平成30年4月24日
金融庁
株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン役員からの情報受領者による内部者取引に対する課徴金納付命令の決定について
金融庁は、証券取引等監視委員会から(株)エスクロー・エージェント・ジャパン役員からの情報受領者による内部者取引の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受け、平成30年3月19日に審判手続開始の決定(平成29年度(判)第30号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第178条第1項第16号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり決定(PDF:66KB)を行いました。
記
1 決定の内容
被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。
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(1) 納付すべき課徴金の額 金119万円
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(2) 納付期限 平成30年6月25日
2 課徴金に係る金商法第178条第1項第16号に掲げる事実
被審人(A)は、(株)エスクロー・エージェント・ジャパン(以下「エスクローAJ」という。)の役員であったBから、同人が、その職務に関し知った、
(1) 同社の業務執行を決定する機関が株式の分割を行うことについての決定をした旨の重要事実の伝達を、平成27年7月14日午後0時16分頃に受けながら、法定の除外事由がないのに、上記重要事実の公表がされた平成27年7月14日午後3時頃より前の同日午後2時27分頃、C証券株式会社を介し、自己の計算において、エスクローAJ株式100株を買付価額81万2000円で買い付け、
(2) ア 同社の属する企業集団の平成28年3月1日から平成29年2月28日までの事業年度(以下「平成29年2月期」という。)の売上高について、平成28年6月17日に公表がされた直近の予想値(売上高23億4200万円)に比較して、同社が新たに算出した予想値において、投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとなる差異が生じた旨の重要事実、イ 同社の平成29年2月期の剰余金の配当について、平成28年4月8日に公表がされた前事業年度の実績値(剰余金の配当10円)に比較して、同社が新たに算出した予想値において、投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとなる差異が生じた旨の重要事実の伝達を、いずれも平成28年12月13日に受けながら、法定の除外事由がないのに、同社において新たに算出した予想値(売上高25億7700万円、剰余金の配当15円)の公表がされた平成28年12月14日午後0時30分頃より前の同日午前9時19分頃から午前11時10分頃までの間、C証券株式会社を介し、自己の計算において、エスクローAJ株式合計2200株を買付価額合計299万400円で買い付けたものである。
3 課徴金の計算の基礎
2に掲げる事実につき
(1) 違反事実(1)に係る課徴金の額
ア 金商法第175条第1項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(15,200円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
(15,200円×100株)
-(8,120円×100株)
= 708,000円
イ 金商法第176条第2項の規定により、上記アで計算した額の1万円未満の端数を切捨て、700,000円となる。
(2) 違反事実(2)に係る課徴金の額
ア 金商法第175条第1項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて業務等に関する重要事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(1,585円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
(1,585円×2,200株)
-(1,345円×100株+1,348円×200株+1,353円×300株+1,355円×200株+1,363円×200株+1,364円×1,200株)
= 496,600円
イ 金商法第176条第2項の規定により、上記アで計算した額の1万円未満の端数を切捨て、490,000円となる。
(3) 上記(1)ないし(2)により算定した額の合計
700,000円+490,000円=1,190,000円となる。
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