平成17年11月29日
金融庁

証券取引法の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(案)、企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)、継続開示課徴金に関する内閣府令(仮)に対するパブリックコメントの結果について

金融庁では、証券取引法の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(案)、企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)、継続開示課徴金に関する内閣府令(仮)について、平成17年10月21日(金)から11月7日(月)にかけて公表し、広く意見の募集を行いました。その結果、14の個人及び団体から27件のコメントを頂きました。ご意見をご提出いただいた皆様には、改正案等の検討にご協力いただきありがとうございました。

本件に関してお寄せいただいた主なコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は以下のとおりです。

【内容についての照会先】

金融庁 電話:03-3506-6000(代表)
  総務企画局 市場課(内線3626)、企業開示課(内線3657)


コメントの概要とコメントに対する金融庁の考え方

1.外国会社等の英文による企業情報の開示

コメントの概要 コメントに対する金融庁の考え方
 平成17年12月1日より外国会社報告書の提出が認められる有価証券として外国株価指数連動型上場投資信託が定められたが、早期に外国会社報告書の提出対象となる有価証券を拡大する必要がある。  外国株価指数連動型上場投資信託以外の有価証券については、英文開示の定着状況を踏まえながら、証券取引法附則第2条第2号により、施行日から平成21年3月31日までの範囲内において政令で定める日以後に提出される有価証券報告書等から適用することとされています。
 外国会社報告書を提出した翌年に有価証券報告書を提出することはできないか。
 また、有価証券届出書等に「次回提出する有価証券報告書は、有価証券報告書の提出に代えて外国会社報告書を提出します。」と記載したにもかかわらず、外国会社報告書を提出しないことは許されるか。
 外国会社報告書を提出した翌年に有価証券報告書を提出することは可能です。
 また、有価証券届出書等に記載した内容と異なるものを提出しようとする時は、その方針が決定した段階で訂正届出書等の提出を検討していただく必要があります。
 外国会社報告書には、有価証券報告書に記載すべき事項のうち、外国会社報告書に記載されていない事項を日本語により記載し添付する必要があると理解してよいか。  貴見のとおりです。
 特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第27条の3第3項及び第4項には、17年6月29日に公布された証券取引法第24条第9項に規定する「補足書類」の内容が定められているが、様式についての指定はない。これらのものについて一括して記載のうえ提出することは可能か。  金融庁ホームページに、外国会社報告書・外国会社半期報告書に係る提出書類ファイル仕様書及び様式が掲載されておりますので、それらを参照のうえ作成して下さい。
http://info.edinet.go.jp/Guide/EdiHtml/download.htm

2.英文開示に伴う有価証券販売先への説明義務等の規定

コメントの概要 コメントに対する金融庁の考え方
 英文開示に係る行為規制について、

(1) 顧客が外国投信を売却する場合、

(2) 英文開示であっても投資者保護の観点から支障の生じない者が顧客となる場合、

(3) 外国投信の買付け前一年間に顧客に説明を行っている場合、

には顧客への説明を不要とするべきではないか。
 証券会社等及び証券仲介業者について、顧客が外国投信を売却する場合、顧客が金融機関等である場合や過去一年以内に同一銘柄に係る説明及び文書交付を行っている場合は、説明義務及び文書交付義務が免除されるよう措置することとします。
 英文開示に係る行為規制について、証券仲介業者と証券会社との間での説明義務の重複は避けるべきではないか。  証券仲介業者が説明及び文書交付を行う場合には、所属証券会社等に説明義務及び文書交付義務が課されないことを明確化することとします。

3.上場会社の親会社等に対する情報開示の義務付け

コメントの概要 コメントに対する金融庁の考え方
 親会社等の範囲に組合形式の投資ファンドその他会社以外の者を含めないのか。  会社以外の者については、会社と同様の情報開示が求められる優先出資証券の発行者である協同組織金融機関を親会社等の範囲に含めることとしておりますが、ファンドについては、将来的には対象とすることも考えられますが、現在、その株主、役員、財務等の情報の開示に関する実務が定着していないことから、親会社等の範囲には含めないこととしたものです。
 親会社等の範囲を、持株基準により判断するのではなく、財務諸表等規則と同様に支配力基準に基づく親会社及び影響力基準によるその他の関係会社とすべきではないか。  親会社等状況報告書制度は、罰則を担保として親会社等に開示義務を課すものであることから、親会社等に該当するか否かを判定するための基準は、客観的に確定することができるものである必要があり、株式所有を通じて直接・間接に上場会社等の議決権の過半数を所有している会社等とすることとしたものです。
 パブリックコメント時の証券取引法施行令第4条の9及び第4条の10について、清算中の者、相当の期間営業を休止している者及び更生手続開始決定を受けた者は、承認を受けた場合は親会社等状況報告書の提出が免除されることとなっているが、いずれも提出することができる者であることから、投資者保護上、提出を免除することは適当ではないのではないか。  ご指摘を踏まえ、パブリックコメント時の証券取引法施行令第4条の9及び第4条の10を削除します。
 外国親会社等が提出する親会社等状況報告書の第十号の三様式において、「営業報告書に準ずるもの」と「附属明細書に準ずるもの」の記載又は添付が求められているが、それらが作成されていない場合は「該当なし」として報告書を提出すればよいと理解してよいか。  個別の事案に応じて判断されるべき事項であると考えます。

