• ホーム
  • 報道発表資料
  • 「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(案)等に対するパブリックコメントの実施について

令和7年11月26日

金融庁

「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(案)等に対するパブリックコメントの実施について

金融庁では、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正(案)を以下のとおり取りまとめましたので、公表します。

1.改正の概要

【1】サステナビリティ開示基準の適用開始に向けた環境整備

令和7年7月に公表された「金融審議会 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ 中間論点整理」において、令和9年3月期から、時価総額が一定規模以上の東京証券取引所プライム市場上場会社に対し、段階的にサステナビリティ開示基準の適用を義務付ける方針が示されたことを受け、必要な制度整備を行うため、企業内容等の開示に関する内閣府令(以下「開示府令」)及び企業内容等の開示に関する留意事項(以下「企業内容等開示ガイドライン」)について、以下の改正を行います。

(1)サステナビリティ開示基準の適用

  • (開示府令第19条の9)
    • 金融庁長官が指定する取引所金融商品市場に上場する会社のうち、平均時価総額(※)が1兆円以上の会社に対し、一般に公正妥当と認められるサステナビリティ情報の作成及び開示の基準に従って、有価証券報告書等の記載事項のうちサステナビリティ関連記載事項を記載することを義務づけることとします。
      • ※ 有価証券報告書の対象事業年度の前事業年度の末日及びその前4事業年度の末日における時価総額の平均値により判定。

        例①)
        令和9年3月期の適用の有無の判断に用いる平均時価総額

        ⇒ 令和4年3月期~令和8年3月期の各末日の時価総額の平均値

        ただし、前事業年度の末日までに上場後5事業年度が経過していない場合には、経過した事業年度の各末日における時価総額の平均値により判定。
        例②)
        令和5年5月に上場した会社における令和9年3月期の適用有無の判断に用いる平均時価総額

        ⇒ 令和6年3月期~令和8年3月期の各末日の時価総額の平均値

    • 上記の「金融庁長官が指定する取引所金融商品市場」として、株式会社東京証券取引所プライム市場を告示指定することとします。
    • 上記の「一般に公正妥当と認められるサステナビリティ情報の作成及び開示の基準」として、サステナビリティ基準委員会が令和7年10月31日までに公表したサステナビリティ開示基準(以下「SSBJ基準」)を告示指定することとします。
  • (開示府令改正附則で規定予定)
    • SSBJ基準の適用開始年度及びその翌年度については、SSBJ基準に従ってサステナビリティ関連記載事項を記載しないことができ、その場合には、それぞれの翌期の半期報告書の提出期限までに、当該事項を記載した訂正報告書を提出すること(二段階開示)を可能とします。

(2)SSBJ基準の適用に伴う開示項目の追加

  • (開示府令第二号様式記載上の注意「(30)サステナビリティに関する考え方及び取組」 等)
    • SSBJ基準上開示が求められる事項の記載のほか、SSBJ基準に準拠している旨、二段階開示やSSBJ基準上の経過措置の適用状況について記載を求めることとします。
    • 将来情報やScope3温室効果ガス排出量に関する定量情報について、推論過程等に関する記載及びこれらの情報に係る社内の開示手続の記載を求めることとします。
  • (開示府令第四号の三様式「第一部 第2【事業の状況】」及び同様式記載上の注意
    「(9-2)サステナビリティに関する考え方及び取組等に関する特記事項」 等)
    • 前事業年度に係る有価証券報告書の「サステナビリティに関する考え方及び取組」その他の項目において記載した見積りの方法により算定した数値について、確定値が判明し、見積りによる数値と確定値との間に差異がある場合には、半期報告書において記載することができることとします。

(3)Scope3温室効果ガス排出量の虚偽記載等に係るセーフハーバー・ルールの整備

  • (企業内容等の開示に関する留意事項について 「B 基本ガイドライン 5-16―2」)
    • Scope3温室効果ガス排出量に関する定量情報について、一般に合理的と考えられる範囲で差異が生じる要因や推論過程等、社内の開示手続等に関する記載がされている場合には、虚偽記載等の責任を負うものではないとする考え方を明示します。

【2】人的資本開示に関する制度見直し

令和7年6月に公表された「経済財政運営と改革の基本方針 2025」、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025改訂版」、「コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクションプログラム2025」において提言されている人的資本に関する開示の拡充のため、開示府令について、以下の改正を行います。

