平成29年6月16日
金融庁

Prospect Asset Management, Inc.による株式会社トライステージ株式に係る内部者取引に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会からProspect Asset Management, Inc.による(株)トライステージ株式に係る内部者取引の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成29年3月29日に審判手続開始の決定(平成28年度(判)第49号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第178条第1項第16号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり決定(PDF:171KB)を行いました。

1 決定の内容

被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。

  • (1) 納付すべき課徴金の額 金329万円

  • (2) 納付期限 平成29年8月16日

2 課徴金に係る金商法第178条第1項第16号に掲げる事実

被審人Prospect Asset Management, Inc.は、米国ハワイ州に本店を置く投資顧問会社であり、英国領ケイマン諸島籍のリミテッド・パートナーシップ形態のファンドであるShareholders’ Consensus Fund L.P.(以下「SCF」という。)に出資された資産の運用を実質的に行っていたものであるが、被審人の運用担当者を務めていたAが、(株)トライステージ(以下「トライステージ」という。)との、被審人が保有していたトライステージ株式の売買契約締結の交渉に関し、トライステージの業務執行を決定する機関が自己の株式の取得を実施することについての決定をした旨の重要事実を知りながら、法定の除外事由がないのに、当該重要事実公表前の同年9月25日から同年10月19日までの間、SCFに出資された資産の運用として、B社、C証券株式会社等を介し、トライステージ株式合計3万6500株を買付価額合計7476万7600円で買い付け、もって、被審人の親会社などのSCFへの出資割合である66.6746パーセント相当については自己の計算において、それ以外については自己以外の者であるSCFへの出資者の計算において、同株式を買い付けた。

3 課徴金の計算の基礎

2に掲げる事実につき
(1) 当該違反行為に係る課徴金の額は、
 ア 金商法第175条第1項第2号の規定により、同法第166条第1項の規定に違反して自己の計算において同項に規定する有価証券の買付け等をした場合、(ア)当該有価証券の買付け等について業務等に関する重要事実の公表がされた後二週間における最も高い価格に当該有価証券の買付け等の数量を乗じて得た額から、(イ)当該有価証券の買付け等について当該有価証券の買付け等をした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額として計算される。
 
 また、本件は、金商法第175条第10項第1号及び金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令第1条の23第1項第1号及び第3号の規定により、被審人がファンドの資産の運用として行った買付けのうち、被審人の親会社等の当該ファンドへの出資割合(66.6746%)について、被審人が自己の計算で買付け等を行ったものとみなして、課徴金を算出するものである。
 
  {(2,177円×36,500株)-(1,851円×300株+1,854円×100株+1,855円×100株+1,856円×100株+1,860円×100株+1,864円×100株+1,865円×100株+1,866円×300株+1,870円×200株+1,877円×100株+1,878円×100株+1,880円×600株+1,884円×100株+1,890円×300株+1,893円×200株+1,894円×400株+1,895円×600株+1,896円×100株+1,898円×100株+1,902円×300株+1,932円×100株+1,933円×100株+1,935円×100株+1,937円×100株+1,938円×100株+1,957円×100株+1,961円×100株+1,969円×100株+1,978円×100株+1,980円×100株+1,982円×100株+1,984円×100株+1,985円×300株+2,005円×1,500株+2,020円×1,300株+2,028円×100株+2,029円×100株+2,030円×100株+2,035円×100株+2,036円×600株+2,037円×100株+2,038円×200株+2,039円×400株+2,040円×400株+2,047円×100株+2,048円×1,100株+2,049円×1,500株+2,050円×2,000株+2,051円×400株+2,052円×300株+2,053円×1,200株+2,055円×100株+2,058円×600株+2,059円×300株+2,060円×900株+2,065円×100株+2,068円×400株+2,069円×300株+2,070円×600株+2,071円×200株+2,072円×200株+2,073円×100株+2,074円×2,200株+2,075円×1,900株+2,077円×200株+2,078円×100株+2,079円×400株+2,080円×1,900株+2,082円×100株+2,084円×100株+2,086円×200株+2,087円×200株+2,088円×200株+2,089円×100株+2,090円×100株+2,097円×1,400株+2,100円×1,000株+2,120円×400株+2,137円×200株+2,138円×200株+2,139円×100株+2,140円×800株+2,143円×500株+2,150円×500株+2,160円×500株+2,162円×200株+2,165円×700株+2,169円×400株+2,170円×100株+2,179円×100株+2,180円×200株+2,185円×100株+2,187円×100株+2,191円×200株)}×66.6746%
 = 3,128,972.30円
 及び
 イ 金商法第175条第1項第3号イ及び金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令第1条の21第1項第2号及び第2項の規定により、(ア)運用対象財産の運用として当該売買が行われた月について当該売買をした者に当該運用財産の運用の対価として支払われ、又は支払われるべき金銭その他の財産の価額の総額に(イ)3を乗じて得た額
 
のうち、(ウ)自己以外の者の計算による割合を乗じて得た額。
 
 (ア)165,678.942円×(イ)3×(ウ)33.3254%
 = 165,639.51円
 
の合計額3,128,972.30円+165,639.51円
=3,294,611.81円となる。
 
(2)金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、3,290,000円。

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総務企画局総務課審判手続室

03-3506-6000(代表)(内線2398、2404)

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