4.継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入

コメントの概要 コメントに対する金融庁の考え方
 証券取引法施行令第33条の5の2で列挙されている算定基準有価証券のうち、第5号及び第6号に規定するものは不要ではないか。  同条第5号及び第6号に規定する有価証券についても、他の各号列記の有価証券の場合と同様、その発行者により継続開示書類への虚偽記載が行われる可能性があることに変わりはありませんから、これらの有価証券も算定基準有価証券として位置付けることとしたものです。
 算定基準有価証券の市場価額がないとき等における課徴金額の算定方法は、常に純資産額を基準とするようであるが、キャッシュフロー基準の評価方法等、他の評価方法を採用する余地も残しておくべきではないか。  算定基準有価証券の市場価額がないとき等における課徴金額の算定に際しては、一義的に算定することができる方法を採用することが望ましいとの考慮に基づき、常に純資産額を基準に算定することとしたものです。

5.公開買付規制に係る対象有価証券の範囲の見直し等

コメントの概要 コメントに対する金融庁の考え方
 証券取引法施行令第6条第1項によると、議決権のない株式には公開買付規制の適用はないとされていることから、議決権のない株式であって議決権のある他の種類の株式に転換することができるものに係る株券は公開買付規制の対象とはならないのではないか。  証券取引法施行令第6条第1項では、公開買付けによらなければならない有価証券等から「議決権のない株式」に係る株券その他の内閣府令で定めるものを除くこととされています。このため、今回の内閣府令の改正において、議決権のない株式であって、議決権のある他の種類の株式に転換することができるものに係る株券を公開買付規制の対象とすることとしたものです。
 株券の保有者に転換権のないものや転換期間が開始していないものについても公開買付規制の対象に含めるとの理解でよいか。  貴見のとおりです。
 議決権が一部の決議事項に限定されるものについても、公開買付規制の対象となるとの理解でよいか。  貴見のとおりです。
 議決権のある株式に転換する際の転換条件は、発行時には定まっていないものが多く、将来の転換期間の開始直前の市場価格を基準に一定の算式に従って定まるものが多い。そのようなものについてはどのように計算するのか。  将来の転換期間の開始直前の市場価格を基準に一定の算式に従って定まるものについては、公開買付開始公告を行おうとする日前二日間のいずれかの日に転換することとした場合における株式の数により議決権の数を計算することを規定した条文を追加することとしております。
 株券等所有割合の計算において、他の種類の株式に転換後、議決権が増加又は発生する株式は、発行者の総議決権の数には加算されないということか。  貴見のとおりです。
 他の種類の株式に転換後、議決権が増加又は発生する株式には、会社法における取得条項付株式のうち取得対価として新株予約権等を交付する株式は含まれないとの理解でよいか。  会社法における取得条項付株式のうち取得対価として新株予約権等を交付する株式についても、基本的に公開買付けの対象とされるべきものと考えますが、内閣府令等の規定ぶりについては、今後、会社法の施行に合わせて検討する考えです。

6.投資顧問業者等の利害関係人等の範囲の見直し

コメントの概要 コメントに対する金融庁の考え方
 営業保証金の相手方たる協同組織金融機関の定義と、預託受入禁止の範囲から除かれる協同組織金融機関の定義とが異なっているが、これを統一すべきでないか。  指摘を踏まえて修正します。
 預託受入が禁止される者の範囲から除かれる金融機関の範囲に保険会社等が追加されたのはなぜか。  投資顧問業と同様に金銭の預託受入が禁止されている証券仲介業の規定上は既に保険会社等が除外される者に追加されていることなどを参考とし、保険業に伴う金銭の受入等を行う保険会社等を追加することとしました。
 利害関係人の範囲として投資信託法施行令第20条に規定される「法人その他の団体」を「法人(法人でない社団又は財団を含む)」に変更されたい。  投資信託及び投資法人に関する法律施行令第20条は投資信託委託業者の利害関係人等の範囲を定め、投資信託及び投資法人に関する法律第15条では当該投資信託委託業者が利害関係人等の利益を図るために受益者の利益を害することとなる取引の指図を行うこと等を禁止しております。こうした規定の趣旨を踏まえれば、様々な形態の団体による活動が行われているなか、これらの活動主体を現行規定における利害関係人等の範囲から除外するための改正を行うことは適当ではないと考えます。

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