  • (開示府令第二号様式「第二部 第4【提出会社の状況】」、同様式記載上の注意「(58-2)人材戦略に関する基本方針等」及び同様式記載上の注意「(58-3)従業員の状況」 等)
    • 有価証券報告書において、新たに以下の事項について開示を求めることとします。
      • 企業戦略と関連付けた人材戦略及びそれを踏まえた従業員給与等の決定方針
      • 従業員の平均給与の対前年比増減率
      • (提出会社が主として子会社の経営管理を行う会社(持株会社)である場合)連結会社(外国会社を除く。)のうち、従業員数が最も多い「最大人員会社」(最大人員会社の従業員数が、連結会社(外国会社を除く。)の従業員の過半数を超えない場合には、次に従業員数の多い会社も含む。)の従業員給与の平均額、その前年比増減率等
    • 「従業員の状況」を「第1【企業の概況】」から「第4【提出会社の状況】」に移動した上で、使用人その他の従業員のみを対象としたストックオプション制度や役員・従業員株式所有制度を導入している場合には、「従業員の状況」に記載することもできることとします。

【3】その他の改正事項

(1)総会前開示への対応

会社の開示負担を軽減し、株主総会前の有価証券報告書の開示を促進する観点から、開示府令について以下の改正を行います。

  • (開示府令第三号様式 「記載上の注意(1)一般的事項」 等)
    • 有価証券報告書において、総会前開示を行う場合であって、有価証券報告書の記載事項等が定時株主総会又はその直後に開催される取締役会の決議事項となっているときにおける当該決議事項等の概要(剰余金の配当に関するものを除く。)の記載を原則不要とします。
  • (開示府令第四号の三様式記載上の注意「(15)大株主の状況」及び同様式記載上の注意「(16)議決権の状況」)
    • 半期報告書において、中間配当基準日現在における「大株主の状況」及び「議決権の状況」を記載することができることとします。

(2)特定有価証券に係る半期報告書の提出期限延長申請に係る手続規定の整備

  • (特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第28条の2)

(3)株式転換条項の付された社債券について、あらかじめ定められた条件に基づき株式を発行する場合には「有価証券の募集」に該当しない旨の明確化

  • (企業内容等開示ガイドライン 「B 基本ガイドライン 2-4-1」 等)

その他所要の改正を行います。

具体的な内容については、(別紙1)~(別紙5)を御参照ください。

2.適用日

改正後の規定は公布の日から施行する予定です。

なお、改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の規定のうち、1.の【1】、【2】、【3】(1)については、以下の適用を予定しています。

  • ①サステナビリティ開示基準の適用開始に向けた環境整備(上記【1】)

    • 令和8年3月31日を基準として算定した5事業年度末の平均時価総額が3兆円以上である会社:
       令和9年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等
    • 令和8年3月31日を基準として算定した5事業年度末の平均時価総額が3兆円未満1兆円以上である会社:
       令和10年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等
  • ②人的資本開示に関する制度見直し(上記【2】)、総会前開示への対応(上記【3】(1))

    令和8年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等

この案について御意見がありましたら、令和7年12月26日(金曜)17時00分(必着)までに、氏名(法人その他の団体にあっては名称)、職業(法人その他の団体にあっては業種)、連絡先(住所、電話番号又は電子メールアドレス)及び理由を付記の上、郵便により下記送付先にお寄せください。電話による御意見は御遠慮願います。

インターネットによる御意見は、下記e-Gov ウェブサイトに、お寄せください。

御意見をお寄せいただいた方の氏名(法人その他の団体にあっては名称)については、開示の請求等があった場合には、御意見の内容とともに開示させていただきますので、御承知おきください。開示の際に匿名を希望される場合は、御意見の冒頭にその旨を明確に御記載ください。なお、開示に当たっては、御意見の内容に、(1)個人に関する情報であって特定の個人が識別され得る記述がある場合、又は(2)法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を侵害するおそれのある記述がある場合、には当該箇所を伏せさせていただくことがあります。

御意見に付記された電話番号等の個人情報は、御意見の内容に不明な点があった際に連絡・確認をさせていただく場合や御意見がどのような立場からのものかを確認させていただく場合に利用します。

なお、御意見に対しての個別の回答はいたしませんので、 あらかじめ御了承ください。

インターネットによる御意見はここをクリックしてください。(e-Gov へリンク)新しいウィンドウで開きます

御意見の送付先

金融庁企画市場局企業開示課

郵便 : 〒100-8967

東京都千代田区霞が関3-2-1中央合同庁舎第7号館

URL : https://www.fsa.go.jp/

(別紙1)
PDF企業内容等の開示に関する内閣府令の一部改正(案)
(別紙2)
PDF特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部改正(案)
(別紙3)
PDF企業内容等の開示に関する内閣府令第十九条の九第一項に規定する取引所金融商品市場を指定する件(案)
(別紙4)
PDF企業内容等の開示に関する内閣府令第十九条の九第五項に規定するサステナビリティ開示基準を指定する件(案)
(別紙5)
PDF「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」の一部改正(案)
問合せ先
  • 電話受付
    • 受付時間:平日10時00分~17時00分

    • 電話番号:0570-016811(IP電話からは03-5251-6811)

  • ウェブサイト受付

(注)金融行政等に関する一般的なご質問等は金融サービス利用者相談室で承ります。

所管

企画市場局企業開示課(庁内用3846、3688)

サイトマップ

ページの先頭に戻る