いわゆるファンド形態での販売・勧誘等業務について

平成28年3月1日更新

注意すべきポイント

  • 金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)では、組合などのファンドへの出資を募ったり、ファンド財産の投資運用を行う者に対して、原則として登録を義務付けています。
  • 登録を受けずに、一般投資家に対して、ファンドへの出資の勧誘等をすることは、法律違反の可能性があります。このような無登録業者からの勧誘は、詐欺的な商法であるおそれが高いと考えられますので、一般の皆様は、一切関わりにならないようにしてください。
  • また、登録や届出を行っている業者についても、金融庁・財務局が、その業者の信用力等を保証するものではありません。登録業者等からファンドへの出資の勧誘等を受けた場合でも、その業者の信用力を慎重に見極めるとともに、取引内容を十分に理解したうえで、投資を行うかどうかの判断をすることが重要です。

I  ファンド形態での販売・勧誘等業務の規制について

  • (1)ファンド販売等に係る登録・届出について

    • 金商法では、いわゆる集団投資スキーム(ファンド)持分の自己募集や出資・拠出を受けた財産の自己運用(有価証券等投資に限ります。)を業としている者に対して、金融商品取引業(自己募集については「第二種金融商品取引業」、自己運用については「投資運用業」に該当します。)の登録を受けることを義務付けています。
    • 財務局等に登録が申請されると、これを受けた財務局等は、申請者が登録拒否事由に該当しない場合には登録を行います。
    • また、1人以上の適格機関投資家かつ49人以下の投資判断能力を有すると見込まれる一定の者等を相手とする私募については、登録義務は課されず、適格機関投資家等特例業務の届出を義務付けています(以下、当該届出をした者を「特例業務届出者」といいます。)。
    • 金融商品取引業の登録を受けた者及び特例業務届出者については、「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」でご確認いただけます。
      「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」

※ 集団投資スキーム(ファンド) 持分 もちぶんとは、

○他者から金銭などの出資・拠出を集め、○当該金銭を用いて何らかの事業・投資を行い、○その事業から生じる収益等を出資者に分配するような仕組みに関する権利のことで、法的形式や事業の内容を問わず、包括的に金商法の規制対象である「有価証券」とみなすこととされています。

  • (2)ファンド業者が守る必要のある規制

    登録等を受けたファンド業者及び特例業務届出者が「販売・勧誘」を行う際には、例えば、以下のような行為規制を遵守しなければならないこととされています。

標識の提示義務(金商法第36条の2)

  • 営業所・事務所ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲示。(※)

広告の規制(金商法第37条)

  • 金融商品取引業者である旨及び登録番号などを表示。(※)
  • 利益の見込みについて、著しく事実に相違する表示や、著しく人を誤認させるような表示の禁止。
  • リスク情報は最も大きな文字・数字と著しく異ならない大きさで表示。

契約締結前の書面交付義務(金商法第37条の3)

  • 金融商品取引業者である旨及び登録番号などを記載。(※)
  • 契約の概要や手数料の概要について記載。
  • 「損失が生ずることとなるおそれ」があるときは、その旨を記載。

契約締結時の書面交付義務(金商法第37条の4)

各種禁止行為(金商法第38条)

  • 「虚偽のことを告げる行為」や「不確実な事項について断定的判断を提供して勧誘をする行為」の禁止。
  • 顧客に迷惑を覚えさせるような時間に電話又は訪問による勧誘の禁止 (金商法業府令第117条第1項第7号)等。

損失補てんの禁止(金商法第39条)

適合性の原則(金商法第40条)

  • 顧客の知識・経験・財産の状況及び契約締結の目的に照らして不適当な勧誘を行い、投資者保護に欠けることのないようにしなければならない。

※ 登録業者にのみ適用される行為規制。

II  取引に関する注意(一般投資家の皆様へ)

  • (1)無登録業者に関する問題について

    • 最近、一般投資家を対象とした、無登録業者が取扱うファンドに関する事件が、相次いで報道されています。
    • また、金融庁や全国の財務局にも、無登録業者に関する多くの相談が寄せられています。
    • 金融商品取引業の登録を受けずにファンドの募集や運用をする行為は、金商法により禁止されており、これに違反した場合には刑事罰が課されることがあります。
      無登録業者からの勧誘は、詐欺的な商法であるおそれも高いと考えられますので、一般の皆様は、一切関わりにならないようにしてください。
      • (参考1)無登録業者に関する事件の報道事例

        • 未公開株で運用するファンドの募集をしていたとして、金商法違反(無登録営業)容疑で家宅捜索を受けた業者。
        • FX取引(外国為替証拠金取引)で運用をするファンドの募集をしていたとして、金商法違反(無登録営業)の疑いで家宅捜索を受けた業者。
      • (参考2)金融庁や全国の財務局に寄せられた相談事例

