平成16年1月30日
金融庁

「金融商品の販売等に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」に対する意見募集の結果について

金融庁では、標記政令案について、15年12月24日(水)から16年1月13日(火)にかけて公表し、広く意見の募集を行いました。ご意見をご提出いただいた皆様には、政令案の検討にご協力いただきありがとうございました。

本件に関して、お寄せいただいた主なコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は下記のとおりです。

【内容についての照会先】

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課(内線3516)


コメントの概要とコメントに対する金融庁の考え方

コメントの概要 コメントに対する考え方
 いわゆる外国為替証拠金取引(以下「外為証拠金取引」という。)について、金融商品の販売等に関する法律(以下「金融商品販売法」という。)の対象とすることは評価できるが、外為証拠金取引を規制する業法(免許制等の参入規制、行為規制、罰則等)も制定すべきである。  外為証拠金取引は、これまでにない新しい取引で、様々な業者により広く行われるようになってきたことを踏まえ、顧客保護の観点から、今回政令を改正し、各業法の規定により行われる取引に限らず金融商品販売法の対象とすることとしたものです。
 外為証拠金取引は、外国為替及び外国貿易法の改正による外国為替取引の自由化を契機に取り扱われるようになったものであり、こうした自由化の流れの中で、直接、業規制を行うことが必要かどうかについては慎重な検討が必要と考えています。
 今回の改正により、あたかも外為証拠金取引を金融庁が公認したかのような誤解を国民に与える可能性がある。改正するのであれば、当該取引を金融庁が公認したものでないことについて、金融庁のホームページ等において周知すべきである。  金融商品販売法は、業法ではなく、金融商品販売業者等に元本割れリスク等の重要事項についての説明義務を課し、当該説明義務違反に対しては、業者側に損害賠償責任を負わせるという、民法(不法行為)の特則を定めているものです。したがって、本法の対象としたからといって、業者に外為証拠金取引を行えることを認めているものではなく、また、本法の対象となることと刑法の適用の有無は関係ありません。
 今回の改正の趣旨やご意見のような点については、金融庁ホームページ等を通じて広く周知していきます。
 業法の規定によらないで行われる金融等デリバティブ取引は賭博罪に該当する可能性があり、こうしたものは金融商品販売法の対象外であると考えられてきたと考えるが、賭博罪に該当する可能性がある外為証拠金取引を金販法の対象とすべきではないのではないか。  外為証拠金取引は、これまでにない新しい取引で、様々な業者により広く行われるようになってきたことを踏まえ、顧客保護の観点から、今回政令を改正し、各業法の規定により行われる取引に限らず金融商品販売法の対象とすることとしたものです。
 本法は、民法(不法行為)の特則を定めているものであり、本法の対象となることと刑法の適用の有無は関係ありません。したがって、今回の改正は、刑法上の賭博罪との関係で、その行為の違法性が阻却されるか否かに影響を与えるものではありません。
 外為証拠金取引を全面的に禁止する立法措置を講ずるべきではないか。  外為証拠金取引は、外国為替及び外国貿易法の改正による外国為替取引の自由化を契機に取り扱われるようになったものであることから、こうした自由化の流れの中で、直ちに当該取引を規制すべきかどうかについては慎重な検討が必要と考えています。
 説明義務が課されている重要事項として、外為証拠金取引の仕組み等についても追加すべきではないか。  金融商品販売法の説明義務は、それを怠れば、直ちに損害賠償責任が認められるほどの強力な民事上の効力を伴うものです。このため、説明義務の範囲は元本割れと因果関係を持つ一定の範囲に限定される必要があり、仕組み等まで説明義務を課すことは均衡を失するのではないかといった問題があります。なお、実際の運用場面では重要事項を説明する際は、重要事項に関連する部分についての取引の仕組み等についても当然説明されることとなると考えられます。
 外為証拠金取引について定義を規定すべきである。  外為証拠金取引については、(1)差金決済が可能であること、(2)外国為替相場に基づき金銭の支払を相互に約していること、等を要素として有している取引であると考えられますが、これについては、取引の類似性から、証券取引法等に規定する直物為替先渡取引の定義(法令上、類似する取引を含めて「直物為替先渡取引」とされています。)に該当すると考えられます。
 現行の金融商品販売法では、勧誘の適正確保や勧誘方針の策定・公表は適正に機能していないので、適合性の原則を含める等、金融商品販売法の改正にも着手すべきではないか。  適合性原則の違反に対して民事上の効果と直接結びつけて規定することとすると、業者の側は顧客の知識、経験等まで調査することを義務付けられるとも解され、顧客のプライバシー保護の観点から慎重な検討が必要であること等から、適合性原則に反した勧誘自体を規制するのではなく、勧誘方針の策定・公表を通じたコンプライアンス面での業者間の競争という市場原理に委ねているものです。
 外為証拠金取引の被害者救済のための相談窓口の設置やADR制度を確立すべきではないか。  個別の消費者トラブルについては、全国の消費生活センター等において相談を受けているところです。また、裁判外の紛争解決手段については、司法制度改革推進計画において関係機関等の連携強化や共通的な制度基盤の整備を進めることにより、その拡充・活性化を図るとされており、金融分野においても、これらの動きを踏まえつつ、適切に対応してまいります。
 金融サービス法や投資サービス法を制定すべきではないか。  金融サービスに関するルール整備については、金融商品販売法の制定等を通じて、これまで機能別・横断的な考えに立って、その整備を行ってきているところです。また、昨年12月24日の金融審議会第一部会報告においては、これまで投資家保護策の講じられていない投資サービスや新たに登場するであろう投資サービスにつき、証券取引法を中心とした有効な投資家保護策について検討する等の提言をいただいているところであり、今後とも、こうした取組みを積み重ねていくことで、機能別・横断的ルールの整備を進めていきたいと考えています。
 商品先物取引を金融商品販売法の対象とすべきである。  商品先物取引は、商品という実物(モノ)の売買取引と理解されることから、金融商品販売法の適用対象とはなっていませんが、商品先物取引については、一般投資家を保護する観点から、商品取引所法(経済産業省及び農林水産省所管)において、不当な勧誘の禁止や契約に際しての書面交付義務など必要な規制を従前から行っています。

その他、今回の金融商品の販売等に関する法律施行令の一部改正に関してご意見を頂いております。これらのご意見は、今後の制度の企画・立案等の参考にさせていただきます。ご協力ありがとうございました。

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