る金商法第178条第1項第4号に該当

    被審人(株)SJI(以下「被審人」という。)は、東京都品川区東品川四丁目12番8号に本店を置き、その発行する株式が東京証券取引所ジャスダック市場に上場されている会社である。

    被審人は、売買取引を装うなどして、実質破綻状態にあった当社役員に資金を流出させていたにもかかわらず、同流出資金について貸倒引当金繰入額を計上しなかった上、同役員の知人が代表取締役を務める会社等に対する貸付金について適切な貸倒引当金繰入額の計上等をしなかった。

    この結果、被審人は、関東財務局長に対し、下表のとおり、重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書及び四半期報告書(以下「開示書類」という。)を提出した。


    開示書類 虚偽記載
    提出日 書類 会計期間 財務計算に
    関する書類
    内容(注) 事由
    平成23年
    2月14日
    第22期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成22年4月1日~平成22年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
    損益計算書
    連結四半期純損益が▲865百万円であるところを▲363百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過小計上等
    平成23年
    6月29日
    第22期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書 平成22年4月1日~平成23年3月31日の連結会計期間 連結
    損益計算書
    連結当期純損益が▲950百万円であるところを8百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過小計上等
    平成23年
    8月15日
    第23期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成23年4月1日~平成23年6月30日の第1四半期連結累計期間 四半期連結
    損益計算書
    連結四半期純損益が▲1,785百万円であるところを▲266百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過小計上等
    平成23年4月1日~平成23年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
    貸借対照表
    連結純資産額が9,318百万円であるところを11,796百万円と記載
    平成23年
    11月14日
    第23期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成23年4月1日~平成23年9月30日の第2四半期連結累計期間 四半期連結
    損益計算書
    連結四半期純損益が▲788百万円であるところを930百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過小計上等
    平成24年
    2月22日
    第23期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成23年4月1日~平成23年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
    損益計算書
    連結四半期純損益が▲998百万円であるところを697百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過小計上等
    平成24年
    6月28日
    第23期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書 平成23年4月1日~平成24年3月31日の連結会計期間 連結
    損益計算書
    連結当期純損益が▲582百万円であるところを795百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過小計上等
    平成26年
    2月14日
    第25期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成25年4月1日~平成25年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
    損益計算書
    連結四半期純損益が▲1,351百万円であるところを▲526百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過小計上等
    平成26年
    6月27日
    第25期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書 平成25年4月1日~平成26年3月31日の連結会計期間 連結
    損益計算書
    連結当期純損益が▲6,714百万円であるところを▲6,149百万円と記載 ・貸倒引当金繰入額の過小計上等

    (注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。

  • (2)課徴金に係る金商法第178条第1項第2号に該当

    被審人は、以下のとおり、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた。

    • 平成23年9月22日、第22期有価証券報告書及び第23期第1四半期報告書を組込情報とする有価証券届出書(株式)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年10月17日、109,000株の株式を1,417,000,000円で取得させた。

    • 平成24年11月27日、平成23年4月1日から平成24年3月31日までの連結会計期間につき、貸倒引当金繰入額の過少計上等により、同期間における連結当期純損益が582百万円の損失であるところを795百万円の利益と記載するなどした同期間における連結損益計算書を掲載した有価証券届出書(新株予約権付社債)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年12月14日、新株予約権付社債を2,500,000,000円で取得させた。

課徴金の計算の基礎

2の(1)の表に掲げる事実につき

番号1及び同2

金商法第172条の4第1項及び第2項の規定により、当該法人の第22期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第22期第3四半期報告書」という。)及び同事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(以下「第22期有価証券報告書」という。)に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

第22期第3四半期報告書 672,555円
第22期有価証券報告書 761,980円

6,000,000円

を超えないことから、

第22期第3四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

第22期有価証券報告書については、6,000,000円

となるが、第22期第3四半期報告書及び第22期有価証券報告書が、いずれも第22期事業年度に係るものであることから、金商法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分することとなり、

第22期第3四半期報告書に係る課徴金の額は

6,000,000×3,000,000/(3,000,000+6,000,000)

=2,000,000円

第22期有価証券報告書に係る課徴金の額は

6,000,000×6,000,000/(3,000,000+6,000,000)

=4,000,000円

となる。

番号3、同4、同5及び同6

金商法第172条の4第1項及び第2項の規定により、当該法人の第23期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第23期第1四半期報告書」という。)、同事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第23期第2四半期報告書」という。)、同事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第23期第3四半期報告書」という。)及び同事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(以下「第23期有価証券報告書」という。)に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

第23期第1四半期報告書 598,686円
第23期第2四半期報告書 542,303円
第23期第3四半期報告書 533,111円
第23期有価証券報告書 566,724円

6,000,000円

を超えないことから、

第23期第1四半期報告書、第23期第2四半期報告書及び第23期第3四半期報告書については、それぞれ6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

第23期有価証券報告書については、6,000,000円

となるが、第23期第1四半期報告書、第23期第2四半期報告書、第23期第3四半期報告書及び第23期有価証券報告書が、いずれも第23期事業年度に係るものであることから、金商第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分することとなり、

第23期第1四半期報告書、第23期第2四半期報告書及び第23期第3四半期報告書に係る課徴金の額は、それぞれ

6,000,000×3,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000+6,000,000)

=1,200,000円

第23期有価証券報告書に係る課徴金の額は

6,000,000×6,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000+6,000,000)

=2,400,000円

となる。

番号7及び同8

金商法第172条の4第1項及び第2項の規定により、当該法人の第25期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第25期第3四半期報告書」という。)及び同事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(以下「第25期有価証券報告書」という。)に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

第25期第3四半期報告書 445,489円
第25期有価証券報告書 418,193円

6,000,000円

を超えないことから、

第25期第3四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

第25期有価証券報告書については、6,000,000円

となるが、第25期第3四半期報告書及び第25期有価証券報告書が、いずれも第25期事業年度に係るものであることから、金商法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分することとなり、

第25期第3四半期報告書に係る課徴金の額は

6,000,000×3,000,000/(3,000,000+6,000,000)

=2,000,000円

第25期有価証券報告書に係る課徴金の額は

6,000,000×6,000,000/(3,000,000+6,000,000)

=4,000,000円

となる。

2の(2)に掲げる事項につき

金商法第172条の2第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の4.5に相当する額が課徴金の額となることから、

平成23年9月22日提出の有価証券届出書(株式)に係る課徴金の額は、

1,417,000,000円×4.5/100=63,765,000円

について、金商法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、63,760,000円

平成24年11月27日提出の有価証券届出書(新株予約権付社債)に係る課徴金の額は、

2,500,000,000円×4.5/100=112,500,000円

となる。

以上より、納付すべき課徴金の額は、

2,000,000円+4,000,000円+1,200,000円+1,200,000円+1,200,000円+2,400,000円+2,000,000円+4,000,000円+63,760,000円+112,500,000円

=194,260,000円

となる。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室
(内線2398、2404)

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