令和8年2月20日
金融庁
「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」等の公布及びパブリックコメントの結果について
1.パブリックコメントの結果
金融庁では、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案につきまして、令和7年11月26日(水曜)から同年12月26日(金曜)にかけて公表し、広く意見の募集を行いました。
その結果、44の個人及び団体より延べ213件のコメントをいただきました。本件について御検討いただいた皆様には、御協力いただきありがとうございました。
本件に関してお寄せいただいたコメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方は別紙1を御覧ください。
具体的な改正の内容については、別紙2~別紙5を御参照ください。
2.主な改正内容
【1】サステナビリティ開示基準の適用開始に向けた環境整備
令和7年7月に公表された「金融審議会 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ 中間論点整理」において、令和9年3月期から、時価総額が一定規模以上の東京証券取引所プライム市場上場会社に対し、段階的にサステナビリティ開示基準の適用を義務付ける方針が示されたことを受け、必要な制度整備を行うため、企業内容等の開示に関する内閣府令(以下「開示府令」)及び企業内容等の開示に関する留意事項(以下「企業内容等開示ガイドライン」)について、以下の改正を行うとともに、2件の告示を新設します。
(1)サステナビリティ開示基準の適用
- (開示府令第19条の9)
- 「金融庁長官が指定する取引所金融商品市場」に上場する会社のうち、平均時価総額(※)が1兆円以上の会社に対し、「一般に公正妥当と認められるサステナビリティ情報の作成及び開示に関する基準」に従って、有価証券報告書等におけるサステナビリティ情報を記載することを義務づけることとします。
※ 有価証券報告書等の対象事業年度の前事業年度の末日及びその前4事業年度の末日における時価総額の平均値により判定。
- 例①)
-
令和9年3月期の適用の有無の判断に用いる平均時価総額
⇒ 令和4年3月期~令和8年3月期の各末日の時価総額の平均値
ただし、当該前事業年度の末日までに上場後5事業年度が経過していない場合には、経過した事業年度の各末日における時価総額の平均値により判定。- 例②)
-
令和5年5月に上場した会社における令和9年3月期の適用有無の判断に用いる平均時価総額
⇒ 令和6年3月期~令和8年3月期の各末日の時価総額の平均値
- 上記の「金融庁長官が指定する取引所金融商品市場」として、株式会社東京証券取引所プライム市場を告示指定することとします。
- 上記の「一般に公正妥当と認められるサステナビリティ情報の作成及び開示に関する基準」として、サステナビリティ基準委員会が令和8年2月20日までに公表したサステナビリティ開示基準(以下「SSBJ基準」)を告示指定することとします。
- 「金融庁長官が指定する取引所金融商品市場」に上場する会社のうち、平均時価総額(※)が1兆円以上の会社に対し、「一般に公正妥当と認められるサステナビリティ情報の作成及び開示に関する基準」に従って、有価証券報告書等におけるサステナビリティ情報を記載することを義務づけることとします。
- (改正附則第2条第2項)
- SSBJ基準の適用開始年度及びその翌年度については、SSBJ基準に従って記載すべきサステナビリティ情報を記載しないことができ、その場合には、それぞれの翌期の半期報告書の提出期限までに、当該事項を記載した訂正報告書を提出すること(二段階開示)を可能とします(※)。
※ 二段階開示の方法については、別紙1のNo.73、74に対する金融庁の考え方をご参照ください。
- SSBJ基準の適用開始年度及びその翌年度については、SSBJ基準に従って記載すべきサステナビリティ情報を記載しないことができ、その場合には、それぞれの翌期の半期報告書の提出期限までに、当該事項を記載した訂正報告書を提出すること(二段階開示)を可能とします(※)。
(2)SSBJ基準の適用に伴う開示項目の追加
- (開示府令第二号様式記載上の注意「(30)サステナビリティに関する考え方及び取組」 等)
- SSBJ基準上開示が求められる事項の記載のほか、SSBJ基準に準拠している旨、二段階開示やSSBJ基準上の経過措置の適用状況について記載を求めることとします。
- (開示府令第二号様式記載上の注意「(1)一般的事項」及び「(30)サステナビリティに関する考え方及び取組」 等)
- 将来情報やScope3温室効果ガス排出量に関する定量情報について、推論過程等に関する記載及びこれらの情報に係る社内の開示手続の記載を求めることとします。
- (開示府令第四号の三様式「第一部 第2【事業の状況】」及び記載上の注意「(9-2)サステナビリティに関する考え方及び取組等に関する特記事項」 等)
- 前事業年度に係る有価証券報告書の「サステナビリティに関する考え方及び取組」その他の項目において記載した見積りの方法により算定した数値について、確定値が判明し、見積りによる数値と確定値との間に差異がある場合には、半期報告書において記載することができることとします。