        • 元本保証、高利回りとしてファンドに出資したが、返金に応じてもらえない。
        • 認知症の人に売っている。
        • 金融庁の認可を受けているがファンドに出資しないかと勧誘された。
        • FX取引(外国為替証拠金取引)を使ったファンド。実際は運用せず自転車操業。
          被害者を増やしたくない。
        • パンフレットには書けないが元本保証を口頭で約束すると勧誘された。
        • 母が未公開株の投資事業組合に投資したが5年間は解約できないといわれた。
        • 紹介者にもメリットがあり出資者も損はしないので乗らないかと誘われた。
  • (2)ファンド業者等に関する情報の入手

    • 一般投資家の皆様におかれては、ファンド業者についての情報をできる限り収集し、信頼できる業者であるか否かを自ら判断していただくことが重要です。
    • 無登録業者からの勧誘に応じることのないよう、金融商品取引業の登録や適格機関投資家等特例業務の届出の有無は、必ず確認してください。
    • また、登録や届出を行っている業者についても、金融庁・財務局が、その業者の信用力等を保証するものではありません。登録業者等からファンドへの出資の勧誘等を受けた場合でも、その業者の信用力を慎重に見極めるとともに、取引内容を十分に理解したうえで、投資を行うかどうかの判断をすることが重要です。
  • (3)取引内容の十分な理解

    • ファンド業者が販売・勧誘を行う際には、リスク情報などについて、顧客の知識・経験・財産の状況及び契約締結の目的に照らして、当該顧客に理解されるために必要な方法・程度による説明をしないで契約を締結することが禁じられています。
    • 一般投資家の皆様におかれても、ファンド業者からの説明内容が理解できない状態での契約はなさらないでください。

III  相談先・問合せ先

  • 国民生活センターや住所地を管轄する消費生活センターにおいても相談を受け付けています。

    国民生活センター新しいウィンドウで開きます

  • ファンドに対する一般的なご意見、ご質問、情報提供については、金融庁に設置されている金融サービス利用者相談室でも受け付けています。なお、当相談室では、個別のトラブルについてのあっせん、仲介、調停を行うことはできませんのでご了承下さい。

    金融サービス利用者相談室

  • 登録・届出の要否や手続きに関する相談、法令や監督指針の解釈、その他の情報については、下記の財務局等で承ります。なお、財務局等では、個別のトラブルについてのあっせん、仲介、調停を行うことはできませんのでご了承下さい。

北海道財務局   金融監督第3課   011-709-2311(代)
東北財務局 金融監督第3課 022-263-1111(代)
関東財務局 証券監督第3課 048-614-0044
北陸財務局 金融監督第1課 076-292-7855
東海財務局 証券監督課 052-951-2498
近畿財務局 証券監督第2課 06-6949-6257
中国財務局 金融監督第3課 082-221-9221(代)
四国財務局 金融監督第1課 087-811-7780(代)
九州財務局 金融監督第3課 096-206-9764
福岡財務支局 金融監督第3課 092-411-7281(代)
○ 沖縄総合事務局 金融監督課 098-866-0095

IV  その他(ファンド形態での販売・勧誘等を行おうとする方へ)

  • 登録申請書や適格機関投資家等特例業務の届出書は、本店等の所在地を管轄する財務局(福岡財務支局及び沖縄総合事務局を含む。)又は財務事務所のいずれかに対して提出し、海外法人等については関東財務局に提出することになります(申請書等は各財務局のホームページ等からダウンロードできます)。
  • ファンド業者としての登録が必要な場合及び登録が必要な業務の種別は、以下のとおりです。詳しくは、お近くの財務局等にお問い合わせください。
登録が必要な場合 登録が必要な業務の種別
ファンドの類型 行おうとする業務の内容
有価証券・デリバティブで運用を行うもの 自らファンドを組成し、その販売及び運用を行う場合 投資運用業及び第二種金融商品取引業の登録が必要です。
他の業者が組成・運用するファンドの販売のみを行う場合 第二種金融商品取引業の登録が必要です。
有価証券・デリバティブで運用を行わないもの(事業に投資するものなど) 自らファンドを組成し、その販売及び運用を行う場合 第二種金融商品取引業の登録が必要です。
他の業者が組成・運用するファンドの販売のみを行う場合 第二種金融商品取引業の登録が必要です。
  • 上記の表に記載の業務に該当する場合であっても、適格機関投資家等特例業務に該当する場合には、登録は必要ありませんが、金商法第63条第2項の届出が必要です。届出に関する問い合わせは、お近くの財務局等にご連絡ください。

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