平成28年4月15日
金融庁
新日本建設株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について
金融庁は、証券取引等監視委員会から、新日本建設(株)(法人番号 2040001003186)に係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受け、平成28年3月29日に審判手続開始の決定(平成27年度(判)第41号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第178条第1項第4号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり
決定(PDF:170KB)を行いました。
記
1決定の内容
被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。
(1)納付すべき課徴金の額金1,800万円
(2)納付期限平成28年6月15日
2課徴金に係る金商法第178条第1項各号に掲げる事実
課徴金に係る金商法第178条第1項第4号に該当
被審人新日本建設(株)(以下「被審人」という。)は、千葉県千葉市美浜区ひび野一丁目4番3に本店を置き、その発行する株式が東京証券取引所市場第一部に上場されている会社である。
被審人は、所有不動産の鑑定評価を依頼していた不動産鑑定業者が行った過大な鑑定評価結果に基づき、たな卸資産(販売用不動産)を過大に計上するなどした。
この結果、被審人は、関東財務局長に対し、下表のとおり、重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書及び四半期報告書(以下「開示書類」という。)を提出したものである。
番 号 |
開示書類 | 虚偽記載 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
提出日 | 書類 | 会計期間 | 財務計算に 関する書類 |
内容(注) | 事由 | |
1 | 平成23年 6月29日 |
第47期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書 | 平成22年4月1日~平成23年3月31日の連結会計期間 | 連結 貸借対照表 |
連結純資産額が22,590百万円であるところを28,884百万円と記載 | ・販売用不動産の過大計上 等 |
2 | 平成23年 8月9日 |
第48期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書 | 平成23年4月1日~平成23年6月30日の第1四半期連結会計期間 | 四半期連結 貸借対照表 |
連結純資産額が22,563百万円であるところを28,857百万円と記載 | ・販売用不動産の過大計上 等 |
3 | 平成23年 11月11日 |
第48期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書 | 平成23年7月1日~平成23年9月30日の第2四半期連結会計期間 | 四半期連結 貸借対照表 |
連結純資産額が23,246百万円であるところを29,540百万円と記載 | ・販売用不動産の過大計上 等 |
4 | 平成24年 2月10日 |
第48期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書 | 平成23年10月1日~平成23年12月31日の第3四半期連結会計期間 | 四半期連結 貸借対照表 |
連結純資産額が23,449百万円であるところを29,743百万円と記載 | ・販売用不動産の過大計上 等 |
5 | 平成24年 6月28日 |
第48期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書 | 平成23年4月1日~平成24年3月31日の連結会計期間 | 連結 貸借対照表 |
連結純資産額が23,770百万円であるところを29,959百万円と記載 | ・販売用不動産の過大計上 等 |
6 | 平成24年 8月10日 |
第49期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書 | 平成24年4月1日~平成24年6月30日の第1四半期連結会計期間 | 四半期連結 貸借対照表 |
連結純資産額が23,566百万円であるところを29,755百万円と記載 | ・販売用不動産の過大計上 等 |
7 | 平成24年 11月14日 |
第49期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書 | 平成24年7月1日~平成24年9月30日の第2四半期連結会計期間 | 四半期連結 貸借対照表 |
連結純資産額が23,774百万円であるところを29,962百万円と記載 | ・販売用不動産の過大計上 等 |
8 | 平成25年 2月12日 |
第49期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書 | 平成24年10月1日~平成24年12月31日の第3四半期連結会計期間 | 四半期連結 貸借対照表 |
連結純資産額が23,651百万円であるところを29,839百万円と記載 | ・販売用不動産の過大計上 等 |
(注)金額は百万円未満切捨てである。
3課徴金の計算の基礎
2の表に掲げる事実につき
番号1
金商法第172条の4第1項の規定により、当該法人の第47期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書に係る課徴金の額は、
イ当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(814,916円)
が
ロ6,000,000円
を超えないことから、6,000,000円となる。
番号2、同3、同4及び同5
金商法第172条の4第1項及び第2項の規定により、当該法人の第48期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第48期第1四半期報告書」という。)、同事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第48期第2四半期報告書」という。)、同事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第48期第3四半期報告書」という。)及び同事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(以下「第48期有価証券報告書」という。)に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、
イ当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額
![]() |
第48期第1四半期報告書 | 921,442円 | ![]() |
第48期第2四半期報告書 | 820,281円 | ||
第48期第3四半期報告書 | 731,077円 | ||
第48期有価証券報告書 | 841,040円 |
が
ロ6,000,000円
を超えないことから、
第48期第1四半期報告書、第48期第2四半期報告書及び第48期第3四半期報告書については、それぞれ6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
第48期有価証券報告書については、6,000,000円
となるが、第48期第1四半期報告書、第48期第2四半期報告書、第48期第3四半期報告書及び第48期有価証券報告書が、いずれも第48期事業年度に係るものであることから、金商法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分することとなり、
第48期第1四半期報告書、第48期第2四半期報告書及び第48期第3四半期報告書に係る課徴金の額は、それぞれ
6,000,000×3,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000+6,000,000)
=1,200,000円
第48期有価証券報告書に係る課徴金の額は
6,000,000×6,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000+6,000,000)
=2,400,000円
となる。
番号6、同7及び同8
金商法第172条の4第2項の規定により、当該法人の第49期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第49期第1四半期報告書」という。)、同事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第49期第2四半期報告書」という。)及び同事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第49期第3四半期報告書」という。)に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、
イ当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額
![]() |
第49期第1四半期報告書 | 719,470円 | ![]() |
第49期第2四半期報告書 | 676,136円 | ||
第49期第3四半期報告書 | 704,476円 |
が
ロ6,000,000円
を超えないことから、
第49期第1四半期報告書、第49期第2四半期報告書及び第49期第3四半期報告書については、それぞれ6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円
となるが、第49期第1四半期報告書、第49期第2四半期報告書及び第49期第3四半期報告書が、いずれも第49期事業年度に係るものであることから、金商法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分することとなり、
第49期第1四半期報告書、第49期第2四半期報告書及び第49期第3四半期報告書に係る課徴金の額は、それぞれ
6,000,000×3,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000)
=2,000,000円
となる。
以上より、課徴金の額は、
6,000,000円+1,200,000円+1,200,000円+1,200,000円+2,400,000円
+2,000,000円+2,000,000円+2,000,000円
=18,000,000円
となる。
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総務企画局総務課審判手続室
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