平成23年東北地方太平洋沖地震による災害に関する保険会社向けの総合的な監督指針の特例措置について

保険会社向けの総合的な監督指針については、各評価項目の字義通りの対応が行われていない場合であっても、保険会社の財務の健全性及び業務の適切性等の確保の観点から問題のない限り、不適切とするものではないことに留意し、機械的・画一的な運用に陥らないように配慮することとしており、今般の東北地方太平洋沖地震の影響については、その被害の甚大さを十分に踏まえ、運用する必要がある。

また、金融機関は、被災地で同地震の影響により貸付条件の変更時に直ちに経営再建計画を策定できない債務者を抱えているものと見込まれるほか、全国で計画停電や原材料の調達難等から財務状況等が一時的に悪化した債務者を抱えているものと見込まれる。

こうした異例の事態を踏まえ、保険会社向けの総合的な監督指針の運用に当たっては、以下の点に留意することとする。

  • マル1III-2-16-3(2)マル3イ.においては、「債務者が実現可能性の高い抜本的な経営再建計画を策定していない場合であっても、債務者が中小企業であって、かつ、貸付条件の変更を行った日から最長1年以内に当該経営再建計画を策定する見込みがあるときには、当該債務者に対する貸付金は当該貸付条件の変更を行った日から最長1年間は貸付条件緩和債権には該当しないものと判断して差し支えない」としている。

    当該取扱いは、今般の同地震の影響により貸付条件の変更時に直ちに経営再建計画を策定できない債務者については、当該債務者が中小企業でない場合であっても、適用できることとする。

    また、同地震の発生前に貸付条件の変更を行い、当該貸付条件の変更を行った日から最長1年以内に経営再建計画を策定する見込みがあると判断された中小企業についても、同地震の影響により同期限内に経営再建計画を策定できない場合には、上記取扱いを再度適用できることとする【注】。

    • 【注】上記取扱いを再度適用する場合における「最長1年間」の起点は、当初、経営再建計画を策定すると見込まれていた日とする。

  • マル2III-2-16-3(2)マル3イ.(注2)においては、「「抜本的な」とは、概ね3年(債務者企業の規模又は事業の特質を考慮した合理的な期間の延長を排除しない。)後の当該債務者の債務者区分が正常先となることをいう」としている。

    今般の同地震の影響により、「概ね3年後の当該債務者の債務者区分が正常先となる」経営再建計画を策定することが困難である場合には、当該「概ね3年」を合理的期間に延長して差し支えないこととする。

(以上)

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