平成28年11月8日
金融庁

株式会社メディビックグループに係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、(株)メディビックグループ(法人番号 8011001064868)に係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成28年9月30日に審判手続開始の決定(平成28年度(判)第17号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第178条第1項第2号及び第4号に掲げる事実並びに納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり決定(PDF:77KB)を行いました。

1 決定の内容

被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。

  • (1)納付すべき課徴金の額金1億1,333万円

  • (2)納付期限平成29年1月10日

2 課徴金に係る金商法第178条第1項各号に掲げる事実

  • (1)課徴金に係る金商法第178条第1項第4号に該当

    被審人(株)メディビックグループ(以下「被審人」という。)は、東京都港区芝一丁目7番5号に本店を置き、その発行する株式が東京証券取引所マザーズ市場に上場されている(違反行為時)会社である。

    被審人は、被審人の連結子会社と他社の間で開発権の譲渡契約が成立したように装い、また、販売代金の回収が困難となった商品売買取引について、代金が回収できたように装うことによって売上を過大に計上するなどした。

    この結果、被審人は、関東財務局長に対し、下表のとおり、重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書及び四半期報告書(以下「開示書類」という。)を提出した。


開示書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 財務計算に
関する書類
内容(注) 事由
平成27年
3月30日
第15期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書 平成26年1月1日~平成26年12月31日の連結会計期間 連結
貸借対照表
連結純資産額が392百万円であるところを908百万円と記載 ・売上の過大計上
連結
損益計算書
連結当期純損益が▲872百万円であるところを▲356百万円と記載
平成27年
5月14日
第16期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成27年1月1日~平成27年3月31日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が381百万円であるところを874百万円と記載 ・売上の過大計上
平成27年
8月13日
第16期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成27年4月1日~平成27年6月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が275百万円であるところを753百万円と記載 ・売上の過大計上
平成27年
11月12日
第16期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成27年7月1日~平成27年9月30日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が90百万円であるところを542百万円と記載 ・売上の過大計上
平成28年
3月30日
第16期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書 平成27年1月1日~平成27年12月31日の連結会計期間 連結
貸借対照表
連結純資産額が▲43百万円であるところを396百万円と記載 ・売上の過大計上
連結
損益計算書
売上高が89百万円であるところを104百万円と記載
平成28年
5月16日
第17期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成28年1月1日~平成28年3月31日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が▲118百万円であるところを68百万円と記載 ・売上の過大計上

(注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損益計算書では損失であることを、貸借対照表では債務超過であることを示す。

  • (2)課徴金に係る金商法第178条第1項第2号に該当

    平成27年2月12日、平成26年1月1日から平成26年12月31日までの連結会計期間につき、売上の過大計上等により、同期間における連結純資産額が392百万円であるところを908百万円と記載をした同期間における連結貸借対照表(未監査)及び連結当期純損益が872百万円の損失であるところを356百万円の損失と記載した同期間における連結損益計算書(未監査)を掲載した重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券届出書(株券及び新株予約権証券)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年3月2日、348,200株の株券を84,960,800円で、85,000個の新株予約権証券を2,100,350,000円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。)で取得させ、もって重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた。

3 課徴金の計算の基礎

2の(1)の表に掲げる事実につき

番号1

金商法第172条の4第1項の規定により、当該法人の第15期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書に係る課徴金の額は、

当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(547,108円)

6,000,000円

を超えないことから、6,000,000円となる。

番号2、同3、同4及び同5

金商法第172条の4第1項及び第2項の規定により、当該法人の第16期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第16期第1四半期報告書」という。)、同事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第16期第2四半期報告書」という。)、同事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第16期第3四半期報告書」という。)及び同事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(以下「第16期有価証券報告書」という。)に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

第16期第1四半期報告書 470,055円
第16期第2四半期報告書 432,242円
第16期第3四半期報告書 374,698円
第16期有価証券報告書 385,340円

6,000,000円

を超えないことから、

第16期第1四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

第16期第2四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

第16期第3四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

第16期有価証券報告書については、6,000,000円

となるが、第16期第1四半期報告書、第16期第2四半期報告書、第16期第3四半期報告書及び第16期有価証券報告書が、いずれも第16期事業年度に係るものであることから、金商法第185条の7第6項の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分することとなり、

第16期第1四半期報告書に係る課徴金の額は

6,000,000×3,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000+6,000,000)

=1,200,000円

第16期第2四半期報告書に係る課徴金の額は

6,000,000×3,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000+6,000,000)

=1,200,000円

第16期第3四半期報告書に係る課徴金の額は

6,000,000×3,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000+6,000,000)

=1,200,000円

第16期有価証券報告書に係る課徴金の額は

6,000,000×6,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000+6,000,000)

=2,400,000円

となる。

番号6

金商法第172条の4第2項の規定により、当該法人の第17期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書に係る課徴金の額は、

当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(292,588円)

6,000,000円

を超えないことから、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円となる。

2の(2)に掲げる事実につき

金商法第172条の2第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の4.5に相当する額が課徴金の額となることから、

平成27年2月12日提出の有価証券届出書(株券及び新株予約権証券)に係る課徴金の額は、

2,185,310,800円(株券84,960,800円、新株予約権証券2,100,350,000円)×4.5/100

=98,338,986円

について、金商法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、98,330,000円

となる。

以上より、課徴金の額は、

6,000,000円+1,200,000円+1,200,000円+1,200,000円+2,400,000円

+3,000,000円+98,330,000円

=113,330,000円

となる。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総務企画局総務課審判手続室

(内線2398、2404)

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