(3)Scope3温室効果ガス排出量の虚偽記載等に係るセーフハーバー・ルールの整備
- (企業内容等開示ガイドライン 「B 基本ガイドライン 5-16-2」)
- Scope3温室効果ガス排出量に関する定量情報について、差異が生じる要因や推論過程等、社内の開示手続等が一般に合理的と考えられる範囲で具体的に記載されている場合には、虚偽記載等の責任を負うものではないとする考え方を明示します。
【2】人的資本開示に関する制度見直し
令和7年6月に公表された「経済財政運営と改革の基本方針 2025」、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025改訂版」、「コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクションプログラム2025」において提言されている人的資本に関する開示の拡充のため、開示府令について、以下の改正を行います。
- (開示府令第二号様式「第二部 第4【提出会社の状況】」、記載上の注意「(58-2)人材戦略に関する基本方針等」及び「(58-3)従業員の状況」等)
- 「従業員の状況」の位置を「第1【企業の概況】」から「第4【提出会社の状況】」に移動した上で、新たに以下の事項について開示を求めることとします。
- 連結ベースの企業戦略と関連付けた人材戦略
- ⅰを踏まえた従業員給与等の決定方針(提出会社についての方針(※)に限定可)
- 提出会社の従業員の平均給与の対前年比増減率
※ 提出会社が主として子会社の経営管理を行う会社である場合には、提出会社及び最大人員会社(外国会社を除く連結子会社のうち、従業員数が最も多い会社(当該会社の従業員数が連結会社の従業員数の過半数を超えない場合には、次に従業員数の多い会社も含む。))についての方針。
なお、提出会社が主として子会社の経営管理を行う会社である場合には、最大人員会社についての従業員給与の平均額、その前年比増減率等の記載も必要。
- 使用人のみを対象としたストックオプション制度や役員・従業員株式所有制度を導入している場合には、これらの制度の概要を、「第4【提出会社の状況】」の「1 株式等の状況」に代えて、「5 従業員の状況等」に記載することもできることとします。
- 「従業員の状況」の位置を「第1【企業の概況】」から「第4【提出会社の状況】」に移動した上で、新たに以下の事項について開示を求めることとします。
【3】その他の改正事項
(1)総会前開示への対応
会社の開示負担を軽減し、株主総会前の有価証券報告書の開示を促進する観点から、開示府令について以下の改正を行います。
- (開示府令第三号様式「記載上の注意(1)一般的事項」等)
- 有価証券報告書において、総会前開示を行う場合における定時株主総会又は取締役会の決議事項に係る記載について、自己株式の取得及び剰余金の配当に関する事項のみを求めることとします。
- (開示府令第四号の三様式記載上の注意「(15)大株主の状況」及び「(16)議決権の状況」)
- 半期報告書において、中間配当基準日現在における「大株主の状況」及び「議決権の状況」を記載することができることとします。
(2)特定有価証券に係る半期報告書の提出期限延長申請に係る手続規定の整備
- (特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第28条の2)
(3)株式転換条項の付された社債券について、あらかじめ定められた条件に基づき株式を発行する場合には「有価証券の募集」に該当しない旨の明確化
- (企業内容等開示ガイドライン「B 基本ガイドライン 2-4-1」等)
3.公布・施行日等
本改正に係る内閣府令は、本日付で公布・施行されます。
なお、改正後の規定は、以下のとおり適用されます。具体的な適用時期については、別紙2の附則をご参照ください。
①サステナビリティ開示基準の適用開始に向けた環境整備(上記2【1】)
- 令和10年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等
- ただし、令和8年3月31日以後に終了する事業年度の末日を基準とした平均時価総額が3兆円以上である会社は、令和9年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等
②人的資本開示に関する制度見直し(上記2【2】)、総会前開示への対応(上記2【3】(1))
令和8年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等
本件の2件の告示(別紙3、別紙4)については本日付で公布・適用し、改正企業内容等開示ガイドライン(別紙5)については本日より適用します。
- 問合せ先
-
- 電話受付
受付時間:平日10時00分~17時00分
電話番号:0570-016811(IP電話からは03-5251-6811)
- ウェブサイト受付
(注)金融行政等に関する一般的なご質問等は金融サービス利用者相談室で承ります。
- 電話受付
- 所管
-
企画市場局企業開示課(庁内用3846、3688)


