平成16年7月23日
金融庁

ゲット證券株式会社に対する行政処分について

  • 1.  ゲット證券株式会社に対する検査の結果、以下の法令違反行為等が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。

    平成16年6月30日付新しいウィンドウで開きます

    • (1)実勢を反映しない作為的相場が形成されることとなることを知りながら一連の有価証券の売買取引の受託等をする行為

      平成16年2月24日、証券取引等監視委員会が東京地方検察庁検察官に対し告発した株式会社キャッツ株式に係る相場操縦事件に関連して、

      当社代表取締役社長、取締役営業第一部長(当時)、営業第一部次長(当時)及び営業部長は、その業務に関し、平成13年6月5日から平成14年10月28日の間、当該事件に係る犯則嫌疑者(告発と同時に起訴。以下「被告人」という。)が、高指値注文の連続発注による買付け等の方法により、当該株式の株価の引上げを意図していることを知りながら、当該株式の売買注文を受託、執行した。

      当社並びにその役員及び使用人が行った上記行為は、証券取引法第42条第1項第9号に基づく証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第3号に規定する「実勢を反映しない作為的相場が形成されることとなることを知りながら一連の有価証券の売買取引の受託等をする行為」に該当すると認められる。

    • (2)なりすましの疑いのある取引について本人確認を行わない行為

      当社営業部長は、平成15年1月6日以降、被告人が複数の法人口座において、当該法人になりすまして取引を行っていることを知りながら、本人確認を行わないまま、取引を受託、執行した。

      当社が行った上記行為は、金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律施行令第3条第1項第29号に規定する「取引の相手方が取引の名義人又は代表者等になりすましている疑いがある場合における当該取引」を行うに際し本人確認を行わない行為に該当し、金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律第3条第1項に違反すると認められる。

    • (3)内部管理の不備及び証券会社としての不適切な業務運営等

      当社に対する検査において、上記のような代表取締役社長を含む役職員による法令違反行為が認められたが、このような法令違反行為が発生したことは、以下のような要因によるものと認められる。

      • 監査部は、社内基準等から問題と思われる受注が継続されていたことを認識し、また、東京証券取引所への取次ぎ証券会社から注意喚起が行われたにもかかわらず、取引停止等の実効性のある措置を講じていない。

      • 当社は、被告人に係る複数の信用取引口座に対し、代表取締役社長の特例承認等により、過大な信用供与を行うなど、被告人による大量の取引を可能なものとしており、証券会社として極めて不適切な業務運営を行っている。

      • 役員及びコンプライアンス担当者は、コンプライアンスに対する意識が著しく欠如する等、適切な業務執行を実現するための姿勢が見られず、その責務を果たしていない。

      このように、当社は、代表取締役社長をはじめとする経営陣等のコンプライアンスの重要性に対する認識が著しく欠如していること等から、被告人の法令違反行為を含む不適切な行為に加担し、かつ管理部門もそれらを知りながら容認している等、内部管理に極めて問題があると認められるとともに、証券会社としての業務運営上、重大な不備があると認められる。

  • 2.  以上のことから、本日、関東財務局において、ゲット證券株式会社に対し、証券取引法第56条第1項の規定に基づき、以下の行政処分を行った新しいウィンドウで開きます

    • (1)業務停止命令

      • 平成16年8月23日から同年8月25日までの間、全店舗における全ての証券業に関する業務(当局が個別に認めたものを除く。)の停止。

      • 平成16年8月26日から同年9月1日までの間、本店営業部及びPB営業部の業務のうち株券の売買に係る受託業務(当局が個別に認めたものを除く。)の停止。

    • (2)業務改善命令

      • 内部管理体制の抜本的な見直しを図るとともに責任の所在の明確化を図り、責任ある経営態勢を確立すること。

      • 売買管理体制の充実・強化等「再発防止策」を策定し、役職員に周知徹底すること。

      • 研修等により全職員に対して法令遵守意識の徹底を図ること。

【問い合わせ先】

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局証券課 課長補佐 杉林(内線3353)、証券業第3係長 古角(内線3358)

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